米流時評

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第4話 グローバルな核の時代を許した恐怖の構図

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  ||| グローバルな核の時代 恐怖の構図 |||
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英国関税Gメンが暴露する核取引の闇市場とドバイネットワーク

第3話からの続き |英国関税密輸Gメンのアミンもまた、この世界の常として、通常インテリジェンス組織の捜査方針の方が、警察や関税捜査などの司法組織のそれよりも、時として重要視されるならいは覚悟の上だった。しかし「核の脅威」というような大問題にかぎって見れば、彼に言わせればそれは大変な間違いである。「それは、どの時点で逮捕に踏み切るか?という問題だ。」彼はその点を強調して問いかける。
「問題は、判った時点ですぐに抑えるべきだったのか、それとも4年後に一網打尽にするべきか?なのですよ。しかし、たとえ4年後にネットワーク全体を捕まえたところで、核と言うブツを野放しにしてきたことで、どれだけ世界に脅威となる状況を生み出してしまったでしょうか?」

米国時間 2007年10月30日 | NBCニュース特捜班スクープ |『米流時評』ysbee 訳
»» インテリジェンス秘話『ドクター・カーンと核のネットワーク』
第1話「ドクター・カーンのグローバルな核のブラックマーケット」
第2話「英米 » ドバイ » パキスタン » リビア の核の密輸ルート」
第3話「北朝鮮とイランの核所有はカーン発ドバイ経由」
第4話「グローバルな新しい核の時代を許した恐怖の構図」


Dr. Khan's Nuclear Connection: Pakistan » Dubai » Iran
British agent says he alerted U.S., U.K. to A.Q. Khan's network in 2000
OCTOBER 30, 2007 EST | NBC News — BREAKING | Translation by ysbee
By Richard Greenberg and Robert Windrem — NBC News Special Investigation Team
BREAKING — As the U.S. and Europe brace for a showdown with Iran over that country’s nuclear program, a former British Customs investigator is asserting that the West missed a golden opportunity to disrupt Tehran’s nuclear effort seven years ago.


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NOVEMBER 1, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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  N B C N E W S | B R E A K I N G

第4話「グローバルな新しい核の時代を許した恐怖の構図」
米国時間 2007年10月30日 | NBCニュース特捜班スクープ | 『米流時評』ysbee 訳
By リチャード・グリーンバーグ/ロバート・ウィンドレム | NBCニュース特捜班プロデューサー


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1. An intelligence quarry, 'a brave fellow'
One former senior U.S. intelligence official described Amin as a “brave fellow” who was “right in his investigation” but wrong in his conviction that Khan’s network should have been shut down immediately after his discovery.

d0123476_21251730.jpgA second former senior intelligence official agreed, telling NBC, “We felt it was necessary to gather enough intelligence so that when we ripped up the network, we got it root and branch, not just knocking off the head and having the rest of it regenerate.”


CIAのアミン評「勇敢な奴だ」
米国の元諜報機関のエージェントデスクは、アミンを評して「勇敢な奴だ」と感心する。彼の評価では、アミンの捜査方法は正しいとしているが、カーン博士のネットワークを発見した時点で、ただちに摘発するべきだったと悔やむのは間違っていると言う。もうひとりのエージェントデスクもその説に同意であり、NBCのインタビューに対して次のように答えた。「われわれからすると、疑惑のネットワークを一網打尽にするためには、必要十分なインテリジェンスを蒐集する必要があり、その結果、組織の根から枝葉末節まで一挙に摘発できる。しかし、トップだけやっつけても残りを放置すれば、組織はいずれまた復活する怖れがある。」

2. Decade-old U.S. disruption on Khan’s activities
Persuading Pakistan to act against Khan also was a concern, according to this official. “It was hard enough to get the Pakistanis to act when we provided them all the detail we did. If we had asked a couple years beforehand, the answer would have almost certainly been no.” In fact, efforts by the U.S. to disrupt Khan’s activities outside Pakistan date back to at least 1998.
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港湾都市ドバイに訪れる夕闇 運河沿いに立つこの国の元首でもあるシーク=首長サイードの広壮な居城


10年に及ぶカーン博士の活動妨害
この諜報デスクの話によると、パキスタン政府に対して、カーン博士を摘発するように説得するのも、もう一つの苦労だったらしい。「パキスタンの連中に、われわれが入手したすべての詳細情報を与えても、彼らは一向に動こうとしないんですから。もしわれわれ(CIA)が実際よりも1・2年前に彼らに頼んでいたら、彼らパキスタン人の答えは、おそらくノーに決まってましたよ。」実際、パキスタン国外でのカーン博士の活動を止めようとした米国の努力は、少なくとも1998年から続いていた。

3. Did Khan deal with North Korea?
According to retired Pakistani Brig. Gen. Feroz Khan, then a senior military official, top U.S. diplomats asked Pakistan about Khan’s dealings with North Korea, and Pakistani officials in turn questioned him. "In my presence, he completely denied he had any linkage on nuclear issues with North Korea,” the Pakistani general told NBC News. He said Pakistani officials believed A.Q. Khan, in part because the scientist had made authorized trips to North Korea for a “non-clandestine” deal involving missile and conventional technology. Later, it was determined that Khan had provided Pyongyang with centrifuge technology.
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カーン博士は北朝鮮にも核を売ったか?
この件に関しては、パキスタンの退役軍人で当事者だった元陸軍大隊長フェロズ・カーン将軍が内情に詳しい。当時米国国務省の外交官が、パキスタン政府に対してカーン博士が北朝鮮と取引があるかどうかを、彼に訊ねた。そこでこのパキスタンの退役将校は、カーン博士に直接質問したそうである。「私が面と向かって訊いた限りでは、カーン氏は核をめぐっての北朝鮮とのつながりは一切ないと、完全に否定しました。」このパキスタンの退役将校は、NBCの取材に対してこう答えた。
しかしながら彼の伝えるところでは、パキスタン政府高官でさえも、「A.Q.カーンはミサイルと最新テクノロジーを含む『密輸』ではない貿易取引のために、北朝鮮から特別入国許可を受けて、現地へ数回渡った」という事実を承知していたという。
後に2006年に北朝鮮が核とミサイル実験を強行するに及んで、カーン博士が北朝鮮に対してウラン濃縮の核の技術を売り渡したことは、決定的事実となった。

4. Global network covered three continents
In February 2004, then-CIA director George Tenet described the “unrelenting” investigation: “Working with our British colleagues we pieced together the picture of the network, revealing its subsidiaries, scientists, front companies, agents, finances, and manufacturing plants on three continents. Our spies penetrated the network through a series of daring operations over several years. The arrests were made in South Africa and Europe."
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イランの核装備に対するカーン博士の役割
イランに関しては、このパキスタン退役将校の話では「1990年代にA.Q.カーンがイランへ送った濃縮ウランは、すでに旧くて使い物にならない」そうである。しかし「イランがもっとも開発を進めたのは2002年と翌03年なので、必ずしもA.Q.カーンのおかげではない」とも言っている。
その説の通り、2003年の2月には IAEA国連原子力事務局のモハメド・エルバラダイ事務局長が、ナタンツにあるイランのウラン濃縮プラントを視察したが、一気に1千本ものウラン燃料棒を使用して施設で作動しているのを見て、あらためてイランの核技術の著しい進展に驚いたと伝えられている。

5. Iran now claims 3,000 centrifuges
Last month, President Mahmoud Ahmedinajad said Iran had reached its long-stated goal of producing 3,000 centrifuges. If that claim is true — and some experts are skeptical — it would be enough to generate the amount of highly enriched uranium needed for at least one nuclear weapon within a year. Today, the United States is still trying to recover from the impact of the Khan network, and doing what it can to thwart Iran from developing nuclear weapons.
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イラン、すでに3000本の核燃料棒保有
先月マフムード・アフマディネジャド大統領は、イランがついに長い間の目標だった燃料棒3千本を製造したと発表した。もしこの声明が事実であるならば、(一部の専門家は疑いの目を向けているが)1年間に少なくとも1個の核爆弾(原爆)を製造するのに必要な濃縮ウランの総量に該当する。今日イランの核問題に遭遇している米国は、カーン博士の核のネットワークの衝撃から、いまだに回復しようと躍起になっているのが現状だ。そして、イランの核兵器開発を阻止するために全力を尽くしている。

6. Trying to thwart Iran from nuclearization
Tehran, which denies pursuing nuclear weapons, has claimed that the United States and other Western intelligence agencies have engaged in sabotage by inserting defective and even dangerous equipment into the supply pipeline for the Iranian centrifuge program. A former senior intelligence official confirms as much, telling NBC News: “I don't know how much is bad equipment and how much is sabotaged, but they're not fantasizing when they say the Great Satan is engaged in sabotage.”
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イランの核開発と米国諜報活動
核兵器調達を否定しているイラン政府は「米国や他の西欧諸国のスパイ組織が、イランの核燃炉計画に対して燃料供給のパイプラインに危険な部品を挿入したりして、サボタージュ行為を行なっている」と非難している。しかしNBCニュースが取材した限りでは、米諜報機関の元部長はこう答えている。「私の立場では、イランの核施設にいったいどれだけ悪い部品が装填されて、どれだけサボタージュが行なわれたのかは知る由もない。しかし、彼らイラン人が『偉大なる悪魔がサボタージュに取り組んだ』と言っているところをみると、あながち誇大妄想ではなくて、実際かなりな被害があったのかも知れない。」

7. Nuclear black market remains lucrative
A.Q. Khan remains under house arrest in Pakistan. U.S. authorities have never questioned him directly. Some of his partners have faced criminal charges elsewhere. Experts like former U.N. weapons inspector David Albright consider the response since then “tepid.” The nuclear black market, Albright told NBC News, “remains a lucrative business and the chance of getting caught and punished isn’t that great.”
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核の闇市場、依然として活況
A・Q・カーン博士は、現在パキスタン国内で自宅幽閉の処遇にある。米国のFBIや関税捜査局はいまだかつて、カーン氏を直接尋問した形跡は見られない。しかし、世界各地に散らばっている氏のビジネスパートナーの中には、すで有罪判決が下りている者もいる。国連の核兵器監査員だったデーヴィッド・オルブライト氏は、イランの核開発が「ぬるま湯」的に初歩的な段階だった当初の捜査を振り返って、NBCニュースのインタビューに対しこう感想を述べた。
「核のブラックマーケットは、今日でも莫大な利益のあるビジネスだ。しかも、その件で逮捕されたり罰せられたりするリスクは、実のところ、いまだに不相応に少ないままである。」 [了]

【米国時間 2007年11月1日 訳『米流時評』ysbee】

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by ysbee-2 | 2007-11-01 21:30 | テロとスパイ陰謀
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