米流時評

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カテゴリ:テロとスパイ陰謀( 45 )

また墜ちた!イラン2度目の旅客機事故で17名死亡

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  ||| アーリア航空着陸事故で17名死亡 |||

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 イランで今月2度目のジェット旅客機事故、着陸時に滑走路ランオフで17名死亡
 イラン航空墜落事故で168名全員死亡から、わずか10日目のアーリア航空の惨事


d0123476_16582178.jpgまた墜ちました。イランの民間旅客ジェット。
先回はわずか10日前で、カスピアン航空の旅客機が地上に墜落激突。
搭乗の168名全員が死亡という大惨事に。原因はいまだ捜査中。
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 で、今日のニュースはアーリア航空という、
 これもまたイランに13社ある民間航空の、一社の旅客機。
 
 今回の事故は、墜落ではなく着陸時に、ランディングタイヤが炎上。
 滑走路を走ったまま止まらず、空港の障壁に激突したらしい。

 まだ米国へニュースがもたらされてから数時間で、
 詳細は下の記事に書かれてあるところまでしかわかっていませんが、
 イランは政変の真っ最中でもあるし、
 10日間に2度の墜落事故とあれば、当然陰謀説が浮上。
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 改革派側のサボタージュだという見方もあれば、
 体制側が革命派を摘発するために冤罪にする罠だという説もあり、
 犯人はCIA説、モサド説、KGB説……と諸説紛々。
 
 しかし、今回のマシャド空港での事故は、
 メイド・イン・ロシアのイリューシンジェット旅客機なので、
 KGBの線は消えるわけで……
 政局の混迷とともに、ますます謎の深まるイランの空です。
 
 【米国時間 2009年7月24日『米流時評』ysbee 】

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   JULY 24, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年7月24日号
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 イラン旅客航空界、今月2度目の事故で17名死亡・19名負傷
 米国時間 2009年7月24日午後0時50分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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Iranian Airliner Skids off Runway, Killing 17
Tires of plane caught fire as it was landing in northeast, official says
JULY 24, 2009 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee

1. 17 killed by Aria Air's skid off
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TEHRAN, Iran — Seventeen people died when an Iranian passenger plane caught fire as it was landing and skidded off the runway in the northeast of the country, according to a local official.

アーリア航空の旅客ジェット事故で17名死亡
イラン・テヘラン発 |AP通信ニュース速報
イラン北東部のマシャド国際空港で、旅客ジェットが着陸時にランディング用の車輪が炎上。機体は滑走路を暴走し、空港の境界壁に激突し機首が焼失した。この事故で17名が死亡したと現地の警察から報告された。

右:イランのサテライトネットで英語媒体のPress TVニュース画面からグラブした、アーリア航空の悲惨な機首映像。炎上と言うわりには通常燃えた形跡として残る黒く炭化した部分がなく、どう見ても内部からの爆発かミサイルで機首が断ち切られたような、凄惨な崩壊だ。

2. Landing tires caught fire and crashed

Provincial official Ghahraman Rashid told the state news agency that the tires of the plane from the private Aria airline caught fire during its landing Friday in Mashhad and it crashed into walls near the runway. Another 19 people were injured in the crash in which the cockpit also caught fire.
着陸時にタイヤ炎上、止まらず機首激突
テヘランから75マイル北東のマシャド市で、航空機事故が発生。同地区のガハラマン・ラシド警察署長が国営メディアに報告した内容によると、イランの現地時間で24日金曜夕刻、イランの民間航空会社アーリア航空所属のジェット旅客機が滑走路に着陸の際、着地用車輪が炎上。機体はそのまま滑走路を突っ走り、近くの境界壁に激突して機首が大破炎上。搭乗者から死者17名、負傷者19名を出す、イラン航空界で今月2度目の惨事となった。
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 わずか10日前にカズナン市郊外ジャナタバード村上空で発生し、168名が即死したカスピアン航空の墜落事故現場

3. Second airplane crash in this month

Aria Air Flight 1525 was a scheduled flight which departured from Khazakhstan and crashed on landing at Mashhad International Airport. There were 153 passengers and an undisclosed number of crew on the Russian-made Ilyushin plane.
今月2度目の旅客機墜落事故
今回のアーリア航空1525便は、当初カザクスタンを出発。テヘランから75マイル北東のマシャド国際空港へ着陸の際に失敗して機首を大破し、死者17名、負傷者19名を出すイラン航空界で今月2度目の惨事となった。事故を起こした旅客機はロシア製のイリューシン旅客機で、事故当時は153名の乗客と不確定数の乗員が搭乗していた。
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 イラン国営メディアのIRNAから テヘラン北東75マイルの墜落地点で献花するアルメニア人の事故犠牲者の親族

4. Crash on July 15 killed 168

On July 15, an Iranian passenger plane crashed soon after take off, killing 168 people aboard. Iranian airlines, including state-run ones, are chronically strapped for crash, and maintenance has suffered. The aircraft involved was an Ilyushin IL-62M, registered UP-I6208, one of three Il62Ms to have entered service with Aria Airlines earlier in 2009.
10日前もカスピ航空墜落事故で168名全員死亡
イランでは今月15日にもイラン航空の旅客機が離陸直後に墜落。搭乗の乗客乗員168名全員が死亡した。イランの旅客航空界では、国営のイラン航空も含めて以前から墜落事故が絶えず、整備不良体制もその一因として挙げられている。
今回の事故機はロシア製の「イリューシン IL-62M」で航空機登録ナンバーはUP-16208。今年早々にアーリア航空が導入した3機のロシア製旅客機の中のひとつだった。
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 今月15日カスピアン航空墜落事故では搭乗者168名全員が死亡 亡くなったイラン系カナダ人親子の生前の写真

5. Old Russian jet plane: Ilyushin IL-62M

Iranian airlines, including state-run ones, are chronically strapped for cash, and maintenance has suffered. The aircraft was originally in service with East German state carrier Interflug and still bore the airline's red cheatline and tail, although it had served with a number of airlines in Russia, Kazahkstan and Africa, since the demise of Interflug in 1991.
東ドイツ時代からの旧式中古旅客機
事故機は元々は、冷戦末期のソ連統制下の東ドイツで輸送機として採用されたもので、機体にはいまだに「東ドイツ国営航空」を表す赤いボディラインと尾翼のデザインが残ったままだった。
同機はその後91年のインターフラグ以降は、ロシアの民間航空機からカザフスタン、アフリカの共産系国家……と各国間を転々と転売されて、最終的に現在のアーリア航空の所属に納まった長い経歴を持つ。
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 2006年9月にも、やはり今回と同じマシャド空港で、着地に失敗した国営イラン航空の旧ソ連製旅客機が墜落炎上

6. All pilots and seven technicians are Kazakhs

The accident happened at 18:10 Iran Daylight Time (13:40 UTC). The aircraft is reported to have crashed and caught fire on landing. Seventeen people were killed — all occupants of the cockpit, all occupants of the first three rows in the forward passenger cabin, and the cabin crew seated at the front of the passenger cabin — and 136 survived the accident. The pilots, and seven other technicians aboard, were Kazahkstan nationals.
死亡したパイロットと7名の科学者はカザクスタン人
事故が起きたのは、イランの現地時間で午後6時10分。目撃者の証言では、機首が着陸時点で大破し炎上したという。この際にコックピット内のパイロット全員と、座席前方シートの最前列から3列に着席していた乗客全員、さらに前方シートと操縦室の間にいた添乗員全員の、総数17名が即死した。事故発生直後、残りの乗客136名は後部の非常ドアから脱出して生還した。ちなみに、パイロット全員と最前部に着席して死亡した7名の科学技術者は、カザクスタン国籍だった。
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 テヘランのメヘラバード国際空港で先月3日撮影の、アーリア航空の旧ソ連製イリューシンIL-62ジェット旅客機

7. Weather in good condition at landing

The weather on Thursday was good at the time of the accident: wind at 14 knots, 060 degrees; ceiling and visibility unlimited; temperature 33 degrees C; dew point -4 degrees C; altimeter 1012 millibars. The aircraft, however, landed with a crosswind.
飛行に最適だった着陸当時の天候
金曜のイラン現地の天候は、事故発生当時は飛行にまったく支障のない好天だった。
以下当日の天候条件の詳細:風力14ノット;上空より地上へ風向060度;上空及び全方向位へ視界最良;気温33℃;氷結点マイナス4℃;気圧1012ミリバール。
ただし、機体着陸時点では向い風だった。 <了>
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 テヘラン空港離陸直後のカスピアン航空墜落事故では搭乗の168名全員が死亡 棺でイェレヴァンに戻った犠牲者

【 米国時間 2009年7月24日 『米流時評』ysbee訳 】

d0123476_11564496.jpg◀ 次号「バカンス特急脱線!アドリア海リゾート列車事故で死傷者61名」
▶ 前号「黄昏のラプター F22廃止・軍産複合体に半世紀目の楔」
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by ysbee-2 | 2009-07-24 05:45 | テロとスパイ陰謀

過激派テロのターゲットは欧米資本と外国人ツーリスト

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   ||| 狙われる外国人VIPツーリスト |||

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 アジア地区のイスラム過激派テロ組織、ジャマーイスラミヤ、ラシュカレタイバ
 アルカイダ系テロ組織のターゲットは、欧米資本高級ホテルと外国人ツーリスト


d0123476_16582178.jpgジョージ・W・ブッシュの1期目、2001年の9/11同時テロ攻撃に対する復讐戦としてはじまったテロ戦争「War on Terror」。通常は英仏戦争、米西戦争のように、戦争当事国の名前が冠せられる戦争で、「Terror=テロ」という概念自体が敵という、前代未聞の漠然とした戦争の定義づけが成立してしまった。

 この時点から、どの国家であれ組織であれ人物であれ、
 ブッシュ政権下の国務省が「テロリスト」と認定すれば、
 敵性対象として自動的に攻撃を容認するシステムが作られてしまった訳である。
 (判断素材は、国務省配下のCIAおよびペンタゴン配下のNSAの諜報資料)
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 しかし、昨年11月にオバマが大統領に選出され、今年1月に正式就任したため、
 それまでブッシュ政権下で行き詰まっていた米国の
 あらゆる方針と政策は180度方向転換し、軍事面でも
 戦線を拡大する一途だったテロ戦争を、削減する方針へと変換した。
 
 かくして、まず「テロ戦争」という用語を一切使用しない態勢となり、
 1年以内にガンタナモ捕虜収容所も閉鎖する予定で、戦争捕虜にも
 基本的人権にのっとって正規の裁判を受けさせるよう、方針転換した。
 
 その結果、6月にはウイグル人の戦争捕虜が無罪放免となり、
 出身地の新彊自治区へ帰国させると、
 中国政府のイスラム教徒への弾圧で、再逮捕される恐れがあるので、
 カリブ海の英領バミューダやパラオ諸島など、
 受け入れを認可した国家へ亡命の形態で引き取られた。

 今月の新彊ウイグル自治区での中国の弾圧には、
 こうした背景も絡んでいるように見受けられる。

 【米国時間2009年7月19日『米流時評』ysbee】

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   JULY 19, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年7月19日号
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 アジアの高級ホテルとVIPツーリストをターゲットにするイスラム過激派テロ
 米国時間 2009年7月18日午前11時10分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee


 7/17号「ジャカルタのJWマリオットとリッツカールトン ホテル連続爆破テロ
 7/18号「真相究明・ラグジュアリーホテルに宿泊していた連続爆破テロ犯人」からの続き

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Asian Terror Groups Target High-End Tourism
Bomb hidden in laptop computer is also found at hotel hit by suicide attack
JULY 18, 2009 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
9. Executive forum of consultancy firm

JAKARTA, Indonesia — The attack occurred as the Marriott was hosting a regular meeting of top foreign executives at major companies in Indonesia organized by the consultancy firm CastleAsia said the group which is headed by an American.
国際フォーラム参加の外国人VIP宿泊中
今回の襲撃があった時点では、5スターホテルのJWマリオット・ジャカルタで、米国法人の「CastleAsia=キャスレーシア」というコンサルタント会社の主催で、インドネシアの主要企業を取りしきる外国人経営者が参加する年次恒例のフォーラムが、ちょうど開催されていた最中だった。
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JWマリオット、リッツカールトン共に5スタークラスのラグジュアリーホテルで利用客には外国人ツーリストが多い

10. Australian think tank warned ahead

An Australian think tank, the Strategic Policy Institute, had warned the Southeast Asian terrorist group Jemaah Islamiyah might launch new attacks just a day before Friday's deadly strike.
事前警告を発していた豪州シンクタンク
また金曜のホテルテロ襲撃のまさに前日に「Strategic Policy Institute(戦略方針研究所)」というオーストラリアのシンクタンクが「東南アジアのテログループ、ジェマーイスラミヤが新たなテロ襲撃を実行する可能性がある」と、警告を発した翌日に事件が起きているのも偶然過ぎる。
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リッツカールトンから緊急避難する顧客 両ホテルともジャカルタを代表するレストランがテナントとして入っている

11. Capitol under the extreme security

Security is tight at five-star hotels in Indonesia. Guests typically walk through metal detectors and vehicles are inspected, but many visitors say searches are often cursory.
首都ジャカルタの治安厳戒態勢下に
今回のテロ爆破事件の起きるよりもはるか以前から、インドネシアでは5スタークラスのラグジュアリーホテルに対しては、厳重な保安警備体制がとられていた。宿泊客やホテル内の飲食施設の利用客は、まずエントランスで金属探知機のゲートをくぐり、もちろん駐車する車輌もすべてチェックされていた。しかしながら利用客の多くからは、急ぐ際にはチェックはしばしばおざなりだったという批判の声も上がっている。
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JWマリオットの正面玄関で厳戒態勢の警備につく首都警察のスワットチーム 誰何して止まらなければ撃たれる

12. Technical advance by terrorists

"If they (the terrorists) were to separate explosives and metals they could get through the detectors because the wands the hotels use do not detect explosives," said Jakarta-based security consultant Ken Conboy.
警戒体制をくぐるテロリストの技術革新
「万一彼らテロリストが、爆発物の素材である化学物質と起爆装置などの金属素材を別々に持ち込めば(空港と違って化学物質を検出する機能を持たない)金属探知機しか設置していないホテルでは、チェックの関門をやすやすと通過できた可能性があります。」こう説明するのは、ジャカルタを本拠地とするセキュリティ専門のコンサルタント、ケン・コンボイ氏である。
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昨今のビルは開放的デザインでグラスウォールが多いが、爆破が起きればミリオン単位の凶器と化す危険性もはらむ

13. Indonesian jihadists praised attacks

Meanwhile, hundreds of postings on a Web site used by Indonesian jihadists praised the attacks. "Mission accomplished," read one posting on the site Arrahmah.com. Indonesian President Susilo Bambang Yudhoyono said the attack was carried out by a "terrorist group" and vowed to arrest the perpetrators. He also suggested a possible link with last week's national presidential election.
襲撃を賞賛するインドネシアのジハディスト
一方、イスラム過激派グループのウェブサイトには、今回のテロ攻撃を讃える投稿が何百も上がった。テログループのサイト「Arrahmah.com」に貼られた投稿のひとつにはこう書かれている。「Mission accomplished=任務完了」(イラク侵攻時にブッシュ大統領が戦艦ミズーリ上で吐いた自画自賛の迷セリフ)
インドネシア政府のスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領は、次のような公式声明を発表した。
「今回の事件はテロリストグループによって実行された計画的なテロ攻撃であり、実行犯人はすべて逮捕することを誓う。」彼はまたテロ攻撃のタイミングについて、先週実施され彼自身が再選されたインドネシア大統領選の結果と関連があるという示唆を示した。
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2つの高級ホテル連続爆破テロ直後、救急車で運ばれた先の病院で負傷した外国人のホテル客を見舞うユドヨノ大統領

14. Series of attacks on the tourists target

It has been nearly four years since the last major terrorist attack in the world's most populous Muslim nation. In 2002, a triple suicide bombing attacked two Bali nightclubs, killed 202—mostly foreign tourists.
アジア地区の欧米人ツーリストがターゲット
東南アジアだけでなく、世界最大のムスリム人口を抱えるインドネシア。この国で大規模なテロ攻撃事件が起きてから、すでに4年近く経った。これまでで最後の最大のテロ攻撃事件は、2005年のバリ島のナイトクラブトリプル爆破テロで、この事件では202名もの死者を出し、しかもそのほとんどが外国人ツーリストだった。しかし今回の先週金曜のテロ爆破事件では、ハイエンド顧客の利用するホテルでの警備体制のスキについて、新たな疑問が投げかけられる結果となった。
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リッツカールトンから搬出されるボディバッグに収納された爆破テロ犠牲者の遺体 4年前のバリ島では202名が死亡

15. Mumbai attacks by Lashkare Taiba

Friday's strikes raised questions about security gaps at high-end hotels, which have become popular targets for militants in recent years, most notably in Mumbai, India, where attacks in November killed 164 people.
昨年のムンバイ同時多発テロ事件
こうした外国人ツーリストのハブとなるラグジュアリーな観光・宿泊施設は、近年特に武装テログループの格好のターゲットとなる傾向を強めている。その典型的な例が、昨年11月インドのムンバイで起きた同時多発爆破テロ事件で、164名が犠牲になった。ムンバイでのテロ攻撃のターゲットは、2つの最高級ホテル、タージマハールとオベロイ、さらに人通りの過密なムンバイ駅とムンバイの通りで、この事件の犯人もまたイスラム過激派のラシュカレタイバである。
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ムンバイの同時多発テロでは、インド最高級のタージホテルとオベロイホテル、ムンバイ駅ターミナルがターゲットに
『米流時評』11/26〜12/04 「ムンバイ テロの決算」特集記事参照
60時間の死闘の末、人質篭城のテロリスト最後の砦 タージマハルホテル陥落

16. U.S. continue to partner with Indonesia

President Barack Obama condemned the "outrageous attacks" and said the U.S. government "stands ready" to help its ally in the effort to combat extremism. "We will continue to partner with Indonesia to eliminate the threat from these violent extremists, and we will be unwavering in supporting a future of security and opportunity for the Indonesian people," said Obama, who spent part of his childhood in Indonesia. The European Union also condemned the blasts.
オバマ「テロとの闘いでインドネシアと共闘」
少年時代をインドネシアで過ごした経験を持つ米国のバラク・オバマ大統領は、今回の事件を「とんでもない攻撃」であると非難し、米国政府は過激派武装集団と闘争する局面で、友軍国家(この場合はインドネシアを指す)を援助する体制はできていると表明した。
「こうした暴虐を繰り返す過激派の脅威をなくすために、われわれはインドネシアとの共闘体制を継続していくつもりであり、インドネシアが平穏と繁栄の未来を享受できるよう、ゆるぎない支援を継続していく所存である。」
またヨーロッパでもジャカルタ滞在中の欧州人が数人負傷しており、米国同様にEUが今回の爆破テロ事件に対して糾弾声明を出した。
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本当は、先週のNAACP結成百周年記念のオバマの迫力ある素晴らしい演説でも翻訳したいところだが、イランの革命やらウイグルの動乱やらジャカルタのテロ....相変わらず血なまぐさい事変が勃発する時代なのだよ、でおあずけです

17. Employees of world's largest gold mine

Two of those wounded at the Ritz-Carlton were employees of Phoenix-based Freeport McMoRan Copper & Gold, Inc. said a company spokesman. He declined to identify the two men or their nationalities, citing company policy, but said their injuries were not life-threatening. Freeport operates the world's largest gold mine in Indonesia's restive eastern Papua province.
負傷者に世界最大の金鉱会社社員も
ホテル・リッツカールトン・ジャカルタに滞在中に爆破で負傷した外国人の中には、アリゾナ州フェニックスに本社を置くFreeport McMoRan Copper & Gold, Inc.=フリーポート・マクモラン金銅採掘会社の社員2名が含まれていると、同社の広報担当から発表されたが、同社の方針に従い個人名および国籍は伏せた。ただし、ふたりとも命に別状をきたすような症状ではないという。
フリーポート社は、インドネシア辺境のパプアニューギニア地区で世界最大の金鉱を有し、金の採掘を行なっている。
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足に負傷したリッツ・カールトンホテルのレストランサービススタッフ 隣のスーツケースは医師の応急処置用か?

18. Attacks near mining complex in Papua

Several attacks have occurred in the past week on the road from the firm's sprawling Grasberg mining complex to the mountain mining town of Timika, leaving at least 15 people killed or wounded. Authorities initially blamed the ambushes on Papuan separatists, but official statements now refer to "an armed group" of professional marksmen.
パプアニューギニア鉱山襲撃で15名死亡
実は先週、フリーポート・マクモラン社がパプアニューギニアに所有するグラスバーグ鉱山から、
山間の鉱山の町ティミカへいたる道路で、過激派武装集団による襲撃が数回起きていた。その結果合せて15名が殺されたり瀕死の重傷を負っている。地元警察の発表では、当初パプア地区独立派の襲撃としていたが、今回のジャカルタ連続ホテルテロ爆破事件が起きたことによって、先週の襲撃もまた過激派のプロの武装集団によるものと、犯行容疑者に関する推論を変更した。 <了>

【 米国時間 2009年7月19日 『米流時評』ysbee訳 】
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▶ 前号「ジャカルタホテル爆破テロ主犯は逃亡中のテロリスト」
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by ysbee-2 | 2009-07-19 10:05 | テロとスパイ陰謀

ジャカルタホテル爆破テロ主犯は逃亡中のテロリスト

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   ||| 怪しい客の友だちはアルカイダ |||

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 ホテル爆破テロの首謀者は逃亡中のマレーシア人テロリスト、ヌルディン・トプ
 捜査当局はアルカイダ系イスラム過激派ジャマー・イスラミヤ分派の犯行と断定


米国時間 2009年7月18日 | インドネシア・ジャカルタ発 | AP通信ニュース速報
インドネシアの首都ジャカルタを代表する米国資本の5スター級ラグジュアリーホテル、JWマリオットとリッツカールトン・ジャカルタは、17日朝自爆テロの襲撃でホテルの一部を爆破され、死者8名、負傷者50名以上に上る大惨事となったと、首都警察当局から発表された。
現在捜査陣は犯行容疑者を究明中であるが、これまでの手がかりから今回の連続爆破テロ事件の主犯は、複数のテロ容疑で指名手配となり逃走中のヌルディン・トップというテロリストであることがますます濃厚になってきている。
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トップ:ジャカルタの一等地に高層のラグジュアリーホテルが立ち並ぶ。右のツインタワーがリッツカールトン、中奥の黒っぽいビルがJWマリオット /下写真左:ホテル近くの芝生に避難したホテルスタッフ /中:救急車でごったがえすJWマリオットのエントランス /右:朝7時45分の最初の爆破でパジャマのまま飛び出したホテル宿泊客

Cops Eye Fugitive Terrorist in Indonesia Blasts
Bomb hidden in laptop computer is also found at hotel hit by suicide attack
JULY 18, 2009 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
JAKARTA, Indonesia — The suicide bombers set off a pair of blasts at two American luxury hotels in Indonesia's capital, that killed nine people and wounded more than 50, authorities said. While investigators worked to identify the suspects, suspicions hardened that the blasts were masterminded by Noordin Top.


d0123476_21474336.jpg7/18 MSNBC ニュースビデオ | ホテル爆破テロの真犯人解明
MSNBC Report: Jakarta bombing mastermind close to being ID'd — July 18: Indonesian officials may be close to identifying the mastermind behind two deadly suicide bombings at two hotels. NBC's Ian Williams reports.


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   JULY 18, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年7月18日号
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 Why, How, and Who? ホテル連続爆破テロの真相究明
 米国時間 2009年7月18日午前11時10分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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爆破の翌日、5つ星ホテル・リッツカールトンの入口正面サインに犠牲者慰霊の献花をするジャカルタ市民の子ども

1. Suicide bombers posed as guests

Suicide bombers posing as guests attacked the J.W. Marriott and Ritz-Carlton hotels in Jakarta on Friday. The attackers evaded hotel security, smuggling explosives into the Marriott and apparently assembling the bombs on the 18th floor, where an undetonated device was found after the explosions.
宿泊滞在中に客室で爆発物製造
捜査の進展で18日金曜までの時点でわかったのは、複数の自爆テロ犯人はジャカルタ市内のJWマリオットとリッツカールトン両ホテルに、宿泊客として逗留していたという事実である。襲撃犯人たちは、ホテルのセキュリティチェックをうまく通過して爆発物をマリオットホテル内に持ち込み、チェックインした18階の客室でバラバラだった部品を組立てたという仮説が、爆破後に同客室内でもうひとつの起爆装置が発見されたことから、事実に近いと有力視されている。
(注:MSNBCのニュースでは、犯人はセキュリティチェックを免れるため、パソコンのノートブック内に起爆装置のパーツを内蔵して搬入したと説明していた。)
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最初の爆破現場はJWマリオットホテル1階のカフェ。爆風で1階部分は跡形もなく多数の死傷者を出した。

2. Targeted the breakfast time on Friday

The bombers had stayed at the hotel for two days and set off the blasts in restaurants at both hotels. A police investigator also told The Associated Press on Saturday that Noordin was the most likely suspect.
金曜の朝食時間帯を狙ってレストランを爆破
犯人容疑者たちは同ホテルに2泊滞在した翌朝、JWマリオットとリッツカールトン両ホテルのそれぞれ1階にあるカフェレストランで、爆発物を起爆したものと見られている。さらに18日土曜の朝になってから、ジャカルタ首都警察の捜査官がAP通信に明らかにした内容によると、指名手配で逃走中のテロリスト、ヌルディン・トプが、容疑者としてもっとも濃い線に浮かんでいるという。
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最初の爆破現場JWマリオット1階のカフェ外部ロビーを検証するCSI この現場は防犯カメラにも納まっている

3. Mastermind of blasts — Noordin Top

"Considering the target, the location and content of the bombs, it was clearly the work of Noordin" — a Malaysian fugitive who heads a breakaway faction of the Southeast Asian militant network Jemaah Islamiyah.
爆破テロ首謀者は JIのヌルディン
「テロのターゲット、ロケーション、爆発物の素材……こういったものを総合的に判断すると、当然ヌルディンの仕業だと言うことは明白です。」
捜査官が犯人として確実視するこの人物は、別件のテロ事件で指名手配中のマレーシア人のお尋ね者で、東南アジア最大の武装集団でインドネシアを活動の本拠地とするテロ組織ネットワーク「ジェマー・イスラミヤ」から分派したグループの首謀者である。
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爆破テロ事件の直後、リッツカールトン・ジャカルタ客室棟の被害をエクステリアからチェックするユドヨノ大統領

4. Informant, '200% sure.... it's Noordin'

"I'm 200 percent sure this was his work," said Nasir Abbas, a former Jemaah Islamiyah leader turned police informant who has worked with police on investigations into Indonesia's last three terrorist attacks. According to the source of investigators, a hotel receptionist told police that the man who checked into the room gave his name as "Nurdin."
諜報「200%ヌルディンの仕業」
「この事件がやつの仕業だと言うのは200%確実だよ」こう言うのは、元ジェマー・イスラミヤの首領で、現在は警察の諜報員として活躍するナシル・アッバースである。彼はインドネシアで過去起きた3回のテロ襲撃事件でも、警察の捜査活動に参加協力してきた経歴をもつ。
また別の捜査員の消息筋によると、ホテルのフロントデスクのチェックイン担当者が警察に伝えた情報では、起爆装置がみつかった部屋に逗留した男は、Noordinと同名でスペル違いの「Nurdin」という名前でチェックインしたそうである。
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事件当日リッツカールトンの爆破テロの現場で 地元公安の現場検証を補佐する国際警察のテロスペシャリスト捜査官

5. As a guest deposited $1,000 cash

He gave a $1,000 cash deposit because he had no credit card, he said. He said police had confiscated handwritten notes, a cell phone and a bomb encased in a laptop computer from room 1808 of the Marriott, where the bombers had apparently prepared for the blasts.
1000ドルの現金をデポジット
容疑者と見られる男は、クレジットカードを所有していなかったため、チェックインの際に現金1000ドルを保証金としてデポジットに入れたと、捜査官の一人は説明した。彼の話では、犯人たちが爆発物を組立てた場所と見られているJWマリオットの客室1808号室から、警察は手書きのメモ、携帯電話、そして爆発物が内蔵されたノートブック型パソコンを押収したそうである。
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爆破テロのあった翌日18日、リッツカールトン・ジャカルタからチェックアウトして帰路につく各国のツーリスト

6. Blast captured by security camera

"There was a big explosion followed by a shock wave," said Ahmad Rochadi, a security guard at the Marriott who was checking cars in the basement. "I rushed upstairs and saw smoke billowing from the lobby." Authorities have not officially named a suspect, but suspicion quickly fell on Jemaah Islamiyah or its allies.
防犯カメラに残された爆発の瞬間
さらにマリオットでは、1階の奥にあるカフェへ通じるロビーの防犯カメラのビデオに、爆発の瞬間が捉えられていた。ほんのわずかの短い瞬間だが、ベースボールキャップをかぶりホィールバッグを引きずった男が、ロビーを通過してレストランの方へ向かって歩いていく場面が、モノクロっぽいイメージで映し出されている。そしてすぐに一面白い煙に包まれる瞬間も。
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キャリーバッグを引く男がマリオット1階ロビー中央を突っ切ってカフェレストランへ向かうが白煙で見えなくなる

7. 'Big explosion followed by shock wave'

"There was a big explosion followed by a shock wave," said Ahmad Rochadi, a security guard at the Marriott who was checking cars in the basement. "I rushed upstairs and saw smoke billowing from the lobby." Authorities have not officially named a suspect, but suspicion quickly fell on Jemaah Islamiyah or its allies.
目撃者談「大きな爆発と衝撃波」
「最初に大きな爆発があって、その直後に衝撃波が続きました」こう言うのは、マリオットの保安警備員で、爆発当時はカフェの階下の地下駐車場で車をチェックしていたアハメド・ロチャディさんである。「急いで駐車場の上にある1階のロビーに駆け上がりましたが、ロビーは一面に白い煙が立ちこめていました。」
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8. Jemaah Islamiyah, al-Qaida-linked network

The al-Qaida-linked network is blamed for past attacks in Indonesia, including a 2003 bombing at the Marriott in which 12 people died. The heads of four of the bodies recovered from the blast scenes — two at each hotel — had been blown off, the police investigator said.
アルカイダ系列テロ組織ジェマーイスラミヤ
インドネシアの捜査当局からは犯人の名はまだ公表されていないが、事件発生後すぐに「今回のテロはジェマーイスラミヤかその分派の犯行だろう」という嫌疑がかけられた。
ジェマーイスラミヤはインドネシアを活動の中心とする、アルカイダ系列のテロ組織ネットワークで、これまでの主な犯行経歴としては、2003年にやはりジャカルタのマリオットホテルで12名が死亡したホテル爆破テロ襲撃事件が挙げられる。今回の連続爆破テロでは、両方のホテルからそれぞれ2体の遺体と爆発で吹き飛ばされたと推測されるその頭部が発見されたと、警察の捜査陣から発表があった。 > 次号へつづく


【 米国時間 2009年7月18日 『米流時評』ysbee訳 】
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 7/17 NBC ナイトリーニュースビデオ | ジャカルタ高級ホテル連続爆破事件現地速報
Deadly blasts rock Indonesia hotels — July 17: Two suicide blasts, just minutes apart, rip through two luxury hotels in Jakarta, killing at least 9 people and injuring dozens. Police say the suspects posed as guests before setting off the explosions. NBC's Ian Williams reports.

d0123476_11564496.jpg◀ 次号「過激派テロのターゲットは欧米資本と外国人ツーリスト」
▶ 前号「ジャカルタのJWマリオットとリッツカールトン連続爆破テロ」
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by ysbee-2 | 2009-07-18 14:18 | テロとスパイ陰謀

ジャカルタのJWマリオットとリッツカールトン連続爆破テロ

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  ||| ジャカルタ高級ホテル連続爆破テロ |||

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ジャカルタのJWマリオットとリッツ・カールトン、高級ホテル連続爆破テロ発生
死者9名 負傷者50名以上 過激派ジャマー・イスラミヤ4年ぶりのテロ襲撃か?


米国時間 2009年7月17日 | インドネシア・ジャカルタ発 | AP通信ニュース速報
17日金曜朝、インドネシアの首都ジャカルタの高級ビジネス地区にある、2つのラグジュアリーホテルで相次いで爆破が起き、これまでに判っただけでも死者9名、負傷者50名以上を出す連続爆破テロ攻撃事件となった。インドネシアは世界最大数のイスラム教徒を擁する国だが、2003年の一連のテロ攻撃事件以来4年間続いた平穏が、今回の爆破事件でついに破られた。

 現地のテレビMETRのニュースビデオがYou-Tubeに早々とアップ タグ: Jakarta, hotel, blast, bombing
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Deadly Blasts Hit 2 Hotels in Indonesia
Explosions two minutes apart killed 9 at Marriott, Ritz-Carlton in Jakarta
JULY 17, 2009 | Associated Press/REUTERS — BREAKING | Translation by ysbee
JAKARTA, Indonesia — Bombs minutes apart ripped through two luxury hotels in Jakarta Friday, killing nine and wounding at least 50 more, ending a four-year lull in terror attacks in the world's most populous Muslim nation. At least 14 foreigners were among the dead and wounded.


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   JULY 17, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年7月17日号
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 ジャカルタのリッツカールトンとマリオット 高級ホテル連続爆破テロ
 米国時間 2009年7月17日午前1時05分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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2003年のバリ島爆破テロ事件以来、イスラム過激派のテロには厳重な警戒態勢を敷いていたインドネシアだが

1. Blasts at J.W. Marriott, Ritz-Carlton

The blasts at the J.W. Marriott and Ritz-Carlton hotels, located side-by-side in an upscale business district in the capital, blew out windows and scattered debris and glass across the street, kicking up a thick plume of smoke. Facades of both hotels were reduced to twisted metal.
マリオットとリッツ・カールトン連続爆破
ジャカルタ中心部のアップスケールなオフィス街で、50メートルほど離れて隣り合わせに立つJ.W.マリオットとリッツ・カールトンの2つの高級ホテルを襲った爆破テロ事件。この青天の霹靂で、厚い黒煙が立ち上る両ホテルでは、客室の窓ガラスは粉々に砕けて周囲の路上に散乱し、ホテルの入口は捻じ曲がった金属の塊と化した。
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JWマリオット・ジャカルタ1階のカフェは、爆破時点の17日金曜朝7時45分には朝食をとる客でごった返していた

2. Indications of suicide bombers

Theo Sambuaga, chairman of the parliamentary security commission, said there were "indications" the attacks were carried out by suicide bombers. The Indonesian security minister and police have said a New Zealander was among those killed. Thirteen other foreigners were among the wounded, including nationals from the United States, Australia, Canada, India, the Netherlands, Norway and South Korea.
複数の自爆テロの手がかり
インドネシア国会の保安委員会で委員長を務めるテオ・サンバガ議員は、現場の状況から判断して今回の襲撃は自爆テロによって実行されたことを示す手がかりがあると記者発表した。
また保安相と警察当局からは、死者の中にニュージーランド人が1人混じっていると公表された。外国人の負傷者は13名にのぼり、その国籍は米国、オーストラリア、カナダ、インド、オランダ、ノルウェー、韓国、となっている。
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現場立入禁止の黄色いテープを張りめぐらしたリッツカールトン客室棟外部で捜査陣に陣頭指揮するジャカルタ公安

3. 'Bodies on the ground…It was terrible'

Alex Asmasubrata, who was jogging nearby, said he walked into the Marriott before emergency services arrived and "there were bodies on the ground, one of them had no stomach," he said. "It was terrible." At the Ritz-Carlton, torn curtains flapped around broken windows and glass lay around the hotel. There was blood on the street across from the Marriott.
「地面に死体が散乱……すさまじい光景だった」
事件発生当時、ジョギングをしていてホテルの近くを通りかかったアレックス・アスマスブラタさんは、爆破の模様を次のように語っている。
「爆破のあった後、救急車が駆けつける前でしたが、マリオットの敷地に入って行ったんです。そうしたらあちこちの地面に死体がころがってて、その中のひとりなんて胃の部分がないんですよ。もう、すさまじい光景でした。」
隣のリッツ・カールトン・ホテルでは、爆破で砕け散った窓ガラスがホテル周辺の地面をびっしり埋め、ガラスがなくなった個室の窓はガランと開いたままで、ボロボロになったカーテンがはためいていた。そこからマリオットまでの通りは、そこら中 血の海ができていた。
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爆破テロの遺体は五体そろっていたらまだましという。後方の携帯カメラで撮った映像はネットに上がらないように

4. 'Very loud, it was like thunder'

Scores of foreigners and Indonesian hotel guests milled behind police lines in the hours after the blasts, some still wearing bathrobes. "It was very loud, it was like thunder, it was rather continuous, and then followed by the second explosion," said Vidi Tanza, who works near the hotel, describing the blasts. Indonesian President Susilo Bambang Yudhoyono vowed in a televised address to the nation.
「雷が落ちたようなもの凄い音が続いた」
ホテルの宿泊客には外国人も地元インドネシア人もまじっていたが、爆発が起きてから数時間というもの、首都警察の警備陣の後方で呆然とかたまっていた。その中には寝起きのバスローブのままの者もいた。目撃者のひとりで、ホテルに近いビルのオフィスに勤務するジャカルタ市民のヴィディ・タンザさんは、爆発の模様を次のように語った。
「まるで雷が落ちたような、ものすごく大きな爆発音がしました。それがずっと続いて、それから2度目の大きな爆発音を聴きました。」
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マリオットに続いて爆破されたリッツカールトンから、バスローブの宿泊客を連れて避難誘導するレストランスタッフ

5. Yudhoyono vowed to arrest the terrorists

He vowed to arrest the attackers and said, "this action was carried out by a terrorist group, though it is too early to say if it is the same network responsible for a series of bombings in Indonesia in recent years, the Southeast Asian group Jemaah Islamiyah. Those who carried out this attack and those who planned it will be arrested and tried according to the law."
犯人追及を誓うユドヨノ大統領
インドネシアのスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領は、テレビを通じて全国へ声明を発表。その中で、彼は襲撃犯人を必ず逮捕すると誓い、次のように厳しい糾弾を実行することを宣言した。
「今回の事件がここ数年インドネシアで起きた一連の爆破テロ事件の犯人である東南アジアの過激派武装集団、ジェマー・イスラミヤと同じネットワークの仕業であるかどうか断言するには時期尚早だが、テロリストグループによってひき起こされたことは確かである。今回の襲撃を実行した犯人たち、またその襲撃を計画・司令した者も、いずれ必ず逮捕され、法の正義の元に裁かれることを誓うものである。」
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政府軍と公安関係の重鎮をそろえて、報道陣にインドネシアのテロ対策と治安体制を説明するユドヨノ大統領

6. The second atttack on Marriott

The Marriott, which was attacked in 2003 in a bombing blamed on al-Qaida-linked Jemaah Islamiyah, was hit first, followed by the blast at the Ritz two minutes later. The attacks came just two weeks after presidential vote expected to re-elect Susilo, who has been credited with stabilizing a nation previously wracked by militancy.
マリオットホテルに2度目の攻撃
ジャカルタのJWマリオットホテルは、2003年にもアルカイダ系列のテロ集団ジェマー・イスラミヤが犯行声明を出した爆破テロ襲撃の被害を受けている。今回の事件では、マリオットが先に爆破され、それから2分後に今度は隣接するリッツカールトンの爆破が続いた。
今回の爆破テロ襲撃事件は、インドネシア大統領選で現役のユドヨノ大統領の再選が決定してからわずか2週間後に起きた。大統領は選挙戦中も、政情不安を起こすイスラム過激派の武装集団を一掃し、インドネシアの社会状況と経済を安定化する政策を訴えていた。
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ページトップの写真は爆発の直後 /上の写真:外部の芝生に避難した客とスタッフが不安なままホテルを見守る

7. Another blast in the afternoon

Anti-terror forces were rushed to the scene, and authorities blocked access to the hotels in a district also home to foreign embassies. "This destroys our conducive situation," Sucipto said, referring to the nearly four years since a major terrorist attack in Indonesia — a triple suicide bombing at restaurants at the resort island of Bali that killed 20 people.
同日午後、別の現場でも爆発
地元ジャカルタのメディアの報道によると、この日金曜の夜になってから、ジャカルタ市内北部でもう一件の自動車爆破テロがあった模様である。公安当局に確かめたところ、爆破事件は起きたが当日朝のホテル爆破事件との関連はないという説明があった。
インドネシア政府のウィドド・アディ・スシプト保安相は、同日の記者会見でこれまでに明らかになったホテル爆破事件の詳細を発表したが、その内容によると爆破時刻は J W マリオットホテルが午前7時45分、リッツカールトンホテルが2分後の午前7時47分。また保安相は「極めて高水準の爆発物が使用された模様」と語った。
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マリオットの爆破現場は原型をとどめないまでに吹き飛ばされた。これほどの惨状で火事が起きなかったのが不思議

8. Breaking the peace since Bali blast

Anti-terror forces were rushed to the scene, and authorities blocked access to the hotels in a district also home to foreign embassies. "This destroys our conducive situation," Sucipto said, referring to the nearly four years since a major terrorist attack in Indonesia. In October 2002 a triple suicide bombing attacked two Bali nightclubs, and killed 202 people, many of victims were foreign tourists. Jemaah Islamiyah was accused of responsibility.
バリ島爆破テロ事件以来の惨事
爆破現場にはインドネシア政府軍のテロ対抗部隊が急行。ジャカルタ警察当局は、現場となったホテルや近隣地区にある各国大使館周辺の道路を急遽閉鎖、通行禁止にして、予測される連続テロを防止する体制をとった。
インドネシアでは2002年に、リゾートアイランド バリ島のレストランとディスコが自爆テロの襲撃にあい、202名の犠牲者を出す大惨事が起きた。このときの犠牲者の多くは外国人ツーリストで、その後数年間バリ島のツーリズムは大打撃を受けた。以来4年間というもの、厳重な警戒態勢で大規模なテロ爆破事件がなかっただけに、スシプト保安相は「今回の事件はわが国の平穏を打ち破った」と遺憾の意を表明した。
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JWマリオットの爆破現場から、ボディバッグに収容されホテルのラゲッジキャリアで運び出される犠牲者の遺体

9. Crackdown on Jemaah Islamiyah

There was a crackdown in recent years by anti-terrorist officials in Indonesia, a predominantly Muslim nation of 235 million,Police have detained most of the key figures in the Indonesia-based Jemaah Islamiyah and rounded up hundreds of other sympathizers and lesser figures. But the group was "still a very capable terrorist organization," a terrorism analyst said.
ジェマー・イスラミヤ摘発作戦
インドネシアはイスラム教徒の数2億3500万人を抱えるムスリム大国だが、近年政府軍のテロ対抗部隊が、イスラム過激派のテログループの弾圧摘発を徹底させていた。インドネシアの警察と公安当局は、インドネシアを活動の本拠地とするテロ組織「ジェマー・イスラミヤ」の幹部のほとんどを逮捕拘留しており、さらにそのシンパや配下の活動家も数百人摘発してきていた。
しかし、テロリズム専門のアナリストの分析では「インドネシアのテロ組織には、いまだテロ活動を実行する余力がある」と評価していた。  >次号へつづく

【 米国時間 2009年7月17日 『米流時評』ysbee訳 】
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爆破のあったホテル周辺と各国大使館や主要外国施設などの近隣道路では、全面通行禁止の厳戒体制がとられた

d0123476_11564496.jpg◀ 次号「真相究明・ラグジュアリーホテルに宿泊していた爆破テロ犯人」
▶ 前号「中国の新彊ジェノサイドに アルカイダが復讐宣言」
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by ysbee-2 | 2009-07-17 19:01 | テロとスパイ陰謀

アメリカの夜と霧・9/11とイラク戦争のパンドラの箱

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    ||| アメリカの夜と霧の夜明け |||

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 テロ戦争捕虜に対する自白強要拷問で明らかになる、ブッシュ政権の嘘と陰謀
 米国がついに開けたパンドラの箱、イラク戦争の侵攻事由はやはり捏造だった

d0123476_3532373.jpgイラク戦争時代のCIAの拷問が、憲法違反・戦争犯罪に問われるかどうか? という、ブッシュ体制の国家犯罪的本質を暴く状況が、今春から問題化している。オバマにとっては、自らの政治の倫理観を問われるもっとも厄介な問題である。

政経両面でのアメリカの再生と復活を目指すオバマ体制では
大統領は、これから先の未来を切り拓くためのパイロット役に専念する。
9/11やイラク戦争をはじめとする、前政権下での「米国の恥部」
過去の既成事実は、三権分立の原則を尊重し、司法機関の判断と処分におく。
という、米国大統領として、きわめて常識的な「処遇」をした

その采配を与った(あずかった)エリック・ホルダー司法長官は
就任の第一声となる宣誓式で、

「The United States doesn't torture.」
「アメリカは、拷問を、しない。」


と、これ以上はないほどきっぱりと、過去の体制と隔絶して
基本的人権を擁立する、民主主義の基本精神への回帰を宣言した。
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この旧体制への糾弾宣言に わが意を得たかのように、
その後急速に、真相暴露の潮流が高まってきた。

ブッシュ政権の「帝国の政策」に反旗を翻しては辞めていった
ホワイトハウスやペンタゴン、さらにはCIAの内部告発者たちが
積年の不正に対する憤懣の突破口を見出し、次々と弾劾の声を上げ始めた。
彼らは、拷問という犯罪の、立案・指令・実行の、現場の生き証人である。

今後の展開は、ガンタナモ捕虜収容所の自白強要に始まって ......
「ブッシュ・メモ」...... CIA拷問マニュアル ...... 現場証拠写真2千枚 ......
「チェニー・レポート」...... 内部告発者 ...... ジュネーブ協定違反 ......
「ゼリコウ・メモ」...... Treason ...... 憲法違反 ......
「ライス承諾事項」...... 「ラムズフェルド指令書」...... 戦争犯罪 ......
 ハーグ国際裁判所 ...... Crime of the Century ............

この夏は多分、ワシントンからニュースの嵐、スキャンダル・モンスーン。
ラビットホールをフリーフォールの、3月兎に週末はない。

【米国時間2009年5月13日『米流時評』ysbee】
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  MAY 13, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年5月13日号
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   B E I R Y U | N E W S  R E M I X
  ー Good News, Bad News, Everything in Between ー
  テロ戦争捕虜への拷問事実解明で明らかになる、ブッシュ政権の嘘と陰謀


▶Coldplay "Viva La Vida" Historic version/トーマス・コール「帝国の興亡」バージョン

ここにきて拷問疑惑の「Torturegate=トーチャーゲイト」に関して、
さらに新しい問題が発生。
先週の記者会見で、民主党のナンシー・ペロシ下院議長が、
拷問の事実に関して知らされていなかった、と爆弾発言。
「CIAは、私も含めた下院に対して、嘘をついた」と、
公開の席で堂々と、国家諜報機関を非難したのである。

この件に関しては、いつ、誰が、何処で、誰に、何をどう言ったのか?
という徹底した事実確認とその証明が必至。
つまり、「拷問」という犯罪行為の、
立案者、承認者、指示者、そして事実隠蔽者を告発するために、
専門の調査委員会が編成されて、公聴会で明らかになるだろう。

「基本的人権の尊重」を、立憲の根本精神とする米国では
いかなる状況下であれ、たとえ戦時の敵国捕虜に対してでも、
「拷問」は、人間性に対する普遍的犯罪であり
ジュネーブ協定違反であると同時に、米国の憲法違反となる。



▶Auto-Tune the News #3: cuba. afghan friendship. 2-party woes

しかし、ペロシの発言よりも何よりも、
もっとも重要な解明のポイントは次の点:

1. テロ戦争の過程で、アルカイダやタリバンのメンバーが捕虜になった。
2. 捕虜は、ガンタナモの捕虜収容所やアブグレイブ監獄で拷問を受けた。
3. その拷問の目的は、次のような「捏造の自白」を強要するものだった。
  A)イラクのサダム政権は、大量殺戮兵器(核兵器)を所有していた。
  B)9/11テロ攻撃は、アルカイダの犯行である。
  C)アルカイダとサダム政権は、共同謀議で米国を攻撃しようとした。


つまり、捕虜に対して、ブッシュ政権が
「米国がイラク戦争に踏み込んだ理由」として挙げている上の条件を、
無理矢理、拷問で自白させようとした「疑惑」である。
この肝心のポイントが、「拷問ゲイト」と呼ばれる由縁である。

現場で手を下した者、下された者の証言や写真、
また、ホワイトハウスやペンタゴン内部高官の 証言やメモが
現在、すでにメディアのあちこちに浮上してきている。


▶Auto-Tune the News #2: pirates. drugs. gay marriage

もし、こうした一連の疑惑が事実として立証されれば、
ブッシュ政権は、(長い間われわれが疑っていた通り)
次のような 国家レベルでの犯罪を犯したことになる。

1. 戦争事由の捏造: 国家反逆罪
2. IAEA 調査団排出: 国際法違反
3. イラク侵攻開始: 他国侵略
4. ファルージャ包囲戦: 一般市民虐殺/白燐弾使用
5. 一方で捕虜拷問: ジュネーブ協定違反


有罪が成立した場合、下手をすれば、ハーグの国際犯罪裁判所行きである。
世界を騙して犯した大罪は、
かつてのユーゴスラビアのミロスビッチどころではない。

この8年近くで、米兵は4千名以上が戦死。
イラク人は10万人以上が、戦火の巻き添えで死亡している。
(一説では60万とも。国外亡命者や国内難民は100万以上)
その他にも、アフガニスタンやパキスタンでも、
いまだに犠牲者が あとを断たない。


▶Auto-Tune the News #1: march madness. economic woes. pentagon budget.

こうしたすべての犠牲が、ただひとえに軍産共同体のために
恣意的にしかけられた戦争の結果であるならば……
米国のリベラルが、前政権指令者の戦争責任を問い、
「我々の世代のニュルンベルグ裁判」と息巻くのも無理はない。

今年の夏は、この10年近くを、
テロ戦争と言う名の冥界に 世界を引きずり込んだ当事者である、
ブッシュ政権、特にその実質的総帥であった チェニー元副大統領に対して、
米国民の、いや全世界の糾弾の目が注がれるだろうことは、間違いない。

歴史の因果応報が、ようやく帰路に就いたようだ。
黄泉(よみ)の世界からの帰還へ。

【米国時間2009年5月14日『米流時評』ysbee】


▶Auto-Tune the News: Obama Flashback

*RemixしたYou-Tubeビデオクリップは、パロディビデオで人気のグレゴリーブラザース。
アメリカの政治を痛烈に皮肉っている一連の「Auto-Tune the News」シリーズは、
彼らのサイトの他にもMSNBC-TV の『レイチェル・マドウ・ショー』でも見られます。


   ◀ 次号「衛星写真で発覚!パキスタン・クシャブの新しい核施設」
   ▶ 前号「タリバン+封建主義+コールドプレイ=Remix」
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by ysbee-2 | 2009-05-14 12:48 | テロとスパイ陰謀

作家フォーサイス 次の小説はギニアビサウのクーデタ

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  ||| 暗殺とクーデタと作家フォーサイス |||

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反乱軍側が擁立し即日元首に即位したレイムンド・ペレイラ新大統領 外国勢力の傀儡政権であることだけは確か

 英国スパイ小説の大家、サー・フレデリック・フォーサイスが明かす次回作
 今秋出版の新しい小説は、ギニアビサウ共和国のクーデタ陰謀と大統領暗殺


d0123476_18552829.gifただ今米国太平洋時間で6日午後11時。週末の映画を見終わりましたら、ニュースでGMゼネラルモータスが破産申告を出すかもという速報が...... ああ、ついに、いよいよ、とうとう来たか!であります。経済破綻関連のニュース、連日続発しておりましたが、GMほどの大物が往ってしまったら、波及効果の倒産の方が恐ろしい。Citibankも怪しくなってきますね。明朝のニュースに注目です。

では昨日の続き「ギニアビサウのクーデタとフレデリック・フォーサイス」の後編を。記事下に今回の暗殺クーデタの舞台となったギニアビサウの歴史を、Wikiから抜粋して一巡。1973年にポルトガルから独立建国以来、現在までの36年間というもの、常に指導者の暗殺とクーデタに明け暮れてきた、いわば赤道直下の戦国時代を体験中の国であることがよくわかります。

【米国時間2009年3月6日『米流時評』ysbee】

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MARCH 6, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年3月6日号
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  Associated Press | B R E A K I N G
「ギニアビサウの陰謀」フレデリック・フォーサイスが遭遇した暗殺とクーデタ
 米国時間 2009年3月5日午前3時24分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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   英語で「生け贄」と同意語のGuinea pig がビサウの通りを徘徊する
Frederick Forsyth Report: Real-life Assassination
From the vantage point of Coup d'etat and assassination in Guinea-Bissau

MATCH 5, 2009, 3:24 a.m | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
Continued from previous issue |BISSAU, Guinea-Bissau — Forsyth was a Royal Air Force pilot in the late 1950s, then spent 12 years as a foreign correspondent for the Reuters news agency and the BBC. His first attempt at fiction, "The Day of the Jackal," was about a plot to assassinate President Charles de Gaulle of France. Published in 1971, it was an international best-seller.

英国空軍パイロットから国際的小説家へ
英国の作家フレデリック・フォーサイスは、第二次大戦後間もなく1950年代には、英国空軍RAFのパイロットだった。その後除隊してジャーナリストに転身。ロイター通信とBBC放送の海外特派員として、12年の間 世界を股に駈けて取材に飛び歩いた。
彼が書いた最初の小説は『The Day of Jackal/ジャッカルの日』で、当時のフランス大統領シャルル・ドゴールの暗殺を題材にした作品だが、1971年に発売されるや否や、たちまち世界的ベストセラーとなった。(また長年にわたる著述家としての功績に対して、女王陛下からナイトの称号を授かっている。)
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  ギニアビサウ共和国の首都ビサウの目抜き通り アパートのように見えるがこれでも「一流」ホテル

10. 'Zangoro' modeled after Equatorial Guinea

In 1974 came "The Dogs of War," set in the fictional nation of "Zangoro," which he said was modeled after the oil-rich Central African dictatorship of Equatorial Guinea, some 1,700 miles southeast of Guinea-Bissau. Forsyth's next novel, which he expects to publish next year, will be set in Guinea-Bissau.
「戦争の犬」は赤道ギニアがモデル
デビューから3年後の1974年に『The Dogs of War/戦争の犬』を発刊。物語の架空の舞台「Zangoro/ザンゴロ」は、石油資源に恵まれた中央アフリカの独裁政権国家、赤道ギニアをモデルにしたと、フォーサイスみずから明らかにしている。赤道ギニアは、今回クーデタのあったギニアビサウの南西1,700マイル(約2,700キロ)にある隣国である。
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過去3年間の麻薬輸出量のチャート:金額から言って、ある種産業化している膨大な規模

11. Rumor of financing 1973 attempted coup

Forsyth was long rumored to have financed a 1973 attempted coup in Equatorial Guinea. But he dismissed the claims as "imaginary fantasies" spurred by people who saw him interviewing mercenaries for "The Dogs of War" around the same time.
73年赤道ギニアクーデタの裏の工作者?
『戦争の犬』が発刊されるよりも1年前の1973年、舞台のモデルとなった当の赤道ギニアでは、小説の題材となったクーデタが実際に起きていた。実はフォーサイスがそのクーデタに資金づけをしたのではないかと、長年噂されていたのも事実である。
しかしインタビューでは彼はその疑惑を言下に否定した。そういった「夢物語」は、ちょうど時期を同じくして『戦争の犬』の題材を現地で取材していたフォーサイスが、傭兵を雇ってクーデタを起こしたのではないか?と想像する人々の勝手な妄想に過ぎないと一笑に伏した。
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すでに暗殺され「在りし日の」になったヴィエイラ大統領夫妻 政情不安定な国では政治家には決死の覚悟が要る

12. Idea, then travel for research and interview

Dressed in khaki pants and a loose white shirt, the sprightly, 70-year-old author said he always works the same way: story idea, then research, travel and interviews with people who have experienced the things he wants to write about. He spent much of his three days in Bissau talking with expatriates.
発想からリサーチの取材旅行へ
今年70才を迎えてもかくしゃくとしたフォーサイスは、ゆったりとした白い麻のシャツとカーキのチノパンという、旅先らしいラフな格好で現れた。
彼が自ら公開する著作法は、長年全く変わらない。先ず第1に物語の発想があり、その対象について綿密に調査する。それから物語の背景となる土地へ出かけ、彼がこれから書こうとしている事件や事柄を現実に体験した現地のひとびとに、直接会って取材する。フォーサイスがギニアビサウに滞在した3日間も、ご他聞にもれず暗殺クーデタにかかわった人物との会話についやされた。
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ホテルのバーでAP通信記者のインタビューに応じるベストセラー作家フレデリック・フォーサイス

13. Writing a new novel till this fall

At 10 pages a day, he figures it will take him October and November to write the novel. It will be another "international thriller involving the usual mix of forces of law and order, criminality, special forces, U.S. Green Berets, a coup d'etat, and a lot of money," Forsyth said. "But there will be surprises. It's not going to be what you just read about in the news."
今秋まで新しい小説を執筆中
現在フォーサイスが執筆している次の小説は、1日に10ページ位ずつ書き進めているので、脱稿するのは10月か11月になるだろうとみており、その内容について次のように語った。
「新作もまた、司法と警察、国際犯罪、特殊部隊、特に米軍のグリーンベレー、クーデタ、そして巨額の金が渦巻く、おなじみの国際的陰謀を暴く物語だけどね。しかし、今回もあっと驚くような筋書きになっていて、ニュースで読むような尋常な話じゃないことは請け合うよ。」
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アフリカ西海岸のギニアビサウ共和国は、近年急激にコカインの麻薬密貿易が激増していた

14. 'Real world is so weird and so scary'

Forsyth's next novel, which he expects to publish next year, will be set in Guinea-Bissau. He said he has stopped inventing fictional places "because the world is so weird and so scary, you might as well use the real ones." He said his vantage point is that he can speak more freely than government officials and see the nation's history "from an outsider's point of view."
現実の世界の方が奇妙で恐ろしい
フォーサイスの次の小説が出版されるのは来年になるが、その背景となる舞台はギニアビサウである。彼は架空の土地を創作するのをやめて、実在の場所を使うようになった経緯をこう語った。
「その理由は、現在では現実の世界の方がよほど不可解で恐ろしい世の中になっているからだよ。今なら誰でも本物の土地を素材に選ぶと思う。」
また取材に際しては、外国人作家としての彼の有利な立場をこう説明する。
「政府の高官であるよりも小説家という肩書きの方が、人々は警戒心を解いて気楽に語ってくれるからね。それと外国人の方がその国を部外者として冷静に観察できるのも、作家としての利点かもしれない。」
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元々軍事クーデタで権力の座についたヴィエイラ大統領も、今度は反乱軍のクーデタで暗殺される運命のブーメラン

15. 'Investigative journalism is like a drug'

Asked if he misses the life of a foreign correspondent, Forsyth said: "Investigative journalism is like a drug. When you write, it's very hard to walk way." "If push comes to shove I could still cover a story. But in Guinea-Bissau, there is no need to exaggerate," he said. "This place is for real."
真相追求ジャーナリズムのジャンキー
かつて海外特派員の記者として活躍した時代が懐かしくなることはあるかと聴くと、フォーサイスはこう答えた。
「Investigative journalism=真相追求ジャーナリズムっていうのは、麻薬のようなもんだよ。それを書いている最中は表沙汰にはできないしね。でもどうしても書きたいという衝動が起きれば、事件を追いかけるかも知れないよ。ただし今回のギニアビサウのクーデタに関しては、実際のストーリーに脚色する必要はないくらいだ。」
そして作家はこう結んだ。「ここではすべての話が、本当に起きたことなんだから。」 <了>

【 米国時間 2009年3月6日 『米流時評』ysbee訳 】
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暗殺とクーデタを繰り返す政局不安と旱魃で産業も育たない赤貧の国 周辺の農村から首都へフェリーで向かう人々


d0123476_15185449.jpg 3/06 作家フォーサイス 次の小説はギニアビサウのクーデタ
 3/05 「事実は小説よりも奇なり」フォーサイスが遭遇したクーデタ
 3/04 新自由主義経済の終焉と景気の氷河期
 3/03 ウォール街の真冬はいつまで続くのか?
 3/02 ウォール街にブリザード!ダウ6千ドル台へ急落
 3/01 予告:対訳「ウォーレン・バフェット2009年の託宣」

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【Wikipedia よりギネアビサウの歴史を転載・一部省略】
歴 史 |ポルトガル植民地時代

1446年 ポルトガルがこの地域一帯の領有を宣言。
1630年 ポルトガルが総督府を設置。
1765年 ビサウに奴隷貿易の拠点が設置される。
1879年 カーボベルデ諸島植民地から分離して単独の植民地となる。
     民族主義的集団が形成され、武装蜂起が度々起こる。
1951年 ポルトガルの憲法改正により、植民地から海外州・県(海外の領地)となる。
1956年 アミルカル・カブラルが指導するクレオールのギニア・カーボベルデ独立アフリカ党(PAIGC)による独立・民族解放運動が始まる。
以後、ソビエト連邦やキューバの支援を受けたPAIGCと、アメリカ合衆国の支援を受けたポルトガル軍事政権の間で植民地戦争が続き、戦況はPAIGC優勢で展開する。
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1973年1月 独立アフリカ党のアミルカル・カブラル議長、ギニアのコナクリで暗殺さる。
1973年9/24 領土掌握のPAIGCが東部マディナ・ド・ボエでギニアビサウ共和国の独立を宣言。
       初代大統領には、暗殺されたアミルカルの弟ルイス・カブラルが就任。
1974年4/25 ポルトガルでカーネーション革命が発生し、左派政権が誕生。
       以後、ポルトガル新政権とPAIGCとの間で独立交渉が開始される。
1974年9/10 ポルトガル政府により、ギニアビサウ共和国の独立が正式に承認される。
PAIGCはカーボベルデとの統一を目指したが、国内でカーボベルデ系への反感が高まり、
カーボベルデ系ルイス・カブラルが軍事クーデターで失脚したため統一の可能性消える。
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歴 史 |独立後
1980年 ジョアン・ヴィエイラによるクーデターが発生、革命評議会が全権を掌握する。
1984年 革命評議会に代わり国家評議会が設置され、ヴィエイラが議長に就任する。
     建国当初の親東側路線はヴィエイラ政権により親米路線に変更されたが、
     国内での治安は悪く、クーデター計画が頻発した。
1990年 ヴィエイラ、複数政党制民主主義への移行を表明。
1993年 クーデター未遂事件が発生。
1994年 建国後初の複数政党制選挙が行われ、ヴィエイラが大統領に当選する。
1998年 クーデターをきっかけに内戦が発生し、避難民30万人がビサウに流入。
1999年 クーデターでヴィエイラ大統領が亡命する。
2000年 クンバ・ヤラが大統領に就任する。
2003年 ヴェリッシモ・セアブラ将軍の無血クーデターでヤラ大統領が辞任・逮捕される。
     エンリケ・ホザが臨時大統領に就任。
2004年 セアブラ将軍が死亡したのち、議会選挙でPAIGCが勝利。
     カルロス・ゴメス・ジュニオル首相の連立政権樹立。
2005年 ヴィエイラ大統領就任。ジュニオル首相更迭、アリスティデス・ゴメスが新首相。
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2008年11月 議会選挙で多数派与党が勝利。
   その一週間後、軍の不満分子による大統領官邸襲撃事件が発生。
   反乱軍は撃退されクーデターは未遂に終わる。対策として大統領警護隊を編成。
2009年 1月 ナワイ参謀長が大統領警護隊の解散を命じたため、参謀長暗殺未遂事件が起きる。
3月1日 政府軍司令部爆破で大統領と対立のナワイ参謀長爆殺さる(参謀長2名連続暗殺事件)
3月2日 反乱軍兵士が大統領官邸を襲撃、ヴィエイラ大統領を殺害する。
政府軍は国営ラジオで反乱軍は「孤立した勢力」で鎮圧寸前と発表、軍は憲法遵守と保障。
ゴメス首相とルイス・サンカ国家安保顧問が大統領の死亡確認を発表したが詳細にふれず。
首都には軍部隊が配置され民間ラジオ局を閉鎖した。
現在までビサウに大きな混乱は無いが、軍司令部の建物が爆発で一部破壊された。

(注:黒字部分が今回の暗殺クーデタ事件の概略)

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緊急特集 ||| ウォール街の真冬 ||| 経済危機
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第1章「ウォール街にブリザード!」 ダウ平均6千ドル台の底値を記録
1. Dow ended at another misery milestone 売りの猛吹雪で悲惨な底値を記録
2. Dow ended at another misery milestone 97年来初めて7千ドルの大台を割る
3. Long term recovery for the great loss 大巾な損失回復には長期を覚悟
4. Zombie bank AIG still draw loans ゾンビーバンクAIGに追加注入金300億ドル
5. HSBC earning dropped 70% in 2008 欧州最大の金融機関HSBCの利益7割減
6. Game-changer: housing market 好転の鍵はハウジング市場に


第2章「ウォール街の真冬はいつまで続くのか?」 米国アナリストの分析予測
7. Financial sector worsens against injection 注入金に反して悪化する金融市場
8. Recession is exacerbating problems 社会問題の元凶となる深刻な不況
9. Analysts read mostly grim by slide 市場アナリストは一様に暗黒時代を予測
10. Predictable severe financial reports 第2四半期の財務報告:ビジネス厳冬期
11. Next bubble: Credit card sector? 次にはじけるのはクレジットカード業界?


第3章「新自由主義経済の終焉と景気の氷河期」 オバマのマンモス再生予算
12. Mixed signals in different industries 業界によって異なる現況
13. U.S. Dollar, Treasury Bond prices surged 国債と米ドルは急騰
14. Psychology of 'Dow-Down syndrome' 「ダウ・ダウン症候群」の心理克服を
15. Has it reached to the bottom yet? どこまで続く?不況の猛吹雪
16. Anatomy of the past recovery 過去の不況の症状診断と回復療法

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by ysbee-2 | 2009-03-06 23:25 | テロとスパイ陰謀

「事実は小説よりも奇なり」作家フォーサイスが遭遇したクーデタ

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 ||| 戦争の犬、フレデリック・フォーサイス |||

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 スパイ小説の大御所、フレデリック・フォーサイスが遭遇した本物のクーデタ
 アフリカ西岸のギニアビサウ共和国で、反乱軍のヴィエイラ大統領暗殺を目撃


d0123476_18552829.gif事実は小説よりも奇なりと言うが、今回のエントリーは、希代のスパイ小説の大家が執筆取材中の旅先で起きたクーデターを図らずも目撃した、という話。その作家とは『ジャッカルの日』でデビューして以来、押しも押されぬスパイ小説の権威となったフレデリック・フォーサイスである。

フォーサイスと言えば、諜報機関やスパイが暗躍し暗殺やクーデターが巧妙に描かれた、推理小説の作家としておなじみの名前である。作品はすべてベストセラー、映画化されたものも数多い。元々はRAF (Royal Air Force) 英国空軍のパイロット上がりで、ロイター通信の記者やBBC特派員として海外で活躍した生粋のジャーナリストである。
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 左:デビュー作『ジャッカルの日』初版本 /取材や講演で世界を股に駈けるサー・フレデリック・フォーサイス
 トップの写真はビサウ共和国の大統領官邸 今回とは別に以前起きたクーデタで壊れた屋根のまま


この経歴は、ジェームズ・ボンド/007シリーズの原作者、イアン・フレミングとよく似ている。彼もやはり英国海軍の軍人上がりで、長年ロイター通信の特派記者として中東やバルカンを股に駈けたジャーナリストだった。ちなみに、軍人あがりでロイターやBBCの海外特派員と言えば、英国の諜報機関MI6のエージェント、つまりスパイとして外国へ送り込まれている場合が多いというのが通説だ。

私が中学生の頃に(昭和のアンモナイト期)ちょうどボンドシリーズの第一作『007は殺しの番号/ドクター・ノオ』が封切りになった。ジョン・バリーのテーマミュージックとともに、まだ無名の新人だったショーン・コネリーが女王陛下の007号となって活躍するシリーズは一世を風靡し、毎年の正月映画として寅さんと並んで、なくてはならない看板映画になった。
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 フォーサイスの近作『The Afghan』はアルカイダやテロ戦争を素材に扱った野心作

兄と弟にはさまれて育った私も、ご多分にもれずスパイ小説や探偵小説をむさぼり読んだ口である。当時は早川書房から発売されていたハヤカワ・ミステリーというジャンルに、こういった欧米の翻訳小説が網羅されていて、黒い裏表紙にカラーの背表紙という、これまたバタくさい翻訳物ならではの装丁も、書店の本棚で目を引く存在だった。

もちろん、映画を見た後でイアン・フレミングの原作を読むのが習慣になっていた。ボンドシリーズがとば口となって、その後高校に入る頃には、ダシール・ハメット、レイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウ物や、ミッキー・スピレイン、エド・マクベインの87分署シリーズなどを手当たり次第読破していった。ハードボイルドの神髄と言われるこうした作家たちの作品。歯切れがよく勢いのある小気味よい文章にぞっこんだったので、現在米国に住んでそういう英文の醍醐味を生で読めるのは、ハヤカワミステリーや植草甚一氏からの何かの因縁かもしれない。
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  フォーサイスのバイオグラフィーのページ 出版社のサイトだが、近作・近況まで網羅している

さて、話がえらくワープしてしまった。元に戻して、フレデリック・フォーサイスである。彼がデビューしたのは、すでに社会人になった後だったので、原作は『ジャッカルの日』しか読んでいない。しかし、映画化された作品で『戦争の犬たち』『オデッサ・ファイル』は見ている。

作品からも充分伺えるように、外交官や諜報員、将軍たちの内部情報に精通したその彼が、アフリカ西部でもいわくつきの動乱の国ギニアビサウ(英・仏読み: ギネア・ビソー)を訪問中に、実際のクーデタに出逢ったと言うのである。ちょうどそういうプロットの小説を執筆のために取材中だったというのだから、まさしく事実は小説よりも奇なり。戦争の犬も歩けば、硝煙を嗅ぎつけるよりもすばやく暗殺にぶちあたった、というエピソードを。

【米国時間2009年3月5日『米流時評』ysbee】

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MARCH 5, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年3月5日号
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  Associated Press | B R E A K I N G
「事実は小説家よりも奇なり」フレデリック・フォーサイスが遭遇したクーデター
米国時間 2009年3月5日午前3時24分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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  今年70歳になった英国のベストセラー作家フレデリック・フォーサイス 国際的スパイ陰謀小説の大家

Thriller King Forsyth Ends up in Africa Mayhem
Assassination of Guinea-Bissau's president and rival seems like a book plot

MATCH 5, 2009, 3:24 a.m | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
BISSAU, Guinea-Bissau — It could have been a scene right out of one of his own thrillers. And when his next novel is published, it may very well be. British author Frederick ("The Day of the Jackal") Forsyth jetted into coup-prone, cocaine-plagued Guinea-Bissau this week to research his latest novel, and found real life trumping fiction.

事実は小説よりも奇なり
ギニアビサウ・ビサウ発 |それはまるで、彼の推理小説からそっくり抜け出してきたようなシーンだった。その上現在彼が執筆中の次の作品が今秋出版されれば、多分そのままの光景が小説の中で展開するだろう。
ベストセラー『ジャッカルの日』でデビューした英国の作家フレデリック・フォーサイスは、名物と言えばクーデタ陰謀とコカイン麻薬密輸ぐらいのアフリカの小国ギニアビサウに今週ジェットから降り立った。旅の目的は執筆にとりかかった最新の小説の素材を現地でリサーチすることだったが、フィクションのトランプは見事にくつがえり、図らずも現実の事件を目撃する羽目となった。
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処女作の『ジャッカルの日』以来、常にベストセラーを世界に送り続けてきたフォーサイスも今年ですでに70才に

2. Encounter with real-life assassination

Hours before he touched down in the West African nation, a bomb hidden under a staircase blew apart the armed forces chief. Hours later the president was gunned down, and according to Forsyth, hacked to pieces. The double assassination of President Joao Bernardo "Nino" Vieira and his military rival, Gen. Batiste Tagme na Waie, shocked Guinea-Bissau.
現実の暗殺クーデタに遭遇
このアフリカ西海岸の小国にフォーサイスが降り立ってからほんの数時間後に、政府軍本部の階段の下に仕掛けられた爆発物が炸裂し、政府軍の総司令官は木っ端微塵に吹き飛ばされた。その爆破事件からさらに数時間後、今度は大統領が凶弾に倒された。フォーサイスの消息筋の情報では、そのあと暴漢の手で、マチェットという現地の手斧でめった切りにされたのだという。
これがホアン・ベルナルド"ニノ"ヴィエイラ大統領と、対抗する政府軍のトップ、バチステ・タグメ・ナワイ将軍のダブル暗殺で、動乱には慣れっこのギニアビサウでさえショックな事件だった。
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ギニアビサウで反乱軍に殺されたバチステ・ナワイ政府軍司令官(左)と元首のベルナルド・ヴィエイラ大統領(右)

3. As thrilling as Forsyth's own fiction

The incident clouded this sweaty equatorial capital in the kind of mystery and intrigue often detailed in Forsyth's own fiction about assassins, spies and coups. Forsyth's presence here inevitably raised the association with his hit novel, "The Dogs of War," about mercenaries trying to stage a coup in a mineral-rich, African backwater.
自身の小説とそっくりな展開
暗殺とクーデタの陰謀が渦巻きスパイが暗躍する、フォーサイス自身の小説の中で克明に描かれたミステリーの筋書きそのままに、この赤道直下の汗ばむように蒸し暑い首都ビサウを、政府転覆の暗黒の事件がおおった。フォーサイスが今ここにいると、アフリカの地下資源の豊かな架空の国家を舞台にクーデタを起こそうとした外人部隊を描いた彼のベストセラー小説のひとつ『The Dogs of War/戦争の犬たち』の題材と作者との深い関係を思い起こさずにはいられない。

[注:一説には、70年代に動乱下の赤道ギニアで、フォーサイスが資金投下して反乱軍にクーデタを起こさせたというのが定説になっている。MI6スパイ説の根拠でもある。]
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貧困度ではアフリカでも最下層のビサウの街 政府が弱体であればすぐにアルカイダなどテロ組織の温床となる

4. Eventually 'just ran into coup d'etat'

"I didn't come for a coup d'etat or regime change, but that's what I ran into," Forsyth said over coffee at his hotel, where The Associated Press found him. He said he couldn't sleep and was in his hotel bed reading when he heard a boom before dawn Monday and thought, "that wasn't a car door slamming."
着いた当日に偶然起きた政権交代劇
「私がここにきたのは、クーデタや政権交代を起こすためじゃなかったんだが、結果的にはぶち当たってしまったようだよ」AP通信の記者が探し当てた滞在先のホテルのバーで、フォーサイスはコーヒーをすすりながら、事件当夜の出来事を語った。
彼は着いたその夜はなかなか寝つかれず、ベッドの中で本を読んでいたが、夜更けを過ぎ月曜の未明をまわったあたりで、突然爆発音がしたのを聞いたと言う。その時彼はこう思ったそうだ。
「あれは車のドアをバタンと締めた音なんかじゃないぞ」
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反乱軍の襲撃と爆破で破壊された、ギニアビサウ政府軍本部の建物 階段下に仕掛けられた爆発物で軍司令官が爆死

5. Interview with autopsied pathologist

The explosion was blocks away at Vieira's modest downtown villa — the beginning of the president's end. Forsyth went out that day and saw army troops patrolling the streets. They left him alone. That night, he had dinner with the Dutch pathologist who autopsied Vieira and had spent the morning "trying to put the president back together again."
暗殺死体を検死した医師に取材
爆発は、ビサウの町の中心にあるヴィエイラ大統領官邸から、わずか数ブロック離れたところで起きた..... そして、その爆発が大統領の最期の終幕の始まりだった。
フォーサイスは夜が明けてから現場へ出かけたが、通りには陸軍の軍隊が警備のパトロールにあたっていた。しかし彼らは、フォーサイスの行動にはかまわなかったようだ。おかげで彼は自由に行動できた。
その晩フォーサイスは、オランダ人医師をホテルに招いて一緒に食事をしたが、彼はヴィエイラ大統領の死体を検死した当事者の病理学者だった。医師の話によると、バラバラになった大統領の死体を縫ってつなぎあわせるのに、その日の午前中いっぱいかかったという。
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反乱軍の仕掛けた爆発で粉々になった政府軍本部の内部 事件から3日後の3月4日水曜もそのままの現場

6. Horrendous ending of old dictator

According to Forsyth's sources, the 71-year-old ruler survived an initial rocket attack, got up, was shot four times, then was "slung into the back of a pickup truck ... and cut to pieces with machetes" by soldiers bent on avenging their own chief's death. Forsyth said he came here for "the flavor, the odor, of a pretty washed up, impoverished, failed West African mangrove swamp."
老いたる独裁者の悲惨な最期
別の情報源の話では、71才の独裁者はまず最初にロケット弾の攻撃を受けたが立ち上がった。すると今度は銃弾が4発撃ち込まれた。さらにトラックの荷台に放り込まれ、そこで最後にマチェット(手斧)でバラバラに切り刻まれたのだという。彼に手を下したのは、大統領の指令で司令官が暗殺されたのに逆上し復讐に及んだ、政府軍兵士たちだったそうである。
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30年以上暗殺やクーデタの政情不安定が続いたため、産業と言っても貧しい農業と漁業の一次産業しかない

7. 'Most disastrous part of West Africa'

"I thought, what is the most disastrous part of West Africa, and by a mile, it's Guinea-Bissau," he said. If you drive around you'll see why.
「アフリカ西海岸でも最悪の国」
フォーサイスは、アフリカ西海岸のマングローブの生い茂るすえた沼地のように、赤貧のこの国が放つ危険な香り、動乱の空気が匂ったのでやってきたと語る。
「西アフリカで救いようのないほど、もっとも国家崩壊の相を呈している国。それがギニアビサウだよ。そのへんをクルマでちょっと走っただけでそのわけが解るはずだ。」
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国土のほとんどが、サハラ砂漠外縁の乾燥したサバンナ地帯で不毛に近い

8. 'Everything is purchasable'

"One wrecked building after another, one mountain of garbage after another. A navy with no ships, an air force with no airplanes. No infrastructure, no electricity. Everything is purchasable."
政府まで金で買える国
「ぽつぽつと見える建物はみな破壊された廃墟のようだし、道端には集める者がいないので、行けども行けどもゴミがうず高く山になっている。海軍と言っても船はないし、空軍があっても飛行機のひとつも持ってない。上下水道もなければ電気さえ走っていない。こんな国では、すべてが(政府さえ)買えてしまう。」
>> 次号後編へ続く
【 米国時間 2009年3月5日 『米流時評』ysbee訳 】
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d0123476_15185449.jpg 3/06 作家フォーサイス次の小説はギニアビサウのクーデタ
 3/05 「事実は小説よりも奇なり」フォーサイスが遭遇したクーデタ
 3/04 新自由主義経済の終焉と景気の氷河期
 3/03 ウォール街の真冬はいつまで続くのか?
 3/02 ウォール街にブリザード!ダウ6千ドル台へ急落
 3/01 予告:対訳「ウォーレン・バフェット2009年の託宣」

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緊急特集 ||| ウォール街の真冬 ||| 経済危機
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第1章「ウォール街にブリザード!」 ダウ平均6千ドル台の底値を記録
1. Dow ended at another misery milestone 売りの猛吹雪で悲惨な底値を記録
2. Dow ended at another misery milestone 97年来初めて7千ドルの大台を割る
3. Long term recovery for the great loss 大巾な損失回復には長期を覚悟
4. Zombie bank AIG still draw loans ゾンビーバンクAIGに追加注入金300億ドル
5. HSBC earning dropped 70% in 2008 欧州最大の金融機関HSBCの利益7割減
6. Game-changer: housing market 好転の鍵はハウジング市場に


第2章「ウォール街の真冬はいつまで続くのか?」 米国アナリストの分析予測
7. Financial sector worsens against injection 注入金に反して悪化する金融市場
8. Recession is exacerbating problems 社会問題の元凶となる深刻な不況
9. Analysts read mostly grim by slide 市場アナリストは一様に暗黒時代を予測
10. Predictable severe financial reports 第2四半期の財務報告:ビジネス厳冬期
11. Next bubble: Credit card sector? 次にはじけるのはクレジットカード業界?


第3章「新自由主義経済の終焉と景気の氷河期」 オバマのマンモス再生予算
12. Mixed signals in different industries 業界によって異なる現況
13. U.S. Dollar, Treasury Bond prices surged 国債と米ドルは急騰
14. Psychology of 'Dow-Down syndrome' 「ダウ・ダウン症候群」の心理克服を
15. Has it reached to the bottom yet? どこまで続く?不況の猛吹雪
16. Anatomy of the past recovery 過去の不況の症状診断と回復療法

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by ysbee-2 | 2009-03-05 22:48 | テロとスパイ陰謀

テロ戦争の内幕/ブッシュとビンラディンの危険な関係

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 ||| ブッシュとビンラディンの危険な関係 |||

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今だから言える、オサマ・ビンラディン一族とブッシュ家のテロ戦争の危険な関係

d0123476_18552829.gifテロ戦争に関しては、イラク戦争と違ってオバマは100%反対ではない。というよりもむしろ、タリバンの残党とアルカイダのトップ2、オサマ・ビンラディンとザワヒリが棲息すると見られる、アフガニスタンの東とパキスタンの西の、いわゆるタリバニスタンと俗称される地域にある本拠地をピンポイントで攻撃すべきであると、2007年の段階から主張していた。

▶『米流時評』2007年8月9日号 「オバマの『パキスタン派兵』発言とイラク戦争批判
d0123476_14302471.jpgオバマ上院議員「ブッシュのイラク戦争は米国を誤った方向へ導いた」とズバリ指摘
大統領選民主党ライバル候補のクリントンはオバマ発言を「ナイーブ=稚拙」と酷評

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2007年8/9号「オバマのパキスタン派兵発言とイラク戦争批判」より一部抜粋:
「もし自分が総司令官 (commander in chief/軍事行動の最終権限をもつ米国大統領の別称) であれば、軍隊をイラクから引き揚げて、彼らをテロ戦争の本来の戦場であるアフガニスタンとパキスタン (の国境付近) に配備します。特にアフガニスタンへは、少なくとも現在よりも2大隊増やして配属するほか、救済資金としてアフガンの国庫に10億ドル (約1,200億円) の非軍事的一般予算援助金を投与します。」  
オバマ氏はさらに抜本的なテロ戦争対策として、グローバルなインテリジェンス(諜報機関)のネットワークと(情報交換の)インフラを構築する計画を明らかにした。
「またインドネシアからアフリカに至るテロリストのネットワークを撲滅するために、全世界的規模で友好国と諜報機関の情報をシェアできる計画を実現する用途で50億ドル (約6000億円) をかけ3年がかりで、新しいインテリジェンスネットワークを構築します。」
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 左:ムシャラフ時代に選出されたが辺境の部族制圧に失敗したパキスタンのギラニ首相(左)とインドのシン首相
 右:親米の立場でテロ戦争での友軍体制を固めたアフガニスタンのカルザイ大統領とパキスタンのザルダリ大統領


2年間の長い選挙戦で公約に謳い続け見事に当選、大統領に就任したからには、公約通り「イラクはイラクの元へ」納めて米軍撤退が本筋。しかし当初から主張してきたように、9/11の元凶でテロ戦争の本来のターゲットであるアルカイダと、イスラム原理主義のプロパガンダを拡大するタリバンへは追及の手をゆるめない。したがって、彼らの本拠地であるアフガン・パキスタン国境地帯のテロ組織の基地に対しては、両国政府軍の掃討作戦への協力と援助を惜しまない。
これが、オバマのテロ戦争戦略を簡略化した骨子である。

d0123476_14302471.jpg▶『米流時評』2007年7月「アルカイダ 2.0 核のテロ」
07/7/22「アルカイダ2.0 タリバンの逆襲」
07/7/23「アルカイダ2.0 核目的のパキスタン戦略」

Newsweek特約 サミ・ユサフザイ+ロン・モロー 共同取材書き下ろし/翻訳 by ysbee
・アフガニスタンとパキスタンの国境地帯でタリバン勢力が再生復活
・アルカイダのNo.2 アル・ザワヒリをめぐるテロ集団の内部派閥抗争

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オバマの大統領就任によってパキスタン政府も覚悟を決めたと見え、政府軍の諜報機関ISI自体が米軍との諜報情報交換を推進、タリンシンパ討伐作戦へ本腰を入れて乗り出した。今回のエントリーはその詳細であるが、同日に「パキスタンの核の父」と呼ばれるA・Q・カーン博士を、自宅拘禁の身柄から解放処分にしたのは、非常に気になる動きである。パキスタンと核とアルカイダというのは、テロ戦争の典型的な三題噺の種であり『米流時評』でもたびたび取り上げた。

d0123476_14302471.jpg▶ドバイ-パキスタンの核コネクション『米流時評』2007年11月
英国エージェントが暴露する核取引の闇市場とドバイネットワーク
〜グローバルな核の時代を許したドクター・カーンの恐怖の構図

07/11/01 第1話「ドクター・カーンのグローバルな核のブラックマーケット」
07/11/02 第2話「英米 » ドバイ » パキスタン » リビア の核の密輸ルート」
07/11/03 第3話「グローバルな核の時代を許した恐怖の構図」
07/11/04 第4話「北朝鮮とイランの核所有はカーン発ドバイ経由」
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パキスタン、核、アルカイダ。この3つの危険なファクターをつなぐ赤い糸が、パキスタン諜報部のISIである。ソ連のアフガン侵攻の時代から、隣国アフガニスタンの不穏化に利する騒擾要素としてアルカイダを泳がせてきた ISI司令部。しかし、オバマの米国外交政策の根本的CHANGEの高波は、中央アジアの高原にまで押し寄せてきたようだ。

【ブッシュとビンラディンのテロ戦争のネットワーク】
下のチャートは、陰謀マニアには垂涎ものの「ブッシュ家とビンラディン一族の相互関連図」。米国では俗に「Bush Co.」と呼ばれる構造で、ネオコンタカ派の主唱した「ニューワールド政策」の元にグローバルな戦争を推進。軍産複合のネットワークで数兆円稼いだ資金はカーライルグループに蓄積。
他にも関連産業としては、チェニーがCEOだったハリバートン、イラクで悪名の高い警備保障会社のブラックウォーター、戦車製造メーカーのアームストロング、死体処理産業のKenyon……など、いずれもブッシュが州知事だったテキサス州が本拠地。当然石油財閥のExxon Mobile(ライス国務長官も取締役)や戦闘機納入のボーイング社など、枚挙にいとまがありません。
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(*図をクリックすれば拡大します)
テロ戦争関連の記事は『米流時評』を2007年に開始して以来、ほとんど毎日と言っていいほど掲載してきました。さらにそれより以前には『楽園通信』というパーソナルサイトでも、記事を書いてきました。そうした過去のエントリーは以下のカテゴリーアーカイブで、それぞれの地域のテロ戦争に関連した記事が、日付の新しい順にまとめてお読みいただけます。
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ブッシュと米国政治イラク戦争レポートテロとスパイ陰謀アルカイダ 2.0 核のテロアフガン タリバンの復活パキスタン戒厳令の季節次世代冷戦時代ユーラシアの回廊中東のパワーラビリンス中東核戦争グローバルウォーロシア・グルジア紛争インド ムンバイテロソマリアの海賊イスラエル・ガザ戦争. . . . .

【米国時間2009年2月8日『米流時評』ysbee】

◀前号「アルカイダとオバマ/パキスタン諜報部 ISIのCHANGE」
▶次号「ネタニヤフとオバマ/イスラエルの2月体制」へ
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米流時評 特集 ||| オバマの時代 |||
第1章 オバマ時代開幕 Road to White House
▶11/01(1)世界が待ち望む オバマ時代の夜明けd0123476_19284774.jpg
▶11/02(2)世界危機に挑戦する 21世紀のニューリーダー
▶11/04(3)アメリカの再生を賭けた明日へのカウントダウン
▶11/07(4)オバマの第一声「アメリカの大いなる挑戦」
▶11/13(5)オバマの初仕事・ホワイトハウスの組閣人事
▶11/14(6)オバマ紳士録・後編 クリントンが国務長官?
▶11/16(7)オバマのチャイナフリーFDA改革・禁中国汚染食品!
▶12/08(8)ウォール街復活? オバマのNewニューディール効果


第2章 オバマの百日革命 Revolutionary Road
▶1/19(1)勝者なき闘い・ガザの終りとオバマの始まり
▶1/23(2)ブッシュとオバマ/スーパーマンの仕事始め
▶1/24(3)カストロとオバマ/キューバとアメリカの新しい海峡
▶1/25(4)旧体制とオバマ/レボルーショナリーロード
▶1/27(5)中東とオバマ/カウボーイ外交からピース外交へ
▶1/28(6)アラブとオバマ/アルアラビアTVインタビュー対訳
▶2/01(7)金正日とオバマ/狼少年の歓迎のテポドンd0123476_1936736.jpg
▶2/03(8)テロ戦争とオバマ/アフガン戦線と東欧MD計画
▶2/04(9)メドベージェフとオバマ/ユーラシア防衛とキルギスタン
▶2/05(10)アフガンとオバマ/カイバー峠の戦場にかける橋
▶2/06(11)パキスタンとオバマ/タリバン戦線の共闘戦略
▶2/07(12)アルカイダとオバマ/パキスタン ISIのCHANGE
▶2/08(13)ビンラディンとブッシュ/テロ戦争内幕の危険な関係
▶2/09(14)イスラエルとオバマ/タカ派三つ巴のイスラエル総選挙
▶2/10(15)ネタニヤフとリブニ/イスラエルの2月体制
▶2/11(16)タリバンとオバマ/首都カブール同時多発テロ攻撃
▶2/12(17)カルザイとオバマ/アフガン増兵とアフ・パキ戦線
▶2/13(18)クリントンと日本/拉致被害者家族と東京で会談
▶2/14(19)クリントンと北朝鮮/核と平和のアメとムチ
▶2/15(20)パレスチナとオバマ/絶望と希望のはざまで
▶2/17(21)アフマディネジャドとオバマ/テヘランの春
▶2/18(22)IAEAとオバマ/イラン核外交のCHANGE


||| 『米流時評』 特集シリーズ |||
次世代冷戦時代  |  グローバルウォー  |  イラク戦争  | テロとスパイ陰謀d0123476_1746245.jpg
アルカイダ2.0 核のテロ | パキスタン戒厳令の季節  |  アフガン・タリバンの復活
中東のパワーラビリンス | プーチンのロシア | ユーラシアの回廊 | ダイハード中国
2008年米大統領選 | ブッシュと米国政治 | サルコジのフランス | トンデモ北朝鮮
ビルマの赤い川革命 |  欧米の見る日本  | 世界不思議探検 | グローバルビジネス


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by ysbee-2 | 2009-02-08 15:45 | テロとスパイ陰謀

中共スパイへ機密漏洩したペンタゴン戦略家に懲役5年

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 ||| チャイナ エスピオナージ 判決編 |||

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    元ペンタゴン勤務の戦略アナリストに、懲役5年の実刑判決
    米国に長年潜伏した中共政府のスパイに極秘軍事情報を漏洩


米国時間 2008年7月11日20:45 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee
バージニア州アレキサンドリア発 | 中国政府のスパイで米国内で諜報活動を行っていたニューオーリンズの家具セールスマンへ、米軍の軍事的機密情報を漏洩していたかどで、ペンタゴンの元戦略アナリストに対して5年近い実刑判決が下された。

Pentagon Worker Sentenced in China Spy Case
Former analyst gave classified data to a Chinese spy, gets five years in jail
JULY 10, 2008 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
ALEXANDRIA, Virginia — A former Pentagon analyst has been sentenced to nearly five years in prison for giving secret military information to a New Orleans furniture salesman who turned out to be a Chinese spy.

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JULY 13, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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   A S S O C I A T E D P R E S S

元ペンタゴン戦略アナリスト、中共スパイに軍事機密漏洩で懲役5年
米国時間 2008年7月11日午後8時45分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee
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  ペンタゴンのアナリスト、バーガーセンを籠絡した中共のスパイ、タイ・クオが所属したニューオーリンズの家具ストア


1. Man believed a spy as an informant of Taiwan
At a sentencing hearing in U.S. District Court, Gregg W. Bergersen, 51, of Alexandria, apologized and said he never meant to hurt his country. Bergersen thought that Louisiana businessman Tai Kuo, the recipient of the information, was aligned with the Taiwanese government and that the information was furthering the establishment of a sophisticated new air defense system in Taiwan, called Po Sheng.
台湾政府の諜報と思い込まされた被告
バージニア州アレキサンドリア在住の51才のこの男は、元国防総省勤務のグレッグ・B・バーガーセンで、米国地方裁判所のアレキサンドリア法廷で判決を受けたのち、自国を傷つける意図は毛頭なかったと謝罪した。法廷の公判記録によると、バーガーセンは、情報を手渡していたルイジアナ州ニューオーリンズの家具セールスマンで中国人のタイ・クオを、台湾政府と通じている人物と思い込まされ、渡した情報は「ポーシェン」と呼ばれる台湾政府の最新の対空防衛システムを確立するのに役立つものと信じていたと自白していた。

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  中国では経済ブームに呼応して急速に軍備が拡大充実。それに対応する台湾や韓国、日本の軍備費も膨らむ。
  中国へ戦闘ジェットやミサイルを卸す巨大軍需産業の株主こそ、アジアの軍備エスカレーションの仕掛人として裁かれるべきだ


2. Active spy for the People's Republic of China

But Kuo was actually a spy for the People's Republic of China and was relaying the information provided by Bergersen to the Communist regime in Beijing. "I did not do it for financial gain," Bergersen said, holding back tears. "I somehow in my mind, as convoluted as it sounds, acted out of a perverted sense that the end justifies the means."

中華人民共和国共産党政府の現役のスパイ
しかし中国人クオは、実際には中華人民共和国のスパイだったことが明らかになり、クオがバーガーセンから入手した情報は、そのまま北京の共産党中央政府へと手渡されていたのである。バーガーセンは判決後の陳述で、涙ながらに次のように釈明している。
「私は私服を肥やすためにやったのではありません。非常に屈折した理屈で理解に苦しむとは思いますが、心の中では(結果的には親米政権の台湾のためによかれと思ってやったことになり)『終わり良ければすべて良しとなって、結果が手段を正当化するだろう』というひねくれた感覚から派生した行動でした。」

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  中国国内ですら国民を監視体制下におく全体主義の警察国家、他国に対してのスパイ行為は当然の職務なのだろう

3. Motivated by gifts, job promise

Prosecutors, though, said Bergersen was indeed motivated by financial gain, citing the thousands of dollars that Kuo gave him on gambling trips to Las Vegas, as well as Kuo's promise of future employment after Bergersen retired from the federal government. "He knew he needed to give Kuo information that the public didn't get so Mr. Kuo would keep lavishing gifts on him," said prosecutor W. Neil Hammerstrom. Hammerstrom also said Bergersen's claim that he acted solely out of motivation to advance the Po Sheng program is dubious, because the information he provided would have done little.

高価な贈答品や退職後の就職口で釣る
しかしながら、検察側では「バーガーセンは実際には金銭欲が動機でスパイ行為を働いた」と見ており、それを裏付けるようにクオは彼に数千ドル手渡してラスベガスへの賭博旅行へ行かせたり、バーガーセンが連邦政府から定年退職したあとの将来の職を約束したりしていた。
「被告は、自分が一般人と違って中国人スパイのクオが欲しがる情報を渡せる立場にあり、そうすることでクオは彼に贅沢な報酬を与え続けるだろうということを承知していた。」
法廷のニール・ハマーストロム検事は、被告の動機をこう説明している。ハマーストロム検事はまた、バーガーセンの「私はただひたすら、台湾のポシェン開発計画の進展を手助けする動機から情報漏洩を実行しました」という申し開きは信用できないと述べ、その理由として、彼の漏洩した情報は台湾の防衛計画には何ら関わりのないものだったことを挙げている。

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  国内総生産では米・日本を抜き世界のトップとなった中国経済だが、国民一人当りの豊かさでは貧富・階級格差が歴然

4. Motivation for the Taiwan plot is dubious

The 57-month sentence imposed by U.S. District Judge Leonie Brinkema was less than the sentence of seven to nine years sought by the government. Brinkema said she departed from the federal sentencing guidelines, which also called for a 7- to 9-year term, in part because of a classified memo filed by the government that apparently detailed the damage caused by Bergersen's actions.

検事「台湾を幇助する動機は疑わしい」
ペンタゴンが所在するバージニア州の地方裁判所で、レオニー・ブリンケマ判事はバーガーセン被告に対して、57ヶ月の懲役という実刑判決を言い渡した。この判決は、当初米国政府側が想定していた7〜9年の懲役よりは軽いものである。
ブリンケマ判事は、通常こうした国家機密情報漏洩に対する最小限の懲役刑を7〜9年と設定される連邦裁判所の判決基準とは、一線を画して判断したと説明する。彼女はその理由として、バーガーセンのスパイ行為によってこうむった被害は、非公開の連邦政府の覚え書きに事細かに書き出されていたが、大したものではないという判断からでもあると説明した。

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  中国政府おかかえのグローバルなネットコミュニケーション専門のハッカーは3万人とも5万人とも言われている

5. Judge, 'Incident caused little harm'

Brinkema said she concluded from the memo that the information provided by Bergersen caused relatively little harm to national security. Hammerstrom disputed that conclusion, saying a full damage assessment has not yet been made. Taiwanese officials said shortly after Bergersen and Kuo were arrested in February that the espionage caused some damage but did not compromise key technology.

判事「漏洩による実質的被害は微小」
ブリンケマ判事は、連邦政府から提出された被害届の詳細から判断して「被告バーガーセンによって漏洩された情報は、国家防衛に対して比較的小さな害しか与えなかった」と結論づけている。
この結論に対して検察側のハマーストロム検事は真っ向から反論し、被害の総体を把握する作業はまだ続行中だと、今法廷の判決に異議を申し立てた。論争の焦点となっている台湾政府側の高官は、2月にバーガーセンとクオが逮捕された直後、「スパイ行為によってなにがしかの被害はあったが、鍵となるテクノロジーとは拮抗しない」という声明を出している。

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  西側諸国防衛体制の心臓部とも言えるペンタゴン内部にスパイが存在するとしたら、これほど危険な漏洩はない

6. Nephew of the general for Chiang Kai-shek

Kuo, 58, who has pleaded guilty to espionage, is scheduled to be sentenced later this month. He is a naturalized U.S. citizen and a native of Taiwan. His family is prominent in Taiwan — he is the son-in-law of Xue Yue, a Chinese nationalist general who was a close associate of Chiang Kai-shek.

台湾建国の父蒋介石の参謀の甥
一方、中共政府スパイのクオはスパイ容疑を認めており、今月後半に判決が下される予定になっている。クオは台湾生まれで米国へ帰化した、移民一世の米国市民であり、出身の一族は台湾では著名である。彼は、台湾建国の父、蒋介石の参謀のひとりだった中華民国政府軍のシュウ・ユエ将軍の甥にあたることで知られている。

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  米国ばかりでなく英国政府内部のコンピュータネットワークからも中共政府スパイのハッキング行為が発見摘発された

7. Tip of the iceberg of China espionage

The Bergersen case is one of more than a dozen in the last few years involving either traditional spying or economic espionage related to China. U.S. officials have warned in the last year of increasing espionage efforts by Beijing.

激増する中国スパイ活動の氷山の一角
バーガーセンのペンタゴンスパイ事件は、本来の国家機密入手と言う伝統的なスパイからビジネスの極秘情報入手という企業スパイまで、ここ数年間に中国と関連のある諜報活動として発覚した数十件以上のスパイ事件のひとつに過ぎない。バーガーセンとクオの逮捕は、北京の中共政府による諜報活動が激増している現状を危惧し、昨年暮れに米国政府が関係者に対し警告を発した直後の出来事だった。 [了]

【米国時間 2008年7月13日 『米流時評』ysbee 訳】

»» 次号「緊急アフガンレポート・テロ戦争の最前線から」へ続く
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by ysbee-2 | 2008-07-14 10:56 | テロとスパイ陰謀

勇者は帰りぬ・解放されたベタンクールさんフランスへ

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  ||| 勇者は帰りぬ。自由の闘士パリへ |||

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コロンビアゲリラから解放されたベタンクールさん、フランスへ帰還
フランス政府、パリ市をあげての歓迎、バチカンも祝福のメッセージ


d0123476_18552829.gif今日7月4日は、自由と人権に最大の価値をおく、アメリカの独立記念日。おりしも米国のニュースチャンネルでは、昨日のコロンビアゲリラからの人質解放を、トップニュースとして「自由と人権の勝利」を象徴するかのように、繰り返し流している。

『米流時評』でも、ゲリラグループに潜入したコロンビア政府軍のスパイがゲリラをだまして人質の解放に至るまでのドラマを一昨日の記事「特報!コロンビアゲリラから人質15名奇跡の奪還」でお届けしたが、今日新たにその救出時の一部始終を撮ったビデオがコロンビア政府から公開された。手ぶれの素人映像だが、人質たちの驚きと喜びが伝わる貴重なビデオ、一見の価値はある。


▶極左ゲリラFARCに人質になっていた要人捕虜15人がコロンビア政府軍に解放されるビデオ
d0123476_435812.jpg• NBC |New video recounts Colombian rescue
• CNN |Video of hostage rescue
• BBC |Betancourt and family reunited
• BBC |Betancourt's French return joy
• BBC |Betancourt speaks of freedom


▲トップの写真はコロンビア国籍のフランス人で元コロンビア大統領選候補のイングリッド・ベタンクール女史(中央)極左ゲリラFARCの人質として誘拐拉致されてから6年ぶりにコロンビア政府軍によって無事救出された。救出作戦に協力したと言われるフランスへ家族とともに帰国し、フランス政府とパリ市長(中央右)主宰の生還歓迎の舞台に立つ。

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JULY 4, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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   A S S O C I A T E D P R E S S

解放された要人人質ベタンクールさん、フランスへ英雄として生還
米国時間 2008年7月4日 12時03分 | AP 通信・パリ支局発速報 | 訳『米流時評』ysbee

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French Hero's Welcome for Betancourt
Country embraces politician held by FARC; she says 'France is my home'
JULY 4, 2008 EST | Associated Press — PARIS | Translation by ysbee
PARIS — Former hostage Ingrid Betancourt arrived in France to a hero's welcome Friday after six years being held by leftist rebels in the Colombian jungle. Betancourt said she "cried a lot during this time from pain and indignation," she said, today "I cry with joy."

6年間サバイバルの果てに生還
コロンビアの左翼ゲリラFARCによって拉致誘拐されて以来、6年間ジャングルで人質になっていた元大統領候補イングリッド・ベタンクールさんは、4日金曜彼女の第二の故郷フランスへ到着、「英雄の生還」として国をあげての大歓迎を受けた。ベタンコートさんは帰国の感想を「この6年間、苦痛と屈辱感でずいぶん泣きました。でも今日は喜びの涙です」と語った。
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誘拐されて以来6年ぶりに子供たちと再会できたイングリッド・ベタンクール 娘のメラニーと息子のロレンゾと

1. 'France is my home'

"It's a very, very moving moment for me: Breathing the air of France, being with you," Betancourt told supporters and reporters gathered on the windswept tarmac. "France is my home and you are my family." President Nicolas Sarkozy and first lady Carla Bruni-Sarkozy greeted the French-Colombian politician with hugs, kisses and broad smiles at the Villacoublay air base southwest of Paris.
「フランスはわが祖国」
「私は今どうしようもなく感激している最中です。こうしてあなたがたと一緒にここにいてフランスの空気を吸っているのですから……フランスは私のふるさとで、あなたがたは私の家族です。」ベタンクールは飛行場の風に吹かれながら、集まった支持者や取材陣を前にこう語った。パリの南西にあるヴィラクーブレー空軍基地まで彼女を出迎えたニコラス・サルコジ大統領とカーラ・ブルーニ・サルコジ夫人は、このフランス系コロンビア人の政治家を相好を崩して歓迎し、抱擁とキスで祝福した。
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コロンビアとフランス両方の国籍を持つベタンクール女史にとって子供時代と青春を過ごしたフランスは第2の故郷

2. 'There is no such thing as inevitability'

文字数制限のため英文省略
サルコジ「明けない夜はない」
ベタンクールの到着を歓迎する場面は、フランスの国営テレビで実況中継された。彼女のふたりの子供たちやほかの家族のメンバーもフランス政府の飛行機で到着し、滑走路で待ち受けた母親のベタンクールと再会、大統領夫妻たちら仏政府の歓迎陣と合流した。
サルコジは、今回のベタンクールの救出劇は、現在困難な状況にあるひとびとに対して心強いメッセージを送ったとして「苦難と闘うのは価値ある行為だ。この世に避けられない事などない。苦しみに耐え抜いた人々は皆ちょうどあなたのように、世界中への真実の証しだ……トンネルの終わりにはいつも輝かしい光が待ち受けているという事の」サルコジ大統領はこう歓迎の辞を述べた。
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コロンビアからパリ郊外の空軍基地へ降り立ったベタンクールさん一家を出迎えるサルコジ夫妻とクシュネール外相

3. Festive air around Elysee palace

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祝賀気分に包まれるエリゼー宮周辺
「家族とともに歩むあなたの人生がこれから先に待っているあなたは、今や自由で輝いている。」サルコジはこう祝福した。ベタンクールと家族、彼女の支援者たちは、一団となって飛行場を後にし大統領官邸へと向かった。一方、歓迎会場となるエリゼー宮では、彼女を一目見ようと集まった数百人の群衆が、ある者はコロンビアとフランスの両国旗を手に、また多くはカメラを構えて、警備の警官の列の背後に並んで待ち構えていた。
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大きな「LIBRE=自由」の文字が掲げられたエリゼー宮周辺は、ベタンクールさんの無事生還を祝う祝賀ムード

4. Proud of her children's strength

文字数制限のため英文省略
6年間でめざましく成長した子供
コロンビアとフランスの両国籍をもつベタンクールさんは、子供時代をフランスで過ごし、政治外交のエリートを目指すパリ政治学院*を卒業している。彼女の子供、22才のメラニーと19才になったロレンゾは、彼女が拉致されていた期間ふたりともパリで育ち学校へ通った。ベタンクールはフランス帰国に先駆けて、3日木曜にすでにコロンビアで子供たちと6年ぶりの再会を果たした。
欧州全体に流されるEurope-1のラジオ局では、ベタンクールがフランスへ到着するよりも一歩先に機中でのインタビューを放送したが、その中で彼女は、「母親の不在にも関わらず、子供たちがめざましい人格を持った大人に育ったことを、どんなに誇りに思っているか」と語った。

*訳者注:Paris' Institut d'Etudes Politiques/パリ政治学院は通称Sciences Poと呼ばれ、政治外交のエリートを育てる屈指の名門校。卒業生にはミッテラン、シラク元大統領、シモーヌ・ヴェイユなどの政治家からクリスチャン・ディオール、日産のピエールレノーまで、そうそうたる面々が並ぶ。
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6年前に誘拐された時には16才だった娘のメラニーと13才だった息子のロレンゾも立派に成長して母親を驚かせた

5. Becoming a 'Cause Celebre'

Betancourt was campaigning for Colombia's presidency when she was kidnapped in 2002. She became a cause celebre in France, with her portrait hung on town halls and constant street rallies by supporters. She was freed Wednesday in a daring Colombian operation involving military spies who tricked FARC rebels into handing over Betancourt and 14 other hostages without firing a shot.
自由と人権のシンボルに
2002年に誘拐された時点では、ベタンクールはコロンビアの大統領選に立候補し遊説していた最中だった。人質になってやつれた彼女の「存在証明」の写真が、極左ゲリラFARCから公開されて以来、彼女の巨大な「囚われの肖像」は自由と人権のために闘う象徴として、フランス各地の庁舎に掲げられ、支援集会やデモが繰り返された。その後6年も経た今月2日水曜に、コロンビア政府は政府軍諜報部隊が活躍した見事な隠密作戦で、1発の銃弾を撃つ事もなく、FARCゲリラの監禁からベタンクールとほかの14名の人質を無事救出し解放するにいたった。
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昨年の集会で解放を訴える母親/パリの街に掲げられたベタンクールの肖像は自由と人権を求める運動のシンボルに

6. Chained on the neck for three years

She recalled humiliating treatment by the FARC, saying she had to wear chains 24 hours a day for three years. "When you have a chain around your neck, you have to keep your head down and try to accept your fate without succumbing entirely to humiliation, without forgetting who you are," she said.
3年間鎖で木に繋がれた虜囚生活
インタビューの中で、彼女はFARCの屈辱的な扱いを思い出しながらこう言った。「脱出を企てたけれども失敗して、その後みせしめとして四六時中3年間もの間、犬のように首に鎖をかけられ木につながれたままでした。首を鎖でつながれている状態では、頭を垂れてゲリラの言うがままにするしかない運命を甘受するしかありません。しかも、精神的にはその屈辱に全面降伏せずに、決して自分自身を失う事なく、です。」
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世界のコカイン生産の40%を輸出し闘争資金とするコロンビアの共産党ゲリラFARC。要人誘拐も人質の身代金を資金源とする彼らの常套手段のひとつ。大統領候補として遊説中に誘拐されたベタンクールさんは、ゲリラ戦の被害者のシンボルとなった。上はゲリラがコロンビア政府へ送って世界的に有名になった「Proof of Life=生存証明」の写真

7. Close situation to the possibility of death

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死と直面したジャングルの捕虜生活
またFrance-2 テレビのインタビューには、こう答えている。「ある時点で、このまま死ぬかも知れないと悟りました。拉致された仲間が次々死んでいくのを目の当たりにしました。ジャングルの中では、死はあっという間に命を奪ってしまうということが身にしみましたから。」ベタンクールさんは、病弱になった状態をこう説明する。「いろんな悪い要素が積み重なって相乗した結果でしょう。栄養に気をつけるなんてできない話で、目に見えてやせました。動く力さえなく、ハンモックに寝たきりでした。最後には水を飲む事さえできないほど弱って……本当に死ぬ一歩手前の状態にまでなったんです。でもゲリラの男性の看護人が薬をもらってきて、一命をとりとめました。」
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今春のコンメモレーションの日に、ゲリラとの闘争で戦死したコロンビア政府軍の兵士を追悼するシンボリックな墓標

8. Freeing Betancourt, Sarkozy's priority

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人質解放はサルコジの最優先公約のひとつ
サルコジ大統領は、07年の選挙でフランスの大統領に選ばれた5月の夜、ベタンクールの人質からの解放を最優先事項のひとつに挙げた。それ以前にも当時のドミニク・ド・ヴィルパン首相がベタンクールの旧友だったこともあり、ジャック・シラク前政権もまた彼女の解放に手を尽くした。
今回のベタンクールさんの人質からの解放は、サルコジにとって大きなイメージアップとなった。なにしろ彼の政敵でさえ「サルコジのたつまぬ外交的努力が、コロンビア政府をして人質解放の方策を練る圧力となった」と、その功績を認めているくらいである。
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世界で最も有名な生存中の人質と呼ばれたベタンクールの解放とあって世界中のメディアから取材陣がボゴタへ参集

9. Surprised France welcomes survived hero

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作戦成功に驚いたフランス
しかし、サルコジが進めていたのはFARCとの人質交換あるいは身代金交渉で、コロンビア政府が決行したような軍事作戦ではなかった。またフランス政府は、今回のベタンクールを始めとする15人の人質救出作戦には、まったく関与していなかったと表明している。
この事実は、サルコジのもっとも信頼している側近で大統領官邸エリゼー宮の秘書室長であるクロード・ギアン氏が、3日木曜の記者会見で「フランス政府がベタンクール女史の救出成功を知ったのは、コロンビア国内のメディアが臨時ニュースを流すわずか15分前のことだった」と驚きを隠さなかったことからも明らかである。
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中共政府のチベット弾圧に抗議してパリ市庁舎にチベット国旗の雪山獅子旗を掲げ一躍名を馳せたパリ市長(左)が歓迎

10. A sincere catholic to visit Vatican

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経験な信者としてバチカン訪問予定
3日金曜バチカン市国からは「人質救出成功の報に接したローマ法王ベネディクト16世は、予定の許す限りできるだけ早くベタンクールさんと会見できれば幸いだと思っている」という法王の見解が公けにされた。この発表に先立って、法王は彼女が自由の身になった事を祝福する電報を送ったそうである。法王はすでに今年2月にバチカンで、解放を祈るベタンクールさんの母親と会見していた。 [了]
【米国時間 2008年7月4日 『米流時評』ysbee 訳】
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逃亡が失敗してから3年間は鎖につながれたままだったベタンクールさんを支えたのは神への信仰だったと言う
ボタンとひもと釘?で手づくりのロザリオが彼女の信仰心の篤さを物語る「希望はいつか必ず実現する」


»» 次号「ドクター・カーンの告白/北朝鮮とイランの核取引を知っていたパキスタン」に続く
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by ysbee-2 | 2008-07-04 14:25 | テロとスパイ陰謀
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