米流時評

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テロ戦争最前線後編・タリバン殲滅まであと半年

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    ||| タリバニスタン最前線レポート・後編 |||

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テロ戦争最前線レポート 政府軍司令官「タリバン殲滅まであと半年から1年」
政府軍バジュール掃討作戦の死者:タリバン1500名、政府軍73名、住民95名


前号「テロ戦争最前線レポート・タリバンの要塞バジュール陥落!」からの続き 
パキスタン・バジュール州ロイサム発 |パキスタン陸軍は今回のバジュール掃討戦に際して、本拠地のロイサムを包囲する段階で、外人部隊で増強したタリバンゲリラから執拗な反撃を受けた。戦況報告では、この外人兵士の中にはアフガニスタンから参加した者も数多く見られたと記録されている。バジュール攻撃の主体となったパキスタン政府軍の特殊部隊の総指揮官、タリク・カーン陸軍少将は、広域のバジュール地方全体からタリバンを一掃して中央政府が完全に制圧するまでには、あとまだ半年から1年を要するだろうと、現地入りした従軍記者団に語った。

トップ:今夏の大統領選挙に影響を与え夫サルダリ選出に貢献した故ブット元首相のポスターを掲げたラホーレの街
下:アフガニスタン側の国境地帯では米軍とヨーロッパ各国から派兵されたNATO軍兵士が警備 写真はフランス兵

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Operation Bajur and U.S. Missile Strikes
Army general's forecast: it takes a half to one year to sweep up Taliban
OCTOBER 25, 2008, 3:15 P.M. | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
Continued from the previous issue — The army says it faced stiff resistance near Loi Sam from Taliban militants reinforced by foreign fighters, including some from Afghanistan. Maj. Gen. Tariq Khan, who commands a paramilitary force, said it could still take six months to a year to gain complete control of Bajur.

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OCTOBER 26, 2008 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2008年10/26号
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  ASSOCIATED PRESS | B R E A K I N G
テロ戦争最前線・後編 政府軍司令官「タリバン殲滅まであと半年から1年」
米国時間 2008年10月25日午後3時15分 | AP通信・パキスタン従軍記者速報 | 訳『米流時評』ysbee

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ジハドの戦場となったバジュールから戦火を逃れ避難し難民テント村でカイト/凧を上げて遊ぶパシュトゥンの少年

9. Casualties: 1500 militants; 73 soldiers; 95 civilians

Violence and government restrictions have made it virtually impossible to verify accounts of the fighting. Khan said 1,500 suspected militants died in the operation along with 73 army soldiers and 95 civilians.
死者:タリバン1500、政府軍73、住民95
8月以来の政府軍攻勢でバジュール地区へは政府命令で立入禁止となっており、戦闘の実態や犠牲者の正確な実数を確認するのは、実質的に不可能に近い。カーン指揮官の記者会見では、今回の戦闘でタリバンゲリラと思われる者が1500名、政府陸軍兵73名、一般住民95名が死亡したと発表している。
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パキスタン政府軍がバジュール地区総攻撃という警告で、家財道具一切をトラックに積んで避難する辺境地区住民

10. Possible hiding place for al-Qaida leader

The region has been seen as a possible hiding place for al-Qaida leader Osama bin Laden and his deputy, Ayman al-Zawahri, but Khan said the troops had not picked up their trail. Khan's count of 95 civilian deaths was the first official estimate noncombatants killed in the fighting. He didn't say whether they were killed by militants or troops.
ビンラディン、ザワヒリの隠れ家?
国境辺境のバジュール地方は、以前からアルカイダの首領であるオサマ・ビン・ラディンと副首領のアイマン・アル・ザワヒリの隠れ家が存在する可能性があると噂されてきた土地である。しかしカーン司令官は、彼らが起居した痕跡は発見できなかったと報告した。また、戦闘の巻き添えとなって死亡した95名と言う一般村民の犠牲者数を政府軍が公表したのは今回が初めてであるが、彼らがタリバンに殺されたのか、あるいは政府軍の砲撃の犠牲になったのかまでは、カーン司令官は触れなかった。
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ブッシュ政権から9/11の首謀者として指名手配され、テロ戦争の元凶となったオサマ・ビンラディン。彼のテロ組織アルカイダと、旧アフガン独裁政権だったイスラム過激派の戦闘組織タリバン。両者ともパキスタン国境地帯の山中深くに本拠地を置くと見られている。ビンラディンは元々イエメンの出身だが、当地に滞在するブログ友のyabaniさんがビンラディン一族の出身地を訪れ、実家の建物など貴重な現地の写真をご自身のブログ『幸福のアラビア・イエメン滞在記』で公開されており、一見の価値あり(1月のページの中段)。他にもアラブ諸国の珍しい写真を数多く掲載。

11. 200,000 residents fled battle

Though officials have acknowledged that artillery and airstrikes have devastated many residential areas. Nearly 200,000 people have fled the fighting, many of them to rough camps in Pakistan and Afghanistan.
住民20万人が戦火を避け避難
掃討作戦の成果を語る傍ら、政府軍高官は地上軍の砲撃や空軍の爆撃によって、村民の居住地域が壊滅的被害を受けた事実も認めた。夏以来の戦闘による戦火を避けるため、バジュール地区住民のうちおよそ20万人がパキスタン、アフガニスタン両国の難民キャンプへと避難した。
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8月20日パキスタン北部ペシャワール近郊ナウシラ地区の小学校校庭に設営された国連UNICORの難民テント村

12. No building escaped destruction

Reporters driven from Khar, the region's main town, to Loi Sam Saturday saw devastated residential compounds. Some of them connected by militant tunnels, lining both sides of the road. In Loi Sam itself, hardly a building had escaped. Houses, shops and gas stations were badly damaged or destroyed. The only people on the debris-strewn streets were soldiers.
無傷の建物皆無のロイサム
メディアの取材陣は、戦闘終結後の土曜にカール地区から最前線のバジュール地区中心地ロイサムへ現地入りしたが、目に入る住民の建物はすべて壊滅状態だった。いくつかの住居は、主要道の両脇に連なるタリバンの基地である防空壕と直結していた。ロイサムの町自体に関して言えば、爆撃を免れた無傷の建物は皆無に近かった。住宅、店舗、ガソリンスタンド……これらがすべて手ひどく破壊されたか、壊滅している惨状だった。爆撃の残骸がそこら中に散乱する通りで見かける人影と言えば、政府軍兵士だけだった。
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ジハドを支持するイスラム過激派が圧倒的な北部辺境自治区では、タリバンは一般住民家屋を隠れ家とするため住民も一緒に米軍の空爆対象となってしまう。巻き添えになった犠牲者の家族がシンパからタリバンに転向するのも道理。

13. Government promised aide

Abbas said victims would be compensated for the loss of their homes, crops and the animals dying untended in the fields. Pakistan's government has promised to flood the border area with development work, much of it funded by Washington, to combat the misery and ignorance in which religious extremism has thrived.
パキスタン政府、現地救援を約束
アッバース司令官の発表では、今回の戦闘で家を破壊された住民やバジュール周辺の爆撃で農作物や家畜を失った農民に対しては、パキスタン政府から損害賠償金が支給されるだろうと公表した。損害を受けた国境地帯に対して、パキスタン政府は復興事業の予算と就職口を惜しみなく与えると約束したが、その大部分は米国政府からの援助金を基金とするものであり、その目的はイスラム過激派が強制した無学文盲の悪弊を撤廃して、教育制度の普及と貧困解消を目指す地域開発である。
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国連の難民テント村でナムを焼くバジュール避難民/北部山岳地帯の冬は早い 食糧配給に集まった戦災孤児たち

14. Testing term for new administration

Observers say Pakistani authorities and their Western backers have failed to keep such promises in the past, breeding distrust of the government in a region where it has never had control. The aftermath will also test Pakistan's revamped counterinsurgency policy.
パキスタン新政権試練の時期
軍事外交のオブザーバーは、パキスタンの先代ムシャラフ政権と西側の支援諸国は、過去においても同じような約束をしながら見事に失敗してきたと指摘する。このことが、もともと独立気風の強い辺境自治州住民の政府に対する不信感をますます強くしてきたという経歴がある。戦闘終結後の時期には、ザルダリ新政権が提唱するテロ制圧政策が (戦闘だけではなくその後の経済政策も含めて)、その真価を試練される段階を迎えることになるだろう。

関連記事:12/29 ブットの遺言「19才の息子ビラワルを党首後継者に」
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昨年12月にタリバンの自爆テロで暗殺されたベナジール・ブット元首相の遺志を継いで立候補、当選を果たした夫のアシフ・ザルダリ新大統領と大学生の息子のビラワル。しかし支持者以外のパキスタン国民の評価は極めて低い。

15. Training of paramilitary Frontier Corps

U.S. troops arrived in Pakistan this month to provide training to the paramilitary Frontier Corps in an attempt to transform it into the main fighting force along the border. Officials hope the Frontier Corps, recruited from the Pashtun tribes that straddle the border, will prove more effective in preventing militants from resurfacing than the regular army, dominated by ethnic Punjabis and viewed as occupiers in the border zone.
前線対応特殊部隊が国境警備
今月になってからパキスタンへ緊急派遣された米軍は、アフガニスタンとの国境地帯でタリバン勢力と闘うのを主目的として編成された、最前線戦闘特殊部隊/paramilitary Frontier Corpsを教練するのが任務である。辺境地帯のパシュトゥン人を登用し編成されたこの前線部隊が、辺境自治州では占領軍の侵略者と見られがちなパンジャブ人が大半を占める通常の陸軍兵士とはちがって、地域住民に受け入れられ、その結果タリバン勢力が復活するのを予防するのにより効果的な役割を果たすと、政府高官は期待している。 [了]
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国境地帯パキスタン側の境界線検問所でパトロールする、米軍の緊急特訓を受けたパキスタン政府軍の特殊部隊
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【 米国時間 2008年10月26日 『米流時評』ysbee 訳 】
»» 次号「特報!北朝鮮兵38度線決死の脱北/北の核攻撃威嚇宣言」へ
«« 前号「テロ戦争最前線レポート-1・タリバンの要塞 バジュール陥落」へ


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||| 『米流時評』グローバル恐慌レポート |||
第1章 ウォール街金融危機

9/14 号外!メリルリンチを500億ドルでBOAが買収
9/15 ウォールストリート大暴落、9/11以来のメルトダウン
9/16 号外!AIGに8.9兆円連邦救済ローン、恐慌脱出か?
9/17 経済危機と大統領選・ペイリンは共和党の自爆装置?

第2章 米国金融危機
10/01 号外!80兆円金融経済救済案、上院を通過!
10/02 下院でも通過!73.8兆円の経済救済案ついに成立!
10/06 ウォール街暴落1万ドルの大台を割る 大恐慌2.0?
10/07 2日目も暴落のウォール街・前日比 ▼508ドル

第3章 グローバル金融危機
10/08 アイスランド国家破産の危機・前編
10/09 アイスランド国家破産の危機・後編(翻訳中)
10/10 号外!GMがクライスラーを吸収合併交渉!
10/12 ダウ記録的サージで危機脱出? IMF・EUの緊急サミット効果
10/13 底が見えた!グローバル・メルトダウンからの Uターン
10/14 ウォール街実録・暗黒の7日間(翻訳中)

第4章 ポスト恐慌のニューパラダイム(予定)
10/15 堕ちた偶像アメリカの救済・オバマ対マケインの政治学(予定)
10/16 堕ちた偶像アメリカの救済・オバマノミクスと米国経済再建案(予定)

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by ysbee-2 | 2008-10-26 11:24 | パキスタン戒厳令の季節
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