米流時評

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ダウ記録的サージで危機脱出?IMF・EU緊急サミット効果

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   ||| IMFとEUが緊急サミット |||

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グローバル金融を危機から救えるか? IMFとEUが緊急財政サミット
世界先進国の財政首脳がワシントンとパリに結集し、緊急救済案発議


d0123476_18552829.gif暗黒のオクトーバー、10月のブラックウィークが明けまして、おめでとうございます。まずは朗報から。先週週末に、ワシントンではIMF主要20カ国が緊急集合して、パリではEU加盟国の財政相が参集して、それぞれ関係各国政府が自国の金融機関の危機を支える金融財政支援を決議。

ひらたく言いますと、今回紹介する経済誌『BusinessWeek』昨日の記事の、これはなんともユニバーサルなタイトル通り「No More Lehmans」リーマンの二の舞はぜったい起こさない!という各国財相の覚悟のほどが伺える内容です。インパクトの大きさから言えば「No More Iceland」とつけたいところですが、アイスランドの場合まだ救済交渉の途中であり、破産が確定した訳ではないので控えたのでしょう。
 
[アイスランドの場合、ロシアからの借款はおろか、e-Bayでの競売さえ話題に!なんともはや、国家がネットでセリにかけられる時代になったのだよなあ……e-Bayや 昭和は遠くなりにけり……]
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12日日曜パリのエリゼー宮で、英国のゴードン・ブラウン首相を出迎えるフランスのニコラ・サルコジ大統領

先月半ばのリーマンブラザーズ倒産以来、米国の金融危機はグローバル市場に「ジャイレーション」を巻き起こしていましたが、特に先週の、ウォール街の「大恐慌以来の大暴落」「アイスランドの国家破産」の危機が、今回のふたつの「財政危機緊急サミット」開催の引き金になったようです。特にアイスランドの財政破綻がショックウェーブで瞬時にグローバルに伝播した時点で、各国首脳と経済担当閣僚が徹夜で対策を協議したことは疑問の余地がありません。それからわずか2・3日後のサミットですから、各国首脳の間でビュンビュン飛び交ったであろう「緊急メール」に真っ赤なフラグが立っていたのが見えるようです。
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しかし、ナイアガラの滝のように世界の株価が轟々と音を立てて落下を続けましたが、ついに先週末で滝壺の底にとどいて、今週冒頭のアジア市場からリバウンドを始めたようです。本日米国時間で13日の月曜 (日本時間で午後10時すぎ)、ニューヨークダウ株式市場の株価はオープンからいきなり上げを続け、午後4時 (日本時間午前4時) のクロージングでは、なんと1日の上げ巾としては史上最高の +962.07ポイントを記録!終値は9千ドルの大台をはるかに越えて、9413.26ドルとなりました。
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ニュースサイト各紙の記事タイトルも「Wall Street explodes in historic one-day surge」で代表されるように、歴史に残る記録的上げ巾で「ウォール街暴騰!」と叫んでいます。まあ良い意味での爆発ですから、このまま上昇気流のリバンドが続いてくれるといいのですが、今日これからフタを開ける日本と、その後に順繰りに続く香港・アジア市場、モスクワ、ヨーロッパ市場の動きに、期待をもって注目です。

[爆騰/ばくとう:爆発的高騰。暴騰のさらに激しい事態? この用語は、ゴルゴ14こと藤田さんの『賭人の独り言』の記事で覚えました。彼は底値の金曜に買って大当りだったようですよ。私は生まれてからこのかた、株式会社は経営したことはあっても(昔は資本金200万で株式登記できたのですよ。カツオブシの時代だったのだ)、株の売買と言うものはまったく経験がありません。蛇の道は蛇、株の途はプロの賭人に聴くべし]
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まだまだ8歩下がって2歩上がる程度の挽回ですが、各国政府ともこの機に、不健全な金融監査体制の徹底的見直しと改革を行なって、悪質な金融資本が暴利をむさぼってきた財政管理システムの欠陥を是正してほしいものです。今週は Bouncing back で、いいニュースが続くといいな……という、一庶民の一方的な希望を込めておとどけします。

【米国時間 2008年10月13日 『米流時評』ysbee 】

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SUN. OCTOBER 12, 2008 10:26 P.M. EST | ビジネスウィーク | 『米 流 時 評』ysbee 訳
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 B U S I N E S S W E E K . c o m
グローバル金融を危機から救えるか? IMFとEUが緊急財政サミット
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IMF and G-7 Say, "No More Lehmans"
Western financial leaders assure the world:
All bank deposits be guaranteed

OCTOBER 12, 2008 | BUSINESS WEEK — CRISIS | Translation by ysbee
NEW YORK — Now the great confidence game begins. In high-powered forums that accompanied the G-7 and International Monetary Fund in Washington this past weekend. Western financial leaders sought to assure panicky bankers and money managers in no uncertain terms that all of the measures needed to halt a worldwide meltdown are in motion.

上:12日パリエリゼー宮で欧州財政閣僚を召集したEU緊急サミット/下:米財務省に参集したIMF財政救済サミット
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IMF と G-7サミットが地球を救う?
ニューヨーク本社/パリ支局 緊急レポート 
各国の懐の深さを競い合う、偉大なる「コンフィデンス・ゲーム」が今始まった。主要国の財政を動かす首脳陣が緊急招集された今回の二つのフォーラム。米国では IMF国際金融基金の号令で、首都ワシントンD.C.に馳せ参じた主要20カ国代表 (日本の中川財相も出席)。

G7各国の銀行・金融機関に資金保証
一方パリに参集したのは、EUをベースとするG-7財政サミット。西側諸国の経済界のリーダーたちは、今回の緊急会議での共同声明を通じて、パニックに陥った銀行経営陣や金融業者に対して財政支援を確約する目的で、「先週末まで波及が恐れられた世界規模での金融メルトダウンを阻止するために、まだ期間は限定していないが、必要とされるあらゆる手段を講じる」と、各国政府の危機対処への断固とした解決姿勢を明らかにした。
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1. G-7: 'No more Lehmans!'
While short on the details many market analysts had hoped for, the broad brushstrokes of forceful, coordinated action by Western governments were unveiled: No more Lehman Brothers-like failures of major financial institutions will be allowed. All bank deposits will be guaranteed. The banking systems of the G-7 nations will be flooded with almost unlimited liquidity.
「ノーモア・リーマンズ!」金融界救済宣言
今回の共同声明では、決議内容の細則決定までには至らなかったが、多くの市場アナリストは今後に希望の持てる展開になる内容と評価している。西側諸国政府によって協議された共同決議では、加盟諸国が強固に結束して可能になる巾広い財政上の連繋プレーによって危機に対処するという、健全経済を目指す連帯の姿勢を明らかにした。
例えば(米国財務省が財政救済をせず見殺しにして倒産した)リーマンブラザースのような主要金融機関の失敗が再び起きるのを許さない、というような強力な宣言である。こうした措置によりG-7加盟国の金融システムは、ほとんど無制限の担保物件で金融機関が貸し出す財源に資金付けを可能にするものである。
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2. UK take majority control of RBS
And if all that fails, any other tool—regardless of how economically unorthodox—will be used if needed. The British government's widely anticipated move to take majority control of the Royal Bank of Scotland Group and HBOS is expected to be the first of many such actions across Europe. Fifteen European Union countries that use the euro as currency met in Paris this weekend.
英国政府が王立スコットランド銀行を運営
しかし、万一あらゆる手を尽くしても失敗した場合には、経済学的に見ればいかに邪道と思えるような方策であっても、救済が必要な場合には他に何らかの救済措置があれば、実行するのにやぶさかでないとも表明した。こうした欧州諸国の、経済危機との対決姿勢を示す良い例として、英国政府のとる措置が挙げられる。英国政府は、ヨーロッパ全域で同様な措置をとろうとしている他の国に先駆けて、RBSグループ・ロイヤルスコットランド銀行とHBOSに対して資金援助する代わりに、営業決裁権の大半を政府の指揮下に置くという、大胆な施策を実行するものと公汎に予測されている。

[注:この記事は12日深夜に掲出されたもの。英国ではすでに13日月曜にブラウン首相の公式発表で、上記RBSとHBOSのほかにLloyds TSBに対して、総額370億ポンド (約6.6兆円) という前代未聞の思い切った資金援助が発表された。]
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先週末、英国では主要銀行への国家財政融資を相次いで認可 中央はブラウン内閣のデヴィッド・キャメロン財政相

3. The great confidence game

They pledged to provide guarantees of new bank debt through 2009, authorize the purchase of preferred shares to invest in problematic banks, and provide recapitalization funds where needed.
金融機関起死回生の増資・融資
一方、ユーロを通貨としているEU加盟15カ国は、週末の11・12日両日パリに参集した。EU財政首脳会議のメンバーは、2009年度までの新規の金融機関への資金融資を保証した。その方法としては、財政的に問題のある銀行金融機関への株式投資に対する融資を優遇し、必要とされる機関への増資に対して資金付けする、などを挙げている。
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パリで開かれた「財政危機サミット」に集まった、左からECのホセ・マヌエル・バロッソ会長(ポルトガル)、欧州中央銀行のジャン-クロード・トリシェ頭取(フランス)、ユーログループのジャン-クロード・ユンカー会長

4. Why there will not be stabilization?

The message of Banque de France Deputy Governor Jean-Piere Landau at an Oct. 12 breakfast meeting at Washington's elegant Willard Intercontinental Hotel was typical. "I think the conditions for stability are met," Landau declared. "It is very difficult to see why there will be no stabilization."
フランス銀行副頭取「好転間違いなし」
一方、フランス国営銀行のジャン-ピエール・ランドー副頭取は、12日日曜ワシントンの優雅なインターコンチネンタルホテルでの朝食会で意見表明をしたが、(英国政府の対処と比べると)きわめてありきたりの感想だった。「今回提案する経済安定化の対策は妥当だと思う。こうした措置をとっても、それでもなお安定化の方向へ動かないというような状況は、多分あり得ないだろうと思う。」
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今月1日、ブリュッセルにあるEUの欧州貿易連合本部で挨拶を交わすジョン・モンクス事務総長と、ECB/欧州中央銀行のジャン-クロード・トリシェ頭取。会議の主題は、EU全体の金利に関してだが、先週まで下げはなかった。

5. U.S. pursue every avenue, option

At a nearby hotel, Richard Fisher, president of Dallas Federal Reserve, told a crowd of international bankers that U.S. authorities "can and will restore order in the credit markets" and "will continue to pursue every avenue and every option." At a press conference at the International Monetary Fund's headquarters, IMF Managing Director Dominique Strauss-Kahn said: "I believe we have an adequate response to the crisis, and the market will reflect it."
金融界再建に手段を尽くす米国
ワシントンの財務省から近いホテルで土曜から開催されたIMFの緊急財政会議で、連邦準備金制度ダラス管轄のリチャード・フィッシャー頭取は、居並ぶ各国の財相や金融界首脳に向かって、米国政府の立場を説明した。「米国の財政を担う責任者は、危機にある金融市場の秩序を回復する意気込みと体制で、いかなる方法も手段も尽くすことをいとわない、政府を上げての解決に邁進する所存です。」
またIMF本部で開かれた会議後の記者会見では、ドミニク・シュトラウス-カーン事務総長が、次のような声明を発表した。「本日の会議で、われわれIMF加盟国のメンバー全員が、危機に対処するに充分な方策を確認でき、また各国市場も今回の解決案を反映して、安定に向かうものと信じています。」
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12日日曜、IMF緊急財政会議に出席した米国側の財務指令権限を持つ首脳陣:左から資金融資を実施するベン・バーネンキ連邦準備金会長、法案草案者のヘンリー・ポールソン財務長官、法案を最終的に承認するブッシュ大統領。会社組織で言えば、右から社長、企画室長、業務部長、といったところか。

6. Financial alliance across U.S. to EU

When the markets open on Monday morning, it will be clear whether these verbal assurances and whatever specific measures the U.S. and individual European nations announce will be enough to ease the credit freeze and halt the stock sell-off.
G-7とEUの財政連合態勢を強調
週末に緊急で決議されたにすぎない「金融機関への国際的口約束」や、米国政府やヨーロッパ諸国の財政首脳が確約した個々の解決案が、はたして凍結した金融業界のマネーフローを潤沢にするだけ充分な措置で、売り一色の株式市場に待ったをかけるだけの実質的効果があるのかどうか? その答は、13日月曜朝、ニューヨーク、ウォール街の株式市場が再開する時点で明らかになるだろう。
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12日日曜夕刻、ワシントンのIMF緊急会議を終え一息つくG7主要先進国財政首脳会議の面々。左から2番目に日本の中川財相、コンドリーザ・ライス国務長官、ヘンリー・ポールソン財務長官、フランスのクリスチーヌ・ラガール経済相。彼女はワシントンのIMF/G7サミットの直後にEUの緊急財政サミットにもかけもちして出席したキーパーソン

7. The focal point shifts to long-term vision

But even if the markets breathe a sigh of relief, the question is, how long will the calm last? Even assuming that actions by the U.S. and Euroland are enough to get the credit markets moving again, attention is likely to shift to fathoming what lies ahead.
グローバル市場の長期的展望へ
しかし、たとえ市場の暴落が一息つけたとしても、その平穏がいつまで続くのかという疑問は残されたままである。米国やEU諸国の非常処置が、金融市場を再び活性化するだけのパワーになれるかどうか、注目すべき焦点は、今後のグローバル市場の長期的展望へとシフトしてきているようだ。 »» 続く
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【 米国時間 2008年10月12日 『米流時評』ysbee 訳 】
   13日ホワイトハウスへブッシュ大統領を訪れた、実業家としても辣腕のイタリーのベルルスコニ首相
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»» 次号「底が見えた!しかし米国は深刻な不況の時代へ突入 」へ
1. グローバル市場暴落の連鎖 /2. グローバル金融資本のトップが崩壊 /3. 米国は深刻な不況期に突入
4. ダイナミックな金融システムの大転換 /5. 外国為替依存の見直し /6. 海外投下資本の今後の展望
7. 原油価格2か月で半減 /8. 米国型金融ビジネスモデルの見直し /9. 不況に耐えた日本と中国のブーム経済

«« 前号「速報!チェッチェンに地震発生!死者12名以上」へ


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||| 『米流時評』グローバル恐慌レポート |||
第1章 ウォール街金融危機

9/14 号外!メリルリンチを500億ドルでBOAが買収
9/15 ウォールストリート大暴落、9/11以来のメルトダウン
9/16 号外!AIGに8.9兆円連邦救済ローン、恐慌脱出か?
9/17 経済危機と大統領選・ペイリンは共和党の自爆装置?

第2章 米国金融危機
10/01 号外!80兆円金融経済救済案、上院を通過!
10/02 下院でも通過!73.8兆円の経済救済案ついに成立!
10/06 ウォール街暴落1万ドルの大台を割る 大恐慌2.0?
10/07 2日目も暴落のウォール街・前日比 ▼508ドル

第3章 グローバル金融危機
10/08 アイスランド国家破産の危機・前編
10/09 アイスランド国家破産の危機・後編(翻訳中)
10/10 号外!GMがクライスラーを吸収合併交渉!
10/12 ダウ記録的サージで危機脱出? IMF・EUの緊急サミット効果
10/13 底が見えた!グローバル・メルトダウンからのU-ターン(翻訳中)
10/14 ウォール街実録・暗黒の7日間(翻訳中)

第4章 ポスト恐慌のニューパラダイム(予定)
堕ちた偶像アメリカの救済・オバマ対マケインの政治学(予定)
堕ちた偶像アメリカの救済・オバマノミクスと米国経済再建案(予定)

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||| 『米流時評』で読む世界危機の最新情報 |||
次世代冷戦時代 | ユーラシアの回廊 | プーチンのロシア | テロとスパイ陰謀 | サルコジのフランス
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by ysbee-2 | 2008-10-12 23:24 | グローバルビジネス
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世界の動きがよくわかる!激動する国際情勢を、欧米メディアでディープに読む…世界の「今」と真実探求に関心ある知的冒険者へ送るグローバル情報満載ブログ


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