米流時評

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アナポリスの奇跡!中東平和会議は陰謀か?

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 ||| アナポリスの奇跡?中東平和会議陰謀論 |||
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パレスチナ問題世紀の解決なるか?アナポリス中東平和会議への疑惑

d0123476_18552829.gif何が奇跡かって?それはですね、「中東」と「平和」がひとつのセンテンスに納まる事がまず不可能ということですね。それを米海軍の由緒ある軍港アナポリスで開催、というのが手術台の上の蝙蝠傘とミシンです。しかもそれを呼びかけたのがブッシュ政権だというのが、今までの外交感覚からしてまずありえない設定です。
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プロデューサー・ライス
さらにこの会議の前宣伝として、プロデューサー役の国務省とコンドリーザ・ライス長官が大々的にうたっていたのが「イスラエルとパレスチナの和平協定への第一歩」。聖書よりもはるかに旧いアラブとユダヤの闘争が、ここへきて大団円を迎えたら、マホメッドもキリストも兜を脱ぎます。おまけにとどめを刺すかのように、最後の土壇場で参加の手を上げたのが、なんとシ・リ・ア! 
イランのアフマディネジャドが「アサドよ、おまえもかーっ!」と絶叫しているのが聞こえます。
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国防総省タカ派から国務省ハト派へのパワー変換
中東関係の要人が一堂に会した今回のアナポリスサミットが、もし本気で「中東の平和」のための布石として大時代な和平への円卓会議を主唱したのなら、私も9/11以来の7年間の「戦争屋ブッシュ」への怨念を反古にしてもいいでしょう。もしかしたらある時点で、彼を牛耳っていた副大統領チェニーからの乳離れができて、ネオコンタカ派がつくったペンタゴン運営の保育器から這い出して、国務省ハト派のライスの乳母車に乗り換えたのかも知れない。
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助け舟はパパブッシュ
ブッシュにその方向を示したのはもちろんパパブッシュであり、DCパワーとして後押ししたのは、ラムズフェルドとすげ替えられたロバート・ゲイツ国防長官を筆頭とする、父親が大統領だった時代の側近の面々。再来年1月に次期大統領へ国政のバトンを渡す前に、非難ごうごうの国際世論を少しでも挽回して「米国史上最悪の大統領」の悪名を返上しなくては、という思惑なのでしょう。もちろん、共和党の大統領選に対する選挙対策の要素もあります。
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戦争屋ブッシュの最終楽章
もし本当に中東の平和が実現すれば、ブッシュはホモサピエンスをとばして突如救世主に進化し、共和党への支持が20%以上は失地回復できるでしょうから。ただし、レーガンもクリントンも2期目の最後の年に、同じように中東に平和をと試みて、共に見事に失敗しています。
とにもかくにも本当に中東平和を模索するなら、核開発で一番問題になっているイランと、単独でも話し合いを始めるのが最短の道のはずです。東アジアで北朝鮮に対して行なったヒル次官の外交政策を、イランに該当してもいいのでは?なにしろアフマディネジャドは昨年来、米国との直接の話し合いを何度も打診してきていたのですから。
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エルサレム二都物語
さはさりながら、これまでの彼らのやり方を知っているだけに、やはりこのあとに何が控えているか先が読めてしまうのが辛い。まずはオルメルト首相のイスラエルとアッバース大統領のハーフ・パレスチナがしゃんしゃんと手を打って和平協定……までは、アッバース政権がガザから遁走した時点でできあがっていた筋書きでしょう。なにしろ先月半ばにオルメルトが「エルサレムをパレスチナと二分してもいい」という驚愕の「二都物語」を提案したあたりから、これは非常にクサイ成り行きだぞ、と警戒していたら、今回の中東平和会議ではそれを凌駕する「アラブとユダヤの合同結婚式」的な、文字通り外交舞台での大芝居になりました。
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アッバースの「似非パレスチナ」とハマス
問題はその先です。今後最終的に予定される「イスラエル・パレスチナ共同宣言」あるいは奇跡的にうまくいけば「恒久的平和協定」の締結。たとえ漕ぎ着けても、多分ガザで困窮の極地にあるハマスが、この協定はアッバースの「似非パレスチナ」が了解した契約だから無効である、とごねるでしょう。アッバース政権は、ガザから遁走した先の左岸で、パレスチナ代表権を「西側諸国だけ」から取り付けた欧米傀儡政権にすぎないのは現実だから、そう指摘されても仕方がない。
そうなると、ハマスに肩入れするお隣レバノンのヒズボラも黙ってはいない。ナスララがガザの真性パレスチナであるハマスへの支援を、イランに仰ぐ事態になる。レバノンも現在戒厳令下の政治危機にあるので、一触即発の好戦的な雰囲気が、ガザ・イスラエル・レバノンと中東の地中海沿岸一帯に、引火性ガスのように充満しているのが現状。
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キャスティングカード・シリア
もし局面がそのように展開すれば、極めて微妙で影響力の大きいのがシリアの出方です。これまでは、シリアは中東ではイランの弟分だったので、欧米諸国とイランが対立する時点では当然ながらアサド政権は、いつもイランの背後でバックアップ役として立ち回っていた。しかし、そのシリアが今回のアナポリスサミットに参加したということは、ここにいたってシリア自身がとんでもない番狂わせのジョーカーに変身したことになります。いえ、イランに対しては裏切りの変節です。
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会議の黒幕はサウジ?
いったい全体米国がどういう条件をつけてシリアを釣ったのか。(9月の核施設爆撃問題が絡んでいるかも)単にオブザーバーという名目であってもやはり出席する事自体が会議の存在を承認した事実になるので、当初から招待リストから外されたイランとしてはシリアの参加は面白くないこと甚だしいはず。どうも、シリアの前に会議へ参加の手を挙げた「サウジアラビア」が、私は今回の黒幕というか、第2の石油戦争前哨戦の胴元のような気がしてなりません。米国、イスラエル、そしてサウジアラビア。シリアをおびき寄せたこの3国が、いったい次に何を企んでいるのか?
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平和会議の真のターゲットはイラン
それは「イラン攻撃」しかないように私には思えるのです。平和会議と称してイランを孤立化させ、米英の石油利権の優位を確保するための、NATO拡張会議に過ぎないのではないか?
7年間ブッシュ政権に騙され続けた経験から、現時点ではそんなふうにしか受け止められません。しかし、もし万がひとつにでも、本気で平和のための石を積む行為なのだったら……その時こそマジでこのタイトルを捧げましょう。
「アナポリスの奇跡!中東平和会議はブッシュの最初にして最後の、唯一成功した施策だった。」
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とてもまともに受けとれない嘘寒い共同声明を長々と聞いたため、鼻白みの極地でわが老竹の心もひん曲がってしまったようです。戯文にて誠に失礼をつかまつります。(次回は真面目)

【米国時間 2007年11月27日 『米流時評』ysbee 記】
»» 次号から「アナポリスの奇跡・中東平和会議」前後編連載  d0123476_1023580.jpg

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by ysbee-2 | 2007-11-27 16:40 | 中東のパワーラビリンス
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