米流時評

beiryu2.exblog.jp ブログトップ

新冷戦は終わった!米露ヘルシンキ会談でピースシフト

f0127501_128435.gif

   ||| 米露ヘルシンキ軍事会談でピースシフト |||

d0123476_1694784.jpg
米・ロ両軍最高司令官のヘルシンキ会談が示す、両国外交の新しい兆候
ロシアはNATO評議会復帰の意向、東欧ミサイルシステム計画続行?


10/21 時評「ヘルシンキ会談・グルジア紛争で米ロが軍事的解決 」からの続き
10/22 時評「新冷戦から平和へ!米ロの意外な軍事シフト」と併せてお読みください

フィンランド・ヘルシンキ発  | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee
米国側の代表団の談話によると、今回の会談はロシアのマカロフ上級大将の提案を受けたものであり、双方の軍事トップは、グルジア問題、黒海の開発の権利問題、そしてNATOに関連した議題として、アフガニスタンでのテロ戦争まで、広汎な問題に関して話し合った模様である。

上:グルジア戦争後アゼルバイジャンの首都「カスピ海の黒い真珠」バクーを表敬訪問したメドベージェフ大統領
下:フィンランドの首都ヘルシンキに入港するヨーロッパクルーズの客船 北極周りの航路の主要寄港地でもある

d0123476_13101855.jpg
U.S., Russian Military Hold Top-ranks' Talks
Finland hosts highest-level discussions since Georgia war strained ties
OCTOBER 21, 2008 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
HELSINKI, Finland — The top U.S. military officer met Tuesday with his Russian counterpart — who led the invasion of U.S. ally Georgia — signaling a thaw in relations between the two powers. Adm. Michael G. Mullen, the chairman of the Joint Chiefs of Staff, and Russian Gen. Nikolai Makarov, discussed Georgia, missile defense, and Russia-NATO relations, officials said.


__________________________________________________________________
OCTOBER 23, 2008 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌デイリー版 10/23号
d0123476_17164267.gif

  A S S O C I A T E D P R E S S | B R E A K I N G
ヘルシンキ会談が示す新冷戦の終焉と 米国・ロシア新時代開幕の兆候
米国時間 2008年10月21日午前10時52分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

d0123476_13113760.jpg
今年5月9日の戦勝記念日に各州配属の司令官を観閲するメドベージェフ大統領 後続はセルジュコフ国防相

9. Conflict over Georgia's defense system

The U.S. sharply criticized Russia's invasion of Georgia, a stalwart U.S. ally and aspiring NATO member. It has received hundreds of millions of dollars in economic aid and its armed forces received extensive training from U.S. instructors.
グルジアの防衛体制をめぐる米露対立
8月のグルジア紛争直後、米国の忠実な友軍でありNATOメンバー加盟を嘱望しているグルジアに対して行ったロシアの侵略行為を、米国は手厳しく批判した (グルジアはテロ戦争に積極的に参戦し、イラクへも2千名派兵していた)。グルジアは (親ロシア政権からバラ革命を経て親米派のサアカシビリ政権に移行して以来) 米国から数億ドル(数百億円)の経済援助を受けており、またグルジア政府軍は、全面的に米軍の軍事指導を受けて実戦演習を行なってきた。
d0123476_13122159.jpg
ネオコンのポチと呼ばれるほど、ブッシュ政権の言いなりに親米姿勢で国防体制を強化してきたグルジアのサーカシビリ大統領。マケイン候補とも親密だが、一説にはタカ派がそそのかしたと噂されるオセチア鎮圧戦略が裏目に出て、逆にロシアが侵攻する理由を与えてしまった。(この下の写真キャプションに続く)

10. Georgia's aggressive moves irked Russia

Those moves irked Russia, which views Georgia as part of its historical sphere of influence and fears the prospect of another former Soviet republic joining NATO.
コーカサス最前線の親米国家グルジア
コーカサス地帯の中枢に位置しソ連の南端と国境を接するグルジアの、こうした一連の親米的な国家姿勢は、ソ連時代には共産圏の連邦の一部であり、歴史的にグルジアに隷属を強いてきたロシアの目から見れば、非常に危険な敵性国家に映ったのも当然で、東欧や中央アジアの旧ソ連邦国家へも、グルジアの親米態勢が伝播するのを恐れた結果、オセチア防衛と言う大義名分の元に、グルジア内部まで深く侵攻する結果を招いた。
d0123476_1803995.jpg
オセチア防衛とは名ばかりで、ロシア陸軍の戦車隊はグルジアの首都トビリシの境界線まで迫り、サアカシビリが「首都決戦で死守」を国民に訴える最悪の危機もあった。また一時停戦後もロシア軍は最前線から撤退せず、20日以降までグルジア国内に駐屯し続けた。

11. A major step forward in U.S-Russian relations

Finnish Maj. Juha Makela, a researcher at the National Defense University in Helsinki, described Tuesday's meeting as a major step forward in U.S-Russian relations. "It shows they are really trying to talk about matters at a practical level," Makela said. "This is probably the first phase in a round of talks that will end up with discussions at a political level."
米ロ対立の緩和に大きなステップ
会議の主催国となったフィンランドの首都ヘルシンキにある、国立防衛大学の研究員を務めるユハ・マケラ大尉は、火曜の軍部トップ会談は、今後の米国とロシアの軍事外交関係において大きな第一歩を踏み出したものと評価する。
「両国軍部のトップ同士が直接会談に踏み切ったという状況は、ロシアと米国の双方とも、軍事上の実戦段階での具体的条件を細部まで突っ込んで話し合うために、乗り気になっている証拠と言えるでしょう。多分今後も何回か同様の会議が持たれたあとで、政治的レベルの (政府首脳の) 公式会談へと収束していくものと予測できます。」
d0123476_13131261.jpg
一時は首都トビリシが占領されれば、旧ソ連時代のポーランド侵攻やプラハ占領の二の舞で、ロシアと米国の間に新冷戦再開かと危機が危惧された。しかしフランスのサルコジ大統領やドイツのメルメル首相が両国の間で交渉役となり、ロシアによる占領で「亡国のグルジア」に陥る惨状をあやうく免れた。

12. Clashed over U.S. MDS in Poland, Czech

Washington and Moscow have also clashed over U.S. plans to base elements of a missile defense system in Poland and the Czech Republic. Russia fears the system would be used to either spy on its military or reduce its nuclear deterrent.
米軍の東欧ミサイル防衛システム問題
ワシントンとモスクワの両国の政府は、グルジア紛争以外にも、米国がポーランドとチェコに予定しているUS-MDS/米軍ミサイル防衛システムの基地計画をめぐって、新冷戦時代開幕かと脅威をもたれるほど対立が深刻化していた。ロシア側では、このミサイル基地計画はロシア軍の動向を探査するレーダーやスパイ衛星と、核ミサイルの脅威を削減する迎撃ミサイルの設置が主目的であるとして、米国の主張する「対イラン防衛」説を却下し、計画に正面から反対してきていた。
d0123476_13143762.jpg
グルジア停戦後、ロシアのロケット打上げ基地のあるカザクスタンのコスモドロームを視察するメドベージェフ

13. Fostering a good military-to-military relationship

One official said the Defense Department wants to "continue to foster a good military-to-military relationship with an important country." Another said information about the meeting had been kept "very low key" — meaning the number of people aware it was going to happen was limited.
西側との軍事的友好関係を温存
米国政府の一高官は、こうした歩み寄りの状況を「重要な相手国との軍部対軍部のダイレクトなパイプを、良好な関係に育てていきたいという国防総省の思惑の現れ」と説明した。また別の高官は、今回の会談が極めて少数の内輪の当事者にしか知らされない形で、ほとんど秘密裏に行われた、という事実も明らかにした。
d0123476_13305942.jpg
米軍が軍事教練をしているとロシアが指摘し非難するグルジア国土防衛軍。

14. Agreement on periodical military talks

And that he had no information about any specific issues discussed. Both spoke on condition of anonymity because they were not authorized to speak about it on the record. Makarov told the ITAR-Tass agency that he and Mullen agreed to discuss military matters "periodically" by phone "and if necessary, in face-to-face talks."
定期的な二国間の軍事会談継続で合意
同高官はまた、会議で話し合われた特定の議題についても外部へは一切知らされていないとも語った。両高官ともあくまで匿名でと言う条件の下に以上の情報を漏らしたが、記録に残る発言は公式には発表できない立場にいるためである。
一方ロシア側では、マカロフ統合司令官がイタル・タス通信の取材に答えた内容では、彼とミューレン統合参謀本部長は「会議終了後も継続して定期的に電話で話し合い、必要であれば実際に顔を合わせる実質的会談を持つ予定」という両国の合意に達したと語っている。
d0123476_1812328.jpg
ロシア軍の空爆で破壊されたグルジア陸軍のイスラエル製戦車。グルジア政府軍の近代兵器は米国のユダヤロビイストの仲介でイスラエルの兵器産業から購入。まだ表沙汰にはなっていないが、この仲介役に共和党のマケイン及び彼の参謀が一役買っているというのが通説。マケインが負ければ、こうした戦争産業ロビイストへの民主党の弾劾が始まる。

15. Mullen's direct call to Makarov

After the Georgia-Russia crisis broke out Aug. 6, Mullen spoke on the phone with Makarov, who presided over Russia's incursion into Georgia over the breakaway provinces of South Ossetia and Abkhazia, the American Forces Press Service said, quoting an unidentified source.
ミューレンが直接マカロフと電話会談
今回の軍事トップ会談は、8月6日にグルジアとロシアの間で武力衝突が起きた直後にミューレンが電話を会して直接マカロフと話し合ったのがきっかけだったと言われる。「マカロフ統合参謀本部長は、南オセチアとアブハジア両自治州をめぐって両州をグルジアの攻勢から守ると言う大義名分の元、グルジア領土内まで侵攻したロシア三軍の総指揮をとっていた責任者である」という未確認の消息筋からの情報をAFPS/米軍広報サービスは伝えている。
d0123476_9411531.jpg
ロシアの空爆で痛めつけられたグルジアの要港ポチに入港した、人道支援の米海軍戦闘艦USSマウント・ホィットニー

16. Issue of military service for humanitarian aide

The report said after the fighting started the men discussed the flight of U.S. Air Force C-17 transport jets that carried Georgian troops serving in Iraq back to the Georgian capital, Tbilisi, and later they discussed the USS Mount Whitney, which carried humanitarian supplies to the Georgian port of Poti. Makarov gave assurances that Russia would not interfere with the U.S. military movements, the Pentagon report said.
人道的救援に軍用機使用の問題
AFPSのレポートによると、両司令官はイラクの前線に派兵していた2千人のグルジア政府軍兵士を、グルジアの首都トビリシまで緊急移送するために、米空軍のC-17輸送ジェット機を飛ばした件についてやりとりがあり、そのあとでは人道的救済物資を搭載してグルジアの軍港ポチに入港した、米海軍戦艦USSマウント・ホィットニーの運行に関しても話し合った、と伝えている。
d0123476_942585.jpg
テロ戦争では米軍に積極協力体制をとるグルジア。祖国の危機とあってサアカシビリ大統領がブッシュに泣きつき、イラクに派兵していた2千名のグルジア政府軍兵士は、急遽米空軍の大量輸送機C-17で首都トビリシ郊外へ搬送された。

17. Accusation over NATO's double standards

Two months ago, Russia halted military cooperation with NATO, accusing the West of "double standards" over the Georgia conflict. However, it said it still wanted to keep working with the alliance to fight terrorism and drug trafficking.
グルジア紛争でのNATOのダブルスタンダード
空路と海路の両面で米軍がグルジアの窮地を救うべく展開した作戦に対して、マカロフはミューレンに「ロシア側はその輸送路を (ミサイル攻撃などで) 妨害しない」と保証した。今から2か月前の当時の段階では、グルジア紛争に際して西側がダブルスタンダードを行使したと非難して、ロシアはNATOへの軍事協力体制を急遽ストップした。しかしながらそうした険悪な雰囲気の当時にあってさえ、ロシアはテロ戦争と麻薬撲滅の闘争には、西側の友軍として協力したいと申し出ていたのも事実である。
d0123476_9424810.jpg
ヨーロッパ中でロシアのグルジア侵略に抗議するデモが繰り広げられる一方で、モスクワではプーチンの親衛隊的役割のNASHI が、サアカシビリの南オセチア攻略を「オセチア人ジェノサイド」と決めつけ、連日抗議デモを展開した。

18. Memorable day for Adm. Mullen

Tuesday's meeting came a day after Mullen became the first chairman of the Joint Chiefs to visit Belgrade since 1951. He met Serbian counterpart Gen. Zdravko Ponos, and the two said military cooperation between their countries was good, despite strained political relations over Kosovo. Mullen was to visit the Baltic republic of Lithuania on Tuesday.
ミューレン総督の記念すべき日
火曜の米ロ軍事トップ会談は、ミューレンが三軍統括の統合参謀本部長に任命された翌日の事であり、両国の軍事機関の最高位にある軍人同士の話し合いとしては、1951年のベルグラード会談以来の画期的会議となった。
d0123476_133306.jpg
バロックの教会建築がオールドタウンのあちこちにそびえるバルト三国、リトワニアの瀟洒な首都ヴィルニウス

ミューレン総督はその後、セルビアでも政府軍総帥のズラフコ・ポノス将軍と会談し、今年前半のコソボをめぐる紛争で両国間が緊迫していたにもかかわらず、両者そろって二国間の軍事的協力体制は極めてうまく行っていると記者発表した。ミューレン総督はその後21日火曜には、バルカン半島のリトアニア共和国を訪問し、同様の「軍事外交」を続ける予定である。 [了]
d0123476_1023580.jpg
【 米国時間 2008年10月23日 『米流時評』ysbee 訳 】 
d0123476_10383762.jpg||| 特集・新冷戦終焉の夜明け |||
10/21 特報!ヘルシンキ会談・グルジア紛争で米・ロが軍事的解決
10/22 米流時評:新冷戦から平和へ!米・ロ関係も新時代へ転換か
10/23 新冷戦は終わった!ヘルシンキ会談に見る米ロ関係のシフト
10/24 米国が推進する アルバニアとクロアチアのNATO加盟問題

d0123476_2029830.jpg
»» 次号「アルバニアとクロアチアのNATO加盟問題」へ
«« 前号「米流時評:新冷戦から平和へ!米ロの意外な軍事シフト」へ


d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/8815270f0127501_6213945.jpg
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/8815270

__________________________________________________________________
いつもご愛読いただきまして大変ありがとうございます。クリックでの応援に感謝申し上げます!
d0123476_12465883.gif


4〜7位を行ったり来たり。クリックで応援をよろしく!
ブログランキング・にほんブログ村へ  「ブログ村」の国際政治部門では、おかげさまで1〜2位です!


d0123476_10141436.gif
ニュース部門でトップです。みなさまのクリック、ありがとうございます!
テクノラティお気に入りに追加する テクノラティはお気に入りブログの更新内容が一覧できて大変便利




d0123476_4274095.jpg
||| 『米流時評』グローバル恐慌レポート |||
第1章 ウォール街金融危機

9/14 号外!メリルリンチを500億ドルでBOAが買収
9/15 ウォールストリート大暴落、9/11以来のメルトダウン
9/16 号外!AIGに8.9兆円連邦救済ローン、恐慌脱出か?
9/17 経済危機と大統領選・ペイリンは共和党の自爆装置?

第2章 米国金融危機
10/01 号外!80兆円金融経済救済案、上院を通過!
10/02 下院でも通過!73.8兆円の経済救済案ついに成立!
10/06 ウォール街暴落1万ドルの大台を割る 大恐慌2.0?
10/07 2日目も暴落のウォール街・前日比 ▼508ドル

第3章 グローバル金融危機
10/08 アイスランド国家破産の危機・前編
10/09 アイスランド国家破産の危機・後編(翻訳中)
10/10 号外!GMがクライスラーを吸収合併交渉!
10/12 ダウ記録的サージで危機脱出? IMF・EUの緊急サミット効果
10/13 底が見えた!グローバル・メルトダウンからの Uターン
10/14 ウォール街実録・暗黒の7日間(翻訳中)

第4章 ポスト恐慌のニューパラダイム(予定)
10/15 堕ちた偶像アメリカの救済・オバマ対マケインの政治学(予定)
10/16 堕ちた偶像アメリカの救済・オバマノミクスと米国経済再建案(予定)

[PR]
by ysbee-2 | 2008-10-23 13:45 | 次世代冷戦時代
line

世界の動きがよくわかる!激動する国際情勢を、欧米メディアでディープに読む…世界の「今」と真実探求に関心ある知的冒険者へ送るグローバル情報満載ブログ


by ysbee-2
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30