'Extremely Shocking' ガザ壊滅に国連調査団も呆然!
||| ガザの壊滅状態、国連調査団に衝撃 |||
UNRWA国連人道救援委員会、戦災救援活動前にガザの実態調査
ガザ地区・ガザシティ発 |イスラエル軍のガザ侵攻による戦災被害を実地検分するために、国連人道問題事務局長はガザ地区でも爆撃による破壊状況のもっとも激甚な地域に、22日木曜初めて現場入りした。今回の実地調査の目的は、ガザ地区に住む140万人のパレスチナ人に対して、一刻も早く必要とされている支援物資の配給を開始できるよう、輸送・保管手段その他のロジスティックな条件を検討するためである。
22日木曜から5日間の予定で、戦災被害視察調査のためガザ地区を訪れたジョン・ホルムズ国連人道救援事務局長
Checks on humanitarian needs; Olmert says Israel prisoner's outlook better
JANUARY 22, 2008 | Association Press — BREAKING | Translation by ysbee
GAZA CITY, Gaza Strip — The U.N.'s humanitarian chief Thursday launched a first-hand examination of the devastation wrought by Israel's offensive in the Gaza Strip so that the organization can begin providing desperately needed relief to the territory's 1.4 million people.
__________________________________________________________________
JANUARY 22, 2009 | 『米 流 時 評』 | 時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2009年1月22日号
Associated Press | B R E A K I N G
国連調査団ガザ入り、現地の壊滅的な被害に「極めて衝撃的!」
米国時間 2009年1月22日午前9時51分 | AP 通信・ガザ現地レポート | 訳『米流時評』ysbee
Opening a five-day trip to the region, U.N. humanitarian chief John Holmes called the steep Palestinian casualty toll from Israel's offensive "extremely shocking" and suggested the United Nations might ask Israel to compensate it for wartime damage to U.N. compounds in Gaza. Hundreds of tons of humanitarian aid were destroyed by Israeli shelling that struck the main U.N. compound.
事務局長、パレスチナ人の被害実態に唖然
国連人道救援部門のジョン・ホルムズ事務局長は、5日間のガザ地区への視察旅行の皮切りに、イスラエル軍の攻撃によって累積したパレスチナ人の犠牲者の数を「extremely shocking=極めて衝撃的」と表現した。
また、ガザの国連支部UNRWAの施設がイスラエル軍の爆撃で多大な被害をこうむった件に関しては、国連側からイスラエルに対して、戦時賠償金を要求するかも知れないと明らかにした。UNRWAガザ支部をターゲットにしたイスラエル軍の爆撃では、パレスチナ難民の人道支援目的で同施設に保管してあった、数百トンもの配給用救援物資(水・食糧・衣類など)が爆破炎上した。
▶米流時評 1/16号「イスラエル軍ガザの国連本部を爆撃!支援物資全焼」
2. immediate aids and long-term reconstruction
字数制限のため英文省略
早急な支援物資配給と長期的復興再建計画
ホルムズ事務局長は、とりあえず緊急でガザ地区に必要な人道救援物資を見計らうと同時に、長期的な復興再建計画についても検討していると、記者団に明らかにした。
「被害状況の実地検分に関してはあくまで適正であることを心がけ、さらに必要であれば適正な量の支援物資を、適正な信頼に足る態勢で支給していきたいと思っています。まあ、いずれにしろ配給が必要になるとは思っていますが。」
▶米流時評 1/20号「戦士の休息/ガザ休戦とイスラエルの戦争犯罪」
3. Biggest concerns: Water and sanitation
字数制限のため英文省略
支援活動の急務:飲料水と伝染病予防
ホルムズ事務局長はさらに、早急に必要なものとして次のように挙げた。「切迫して必要なのは、きれいな水、衛生環境、電気、そして戦闘で住む家を失ったガザ市民のための臨時の宿泊所です。またガザの閉鎖された国境関門は、復興事業をスタートするため、直ちに再開を許可しなくてはいけません。もちろん、復興再建のための建設資材も含めた救援物資は、適正な量で自由に流入されるようにするべきです。」
▶米流時評 1/22号「イスラエルの戦争犯罪・白リン弾投下で国連が弾劾捜査へ」
4. 22-day war killed 1,340+ Palestinians
字数制限のため英文省略
22日間戦争でパレスチナ人死者1300人以上
そもそもイスラエルが22日間の戦争を起こしたのは、ハマスが制圧するガザ地区からイスラエル南部へ撃ち込まれるロケット砲攻撃を終焉させるのが目的だったはずである。また25日日曜には、イスラエル政府とガザのハマス政府との双方から、休戦宣言(一時的戦闘停止)が発令された。
ガザ政府の保健局長の発表によると、今回のイスラエル軍のガザ侵攻によるパレスチナ人の犠牲者は、死者1300人以上、負傷者4000人以上にのぼった。また人的被害ばかりでなく、ガザ地区全域での建物崩壊など、物質的被害においても甚大なものがある。一方、イスラエル政府の発表によると、イスラエル側の犠牲者は13名であり、そのうち一般市民は4名だった。(注:戦死した9名のイスラエル軍兵士のうち、4名は自軍の誤爆によるもの)
▶YAN-Cさんのブログ『RE:SUKI』1/28号「停戦後 ガザへの攻撃再開」では、
You-Tube動画『虐殺の町』でイスラエル兵の行なった虐殺の実態を詳しく紹介。
5. Gunboat shells mars the truce
Low-level violence on both sides has marred the cease-fire and on Thursday a Palestinian man and girl walking near the shore in Gaza City were wounded by a shell fired from an Israeli gunboat, a Gaza health official said. Another shell landed 100 yards away in an empty area near a U.N. aid distribution center. And heavy-caliber bullet fire struck at least one house in the area, a witness said.
停戦中にも海軍戦闘艦から砲撃
一時停戦期間中も、国境付近では双方の軍隊の小競り合いが数回起きているが、一般市民が犠牲になった例としては、22日木曜にガザ市の地中海岸べりを歩いていたパレスチナ人の男性と少女が、イスラエル海軍戦闘艦からの砲撃で重傷を負ったとガザの保健省は報告している。またもう一発の砲弾は、国連の人道救援センターから100ヤード(約91メートル)しか離れていない空き地に着地し爆破したという。
▶米流時評 1/5号「イスラエルの大罪・ガザジェノサイド【白リン弾使用】」
6. Opening of Rafah crossing, Gaza's lifeline
字数制限のため英文省略
ガザの生命線、ラファ国境の再開問題
イスラエル軍では停戦中の不祥事の理由を「領海侵犯したパレスチナ人の漁船を追い払うために砲撃した」と弁明している。
2007年6月にイスラム軍団のハマスがガザの実権を制覇して以来、イスラエルはエジプトと協議の上、ガザとの国境を全面的に封鎖した。この国境封鎖の封じ込めにより、140万人のパレスチナ人が地中海岸べりの狭い地域に住むガザ地区は、物資の流入が一切途絶えるという完全な鎖国状態に陥っていた。この件に関してハマス側では「いかなる停戦交渉であっても、国境の再開が第一条件である」と主張している。
▶米流時評 1/9号「ガザのホロコースト/イスラエル軍の戦争犯罪を赤十字が暴露」
7. Reopening option: freeing Sgt. Schalit
字数制限のため英文省略
イスラエル兵捕虜解放が国境再開の条件
イスラエル政府の保安担当部門の一部を司るビンヤミン・ベンエリザー内相は、22日木曜陸軍のラジオ放送で次のような見解を表明した。「2006年6月の国境地帯の掃討作戦で、ハマスの傘下にある軍団の捕虜となったイスラエル陸軍のジラド・シャリット軍曹を解放する交渉が行なわれない限り、ガザとの国境検問所を再開するつもりはない。」
国際社会ではこうした両者の見解を受けて、国境が再開されてもハマスがイスラエルを攻撃する兵器がガザ地区に流入しない方策を模索しながら、イスラエル側と長期的停戦の条件を討議している。
▶gataroさんのブログ『どこへ行く、日本』1/30号「ガザ:イスラエル軍の戦争犯罪/「ガザは今」日本人ボランティアの声」でもYou-Tubeの動画2本ほかを紹介。
8. Anti-smuggling effort
字数制限のため英文省略
国境トンネルの武器密輸流入を防止
イスラエル側の言い分では、エジプトからガザへと密輸される兵器の流入を遮断することが、今回の戦争の目的となっていた。イスラエルの外交交渉を率先するエーモス・ギラッド特使は、22日木曜エジプト入りし、今回の戦闘で大きな損害を受けたガザのハマス傘下の軍団が、再軍備のために兵器を密輸する手段を封鎖する方法について、エジプト政府の担当官と協議する予定である。
9. Israel wants EU to contribute forces
Israel wants the EU to contribute forces, ships and technology to anti-smuggling operations. EU officials who met with Livni on Wednesday said it was too early to make that commitment. The United States last week signed an anti-smuggling deal with Israel calling for expanded intelligence cooperation between the two countries and other U.S. allies in the Middle East and Europe.
イスラエル、EUに軍隊出動の協力を要請
一方ツィッピ・リブニ外相もまた武器密輸禁止措置を訴えるため、イスラエル政府代表としてブリュッセルのEU本部に出向いている。イスラエル政府としては、密輸発見用の特殊な技術や機器、さらには軍隊や戦艦の出動を要請する意向であるが、EU側の高官の談話によると「そのような協力体制をとるには時期尚早だ」とリブニ外相に直接伝えた模様である。
10. Intelligence cooperation between U.S. allies
字数制限のため英文省略
中東の親米国家間の諜報協力体制
ブッシュ政権の最後の執務の週にあたる先週(1月第3週)、リブニ外相はワシントンのライス国務長官を訪問したが、その目的は「中東とヨーロッパの親米・新イスラエル国家と二国間の、諜報協力の拡大を要請すること」だった。また22日木曜には、イスラエル政権のエフド・オルメルト首相自身が停戦条件に関する声明を発表したが、首相はその中で「今回の戦争は、ガザのパレスチナ人に拉致され捕虜になっているイスラエル兵士の帰還を早めるのに役立った」とも述べている。
11. Projecting to swap prisoners of war
字数制限のため英文省略
イスラエルとパレスチナの戦争捕虜交換条件
イスラエル国内向けメディアの報道によると、閣僚の中にはイスラエル兵士との捕虜交換で、危険人物と見られているパレスチナ人の囚人を釈放する条件に対して、以前は反対だった態度を軟化する動きも出てきている。この対応の変化は、来月2月に実施されるイスラエルの総選挙に備えて、政府与党がハマスとの和平交渉を成立させることで、国民の支持を得ようとしている姿勢の現れと解釈できると、メディア側は評している。
他方、イスラエルの刑務所に長期間とらわれの身となっているパレスチナ人虜囚の家族たちもまた、首を長くして解放を待ち望んでおり、捕虜交換の案件はパレスチナ人社会にとっては最優先的に重要視されている問題でもあった。
12. Israel holds 10,000+ Palestinian prisoners
字数制限のため英文省略
パレスチナ人拉致捕虜1万人以上
イスラエルは現在、総数約1万名以上のパレスチナ人を拉致し留置している。イスラエル側としては、もしハマスがイスラエル兵士シャリットとの捕虜交換に応じるならば、これらのパレスチナ人の囚人の中から数百名を解放してもいいと明らかにしたと、イスラエルのメディアは伝えている。
これら一連の報道から察すると、イスラエル政府は国民に不評をかこっている捕虜交換の問題に対して、ある程度の情報を前もってリリースしクッションをおくことで、世論の反撃を緩和しようとしているように伺えると言えよう。 <了>
【 米国時間 2009年1月22日 『米流時評』ysbee訳 】
サッカーで遊ぶガザの子供たち。イスラエルのガザ空爆開始以来1か月以上、私のブログではずいぶん悲惨な写真を載せ続けてきたので、こういう希望の持てるショットを少し挟んでもいいかと。
配給の食糧を待って延々と続く行列や闇市や、戦車に投石する少年や(竹ヤリ)、町が瓦礫の原と化しても平気でその中で遊ぶ子供たちを見ると、どうしても戦後の焼け野原で育った兄や姉の姿を思い浮かべてしまう。聞き伝えの思い出話からだけで実際には見たこともないのに。私の子ども時代は昭和30年代の三丁目の夕日時代だったが、その少し前は多分こんな風だったんだろうな……と。そして、日本は大変な時代をくぐり抜けて、はるばるここまでやってきたのだなぁ、と。
▶ 前号「Agent Peace/ブッシュのカウボーイ外交からオバマのピース外交へ」
▼ 予告 オバマの中東外交:ガザのハマス・左岸のアッバースとイスラエル
▶「ハマスの本音"CHANGE" ガザの戦後/絶望と希望のはざまで」
▶「パレスチナの"HOPE" パレスチナ恒久平和/長いトンネルの向こう」
記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/9270713
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/9270713
__________________________________________________________________
いつもご愛読いただきまして大変ありがとうございます。ワンクリックがブログのエネルギーです!
おかげさまでもうちょっとで4位です。応援ありがとうございます!
ブログ村の国際政治部門ではトップまでもう一歩。クリックで応援をよろしく!
テクノラティはお気に入りブログの更新内容が一覧できて大変便利