米流時評

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人質解放!ビル・クリントンのYES, YOU CAN外交

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   ||| 金に言わせた YES, WE CAN |||

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 不法入国で12年の強制労働懲役刑判決を受けた米人女性記者二人、ついに解放へ

d0123476_16582178.jpg人質解放の交渉役として、米人の誰もが想定していた
アル・ゴア元副大統領や、北朝鮮との交渉実績のある
ビル・リチャードソン元国連大使をさしおいて、
なんとなんと、現国務長官の夫君が、救出の特命外交に。

 それが、わずか24時間前の臨時ニュースで、
 一夜明けた今日は、早くも「人質解放!」で沸き立っている。

 何なんだ、この即決の氷解ぶりは?
 今まで何か月も国務省が呻吟してきた難問が、
 ビルの一声で解決を見た。
 (もっとも人質解放だけで、核問題は依然むずかしいだろう)
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 果たして「金ちゃん、ごめん」と言ったのか、
 「猊下、許してくだされ」と懇願したのか?
 それとも、「あなた方にも平和外交はできる」というビルの甘言にのって
 金の方から「YES, WE CAN」と答えたのか?
 
 捕虜取引には応じないという米国政府の大前提からいって
 今回の交渉は、あくまで人質の個人レベルでの人道的救出
 そういう建前を、交渉の最後まで通さなければならない。

 しかし、ヒラリーがぴしゃりと貼った「わがまま坊や」のラベルを
 地球を半周して、平壌にふんぞりかえる金正日の額からはがすのに、
 ビル・クリントンは、いったいどういう剥離剤を使ったのだろう?
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 あるいは、今後の対北外交をスムーズに誘導する
 マジカルな潤滑油でもふりかけてきたのか?
 
 実際に金とビルの間で、どういう言葉が交わされ、
 いったい何が交換条件として申し出されたのかは、
 多分オバマから次の政権へ代わる時点まで
 公けに明らかにされることはないだろう。
 
 それが国家外交の機密だ。
 現役は沈黙するのみ。

 いや、元大統領であれば退役将校の最たる者だが、
 ビルの場合、現役の外交官が束になっても叶わない
 ネームバリューと外交の馬力を確保している。
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 むしろ法規の枷がなくなり、現役時代よりもますます自由に
 世界を縦横無尽に飛び回れるようになったように見える。
 
 彼のそういった二次的な、
 いわば「亜閣僚」としての存在価値は、
 オバマが大統領に選出されて以来、
 ワシントン雀の口に 何度上がったことだろう。

 私自身、当初オバマが 民主党の予備選でヒラリーを破った時点で、
 「ヒラリーを重用して国連大使にすればいいのに」と思っていたら、
 組閣でなんと、国務長官に大抜擢した。
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 イランや北朝鮮の核問題を抱える 現在の米国にとっては、
 ひょっとすると、副大統領よりも厳しい激務を、連日連夜
 世界の各都市へ飛んでこなさなくてはいけない要職である。
 
 そして現在まで、彼女はその重責をむしろエンジョイして
 各国代表との外交交渉を次々とこなしているように見える。

 しかし、北朝鮮との間は、ブッシュ時代よりも悪化したかに見えた。
 さらには プーケットで開催されたASEANで、
 北の外交代表と丁々発止の舌戦を展開してしまった。
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 まあ、それだけ彼女は、譲れないところは譲れない
 自分の本心には嘘のつけない人間なのかもしれない。
 
 もし彼女のあの強硬な姿勢が、今回の夫君の快挙を引き出すための
 弓をひきしぼるような、伏線としての後方助走だったとしたら、
 これは素晴らしい、コンビネーション外交のテクニックである。
 米国らしく、レディファースト。婦唱夫随である。

 これは、オバマ外交の一大特徴かもしれない。
 当初は逆方向へ引いておいて、
 反対派からまで なんで走らないのかと揶揄される状況を創り
 弓を引き絞った状態にしておいてから、いきなり走り出す。
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 走るというよりも、加重と加速と外部からの風圧とで、
 ロケットのごとく発射! というほうが当たっている。
 
 つまり、国民の苛立ちや、評論家の風当たりといった
 反撥力までも、起動力・瞬発力に同化応用してしまう、
 ちょっと今までにないポリティカル・ダイナミクスだ。
 
 そんな観念が、すでに存在しているのかわからないが、
 「政治力学」という言葉が実にぴったりな動きである。
 
 もはや地政学のような、20世紀型の二次元的戦略外交の論理は
 瞬発で潮目の変わる、時代の速度についていけないでいる。
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 ロスやニューヨークの住民が、
 Twitterを介して テヘランの市民と
 瞬時にコミュニケートできてしまう時代。
 
 ラビア・カーディル女史の悲しみを
 東京の人間の方が、ワシントンの政治家よりも
 即座に理解できてしまう時代。

 そういうふるいをかけない生の情報で、思いを共有し
 国境も人種も越えた、ひとりの生身の人間同士として
 素直に一体化できる時代に、私たちは生きている。
 私たち自身の声が、時代を創り変えていく時代に。
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 何か久々に、クリントンの鮮やかな外交の成果に対して
 お見事!という快哉が、アメリカ全体から聞こえたので
 いつもながらの、どうでもいい 野次馬的駄文を連ねてしまいました。
 本来の記事はこの次のエントリで、真面目にお届けしたいと思います。
 
 もうひとつ。夢をあきらめない、思いを捨てないことの大事さ。
 機会ある毎に、TVのモーニングショーや報道番組に出てきては
 無事に帰還を訴え続けてきた、二人のジャーナリストの家族たち。
 
 もしかしたら、新しい道が拓かれたのかも知れない。
 たとえ絶望的でも、決してあきらめてはいけない。
 北朝鮮に拉致連行された、日本人の人質の方々も、
 家族のもとへ無事に帰る日が、近いうちに必ず実現することを願って。

 【米国時間 2009年8月4日『米流時評』ysbee 】
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d0123476_11564496.jpg◀ 次号「北のエンドゲーム 人質解放に成功したクリントン」
▶ 前号「ビル・クリントン 米記者解放交渉特命で北朝鮮へ」

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by ysbee-2 | 2009-08-04 14:15 | トンデモ北朝鮮
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