米流時評

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今度はモンゴルで暴動!不正選挙抗議に4日間の戒厳令

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  ||| モンゴルで暴動発生、戒厳令発令 |||

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モンゴルの首都ウランバートルで暴動発生、人民革命党本部を焼討ち
不正選挙に激怒した群衆が政府に抗議、鎮圧のため4日間の戒厳令へ


d0123476_18552829.gifつい一昨日、中国南西部貴州省の暴動をお伝えしたばかりなのに、今度はモンゴルで暴動が発生。貴州省の場合は瓮安という地方の小都市だったが、今回は外モンゴルの首都ウランバートルの政府庁舎が、同じように政府の不正に怒りを爆発させた群衆によって焼き討ちされた。
五輪開催まですでに40日を切ったこの時期に、立て続けに起きる暴動……何かこの夏の争乱の予兆のような不穏な嵐が、中央アジアに巻き起こっているようだ。こうした民衆の怒りは、ネットを介してすぐ伝播する。国は違っても内モンゴルへ飛び火するのも時間の問題のようだ。シャーロン・ストーンではないが、チベット虐殺の報いが現れているような気がしてならない。忠告を振り切って五輪に出かける懲りない方々に、もう一度念を押す。You are on your own. 何があっても知らない、あとは自分で面倒見るしかないよ、と。

【米国時間2008年7月1日『米流時評』ysbee 記】

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JULY 1, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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   A S S O C I A T E D P R E S S

モンゴル首都ウランバートルで暴動発生、人民革命党本部を焼討ち
米国時間2008年7月1日08時38分 | AP通信・モンゴル発ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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Riots, Curfew Follow Mongolian Election Results
Ex-communists gain majority; opposition activists reply with fires, fighting

JULY 01, 2008 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
ULAN BATOR, Mongolia — Mongolia's president declared a four-day state of emergency in the country's capital beginning early Wednesday after angry protesters stormed the headquarters of the ruling political party.

モンゴリア・ウランバートル発 |現地時間で1日火曜、モンゴル共和国の大統領は、不正選挙に対する怒りを爆発させた地元の群衆が同国政府庁舎に押し掛け、火を放ち暴れるなどの暴動に発展したため、首都ウランバートルに対して2日水曜未明から4日間の戒厳令を施行すると発令した。
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モンゴルは昔日の蒙古帝国。ステップ気候の草原地帯の中央を横切るトーラ川流域で、昔から交易の中心地として栄えた都ウランバートルが、1924年のモンゴル人民共和国成立以来首都として今日にいたっている。

1. Riots set fire the MPRP building
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The crowd of mostly young people ransacked the offices of the Mongolian People's Revolutionary Party, set the building on fire and threw rocks at riot police. President Nambaryn Enkhbayar, a ruling party member, acknowledged the protesters' complaints over results of the election, which centered on how to share the country's mineral wealth, but appealed for calm. "Let's sit down and solve the election fraud," he said on national TV. Police spokesman Sainbayar said 26 police officers were hospitalized and one had been blinded. Another 30 or 40 people were also taken to hospitals with various injuries, he said.
群衆がモンゴル人民革命党本部を焼討ち
抗議に押し掛けた群衆は現地の若者が大半を占めたが、首都中心部にあるMongolian People's Revolutionary Party=モンゴル人民革命党の本部におしかけ、ビル内部に火を放ち、駆けつけた警察に投石を繰り返した。モンゴルのナンバリン・エンクバヤール大統領は同党の主席でもあるが、この地に恵まれた希少金属資源の開発利権配分が焦点となった総選挙の結果をめぐり、民衆が不満を訴えて抗議運動に出たという事実を認めた。「落ち着いて話し合い、選挙の不正をただそう」彼は国営テレビでこう訴えた。モンゴル警察のサインバヤール広報官は、現場に駆けつけた警察のうち26名が負傷して病院へ運ばれ、ひとりは怪我のため失明したと発表。また群衆の方も30〜40名が重軽傷を負って入院中だと語った。

2. Police force for cracking down the protesters

By Tuesday night, protesters had begun smashing other buildings in the downtown area and some were looting television sets and other property. Despite volleys of tear gas, rubber bullets and water cannons, thousands of protesters refused to disperse. Under the president's decree, no public gatherings are permitted in Ulan Bator. Police also will be allowed to use force in cracking down on protesters who had turned violent in demonstrations alleging fraud in last weekend's parliamentary election.
戒厳令下、抗議運動参加者は即刻逮捕
1日火曜の夜を迎える頃には、抗議の群衆は官庁街のほかの建物も襲撃、室内のテレビや家具を持ち出す者も現れた。機動隊は、催涙ガスやゴム弾、放水車などを駆使してデモ隊を解散しようとしたが、群衆は立ち退きを拒否した。しかし、夜半をもって大統領が発した戒厳令により、ウランバートルにおいてはいかなる集会も認められない非常事時体制が敷かれた。警察はまた、先週末に行われた国会の総選挙で不正な開票疑惑に対して抗議運動を展開したデモ隊を逮捕するために、武力による実力行使をする事も許可されている。
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3. Three million lived on economy of $1,500 per capita

Mongolia, a mostly poor country sandwiched between China and Russia, is struggling to modernize its nomadic, agriculture-based economy. The government says per capita income is just $1,500 a year in this country of about 3 million people, spread across an area the size of Alaska.
モンゴル人口300万人、1世帯平均年収16万円
モンゴリア=モンゴル共和国は、ロシアと中国にはさまれた大部分の地域が貧しい国であり、旧来の放牧農業を基盤とする経済の近代化に苦戦している。政府発表の経済白書では、アラスカ州と同程度の面積をもつ国土に人口300万人が住むこの国の、1世帯あたりの年間所得はわずか1,500ドル (約16万円) にすぎない。
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モンゴル共和国の首都ウランバートルのメインストリート。国民の大半はステップ地帯の遊牧民で主要基幹産業に乏しく、国民総生産は極めて低いため、新たに開発される鉱山事業への国民の期待は大きい。

4. Unprecedented violence since 1989

Tuesday's clashes far surpass the usual minor violence that has often accompanied elections in the 18 years since Mongolia cast off communist rule for democracy. Police seemed unprepared to deal with the crowd, who trampled one police officer, apparently leaving him badly injured.
89年の民主化以来初めての暴動
火曜日に起きたデモ隊と機動隊の衝突は、モンゴル共和国が(ソ連の衛星国家として)共産党の独裁体制から脱出して民主主義を確立して以来、18年の間に行われてきた総選挙にはしばしばつきものの、デモ隊との小競り合いの段階をはるかに越えた激しい暴動であった。そのため警察は当初、群衆にどう対処していいか判らず、結果的に警官一人が悲惨な怪我を負い (失明)、隊列から落後するにいたった。
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モンゴル共和国の国会議事堂 MPRP本部が暴動の攻撃対象となったのにくらべ、こちらは無傷で済んだ

5. Protesters called the entire election into question

Complaints originally centered on two districts in Ulan Bator that were awarded to the ruling party but contested by two popular members of the Civic Movement party. Following that, protesters called the entire election into question, with opposition Democrats saying that their party, not the MPRP, won the poll. The two main political parties focused their campaigns on how to tap recently discovered huge mineral deposits — including copper, gold and coal — but disagreed over whether the government or private sector should hold a majority stake.
開票結果に不正行為の疑問
抗議運動のやり玉に上がったのは、元々はウランバートル行政区域内にあるふたつの地域の開票結果をめぐってであった。この地域は与党の人民革命党の勝利と発表されたものの、開票に不正があるとして、野党の市民運動党の2議員が異議を申し立てていた。これに引き続いて、デモ隊は選挙全体が疑わしいと抗議し、野党民主党議員たちは、議席過半数を獲得したのはMPRPではなく自分たちの党だと異議を唱えた。与野党両党とも、つい最近発見された銅や金、石炭などの巨大な鉱脈の開発にいかに着手するかをめぐって、政府自治体と民間企業との間で選挙戦の攻防を繰り広げてきていた。
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モンゴル共和国国会の総選挙で、ウランバートル首都圏バヤンズルク地区の投票所で登記・投票するモンゴル人

6. international development of mineral in Gobi Desert

The difference meant the outgoing parliament was unable to pass an amendment to the Minerals Law, which kept the government from concluding investment agreements with international mining giants to develop mineral deposits in the Gobi Desert. With a large majority, the MPRP may now be able to have parliament pass the new law.
ゴビ砂漠の希少金属採掘権が焦点
選挙の結果によって与野党どちらの党が過半数を占めるかで、モンゴルの今後の国勢を左右する重大な方針が決定される。これまでMPRP人民革命党は、与党でありながら議席過半数にいたらない少数党だったので、国会で彼らが主張する「Mineral Law=鉱物資源採掘法」の修正案を通過する事は不可能だった。
この修正案は、最近相次いで発見されたゴビ砂漠の地下資源である希少金属鉱脈の採掘権限を、国際的に大手の鉱山会社が資本投下して、政府とのジョイントベンチャープロジェクトとして推進することを認可する法案改訂である。今回の総選挙の結果では、(不正開票が行われて) MPRP人民革命党が議席過半数を占め名目ともに与党の地位を確立したために、ゴビ砂漠の鉱山開発権限を国際巨大資本に対して認可する修正新法を可決できる立法環境が整ったことを意味する。
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国際社会では表面上は銅・金など希少金属の鉱脈と公表されているが、実は豊富なウラン鉱脈が埋蔵されている事が判明したゴビ砂漠。世界でもトップクラスのカナダの鉱山採掘資本を始めとする国際資本に採掘権を譲渡すれば、国家資産の安売りになる売国行為だとしてモンゴル民主党は反対し、モンゴル国内での独自開発を主張してきた。

7. Greed battle between Mongolia and Beijing

The current Minerals Law gives the government the right to take up to a 50 percent interest in an important mineral deposit if state funds were used to discover it. The proposed change would give Mongolia a minimum 51 percent stake. But while the MPRP wants the government to hold that stake, the Mongolian Democratic Party says private Mongolian companies should be able to hold it.
民間企業体と共和国政府の利権争い
従来の鉱山採掘法では、国家にとって重要資源となる金属の採掘に関しては、鉱脈の発見に対して国家予算が使われた場合には、採掘利権の50%を政府が保有することに決められていた。また、新しく提案された議案では、モンゴル共和国政府に最小限51%の権益を与える事となっていた。しかし、MPRPは政府がその割合で権益を保持するべきと主張するのに対して、モンゴル民主党はモンゴル国内の民間企業に決定権を握る過半数 (51%以上) の権益を与えるべきだと対抗している。
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8. Election commission stormed by mobs

Some protesters pushed into the General Election Commission offices to demand that officials resign over voting irregularities and fraud. The commission defended the vote, but at least one party called for a recount in some districts of Ulan Bator. "The Mongolian people voted for democracy and not for the MPRP, who are ex-communists," said Magnai Otgonjargal, vice chairman of the Civic Movement party.
抗議の群衆、人民党選対本部も襲撃
デモ隊の一部は政府の選挙管理事務所へも押し掛け、選挙管理委員に対して開票の不公平と不正行為の責任をとって辞任するよう求めた。選管側では開票結果に固守したが、少なくとも選管委員の一部はウランバートル市内の数カ所の開票所で、再度票の読み直しをすることを認めた。「モンゴル人は民主主義のために投票したので、元共産党のAPRPに投票したのではありません。」市民運動党の副委員長マグナイ・オトゥゴンジャルガル氏は、再開票に関してこう意見を述べた。
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ウランバートルで遊説中の元首相の民主党候補ツァシグリン・エルベグドリ議員。今回の総選挙では総勢400名の候補が「グレート・クラル」と呼ばれる国会の総数76の議席をめぐって、激しい選挙戦を展開した。民主党員には20年前にソ連圏から離脱する際の民主化運動の立役者だった人物が多く、国民からの信頼と人気も継続して集めている。

9. Final results announcement by July 10

According to preliminary results, the MPRP — which also governed the country when it was a Soviet satellite — won 46 seats in Sunday's vote. That would give the party far more than half of the 76 seats in parliament, called the State Great Khural. The other major party, the Mongolian Democratic Party, took 26 seats. An independent won one seat and a minor party another. Results in two other seats were not yet clear. The General Election Commission has until July 10 to announce the final results.
7月10日までに最終結果発表
29日日曜に行われた投票の早期開票結果では、モンゴル共和国がソ連の衛星国家だった時代に政権を握っていたMPRP人民革命党が46議席を獲得と発表され、この数字はモンゴル国会「グレート・クラル」の全76議席の絶対過半数を占めるだろうと報道されていた。これに反して対抗政党のモンゴル民主党は26議席に過ぎず、残りの2議席は無所属が1名、少数党が1名という結果だった。モンゴル政府の選挙対策委員会本部では、7月10日までに調整後の最終結果を発表することになっている。 [了]

【米国時間 2008年7月1日 『米流時評』ysbee 訳】
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»» 次号「特報!コロンビア極左ゲリラから人質15名奇跡の奪還!」に続くd0123476_1023580.jpg

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by ysbee-2 | 2008-07-01 12:10 | 北京の長い夏
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