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テロ戦争8年目のCHANGE・パキスタンのタリバン

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     ||| テロ戦争8年目の CHANGE |||

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 タリバンに始まりタリバンに終わるか、
 テロ戦争8年目 米軍戦略のCHANGE

d0123476_16582178.jpg 9/11以来ブッシュ時代を通して、
 アルカイダやタリバンの木っ端司令官は
 数多く殺されたり、逮捕されたり、
 文字通り「Dead or alive」の状態で報道されてきた。

 しかし、彼らはみな下士官クラス。
 前線の兵士が3〜4年実戦経験を積めば、いくらでも後釜が据えられ
 組織は再生を繰り返してきた。
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 組織の機能が麻痺するほどの、大物の捕獲や死亡というのは
 8年間のテロ戦争の長い期間でも、十指に満たない。
 
 その中でも首領格の死と言えば、
 06年イラク アルカイダの、アブ・ムサブ・アルザルカウィと
 07年5月に、アフガンタリバンの首領だった片目のオマールの、
 そのまた片腕だった、ムラー・ダドゥラーぐらいなものである。
 (オマールも、実はすでに死亡しているという説も有力)

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 毎年米国の国庫から数百億ドルのテロ戦争費用を費やしながら
 アフガンとパキスタン国境の、
 俗にタリバニスタンと蔑称される地域は
 近年ますます タリバン勢力が猖獗をきわめ、
 
 一時はパキスタン政府が、スワット地方の自治を
 タリバンシンパの地方豪族に任せたりする事態も起こった。

 彼らは、ブッシュの傀儡政権と言われた
 ムシャラフ大統領の軍事独裁政権に反対し、
 「反米愛国」というその一点で共通する、
 タリバンの統制を受け入れてしまった。

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 もちろん、宗教的な観点で、
 近代的民主主義を排斥して
 中世以来のイスラム教の教義で社会を規制する
 シャリア=イスラム法の実施にしがみついたせいもある。

 しかし、このタリバンのマニフェスト、
 見ると聴くとは大違いで、

 小中学校を爆破したり(イスラム教以外の学習を禁じる)
 女子には学習そのものを禁じたり……
 (女性は家に所属する資産の一部!)

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 アフガニスタンのはなはだしい例では、
 登校途中の女子中学生の顔に硫酸をかけたり……
 
 英語を習っているというだけの理由で
 校庭で惨殺された男の子もいた。

 日常生活では、既婚女性にブルカ着用を命じ、
 親族の男性の随行がなければ、単独では外出できない。

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 男性にはひげ剃りを禁じたり
 テロ組織の財源となるアヘン栽培を奨励したり……

 というイスラム原理派の、ばかばかしいまでの
 時代錯誤の因習に染まった、狂信的生活規範を強要。

 さらに、スワット谷住民を恐怖に陥れたのは、
 鞭打ち刑、石打ちの刑、斬首刑……
 
 中世以来の残酷な極刑を再現。
 公開処刑にして、見せしめにしたことである。

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 タリバンをかばう物好きな人物は、
 現代の日本にはまず存在しないと思うが、
 8年間のテロ戦争を、メディアを介してだが見聞してきた
 私から言わせていただければ、
 一言で言って「中央アジアの蛮族」である。

 だから、その首領(間違っても総司令官などと呼べる代物ではない)が
 ミサイルで殺されたと聴いて、安堵の声は出すが、
 今回ばかりは同情はしない。

 何しろ、昨年のイスラマバードのマリオットホテル爆破や
 パキスタン国内で頻発した爆破テロ。

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 さらには07年のベナジール・ブット元首相暗殺も
 彼の指令の元に実行されたのだから。

 その犠牲者総数は、
 遺体を確認できただけでも1200体以上。

 現地警察の内部事情に精通する者の説では、
 行方不明も含めて、2千人を越えるという。
 
 そのほとんどが、政治とは無関係な一般の市井人である。
 ましてや、老人や幼いこどもも含めて。

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 もし現代にも、人非人とか極悪人とかいう言葉が通用するなら
 このバイツラ・メスードこそ、その名にふさわしいだろう。
 
 通常のミサイル攻撃には、忸怩たる思いがあるが、
 今回の一撃だけは、認めてもいいと思う。

【米国時間2009年8月7日『米流時評』ysbee 訳】


>次号「特報!米ミサイルでタリバン首領メスード爆死」へ続く
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【スワット谷 百万人のエクソダス】2009年5月
 5/07 第1章「百万人の難民エクソダス・パキスタン最前線レポート」
 5/08 第2章「スワット谷のエクソダス・タリバニスタン民族大移動 」
 5/09 第3章「さらば中世! タリバン恐怖政治の終焉」
 5/10 第4章「21世紀狂気の蛮族・タリバン最期の日々」
 5/10 第5章「テロ戦争終章へ・アフパキ前線のエンドゲーム」

【イラク戦争特集】2007年『米流通信』イラク戦争記事一部リスト
 07/2/06 「アメリカはなぜ勝てない?イラク戦争諦観」
 07/8/23 「イラクの4年半・長く熱い終わらない戦争」
 07/9/10 「ペトレイアス将軍のイラクレポート」

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*スワット地区へ戻った住民が反タリバンに転向し、政府が武器を供与して自警団を形成したいきさつは次号で詳説↓

d0123476_11564496.jpg◀ 次号「特報!米ミサイルでタリバン首領メスード爆死」
▶ 前号「帰郷・独房生活140日間 北の悪夢の果てに」
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by ysbee-2 | 2009-08-07 22:36 | タリバニスタン最前線
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