米流時評

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パワーシフト後編・親米から親中へ 急変する日本と東アジア

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  ||| 後編・急変する日本と東アジア |||

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 親米から親中へ。保守政権の戦後体制終焉で急変する、日本と近隣諸国の勢力地図
 

d0123476_16582178.jpg 総選挙での民主党の圧勝以来、今後の日本の針路に危機感をおぼえ、
 あちこちのブログで編集人のみなさんの卓見を伺っている。
 その中でも、以前から愛読しているブログだが、素晴らしい眼力で
 大局から細部まで一部始終を見透かしている編集人がいらっしゃる。

 毎回のエントリで、緻密な分析でずばりと指摘する『世に倦む日々』。
 政見ブログとしては、そのへんの政治評論家が足下にも及ばない
 研ぎすまされたレーザー光線のような洞察力で、
 時事の表裏の舞台装置から、それぞれの政治家の心理のひだまで
 見事に摘出して解析し、そうだったのかと膝を打つこともしばしば。

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 政局の透析写真のような解説の確かさは、
 あたかも、時事分析の脳外科医のようだ。
 個々の政治家の心理状況から、近未来の政局予測まで、
 いつもずばりと的中する。

 毎回欠かさず愛読している中から、
 9/12号の「小選挙区制と "精神なき専門人"」のさわりの一部を抜粋。
 冒頭に立花隆氏の総括文を掲げているが、
 まさにその通りと、うなづかずにはいられない。
「政策抜きで『政権交代』を連呼するだけの
 どぶ板選挙戦術が成功する国とは、
 政治文化が恐ろしいほど貧しい国ということでもある」
 〜〜『週刊文春』立花隆氏衆院選総括より
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投票日から今日までの間、民主党の若手議員たちが
クローズアップ現代や報道ステーションなどのテレビ番組に出まくり、
キャスターの前で嬉しそうにペラペラ舌を回すのを見たが、
不愉快で苛立つ気分を抑えられない。

彼らの頭の中にはマニフェストは暗記されているが、
国民生活の窮状など何も問題に感じておらず、
格差や貧困への関心の欠片すら見えて来ない。

彼らは単なる政策官僚 あるいは職業政策家であり、
国民代表としての政治家ではないのだ。
ウェーバーの言う「精神なき専門人」こそ彼らの代名詞に他ならない。
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小選挙区制と比例代表制での政治家のセレクトは、
選挙区の有権者ではなくて 党本部がするのだ。


政治家になりたい人間は、地域の有権者に
自分の能力や実績を示して認めてもらうのではなく、
党本部に売り込むか マスコミに売り込んで、キャリアパスを掴むのである。
中央の予備選考で全てが決まる選挙になった。
 …………
口先でぺちゃくちゃ器用に政策知識を並べ立てることと、
国民の支持と信頼を得て政治勢力を率いることとは違う。
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現在の政界において、政治家たちはどれもこれも小粒で
マスコミに飼育されている家畜同然であり、
マスコミとの間で緊張関係に立っている人間が皆無に等しい。

有権者から投票を受けて選出されているはずの議員が国民代表となっておらず、
彼らは自分を政策解説者だと思っていて、
すなわち政党は政策専門家集団になっていて、
政治は相互に対立する二つの政策専門家集団が
(マスコミが操るところの)支持率を争うゲームになっている。
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本来、政治に必要なはずの 世界観や社会の羅針盤や真善美の価値判断は、
日本では マスコミの政治リーダーたちが一切を仕切っていて、
彼らが国民にテレビで「政治常識」を供与し、
テレビに出る「政治家」たちに言い含めて従わせている。

政策専門家である「政治家」たちは、
テレビの権力者たちに 理念や価値観のレベルで反論することはない。

哲学と哲学を戦わせる経験を経なければ、指導者は育たない。

自己の理念や理想を 現実の支配システムに挑戦させ、
現実の壁に激突させて勝利を得た者でなければ、
政治集団を率いることなど絶対にできないのだ。

 *以上、ブログ『世に倦む日日』9/12号「小選挙区制と精神なき専門人」からの抜粋です。

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 最近の記事でことに面白かったのは、<民主党内部抗争>についてのエントリでした。
 私などは日本の週刊誌を読む機会もないので、
 どうしてそこまで見抜けるか? と驚嘆した次第。 以下ほんの一部抜粋です。

私は、小沢一郎はキングメーカーに止まるだけで満足せず、
首相を狙う挙に出るのではないかと予想している。
代表選に出馬すれば、間違いなく代表に帰り咲けるのだから。

仮にそうなったとき、マスコミは国民に信を問えと言い、
新代表(新首相)は解散して総選挙しろと言うに違いない。
小沢一郎が幹事長の民主党は、選挙に強いが、
小沢一郎が党首(首相)で戦う選挙は、そうとは限らない。

もし鳩山由紀夫が、岡田派(前原・野田)を連れて党を出て、自民党を糾合し、
そこに橋下徹が入り、経団連とマスコミの支持を受けたとき、
そのときはどうなるか。

選挙は小沢民主党の圧勝とは予測できない。
マスコミとアカデミーは「二大政党制」を作るべく必死で、
民主党の圧倒的勝利は排除しようと動く。
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現在、上に述べた民主党内部の陰湿な権力闘争とは別に、
国内政治の大きな対抗軸ができていて、
それは小沢一郎vsマスコミという対抗図である。

自民党が政治勢力として無力化した現在、マスコミが
経団連の政策意思を実現する勢力として前面に出る図式になっている。

新自由主義を蘇生させると同時に「二大政党制」を復活させる道、
それは民主党を左右に二つに割り、反小沢勢力と自民党を合同させることだ。
鳩山由紀夫の頭の中には、すでにそのシナリオが描かれているのではないか。

 *以上『世に倦む日日』9/15のエントリ
 「民主党内部の熾烈な権力闘争〜鳩山新政権の本質は財務省主導」から一部抜粋で紹介。

 【米国時間 2009年9月17日『米流時評』編】

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  SEPTEMBER 17, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年9月17日号
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 日本のパワーシフト・後編 親米から親中へ、急変する日本と東アジア
 米国時間 2009年9月16日午前2時37分 | AP通信・東京支局発 | 訳『米流時評』ysbee

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Untested Party Takes Helm in Japan Power Shift
New prime minister faces economic challenges, seeks change in U.S. ties
SEPTEMBER 16, 2009 | Associated Press — TOKYO | Translation by ysbee

11. Soggy economy by global recession
Continued from the previous issue — Although it has recently shown some signs of improvement, Japan's economy remains deeply shaken by the global financial crisis and unemployment is at a record high of 5.7%. Japan's rapidly aging population also threatens to be a drag on public coffers as the number of taxpayers decreases and pension responsibilities swell.

グローバル不況による経済低迷
前号「日本のパワーシフト前編・保守から革新へ、日本の歴史的大転換」からの続き
ここ数年、景気回復の兆しを幾分かは見せているとはいうものの、日本の経済はグローバルな財政危機のあおりを受けて痛手を負ったままであり、その失業率は過去最悪の5.7%を記録している。さらに悪化の傾向に拍車をかけているのが、急激に老齢化する日本社会の人口構成であり、その結果、納税者人口の減少と反比例して老齢年金の支払総額が急増するにつれ、国庫の財源逼迫が危機を迎えてきていた。
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12. Voters hope for change to upturn economy
"I want to the people to feel that their pocketbook situation is improving, even a little, as soon as possible," Hatoyama said at a press conference. Voters expressed hope for change and an upturn for the economy. "I think it is good that now we are trying something new to change the stagnation," said Osamu Yamamoto, a 49-year-old company employee.

時流の転換で景気回復を望んだ有権者
「私はできるだけ早く、国民の皆さまのフトコロ状態にゆとりが出てきたと感じられるような状況にしたいと存じます。」鳩山首相は、就任直後の記者会見で、景気回復への抱負をこう明らかにした。また、政権交代にあたっては、有権者も「変革への希望」を持ち経済が上向きになることを期待しているようだ。
「私たちも経済の閉塞した状況を変えるように、何か新しい試みをやってみたほうが良いかなと思ってますよ」49才の会社員、山本つとむさんは、政権交代に対する感想をこう語った。
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13. Priorities on urgent issues
Experts said they had doubts about how effective the new government will be. "People and employment problems — these are urgent needs," said Yoshinobu Yamamoto, a professor of international relations at Tokyo's private Aoyama Gakuin University. "The new government needs to decide on its priorities."

緊急課題の解決に優先順位を
しかしながら経済問題の専門家は、新しい政権が景気回復に対して果たしてどれだけの効果を生み出すものか、むしろ懐疑的なのが実情である。青山学院大学 国際政治経済学部の山本吉宣教授は、この件に関して次のような意見を述べる。
「老齢化社会と失業問題は、すぐに解決に取り組まなければいけない緊急課題です。新政権は、まずどの問題から先に手を付けなければいけないのか、優先順位の決定を下すことが肝要です。」

*参照:山本吉宣青山学院大教授の「インフォーマル帝国論」〜百花斉放 日本国際フォーラム
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14. More equal footing with Washington
Hatoyama will also be tested quickly on the diplomatic front. He has said he wants to attend the General Assembly in the United Nations in New York next week and possibly meet with Obama. Hatoyama has said he wants to build a foreign policy that will put Tokyo on a more equal footing with Washington, while keeping the United States as the "cornerstone" of Japan's diplomacy.

米国政府と対等の立場に立つ独立外交
鳩山首相はまた経済問題と並行して、外交の最前線においてもただちに真価を試される局面を迎える。来週ニューヨークの国連本部で開催される国連総会に出席する意向を明らかにしており、それと前後して多分オバマ大統領とも会談するだろう。
鳩山氏は就任前には、米国を日本の外交における大黒柱の対象とする姿勢は変わらないながらも、「日本政府を米国政府とより対等な立場におく」という新たな外交政策を構築したいとも語っていた。
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15. Seeking closer ties particularly with China

He is also seeking closer ties with Japan's Asian neighbors, particularly China. Some members of Hatoyama's party have said they want to overhaul the U.S.-Japan security alliance under which 50,000 troops are deployed throughout Japan.

特に中国との緊密な関係を望む鳩山政権
彼はまた、東アジア地区における日本の隣国との友好、その中でも特に中国との国交を緊密にする施策を練っている (seeking closer ties with…)。
さらに鳩山氏が党首の民主党の中でも数人の議員は、日本各地の米軍基地に5万名の駐留米軍が駐屯する状況を認める、日米二国間協定を反古 (ほご) にしたいと主張していた。
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16. Marines relocation from Okinawa to Guam

That idea has met with strong opposition from Washington, although plans are already under way for 8,000 Marines to be relocated from the southern island of Okinawa to the U.S. territory of Guam. Hatoyama said he has no intention to back down on plans to push for a review of the U.S. military presence in Japan.
米軍海兵隊沖縄基地のグァム移転問題
しかしながら、8千名の米軍海兵隊の基地を日本の南の島沖縄から米国領土内のグァムへ移転する計画が進行中であるとはいえ、民主党一部議員のもつ日米安保条約を廃棄する考えは、米国政府側からの強い反対に逢っていた。さらに鳩山氏自身は、日本国内にある米軍基地の存在を再検討するよう推進する法案に関しては、撤回する意向はないとも伝えられていた。
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17. Building a relationship of trust with Obama

"I would like to build a relationship of trust with President Obama. In order to deepen our trust, it would be most important for us to exchange views frankly," Hatoyama said at the press conference. "That's the first step."
「オバマ大統領との信頼関係を築きたい」
米国との外交関係に関しては、鳩山首相は記者会見でこう述べている。
「私は、オバマ大統領との信頼関係を築きたいと思います。相互の信頼を深めるためには、お互いの意見を率直に交換することが、もっとも重要だと考えます。それがまず、友好の第一歩です。」 <了>

【 米国時間 2009年9月17日『米流時評』ysbee 訳 】
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▶ 前号「日本のパワーシフト・保守から革新へ、歴史的大転換」

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G o o d N e w s B a d N e w s E v e r y t h i n g I n B e t w e e n

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by ysbee-2 | 2009-09-17 14:40 | 日本のパワーシフト
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