米流時評

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第4章 核のターゲットはイラク・アフガニスタン駐留米軍

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   ||| 深まる中東危機 米露独仏のスタンス |||
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イラン「米が軍事行動に出ればイラク・アフガンの駐留米軍を攻撃」
仏外相、核戦争の可能性警告 米、国連へ第3のイラン経済制裁提案


イラン・テヘラン発 |イラン革命政府軍のモハンメド・ハサン・コウセヘチ司令官は、19日水曜国営のIRNA紙上で、イスラエルのシリア領空侵犯爆撃で緊張の高まる危機的状況に際し、イラクとアフガニスタンに駐留している米軍に関して、米国に対し次のような警告を発した。
「現時点で万一米国が、イランもしくはシリアに対して軍事行動を取るならば、イラクとアフガニスタンに駐留している米軍はイラン軍に取り巻かれてる状況に気づくことになるだろう。なぜなら、わが国と米国が軍事的に対立すれば、米軍は当然イランの公然たる軍事攻撃目標(legitimate Iranian targets)となるからだ。今日駐留米軍はイランと目と鼻の先におり、わが国を取り囲んでいるつもりかもしれないが、それは米国側のイラン包囲を意味している訳ではない。逆に我々から見れば、米軍は駐留地点で我々とその援軍に包囲されており、我々の攻撃の手がすぐ届く範囲にいるということに他ならない」・・・(本文より)

【訳者注:「イランと目と鼻の先」とは、具体的にはイランの西隣イラク、東隣アフガニスタン、北西にトルコ、ホルムズ海峡をはさんでカタール、AEIアラブ首長国連邦、サウジアラビアと、すべて米国の傀儡政権、もしくは親米政権の国家に取り巻かれている状況を指す。こうした中で、ロシアとの隘路にあたる北の隣国トルクメニスタンを、イランとロシアが同時に盟邦国として抑えている事実は、明記しておくべき重要事項であるように思われる。この陸路が断たれれば、イランはロシアからの軍事・物資援助を空路、あるいはカスピ海の水路で行わなくてはならなくなり、多大なリスクを背負う羽目になるからである。】


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SEPTEMBER 22, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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  A S S O C I A T E D P R E S S

仏も核戦争を警告 イスラエルの侵犯は第2の湾岸戦争に発展するか
米国時間 2007年9月19日 | イラン・テヘラン発/AP通信 | 訳『米流時評』ysbee



8. Looming fears of Gulf nationsd0123476_851721.jpg
Iran's ambassador to Kuwait said in an interview with the Kuwaiti Al-Rai newspaper that U.S. bases in the Gulf would be targeted if the country was attacked. "Iran won't immediately strike U.S. bases in the region if it comes under a military strike. It will hit the base from which the strike against it came," Ali Jannati told the newspaper. "But I don't think the Gulf nations would allow that a strike be launched from their territory." Kuwait has a major U.S. base, which helps supply troops in Iraq. The U.S. 5th Fleet, which patrols the Gulf, is based in Bahrain, and the U.S. forces' Central Command is based in Qatar.
高まる湾岸諸国の緊張感
クウェート駐在のイラン大使は、地元紙 Al-Rai のインタビューに応えて、次のようにイラン側の見解を表明している。「万一わが国が軍事攻撃を受けた場合でも、イランはペルシャ湾岸地域にある米軍基地を即座に攻撃はしない。イランは、その攻撃に直接手を下した基地にのみ反撃する。しかし(イラン以外の)湾岸諸国は、自国内にある米軍基地からイランへの攻撃が発進されるのを許すとは考えられませんが」クウェート駐在のアリ・ジャンナティ大使は、このように攻撃の条件を限定する発言をした。
クウェートは中東地域での主要な米軍基地を擁し、イラク駐留米軍への物資輸送の拠点となっている。また湾岸地域の領海パトロールを実施する米国海軍の第5艦隊は、ペルシャ湾に面したバーレーンを寄港基地にしており、米連合軍の中枢司令部も、首都カタールに本部を置いている。
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すでにホルムズ海峡では常駐組となった米海軍空母USSステニス/ステニス甲板から発進する戦闘爆撃機ホーネット

9. 'U.S. troops are within our range'
A top Revolutionary Guards commander said this week that Americans could be found all around Iran and that they were legitimate Iranian targets if the U.S. takes military action. "Today, the United States is within Iran's sight and all around our country, but it doesn't mean we have been encircled. They are encircled themselves and are within our range," Gen. Mohammed Hasan Kousehchi told IRNA, referring to U.S. units in Iraq and Afghanistan.
イラン「米駐留軍も攻撃対象」
イラン革命政府軍のモハンメド・ハサン・コウセヘチ司令官は、19日水曜国営のIRNA紙上で、イスラエルのシリア領空侵犯爆撃で緊張の高まる危機的状況に際し、イラクとアフガニスタンに駐留している米軍に関して、米国に対し次のような警告を発した。
「現時点で万一米国が、イランもしくはシリアに対して軍事行動を取るならば、イラクとアフガニスタンに駐留している米軍はイラン軍に取り巻かれてる状況に気づくことになるだろう。なぜなら、わが国と米国が軍事的に対立すれば、米軍は当然イランの公然たる軍事攻撃目標(legitimate Iranian targets)となるからだ。今日駐留米軍はイランと目と鼻の先におり、わが国を取り囲んでいるつもりかもしれないが、それは米国側のイラン包囲を意味している訳ではない。逆に我々から見れば、米軍は駐留地点で我々とその援軍に包囲されており、我々の攻撃の手がすぐ届く範囲にいるということに他ならない」
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アフガニスタンで76カ国の連合軍を率いる駐留米軍も6年目/イラクは「国破れて惨禍あり」市民戦争の悪夢が続く

10. Pressing UN's third sanction
In Ankara, Turkey, on Wednesday, Undersecretary of State Nicholas Burns called for U.N. Security Council members and U.S. allies to help push for a third round of sanctions against Iran over its nuclear program. Burns said Washington was "pursuing peaceful diplomacy," and urged Iran to cooperate. However, he said the "responsibility lies with Iran to choose negotiations." "We are going ahead to try to sanction Iran again, and we hope very much to have the support of Russia and China and the other countries in the council for that," Burns said. "We have very strong support of France and Britain in this respect."
米、イランへ3度目の経済制裁提案
一方19日水曜トルコのアンカラでは、当地を訪問中の米国のニコラス・バーンズ国務次官が、国連安保理事会のメンバーと米国の友好国に対して、核開発を止めないイランへの3度目の経済制裁案を推進するのに協力するよう要請したと発表。
「米国政府はあくまで平和的外交を推し進め、イランにもその遂行に協力を求める。しかしながら交渉を選択する責任はむしろイラン側にある。米国はもう一度、イランに対して経済制裁を下すよう鋭意努力している段階であり、国連の理事会においてロシアや中国ほかの国々からも支持を得られることを切望する。幸いフランスと英国からは、その方向でたいへん強い支持を頂いている」バーンズ国務次官は、トルコでの取材陣に対し以上のように状況説明した。
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トルコで取材される米バーンズ国務次官/国連で潘基文事務総長と馴れ合うオルメルト/国連でのクーシュネル外相

11. Moscow's opposition to 3rd sanction
Russian Foreign Minister Sergey Lavrov on Tuesday signaled Moscow's opposition to a third round of sanctions, and praised a recent agreement between Iran and the International Atomic Energy Agency aimed at resolving outstanding issues. U.N. Secretary-General Ban Ki-moon urged Iran to cooperate fully with the IAEA, the U.N.'s nuclear watchdog agency, and the Security Council to settle the dispute, saying the United Nations wants a peaceful solution. Two U.N. resolutions imposing sanctions on Iran have failed to persuade the country to suspend uranium enrichment.
ロシアは3度目の制裁に反対
これに先立って18日火曜、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は、イランに対する3度目の経済制裁の国連決議提案に反対する意見を表明した。さらに、国連の原子力査察機関であるIAEAがごく最近イランとの間に取り交わした、開発計画を停止する上で保留になっていた事項に関する合意書を高く評価し、再考を促した。
一方国連の潘基文(パン・キムン)事務総長は、イランに対して核の査問機関(watchdog)であるIAEAの指示に全面的に従うよう要請し、そうすれば安保理事会が紛争を解決できるとし、「国連はあくまで平和的解決を望んでいる」と述べた。過去においては国連の決議によって、イランに対してすでに2度の経済制裁が実施されたものの、同国が「核兵器原料を製造するウラン濃縮工程」を停止するよう説得する点で、いまだに失敗に帰したままである。
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イラン閣僚アガザデヘ氏の表敬訪問を受けるロシアのラヴロフ外相/ロシアは3度目の対イラン経済制裁に反対表明

12. U.N. General Assembly next week
Tehran insists the program is aimed at producing energy for civilian use but the U.S., its European allies and many others fear the program's real aim is to produce nuclear weapons. Burns said he would host a meeting Friday with the participation of permanent members of the Security Council "to look at the elements of a third resolution." Talks on a third U.N. resolution that would impose new sanctions on Iran were expected next week in New York, when world leaders attend the annual ministerial session of the U.N. General Assembly. "All countries should do their best ... to sanction Iran on their own according to their laws," Burns said.
来週NYで国連年次総会開催
テヘランのイラン政府は、同国の核開発プログラムは、あくまで電力供給のための原子力エネルギー開発であると主張し続けてきた。しかし、米国と西側諸国、および他地域の数多くの親米政権国家は(日本・オーストラリア・韓国・インド....etc.)、イランの核開発計画の真の目的は核兵器の製造に他ならないと見抜き、脅威を感じている。米国側の動きとしては「第三の解決要案」を策定するために、先述の米国国務省バーンズ次官が、安保理事会の恒久メンバーに参加してもらう会合を21日金曜主催すると表明した。
国連本部で、イランに対する新しい経済制裁を適用する決議案について話し合う会議は、来週ニューヨークの国連本部で開かれる予定であるが、この時期は国連の年次総会で世界各国の指導者が一同に会する期日とも重なっている。「全ての国の代表は、それぞれの国の法規にのっとれば、イランへの経済制裁の方向でベストを尽くすべきでしょう」バーンズ次官は国連会議への抱負をこう語った。
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国務省のバーンズ次官 本来はライス長官の補佐役だが、今回のイスラエル・シリア危機ではかなりな重要発言も

13. Possible EU economic sanctions
On Sunday, Kouchner said France had appealed to major companies such as oil giant Total and gas giant Gaz de France not to bid for projects in Iran. He also said France and Germany were preparing possible European Union economic sanctions against Tehran beyond existing U.N. measures. "The whole trend is away from commercial engagement and toward sanctions whether that's Security Council sanctions or individual sanctions," Burns said. He said U.S. allies and friends Turkey, Germany, Japan, South Korea and India should consider similar actions.
仏外相「EUもUN以上の経済制裁を」
先週の16日日曜の時点で、フランスのクーシュネル外相は、今回のイスラエル・シリア危機に間する同国の意向を次のように表明している。「フランスは、石油会社Totalやガス会社Gaz de Franceのようなわが国の巨大エネルギー産業をになう主要企業に対して、イランとのプロジェクトに投資しないよう警告した」と報告している。
さらにバーンズ次官は今回のEUの措置について、次のように詳説している。
「フランスとドイツは、現行の国連措置の規定をはるかに上回る経済封鎖を、EUがテヘランに対して課する施策を検討中である。国連安保理事会と提携するかたちかEU独自の規制案かは未定だが、いずれにしろEU加盟諸国とイランとのあらゆる輸出入契約が反古になる方向での、経済封鎖の施策である。EUの加盟国以外でも、テロ戦争での米国との同盟国であり友好国である、トルコ、ドイツ、日本、韓国、そしてインドなどの国々もまた、イランに対して同じような措置を適用するべきだと望みます。」  [了]

【米国時間 2007年9月22日 訳『米流時評』ysbee】
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今年5月に11年続いたシラク旧体制を刷新 サルコジ「ナポレオン」政権の新外相クーシュネル氏も親米体制を表明

d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/6215621
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次号 中東核戦争 第5章 消された記事『中東代理戦争』へ続く
以下「中東核戦争」の記事を継続して掲載します。なにぶん事態が極めて流動的であり参考記事も膨大なため、掲出順序やタイトルの変更も予想されますので、よろしくご了承ください。

 ||| 中東核戦争 特集記事 |||d0123476_8345660.jpg
 序 章 中東核戦争前夜?急浮上するシリア対イスラエル核紛争
 第1章 戦争挑発行為?イスラエル爆撃機のシリア領空侵犯
 第2章 シリア対イスラエル 中東核戦争の危機は本物か
 第3章 新・ジェリコの闘い イランのミサイル報復作戦
 第4章 深まる中東核戦争の危機 国連とEUの新経済制裁
 第5章 ラマダンとヨムキッパー 老将ナタニヤフの誓い
 第6章 アフマディネジャドの大発見 米・イスラエル諜報交換
 第7章 アフマディネジャドの大糾弾 イスラエルの核施設
 第8章 アフマディネジャドの大遠征 NYに吠える中東の狼


||| 『米流時評』 特集記事 |||
中東のパワーラビリンス 特集 | イラク戦争 関連記事特集 | 安倍首相辞任と総裁選 特集

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秋 と は 名 ば か り の 常 夏 の 庁 舎d0123476_8305032.jpg

いつもご愛読いただき、大変ありがとうございます。
「ブッシュの戦争」はイラク戦争だけでは終りません。
ネオコンの描いた「中東ニューワールド」の構想では、
初めから、イランが最終のゴールとしてありました。
地図を見れば、アフガニスタンとイラクにはさまれ、
石油利権をめぐるオセロゲームに出たのは一目瞭然。
ブッシュ家とサウディ王室の関係も大きな要因でしょう。


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by ysbee-2 | 2007-09-22 08:15 | 中東核戦争
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世界の動きがよくわかる!激動する国際情勢を、欧米メディアでディープに読む…世界の「今」と真実探求に関心ある知的冒険者へ送るグローバル情報満載ブログ


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