米流時評

beiryu2.exblog.jp ブログトップ

鳩山文化大革命・デザート政策の致命的欠陥

f0127501_128435.gif

   ||| 政治はデザートハウスではない |||


d0123476_1811249.jpg
 鳩山政権が連発するデザート政策は、
 日本の官公庁の「人的・知的資産の喪失」を招く

d0123476_16582178.jpg 米国時間 2009年9月4日 『米流時評』ysbee

 次期鳩山政権の打ち出そうとしている施策が次々に明らかになるにつれ
 そのあまりの無謀さ加減に、不安を通り越して、めまいさえ覚える。

 それはまるで、女・子供に受けのいいデザートを連発して
 日本人の主食である米作は、儲からないからやめてしまえ、
 というような、目先の人気取り政策の羅列に見えてしまう。

 ひとつひとつの政策に関しては、編集人のみなさんが
 各自のブログのエントリーで論証してらっしゃるので、
 外地在住で詳細に関してうろんな私は、言及を控えるが、
 ひとこと言わせてもらえれば、政治はデザートハウスではない。

d0123476_924950.jpg

 いかに愚民でも、愚痴をこぼさずにはいられないほどの愚策。

 例えば、その端的で極端な一例が、公務員削減である。
 しかし、数字のマジックにだまされてはいけない。

 「国家公務員 30万人の人員削減」とうたっているが、
 それはとりも直さず、30万人の失業者を出すこととなる。

 解雇される者の家族を勘定に入れれば、全国で30万世帯
 およそ120万人の家族が、一挙に路頭に迷う事態を生む。

d0123476_933799.jpg

 彼らに対する退職金や、失業保険金の支給額も膨大なはずだ。

 さらに、ひとりひとりの家庭の事情を考えれば、
 住宅のローンやらクルマの割賦やら、
 さらには、子供さんの教育費・進学費用など………

 100万人のそれぞれの人生が、
 挫折と屈辱への路線変更を余儀なくされ、運命が一瞬で暗転する、
 取り返しのつかない悲劇を生むだろう。
 その社会的罪の重さは、計り知れない。

 もちろん、無駄な経費は削減すべきだが、
 この30万人の公務員は、果たして「ムダ」な人材なのだろうか?

 30万という数字をはじき出した根拠は、どこにあるのか?

 各省庁の管理職と充分話し合った上での決定なのだろうか?

d0123476_941078.jpg

 どうも、それ以外の杜撰な改革案からも察せられるように、
 波及効果の大きさや、現場で発生するであろう機能障害など
 人的な相乗作用を緻密に検討した上での数字ではなさそうだ。

 最大の痛手は、各省庁で汗を流す現場職員の意欲喪失である。
 上からのツルの一声で首が飛ぶ、恐怖政治のような職場環境。

 事務次官と言う「立法と行政のもっとも有効なパイプ役」を、
 小面倒くさい邪魔者、と短絡の判断で一蹴し処分してしまう。

 その結果「お上」の指令を、批判もなく唯々諾々と飲み込む
 腐った卵だけが残る結果になりはしまいか。

d0123476_9273731.jpg

 一連の公約を眺めても、何か政策というよりも、むしろ
 まるでキャッチコピー程度の浅薄さなのが、見え見えで
 その財源を、いったいどこから持ってくるのか?
(元来経験の無い者に、それを判断する能力を持ち得るはずがない)

 こうした未熟な連中に国全体をあずけるのか、と思うと
 いかに外地住まいと言えど、ぞっとする。

 一連のいわゆる「革命的」と自賛しているらしい
 改革案とやらが繰り出されるにつけ、
 脳裏を横切るイメージを払拭できない。

d0123476_9301963.jpg

 それは、あの文化大革命のマニフェストを連呼して、
 経験も責任もない若者たちが、赤い毛沢東手帳をふりかざして、
 旧来の体制すべてを、善し悪しの判断区別すらせずに
 一挙に破壊し廃棄していった、紅衛兵たちの行進のイメージだ。

 海外からも、その実績で高い評価を受けている日本の官僚制度。
 米国のオバマ政権でさえ、勤勉で優秀な「官僚」の見直しをしている。

 亡くなったテッド・ケネディも「パブリックサービス」の重要性を
 ことあるごとに、身をもって強調してきたではないか。

 政府の政策が行政の現場で、実質的に有効に機能するかどうかは、
 ひとえに優秀な官僚たちの、地道な努力と献身に
 無言のうちに支えられてきたからではないのか。

d0123476_9314483.jpg

 また、各省の次官たちが、指導体制と現場の実情とを擦り合わせ、
 試行錯誤に費やす時間と予算の無駄を省く、着地可能な実施案で、
 リスクを最小限に抑える法案実施の実績を、
 戦後60年余り、日夜 積み重ねてきたからではないのか。

 そうした「熟練」の価値をみくびるのは、日本の損失である。

 たまさか浮上する腐敗官吏の汚職を、
 それ以外の大部分の、勤勉で良心的な公務員に当てはめるのは、
 あまりにもマスコミのいいなりで、酷である。

d0123476_12143151.jpg

 残業に押し潰されるような毎日を、家族のためというよりも
 仕事のため、日本のためと覚悟して、むち打って働いているお役人を
 私は何人も、何十人も身近に見てきたし、
 都市開発のプロジェクトを通して、一緒に仕事をしてきた。

 「そんなに根をつめて仕事すると、死んじゃうよ」
 と言ったり言われたりしながら、
 プロジェクトの納期に間に合わせるために、幾晩も徹夜を続け
 本当に過労で死んでしまった仲間も、長い人生で3人ほどいる。

d0123476_933642.jpg

 その事業がうまくいくかどうかは、担当する者の「熟練」の度合いと
 いやになるくらい比例するものだ。
 それは、その業界で修練を積んで、10年以上経って初めて痛感する、
 職場の方程式であり、仕事の法則だ。

 人心・風紀刷新はいいが、良き老練職員の経験まで切り捨てるのは、
 その職場の資質を、いちじるしく喪失する。
 鳩山氏に、企業を運営した経験がおありなら、
 そうした「職場の知恵」は、いやおうに身にしみていたはずである。

 それは、官公庁と民間法人との区別なく、
 金には換算することのできない、
 あらゆるビジネスの現場での、恩恵であり、資産である。

d0123476_1216199.jpg

 ものごとを前へとおし進めるパワーの根源であり、
 最終の目的地まで飛行し続ける、ビジネスの本能、
 内なるスピリット、そのものである。

 温故知新。

 経験は尊ばれこそすれ、うとまれるべきものではない。
 それは、成功を目指す社会の、地図でありコンパスである。

 それは、コンピュータの数値にはけっして現れない
 既得の、貴重な人的・知的資産である。

d0123476_9335411.jpg

 もしも職場に「伝統」というべきものが存在するなら、
 その会社なり省庁は、断絶することはない。

 日本の社会そのものが、格好のモデルでもあるが
 伝統と言う、目に見えない存在そのものが、
 これまでの日本を牽引する精神の軌道であったはずだ。

 それはまた、仕事と人生という表裏一体の運命を
 明日の社会へと動かし続ける根源のエネルギー、
 人間の「血」であり「魂」であるだろうから。

 【米国時間2009年9月4日『米流時評』ysbee】
d0123476_12204054.jpg

d0123476_11564496.jpg◀ 次号「日中コンセンサス? 全体主義国家への危険な傾斜」
▶ 前号「エイリアン鳩山+プーチン小沢=デンジャラス・ジャパン」
d0123476_1023580.jpg
d0123476_12274896.jpg
記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/10222083
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/10222083

d0123476_1539544.jpg
  いつもご愛読いただきまして大変ありがとうございます。ワンクリックがブログのエネルギーです!
 d0123476_12465883.gif

ブログランキングでは、ベスト10にカムバックまでもうひとがんばり!
  
d0123476_164733.gif

 ブログ村では国際政治部門です。応援のクリックをよろしく!


d0123476_14585794.jpg
 G o o d  N e w s  B a d  N e w s  E v e r y t h i n g  I n  B e t w e e n

||| 米流時評 ||| 最近の記事リスト
d0123476_20305687.jpg
9/12 オバマのアフガン危機・増兵でWHのブレーン対立
9/10 マクリスタルのアフガン戦略転換・増兵案の三択
9/09 どうなる日本?米国から見た日本戦後体制の終焉
9/08 日本の政体の地殻変動・これからはじまる亡国の4年
9/07 民主党アメーバ政権の誕生と日本の構造破壊
9/06 日米分断の海溝・民主党が掘る巨大なる墓穴
9/05 日中コンセンサス? 全体主義国家への危険な傾斜
9/04 鳩山文化大革命・デザート政策の致命的欠陥
9/03 エイリアン鳩山+プーチン小沢=デンジャラス・ジャパン
9/02 メディアはメッセージ「鳩山ショック」の原因は媒体にあり
9/01 ハトヤマ・ショック!米国から見た日本の政権交代

* A u g u s t  /  S e p t e m b e r *d0123476_17124236.gif

8/31 R.I.P. アメリカ民主主義の魂 テッド・ケネディ
8/30 ケネディ家最後の英雄、アーリントン墓地に永眠
8/29 感動4日目、テッド・ケネディの壮麗なる葬儀
8/27 スクープ!北朝鮮発イラン行き武器密輸船をUAEが拿捕
8/26 巨星墜つ、ケネディ上院議員死す。享年77才
8/20 6. リビア人テロリスト釈放の陰にBP英国石油の闇取引
8/19 5. 完結編・貨物船消失は嘘?世界をペテンにかけたロシア
8/18 4. 貨物船オデッセイ・ロシアが隠蔽する海賊事件の真相
8/17 3. 貨物船ミステリー10の疑惑・積荷の真相は核兵器関連?
8/16 2. 謎の貨物船カーボベルデ沖で発見!ロシア人乗組員は無事
8/15 1. 今度は地中海の海賊? 消えた貨物船アークティックシーの謎
8/10 タリバンのエンドゲーム・テロ戦争の潮目
8/09 スワット谷の夜明け・タリバン戦線の鍵を握るパシュトゥン族
8/08 特報!米軍爆撃でタリバン首領メスード爆死
8/07 テロ戦争8年目のCHANGE・パキスタンのタリバン
8/05 帰郷・北の独房生活140日の悪夢の果てにd0123476_8371975.jpg
8/04 解放・ビル・クリントンのYES, YOU CAN外交
8/03 特命・ビル・クリントン、米記者解放交渉で北朝鮮へ

* J u l y  /  A u g u s t *

7/28 イランの民主革命で甦る米国独立宣言のスピリット
7/27 さらば独裁!イラン第二革命に沈黙するオバマ外交
7/26 テヘランは革命前夜か?イラン独裁体制からの脱出
7/22 黄昏のラプター F22廃止・軍産複合体に半世紀目の楔
7/21 オバマの軍縮・軍産複合体の解体へ大いなる第一歩


[PR]
by ysbee-2 | 2009-09-04 08:54 | 日本のパワーシフト
line

世界の動きがよくわかる!激動する国際情勢を、欧米メディアでディープに読む…世界の「今」と真実探求に関心ある知的冒険者へ送るグローバル情報満載ブログ


by ysbee-2
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31