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カテゴリ:グローバルビジネス( 26 )

«DOW 10K-2.0» NY株式市場1万ドルの大台突破

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  ||| ダウ平均株価1万ドル突破 |||
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 ニューヨーク株式市場ダウ相場、14日水曜の終値 1万ドルの大台を突破
 米国経済再建を裏づける景気回復兆候の一環、住宅不動産市場も上向きに


ニューヨーク発 | ニューヨーク株式市場ダウ工業株取引相場の平均株価が、1年ぶりで1万ドルの大台に乗った。今年3月9日に過去12年間最低の底値6,547を記録して以来7か月ぶりに、ダウ平均は14日水曜、ついに5ケタを突破した。当時の底値から53%上昇という株式市場のめざましい株価回復は、市場投資家層にとって「経済は危機と不況から実際本当に回復しつつある」という事実確認の、もっとも顕著な兆候を示したと言えるだろう。
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Dow Closes Above 10,000 for First Time in A Year
Surprisingly strong earnings from Intel, JPMorgan send stocks soaring
OCTOBER 14, 2009 | By Ben Steverman — BUSINESS WEEK | Translation by ysbee
NEW YORK — The Dow Jones industrial average has reclaimed 10,000 for the first time in a year. The Dow closed above five figures Wednesday, seven months after it hit a 12-year low of 6,547.05 on March 9. The comeback by the stock market’s best-known indicator is the most visible sign yet that investors believe the economy is indeed recovering from the financial crisis and recession.

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 OCTOBER 14, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年10月14日号
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 DOW-10K 2.0 NY株式市場1万ドルの大台を突破
 米国時間 2009年10月14日 | ベン・スティーヴァーマン/BusinessWeek | 訳『米流時評』ysbee
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1. 'DOW 10K 2.0' commemorative caps
When the Dow Jones industrial average first passed 10,000, traders tossed commemorative caps and uncorked champagne. This time around, the feeling was more like relief.

「ダウ2度目の1万達成」記念キャップ
ダウジョーンズ・インダストリアル部門の平均株価が、1999年最初に1万ドルの大台を突破した時には、NYSEニューヨーク株式市場のトレーダーたちは、それぞれにかぶっていた大台突破記念のベースボールキャップを空中にほうり上げ、シャンパンのコルクを抜いて祝福したものだった。しかし今回のウォール街の雰囲気はちょっと違う。一言で言えば、祝賀気分と言うよりもむしろ、「不況脱出」の重圧から解放されたような「安堵感」が誰の顔からも見て取れた。

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2. The most visible sign of recovery
The best-known barometer of the stock market entered five-figure territory again Wednesday, the most visible sign yet that investors believe the economy is clawing its way back from the worst downturn since the Depression.

景気回復を実証するバロメーター
ニューヨーク株式市場の好況を測るバロメーターとしてもっともよく知られているのが、この「5ケタの大台突破」であるが、ダウ平均は14日水曜にこの域に達した。この成果はまた、大恐慌以来最悪の株価下落をこうむった米国経済が、どん底から一歩ずつ這い上がってきた実績の数字であり、投資家の市場に対する信頼を回復する上で、もっとも顕著な兆候と解釈できる。

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3. 'Bear market is over'... almost
The milestone caps a stunning 53 percent comeback for the Dow since early March, when stocks were at their lowest levels in more than a decade. "It's almost like an announcement that the bear market is over," said Arthur Hogan, chief market analyst at Jefferies & Co. in Boston. "That is an eye-opener — 'Hey, you know what, things must be getting better because the Dow is over 10,000.'"

「ベアマーケットは去りぬ」
しかし今回の「ダウ1万ドル大台突破」の金字塔は、3月冒頭の底値の時期からなんと53%アップという驚異的回復の巾を実績として残した。実際3月の低迷期には、株価はここ10年以上で最低のレベルにまで落ち込み、絶望的な空気が充満していた。
「これはもう、ベアマーケットは終わったと言ってるようなもんですね」ボストンの証券会社 Jefferies & Co.で市場アナリストのチーフを務めるアーサー・ホーガン氏は、こう解釈する。
「もう目の覚めるような素晴らしい実績です。いいですか、ダウが1万を越えたからには、景気はこれからますます良くなるはずだってことですよ。」

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4. Average closed at 10,015.86
Cheers went up briefly when the Dow eclipsed the milestone in the early afternoon, during a daylong rally driven by encouraging earnings reports from Intel Corp. and JPMorgan Chase & Co. The average closed at 10,015.86, up 144.80 points. It was the first time the Dow had touched 10,000 since October 2008, that time on the way down.

水曜の平均株価終値10,015.86
今週週明けから1万ドルの大台に近づいていたため、連日投資家に対して買いのラリーが展開されていたが、この傾向にさらに拍車をかけたのが、インテルとJPモーガン&チェイスの第三4半期(7・8・9月)の実績報告。公開された内容では両社とも著しい利益を計上していたため、これに活気づけられたように、午後の早い時間帯で、すでに10,000ドルの大台を突破。
当日の平均株価の終値は、前日比+144.80の10,015.86の高値で閉場した。ダウ平均が1万ドルを越えたのは昨年の10月以来のことで、その時は今期とは逆に、株価は下降線の一途をたどっていた最中だった。

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5. 'World is not coming to an end'
"I think there were times when we were in the deep part of the trough there back in the springtime when it felt like we'd never get back to this level," said Bernie McSherry, senior vice president of strategic initiatives at Cuttone & Co. Ethan Harris, head of North America economics at Bank of America Merrill Lynch, described it as a "relief rally that the world is not coming to an end."

「世界の終りは来なかった」
投資戦略イニシャチブ会社、Cuttone & Co.の副社長を務めるバーニー・マクシェリー氏は、今回の大台突破をこう語る。「今年の春を振り返ってみると、われわれはみなどん底に落ち込んで絶望的になっていた時期もありました。それこそ、2度と今日のような好況に立ち戻れる日は来ないんじゃないかと思ったくらいですよ。」
またバンクオブアメリカ・メリルリンチ社の北米経済部長イーサン・ハリス氏も、株式業界の今回の大台達成をこう表現する。「業界全体の買いのラリーへの熱気は、まるで『この世を終わらせてたまるか』というほどの意気込みだったので、目標を突破してほっと一息ついたってところじゃないでしょうか」

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6. Joy behind skepticism
The mood was far from the euphoria of March 1999, when the Dow surpassed 10,000 for the first time. The Internet then was driving extraordinary gains in productivity, and serious people debated whether there was such a thing as a boom without end. "If this is a bubble," The Wall Street Journal marveled on its front page, "it sure is hard to pop."

手放しで喜べない市場関係者
しかしながら取引市場の実態は、ダウが最初に1万ドルの大台を突破した1999年3月の高揚感と比べれば、はるかに抑えた雰囲気だった。当時はインターネット関連株が絶好調で異常な高騰を続け、市場アナリストの慎重派は、果たしてこのITブームに終りはないのか、と真剣に議論をたたかわせていた時代だった。
当時のウォールストリートジャーナルは、第1面でこううたっている。「もしこれがバブルだと言うなら、はじけにくいバブルなことは確かだ。」

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7. Down below half by meltdown
It did pop, of course. And then came the lost decade. The Dow peaked at 14,164 in October 2007, then lost more than half its value after the financial meltdown last fall. At its low point, the average stood at 6,547.05. The breathtaking rally since then brings stocks to roughly break-even for the past 10 years. So where does the market go from here?

経済メルトダウンで市場価値半減
しかしながら、当然のなりゆきで、バブルははじけた。かくしてその後にやってきたのが「the lost decade=失われた10年」。その後徐々に回復し、2007年10月にはダウ平均は14,164ドルの最高値でピークを迎えた。
ところが昨年のリーマンショックに端を発する金融界のメルトダウンで、株式総体の価値は半値以下に暴落してしまった。その最低価格は6,547.05ドルを記録した。したがってどん底から這い上がるために、株式業界では投資家の失意を吹き飛ばすように圧倒的な買いのラリーが続けられ、株価は過去10年間の平均値にまでようやく回復したところだった。しかしながらこれから先、株式市場はいったいどこへ行こうとしているのだろうか?

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8. Breathtaking rally to break-even
Some market watchers see 10,000 as an illusion because there are still lingering threats to an economic recovery — rising unemployment, weak consumer spending and a battered housing market. The investors who have driven stocks higher since March are the pros: hedge funds and institutions whose furious selling hastened the collapse of the market in the first place.

1万ドル大台達成へ投資ラリー
ある市場ウォッチャーは、1万ドルの大台と言うのは幻想に過ぎないとみなしている。その理由は、現実には経済回復に対する脅威がまだ根強く残っているからだと分析する。……失業率は2ケタに近い9.8%まで増え続け、消費者市場は頭打ちのまま、住宅市場も悲惨の域を脱していない。
さらに否定的要素として「3月の最低線から挽回するために株価アップをテコ入れしてきた立役者は、もっぱらプロの投資家だから」と、その理由を説明する。彼らはヘッジファンドや投資専門の資本家連中で、そもそもグローバル不況の引き金となった金融界の崩壊は、危機に面した彼らが売りへと殺到したジャイレーションが招いたものだった。
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9. Hedge funds, institution pros
And red flags are showing up in the technical charts that professional investors use as they make their trading decisions. The Dow sits about 18 percent above its average of the past 200 days. "The market by all technical indicators is completely overbought, just like back in March it was completely oversold," said Rich Hughes, co-president of Portfolio Management Consultants in Los Angeles.

ヘッジファンド・投資プロが警報で崩壊阻止
市場アナリストたちも、プロの投資家が使っている株価変動のテクニカルチャートに、潮目を警告する赤いフラグをつけるなどして、売り買いの決断の目安を公開したりもした。こうした状況の中で過去200日間、ダウ相場の平均株価は18%内の穏やかな値動きで納まっていた。
「市場のテクニカル指標は完全に『買い』に偏っています。3月頃は完全に『売り』に偏重したのと、まさにまったく対照的です。」ロサンゼルスのポートフォリオ・マネージメント・コンサルタンツ社社長リック・ヒューズ氏は、現状の市況をこう分析する。
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10. 10K, more than just a number
On the other hand, Wall Street analysts say 10,000 is more than just a number — it can have legitimate psychological implications. A recovering stock market soothes the psyche as people watch their portfolios and 401(k) retirement accounts being replenished.

「1万」は数字以上の象徴
その一方で、ウォール街の現場の証券アナリストたちは「10,000という大台は、単に数字以上の意義がある」と反論し「その数字は心理学的にもすでに立証されているマジックナンバーとしての効果がある」と主張する。言うなれば株式市場の景気回復は「ひとびとが資産表をチェックしたり年金運用の投資口座を管理する上で、大きな心理的安心要素を与えるから有効だ」と説明している。
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11. Psychology plays a huge role
And if people start spending again, that may persuade more investors, including some reluctant pros, to go back into the market. "Psychology plays a huge role in investing, so when you're trying to overcome the huge levels of panic and fear that we've seen over the last year, psychology shouldn't be discounted," said Carl Beck, a partner at Harris Financial Group.

心理的印象が投機を動機付け
さらには、一般消費者が再びサイフのひもをゆるめてモノを買い始めれば、投機をしぶるプロを含めて、市場へ戻るよう投資家を説得する材料としては有効かも知れない。ハリス・ファイナンシャルグループの共同経営者カール・ベック氏は、投機の心理をこう説明する。
「投機の現場では、心理的ファクターが大きな役割を果たします。昨年来の暴落の場面で見てきたようなパニックや恐怖感による、巨大な落ち込みを克服しようとしている時ならば、こういった上昇心理の要素はばかにできない効果を発揮すると思います。」
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12. Reflection of the history
Many investors, especially individuals, are afraid they'll put money into the market only to watch it disappear if stocks plunge again. It's happened before: In 1975, stocks rose 53 percent in less than four months after a recession. Then they lost 11 percent before climbing again in early 1976. If stocks follow historical patterns, they could be nearing their peak.

歴史は繰り返す?
投資家の多くが、個人投資家の場合には特に「もしも再び株価が暴落して、注ぎ込んだ金が(昨秋のように)みるみるなくなってしまったらどうしよう?」という恐怖にとり憑かれているように見える。
たしかに1975年には、不況からわずか4か月も経たないうちに底値から53%もの急騰を見ている。その後11%下落し、再び回復したのは翌76年の前半だった。もしも株価の値動きもこのような歴史に残された変動のパターンを繰り返すとしたら、今回はその1回目のピークに近い状況だと言えるだろう。

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13. Recession technically ended this summer
Assuming the recession technically ended this summer, as many economists believe, the Dow's surge since March puts it near where past rebounds have started to fade. On top of that, there are still plenty of problems that could trip up the market. Companies posted better-than-expected earnings in the second quarter.

今夏実質的に不況を脱した米国経済
エコノミストの多くがそう信じているように「米国経済の不況は実質的にこの夏で終わった」と仮定するならば、今春3月以来7か月にわたって株価を徐々に押し上げてきた波は、これまでの上げ潮が一時的なピークを迎え、今後は退潮するという時期にさしかかったのかもしれない。
さらにその上、市場の活況を否定して余りある多くの問題がいまだに存在することも事実である。多くの株式会社が、第2四半期の実績として期待をはるかに上回る利益を計上している傾向だ。

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14. Individual investors remain cautious
字数制限のため英文省略
2度目の火傷を恐れる個人投資家
しかしながら法人利益を出した会社のほとんどが、その原因は経済成長に必須な売上増加によるものではなく、コスト削減のおかげで節約した余剰に過ぎない。そうした背景を熟知しているので、個人投資家はあいかわらず注意深く買い控えの態勢にある。3月以降のラリーが全開だった今年8月には、個人投資家の投資傾向を端的に割合で言い表すならば、株式に1ドル投資するのに対して、証券ファンドには11ドル注入していた。このデータは、投資信託会社インベストメント・カンパニー・インスティチュート社のレポートによる。

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15. A milestone for solid confidence
字数制限のため英文省略
市場への信頼回復のマイルストーン
そうは言っても、最近では個人投資家も徐々に株式市場へと戻ってきたようである。ネットの大衆投資家向け証券会社TD Ameritrade社の現況報告によると、8月の出来高は1日平均約431,000件の売買があり、今年の1・2月に市場が下降線だった時期の30万件/日と比べると著しい売買件数の増大が見られる。今後もしも市場が水曜の大台を保ち続けることができれば、投資家はますます自信を回復して、安心して投機を続けるだろう。
こうした状況を、シカゴに本社を置くタロン資産管理会社の財務表管理部長デヴィッド・ケルソン氏は次のように評価する。「メインストリートのジョー、つまりフツーの社会人であれば『1万ドル大台突破』のニュースを聴いて、それ以前よりももっと気楽に投資に向かえるようになったとしても決して不思議ではありません。」
<了>
【 米国時間2009年10月14日『米流時評』ysbee訳 】
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◀ 次号「パキスタン政府軍、タリバン殲滅で南ワジリスタン侵攻開始」
▶ 前号「今年のノーベル平和賞はオバマ大統領」d0123476_1023580.jpg

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by ysbee-2 | 2009-10-14 16:24 | グローバルビジネス

時代はハイブリッドカーへ/BIG3ゾンビ部門摘出再生案

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 ||| 2009年 NEWカーの NEWコンセプト |||

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 時代はグリーンカーへ、エコ重視のハイブリッドカーとエレクトリックカー展開
 ビッグ3生き残りを賭けた会社再生案、ゾンビ部門とサバイバル部門の切り離し


d0123476_18552829.gif前号からの続き:.....しかしデトロイトの自動車業界は、お通夜を前にした喪主のような沈痛な雰囲気から抜けられない様子.....先々週ホワイトハウスで開かれた協議会では再建案のプレゼンが通らなかったようで、GMの代表取締役は退陣を余儀なくされた。つまり、クビ。ただし24億円のお手盛り退職金付きだが.....

政府からの財政支援を受けるためのこの措置が、論争の的になったのは言うまでもない。しかし、しかしである。「オバマ政権は強硬過ぎる」という批判の声が巻き起こるか?と思われたその翌日急遽実施された世論調査のデータでは、むしろ反対の結果が。その大手術を「よくやった」という庶民の喝采が聞こえるような数字が出た。なんと国民の7割以上が、この大裁断をポジティブな施策として評価したのだ。
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2009年ニューヨーク国際モーターショーの会場となったマンハッタンのジェーヴィッツ・コンベンションセンター

たしかにAIG役員の巨額ボーナス問題で、常識では思いもつかない資本家という人種の「自分さえ儲ければよし」とする強欲さに懲りたのか、デトロイトの米国自動車メーカーのビッグ3に対しては、オバマ政権は誠に厳しく「高圧的」とも言える姿勢で対処している。

しかし今回ばかりは、民主党の支持層の基盤でもある「オート・ユニオン」自動車業界の労働組合 UAW (Union of Automobile Workers) が強すぎるのが裏目に出て、逆に早期の大裁断をはばんでしまった結果にも。こうなれば、やはり会社破産法で申請して、競合の海外メーカーと比べて格段に優遇されてきた社員厚生のある部分(退職金・年金など)をカットしなければ、生き残れないことも明らかになったらしい。

たしかに金融バブルという米国経済の癌に対しては、思い切った摘出手術を施さなければ、本体の合衆国そのものが破綻におちいってしまうので、この際瀕死の病人に決死の覚悟で大手術を施しているような案配。
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GM特有のガタイのでかいごついスタイリング 相変わらず同じ路線を死守するので、政府にもサジを投げられたGM

ビッグ3のもうひとつ、クライスラー社では、イタリーのフィアット社との合併交渉が進められている最中で、今回のモーターショーでもクライスラーの代表取締役ジム・プレスは、フィアットの新車に乗って登場。たちまち会場の取材陣に取り囲まれ質問攻めに逢っていた。まあ、ここまで堂々と派手な演出をするのだから、合併話は八分通りまとまったのだろう。

ところで、いつもタイムリーな話題を、きびきびした文体とコンパクトにまとまった記事で休みなくエントリーしてらっしゃる、masaさんのブログ『本質』。もう足掛け3年のおつきあいになるが、国内政治はもちろん、海外の時事もいち早くピックアップされていて、ほとんど万遍なくといっていいほど守備範囲が広い。

海外ニュースの速報でも、私がある素材を翻訳して上げてからTBを取りに伺うと、すでに同じテーマが掲載になっていることもしばしばで、つかみ所がよく機敏である。昨年秋からの経済危機に関しても一般的なわかりやすい取り上げ方で、「経済はどうも」と敬遠なさる方でも端的で読みやすいブログだと思う。
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買収統合される予定のイタリーのフィアット社の新車から登場したクライスラーの社主ジム・プレス氏にプレス集中

d0123476_16412651.jpgその『本質』の4/8号では、今年の第1四半期(1〜3月)の各自動車メーカーの各月販売台数データを列記している。数字は嘘をつかない。驚くばかりの落ち込みだ。
•『本質』4/08号 「GMが破産法申請か? 3月のアメリカ自動車販売台数」

     そこで破産間近を噂されるGMについて触れ、その結論としてこう結んでいた。
     負債額が巨大なので、現在のままだとたしかに可能性はあるかも、の空気である。
    「結局、最終的にはアメリカビッグ3の統合になりそうな気がします。
     3社が統合して、『USA Motors』へ。」


【米国時間 2009年4月9日『米流時評』ysbee 】

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APRIL 9, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年4月9日号
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  M S N B C | E C O N O M Y
ニューヨーク国際モーターショー<2> 時代はハイブリッドのグリーンカーへ
米国時間 2009年4月8日午前10時46分 | ローランド・ジョーンズ/MSNBC | 訳『米流時評』ysbee

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マンハッタンで開催の2009年NY国際オートショー かなりのスペースを占めて展開されたSCIONのブース
Automakers Put on A Brave Face in N.Y.
Car event comes as domestic industry remains in a shambles
APRIL 8, 2009, 10:46 a.m. | By Roland Jones — MSNBC.com | Translation by ysbee

1. Detroit automaker's last lust
NEW YORK, N.Y. — Press coverage isn’t something Detroit’s big automakers have lacked over the last few months, as every twist and turn in their efforts to salvage their failing businesses has grabbed the attention of the world’s media.
デトロイト自動車産業最後の望みを賭けて
前号『NYモーターショープレス速報第1報』からの続き
スポットライトを浴びての華々しい記者発表......この数ヶ月というもの、デトロイトの自動車メーカーに欠けていた何かとは、こうしたクルマ業界特有のポジティブな演出だった。つい昨日まで、米国の自動車産業が世界のメディアの耳目を集める話題と言えば、企業の財政危機から再生しようと力を尽くしても八方ふさがりの状況、という業界危機だったからだ。
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BMWのハイブリッドカー 今回のモーターショーのキーワードは「ハイブリッド」と言えるほどどのメーカーも開発

2. Final countdown for GM and Chrysler

In the latest news event, the Obama administration said at the end of March that the turnaround plans GM and Chrysler had presented to Congress earlier this year hadn’t gone far enough. He imposed a tough timeline for them to turn their operations around.
破産か再生か、秒読みのGMとクライスラー
ごく最近ニュースになった話題だが、オバマ政権は3月の末に「GMとクライスラーは、今年前半には(6月末までに)議会の委員会へ再建案を提出するように」という課題を自動車業界へ要請した。しかし、これでもまだ充分ではなかったようで、単に計画書だけでなく営業実績データも報告するよう、期限付きで指示した。
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Hyundaiのブランニューカー「NUVIS=ヌーヴィス・ガルフウィング」 Hyundaiのネーミングはなかなか

3. Not so optimistic future for Big 3

GM has the term until June 1 to restructure or face the threat of bankruptcy, while Chrysler was given a 30-day deadline to forge a partnership with Italy’s Fiat or go out of business. IHS Global Insight’s Bragman isn’t optimistic either deadline can be met without the automakers going into some form of bankruptcy.
ビッグ3にとって悲観的な観測
万一GMが6月1日までに会社再建の目処が立たなければ、破産の危機に直面することになる。一方クライスラー社には30日の期限が告げられたが、その間にイタリーのフィアット社との合併が成立しなければ、こちらもまたビジネス終了である。(前号でも登場のコンサルタント法人)IHS グローバル・インサイト社のアナリスト、ブラグマン氏は、両社とも破産の危機に陥らずにその締切までこぎ着けられるかどうかさえあやしいと、悲観的観測をとっている。
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キュートなデザインとグリーンエンジンで若い層受けをねらった「SCION=シオン IQ マイクロ」

4. Hammering out pacts with constituents

The two companies must hammer out pacts with their various constituents. Those include creditors, the United Auto Workers union and a national network of dealerships protected by a byzantine system of state franchise laws.
既存のしがらみへの大断行
ビッグ3からフォードをのぞいたGMとクライスラーの両社とも(重役会や組合・退職者組織など)社内のさまざまな内部組織との契約や約定を、一から見直して改訂しなければならない。
こうした対象の中には、債権者(creditors)をはじめ、UAW/全自労(United Auto Workers/全米自動車業労働者組合)やさまざまな内部組織との契約が含まれるが、特に全米のディーラーネットワークに関しては、各州で千々に異なるフランチャイズ契約の州法にしばられるため、まるでビザンチン風モザイクのような複雑怪奇な法規制の問題が発生するのは目に見えている。
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ファクトリーから会場に到着、点検を受ける2シーターのウルトラコンパクトカー「パッション・カブリオレ」

5. Possibility of 'limited bankruptcy filing'

“For GM to work out those sorts of agreements outside of court and within 60 days is just not doable,” Bragman said. “So many things have to happen for them to become viable companies, and I think this can only happen quickly through a limited bankruptcy filing.”
「限定部門破産申請」の可能性
「GMが訴訟などの法廷騒動まで持ち込まれずに、これらすべての組織とわずか60日間のあいだに相互了解の結論に達するなどという芸当は、ともかく出来る訳がありません。会社として生き延びるようになるためには、余りにも沢山の問題を解決しなければならないからです。私の見るところでは、もしそれが可能だとしても、それは限定的な会社更生法の適用を受けた場合だけ初めて可能になると思います。」ブラグマン氏は、GMとクライスラーのサバイバルの可能性について、こうした悲観的分析で結論づけた。
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米国ではスポーティーな耐久車としてアウディ並みの人気のスバル・アウトバック 米国のスバルはCMがうまい

6. 'Dead old' and 'survival new' sections

A plan to split the automaker into a new company made up of its most successful units, and an “old company” of its less-profitable parts, is gaining momentum and is seen as the company’s best configuration for the future, according to reports.
「ゾンビ部門」と「サバイバル部門」の切り離し
現行の巨大産業の自動車メーカーを、将来有望な「サクセスフル・ユニット」とプラス計上の見込めない「オールド・カンパニー」とに分割して、ゾンビ部門からサバイバル部門を切り離そうとする「法人分割」プランが再生案の主導権を握っており、企業の将来を切り拓くための最良の方程式と考えられる、と委員会に提出した報告書には書かれていた。
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三菱の電動カー「iMi-EV」の2010年ニュータイプ 電源となるグリーンステーションの需要も見込める

7. 'Bad GM' may go to Section 363

Using a specific part of U.S. bankruptcy laws known as Section 363, the company’s creditors and the union can take a stake in a new, leaner “Good GM.” The rest of the company would be bundled into a “Bad GM,” which would include failing brands such as Hummer and Pontiac and would remain in bankruptcy.
「病めるGM」部門は破産申請か
「セクション363/第363条例」と呼ばれる米国の破産申請法の特例を適用すれば、申請した法人と利害関係のあった債権者と組合は、分割して再建される新しい法人の「まともなGM」部門へ、継続して契約が引き継がれることになる。(注:仕入れ先と労働力の確保、という実質的営業機能の存続)
しかしそれ以外の諸々の契約や約定は、すべて「病めるGM」部門と一緒に、破産の棺桶で埋葬される憂き目を見る。GMにおけるそうした「ゾンビ部門」とは、ハマーやポンティアックといった落ち目のブランドであり、これらの部門は破産申請の道をたどると見られている。
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GM・ビュイックのコンセプトカー「テラン・クロスオーバー・ヴィークル」…って水陸両用? 大洪水用か?

8. Chrysler's survival with split-company deal

This bad company would also take on GM’s billions of dollars of debt, the proceeds of which would be used to pay back the creditors of the old company. A similar split-company deal would be worked out for Chrysler.
クライスラーも「患部摘出」で生き残り案
企業の病める部門は、現時点で数百億ドルにのぼっているGMの負債も道連れに破産処分の対象となるが、旧法人が既存の債権者に対して返済していた支払は、そのまま存続して再生した新しい会社へと引き継がれる。これと似たような「企業分割のサバイバル手術」は、クライスラー社に対しても応用できるだろう。
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クラシックともモダンともつかないユニークなフォルムの日産の「CUBE/キューブ」アメリカでの人気は未知数

9. Probable bankruptcy procedure for GM

GM is now in “intense” and “earnest” preparations for a possible bankruptcy filing, a source familiar with the company’s plans told Reuters Tuesday. GM’s Chief Executive Fritz Henderson said recently that the company prefers to restructure out of court, but could go through a bankruptcy procedure if that is required.
破産は避けられない運命のGM
ロイターがGMの内情に通じた消息筋から聴きだした話として、GMはサバイバルの可能性のある破産申告の準備として、今や短期集中方式で真剣に申請書類を作成している最中と伝えられている。この件に関して、GMのフリッツ・ヘンダーソン代表取締役は、最近次のような談話を表明した。
「当社では、訴訟などの裁判沙汰なしに再建を進めたいので、その条件として要求される破産申告の手続きを、やむを得ずとらざるをえないだろう。」
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愛犬家専用が売り物のホンダの「エレメント」 ホンダのネーミングはいつも漠然とし過ぎて米人にはピンとこない

10. How about the fate of dealers?

“GM will likely say to its various constituents, such as the auto dealers, ‘You can come on board with us as we go through bankruptcy and see if you get something out of it, or you can take your chances in court,’” said Bragman.
巻き添えを食うディーラーの運命は?
先述の自動車業界アナリスト、ブラグマン氏が懸念する今後の展開はこうだ。
「GMはあまりにも多くのしがらみに縛られ過ぎて、財政危機の泥沼にはまったまま、にっちもさっちもいかないと言っても過言ではありません。ですから万一破産申請で足切りをしようとしても、ディーラーなどから次のような反撃を受ける事態が予測できるでしょう。『長年もり立ててきたわしらが破産の憂き目に遭ってる時に、お前さんひとりだけ良い子になってやりすごせると思ったら大きな間違いだぜ。裁判所でお目にかかろうじゃないか』」 <了>

【 米国時間 2009年4月9日 『米流時評』ysbee訳 】
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今年のNY国際モーターショーでベストカーに選ばれた、VWフォルクスワーゲン・ゴルフのデザインチーム
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d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/9584139
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by ysbee-2 | 2009-04-09 19:48 | グローバルビジネス

NYモーターショープレス速報!不況克服の大胆な新車続々

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  ||| コンセプトカーも大胆なCHANGE |||

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  NYモーターショープレス速報! 不況克服のニューコンセプトカー続々登場
  米国自動車産業の危機脱出を賭けた大胆な発想で、市場回復を狙う内外各社


d0123476_18552829.gif8日間の欧州歴訪を終えて、オバマが無事ワシントンに戻ってきました。大統領就任以来初めての海外旅行というので、訪問先ではビートルズなみの(antic!)熱烈歓迎を受けましたが、私らアメリカにいる身は、ひたすら「無事生きて帰ってきてくれ」と祈願していたのも事実。最後のストップは駐留米軍兵を慰労のため、バグダッドへ。もうどこから狙われても不思議じゃないので、ヒヤヒヤの連続。

考えてもみて下さい。ブッシュ時代には完全にお見逃し税制を甘受し、数十兆ドルを海外の隠し口座へ貯め込んで我が世の春を謳歌してきた、ユダヤ系資本家の金融ビリオネアたち。ウォール街の金融バブルで巨額を稼ぎ出した彼らに対して、海外のタックスヘヴン(外国人に対し免税措置のある銀行口座を許可する国家)まで捜査の手を伸ばして、追徴で課税するぞ、あるいは悪質な場合は国際犯罪として起訴するぞ、とオバマ政権が宣言したのが先月。
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BMW Z4 ロードスター アーチストが実際にこのクルマで描いたアブストラクトな「タイヤ」アートをステージに

この宣戦布告で、今までウォール街を牛耳ってきたユダヤ人投資家たちは全員恐慌に陥りました。いつ自分にも摘発の手が届くのか、というので。しかしこの措置は、本物の経済大恐慌を避けるには有効だったようで、それまでレーガン政権以来、過去数十年にわたって米国経済の根幹を食い荒らしてきた「金融資本の癌細胞」をついに摘出できる!という潮目が見えたアメリカの良識ある国民は、諸手を挙げてオバマ政権の経済改革を支持しています。

(先週のABC/ワシントンポストの世論調査結果では66%。このメディアはかなり高年齢層・保守系寄りなので一般的には7割以上。NBC/ニューズウィークの調査では72%、MSNBCのネット調査では78%という驚異的数字。これまで最高だった就任式直後の69%よりもさらに上昇)
経済インフラの立て直しと健全化に対して、希望の持てる見通しが見えてきたせいか、ウォール街の株価もここ2週間やっと景気のどん底からリバウンドして、上向きのベクトルを描いています。
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ジェーヴィッツ・センターのブースでプレス発表の新車お披露目「uncover」のリハーサルをするコンパニオン

しかしデトロイトの自動車業界は、お通夜を前にした喪主のような沈痛な雰囲気から抜けられない様子。無理もありません、「財政立て直し案をもって出直してこい」という通達だったにもかかわらず、先々週ホワイトハウスで開かれた協議会では再建案のプレゼンが通らなかったようで、GMの代表取締役は退陣を余儀なくされました。つまり、クビ。ただし24億円のお手盛り退職金付きですが......(書き出したら長くなってしまったので、このあとは明日のエントリの冒頭へ続きます)

【米国時間 2009年4月8日『米流時評』ysbee 】

d0123476_16412651.jpg海外のタックスヘヴン(Tax Heaven: 日本ではヘイブンと呼んでいるようですが)に関しては、リトル愚礼さんのブログ「ご一新マガジン『レスジェネ』」のエントリが、大変よくまとまっていてわかりやすいです。肩のこらない文章で入りやすく、その背景・実態なども端的にポイントを把握できるので、このイシューに興味のある方はぜひご一読をおすすめします。
      • 4/06号 タックスヘイブン、600兆円の「埋蔵金」
      • 4/08号 中国とゴールドマンサックス「害資は黄砂に乗って来る」

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APRIL 8, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年4月8日号
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  M S N B C | E C O N O M Y
ニューヨーク・オートショー 2010年型新車の大胆なコンセプトCHANGE
米国時間 2009年4月8日午前10時46分 | ローランド・ジョーンズ/MSNBC | 訳『米流時評』ysbee

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マンハッタンで開催の2009年ニューヨーク国際オートショー 一般公開に先駆けて2日早くプレス発表された
Automakers Put on A Brave Face in N.Y.
Car event comes as domestic industry remains in a shambles
APRIL 8, 2009, 10:46 a.m. | By Roland Jones — MSNBC.com | Translation by ysbee
1. Amidst of the worst crisis of auto industry
NEW YORK, N.Y. — With the U.S. auto industry likely going through its worst period in history, surely this is the worst possible time to throw a party for the world’s top automakers. But in the best New York Broadway tradition, the show must go on.
自動車業界史上最悪の不況のどん底で
ニューヨーク発 |米国の自動車産業界は、現在 史上最悪の不況のトンネルの、真っ只中をくぐり抜けているようだ。世界でもトップクラスのカーメーカーにとっては、今回の経済危機の最中に「国際モーターショー」という業界の一大パーティーを開催するには、たしかに最悪の時期にちがいない。しかしながら、こういう時こそニューヨーク・ブロードウェイのショービジネスの伝統にのっとって「ショー・マスト・ゴーオン」やるっきゃないのである。
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今回のモーターショーでもっとも注目を集めた、セグウェイとGMの共同技術開発シングルカー「P.U.M.A.」
Personal Urban Mobility and Accessibility/パーソナル・アーバン・モビリティ&アクセサビリティの略。ぱっと見で、すでに都心のパトカーとして使えそう。あと工場敷地内とか競技場やイベント会場のスタッフ用にも、小回りが利いて重宝しそう。ただ、これで事故にあったらひとたまりもないのは言うまでもないが。


2. Expecting a million visitors in 10 days

Starting this Friday, over 1 million visitors are expected to pour into Manhattan’s Jacob Javits Convention Center during the 10 days of the 2009 New York auto show to see as automakers unveil 35 new vehicles. The show is the nation’s oldest and usually the best-attended of the year. It’s taking place as two big automakers — General Motors and Chrysler — teeter on the edge of bankruptcy.
10日間で100万人の入場者見込み
毎年恒例の2009年ニューヨークオートショーは、今週金曜から一般公開が始まるが、主催者側では10日間の期間中におよそ100万人の入場者が、マンハッタンの会場であるジェイコブ・ジェイヴィッツ・コンベンションセンターに押し寄せるものと期待している。今回のモーターショーでは、各メーカーが嶮を競って、35台の新車がベールを脱いでお目見えする。
ニューヨーク・オートショーは米国で最古の歴史を誇る展示会であり、常にその年最高の人出を記録してきた。しかし今年はちょっと異質の空気が漂う。その理由は、米国の2大自動車メーカー、GMゼネラルモータースとクライスラーが、破産一歩手前のとば口に立っているからである。
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フォード注目の新車はハイブリッドカー/ガソリンと電気の両方のエネルギーで走る過渡期のクルマ

3. Sales at the lowest level in 3 decades

Credit remains tight as a clam, the jobless rate is at a 26-year high and Americans are in no mood to plunk down thousands of dollars on a new car. U.S. car sales are at their lowest level in three decades. Still, the automakers have little choice but to grit their teeth, show their wares and try to get buyers interested in cars again.
過去30年間最悪のセールス
融資の窓口ときたら、まるで閉じた貝のように固く閉ざされ、失業率は過去26年で最悪の数字を記録した。経済がこんな具合では、アメリカ人は新車に大枚を払うような気分にはとてもなれないのは当然のなりゆき。おかげで米国のカーセールスは、過去30年間で最低レベルを喫した。
しかしながら、歯ぎしりする以外どうしようもない苦境にあるとは言うものの、米国の自動車メーカーはそれぞれの器に見合った新車を開発し、消費者に対してふたたびクルマへの関心を呼び起こそうと必死である。
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メルセデスベンツのハイブリッドカー「ML450 Hybrid SUV」SUVもグリーン革命の担い手になる時代がきた

4. Motor industry, market in historic crisis

Here's Aaron Bragman, an auto analyst with consultancy IHS Global Insight, is seeing the industry and market in crisis. "Automakers have the immediate challenge of restructuring their businesses, but the other challenge they face is to get people buying cars and trucks again," he said. "We are still in a pretty deep recession, and people haven't overcome their fears about spending."
史上最悪の危機に直面した自動車業界と市場
米国自動車史上最大の危機に面した業界と消費者の市場心理について、コンサルタント法人 IHSグローバル・インサイトの自動車業界アナリスト、アーロン・ブラグマン氏はこう観測している。
「カーメーカーはそれぞれ、社内の財政再建という緊急の課題に挑戦しているが、現在直面しているもうひとつのチャレンジは、消費者にふたたびクルマやトラックを買ってもらうようにすることです。アメリカはまだ、かなり深刻な不況の最中であり、ひとびとはクルマ購入のような大型消費に関して、おっかなびっくりの状況から抜け出せないでいるのが現実です。」
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プレス発表の前夜、ポンティアック・ソルスティスのフロアに最後の磨きをかける係員

5. Auto industry's 'show must go on'

"But the other challenge they face is to get people buying cars and trucks again," he said. "We are still in a pretty deep recession, and people haven't overcome their fears about spending."
自動車業界の「ショー・マスト・ゴーオン」
「しかし不況で買い控えは承知の上で、自動車業界がこのようなイベントを開催しなければ、誰もクルマを買おうという気にはならないでしょう。万一(米国自動車産業のメッカ)デトロイトが、アメリカに春の訪れを告げる毎年恒例の国際オートショーを一切中止したならば、世界中に見当違いのネガティブな後ろ向きのメッセージを送ることになってしまうからです。」ブラグマン氏は、業界がこのイベントに賭ける意気込みをこう語った。
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従来のスタイルとはまったく異質なホンダの新車、2010年型アキュラZDX 80年代のアメ車を彷彿とさせる

6. Split between luxury and economy

"If Detroit stopped doing auto shows altogether it would send the wrong type of message." This year, New York's line-up of North American and world debuts includes: the MazdaSpeed 3 sport compact; the GMC Terrain, GM's newest crossover utility vehicle; Ford's new flagship, the 2010 Taurus; a new Mercedes E-class; and an experimental "micro subcompact" from Scion.
ラグジュアリーとエコノミーの二極分化
今年のニューヨーク国際モーターショーで、北米および世界へ向けてデビューする新車の主なラインナップは次の通りである。
マツダ・スピード3・スポーツコンパクト: マツダ製スポーツカーの小型車
GMCテラン: GM最新のクロスオーバー・ユーティリティ・ヴィークル
フォード2010タウラス: フォードの代表車タウラスの2010年タイプ
メルセデス新型Eクラス: クラシックエレガンスへの回帰
Scionシオン: 実験的なマイクロ・サブコンパクトカー
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ここ数年のボクシーなスタイルから一変、クラシックリバイバルでエレガンスの極致 メルセデスベンツ E63 AMG

7. World trend goes to 'Green Car'

On the "green" front, Hyundai is expected to show a new gas-electric hybrid called "Nuvis," while the all-electric Mini E, Honda's Insight hybrid and the new generation Toyota Prius will all be on display. The winner of the prestigious "World Green Car" competition will also be announced at the show.
時代は石油離れの「グリーンカー」へ
一方「グリーンカー」のセールス前線では、韓国資本で米国プラント製造のヒュンダイが、ガソリンと電気の両方のエネルギーで走る、全く新しいハイブリッドカー「Nuvis/ヌーヴィス」を発表する。また、この分野ではすでに先行しているブランドの、オール電気で走るミニEや、トヨタの次世代プリウスなども、今回一斉に発表される。
さらには新しいコンセプトの選出基準の元にこれまで審査の続いていた「ワールド・グリーンカー」、環境保護に貢献する世界最高の車を選ぶコンテストの勝者も、このモーターショーの会場で発表される予定である。
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韓国資本ヒュンダイのハイブリッドカー「Nuvis/ヌーヴィス」モーターはガソリンと電気の両方で動く

8. Automakers toned down in displays

When it comes to the usual flashy displays put on to unveil their latest cars, there are indications that the automakers are pulling in their horns in New York this year. Some 325 truckloads of cars and displays (which amounts to between 10.5 million and 11 million pounds of freight), have arrived at the Javits center for this year's show, down from about 350 truckloads with 12 million pounds of freight that arrived last year, according to the show's president Mark Schienberg.
時流を反映した地味なディスプレイ
毎年各社最新のモデルカーがきらびやかにスポットライトを浴び、世界最大規模で行なわれる国際モーターショーだが、今年はちょっと趣向が違い、ニューヨークの会場では各メーカーとも一様に派手さを抑えたディスプレイが、逆に目立った特徴になっているようだ。
モーターショーのマーク・シーンベルグ会長の談話によると、マンハッタンのコンベンション会場ジェーヴィッツセンターへ、今年は総数325台のトラックで総重量5千トンの新車や会場設営の設備が運び込まれたが、昨年の記録の搬入車350台、5,440トンよりもやや少なくなっている。
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ランボルギーニ・カウンタックのクーペとコンバーティブル 驚くほど質素なステージング(ここは中国?)

9. Number of press decreased 3% from last year

Ford and Nissan, two large automakers, will not hold news conferences at the media days that precede the public viewing that starts this Friday. Pre-registrations from the media are down just over 3% from last year, when 4,830 members of the press registered for the event. "I think we'll do fine, but we are more cautious."
昨年よりも3%減った取材陣の数
今週金曜からの一般公開に先行した水・木両日のメディア取材用公開日に、2つのビッグネーム、フォードと日産は、プレス発表のイベントを行なわない予定である。また前もって入場登録してある取材陣の数も、昨年の4,830名よりも3%少なくなっている。
「数こそ減りましたが、もちろんきっとうまくいくでしょう。ただ、今までよりも綿密にやらないといけません。」シーンバーグ会長は、主催者側の準備をこう語った。
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カジュアルな実用車から、よりスポーティブなスタイリングに生まれ変わったフォルクスワーゲンの新型 ゴルフGTI

10. Expectation to turn the auto market

"Spring is car-selling season, so I think people will want to come out and see the cars on show. And New York is an international city, so when a vehicle is shown here it's picked up by media around the world. I think we'll get a lot of press coverage," Schienberg said.
自動車市場再生の契機となるか
「春はクルマのセールスシーズンだから、みな新車を見にやってくるでしょう。特にニューヨークは国際都市で海外メディアの記者が常駐してますから、ここで新車を見せれば、すぐさま世界中にその情報が発信されます。そう言う意味では、メディアへの露出も当然多くなるでしょう。」
NY国際モーターショーのシーンバーグ会長は、不況の最中に行なわれる今年のショーのメディア取材について、以上のように語った。  >> 次号へ続く

【 米国時間 2009年4月8日 『米流時評』ysbee訳 】
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ベンツのステージではあまり有名ではない歌手が盛り下げている 例年ならビヨンセあたりが来るのだが
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by ysbee-2 | 2009-04-08 15:45 | グローバルビジネス

シティバンク危機脱出!連邦政府のゾンビ蘇生術成功か?

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  ||| ブライトライズ・ビッグシティ 後編 |||

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 シティバンク危機脱出! ゾンビ銀行への財政注入金と、連邦政府の介入
 米国経済氷河期に雪解けか、シティバンク黒字決算で急騰したウォール街


d0123476_18552829.gif昨年秋から「ウォール街暴落」「金融資本主義の破綻」「グローバル経済のバブル崩壊」「新自由主義経済の終焉」......と、際限なく不況から恐慌へと転落するお先真っ暗な経済のニュースで連日埋まっていた米国メディアの第1面。しかし昨日のウォール街急騰のニュースは、久しぶりでアメリカ人にほっと一息つかせた。

政治面では、1月にオバマが大統領に就任して以来、8年間放置されてきた全体主義的ブッシズムが一掃され、ワシントンでは毎日新しい議案が成立して、旧態依然の米国政治を塗り替えている真っ最中だ。もしオバマが進めている「ワシントン政治の旧弊刷新・米国再生」の良いニュースがなかったら、今頃は米国の自殺率は現在の5倍位にふくらんでいたにちがいない。
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これが噂の FTB/Federal Treasury Bond=米国国債の証券 /右:ウォール街のど真ん中で「MIT(マサチューセッツ工科大、理数科系トップの大学)卒業、専門職エキスパート、職求む」と書いたサインで求職を訴える失業者。

8年間野放しにされてきた金融資本主義のバブルがはじけ(それ自体は膿を出す意味でも良いことなのだが)、準備段階もなくブームの破局が訪れれば、当然企業の財政緊縮で、先ず第一に経常経費の最たる部分、人件費が削減される。特に不況の津波が直撃した金融界・不動産業界・自動車業界(個人の大型消費業界)では、レイオフから首切りへと進むのに、ものの1〜2か月しか経たなかったのは、いかに予測されていたとは言えショックだった。

中でも、それまでグローバル金融の最前線で我が世の春を謳歌していた、株取引や投資関連のファイナンシャル部門の凋落は、目をおおうばかりだ。「ゾンビ銀行」という用語まで定着した。今回記事で紹介したシティグループも、金融不況のあおりをもろに受けて、昨年11月には世界に散在する全支店で一挙に5万1千人の人員削減を発表し「これはもう不況などと言う段階ではなく、文字通り経済恐慌だ」と判断される材料になったほどである。
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左:マンハッタンのシティグループ本部ビル /中:シティバンクは、市中銀行よりもネットバンキングの先駆けとなった新規開拓が成功 /右:全盛期に社主が購入したマンハッタンの高級コンド「ザ・ベレフォード」も資金難で転売

連邦政府からは、経済崩壊のプロセスを押しとどめようと、ブッシュの在位中の11月に初回の財政援助の注入金が瀕死の企業へ渡された。しかしこの時の80兆円近い注入金には、妥当な規制や監査体制がともなわず、企業役員への億単位の巨額のボーナスに回されたりしたのが明らかになった。国民の血税をほんの一部のビリオネアの遊興費に使われたのでは、たまったものではない。
かくして一般のアメリカ人の不満が爆発した。「Bail Us Out! 助けてほしいのはこっちだぜ!」

年明けて、1月20日に就任した新しいオバマ政権では、ますます悪化する景気を好転するために、8,780億ドル(約8.5兆円)の新たな経済再建の臨時予算を計上した。米国の歴史始まって以来の膨大な臨時予算である。今や「Party of No=何でも反対党」と呼ばれるようになった共和党。説得力のない彼らの反対にあったものの、先月3日に上院でも可決通過し、地方自治体にもそれぞれの分け前 (steak) の予算が届く段階になっている。オバマが選挙戦公約の柱にしてきたひとつ「国民の95%の減税」もこの4月から実施される。
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関連業界の責任者を集めての経済対策フォーラム 連日休みなしにこうした「直接民主主義」的な徹底した話し合いの対策協議会が大統領がリーダーとなって開かれている。すでに膨大な数である。毎日の詳細はホワイトハウスのホームページで詳しく紹介してあり、ガラス張り政治のオープンな姿勢が伺える。 >> www.whotehouse.gov

財政補助法に対しても、用途金不明などのザル法にならぬよう厳しい監査体制をしくと昨日宣言した。しかもその声明を、ブッシュ政権時と同じ連邦準備金制度のバーナンキ自身の口から出させている。これはつまり、バーナンキも昨年のテコ入れ当初から監査規制を強化したかったが、「実際にはブッシュ政権下ではままならなかった」という権力構造を、言わずもがなで暴露しているようなものだ。

バーナンキがそうしたかったのか?あるいはオバマサイドの指令でそうしたのなら、オバマの側近ラーム・エマニュエルの考えそうな戦術である。キャピタルギャングの中でも、敵に回したらもっとも怖れられる策士。ブッシュの施策との差を明確にするための、エッジの利いた政治的演出。いずれにしても、とにかく前世の「やりっぱなし財政」から脱皮しつつあるのは確かだ。
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鋭い眼光で見る者を射すくめる側近のラーム・エマニュエル ユダヤ人特有のこう言う目をPiercing eyesと言う

不況転落以来、金融界で初めての黒字計上のニュースも流れ、ウォール街は一気に急騰した。これが好転への潮目となるか、これまでにも何度も繰り返された一時的バウンスなのかは、本物の春が訪れる頃にはわかるだろう。ただ、アメリカ人が待ちこがれていた久々の朗報だったことは疑う余地がない。
4月1日から国民の大多数に還元される減税給付金が、不況で冷えきった経済に吹き込む景気付けの春風になるだろうか? 少なくとも95%のアメリカ人が微笑むことだけは、今から予想できる。

【 米国時間 2009年3月11日 『米流時評』ysbee訳 】


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MARCH 11, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年3月11日号
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 NBC/MSNBC/CNBC | BREAKING
シティバンク危機脱出! ゾンビ銀行への財政注入金と連邦政府の介入
米国時間 2009年3月10日午後4時32分 | NBC/MSNBC/CNBC・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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Wall Street Surges on Citigroup Report
News of profit by Citigroup drives Dow in recovering surge with 380 points
MARCH 10, 2009 | NBC/MSNBC/CNBC — BREAKING | Translation by ysbee

9. Hardest-hit banks in credit crisis, recession
字数制限のため英文省略
前号『Citigroup黒字報告でウォール街370ドルの急騰』からの続き
金融危機と経済不況で大打撃のゾンビ銀行
グローバル経済躍進の一躍を担ったシティグループは、現在進行中の金融危機と経済不況によってもっとも手痛い打撃を受けた金融機関のひとつである。2007年後半以降、貸付金の回収不能と不良債権が山積し、数百億ドルの損失を出してきた。財政状態の緊迫と同時に投資価値は急落し、ローン貸付の焦げ付きがさらに広まった。
ニューヨークに本部を置く、銀行・証券取引・不動産ローンその他のファイナンシャル部門を統合する金融のコングロマリット、シティグループの銀行部門であるシティバンクは、昨年10月まで5期連続マイナスの四半期決算を計上していた。特にひどかったのは昨年第4四半期で、82.9億ドル(約8080億円)の赤字を出し、危機が囁かれていた。
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11月に5万名の人員削減でショックを与えたシティグループ つい先週まではGMと並んで危機が囁かれていた

10. FRB bought 36% of Citi's stocks

Late last month, in its third attempt to rescue the bank from collapse, the Treasury Department moved to take up to a 36% stake in Citi. The government has also agreed to cover a some of Citi’s losses on hundreds of billions of troubled assets and loans as tries to right itself. That investment has helped shore up the bank’s capital base, adding as much as $81 billions to the bank’s so-called “tangible common equity.”
財政投資で Citi の36%の株主になった連邦銀行
こうした窮状にあったCitigroup/シティグループを倒産の危機から救うため、米国財務省は先月末に同社の持ち株36%を買い取るという、近年類を見ないドラスティックな救済策に出た。連邦政府はその見返りとして、不良債権や未回収ローンなど、シティグループの損失の一部を負担することに同意した。(つまり負債をある程度「国が肩代わり」する代わりに、政府が同社の36%の株主になった訳である。準国有化と言われる由縁)
この緊急財政救済の方策、政府による資本投下によって「tangible common equity=有形株主資本」と呼ばれる銀行の資産は810億ドル(約8,080億円)にまで増資され、結果的に銀行部門の貸付資金にゆとりをもたらした。

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注入金の受領資格をクリアするため財務局や連邦銀行へ日参した、シティグループのヴィクラム・パンディット社長

11. Operative scenario more pessimistic than gov.

字数制限のため英文省略
財務省より悲観的観測をふまえた経営再建策
シティグループのヴィクラム・パンディット代表取締役のメモには、こう書かれていた。
「シティバンクは、いまや米国最強の資本がついた(政府)銀行になった。銀行の預金高は、比較的安定している。当社は、貸付・投資面での財務表に対しても、独自の厳しい「ストレステスト」を施して計上している。今後の業績の動向に関しては、財務省よりももっと悲観的観測に立って、施策を検討するようにしている。」
一方、連邦政府側の監査員も、政府から供出された公的注入金の効果が、現在よりもさらに厳しい不況に対して、どうやったらもちこたえられるかを検討中である。
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昨年10月以来ワシントンへ何度も足を運び、議院の聴聞会で財政窮状とその対策を訴え続けたシティグループ経営陣

12. Return to the traditional business

Citi has been working in recent months to return to profitability. Among its plans, the bank is shedding assets and reducing staff to streamline operations. Citi has already announced a plan to sell a majority stake in its Smith Barney brokerage unit to Morgan Stanley. Citi is also pursuing a plan to split its operations, separating the traditional banking businesses from the riskier operations that have been the primary driver of losses in recent quarters.
マルチ経営から専業への回帰
シティグループは昨年来ここ数ヶ月、利益率を回復するのに力を入れている。一連の計画の中でも主な施策は、余剰資産の売却処理と人員削減で企業の贅肉をそぎ落とし、より効率的な経営体制を目指すものである。
シティはすでに、同グループの証券取引部門であるスミスバーニーを証券取引専門のモーガンスタンレー社に大半の株を売り渡す予定と発表した。シティはまた、法人全体を大きく二分する施策を実施中である。それは、企業リスクが大きく08年の各四半期を通して損失が大きく経営を傾かせた元凶である株取引部門を、本来の銀行部門から切り離す、抜本的な経営改革である。

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ウォール街に出勤するアジア系証券アナリスト グローバル経済を象徴するダークスーツのファイナンシャル軍団

13. More lending, key to economic recovery

Jon Merriman, CEO of brokerage Merriman Curhan Ford in San Francisco, said the letter from Citi’s CEO shows the bank is lending. Government officials and market analysts alike have said more lending is key to an economic recovery. “Maybe Citibank is not going to zero, that means it’s going to lend again and then the economy will turn,” he said.
金融界では融資拡大が経済復興のしるし
サンフランシスコの証券会社メリマン・カーハン・フォードの経営者ジョン・メリマン社長は、シティグループのパンディット社長から受け取ったテキストメッセージから読み取った現況を、銀行の貸付が順調に進んでいる証拠と解釈したようである。
「多分、シティバンクの株価はゼロまで落ちないでしょう。ということはつまり、銀行が再び貸し始められたということで、そうなれば(企業の運転資金貸付や個人のローンが可能になり)経済は回復へ向かうでしょう。」その件に関しては、連邦財務局の高官も証券アナリストも一様に「金融業界にとっては融資拡大が経済復興の鍵である」と力説してきた点でもある。
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シティバンク黒字計上で急騰した上げ相場で、久々に笑顔の戻ったNYSEニューヨーク株式市場のディーラー

14. Connecting the dots in the market

“People today in the stock market are connecting those dots. And the market is up broadly, it’s not just the banks,” Merriman said. Reports also surfaced Tuesday that federal regulators are considering a proposal to reinstate the “uptick rule,” which proponents say helps protect companies from excessive short-selling, when investors bet a stock will drop. The rule expired in 2007.
情報の点と線をつなぐ市場の推論
相場の読みに長けたメリマン氏は、投資家が市場の動きを推測する方式を次のように語った。
「ディーラーにしろ投資家にしろ、今日株式市場にかかわっている人々は、こういったばらばらに入ってくる情報を点と見ます。そしてその点をつなげて線にしてみた時に、線のその先まで見越せる景気の流れのプロットが見えてくるわけです。だからシティの情報が入って急騰したのは、銀行ばかりじゃないでしょう。銀行が回復すれば経済全体が回るようになるのを皆知っているので、先を見越して市場全体が大巾に急騰した、と見るのが妥当でしょうね。」

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10日の急騰は、それまで一切手を引いていた投資家が好転の兆しを示す朗報を待ちかねたように買いに出たため

15. Overhaul of financial regulatory system

Reports also surfaced Tuesday that federal regulators are considering a proposal to reinstate the “uptick rule,” which proponents say helps protect companies from excessive short-selling, when investors bet a stock will drop. The rule expired in 2007.
金融機関への連邦監査体制を革新
10日火曜にはまた連邦財務局からも、金融機関へのより厳しい監査体制と法規制を議案として提案することを検討中と発表された。その中のひとつには、投資家が株価が下がったからといって即売りに転じないように最低の保有期間を規制する条項も入っている。以前には存在したこの規制は、2007年に期限切れとなったまま放置されていたものである。
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下院の公正取引委員会の聴聞会に召還された金融界の経営者 検事の詰問を受ける被告のように厳しい質問が続いた

16. Objective condition: Too big to fail

字数制限のため英文省略
公的注入金の対象は 'Too big to fail'企業
上院の外交委員会の公聴会で、査問された FRB連邦準備制度理事会のベン・バーナンキ議長は、公的注入金で財政援助する対象について、次のように特定した。
「連邦政府からの財政援助の注入金は、"Too big to fail" 万一つぶれると社会現象を引き起こすほど巨大な企業が対象となります。こうした企業に対しては、現行よりも数段厳しい現場での監査体制をしき、(前回のような)注入金の乱費が発生しないよう予防しなければなりません。」
バーナンキ会長のこの見解は、ちょうどオバマ政権と下院が、金融界に対してこれまでの野放図な融資体制を改めるような改革政策を施そうとしている動きと連動するものである。
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オバマ政権の抱える最大の難問、経済危機をどう乗り切るか?期待も責任も大き過ぎるティム・ガイトナー財務長官

17. Good news propel Dow to its best day

And investors were encouraged by Bernanke's call for an overhaul of the country's financial regulatory system. The combination of good news was enough to propel the Dow to its best day since Thanksgiving week, banking stocks led the markets higher all day, and all 30 of the Dow industrial stocks gained ground. The Dow finished at 6,926.49, its highest close since late February.
重なる朗報で4か月半ぶりに回復した市場
金融機関に対する連邦政府の監査規制を大巾に改革するというバーナンキの呼びかけを受けて、投資家層は金融界健全化の確信を得たようである。シティバンクの黒字と連邦政府の介入という朗報が重なったせいか、ニューヨークダウ相場の平均株価を1日で379ドル急騰させるのに充分な波及効果があった。
この好況で、10日火曜の株式は昨年11月末のサンクスギビングデー以来、最高の上げ巾を記録した。特に金融関連株は終日高値を保ち相場全体の株価浮上に一役買ったが、ダウ主要工業30銘柄すべての株価が急騰した結果、株価を安定させる軸足を地につけた感を与えた効果は大きい。10日のダウ市場の終値は6,926ドルまで回復し、2月下旬以来の最高値で閉場した。 <了>
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10日火曜の Surge/サージ=急騰で軒並みリバウンドした株価 上げ巾が5割近かったMoverの企業銘柄

【 米国時間 2009年3月11日 『米流時評』ysbee訳 】
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by ysbee-2 | 2009-03-11 20:40 | グローバルビジネス

シティバンク黒字でウォール街急騰!経済氷河期に春一番?

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   ||| ブライトライズ・ビッグシティ |||

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 ウォール街、不況のどん底でバウンス? Citigroup黒字決算の内部情報で急騰
 米国経済の氷河期に終りを告げる最初の朗報か、政府注入金効果の現れた春一番


d0123476_18552829.gif氷河期のど真ん中のウォール街へ、待ちに待った朗報!金融機関大手のCitigroupの決算で、1月2月の2か月連続黒字計上というのだ。その情報源は、CitigroupのCEOヴィクラム・パンディット氏。彼自身のメモで、黒字決算をスタッフと株主へ流したのがそもそものニュースソース。

昨年9月のリーマンショック以来、転落の坂を転がり落ちるローリングストーンズだった、NYSEニューヨーク株式市場。ひとつの企業の死亡通知で、マーケット全体が赤くなったり青くなったりするジャイレーション現象の連続だったが、今回のCitigroupの黒字報告は、もしかしたら市場の氷河期の終りを告げる、経済の春一番になるのかもしれない。

果たしてこれは、終りの始まり? 凍結した経済の氷壁に吹きつけた春一番?
リーマンショックで始まったミレニアム恐慌の奈落が、シティサプライズで終わるのだろうか。
久しぶりのポジティブなニュースで、良いタイトルが浮かんだ。
「Bright Rise, Big Citi」
(アレンジの元は80年代のジェイ・マキーナニーのベストセラー『Bright Lights, Big City』)

【米国時間 2009年3月10日『米流時評』ysbee 】

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MARCH 10, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年3月10日号
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 NBC/MSNBC/CNBC | BREAKING
米国経済の氷河期に春一番? Citigroup2か月連続黒字決算情報で急騰
米国時間 2009年3月10日午後1時55分 | NBC/MSNBC/CNBCニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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Wall Street Surges on Citigroup Report
Citigroup CEO says bank operating at profit; Dow surged over 380 points
MARCH 10, 2009 | NBC/MSNBC/CNBC — BREAKING | Translation by ysbee

1. Tuesday surprise on Wall St.
NEW YORK — Embattled Citigroup Inc. surprised Wall Street Tuesday with news that the bank company has operated at a profit in the first two months of the year. But despite the upbeat news, Congress and the Fed continue to review strategies for dealing with a further deterioration of the troubled global banking giant.
ウォール街急騰!チューズデーサプライズ
ニューヨーク発 | 米国時間で10日火曜、大恐慌以来の空前の経済危機で苦闘するウォール街を久々の朗報が駆けめぐった。金融界を代表する企業のひとつ、Citigroup/シティグループが、今年に入ってから2か月連続で収益を上げたという黒字計上のニュースである。
しかし株式市場急騰の一方で、米国議院と連邦財務省は、グローバル経済危機がこれ以上悪化するのを阻止するために、新しい金融規制法や監査体制の見直しを検討している最中である。
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2. Pandit's memo: Best performance since 2007

Citigroup CEO Vikram Pandit said late Monday in a memo to employees and clients that the bank had an operating profit of $8.3 billion through February — its best performance since the third quarter of 2007, when the credit crisis first triggered a wave of losses in the industry.
パンディットメモ「07年以来最高の実績」
金融界のトップ企業のひとつ、Citigroup/シティグループのヴィクラム・パンディット代表取締役(CEO/Corporate Executive Officer)は10日月曜午後、黒字計上の個人的メモを、社員とクライアント(株主を含む)へテキストメッセージで送った。
その内容は、シティグループの中核を成すシティバンクの今年に入ってからの業績は、1・2月の2か月連続で83億ドル(約8,164億円)の利益を計上した、という業務報告だった。この黒字実績はシティバンクとしては、2007年の第3四半期(9〜11月)に金融業界を不況の波が襲った金融危機が始まって以来、最高の収益を記録する結果となった。

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ニューヨーク・マンハッタンのシティバンク・パークアベニュー支店 シティはネットバンキングの先駆者として有名

3. The best results since 3rd quarter of 2007

Pandit said the bank was on track, based on historical trends, to make $8.3 billion for the quarter, resulted its best performance since the third quarter of 2007 when the last time it booked a quarterly profit. The news broke a months-long torrent of bad news from the banking industry — particularly for Citi, which had grown so shaky the federal government had to take a 36% ownership stake.
2007年第3四半期以来、最高の業績
パンディットはメモの中で、次のように報告している。
「シティバンクは、歴史的な不況とその対策のただ中にありながら順調な業績を上げており、第3四半期(12・1・2月)の決算で83億ドルの収益を上げた。これは最後にプラス計上した2007年第3四半期以来、最高の業績をもたらす結果となった。」
今回のシティバンク黒字のニュースは、ひと月以上最悪のニュースが連日山積していた金融界にとって、一条の光がさすような朗報となった。特にシティグループ自体にとっては、財政状態があまりにも不安定なので、連邦政府が財政補助注入金の担保として36%の持ち株を負担した事態から見ても、やっと一息つける展望の見える待望の情報だったにちがいない。
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ニューヨークに本部をおくシティグループの代表取締役ヴィクラム・パンディット氏はインド系米国市民

4. Figure excludes taxes and special items

But Pandit's figure excludes taxes and “special items” — one-time gains or losses that companies strip out of their overall results to give investors a better idea of how well the underlying business is performing. Pandit declined to say how large credit losses and other one-time items have been that would at least partially offset profit.
税金や返済金以前の数字ながらも
もっともパンディットの挙げた数字は、税金と「特別経常支出」を差し引く前の粗利益である。これは、企業が投資家に対してよりめざましい企業実績を印象づけるために、年次総決算とは別の方式で税金などの決算期のマイナス分を試算計上せずに、四半期の段階のみで算出した結果の数字である。シティグループのパンディット代表取締役は、少なくとも83億ドルという収益をけずるはずの貸付返済金や税金その他の差引経費が、どのくらいの数字になるかに関しては言及しなかった。
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テレビ番組前のパンディット CNBCやブルンバーグTVなどファイナンシャル系メディアにも出演する金融セレブ

5. Hope lifts up the financial sector

The Pandit memo helped provide the battered banking industry with a hopeful piece of news and helped lift the stock market. Citi stock, which had been hovering at about $1 a share, jumped by 40 cents. Other banking stocks also were higher, and the broader market was enjoying it best session in weeks. But Citibank is hardly out of the woods yet.
今年初の企業朗報で久々の買い市場
しかしそれでもなおパンディットの一片のメモは、不況に打ちのめされた金融界に久方ぶりの「企業側からの朗報」で希望的観測をもたらしたものと見え、株式市場が買いの活況を呈するのに一役買ったようである。
このニュースによって、シティグループの株価は前日比40セント増の1ドルまで、一躍回復した。また他の銀行株も軒並み急騰したほか、ここ数週間下り坂の一途だった市場全体が、今期最高の株価を記録した。とはいうものの、シティバンクが苦境から脱したというにはほど遠い状況であるのも事実だ。
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1か月以上続いた暴落がストップ しばらくぶりの急騰に希望が見えてきたウォール街のディーラー

6. Two-day winning streak possible?

A gain on Wednesday would give the Dow its first two-day winning streak since early February. But Wall Street is used to false starts. The Dow had gained 200 points in a single day five times in 2009 before Tuesday. Each time, it lost ground in the next session, twice by triple digits. And after they hit their lowest points last year, both the Dow and the S&P 500 jumped about 20%. But those lows didn't last, and Wall Street is now trading well below those levels.
2月初旬以来の2日連続上昇なるか?
もしダウ市場株価が11日水曜も上げを続ければ、2月初旬以来初めて2日連続の上昇を記録することになる。しかし、上がれば下がるのはウォール街のならい。今年に入ってから昨日までダウ平均株価が200ドル以上の急騰を見せたのは5回あったが、毎回翌日には2桁あるいは3桁の急落で、株価の足場を失っている。
一方、好況へ向かう兆しのいい例としては、昨年底値を記録した日の翌日には、ダウもS&P 500も20%前後の急騰を記録したことである。しかし上げが継続しないことが、今期の危機的スランプの一因でもあり、ウォール街が現在通常の平均株価から地盤沈下した理由でもある。
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7. S&P still less than half value at market's peak

On Tuesday, the S&P closed at 719.60 points, still less than half of its value at the market peak in October 2007. "I would be surprised to see us trade back over 800 points in the near term," said Ben Halliburton, chief investment officer of Tradition Capital Management in Summit, N.J. "The news coming out on the economic front will continue to be rather gloomy."
S&P平均株価、最高潮時のまだ半値
火曜の市況では、S&P500銘柄が719.60ドルの終値をつけたが、これは昨年10月の市場最盛期の高値と比較して、いまだに半値でしかない。ニュージャージー州サミットに本社をおくトラディッション・キャピタル・マネージメント社の投資部長ベン・ハリバートン氏は、今後の値動きについてこう観測する。
「近々に景気回復の目処となるような800ドルの大台を超したら、驚きにあたいすると言ってもいいでしょうね。経済の最前線、株式市場から聞こえてくるニュースは、まだまだ悲惨な状況が続くだろう、というのがもっぱらですから。」
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8. Bernenke: Renew financial regulatory system

Also Tuesday, Federal Reserve Chairman Ben Bernanke called for a revamp of the country’s financial regulatory system. Speaking before the Council on Foreign Relations, Bernanke said companies that are “too big to fail” must be subject to more rigorous supervision to prevent them from taking on excessive risk. Bernanke’s remarks come as the Obama administration and Congress begin to devise their strategies for overhauling regulation.
バーナンキ:金融機関の法規制と監査体制の見直し
10日火曜にはまた、連邦準備金制度のベン・バーナンキ議長が、米国の金融規制体制を強化することを明らかにした。上院外交委員会の議員たちを前に、召還されたバーナンキ議長は「companies that are too big to fail」=経営規模があまりにも大きすぎて、破産申告すれば社会現象を引き起こすような影響力のある巨大企業は、必要以上のリスクを負う事態を予防する意味でも、(連邦政府の)監理体制を現在よりも強化する対象となるべきだと、連邦監理体制の強化を明らかにした。
バーナンキ議長の主張は、オバマ政権と下院が金融規制の見直し戦略を検討し始めると発表したのと時期を同じくして公表されたものである。   >> 次号『Bright Rise, Big Citi』後編に続く

【 米国時間 2009年3月10日 『米流時評』ysbee訳 】
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d0123476_15185449.jpg 3/10 Citigroup黒字報告でウォール街370ドルの急騰
 3/08 警告!北朝鮮が臨戦態勢、衛星撃墜なら「戦争」と威嚇
 3/06 作家フォーサイス 次の小説はギニアビサウのクーデタ
 3/05 「事実は小説よりも奇なり」フォーサイス、クーデタに遭遇
 3/04 新自由主義経済の終焉と景気の氷河期
 3/03 ウォール街の真冬はいつまで続くのか?
 3/02 ウォール街にブリザード!ダウ6千ドル台へ急落

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by ysbee-2 | 2009-03-10 10:25 | グローバルビジネス

ウォール街の真冬はいつまで続くのか?米国アナリストの分析予測

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 ||| ウォール街の真冬と世界経済の底冷え |||

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 不況が社会問題化する前に、7870億ドルの超大型再生予算の効果は現れるか?

d0123476_18552829.gif相変わらずオバマの仕事のスピードは早すぎて、追いつくのにやっとだ。
もっともブッシュが8年間に掘り続けた世界規模の落とし穴を、
わずか100日で埋めようとすること自体が、土台人間業ではできない、
巨大な物理的・財政的なスフィンクスなのだから、無理もない。

  しかし、オバマはチャレンジしている。
  しかも一見何の躊躇もなく、目標を掲げ、責任者を任命し、
  各省の全スタッフに気合いを入れている。
  というよりも、お役所全体が腕まくりして、難局に挑戦している印象を受ける。
  リーダーの頭をすげ替えるだけで、同じスタッフが在職しながら
  こんなにも頼りがいのある「お役所」に代わるのか!と唖然とするほどである。
  まるで、モーゼに率いられて紅海をわたるユダヤの民のようだ。
 (あくまで聖書的意味合いで、現今のイスラエルとは一切関係なく)
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ホワイトハウスのオフィシャルサイト:キャンペーン時のオバマのサイトカラーを踏襲して実に見やすい。しかし構造がディープである。アメリカの大統領制を学ぶには最高の資料で、じっくりあちこち開けて見ても飽きない。
http://www.whitehouse.gov/


  毎日新しい政策が発表され、そのほとんどが何十年も待ちこがれていた斬新な改善策である。
  アメリカ人の誰もが、必須だ、とわかっていながら真剣に対処せずあきらめ続けてきた政策。
  たとえば、全員加入の国民保険。
  たとえば、男女無差別の賃金体制。
  たとえば、高卒学歴の徹底と大学卒業率の向上(現在のアメリカの大卒率はわずか40%)
  たとえば、政策と予算案の徹底公開(すべてネットで読めるガラス張り行政)
  そしてついに、CIAの暗黒部分にもメスが入れられた。

  昨日のニュースでは、ブッシュ時代のスキャンダルの根源だった
  一般市民に対する、問答無用の「拉致と拷問」の摘発に踏み切ると、司法長官が発表した。
  米国史上初の黒人司法長官となったエリック・ホルダーは、
  就任挨拶の冒頭で「もはやアメリカに拷問は存在しない」と断言し、
  ブッシュ時代の暗黒部分に挑戦する姿勢を、明確に打ち出した人物だ。
  9/11以来テロ戦争の屁理屈で、ネオコンが欲しいままにいじってきた法解釈を、
  健全な合衆国憲法の正常な適用へと戻す作業である。
  もちろん、オバマの信条を法務省の立場で実行に移しているのは、言うまでもない。
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The Blog: 写真入りで毎日のオバマの動きがブログ形式で読める。 http://www.whitehouse.gov/blog/

  オバマが違法行為の摘発に真面目に取り組む態勢が見えたので
  CIAでは大慌てで、拷問ビデオの消却やら、ブッシュの秘密メモの隠匿に忙しい。
  しかし、いずれはすべて暴露され、カール・ローブもチェニーも
  戦争犯罪か国家反逆罪で、連座するかもしれない。
  リベラルの夢物語だった「内部悪の枢軸」の摘発が、連日のニュースで伝えられている。

  ブッシュ時代から180度転換して、矢継ぎ早に発表されるガラス張りの公明正大な政策は、
  どれもみな オバマが予備選の当初から主張し続け、
  国民の同意を集め続けてきた要望を、政府の立場で実現した結果である。
  彼は当選後も 公約のすべてを忘れず、就任式の翌日の朝一から、
  立て続けに法案化し、約束を実現しているのである。
  私の(ちょっとだけ)長い人生でも、こんな政治家は初めてだ。
  うれしくなるというよりも、本当に存在したのかと驚いているのが実情だ。
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ホワイトハウス公式サイトのスライドショー キャンペーン中のサイトと同様に写真や動画などビジュアルも豊富 
http://www.whitehouse.gov/blog/slideshows/


  しかし、経済不況の奈落は暗く深い。
  昨日のNY市場の底値記録は、ただでさえ厳冬の吹雪が吹き荒れる
  東部のアメリカ人を暗澹とさせるには充分だった。
  吹雪の写真を探していたら、ちょうど120年前の1888年の3月にも
  東部一帯を襲った大寒波があって、電柱が埋まるほどの大雪を記録していた。
  だが、どんな厳しい冬にも雪解けがある。いつかは春がやってくる。
  それが自然の摂理だ。経済にも摂理があるはずだ。 
  (*このysvoiceは次号の冒頭へ続きます)

  【米国時間2009年3月3日『米流時評』ysbee】

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MARCH 3, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年3月3日号
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 NBC/MSNBC/CNBC | BREAKING
米国の市場アナリストが予測する、放任主義経済の終焉と景気の氷河期
米国時間 2009年3月2日午後4時25分 | NBC/MSNBC/CNBC ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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オバマ政権の財務省の新しい顔 ニューヨークの連邦銀行頭取から抜擢されたティム・ガイトナー財務長官(中央)

When and How to Recover the Economy
Recession is exacerbating problems, recovery will take for years to come

MARCH 2, 2009, 4:25 PM | MSNBC News — BREAKING | Translation by ysbee
Continued from the previous issue |NEW YORK — A recovery will also require signs of health among financial companies, but so far in 2009, it is clear that banks and insurance companies' losses are multiplying despite hundreds of billions of dollars in government help.


>前号「ウォール街ブリザード!ダウ平均6千ドル台の底値へ急落」からの続き
注入金に反して悪化する金融市場
ニューヨーク発 |景気回復はまた、金融業界が健全化する兆候が見られなければ無理である。しかしながら2009年の段階での市況を見る限り、銀行や保険会社などの金融関連会社は、連邦政府がこれまでに注ぎ込んだ数千億ドル(数十兆円)の財政援助金(Bail out money)にもかかわらず、四半期の決算ごとに一様にマイナス計上を重ねている。
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株価は下がったがドルと米国国債は回復。ドル交換目的で韓国の空港内の外国紙幣両替所に並んだ長い列。

8. Financial sector worsens against injection

While the root of financial firms' problems lie with the bad bets they made on mortgages and mortgage-backed securities. Now the recession is exacerbating their problems as it also forces millions of job cuts. Sean Simko, head of fixed income management at SEI Investments, is analyzing as follows.
社会問題を悪化する深刻な不況
金融業界に累積する問題のそもそもの原因は、住宅や車などの大型消費材購入ローンや、ローン関連の保険などの金融商品に対して、不良債権に転落するのが目に見えていながら悪質融資を重ねてきた点に、深く根ざしている。
今や米国の経済不況は社会問題を悪化させる一途で、連日大手メーカーや大会社が相次いで雇用削減を発表し、昨年秋以来すでに数百万人が失業した。SEIインベストメント社で(年金受領者の投資など)固定収入管理部門を司るショーン・シムコ氏は、次のように断言する。
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ブッシュ政権下の自由放任主義経済で野放しにされた金融業界のバブルは、不良債権の山で自己崩壊しつつある

9. Analysts read mostly grim by slide

"The economy definitely has deteriorated since November. It's just the fact that we haven't seen signs of improving or stabilizing, per se, which is adding to the morass of the market," Simko said. The economic readings have been mostly grim, adding momentum to the market's slide. Even when they show some room for optimism many investors have been quick to write them off as aberrations.
市場アナリストは一様に暗黒時代を予測
「経済は昨年11月以来どうしようもなく悪化していることは否定のしようがない。実際のところ景気が好転する兆候とか落ち着く気配すら見えていないのは事実でして、お先真っ暗なものだから、その不安が余計に市場の泥沼化に拍車をかけている、というのが現状です。」
どのアナリストから出る経済予測でも、その大方は暗い読みで、市場株価の転落を浮き彫りにする分析ばかりだ。たまに少しばかり楽観的な先読みが出たとしても、投資家のほとんどはその評価を「眼鏡が曇った証拠」と一瞥して、耳を貸そうともしない。そうしたところへ月曜の暴落である。
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都市型インテリジェント層が顧客だったスターバックスも不況には勝てずついに1ドルのインスタントコーヒーを販売

10. Predictable severe financial reports

A trade group said manufacturing contracted in February for the 13th straight month, but at a slower pace than expected. More, and possibly unnerving, economic data are expected later in the week, including the government's report on unemployment and job losses during February.
第2四半期の財務報告:ビジネス厳冬期
ディーラーグループは、工業セクターが2月で13か月連続の下落を記録したと報告しているが、予測よりもスローペースだったようだ。それよりもむしろ今週後半に政府から発表される、2月期の失業率や失業者数に関する数字が含まれる多分頭の痛くなる経済データが、新しい判断材料として待望されている。
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カリフォルニア州クパチーノと言えばアップルの本社所在地 昨年8月の火事騒ぎはやはり不吉な前兆だったのか?
iTune 発表以来下り坂を知らなかったジーニアスカンパニーも、最終四半期で初めて前年同期比でマイナスを計上


11. Next bubble: Credit card sector?

Analysts are looking for indications that businesses and consumers are starting to boost spending after months of cutting back. Last week the Dow and the S&P 500 index fell below their Nov. 20-21 lows, reached at the height of the credit crisis. Many traders had hoped would mark the market's low.
次にはじけるのはクレジットカード業界?
市場分析の専門家たちは、ここ数ヶ月消費や投機を控えていた個人や法人がそろそろ買いの傾向に動くのではないかという兆候を必死に探しているが、一向にその気配はない。トレーダーの多くが11月の底値で下落の限界は過ぎ、もうこれ以上悪くはならないと分析していたにもかかわらず、先週2月最後の週にはダウ主要銘柄とS&P500銘柄の平均株価が、11月20・21日の段階まで再下落したからだ。これで市場アナリストの信頼度も、一挙に地に堕ちた。  >>次号・第3章へ続く

【 米国時間 2009年3月3日 『米流時評』ysbee訳 】
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Bubble Burstで金融業界がはじければ、当然その波打ち際であるクレジットカード各社が緊急財政事態に陥る

  3/04 「新自由主義経済の終焉と景気の氷河期」オバマのマンモス再生予算
  3/03 「ウォール街の真冬はいつまで続くのか?」米国アナリストの分析予測
  3/02 「ウォール街にブリザード!」ダウ平均株価6千ドル台の底値へ急落
  3/01 予告:対訳「ウォーレン・バフェット2009年の託宣」(ただ今翻訳中)
  2/23 「9億ドルの同情/米国のガザ復興援助」 パレスチナとオバマ(未掲載)

  2/22 「自由への厚い扉/エジプト側の国境再開!」 エジプトとガザ
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緊急特集 ||| ウォール街の真冬 ||| 経済危機
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第1章「ウォール街にブリザード!」 ダウ平均6千ドル台の底値を記録
1. Dow ended at another misery milestone 売りの猛吹雪で悲惨な底値を記録
2. Dow ended at another misery milestone 97年来初めて7千ドルの大台を割る
3. Long term recovery for the great loss 大巾な損失回復には長期を覚悟
4. Zombie bank AIG still draw loans ゾンビーバンクAIGに追加注入金300億ドル
5. HSBC earning dropped 70% in 2008 欧州最大の金融機関HSBCの利益7割減
6. Game-changer: housing market 好転の鍵はハウジング市場に


第2章「ウォール街の真冬はいつまで続くのか?」 米国アナリストの分析予測
7. Financial sector worsens against injection 注入金に反して悪化する金融市場
8. Recession is exacerbating problems 社会問題の元凶となる深刻な不況
9. Analysts read mostly grim by slide 市場アナリストは一様に暗黒時代を予測
10. Predictable severe financial reports 第2四半期の財務報告:ビジネス厳冬期
11. Next bubble: Credit card sector? 次にはじけるのはクレジットカード業界?


第3章「新自由主義経済の終焉と景気の氷河期」 オバマのマンモス再生予算
12. Mixed signals in different industries 業界によって異なる現況
13. U.S. Dollar, Treasury Bond prices surged 国債と米ドルは急騰
14. Psychology of 'Dow-Down syndrome' 「ダウ・ダウン症候群」の心理克服を
15. Has it reached to the bottom yet? どこまで続く?不況の猛吹雪
16. Anatomy of the past recovery 過去の不況の症状診断と回復療法


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by ysbee-2 | 2009-03-03 15:24 | グローバルビジネス

ウォール街ブリザード!ダウ平均6千ドル台へ急落

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   ||| NYダウ平均6千ドル台へ急落 |||

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 週明けのニューヨーク株式市場ダウ平均株価、11年ぶりの6千ドル台へ急落
 2月まで6か月連続下落を記録した直後の暴落で、明日の世界市場にも影響か


米国時間2009年3月2日 | NBC/MSNBC/CNBC ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee
ニューヨーク発 |週明けの月曜、ニューヨーク株式市場は売りの嵐が吹きすさび、ダウ平均株価の終値は過去12年間最低の底値を記録し、7千ドルの大台を割った。この急落は、世界的不況の兆候が、投資家層が予測したよりも長期にわたり、しかもこれまでになく厳しい状況を迎えるだろうという悲観的観測が、株の売りに現れた結果と米国の市場アナリストは分析している。
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Dow Ends Below 7,000 for First Time Since '97
A blizzard of selling amid despair that the recession will be deep and long
MARCH 2, 2009, 4:25 PM | MSNBC News — BREAKING | Translation by ysbee
NEW YORK — A blizzard of selling swept the Dow Jones industrials to its first close below 7,000 in almost 12 years Monday as despair grew that the recession would be longer and more painful than many investors expected.

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市場全体に売りが続いたが、その中でも動きの激しかった銘柄トップ7 シティグループは1日でマイナス20%

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MARCH 2, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年3月2日号
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 NBC/MSNBC/CNBC | BREAKING
ニューヨーク市場ダウ平均株価、11年ぶりの6千ドル台へ急落
米国時間 2009年3月2日午後4時25分 | NBC/MSNBC/CNBC ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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ウォール街 NYSE/ニューヨーク株取引市場の前で「Bail us out=資金援助を我々に」と訴える失業者

1. Dow ended at another misery milestone

The first trading day of the month was a rout, dragging the Dow down to another misery milestone. It has lost more than half its value since it hit a record high above 14,000 in October 2007. On Friday, stocks ended February with six straight months of losses.
売りの猛吹雪で悲惨な底値を記録
3月初日の株取引はほとんど「売り一揆=rout」の状況を呈し、昨秋来下落の一途をたどるダウ株価をさらに引き下げ、7千ドルを割る惨めな底値の記録を樹立した。ダウ平均株価は2007年10月に1万4千ドル/ポイント(約136万円)を越える最高高値を記録したが、当時と比較すると実質的に価値が半減したことになる。先週金曜、2月最後の終値は6か月連続の下落を記録していた。
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先週末金曜に6か月連続下落記録と前日のアジア市場の急落を反映して、寄り付きから売りが殺到したNY株式市場

2. Dow ended at another misery milestone

The Dow closed down about 300 points at 6762.98 Monday, on a preliminary basis, its lowest finish since April 25, 1997. The index last closed below 7,000 on May 1, 1997. The broader Standard & Poor's 500 index ended at 700.82, down 34.27. It hasn't closed below 700 since Oct. 29, 1996. The Nasdaq composite index slipped 55 to 1,322.
97年来初めて7千ドルの大台を割る
2日月曜、ニューヨークダウ取引市場の終値は、先週金曜の終値からさらに300ポイント近く急落し、6,762.98ポイント/ドルで閉場したが、1997年4月25日以来、最低の数字を記録した。
他方、スタンダード&プア500銘柄の終値は、1996年10月29日以来初めて700ドルの大台を割るかと懸念されたが、先週比でマイナス34.27の700.82ポイント/ドルにかろうじてとどまった。ナスダック市場は、マイナス55ポイントの1,322ポイント/ドルで閉場した。
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1・2年前まで数千万円のボーナスを受け取っていたアナリストもお手上げの、完全に売り一辺倒のベアマーケット

3. Long term recovery for the great loss

Now, many investors fear stocks could take a long time to regain all they have lost, dashing many Americans' dreams of retirement, college, a new home or car. "We do feel that things can improve but it is going to be years before we get back to levels we saw in the markets a year ago," said David Chalupnik, head of equities at First American Funds.
大巾な損失回復には長期を覚悟
6か月連続下落を続ける現在、投資家が恐れるのは、これまで失った損失分を回復するまでには長い期間がかかるだろうと言うことである。さらには一般市民への影響として、退職後の国民年金や大学の入学金・学費、あるいは住宅や車の購入といった大口消費へのローンが困難になることが挙げられる。ファースト・アメリカン・ファンドで融資部門を担当するデヴィッド・チャルプニック部長は次のように観測する。「私どもでも、事態はいずれ必ず好転すると予測していますが、1年前の市場と同じ水準に戻るまでには、多分数年かかるでしょう。」
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年末年始のセールスシーズンにも大型商品が動かず倒産した、PCと家電の全米チェーン「サーキットシティ」

4. Zombie bank AIG still draw loans

Monday's move came as insurer American International Group Inc. posted a staggering $61.7 billion in quarterly losses, the largest in U.S. corporate history, and as the government agreed to inject more money into the company. AIG will get another $30 billion in loans, on top of the $150 billion the government has already invested.
ゾンビーバンクAIGに追加注入金300億ドル
月曜の市場急落は、世界最大の保険会社 AIG/アメリカン・インターナショナル・グループ Inc. が第2四半期(12・1・2月)の決算を計上し、617億ドル(約6兆円)という膨大な損失を報告した直後だった。この損失額は、米国のビジネス史上最大の記録であり、米国政府が同社に対してさらなる財政援助の注入金投入を承認したのと相前後したレポートだった。
ちなみに、AIGではすでに(ブッシュ政権時に)1500億ドル(約14兆6千億円)という巨額の注入金が支払われており、今後さらに300億ドル(約2.9兆円)が注入される予定である。

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UAW/全米自動車業界労組本部前に駐車したシボレーのステッカー「まだ失業中?外国製品を買い続けろ」(逆説)

5. HSBC earning dropped 70% in 2008

Investors also grew fearful that more banks will have to raise capital and risk depleting the value of the existing shares after HSBC PLC, Europe's largest bank by market value, said it needs to raise $17.7 billion. The company reported a 70 percent drop in 2008 earnings and said it would cut 6,100 jobs.
欧州最大の金融機関HSBCの利益7割減
投資家の間では、さらに多くの金融機関が増資に走り、株主にとっては現存の株価をさらに格下げするようなリスクをこうむるのではないかと危惧している。それというのも、市場価値換算でヨーロッパ最大の金融機関であるHSBC PLCが、さらに177億ドル(約1兆7270億円)の増資が必要だと公けにしたことにも起因している。同社は2008年の決算報告によれば7割の減益となっており、6100名の雇用カットを発表したばかりだった。
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スペインのマドリッド郊外に建設中のニュータウン開発プロジェクトも資金繰り難で頓挫したままゴーストタウンに

6. Game-changer: housing market

"As bad as things are, they can still get worse, and get a lot worse," said Bill Strazzullo, chief market strategist for Bell Curve Trading. Strazzullo said he believes there's a significant chance the S&P 500 and the Dow will fall back to their 1995 levels of 500 and 5,000, respectively. The "game-changer," he said, will be the housing market and whether it can stabilize.
好転の鍵はハウジング市場に
中堅の株取引会社ベル・カーブ・トレーディング社で市場戦略部門を担当するビル・ストラッツーロ部長は「取扱い株が悪化すればするほど、底なしに悪くなり、手に負えない惨状になるばかり」と悲観する。
ストラッツーロ氏は「S&P 500銘柄には著しい(回復の)チャンスがあるけれども、ダウ工業株の500銘柄は、よく見積もっても1995年並みの平均株価である5000ポイント/ドルまで下落するだろう」と厳しい見方をしている。
しかし彼は回復の鍵として「ゲームチェンジャーはハウジング市場」と指摘し、この市場の安定如何(いかん)で景気全体が好転するチャンスが生まれると解析している。 >>第2章へ続く

【 米国時間 2009年3月2日 『米流時評』ysbee訳 】
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カリフォルニア州南部のリオ・ヴィスタに展開していたニュータウンプロジェクトも買い手が着かず分譲地のまま

  3/04 「新自由主義経済の終焉と景気の氷河期」オバマのマンモス再生予算
  3/03 「ウォール街の真冬はいつまで続くのか?」米国アナリストの分析予測
  3/02 「ウォール街にブリザード!」ダウ平均株価6千ドル台の底値へ急落
  3/01 予告:対訳「ウォーレン・バフェット2009年の託宣」(ただ今翻訳中)
  2/23 「9億ドルの同情/米国のガザ復興援助」 パレスチナとオバマ(未掲載)

  2/22 「自由への厚い扉/エジプト側の国境再開!」 エジプトとガザ
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緊急特集 ||| ウォール街の真冬 ||| 経済危機
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第1章「ウォール街ブリザード!」 ダウ6千ドル台の底値を記録
1. Dow ended at another misery milestone 売りの猛吹雪で悲惨な底値を記録
2. Dow ended at another misery milestone 97年来初めて7千ドルの大台を割る
3. Long term recovery for the great loss 大巾な損失回復には長期を覚悟
4. Zombie bank AIG still draw loans ゾンビーバンクAIGに追加注入金300億ドル
5. HSBC earning dropped 70% in 2008 欧州最大の金融機関HSBCの利益7割減
6. Game-changer: housing market 好転の鍵はハウジング市場に


第2章「ウォール街の真冬はいつまで続くのか?」 米国アナリストの分析予測
7. Financial sector worsens against injection 注入金に反して悪化する金融市場
8. Recession is exacerbating problems 社会問題の元凶となる深刻な不況
9. Analysts read mostly grim by slide 市場アナリストは一様に暗黒時代を予測
10. Predictable severe financial reports 第2四半期の財務報告:ビジネス厳冬期
11. Next bubble: Credit card sector? 次にはじけるのはクレジットカード業界?


第3章「放任主義経済の終焉と景気の氷河期」 オバマのマンモス再生予算
12. Mixed signals in different industries 業界によって異なる現況
13. U.S. Dollar, Treasury Bond prices surged 国債と米ドルは急騰
14. Psychology of 'Dow-Down syndrome' 「ダウ・ダウン症候群」の心理克服を
15. Has it reached to the bottom yet? どこまで続く?不況の猛吹雪
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by ysbee-2 | 2009-03-02 16:25 | グローバルビジネス

オバマノミクス-1 グローバル経済の「神々の黄昏」

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   ||| グローバル経済の「神々の黄昏」 |||

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グリーンスパン、バーネンキ、ポールソン・・・・グローバル経済の神々の黄昏
一握りのユダヤ資本家に潰された米国経済は、オバマノミクスで救済できるか?


米国時間 2008年12月20日 | ニューズウィーク経済コラム | 訳『米流時評』ysbee
連邦金利の切り下げを繰り返し、米国経済史上類を見ないブームを不動産市場のサブプライムローンにもたらしたアラン・グリーンスパン。一昨年までFRBの御大だった彼が、今秋9月のリーマンブラザースの倒産を皮切りに始まったウォール街の凋落に対して、ついに公に非を認める口を開いたのは、10月に招聘された下院の聴聞会でのことだった。それは、70年代以来何十年もグリーンスパンが推し奨めてきたレッセ・フェール方式の自由放任経済にも、実は重大な欠陥があったのに気がついたと自らの非を認めた時だった。
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Twilight of the Capitalist Gods
Why and How the world greatest capitalism has begin to fallen?
DECEMBER 20, 2008 | Michael Freedman — NEWSWEEK | Translation by ysbee
NEW YORK — Possibly one of the clearest public statements ever uttered by the notoriously opaque Alan Greenspan came in late October, when he admitted he had "found a flaw" in the laissez-faire ideology he had promoted for decades.

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DECEMBER 19, 2008 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2008年12月19日号
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N E W S W E E K | A N A L Y S I S
グローバル経済の神々の黄昏から、オバマノミクスの救済へ
米国時間 2008年12月20日 | マイケル・フリードマン/ニューズウィーク | 訳『米流時評』ysbee

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トップから順に古代ギリシャ神殿、ニューヨーク証券取引所、連邦財務局 破風に至るまで何と酷似していることか

1. Iconic sigh, 'Economic Tsunami'

"I don't know how significant or permanent it is," he told a congressional committee, "but I've been very distressed by that fact." That this icon of the financial world should falter, even if only for a moment, will live to be one of the most enduring symbols of the 2008 economic and financial crisis.
グリーンスパンの箴言「経済破綻の津波」
グリーンスパンは、下院の予算委員会の聴聞会に召還された席で、識者から長年警告が発せられていた米国経済破綻の実相を、次のように認めた。「今回の経済破綻がいかに甚大なものか、あるいはほとんど恒久化する現象なのかについてはわかりませんが、今回の状況は極めて絶望的と受け止めています」長年米国の財政を牛耳ってきた経済界の大御所が、たとえ一時的にでも「絶望的」とのたまうならば、グリーンスパンの箴言は、2008年に起きた経済財政危機をもっとも端的に象徴するもののひとつとして、ゆくゆく後世に残るだろう。

注:この公聴会でグリーンスパンが吐いた一言「Tsunami of economic distraction=経済破綻の津波」は、即日あらゆるメディア記事のタイトルに引用され、今回の不況は単なる一時的景気の下降現象ではなく、米国経済のインフラそのものを根こそぎ壊滅するような、取り返しのつかないドラスティックなシフトをもたらすもの、ひいては「米国型自由主義経済の終焉」という印象を植え付けた。
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80年代から米国経済の舵を握ったアラン・グリーンスパン元財務局長 自由放任経済の推進者だったが......

2. In the chair of FRB shrines

In more than 18 years as chairman of the Federal Reserve, he became the trustworthy face of global capitalism. "With Greenspan, we find comfort," Bob Woodward wrote in "Maestro," his 2000 biography of the central banker. "He helps breathe life into the vision of America as strong, the best, invincible."
FRB 連邦準備銀行の守護神
18年以上にわたって、FRB (Federal Reserve Board/Bank)=連邦準備銀行の議長を務めたアラン・グリーンスパンは、グローバル資本主義の信奉者を代表する顔となった。
2000年発行のこの財政界のご本尊の伝記『Maestro=巨匠』を著したボブ・ウッドワードは、(どんな状況でも)「グリーンスパンがいれば安心だった」と、米国経済界における彼の存在の大きさを表現した。「彼は、アメリカが向かうところ敵なしの世界最強で最良の国家であると言うビジョンを、経済面の具体的数字で実現するのに一役買った人物である......」
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グリーンスパンの細君はNBCニュース・ワシントンビューロー局長のアンドレア・ミッチェル。現在はMSNBCの昼のニュースショーのホストを務め、ワシントンの政治外交情報通として海外の元首も一目置く業界トップクラスの才女。

3. Fallen idols of global capitalism

But as 2009 begins America no longer looks quite so invincible. The icons of capitalism have fallen around Greenspan with such bewildering speed it bears repeating: Bear Stearns, Lehman Brothers, AIG, the Big Three automakers—all have suffered enormously.
グローバル経済の堕ちた偶像たち
しかしながら、2009年が始まろうとしている今、アメリカはグリーンスパンが活躍した時代のような、無敵の存在とは言いがたい状況に陥っている。これまで栄華の嶮を競ってきたキャピタリズムのアイコンとも言うべき金融界の巨人たち・・・ベアスターンズ、リーマンブラザース、AIG、それに自動車メーカーのビッグ3。彼らはみな未曾有の困難に直面している。
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今秋のリーマンショックは、世界の経済にも大いなる影響を及ぼした。直後に緊急招集されたG20経済サミット。

4. $50 billion fraud by ex-chair of NASDAQ

Bernard Madoff, a pillar of his community and former NASDAQ chairman, stands accused of leading a $50 billion fraud. The victims: many of the world's most sophisticated investors.
史上最大のネズミ講詐欺「マドフ事件」
さらに先週浮上した「マドフ事件」。これは、ユダヤ系資本家・億万長者の上流社会ネットワークの大黒柱で、元ナスダックの会長を務めたバーナード・マドフが、実は500億ドルにものぼる巨大なネズミ講詐欺事件の張本人として、連邦検察局から告発された逮捕された事件である。米国史上最大の「未曾有の」詐欺事件であるが、その被害者となったのは、世界でももっとも練達の個人投資家たちが多かったことも特筆に値する。

注:この史上最大の詐欺事件「マドフ事件」に関しては、被害者たちがハリウッドではスピルバーグ監督やプロデューサーのカッツェンバーグをはじめ米国実業界の錚々たるメンバーであることから、一般市民にも大きな反響を呼んでいる。後続の記事で特集して詳細をお伝えする予定である。
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連邦財務局の前で、経済救済金を企業にではなく困窮している失業者に回せと訴える抗議団体「コードピンク」

5. Astonishing 'blind faith' in Jewish capitalists

Alas, still more will fall in the months to come, names that are smaller and bigger. And in this twilight of the capitalism gods moment, the picture emerging is not one of greed, not of the Gordon Gekko variety, anyway. No, what is becoming clear is the astonishing trust the world put in a handful of gray-haired men and institutions.
一握りのユダヤ人資本家への盲目的信頼
むべなるかな、規模の大小・有名無名を問わず今後の数カ月もさらに、グローバルキャピタリズムの戦列から脱落する者が後を絶たないだろう。そしてこの「資本主義の神々の黄昏」の時にあっては、いかんせん浮上してくる強欲な被害者の実像はひとつではなく、ましてやゴードン・ゲッコー流のバラエティに富んだイメージでもない。それは被害者ひとりひとりが、たった一握りの初老のユダヤ人投資家やその投資機関に、彼らの全財産を賭するような全幅の信頼を預けたという、驚嘆に値する「盲目的信頼」そのものに他ならない。
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9月末のドイツDAX市場。ニューヨーク・ダウ市場の立て続けの暴落に右ならえで、各国の相場も軒並み急落。

6. Even a hero of investigative journalism

Even a fellow like Woodward, a dogged reporter famous in America for stories that helped bring down Richard Nixon in Watergate, seemed to believe that Greenspan, despite his lack of clarity, or perhaps because of it, was somehow omnipotent.
真相追求ジャーナリストのヒーローでさえ
われわれ真実を追究するジャーナリストのヒーロー、かつてウォーターゲート事件で時の大統領リチャード・ニクソンを弾劾し退陣に追いやった、アメリカンジャーナリズムの旗手として歴戦の強者であるかのボブ・ウッドワードでさえ、今回はすっかり騙されグリーンスパンを信じきっていたようだ。グリーンスパンもまた、ことの核心については曖昧だった。しかしだからこそ、多極的な可能性があるように錯覚されたのかも知れないが。
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ネット経由の素人投資家の激増と、お粗末な監査体制のヘッジファンド・モゲージローンのバブルが見事に炸裂

7. Significant gaps in knowledge

But now, with Alan Greenspan caught in a moment of self-doubt—and pilloried by newly confident critics—it is hardly surprising if the rest of us are questioning the received wisdom about markets, too. The people in which the market put its faith—those like Greenspan, Robert Rubin, Hank Paulson and the CEOs of the world's biggest companies—demonstrated that even they had doubts or at least significant gaps in knowledge.
事実と情報との致命的な落差
翻訳中
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アイルランドでも「Bail out Plan」 ニューヨーク市場の暴落はグローバル経済のネットワークでつながる世界各国へ波及し、世界中の政府が何らかの業界救済のつなぎ注入資金を対抗策として緊急可決した。

8. The heralded tzar of Obamanomics

Soon, a new batch of big brains will come into power. Lawrence Summers, heralded as the top economist of his generation, will become Barack Obama's chief economic adviser. Treasury watchers have called Timothy Geithner, nominated to take the department's helm, "a solid choice in many ways." And Obama himself, it is often said, has the right combination of brains and temperament to lead the United States through the crisis.
オバマノミクスのニューエコノミー・ツァー
翻訳中
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ブライダルにも不況の波。地元オハイオ州より経費が安く済むというので隣のアイオワ州で挙式した若いカップル

9. As Reagan, 'Trust, but verify'

But expecting too much from any of these individuals, or putting them on a pedestal, is perhaps the exact wrong lesson of 2008. As brilliant and well intended as they are, they, like Greenspan and Paulson and all those smart, rich guys allegedly snookered by Madoff, don't know what they don't know. No more icons, please. Trust, but verify.
レーガン流に「信じながらもウラをとる」
翻訳中 <了>

【 米国時間 2008年12月19日 『米流時評』ysbee訳 】f0127501_6213945.jpg
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不況の津波はバブルのはじけた金融業界から始まり、ローンが利かなくなったので、ハウジング、クルマ、家電....と大型消費から軒並み被害に遭っている。その中で好況を伝えられるのはキャンベルなどの保存食品業界で、消費者の食費支出の切り詰めと、耐乏生活を予感した市民の「保存食品の買い貯め」傾向によるものと分析されている。

◀ 次号「全米メディアの編集長が選んだ「今年の名言」17選」へ続く
▶ 前号「ブッシュマン帝国最後の日々・Shoe must go on」へ
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by ysbee-2 | 2008-12-19 14:30 | グローバルビジネス

クライスラーショック!全30工場を1か月閉鎖

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 ||| クライスラー全30工場を一時操業停止 |||

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クライスラーショック!ついに襲った不況の津波で全米30の全工場を一時操業停止
不況による消費者買控え直撃!サーベラスの「クライスラーGM合併交渉」も危機に


米国時間 2008年12月17日午後8時45分 | ワシントンポスト | 訳『米流時評』ysbee
ミシガン州デトロイト発 | 戦後最大の不況に襲われ格闘している米国の自動車産業では、政府の業界救済策が命脈を保つのを期待しているが、その一方で深刻な人員削減や生産カットに踏み切った。デトロイトに本社を置く米三大自動車産業のひとつクライスラー社は、全米30の全工場の操業を1か月停止すると、17日水曜発表し衝撃を与えた。

クライスラー社首脳陣 左からトーマス・ラソーダ副会長、ロバート・ナーデリ会長、ジェームズ・プレス販売部長
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Chrysler to Close U.S. Plants for A Month
Other Domestic, Foreign Automakers Also Plan Steep Production Cuts
DECEMBER 17, 2008 | Peter Whoriskey — Washington Post | Translation by ysbee
DETROIT, Michigan — Struggling U.S. automakers are launching a round of severe cutbacks as they wait for a government rescue, with Chrysler saying yesterday it will idle all 30 of its U.S. factories for a month.

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DECEMBER 17, 2008 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2008年12月17日号
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W A S H I N G T O N P O S T
クライスラーショック! 全米の全30工場を1か月操業停止に
米国時間 2008年12月17日午後8時45分 | ワシントンポスト・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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アメリカの自動車業界の首都はミシガン州のデトロイト フォード、GM、クライスラーのビッグ3の本社所在地

1. Furlough of 46,000 workers starts Friday

Chrysler's plants will furlough 46,000 workers beginning Friday, as a planned two-week holiday shutdown is extended to a full month and possibly longer. Auto plants normally shut down over the winter holiday, but the new reductions extend the usual closures.
従業員4万6千人に自宅待機
全米で30を数えるクライスラー社の全工場では、46,000名の工場就労者に対して、19日金曜から自宅待機体制を始める予定である。クリスマスを中心とした年末年始のホリデイシーズンには、同社では毎年恒例で2週間の休業期間をとっていたが、今回の自宅待機体制はその冬期休暇を丸1か月に延長して操業停止するものであり、場合によってはそれ以上に延長になる可能性もある。
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ミシガン州ウォーレンにあるクライスラー社のトラック組立て工場の退社時間 19日から全米の工場が休業へ

2. Analysis by Barclays Capital

"No one will return to work any earlier than Jan. 19," Chrysler spokesperson Shawn Morgan said. "I don't want to get into speculating about what may happen after that. We're going to continue to monitor the situation." "If I were a Chrysler worker, I'd be worried that the plant won't reopen," said Brian Johnson, an industry analyst at Barclays Capital.
1月19日以降は状況次第
クライスラー社の広報担当ショーン・モーガン氏は、今回の操業停止期間延長の事情を次のように語っている。「1月19日よりも前には誰一人仕事に戻る者はいないと、そういうことです。それ以降に何が起こるかに関しては、私どもとしては憶測する意向はございません。当社では状況を慎重に見届けていく所存です。」
一方、投資銀行バークレーズキャピタルで業界分析を専門とするアナリスト、ブライアン・ジョンソン氏は、今回のクライスラー社の決断を次のように受け止めている。「もし私がクライスラーの従業員だとしたら(休暇が終わっても)工場が再開するかどうかを、まず心配するでしょうね。」
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全米の就労者の10人に1人が何らかのかたちで自動車産業にかかわっているのが米国の実態 金融界とオート産業のメジャーな産業界の双璧からダブルパンチを受けた米国の経済は、数ヶ月では立ち直れない構造不況に陥ったようだ

3. Survival with a hanging stimulus plan

字数制限のため英文省略
サバイバルを賭けた業界再生案
9月以来ワシントンの下院で繰り広げられてきた、米国自動車産業に対する140億ドル(約1.23兆円)の救済資金を国家が貸し出す議案は、先週の上院での採決で潰されたばかりである。しかしブッシュ政権は、10月の段階ですでに予算付けをしてある金融業界に対する7千億ドル(約61.66兆円)の経済援助予算の中から、ある程度の資金を運用することも検討中と示唆した。
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世襲のビリオネアであるビッグ3の三代目経営者どもには任せられないと、下院の聴聞会でじきじきに業界労働者の窮状を訴える UAW/Union of Automobile Workers 全米自動車産業労組のロン・ゲッテルフィンガー委員長 (左)

4. Emergency plan to ease up the loss

字数制限のため英文省略
不況対策の非常手段
クライスラー社は先週まで1か月にわたって、下院の業界救済聴聞会の討議で「企業としてサバイバルするためには70億ドル(約6,166億円)が必要である」と請願してきた。また業界内においては現金残高を保持するために、同社ディーラーに対しては新車購入の顧客へのローンを差し控えるなどの不況対策を行ってきてもいた。

注:90年終盤にドイツのダイムラーベンツ社に買い取られたクライスラー社は、CIを始め全車種のデザインを一新して一時は時流をリードしたが、9/11以降は米国の消費者経済が「ちぢみ」の収斂期に入り、経営形態を下方修正に転換できなかったダイムラー社は、昨年5月にクライスラー社をグローバルインベスターとして悪名高いサーベラス社へと売却してしまった。
この時点ですでに、前世紀からのクライスラー独特のクルマづくりに賭ける情熱と伝統も、グローバル投資会社のグリード(金の亡者の強欲)に食い潰される運命にあったのだろう。私自身「もう長くはないな」という予感を持ちながら、当時のエントリーを上げていた。

▶5/15/2007 買収当時の記事「クライスラー9千億円でベンツから怪物サーベラスへ」

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5. Production cuts by GM, honda, Toyota

Ford said yesterday that it would stop production for an extra week in January at all but two of its plants because of flagging consumer demand. General Motors said on Friday that it will cut production and temporarily close 20 factories. Honda and Toyota have also announced production cuts.
GM、ホンダ、トヨタは生産削減
フォード社では昨日、年末休暇を通常よりも1週間延ばして1月の第1週まで工場を休業し、生産をストップすると発表した。ただし、全工場のうち2つの工場は例外としている。いずれにしても消費者の需要がはかばかしくないことが予測されるためである。また19日金曜にはGMゼネラルモータースでも、全米で20の工場を一時的に閉鎖して、生産休業に入る体勢である。米国のホンダとトヨタもまた、生産削減を予定している。
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6. Steep production cuts by others
The moves come as other U.S. and foreign automakers are announcing steep production cuts that will idle tens of thousands of other U.S. workers as the industry copes with withered demand for new cars and trucks. The shutdowns offer a taste of the kind of economic damage the domestic auto industry's loss could cause.
構造不況の下降スパイラル
今回のクライスラー社の一時的操業停止への動きは、米国や海外の自動車メーカーが大幅な生産削減を発表した直後のタイミングで行われた。生産削減になれば関連企業の数十万の労働者が自宅待機となり、新車に対する需要に打撃を与えるものと予測されている。またクライスラー社が皮切りとなって、そのあとにも各社で実行されるかもしれない操業停止あるいは操業短縮という窮状は、米国国内の自動車産業の売上げ損失が起こした経済的打撃を物語る象徴的なできごととして、誰もが実感しうる社会現象である。(不況 > 売上減 > 操短 > 失業 > さらなる不況)
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クライスラー社を代表する車種300Cは HEMI搭載のラグジュアリーパワーカーだが、不況の時代向けではない

7. Real touch of economic downturn

The Big Three — GM, Chrysler and Ford — employed about 240,000 U.S. workers at the end of 2007. Foreign automakers employed about 113,000 people in the United States. The U.S. auto industry's suppliers employ an additional 975,000 people, according to the Center for Automotive Research in Ann Arbor, Mich.
経済破綻のリアルな感触
米国自動車業界のビッグ3である、GM、クライスラー、フォードの3社が抱える米国内の従業員総数は、2007年末のデータでは24万人を数える。また、外国資本の自動車メーカーの米国工場に従事する物の総数は11万3千人である。さらに、米国自動車工業界へ部品や危機を納めているいわゆる周辺企業の従業員総数は、97万5千人にものぼっている。以上の数字はすべて、ミシガン州アンアーバー所在の自動車業界リサーチセンターの実態調査データによるものである。
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ホリデイセールスシーズンまで持ちこたえず潰れた、カリフォルニア州マーリン郡のフォードディーラーショップ

8. New reductions extend the holiday closures

Chrysler's plants had been scheduled to stop production from Dec. 24 until Jan. 2, but now will close on Friday and stay dark until at least Jan. 19. Two factories in Toledo that make the Jeep Liberty, Jeep Wrangler and Dodge Nitro will be closed until Jan. 26, the company said. A minivan plant in Canada and a plant in Detroit that makes the Dodge Viper will remain shut until Feb. 2.
冬期休暇の拡大だが、その後は?
ククライスラー工場では、従来の年末休暇による操業停止期間は12月24日から翌年1月2日までの10日間が通例であったが、今回は19日の金曜から1月19日までの実質32日間が休業で閉鎖となる。オハイオ州のトレド市にある、ジープリバティ、ジープラングラー、ダッジナイトロの3種の車を製造する2つの工場では、それよりもさらに長引いて1月の26日まで休業となる。またカナダにあるミニバンの工場と、デトロイト所在のダッジバイパーの製造工場は、1月を通り越して2月の2日まで操業停止が続く予定と、クライスラー本社から発表された。
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18日朝クライスラー社ウォーレン工場へ今年最後の職場へ出勤する従業員 1か月後に戻ってこれるだろうか?

9. HONDA, TOYOTA also cut production

字数制限のため英文省略
ホンダとトヨタも減産体制へ
ホンダの2008年度の売上実績は、昨年の段階で出していた業績見込を下回るものだった。その結果、次年度の生産台数を現在よりも30万台縮小する方針を立てざるを得なかった。またトヨタも、ガソリンと電力で走る燃費の極めて低いハイブリッドカー「プリウス」の売上が、有望視されていたにもかかわらず下降し、消費市場の経済環境も悪化しているため、ミシシッピ州に建設を予定していたプリウスのプラント計画を中止すると、今週早々に発表した。
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不況でも伸びる市場はまだある。2009年にハイブリッドカー「インサイト」を発売予定のホンダの福井威夫社長

10. Overall downturn across auto industry

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ビッグ3だけではなく業界全体の危機
下院の聴聞会へのこのこと手ぶらで出かけたビッグ3代表の稚拙な経営責任体制は、世間の失笑と批判の的となったが、その一方で外資系のカーメーカーもまた同様に、厳しい市況に打撃を受けている。カー業界ばかりでなく社会状況そのものに不況、あるいは恐慌がやってくると囁かれる現状では、大型消費は見送られる。また実際問題として、クルマを買おうと思っても購入ローンを組むことさえ難しい、クレジット業界の危機的状況が取り巻いているのも事実だ。
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クライスラー社でもトップセールスのPTクルーザーは、学生からベビーブーマーまで人気を集めるクルマだったが

11. Sales loss -25% per month

字数制限のため英文省略
売上前月比25%減・前年比28%減
クライスラー社が昨日16日に公表した資産内容によると、(金融界の経済破綻で)クルマの購入者に対して割賦ローンの貸付けが困難になったため、ここ9月以来3か月で25%の売り上げ減少をみた事実を公開した。また今年に入ってから先月までの、11か月間の売り上げを昨年同時期と比較すると、28%の落ち込みを見せたとも同社では報告している。
「困難な状況に陥っているのは、何もビッグ3だけではありません」こう言うのはアンアーバーに本社をおくオートモーティブ・コンサルティンググループのデニス・ヴィラグ社長である。「今回の不況は米国資本と海外資本とにかかわらず、米国の自動車産業界全体にとっての危機です。」
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ストができるうちはまだよかったという証拠 UAW 全米自動車業界労働組合の今夏のデモ 後方にクライスラー本社

12. Stumbling Cerberus in merger with GM

Chrysler is owned by private-equity firm Cerberus Capital Management, which bought the automaker for $7.4 billion in 2007. Chrysler and GM warned last month that they could run out of cash by the end of the year without aid from the federal government.
サーベラスが進めるGMとの合併交渉も危機に
2007年に74億ドルで買収されて以来、クライスラー社は個人投資法人のサーベラスキャピタルマネージメントが所有しているが、年末までに連邦政府から財政補助金が降りなければ資金繰りは底をつくので、9月以前からサーベラスが進めてきたクライスラー社とGMとの合併交渉(実質的にはサーベラスがクライスラーをGMに売却)も暗礁に乗り上げる事態になる。
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昨年ドイツのダイムラー社からクライスラーを買収したばかりのサーベラスだが、すでに9月にGMとの合併交渉へ

13. Midnight oil of auto industry

Now, Chrysler says, it is approaching the minimum level of cash it needs and will have trouble paying its bills after Jan. 1. Chrysler expects to have only about $2.5 billion on hand by Dec. 31, the minimum needed to pay employees and suppliers and keep the company running. The furloughs are "a grim reminder of a grim situation," Johnson said.
不況のトンネルをくぐり抜けるために
クライスラー社が弁明するところでは、今や財政状態は現金残高が底をつき、このままでは1月1日付けで支払予定に必要な会計が賄えない状況にきていると言う。現時点から12月31日までに、従業員の給料や資材の仕入れ先など、会社の営業を食いつなぐのに最低線必要とされる金額は、およそ25億ドル(約2,237億円)と試算されている。
今回同社が踏み切った「自宅待機・操業一時停止」という緊急手段は、不況と言う暗い状況を生々しく体現する象徴的なできごとのひとつと言えよう。<了>
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【 米国時間 2008年12月17日 『米流時評』ysbee訳 】f0127501_6213945.jpg

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by ysbee-2 | 2008-12-17 18:48 | グローバルビジネス

バフェットの神託「株の愛国買い」

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 ||| ウォーレン・バフェットの神託 |||

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 賢人ウォーレン・バフェットの御託宣「Buy American. I am.」
 ビル・ゲイツを超した世界一のビリオネアが提唱する、株の愛国買い


d0123476_18552829.gifオマハ州出身のビリオネア、ウォーレン・バフェット (76) は、ここぞと言うときに財界の賢人としてバシッと時宜を得たご託宣をのたまうので、「オマハズ・オラクル (オマハの神託)」と呼ばれて久しい。

彼がついに長年王座を誇ったビル・ゲイツを抜いて、経済誌『フォーブズ』恒例の世界長者番付でトップに立ったニュースはほんの先週のことで、まだ記憶に新しい。そのバフェットが、恐慌をきたすウォール街の売り一色の市場に対して箴言を吐いた。しかもインタビューでなどという受け身ではなく、ニューヨークタイムズ紙の全面広告で。そこで財界のメッセンジャーは何と言ったか。
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NYTはリベラルのラベルを貼られているが、米国の世論を代表する新聞を挙げればタイムズがトップにくるのも現実

「Buy American. I Am.」米流に訳せば「アメリカの株を買いなされ。わしゃもうやっとるがのう」というところ。(私の訳には、加齢臭とジェンダーギャップが加味されます。あとローカル色も)このご託宣の意図するところは、かなり深い。単に「今が買い」というだけのエコノミックな勧誘であれば「Buy as I do」「Buy now as I'm doing」となるところだが、あえて「American」を強調したところに彼の信念がにじみ出ている。
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「現金は王様じゃない」がバフェットの持論 金は運用して生かさなければ紙っぺらにすぎないと言い切る

つまり「アメリカ人なら(周りがどうあれ)国のために自国の株を買いなさい。私はもうそうしているよ。なぜなら、私はこの国を愛するからだ」と言っているようだ。心情まですっかり言葉にすると、そういうことを言いたかったのだろう。私はそう解釈した。米国資本主義の終焉とか、終りの始まりとか、騒然として浮き足立っている米国全体の潮流に、果敢にストップをかけるご託宣である。
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ジェットコースターのような激甚の乱高下は、市場全体への信頼を失うばかりで、こうした時に売りに走るのは自滅行為だという、財界人として半世紀近く時代の変遷を見てきた賢人の、時流を見極めた戒めの言葉だろう。そのせいかどうか、今日のダウ相場の値動きは順調に上がり調子(しかし終り値直前でまた下がりましたが)。
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本当は昨日から『America 2.0=アメリカ再生』シリーズを長期連載でスタートする予定だったが、取り扱う記事が膨大なので助走にだいぶ時間がかかっている。なので、まずは軽い記事を「つきだし」でどうぞ。

【米国時間 10月17日 『米流時評』ysbee 】

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OCTOBER 17, 2008 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌デイリー版 10/17号
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 A S S O C I A T E D P R E S S
ビル・ゲイツを超した世界一のビリオネアが提唱する、株の愛国買い
米国時間 2008年10月17日 午前8時42分 | AP通信/ビジネス速報 | 翻訳『米 流 時 評』ysbee

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投資証券会社の雄、ゴールドマン・サックスのニューヨーク本社 NY資本の好敵手がバフェットのシカゴビジネス

Buffett Oracle: 'Buy American. I Am'
'Time is right, be greedy when others are fearful,' legendary investor advises
OCTOBER 17, 2008 | Associated Press — BUSINESS | Translation by ysbee
NEW YORK — Warren Buffett has been moving his personal investments from safe Treasury securities into U.S. stocks, according to an opinion piece he wrote in Friday’s New York Times. The piece, titled “Buy American. I am,” reiterated one of the legendary investor’s favorite maxims: "Be fearful when others are greedy, and be greedy when others are fearful."

バフェットが勧める「愛国買い」
ニューヨーク発 | 17日金曜のニューヨークタイムズに自ら書いた論説を載せたウォーレン・バフェットは、彼の個人資産である投下資本を財務省発行の安全な国債から引き出して瀕死の危機にある米国の株式市場に投入してきたようである。「Buy American. I am.」(アメリカ人よ、今が買いだ。私はもう、そうしている) と題されたその記事は、投資の神様として伝説的な人物の一人であるバフェットの、座右の銘を強調するかのようだ。「周りが買いに走るときには警戒せよ。逆に買いを恐れるようなときこそ、強気で買いまくれ。」
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半世紀以上米国経済の浮沈をみつめてきたウォーレン・バフェット 時宜を得た箴言は常に時代を拓いてきた

2. 'Be greedy when others are fearful'

In the New York Times article, Buffett stressed he was discussing his personal investments outside of his Berkshire Hathaway holdings, which are pledged to charity. If prices continue to look attractive, the legendary investor says he expects his personal account to be 100 percent invested in U.S. equities, the legendary investor wrote in the article.
周りが臆病なときこそ強気の買い
タイムズの記事の中で、バフェットは自らが経営する投資会社バークシャ・ハサウェイ信託の関与外の、彼個人の投資の姿勢を語っているが、記事全体は社会事業に貢献しようという内容だった。一例を挙げて、もし注目する銘柄の株価が下がっていて買い気をそそったら、それが米国法人の株だったら自分の投資予算をそっくり100%投下するだろうと、この伝説的投資家は説得する。
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連日の乱高下にふだんは剛胆なウォール街の仲買人もショックを隠せない 100ドル台の値動きが日常化してしまった

3. Fears even among seasoned investors

Since stocks began to tumble in September, Buffett and his investment company, Berkshire Hathaway Inc., have made large bets on U.S. companies, exacting rich dividend payments in the process. “Most certainly, fear is now widespread, gripping even seasoned investors,” said the so-called Oracle of Omaha.
錬達の投資家さえ引く恐慌
9月に入ってから、特に15日以降の米国市場の株が暴落し始めて以来、バフェット個人と彼が社主である投資会社バークシャー・ハサウェイの公私ともども、米国企業の株の購入に相当額賭けてきたと、そのプロセスで利益を上げた実額を明らかにしながら、このいわゆる「オマハの預言者」は記事中で書いている。「もちろん誰の目にも明らかなように、恐慌に対する恐怖が業界中に広まっている。錬達の投資家でさえ、恐れをなしているようだ。」
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先週6日に記録的大暴落となったブラックマンデーのニュースを流すNBCテレビのティッカー=電光ニュース

4. Project new profit records for decades span

“To be sure, investors are right to be wary of highly leveraged entities or businesses in weak competitive positions,” Buffett said. “But fears regarding the long-term prosperity of the nation’s many sound companies make no sense. These businesses will indeed suffer earnings hiccups, as they always have. But most major companies will be setting new profit records 5, 10 and 20 years from now.”
20〜30年の長期スパンの利益を展望
「当然のことながら、レバレッジに頼る実体のうすい金融会社や、競争力で勝てない弱みをもつ虚業に近い投資会社に対して不安をもつのは、投資家として正しい認識だ」とバフェットは認めるが、次のように続ける。
「しかしながら、だからといって米国経済の大部分を占める健全な実業の企業に対しても、長期的展望で不安を抱くのはナンセンスだ。これら健全なビジネスを営む企業ももちろん、これまでにも何度も経験してきたように、市場の流れにひきずられて利益をあげるのに四苦八苦するだろう。しかし今から5年 10年先を考えた方がいい。こうした基幹企業のほとんどが、きっと利巾の新記録を作るにちがいないから。」
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底値から記録的な上げ巾を出した月曜以来 急騰急落を繰り返しジェットコースター状態だった今週のダウ市場

5. 'If you wait, spring will be over'

"Let me be clear on one point: I can't predict the short-term movements of the stock market," he wrote. "I haven't the faintest idea as to whether stocks will be higher or lower a month—or a year—from now. What is likely, however, is that the market will move higher, perhaps substantially so, well before either sentiment or the economy turns up. So if you wait for the robins, spring will be over."
「幸運の女神に後ろ髪はない」
「特に次の一点をはっきりしておこう。私には、株式市場の短期の値動きは予測できない。下手をすれば今から1か月後、いや1年後にその株が上がってるのか下がっているのかという実数の値動きに関してさえ、漠然とした考えも思い浮かばない。しかしながら何が掴めるかと言えば、投資家の思惑や経済全体が上向きになるよりも以前に、株価は必ずや回復するだろう、しかも市場の土台から底上げになるという予感である。だから、あなたがもしコマドリ(初夏を告げる鳥)が来るまで待つというのなら、その時にはもう春は終わっているだろう。」(先手必勝のたとえ。あえて訳せば「鶏頭となるも牛後となるなかれ」?)
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6. Be brave as Gretzky
Buffett said buying stocks now is better than trying to time markets and guess when a turnaround will happen. Referring to arguably the greatest hockey player ever, he wrote: "In waiting for the comfort of good news, they are ignoring Wayne Gretzky's advice: 'I skate to where the puck is going to be, not to where it has been.'"
株の世界は先手必勝
バフェットは、底値まで下がったかに見える市況をみて「買うなら今だ」と勧める。市場の値動きが収まるまで待ちの姿勢をとったり、株価が上げに転換する潮目を見届けたりしていては「賭け時」を見失うというのである。米国のプロホッケー界の偉大なるプレーヤーを例に出して、こう解説する。
「朗報でほっとするまで安全地帯で息をつごう、と言うのなら甘い。ホッケーの名将ウェイン・グレツキーもこう言ってたじゃないか。『私はパックが今ある場所へ動いたりしない。パックの動くその先を瞬時で見極めて、先にそこへ向かう』と。」
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9月半ばのリーマン倒産に相次いで、ウォール街の証券・金融会社・銀行の危機が世界的恐慌の引き金となった

7. BH invests $3 billion in GE

Berkshire Hathaway agreed on Oct. 1 to invest $3 billion in General Electric Co.’s preferred shares, which carry a hefty 10 percent dividend. In late September, Berkshire Hathaway also bought $5 billion in preferred shares of Goldman Sachs Group Inc., which also pay a 10 percent dividend. He bought warrants to purchase another $5 billion in common shares at about $115 each.
GEの10%を買ったバークシャー・ハサウェイ
バフェットの運営する投資会社バークシャー・ハサウェイの法人自体も、10月1日に30億ドル(約3千億円)を投資して、GE/ゼネラル・エレクトリック社の公開株を買っている。その結果ほんの数日で10%という莫大な収益を上げた。また9月の後半には、手堅いニューヨークの金融界を代表する証券会社、ゴールドマンサックスの株の購入に50億ドル(約5千億円)を投資した。こちらもまた10%という上げ巾で、膨大な利回りとなった。
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息子のピーター、娘のスージーと共に、バフェットの投資会社バークシャー・ハサウェイの年次株主総会に出席/バフェットの自宅は、昔ながらのマンサード屋根のビリオネアにしては質素な家。人生は金じゃないという彼の哲学通り

8. Pledged fortune to the Gates Foundation

In 2006 Buffett pledged most of his fortune to the Bill and Melinda Gates Foundation and four Buffett family foundations. Despite annual donations to the foundations in fulfillment of the pledge, Buffett is ranked as the nation's richest individual with a net worth of $58 billion, according to a recent calculation by Forbes magazine. Because of recent market turmoil he has surpassed his friend and Microsoft co-founder Bill Gates, according to the Forbes calculation.
ゲイツ夫妻の福祉事業に巨額を献金
バフェットが06年に、ビル・ゲイツとメリンダ夫人の主催する福祉事業団体ゲイツファンデーションとバフェット家の4つの慈善事業団体に、自分の個人資産のほとんどを寄付した事実は有名である。経済誌『フォーブズ』先月号掲載の恒例の長者番付では、バフェットがこれらの団体に約束した金額を毎年寄金していたにもかかわらず、なおかつ580億ドル(約5800億円)の個人資産を記録して、米国で一番のビリオネアになったと報告していた。フォーブズ誌の資産推測によると、バフェットが長年トップにいたビル・ゲイツを抜いて第1位になったのは、ここ最近の激動する株式市況のおかげであると結論づけていた。 [了]
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ウォーレン・バフェットは数年前からビルゲイツ夫妻が主催する慈善事業に巨額を献金し協賛している
CNBC Video—Buffett: Time to buy U.S. stocks
CNBCニュースビデオ |バフェット「米国の株は今が買い時」

Oct. 17: Warren Buffett said Friday that now's the right time to buy U.S. stocks.
Is he right? A panel of experts on CNBC tackles the question.

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【 米国時間 2008年10月17日 『米流時評』ysbee 訳 】
»» 次号「北朝鮮が重大発表か?外交官に待機命令 」へ
«« 前号「底が見えた!グローバル恐慌からの Uターン」へ


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||| 『米流時評』グローバル恐慌レポート |||
第1章 ウォール街金融危機

9/14 号外!メリルリンチを500億ドルでBOAが買収
9/15 ウォールストリート大暴落、9/11以来のメルトダウン
9/16 号外!AIGに8.9兆円連邦救済ローン、恐慌脱出か?
9/17 経済危機と大統領選・ペイリンは共和党の自爆装置?

第2章 米国金融危機
10/01 号外!80兆円金融経済救済案、上院を通過!
10/02 下院でも通過!73.8兆円の経済救済案ついに成立!
10/06 ウォール街暴落1万ドルの大台を割る 大恐慌2.0?
10/07 2日目も暴落のウォール街・前日比 ▼508ドル

第3章 グローバル金融危機
10/08 アイスランド国家破産の危機・前編
10/09 アイスランド国家破産の危機・後編(翻訳中)
10/10 号外!GMがクライスラーを吸収合併交渉!
10/12 ダウ記録的サージで危機脱出? IMF・EUの緊急サミット効果
10/13 底が見えた!グローバル・メルトダウンからの Uターン
10/14 ウォール街実録・暗黒の7日間(翻訳中)

第4章 ポスト恐慌のニューパラダイム(予定)
10/15 堕ちた偶像アメリカの救済・オバマ対マケインの政治学(予定)
10/16 堕ちた偶像アメリカの救済・オバマノミクスと米国経済再建案(予定)
10/17 バフェットの神託・株の愛国買い「Buy American. I am.」


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by ysbee-2 | 2008-10-17 09:48 | グローバルビジネス
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世界の動きがよくわかる!激動する国際情勢を、欧米メディアでディープに読む…世界の「今」と真実探求に関心ある知的冒険者へ送るグローバル情報満載ブログ


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