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半島平和? ブッシュ最終章外交の突然変異

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   ||| ブッシュ最終章外交の突然変異 |||
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南北宥和政策への布石か?金正日宛ブッシュ親書の内容を解析する
中東平和に続いて半島平和を目論むブッシュ最終章外交の突然変異


米国時間2007年12月6日 | AP通信・ソウル/ワシントン発  | 『米流時評』ysbee 訳
前号「米外交のUターン・金正日宛てのブッシュの手紙の謎」からの続き
ブッシュ政権のある高官がAP通信の記者に語るところによると、北朝鮮の金主席へ宛てたブッシュの親書は、現在こう着状態にある外交上の三つの重要案件についての、解答の必要性を反映したものと解析している。米国が要求したであろう報告の内容とは、北がこれまでに生産した核兵器として使用できる水準のウラニウムの正確な総量。これまでに生産したミサイル核弾頭の総量。そして一番肝心なポイントである質問。それは北朝鮮がこれまでに他国の機関に核兵器あるいはその製法を渡したことがあるかどうか? またあるとすればどこへどのようにして渡したのか? である。
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White House Sends Letter to North Korea's Kim
Administration tries to downplay diplomatic significance of correspondence
DECEMBER 6, 2007 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
Continued from the previous issue — A U.S. official told the AP that the letter to North Korea refers to a need to resolve three main sticking points: the exact amount of weapons-grade nuclear material the North produced, the number of warheads it built and whether and how North Korea may have passed nuclear material or knowledge to others.

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DECEMBER 9, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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 A S S O C I A T E D P R E S S | B R E A K I N G

金主席宛ての親書が明かすブッシュ最終章、外交の突然変異
米国時間 2007年12月6日午後7月02分 | AP通信/ニュース速報 | 『米流時評』ysbee 訳


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7. Resolutions for three main sticking points
The official, who spoke on condition of anonymity, said the letter underscored Bush’s desire to resolve the nuclear dispute, and made plain that North Korea cannot skirt requirements to fully explain the extent, use and possible spread of nuclear material and technology.
三つの重要事項への明確な解答を要求
極秘事項に関するため匿名でという条件の元でこの件についてAP記者に話した政府高官は、次のように分析している。今回の金主席宛のブッシュの親書では、核問題に関する議論に終止符を打ちたいというブッシュの願望を特に強調し、北朝鮮は「核の廃絶状況・生産量の資料」を明確に列記した。また、すでに核兵器の素材や製法が渡ってしまっているのなら、どういうルートでどの国のどの機関へ手渡したのかについて完全に説明するようにも要求しており、北朝鮮がその問いに対していい加減な言い逃れのできないように、問題点を単純化してあるそうである。
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平壌空港についたIAEA査察官一行 これまでの再度の核施設監査ではいちおう閉鎖作業は順調と報告されてはいるが

8. Evidence of U.S. policy change toward N. Korea
Derek Mitchell, an Asia expert at the Center for Strategic and International Studies, said the letter is evidence that U.S. policy toward North Korea has changed “at least 150 degrees” from early in the Bush administration. “Kim Jong Il is someone whom Bush famously loathed. He’s quoted as saying he loathes Kim Jong Il and called him a pygmy, and the attitude was that you don’t talk to evil, you end it,” Mitchell said. “That Bush would, at this point, directly contact — send a personal letter to Kim Jong Il — is a remarkable turnaround from that.”
北朝鮮外交政策の「150°転換」の証拠
戦略的国際問題研究センターのアジア部門のエキスパートであるデレク・ミッチェル氏は「今回の親書は北朝鮮に対する米国の外交政策が、ブッシュ政権初期の外交方針から少なくとも『150度転換』したことを示す証拠である」と分析する。
「金正日は、ブッシュが悪名高くも斬り捨てた人物です。一時はブッシュは金正日を『ピグミー』と蔑称したほどで、当時の大統領の態度は、まるで悪魔と会話をしたらお前も悪魔になるぞ、と言わんばかりだったじゃないですか。(Bush's infamous phrase: "If you are not with us, you are with the terrorists.")しかし現時点でのブッシュ大統領は、一時は悪魔扱いしたその金正日に対して、直接自分から個人的な手紙を送ったというのですから、これは当時と比べたら驚くべき変わりようと言えるでしょう」とミッチェル氏は指摘した。
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昨年来十数回にわたる北との交渉でワシントンから平壌へ飛んだヒル国務次官 写真は北京空港ロビーでの記者会見

9. Better than direct negotiation
Michael O’Hanlon, senior fellow at the Brookings Institution, warned against placing too much significance on the direct correspondence. “I think a presidential letter is a fairly restrained version of direct communication and appropriate to the stage of the negotiations,” he said. “I think it’s better for this sort of letter to be written than for the president to jump on a plane to Pyongyang.”
直接交渉よりも融通の聴く外交文書
もうひとりの専門家、ブルッキングス研究所の筆頭研究員マイケル・オハンロン氏は、外交交渉の場面に勅使を送る事にあまりにも比重をかけ過ぎることの危険性を説く。
「今回のような大統領からの親書は、外交の直接的な国際交渉の場面にふさわしい、正当な有効手段のひとつだと思います。特に今回のような文書にしたためた方が、大統領が飛行機に飛び乗って平壌へ直接出かけるよりはましだと思いますよ。」
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ヒル国務次官は「説得外交」を主導するライス長官のグッド・シェパード 政治的野望のない典型的な実直型官僚

10. A diplomatic exclamation point
The Bush letter is a diplomatic exclamation point because North Korea has been hearing the same message from Hill. The correspondence also serves a domestic political purpose — signaling to conservative critics of the North Korea deal that the United States will not roll back its requirements or accept less than a full declaration of the North’s nuclear program.
ブッシュ外交のポイントを強調する感嘆符
ブッシュの手紙は、いわば「外交交渉上のポイントを強調する感嘆符」である。というのも、北朝鮮側は同じメッセージをこれまでにもヒル次官からも聞いていたからである。親書を送った事実はまた、国内政治に向けてアピールする役割も果たしている。なぜなら「北朝鮮との外交交渉においては米国は『北の核開発計画の廃絶』以外は受け付けないように、決して妥協してはいけない」という、従来からの保守派の要求を強調した結果になったからである。
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先月末のアナポリス中東和平会議の直後に中東和平特使に抜擢された 元NATO統合軍総司令官のジェームズ・ジョーンズ退役将軍/ライス国務長官/パパブッシュのいち押しでタカ派ラムズフェルドの後釜についたゲイツ国防長官

11. Great question over Syrian nuke connection
The question of proliferation has taken on greater significance, and become a political hurdle for the Bush administration, since Israel’s air strike on a suspected Syrian nuclear site Sept. 6. Intelligence reports suggested Syria was cooperating in some fashion with North Korea in building the site.
シリアとの核のコネクション疑惑
今年9月6日にイスラエルの爆撃機がシリアの核兵器工場とみなされた施設を爆撃して以来、シリアと北朝鮮とのかかわり合いに関する疑問が輩出して余りにも議論を呼んだので、ブッシュ政権にとってはその話題が政治的障害になってきていた。(イスラエルの)諜報機関のレポートによると、シリアはその核施設を建設するにあたって、何らかの方法で北朝鮮と協力した、と報告されているからである。
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イスラエルが空爆を実施したシリアの核施設とみなされる現場の衛星写真 左から昨年・今年爆撃前・爆撃後

12. Overly generous deal with unreliable country
The news that North Korea may have been working with others as recently as this year, after it had agreed to give up its weapons, reinvigorated U.S. domestic opposition to what some conservatives in Congress see as an overly generous deal with an unreliable country. Under the deal, North was promised 1 million tons of fuel oil or the equivalent, plus political concessions such as its removal from a U.S. list of terrorism-supporting nations, in return for disabling its nuclear program and making other moves.
信頼できない国との寛容すぎる協定
今年のつい最近まで、「六カ国協議で北が一旦核兵器廃絶に同意したにもかかわらず、北朝鮮が他国と協力して核を開発したかも知れない」というニュースは、一部の共和党下院議員からまで「信頼できない国に対してあまりにも寛容すぎたからだ」と批判の声が上がるほど、北朝鮮に対する態度軟化を非難する米国内での反対意見の火に油を注ぐ結果を招いた。
六カ国協議での同意書の取引条件とは、北朝鮮が核開発計画を廃絶して他のエネルギー手段を検討するならば、その見返りとして100万トンの原油か、同等の対価の物質を約束するというもので、これに加えて政治的代償として、米国の「テロ支援国家のブラックリスト」から削除する、という条件まで付加されていた。
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昨年の核実験で大騒動だった当時の平壌のダウンタウン 随所に反米のプロパガンダポスターが見受けられる

13. Loose deadline likely
U.S. officials have acknowledged the Dec. 31 deadline is likely to slip. Better to have the complete document in hand a couple of weeks late than to have a half-baked version by the Dec. 31 deadline.
“It is going to take a monumental effort to get all of this done by the end of the year,” said Secretary of State Condoleezza Rice, speaking to reporters as she flew to Brussels on Thursday for NATO meetings. “And I am not too concerned about whether it’s December 31st or not. They seem to be on track. Everybody believes the cooperation is very good.”

ライス:期限がずれこむ予測も
今回の情報分析をした米国高官は、北朝鮮は多分12月31日の期限からずれこむだろうと認識している。12月31日に中途半端な報告書を受けとるよりは、たとえ1・2週間遅れても完璧な終了声明書を受けとった方が、確かに現実的にいいはずである。
「協定で挙げられた全ての条件を年内に達成するには、途方もない努力を要求されるでしょう」コンドリーザ・ライス国務長官は、7日木曜のブリュッセルのNATO会議へ出席するための機上で、記者団の取材に対してこう説明した。「私の立場からすれば、その期限が12月31日であろうが遅れようが、大した事ではないと思っています。彼ら(北朝鮮)は計画通りに行なっているようですから。関係者の誰もが(核廃絶に)協力することこそが非常に大事だと信じております。」
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2004年のブッシュ政権2期目で就任以来、米国外交の大黒柱を担うコンドリーザ・ライス国務長官 最近ではゲイツ国防長官との二人三脚で、チェニー副大統領以下ネオコンのタカ派からブッシュを切り離すのに成功したかに見えるが

14. 'No progress on the declaration yet'
South Korean Foreign Minister Song Min-soon sounded a gloomier note, saying, “There has not been progress on the declaration yet.” A Japanese Foreign Ministry spokesman expressed disappointment that North Korea was likely to miss the year-end deadline, but that it is unlikely to affect the overall agreement. Chinese Foreign Ministry spokesman Qin Gang said the six countries were consulting on whether to hold another round of meetings before the end of the year.
年内の終結宣言にはほど遠い現実
一方韓国のソン・ミンスーン外相は、今回のブッシュ親書の報に接して、暗いトーンでこう語っている。「終結宣言にたどりつくまで、まだぜんぜん進行していませんよ」
また日本の外務省の広報官は、北朝鮮が年内に約束の期限を守って履行するのはほとんど無理と見て、失望を隠せないと表明したが、協定全体に影響するものではないだろうとも受け止めている。
さらに中国外務省のキン・ガン広報官からは、六カ国協議の加盟国が年内にもう一度会議を持てるかどうか検討中である、と言う内情が公表された。

【米国時間 2007年12月9日『米流時評』ysbee 訳】
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»» 緊急特集「NIE衝撃の諜報レポート」
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Part-1 「さらば、イラン戦争」
Part-2 「暴かれたブッシュ政権の戦争体質」
Part-3 「大統領選にまで波及するNIEシンドローム」
Part-4 「米外交のUターン・金宛ブッシュ親書の謎」
Part-5 「半島平和?ブッシュ最終章外交の突然変異」

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by ysbee-2 | 2007-12-09 13:34 | ブッシュと米国政治
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