米流時評

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プーチン、イランの核販促カスピ海ツアー

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   ||| プーチン「核の販促」カスピ海ツアー |||
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暗殺計画発覚無視、カスピ海サミット出席でロシアンパワーを確認
アフマディネジャド大統領とイランの核施設建設をめぐって直談判


米国時間2007年10月15日 ドイツ・ワイスバーデン発 |ロシアのウラジミール・プーチン大統領は、ロシア秘密警察によって訪問予定先イランでの暗殺計画が暴かれたにもかかわらず、15日月曜以前からの計画通りイランを訪問する予定に変更はないと語った。「もし自分に対する暗殺の脅威に気遣って行動を左右したなら、私は自宅から一歩も外へ出ないだろう」プーチン氏は暗殺の危険性に対する覚悟をこう説明した。(訳者注:プーチン大統領は16日開催予定のカスピ海サミットに出席する途上、ドイツでメルケル首相と会談、今日は初めてイランを訪問しアフマディネジャド大統領と核施設について討議する予定である)

Putin to Go to Iran Despite Assassination Report
First trip to Tehran by a Russia leader since wartime summit in 1943
OCTOBER 15, 2007 EST | Germany — Associated Press | Translation by ysbee
WIESBADEN, Germany — Russian President Vladimir Putin insisted Monday that he would travel to Iran despite reports about a possible assassination attempt, saying if he paid attention to all the threats against him "I would never leave home."


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OCTOBER 15, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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 Associated Press | GERMANY

プーチンのカスピ海ツアー:イランの核施設建設促進か
米国時間 2007年10月15日午前9時54分 | ドイツ・ワイスバーデン発・AP通信 | 訳『米流時評』ysbee


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「帝政ロシアの首飾り」ユーラシアの回廊に連なる旧ソ連邦諸国に関するロシア語での情報サイト Eurazja.org

1. Talk with Iranians about nuclear program

The Kremlin said Putin was informed about the threat. But the Russia president said his trip was planned long in advance and that he would talk with Iranian leaders about their disputed nuclear program, although he stressed the original purpose of the trip was to discuss issues affecting states bordering on the Caspian Sea. "Of course I am going to Iran," Putin said at a news conference with German Chancellor Angela Merkel following talks with her. "If I always listened to all the various threats and the recommendations of the special services I would never leave home."
イランの核施設に関する討議
クレムリンのロシア政府は、プーチンは暗殺が計画されていたことは知らされていると言う。しかし今回の訪問旅行は、本来の目的は「カスピ海上の国境線を左右する問題に関しての会議」であったと強調しているものの、本命は「プーチン大統領自身がイランの指導者たちと核開発問題に関して討議するため」に、随分長い期間事前に計画されていたものであった。
カスピ海サミットへ出席する旅の途中で立ち寄ったドイツの、アンジェラ・メルケル首相との会談後の共同記者会見の席で、プーチン大統領は「もちろん、ワシはイランへ行く。」と断言した。「もしワシが、諜報機関から耳に入ってくる脅しや箴言をいちいち聴いて、我が身大事に身の安全を優先していたら、ワシは家から一歩も外へ出られないじゃないか。」
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地下資源の豊富なカスピ海は地政学上の要衝 ロシア・カザク・トルクメニスタン・アゼルバイジャン・イランが囲繞

2. Russia building Iran's first nuke plant

Putin underlined the need to solve the nuclear problem "through peaceful measures," adding that it was important to make direct contact with Tehran whenever the chance presented itself. Russia, which is building Iran's first nuclear plant, has resisted the U.S. push for stronger sanctions against Tehran and strongly warned Washington against using force. But it has urged Iran to comply with international controls on its nuclear activities and dragged its feet on the plant's completion.
イラン核施設第1号を建設するロシア
ドイツでの共同記者会見での声明で、プーチンは「テヘランのイラン政府が直接話し合う機会を提示した時には、いつでもその提案を受けて直接折衝することが重要である」と補足説明しながら、イランの核問題は「平和的手段」によって解決する必要があると強調した。
ロシアは、イランで第一号の核燃料プラントを建設中だが、米国が推進しているイラン政府に対する経済制裁強化案には抵抗を示しており、米国政府がイランに対して武力行使をする件に関しては、ロシア側から強い警告を発している。しかしイランの核開発に対しては、国際的開発規制基準を遵守するよう勧告したとはいうものの、実際にはロシア自体がイランの核施設の竣工に向けて足をつっこんでしまっていることも事実である。
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カスピ海沿岸のリゾート地はロシア人は避寒地、イラン人は避暑地として利用 写真はイラン国営のNIOCホテル夜景

3. Iran's slow payment delays procedure

Putin's Tehran trip repeatedly has been postponed, as has the launch of the nuclear plant. Russia warned early this year that the plant in the southern port of Bushehr wouldn't be launched this fall as planned because Iran was slow in making payments. It has also delayed the shipment of uranium fuel for the plant. Iranian officials have angrily denied any payment arrears and accused the Kremlin of caving in to Western pressure.
建設費支払いの遅延で遅れる工程
核施設の始動に合わせるはずだったプーチンのテヘラン行きは、これまで何度も予定されていたが、工期が延び延びになっているため、その都度延期になっていた。
今年早々にロシアは「イラン南部の港湾都市ブッシェヘルに建設中の核プラントが、予定通りこの秋に運転開始することはないだろう」と警告した。その理由は、イランのロシアへの工事費の支払いが予定よりも遅れているからと説明している。同じ理由でロシアはまた、このプラントの使用する核燃料のウラニウムの輸送も送らせている。
しかしイラン政府側では、支払い面での滞りを否定しており、ロシアは西側が強行するイランの核兵器開発に対する貿易制裁の圧力に屈したと、ロシアを非難していた。
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「アフマディよ、支払いが遅いやんけ」「イラクのムタタダとレバノンのナスララに貸付けしてますだ。
イラクが片付くまでちょっくら待ってくらっせー、お代官さま。いやプーチン雷帝どの」


4. First Kremlin trip to Iran since 1943

During his visit to Iran, Putin is to meet with President Mahmoud Ahmadinejad and attend Tuesday's summit of Caspian Sea nations. He is the first Kremlin leader to travel to Iran since Josef Stalin attended the 1943 wartime summit with Winston Churchill and Franklin D. Roosevelt. Putin's trip would be important for Iran even if it yielded no agreements. "It's a break in international isolation, a chance to show that Iran is an important country," said Alexander Pikayev, a leading expert on Iran with Russia's Institute for World Economy and International relations.
ロシア主席のイラン訪問はスターリン以来
イラン訪問中、プーチンは月曜にマフムード・アフマディネジャド大統領と会談した後で、火曜日のカスピ海国家サミットに出席する予定になっている。1943年第二次大戦中の連合国首脳会談で、当時のソ連主席ヨセフ・スターリンが英国のウィンストン・チャーチル首相と米国のフランクリン・ルーズベルト大統領とともに列席したヤルタ会談は、歴史のピボタルポイントとして有名であるが、プーチンのイラン訪問は、たとえその結果何の合意にいたらなくとも、スターリン以来の画期的出来事として重要な契機になると、国際間では受け止められている。
「今回のプーチンのイラン訪問は、この国の国際的に孤立した立場を一変するチャンスであり、イランもまた世界にとって重要な位置にある国だという事実を国際社会に知らしめる好機である」こう評価するのは、ロシアの世界経済国際外交研究所のアレクサンドル・ピカイェフ所長である。
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1943年のヤルタ会談:英国チャーチル首相、米国ルーズベルト大統領、ソ連スターリン主席の連合軍戦時首脳会談

5. Iran emphasizes importance of trip

Iranian media also emphasized the importance of Putin's trip. Iran's state television said the visit would "show Russia's independence from the United States." "Iran can use the visit to lobby for getting our nuclear dossier out of the U.N. Security Council and Russia can strengthen its opposition to the U.S. through boosting ties with Tehran," the hard-line daily newspaper Resalat said in an editorial Monday.
Last week, Putin bluntly spelled out his disagreements with Washington, saying that he saw no "objective data" to prove Western claims that Iran is seeking nuclear weapons.

イラン、訪問の歴史的重要性を強調
イランの国営メディアもまた、プーチン訪問の重要性を強調して報道している。イラン国営テレビは「今回の訪問は、米国にいっさい左右されないロシアの独立した立場を示すものである」と報道している。「イランとしては、今回のプーチンの訪問を『ロシアがイランとの絆をより固いものにすることによって、国連安保理からイランの核開発に関する案件を引き抜くと同時に、米国への反対意見を強硬にするレバレッジとして、外交の場で使えるだろう。」イランの強硬派が購読する日刊紙「Resalat=リサラット」は、以上のような論説を月曜の紙面に掲載している。
先週プーチンは「イランが核兵器を造ろうとしている」という西側の非難を証明するための「物的証拠資料」は何ら見当たらないと述べて、米国政府に対する彼の手厳しい反対意見を表明したばかりである。
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ソ連邦崩壊後のどん底のロシアの経済と外交力を立て直し、今やロシアン・ツアー「ウラジミール大帝」のプーチン

6. Disputes over $1 billion deal of plant

Though Russia has shielded Iran from harsher sanctions in the U.N. Security Council, its relations with Tehran have been hurt by disputes over the $1 billion deal to build the nuclear plant. Iran also has continued its own enrichment program, saying it wants to produce fuel by itself — an effort that has heightened international suspicions. Low-enriched uranium is used to fuel nuclear power plants, but highly enriched uranium can be used to build nuclear weapons. Iran has insisted that its program is meant purely to generate electricity, and it has stonewalled a Russian proposal to move the enrichment to Russia.
10億ドルの核施設建設費用をめぐる確執
ロシアが、国連安保理におけるより厳しい経済制裁措置からイランを守ってくれたのは事実だが、ロシアのイラン政府との関係は、10億ドル(約1200億円)の核プラントの建設契約をめぐって交わされた両国の議論のおかげで、かなり疎遠にはなっていた。
さらにテヘラン政府は、国内で独自に燃料供給のできるように、イラン独自の核燃料濃縮工程の計画を進めてもいた。そもそもこの研究開発計画が、国際的な疑惑を高める原因となった大元である。劣化ウラニウムは、原子力発電所の燃料棒に用いられるが、高度に濃縮されたウランは、核兵器の材料として使用される可能性があるからである。イラン側では、この開発計画はあくまで純粋に原子力発電用を意図したものであると主張しており、ウラン濃縮工程をロシアに委譲するよう勧めるロシアの提案には耳を貸さなかった経緯がある。
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プーチンの表情はシェークスピア劇の悪役のように味がある/ロシア軍部首脳と計画中の軍事施設を建設模型で議論

7. EU considers tightening sanction

European Union nations on Monday were considering more sanctions or other measures against Iran, with a meeting of foreign ministers planning to warn that Iran's time is running out. Diplomats said EU governments were to warn Iran of "further appropriate measures" if it fails to cooperate, notably new economic and political sanctions that could include investment bans, or scrapping export credit guarantees.
EUさらに厳しい経済制裁を検討
一方月曜の段階では、EU加盟諸国はイランに対するより厳しい経済制裁とまた別の方法での制裁を検討中であり、各国外相が会談して「核開発を即時断念しなければ、イランは時間切れになり、さらなる制裁を受ける羽目になる」と警告を発する予定でいる。「EUの政体はイランに対して、万一核開発廃止への協力がイランから得られなければ、従来とは異なる適宜な手段、すなわち資金投資の禁止や貿易借款の保証を廃棄したりする、新しい形態での経済面・政治面での制裁手段に訴える予定でいる」と、この件にたずさわる外交官たちは表明している。
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プーチンは旧来のナショナリストは元より若い層にも人気がある「NASI」と呼ばれるプーチン支持派のデモ

8. Euro trade to Iran fallen by 37%

Britain's Foreign Secretary David Miliband said European trade to Iran had already fallen "by about 37 percent in the year to May," signaling that the EU was serious about punishing Iran. "The EU is playing its part in signaling very clearly to the Iranian regime that they need to abide by the successive U.N. Security Council resolutions," Miliband told reporters.
イランとのEU貿易が1年で37%減少
英国政府デーヴィッド・ミリバンド外相の報告によると、ヨーロッパ諸国とイランとの貿易額は、今春5月までの1年間で約37%も急落した。これはイランへの懲罰に関して、EU諸国が真剣に取り組んだ現れと言えよう。「EUはイランのイスラム革命政権に対して、国連安保理の解決策を踏襲して道を譲る必要があると、今後もきわめて鮮明に打ち出す役割を果たしていくでしょう」ミリバンド外相は報道陣のインタビューに答えて、こう明言した。
【米国時間 2007年10月15日 訳『米流時評』ysbee】
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19世紀以来、カスピ海沿岸のバクー油田で地政学上の要衝であるアゼルバイジャンと、周辺のユーラシア地域の歴史と現状に関しては、『米流時評』でも6月に「ユーラシアの回廊」として特集して解説しました。ご参照ください。

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by ysbee-2 | 2007-10-15 16:00 | プーチンのロシア
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