米流時評

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カテゴリ:サルコジのフランス( 7 )

サルコジの聖地巡礼「エルサレム分割で中東平和を」

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   ||| サルコジの中東ナポレオン外交 |||

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イスラエル建国60周年を祝い、サルコジ3日間のエルサレム巡礼
中東平和に パレスチナ提案の「エルサレム二都分割統治」を支持


米国時間 2008年6月23日 | AP通信・パリ支局編集 | 『米流時評』ysbee 訳
イスラエル・エルサレム発 |フランスのニコラス・サルコジ大統領は、モデルで歌手の妻カーラ・ブルーニ・サルコジさん同伴の3日間のイスラエル訪問旅行の端緒を切り、22日日曜首都エルサレムに到着した。今回のスケジュールには、イスラエルとパレスチナ双方の首脳との個別会談、パレスチナ西岸にある聖地ベツレヘム巡礼、ガザ紛争でパレスチナ側の捕虜となったままのイスラエル兵士の両親を慰問……などが予定されている。(捕虜となった若者ギラッド・シャリットは、フランスの市民権を保有したイスラエルへの移民1世でもあるため)
▲トップ:5月27日カナダからフランスを訪問したスティーブン・ハーパー首相とエリゼー宮で会談するサルコジ
▼6月14日欧州中東卒業旅行中のブッシュ大統領を迎えるサルコジ。一連のトップ会談はNATO体制強化のため?

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Sarkozy Says Israel Must Share Jerusalem
The French president says there can be no Mideast peace until then

JUNE 23, 2008 EST | Associated Press — ISRAEL | Translation by ysbee
JERUSALEM — French President Nicolas Sarkozy arrived in Jerusalem Sunday for a three-day visit, accompanied by his wife, model-turned-singer Carla Bruni-Sarkozy. His schedule includes talks with Israeli and Palestinian leaders, a visit to the biblical West bank town of Bethlehem and a meeting with the parents of an Israeli soldier held by Palestinian militants in Gaza. The young man, Gilad Schalit, holds French citizenship.

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JUNE 24, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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 A S S O C I A T E D P R E S S

イスラエル建国60周年を祝い、サルコジ3日間のエルサレム巡礼
米国時間 2008年6月23日 | AP通信・エルサレム発パリ支局経由 | 訳『米流時評』ysbee

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中東訪問直前の6月19日、パリのエリゼー宮でフランス訪問の英国ブラウン首相を迎えるサルコジ大統領

1. Reinstallation of French-Israel bond

France was a strong ally in Israel's early years of independence. But relations soured, particularly after the 1967 Mideast war, when France imposed an arms embargo and began adopting more policies critical of Israel. Many Israelis have long viewed France as biased in favor of the Palestinians, and reports of rising anti-Semitism toward the French Jewish community — at 600,000, the third-largest in the world — have only fanned the flames.
フランスとイスラエルの絆復活へ
フランスは第二次大戦後のドゴール政権時代、イスラエルが建国独立した1948年以降の早い時期には、イスラエルの強力な支援国でもあった。しかし、1967年の中東戦争以降は、フランスはイスラエルに対して武器輸出禁止措置をとりイスラエル政策に批判的態度を示したため、両国間の友好関係は急激に悪化した。イスラエル人の多くは、フランスがパレスチナ人に好意的な態度に偏向しており、また60万人を数える世界第三のユダヤ人社会を内包するフランス国内において、アンタイセミティズム=反ユダヤ主義の台頭が報告されているにもかかわらず、火の粉を払うだけで抜本的な対策を講じない姿勢に、業を煮やしている。
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3日間のイスラエル訪問旅行に同行したサルコジの新夫人、モデルで歌手のカーラ・ブルーニ・サルコジ

2. Praising democracy in the promised land

Sarkozy, whose maternal grandfather was a Greek Jew, praised Israel's democracy and quoted the biblical passage in which God promises the Holy Land to the children of Israel. The comments drew applause and broad smiles from most lawmakers but got scowls from the handful of Arab members.
約束の地イスラエルでの民主主義国家実現を賞賛
ユダヤ系ギリシャ人を祖父に持つサルコジは、建国60年を祝うイスラエルの国会クネセットで記念演説を行なったが、その中で「ユダヤ人の子孫に対して神が与え給うた約束の地」という旧約聖書の一節を引用して、その地イスラエルにおいて実現した民主主義を讃えた。満員の議場でこの演説の一節を聴いた議員たちは、満面に笑みを浮かべて拍手喝采したが、ひと握りのアラブ議員たちからは不満のヤジが飛んだ。
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イスラエルの国会クネセットで建国60年の祝賀演説を行いスタンディングオベーションを受けるサルコジ大統領

3. Year-end final peace deal, unlikely

But as he turned his attention to the struggling peace process, reactions were less enthusiastic. Israel and the Palestinians have set a year-end target to reach a final peace deal. But the sides have said that goal is increasingly unlikely. The Palestinians are upset about continuing Israeli construction in the West Bank and east Jerusalem — areas they claim for a future state.
難航する年末までの平和条約締結
しかし、演説のテーマが難渋するパレスチナとの和平交渉へ移ると、議会の聴衆の反応はとたんに冷めたものとなった。イスラエルとパレスチナは、両者間の和平交渉の最終目標を和平条約におき年内の締結をめどとしているが、双方の内部関係者ともに、年内の実現はますます難しいのが現状だと漏らしている。特にパレスチナ側では、和平条約が整った場合にはパレスチナ側の領土となる予定の左岸地区とエルサレム東部地区で、相変わらずイスラエル人集落の建設が継続されていることに関して憤慨している。
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昨年ゴラン高原でヒズボラがイスラエル兵を捕虜にしたのがレバノン戦争のきっかけとなった。戦争は終わったが捕虜は解放されていない。捕虜の一人でフランス市民権を持つイスラエル兵士ギラッド・シャリットの両親と、エルサレムのキングデービッドホテルで会談するサルコジ。これは例えて言うならば、ブッシュが憲法記念日に日本を訪れ北朝鮮に拉致された日本人の両親に個人的に会って慰める、といったような状況ではないだろうか。たとえポーズでもこういう行動をとるのが、その国の痛みを知っているサルコジの外交力であり政治力である。

4. 'Jerusalem as the capital for two states'

President Sarkozy said Monday there could be no Mideast peace unless Israel drops its refusal to cede sovereignty over parts of Jerusalem claimed by the Palestinians, challenging one of Israel's most emotionally held positions. "There cannot be peace without recognition of Jerusalem as the capital of two states and the guarantee of free access to the holy places for all religions."
「エルサレム二都物語」の実現を
月曜の演説で、サルコジ大統領はイスラエルがイスラエルがもっとも感情的に固執しているエルサレム分割案にあえてふれ、パレスチナが要求しているエルサレム分割統治案に対するイスラエルの拒絶を撤回するべきと表明した。「ユダヤ教のイスラエルとイスラム教のパレスチナ両方の首都として、また(キリスト教も含む)あらゆる宗教の聖地として信者がエルサルムへ自由に出入りできる状況を保証しない限り、中東の平和はありえない」と発言した。
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ヨルダン川の左岸の歴史ある都市ジェリコで砂嵐の中をパレスチナ軍施設の堡俏に立つ兵士

5. Old city, the key Israeli issue

Speaking to a packed session of the legislature, Sarkozy also called on Israel to stop building settlements in the West Bank. Israel says the Palestinians must do more to rein in militants. Israeli Prime Minister Ehud Olmert has declared a partial settlement freeze but said construction will continue in areas Israel intends on retaining — including major settlement blocs and Jewish neighborhoods in east Jerusalem. Olmert also opposes giving up control of Jerusalem's Old City, where key Jewish, Christian and Muslim holy sites are located. Israel captured east Jerusalem, including the Old City, in the 1967 Mideast War.
エルサレム旧市街に固執するイスラエル
d0123476_1520488.jpgイスラエル国会の満席の議場に向かってサルコジはまた、パレスチナ左岸地区に散在するイスラエル人入植者部落の建設工事を、和平交渉の条件として中止するよう呼びかけた。左岸地区に関するイスラエル側の言い分は、パレスチナ政府が反乱分子をもっと厳しく鎮圧するべきという点にある。この問題に関してイスラエルのエフド・オルメルト首相は、セツルメント(入植者部落)の一部は開発を凍結したが、反乱分子が入り込まないように保守するべき地域ではイスラエル人部落の建設を続けると主張する。それらの地域には、既存の主要セツルメントとエルサレム市内東部のユダヤ人居住区が含まれている。オルメルトはまた、エルサレムの歴史ある旧市街区=オールドシティの統治権を放棄するのにも反対である。オールドシティにはユダヤ教、キリスト教、イスラム教それぞれの聖地が存在しているからだ。ちなみにオールドシティを含むエルサレム全体をイスラエルが奪取したのは、1967年の中東戦争の際である。
エルサレム市内東部のハルホマ・セツルメント ユダヤ人入植者向けの住宅建設続行は和平条約の進行を阻んでいる

6. 'Unacceptable for Iran's nuclear program'

Sarkozy assured Israel it was not alone in its concerns about Iran's "nuclear military program" and said confronting Tehran requires a united international front. France takes on the presidency of the European Union on July 1. "France is determined to pursue, with its partners, a policy of progressively tougher sanctions," he said in French. "An Iran equipped with nuclear weapons is unacceptable for my country."
「フランスはイランの核兵器開発を認めない」
一方サルコジはイスラエルに対し「イランの核問題」に関して極めて留意していると述べ、テヘランのイラン政府とイスラエルの衝突が起きれば、国際的な統一戦線が必要となると述べた。フランスは今年7月1日を期してEUの首長国となるが、その件に関してサルコジはこう表明した。「フランスは、他のEU諸国とともに、イランに対するより強硬な経済封鎖政策を下す覚悟である。核兵器を保有するイランという存在は、我が国は認めるわけにはいかない」
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今月17日に66年以来42年ぶりにNATOの司令軍に復帰したフランス 同日パリ北部のクレール空軍基地を視察

7. EU approved new sanctions against Iran

At a meeting in Luxembourg on Monday, EU nations approved new sanctions against Iran, including a freeze on assets of the country's biggest bank and a travel ban on high-level experts dealing with Iran's nuclear program. Israel, which believes Iran is developing nuclear weapons, has welcomed the international sanctions, but warned that "all options are on the table" if diplomacy fails.
EU、イランに新規の経済封鎖で加圧
23日月曜ルクセンブルグで行われた会議で、EU加盟諸国はイランに対する新しい経済封鎖政策を採択した。この中にはイラン最大の銀行の資産凍結や、イランの核開発に関与する要人技術者の渡航禁止などが含まれている。イスラエルは、イランが核兵器開発を行っていると信じているので、今回の経済封鎖に関しては諸手を上げて賛成である。しかし、あらゆる外交手段が失敗に帰した暁には、「すべての手段は手のうちにある(先制ミサイル攻撃・核攻撃も)」とイランに対して警告を発している。 [了]

【米国時間 2008年6月24日 『米流時評』ysbee 訳】
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»» 次号「チベット問題と四川大地震で一気に盛り下がる北京五輪ツーリズム」へ続くd0123476_1023580.jpg

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||| 『米流時評』テロ戦争関連特集 |||
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昨年のシリア核の危機「中東核戦争」と「NIE諜報レポート」の特集連載もぜひご参照ください。


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by ysbee-2 | 2008-06-24 15:16 | サルコジのフランス

中国に核を売ったセールスマン・サルコジ

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  ||| サルコジ、中国と核の巨大取引成立 |||
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中国の爆発的電力需要を満たす核エネルギー革命に参与するフランス
1.3兆円のウラン取引で広東核開発公社とジョイントベンチャー成立


ジャミール・アンデルリーニ | 北京発/ファイナンシャルタイムズ |『米流時評』ysbee 訳
中国は核燃料ウラン確保するために、その供給先をグローバルに探していたが、11/26月曜、フランスの核開発会社AREVAと「少なくとも今後14年間はアフリカ産のウラニウムを供給する」という契約を結び、最終的解決をみた。
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China Seals $12bn Deal for Areva Uranium
By Jamil Anderlini | Financial Times — CHINA | Translation by ysbee
NOVEMBER 27, 2007 EST — BEIJING |China's global quest to secure uranium supplies received a boost on Monday when Areva, the French nuclear company, agreed to supply African uranium for at least the next 14 years.
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DECEMBER 19, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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 F I N A N C I A L T I M E S

核のセールスマン・サルコジ 中国と1.3兆円のウラン取引成立
米国時間 2007年11月27日 | 北京発/ファイナンシャルタイムズ | 『米流時評』ysbee 訳

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1. The biggest nuclear power contract
Areva will also build, operate and supply two nuclear reactors in the southern province of Guangdong. The €8bn ($12bn) deal with state-owned China Guangdong Nuclear Power Corp, the biggest commercial nuclear power contract on record, included at least 23,000 tonnes of uranium on top of an annual supply of about 600 tonnes to the two reactors, both of which had previously been announced.
史上最大の商用核開発の事業契約
これにともなって、AREVAは燃料ウランを供給するだけでなく、中国南部の広東省に2つの核燃料施設を建設・運営する契約も取り結んだ。今回のCGNPC(中国国営広東原子力発電公社)との80億ユーロ(120億ドル/1.32兆円)の核取引は、商用の原子力発電に関する取引としては史上最大である。前もって公開されていた情報によると、2基の核燃料炉に毎年600トンずつ、今後14年にわたって合計2万3千トン以上供給する燃料用ウランの契約が、今回の仏中の核開発契約の主眼となっている。
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2. Joint venture to transfer technology to CGNPC
Areva also agreed to establish an engineering joint venture to transfer technology to CGNPC and work on other reactors in China. The deal was signed in Beijing in front of Nicolas Sarkozy, the French president, and Hu Jintao, his Chinese counterpart. With its ambitious plans to build dozens of reactors and more than double nuclear power capacity in the next 12 years, China is the fastest-growing uranium consumer in the world.
CGNPCとの核開発のジョイントベンチャー
AREVAはまた、CGNPC/中国広東原子力開発公社と核のテクノロジーを共有するジョイントベンチャーを創業し、中国におけるその他の核燃料炉の開発運営にもたずさわる予定になっている。
今回の事業契約は、フランスのニコラス・サルコジ大統領と中国の胡錦濤主席の両者立ち会いの下に、北京において調印された。今後12年間に中国各地に数十基の核燃料炉を建設するという、野心的な核の巨大開発計画の実現にともなって、中国は核燃料用ウランの消費量を、世界でももっとも急速に伸ばす国となった。
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3. To secure future supply in energy market
However, its domestic uranium deposits are declining, forcing Beijing to look abroad to secure future supply in an already stretched market. Under the deal CGNPC agreed to buy 35 per cent of the uranium production of UraMin, a Canadian mining company with uranium deposits in South Africa, Namibia and Central African Republic, which Areva bought in September for $2.5bn.
爆発する中国市場の需要に見合う電力供給
しかしながら、中国国内のウラニウムの産出量は年々減少しており、北京政府はすでに供給電力のぎりぎりにまで差し迫った電力消費の今後の展開にも追いつくように、燃料の供給先を海外へ求めねばならない羽目に陥いる窮状にあった。今回の契約によって、中国はウラニウム鉱山を採掘しているカナダの鉱山会社 UraMin から燃料用ウランの35%を購入する条件に同意したが、その採掘鉱山は南アフリカやナミビア、中央アフリカ共和国などに散在しており、UraMin自体は今年9月に25億ドルでAREVAに買収された会社である。
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4. Areva on new mining of Uranium
UraMin has estimated uranium reserves of about 65,000 tonnes but Areva is looking for new mining opportunities and the company's eventual output could be much larger. "The Chinese were very keen to secure uranium supply and were happy to agree to buy 35 per cent of whatever UraMin produces," said a person close to the deal. CGNPC agreed to pay a small discount to the future market price for uranium.
新しいウラン鉱脈発掘を探るAREVA
カナダに本社を置くウラン採掘会社 UraMinは、買収された時点で約6万5千トンのウラニウムを保有していたが、今後の新しい需要に応えるための採掘や、事業計画拡大にともなって、供給ベースはさらに急増するものと見られている。
「中国政府は、燃料用ウランの確保に非常にこだわっており、UraMinの総産出量の35%を購入する契約が成立したことを、非常に喜んでいるようだ。」契約に立ち会った関係者は、中国側の反応をこのように語った。CGNPCはまた、長期契約によってウラニウム相場の将来的価格が多少値下がりすることにも期待している。
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5. Unprecedented deal in the world nuclear market
The agreement lasts until 2022 but the two sides could easily extend it, said Anne Lauvergeon, chairman and CEO of Areva Group. Areva said its deal was "unprecedented in the world nuclear market" and marked the start of global co-operation with CGNPC, which will help build the plant in China's southern manufacturing hub. Ms. Lauvergeon said the company planned to double its production of uranium to meet demand from the "several hundred" reactors it expects will be built around the world in the next decade.
世界の核市場でも前代未聞のメガ取引
今回の契約は一応2022年まで継続することになっているが、契約事項の中でも二つの項目は、多分その後もそのまま延長されるだろうと、AREVAグループのアンヌ・ローヴェルジョン会長は語っている。AREVA側でも「今回の契約は世界の核関連市場でも前代未聞」であると強調し、CGNPCとのグローバルなジョイントベンチャーの開始によって、中国南部の工業地帯に電力を供給する原子力発電所建設計画の推進役になるものと自負している。
またローヴェルジョン会長は、今後の抱負について次のように述べた。「AREVAは、今後10年の間に世界中で建設される予定の『数百基の核燃料炉』からの需要に応えるべく、燃料用ウランの産出量を現在の状況から倍増する計画です。」
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6. Negotiation process with Kazatomprom
CGNPC and state-owned China National Nuclear Corp, the country's other large atomic group, are in the process of negotiating a deal to take a stake in a uranium miner in Kazakhstan in return for an equity stake in unspecified Chinese nuclear facilities, according to the president of Kazatomprom, the Kazakh state-owned nuclear power company. Kazakhstan plans to more than double its uranium output by 2010, overtaking Canada and Australia, which also supplies large quantities of uranium to China, to become the world's biggest producer.
カザクスタンの核エネルギー公社と交渉段階
CGNPCと中国のもうひとつの巨大な核開発グループCNNC中国国営核開発公社は、今回の契約の他にもカザクスタンのウラン採掘会社であるKazatomprom社と、燃料用ウランをめぐる取引交渉の最中である。カザクスタン国営のKazatomprom社の会長の談話では、中国が同社に投下した資本の見返りとして同社産出のウランを現物供与するという条件での、投資還元の取引契約である。
2010年までのカザクスタンでのウラニウム採掘量の予測は、従来中国の輸入先であったカナダとオーストラリア両国の産出量合計をしのぐものであり、開発が進めば世界最大のウラン産出国になる見通しである。[了]
【米国時間 2007年12月19日 『米流時評』ysbee 訳】
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»» 次号 「ブッシュの卒業旅行・中東ツアーで7カ国訪問へ」

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d0123476_1746245.jpg序 章 「プーチンの過ぎゆくままに」米国とロシアの『戦争と平和』
第1章 「メドベージェフ登場」プーチン次期後継者を指名
第2章 「明日のプーチン」メドべージェフ、プーチンを首相に逆指名
第3章 「ユーラシア連邦の野望」ポストプーチン時代の予測
第4章 「クレムリンの暗闘」プーチン王朝内部のパワー闘争
第5章 「プーチニズムの踏襲」次世代ロシア時代の到来


»» イラン問題緊急特集「NIE衝撃の諜報レポート」d0123476_1023580.jpg
時 評  「NIEレポートで暴かれたブッシュの大嘘」
Part-1 「嘘から出た真実 さらば、イラン戦争」
Part-2 「暴かれたブッシュ政権の戦争体質」
Part-3 「大統領選にまで波及するNIEシンドローム」
Part-4 「米外交のUターン・金宛ブッシュ親書の謎」
Part-5 「半島平和?ブッシュ最終章外交の突然変異」

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by ysbee-2 | 2007-12-19 12:22 | サルコジのフランス

リビアのガダフィへ核を売ったサルコジ

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   ||| サルコジのリビアコネクション |||
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元テロリスト国家リビアの転向に報奨金1.6兆円を与えたフランス
テロ国家のサバイバルゲームで生き抜いたガダフィ議長とメガ取引


米国時間 2007年12月10日 午後5時58分 | パリ発・AP通信 | 『米流時評』ysbee 訳
前号「テロ戦争黙示録 第3章 サルコジ核のセールスマン」からの続き
リビアのモアマール・ガダフィ元首は、10日月曜に34年ぶりにフランスを訪れ、サルコジ大統領からリビアの変革に対して賞賛の辞を受けた。これと同時に、往年のテロ国家からの変貌に対する報酬として、再武装に対する軍事費用と原子力発電の核開発費用に充当する、147億ドル(約1.6兆円)の援助金を受け取る契約を交わした。
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Gadhafi Visits France for Arms, Nuclear Deals
Sarkozy: 'We must encourage those who renounce terrorism'
DECEMBER 10, 2007 EST | Associated Press — PARIS | Translation by ysbee
PARIS — Libyan leader Moammar Gadhafi received encouraging words from France — and cut deals for $14.7 billion in contracts for armaments and a nuclear reactor — on his first official visit Monday to a Western country after renouncing terrorism and doing away with weapons of mass destruction.


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DECEMBER 18, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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 ASSOCIATED PRESS | P A R I S

第4章 元テロ国家リビアのガダフィへ核を売ったサルコジ
米国時間 2007年12月10日 午後5時58分 | パリ発・AP通信 | 『米流時評』ysbee 訳

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1. Dismantling nuclear arm program
Lybia started moving back into the international fold with its 2003 decision to dismantle its clandestine nuclear arms program. The same year it paid $2.7 billion to families of the victims of the 1998 Pan Am bombing over Lockerbie, Scotland, then agreed to pay $170 million in compensation to the families of the 170 victims of the 1989 bombing of a French UTA passenger jet.

03年以来核武装計画を廃絶
d0123476_1031234.jpg北アフリカの地中海沿岸国家リビアは、2003年に開発途上だった核兵器計画を廃絶する決断をして以来、国際社会への復帰への道を歩んできた。また国家体制を全面的に転向したこの年に、リビアはかつて自ら手を下した2件の旅客機テロ爆破事件に対して、贖罪の行動をもとっている。
ひとつは98年にスコットランドのロッカビー上空で起きたパンナム機爆破事件であり、もう一件は89年に起きたフランスのUTA旅客ジェットの爆破事件である。リビアは、前者の遺族に27億ドル/約3千億円の、後者には170名の犠牲者の遺族に1億7千万ドル/約187億円の損害賠償金を支払う事を承諾している。
リビアは北を地中海、東をエジプト、南をサハラ砂漠、西をアルジェリアとチュニジアに囲まれ、首都トリポリはローマ帝国時代には地中海貿易の要衝として栄華を極めた

2. Sarkozy: Rewards for improved behavior
Gadhafi last visited France in 1973. President Nicolas Sarkozy described the contracts as rewards for Tripoli's improved behavior. "We must encourage those who renounce terrorism, who renounce the possession of nuclear arms," Sarkozy said after a meeting with Gadhafi. He did not elaborate on the accords for a civilian nuclear reactor for a desalination plant and armaments. A signing ceremony was scheduled for Monday evening.
サルコジ「国家姿勢改善への報酬」
ガダフィがフランスを訪れたのは、1973年以来34年ぶりのことである。ニコラス・サルコジ大統領は、今回の契約を「リビア政府の政治姿勢の改善に対する褒賞」と表現した。
「我々は、テロリズムを非難する国、核兵器所有を非難する国に対して、応援するべきである。」サルコジ大統領はガダフィ議長との会談のあとでこう語った。しかし彼は民間の原子力発電や、海水の浄化施設、また通常兵器による軍備拡張などについての協定に関しては、一切触れなかった。なお両国の協定への調印は、10日月曜の夕刻に予定されている。
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サハラ砂漠の緑地化を目指す巨大な灌漑用施設を建設中 工事受注は韓国の建設業者 テロ戦争派兵で貢献したから?

3. $4.4 billion deal of 21 Airbus planes
Libya also agreed to buy 21 Airbus planes — 10 A350s, four A330s and seven A320s — but the value of the deal was not immediately given. One of Gadhafi's sons told French daily Le Figaro that the Airbus deal was worth $4.4 billion.
見返りに21機のエアバス購入
一方リビア側ではこの協定に関する見返りとして、21機のエアバスをフランスから購入する事に同意している。詳細は、A350が10機、A330が4機、A320が7機である。しかしこの取引での実質的購入金額は、現在の時点ではまだ発表されていない。しかし、ガダフィの息子のひとりがフランスの日刊紙『ル・フィガロ』の記者に語ったところでは、今回のエアバスの取引は440億ドル(約4840億円)相当と伝えられている。
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今回の取引でパリのサルコジ大統領を訪問したリビアのガダフィ議長 最終的収支では損したのか得したのか?

4. First Western leader to accept Libya's change
Gadhafi was long known as the champion of armed struggle and a sponsor of state terrorism. Sarkozy is the first Western leader to extend an invitation to the flamboyant "guide of the Libyan revolution" since his falling out with the West in the 1980s. "France must speak with all of those who want to return to the road of respectability and reintegrate the international community," Sarkozy said.
西側諸国で初めて「リビアの改心」を承認
ガダフィは長らく国際社会においては、軍事行動に訴える紛争とテロリズム国家を支援してきたことで知られていた。したがって今回のサルコジの措置は「リビア革命の指導者」としてともすると目立ちたがりなガダフィに対して、西側諸国の中ではフランスが初めて、まともな外交関係を結ぶべく手を差し伸べたわけである。これは実に、80年代に先述のテロ爆破事件を起こして、西欧諸国から拒絶されて以来の画期的転機である。
「フランスは、国際社会の尊厳を再認識して正常外交に復帰しようと願う国家すべてに対して、会話の機会を与えるべきだと思う」と(いったんテロ国家のラベルが貼られても国際社会へ復帰を図るように改心した場合の可能性について)サルコジはフランスのとるべき立場を表明した。
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友好のハグを交わすガダフィ議長と英国のブレア中東特使 現在ブレアは中東での親欧米諸国のとりまとめ役

5. Sending signal to the oil-rich Iran
Sarkozy wants to keep France in the running for hefty contracts in oil-rich Libya but also to send a signal to countries such as Iran, involved in a standoff over its disputed nuclear program, that benefits await those who abide by international rules.
オイルリッチ国イランへのメッセージ
またサルコジは、豊富な石油産出国であるリビア国内での巨額の事業受注に関しても、関与し続けたい意向である。今回のリビアへの寛大な措置によって、同様な立場にあるイランのような対立する石油産出国に対して、暗に「改心」へのメッセージを送る意図もあるように見受けられる。イランの場合は、核開発をめぐっての論議で(米国と)対立しているが、フランスがその間に入って調停役を務めることで「リビアと同様にイランにも、国際協定を遵守する国がこうむる恩恵に浴する機会がある」という無言のメッセージを発しているとも解釈できる。
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ワシントンのライス国務長官を表敬訪問したリビアの外相 ガダフィ同様何かしら信用のおけないご面相

6. Sharing nuclear technology with Muslim nations
Last week, France signed a nuclear cooperation accord with Algeria, Libya's neighbor in North Africa. There, Sarkozy said sharing civilian nuclear technology with Muslim nations "will be one of the foundations of a pact of trust" the West must conclude with Muslim nations.
イスラム国家に核のテクノロジーを手渡すサルコジ
フランスは先週、北アフリカのリビアの隣国アルジェリアとの間に、核開発に協力する協定を結んだ。この協定締結に際して、サルコジはアルジェリアでこう語っている。「イスラム教国家と民間の核エネルギー(原発)のテクノロジーを共有するということは、今後西側諸国がイスラム教国家との紛争終結を図る上で、相互信頼の条約を結ぶ際の基盤のひとつとなるだろう。」
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フランスとはシラク大統領時代から外交関係の回復へ 歴史的には長らく植民地だったためイタリー語が常用される

7. Clearing the human rights problems
His visit follows his decision in the summer to free five Bulgarian nurses and a Palestinian doctor who had spent eight years in Libyan jails on allegations that they had contaminated more than 400 children with the AIDS virus. The release was the final obstacle to normalizing ties. As for Yade, the president said that as human rights minister her convictions were "perfectly normal" and he shared them. Yade's boss, As for Yade, the president said that as human rights minister her convictions were "perfectly normal" and he shared them.
長年の人権問題を払拭
ガダフィのフランス訪問は、今夏の人権問題の解決に続く快挙である。リビアでは400人以上の孤児にエイズウィルスを感染させたという疑いで、ブルガリア人看護婦5名とパレスチナ人医師1名が、裁判も受けないままリビアの刑務所に8年間も留置されていたという人権問題が存在したが、この夏ガダフィは彼ら全員を釈放するという決断に踏み切った。
この釈放如何が、今回のフランスとの国交回復における最後の障害物になっていたものである。サルコジは当時ガダフィのこの決断に対して、「ガダフィ議長があらためて基本的人権を尊重しなけらばならないと悟ったのはきわめて正常ななりゆきであり、これで相互理解が深まった」と意見を表明していた。
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地中海の落日とトリポリの黄昏 最近はローマ時代のレプティス・マグナ巨大劇場など観光資産の遺蹟保護にも熱心

8. Protests on Human Rights Day
Gadhafi's visit brought protests and complaints, including from Sarkozy's own minister for human rights.Gadhafi was castigated by French politicians, philosophers and others before his plane landed on Monday — International Human Rights Day. Police detained a group of nearly 30 protesters at Paris' human rights plaza, according to AP Television News. Up to 80 were arrested around Paris, both foes and partisans of Gadhafi, the Web site of the daily Le Figaro reported.
人権擁護の日の締結にパリで抗議のデモ
一方ガダフィの今回のフランス訪問に対しては、フランス市民から強い抗議の声と批判が投げられたのも事実である。その中にはサルコジ政権内の人権擁護を推進する閣僚まで含まれていた。ガダフィの乗った飛行機がフランスに到着した月曜日は、よりによってInternational Human Rights Day=国際人権擁護デーにあたるということで、到着前からすでにフランスの政治家や思想家から轟々たる非難の声が上がっていた。
AP通信のテレビニュースによると、パリ・バスチーユの人権広場では、抗議のデモ隊から30名ほどが警官に連行された。また日刊紙『ル・フィガロ』のサイトでは、ガダフィに対する反対派賛成派の双方から、パリ市内全域で80名近くが逮捕されたと報道されている。 [了]

【米国時間 2007年12月18日 『米流時評』ysbee 訳】
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»» 次号 テロ戦争黙示録 第5章「中国へ核を売ったセールスマン・サルコジ」へ続く

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»» 米流時評 特集「ポスト・プーチンのロシア」
d0123476_1746245.jpg序 章 「プーチンの過ぎゆくままに」米国とロシアの『戦争と平和』
第1章 「メドベージェフ登場」プーチン次期後継者を指名
第2章 「明日のプーチン」メドべージェフ、プーチンを首相に逆指名
第3章 「ユーラシア連邦の野望」ポストプーチン時代の予測
第4章 「クレムリンの暗闘」プーチン王朝内部のパワー闘争
第5章 「プーチニズムの踏襲」次世代ロシア時代の到来


»» イラン問題緊急特集「NIE衝撃の諜報レポート」d0123476_1023580.jpg
時 評  「NIEレポートで暴かれたブッシュの大嘘」
Part-1 「嘘から出た真実 さらば、イラン戦争」
Part-2 「暴かれたブッシュ政権の戦争体質」
Part-3 「大統領選にまで波及するNIEシンドローム」
Part-4 「米外交のUターン・金宛ブッシュ親書の謎」
Part-5 「半島平和?ブッシュ最終章外交の突然変異」


||| 『米流時評』 特集シリーズ |||
次世代冷戦時代  | グローバルウォー | イラク戦争 | 中東のパワーラビリンス | テロとスパイ陰謀
ユーラシアの回廊 | プーチンのロシア | ブッシュと米国政治 | サルコジのフランス | EUとNATO
アルカイダ2.0 核のテロ | パキスタン戒厳令の季節 | アフガン・タリバンの復活 | ビルマの赤い川革命
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by ysbee-2 | 2007-12-18 10:25 | サルコジのフランス

核のセールスマン・サルコジ

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  ||| サルコジのフレンチ核コネクション |||
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テロ国家リビアの転向に巨額の報奨金授与、はたしてその真意は?

d0123476_18552829.gif覚えているだろうか?リビアのガダフィの仕出かしたテロ事件を。89年にフランスの旅客ジェットを、98年にはパンナム機を爆破して罪もない乗客を大量に殺害した、いわば「無差別テロのはしり」である。そのガダフィを、こともあろうにサルコジが表彰。しかも147億ドルの褒賞金をつけて、というのだから恐れ入る。
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テロ国家からの転向
何に対する褒賞かと言えば「国際社会の正常な外交関係へ復帰しようとした努力」なのだそうである。しかし忘れもしないのは、2003年のブッシュの警告に対するガダフィの電撃的反応である。「Whether you are with us, or with terrorists=米国と共闘しなければテロ支援国家とみなす」という、大国の権威をふりかざすブッシュの脅迫に速攻で屈したリビアのドンは、米国がイラク侵攻を開始するやいなや、それまでの軍備と核への野心を放棄すると宣言。
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リビアはちょっと内陸にはいればそこはもうサハラ砂漠北端 北アフリカベルベル族のキャラバンが活躍する舞台

ブッシュの助っ人サルコジ
特別にうがって見なくても、この時以来のリビアの態度の激変が今回のフランスの表彰につながっているのは、誰の目にも明らかである。本来ならば米国からの報奨金となるのだったろうけれど、テロ戦争で国庫が疲弊しており国民の総スカンを喰っているブッシュ政権からは、直接行動を起こせなかったのだろう。議会に掛けても民主党の反対で流れるに決まっている。そこで助っ人にサルコジが「フランスから表彰を」とブッシュに申し出たに違いない。
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リビアの首都トリポリは、古代から地中海交易の貿易港として栄えた港湾都市 ベンガジコーストの夕映えは絶景

核のセールスマン、サルコジ
しかし、サルコジもさるもの。見返りとして、しっかりと仏製のエアバスを21機もリビアに売りつけている。しかも再軍備の承認をとりつけて、兵器やさらには核燃料まで! その他にもちょっと調べた結果では、現在アフリカ最大の灌漑施設を建設中で、その工事は韓国の建設企業が請け負っている・・・韓国からは国連にバンキムン事務総長が出ている・・・今秋国連の新しい理事国に、リビアが選出された・・・この一連のリンクは非常にクサイ。疑惑の煙が目にしみる。
必ずや名目不明の巨大な金額が闇で動いておりますね。まあ私でも気がつくくらいですから、そのうちどこぞのInvestigative Unit/偵察ジャーナリストたちが、すっぱ抜いてくれるでしょう。
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モロッコと同様に回教国であるリビアの首都トリポリの夜空に浮かび上がる、ガダメス・モスクのシルエット

パリ発フレンチコネクション
リビアにそんな大金を授与だなんて、いったい何がどうなっているのか?といぶかしく思われるのが当然の成りゆきなので、お知らせするのが遅きに失した感もありますが、パリからのニュースを次の記事で翻訳してお届けします。(報道当時はプーチン体制と例のNIE騒動の特集の最中でしたので…) 原文はフランス人記者が無理苦理英作文に挑戦したような、文章も段落の展開も非常に不自然な流れだったので、パラグラフの順序を多少入れ替えてあります。よろしくご了承ください。

【米国時間 2007年12月17日『米流時評』ysbee 記】
»» 次号 テロ戦争黙示録 第4章「サルコジのリビアコネクション」
     テロ戦争黙示録 第5章「サルコジの中国『核』コネクション」へ続く


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by ysbee-2 | 2007-12-17 20:04 | サルコジのフランス

サルコジ、イラク問題で公式に親米シフト

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   ||| サルコジ氏、親米シフトへの第一歩」 |||
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フランス外相バグダッド慰霊祭で献花 シラク政権で冷却した米仏関係に大転換
ブッシュとの今夏のハネムーンバカンスに続く「アメリカ人サルコ」的示威行為


イラク・バクダッド発 |19日日曜フランスの外相がバグダッドに到着。2003年来イラク戦争をめぐって冷却していた米国との外交関係を復元する、両国にとって画期的な訪問となった。
【写真:19日バグダッドの米軍安全地帯グリーンゾーンで行われた、「国連イラク本部爆破事件」4周年の慰霊祭。2004年にイラクアルカイダによって本部ビルが爆破され、国連職員から多くの犠牲者を出した。本部跡のモニュメントに献花するフランスのベルナール・クーシュネル外相。彼は「国境のない医師団」の創設で共に活躍した親友を、この事故で亡くしている。】
French Official Visits Iraq After Years-Long Chill
Foreign minister's trip symbolizes Sarkozy's efforts to improve ties with U.S.
AUGUST 20, 2007 EST | Associated Press/MSNBC.com | Translation by ysbee
BAGHDAD, Iraq — The French foreign minister arrived in Baghdad on groundbreaking visit Sunday after years of icy relations with U.S. over Iraq. Bernard Kouchner's plane touched down at Baghdad International Airport at about 6 p.m. His arrival was announced simultaneously by French authorities in Paris.

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AUGUST 20, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽 園 通 信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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 Associated Press / MSNBC.com

サルコジ、イラク問題で公式に親米シフトへの第一歩
米国時間 2007年8月20日 | AP通信/MSNBC.com | 訳:『米流時評』ysbee


1. Sarkozy's first step into 'Iraq matter'd0123476_1061263.jpg
Bernard Kouchner's plane touched down at Baghdad International Airport at about 6 p.m. His arrival was announced simultaneously by French authorities in Paris.
The French foreign ministry said, Kouchner was in "Iraq to express a message of solidarity from France to the Iraqi people and to listen to representatives from all communities." The motives behind Kouchner's visit were not immediately clear.

サルコジ、イラク問題へ介入
ベルナール・クーシュネルの飛行機は、この日午後6時に、バグダッド国際空港に着陸した。到着と同時に、彼のイラク訪問がパリの外務省からも発表された。イラク初訪問の外相は、今回の目的を次のように述べた。「イラクのみなさんに対して、フランス政府からの堅固な支持を表明するとともに、あらゆる自治体の代表の方々から意見を伺うために参りました。」だが(外交辞令を取り払った)今回のクーシュネル氏の訪問の真意は、現時点ではまだ表明されていない。

2. 4th anniversary of U.N. HQ bombing
But merely stepping onto Iraqi soil was a major symbol of French President Nicolas Sarkozy's efforts to turn the page on any lingering U.S.-French animosities over the 2003 Iraq invasion. Kouchner arrived on the fourth anniversary of the bombing of the U.N. headquarters in Baghdad that killed U.N. special envoy Sergio Vieira de Mello and 19 other people. The two men were personal friends.
国連イラク本部爆破の4周年慰霊祭
しかしながら、フランスの外交部門での代表が、新生イラクの地に足跡を残した意義は大きい。それは、2003年のイラク侵攻以来、その是非をめぐってひきずってきた、米仏間の敵意にみちた5年間の経緯をここで刷新しようとする、フランスの新しい大統領ニコラス・サルコジ氏の努力を象徴する、大きな第一歩であった。
クーシュネル氏は、バグダッドの国連本部ビル爆破事件4周年慰霊祭に参加する目的で訪れたが、アルカイダが首謀と見られるその爆破テロ事件では、国連の特別大使セルジオ・ヴィエイラ・デメッロ氏とその部下19名が犠牲となった。デメッロ氏とクーシュネル氏は、個人的に親しい間柄の友人同士でもあった。
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昨年サドルシティであったテロ爆破で256名が死亡 先々週は従来比較的平穏だった北部クルド人居住区カハタニヤで、異端視されるヤズィニ信徒が少数派の民族殲滅に会い、イラク戦争開始以来最悪の500名以上の犠牲者を出した

3. Turning the diplomatic wave
Former French President Jacques Chirac's refusal to back the U.S.-led military effort in Iraq led to a new low in France-U.S. ties. France was also vilified in U.S. public opinion, with some Americans boycotting French wines, and French fries taking on the name "freedom fries" in the House of Representatives cafeteria. Former Defense Secretary Donald H. Rumsfeld spoke of a "New Europe" and an "Old Europe," with France squarely in the latter.
冷却した米仏外交から親米友好国へシフト
サルコジ氏の先代首相であるジャック・シラク氏は、米軍主導のイラクへの軍事介入に対して支持を拒絶して、米仏関係は史上最悪となった。また、この件に関する両国の反目がエスカレートし、アメリカ人がフランスから輸入したワインの不買運動をしたり、下院のカフェテリアではフレンチフライを「フリーダムフライ」と改称するなどといった行動で、フランス政府は米国一般市民から揶揄されたりもした。ドナルド・ラムズフェルド前国務長官にいたっては、欧州には「新しいヨーロッパ」と「旧いヨーロッパ」が存在するとして、フランスは後者に属すると決めつけた。
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子供はどんな境遇にあっても遊びをやめない ドイツや日本の子供たちが戦後の焼け跡でたくましく育ったように

4. 'Sarko l'Americain'
Chirac and U.S. President George W. Bush eventually reconciled, but Sarkozy's election in May was a fresh start. Sarkozy, nicknamed "Sarko l'Americain" for his admiration of the United States' go-getter spirit, met with Bush before he was elected and again for a casual get-together a week ago at the seaside vacation home of Bush's parents in Kennebunkport, Maine.
批判派のポイント「アメリカ人サルコ」
フランスのシラク前大統領は、ジョージ・W・ブッシュ米大統領とは、その後たまたま和解したが、今年5月に行われた仏大統領選でサルコジ氏が快勝したことで、米仏関係は180度好転した。サルコジ氏は、アメリカ特有のチャレンジ精神 (go-getter spirit) を賞賛するところから、自国フランスでの氏のニックネームは「Sarko l'Americain=アメリカ人サルコ」であるが、大統領選直前にブッシュと逢っている。そして今月6日にはあらためて、メイン州のビーチリゾート、ケンネバンクポートにあるブッシュの両親の海辺の別荘へ招待され、1週間のカジュアルな付き合いを楽しんだと伝えられた。
【注:米国イーストコーストのリゾート地は旧来イスタブリッシュメントの富裕層が別荘の豪邸をもつ土地柄で、メイン、マサチューセット、ロードアイランド各州には、日本の葉山や大磯といった格調の高い海辺の別荘地帯が連なる】
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8月上旬のメイン州ブッシュ別邸初訪問は、米国では好意的に受け止められたが、本国フランスでの批判は厳しい
▶サルコジ新大統領初の米国訪問記事:Bush hosts Sarkozy for a ‘heart-to-heart’ talk
▶メイン州のブッシュ別邸訪問ビデオ:Bush makes new French connection


5. 'Friendships with different opinions'
Sarkozy, however, has made clear that France will not be subservient. In his election night speech, he declared that the United States could count on France's friendship, adding, "friendship means accepting that friends can have different opinions" and pushing for the United States to take the lead on climate change. Like Chirac, Sarkozy saw the U.S.-led war in Iraq as a mistake.
「覚めた友好国」のポジショニング
だからといって「フランスはアメリカに対して決して盲従する訳ではない」と、サルコジ氏は釘を刺す。当選が決定した夜のスピーチでは、彼は米国に対して「フランスの友情をあてにしてくれ」と声を大にしたのは確かである。しかしながら「友情とは、友達同士でも異なる意見を持てる、という事実を認めることを意味する」と補足するのも忘れない。しかも、米国を「地球温暖化」の問題に先頭に立って取り組むようにしむけることも忘れない。また、サルコジ氏もシラクと同様に、ことイラク戦争に関しては間違いだったと見ている。
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2003年の侵攻開始以来、イラク戦争は常に米国メディアのトップニュースであり続けた その悲惨さにおいても

6. Gearing up the stronger presence
But Sarkozy says France has sometimes been arrogant in its approach to world affairs. His appointment of Kouchner — the former U.N. administrator for Kosovo and co-founder of the Nobel Prize-winning aid group Doctors Without Borders — suggested he wants to make France a stronger presence on the international stage.
国際的舞台でのフランスをパワーアップ
サルコジ氏は、フランスは世界の出来事に対するアプローチが、時として傲慢であったと認めている。クーシュネル氏を外相に抜擢した事実をみても、サルコジ氏が国際社会の舞台で、フランスをより強力な存在にしたいからに他ならない。クーシュネル氏の経歴をみれば歴然とするが、彼はコソボ紛争時の国連代表であり、「Doctors Without Borders=国境のない医師団」の創設者としてノーベル平和賞を受賞した人物であるからだ。【了】
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フランスのイラク対策は当面は人道的支援活動からスタート/唯一のグッドニュース イラクサッカーチームの優勝

【米国時間 2007年8月20日 『米流時評』ysbee】

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■ 米流時評・サルコジ仏大統領 関連記事
5/07  【サルコジ解剖・前編】 どうなる?ポスト・シラク 親米派サルコジの百日改革
5/08  【サルコジ解剖・後編】 サルコジのアメリカンドリーム 親米派の百日フランス革命
5/06  【フランス総選挙速報】 サルコジ新大統領誕生! フランス新世代へシフト

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by ysbee-2 | 2007-08-21 10:01 | サルコジのフランス

どうなる?ポスト・シラク 親米派サルコジの百日改革

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        ||| サルコジ新体制の光と影 |||
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どうなるポストシラクのフランス 親米派の体制改革は成功する?
米国知性派の代表クリストファー・ディッキーが論じる、サルコジの「罪と罰」


昨年の私のブログ『楽園通信』で紹介して以来、クリストファー・ディッキー氏の国際時事評論は、2007年の当ブログ『米流時評』でも、事ある毎に翻訳し紹介してきました。彼は詩人を父に持つ生え抜きの文学者ですが、特有の鋭い洞察力と広汎な歴史の知識、そして各国語を自由に操る才と西欧・中東のトップクラスと対等に会話できる知性を持つ、アメリカには珍しい繊細な感性を備えたオールラウンドな知識人です。

d0123476_13522766.jpg現在はパリを本拠地に、特に最近紛争の多い中近東の各国に直接取材の足を延ばす、典型的「現場指向」のジャーナリストでもあります。英語の達者な方は、米国版Newsweek誌の『Shadowland』という時事コラムで、毎週彼の秀逸な評論を読むことが出来ますし、Newsweekのポッドキャストでも、一朝ことあるごとに音声で彼のオピニオンを聞くことも可能です。

しかし通常はビジネスのスケジュールに追われ、とてもそこまでフォローできない日本の忙しい方々のために、これだけは読んでおいて欲しいという私自身の勝手なオファーとして、いつも彼の記事の「独断的代読」を行っています。昨年末のサダム・フセインの処刑。絶望的なイラク戦争の行方。イランとの外交と核問題。そして3月末に起きた英兵捕虜事件。今年に入ってからだけでも毎月毎週不穏な問題が発生するたびに、当ブログでも彼の論評の鋭い分析に与ってきました。
【右の写真はシラク大統領が引退後の住まいとして購入したパリ7区のアパルトマン(1・2階のアネックス部分)】

今回は、昨日結果の出たフランスの次期大統領ニコラ・サルコジ氏の手腕と政策について。ひいてはフランス国内、フランスとアメリカ、フランスとヨーロッパ、フランスと世界が、彼の体制改革によって、今後どのように影響を受けるのかを、具体的な過去の方針や政策を元に分析してくれます。知る人ぞ知るアメリカの隠れた鬼才、クリストファー・ディッキー氏のサルコジ評『France Is Back』を2部に分けておとどけします。   【2007年5月7日 米流時評 ysbee記】

d0123476_18552829.gif昨年の『楽園通信』から今年の『米流時評』へと移動しても変りなく意見を交換し応援してくださるありがたいブログ友の皆さま、いつもありがとうございます。今回のサルコジ当選の話題でも、 読書評論のVIVAさんが開票予測政治評論のKazuさんが開票結果をそれぞれ記事にされたので、偶然にも私の記事と併せて結果的に『サルコジの昨日・今日・明日』的な三部作になりました。おふたりともそれぞれのフィールドで気骨ある評論を毎日欠かさず展開し、ファンも多くブログ界でもトップを行く方々です。いつも中味の濃いブログなので、ぜひご訪問をおすすめします。


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MAY 7, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽 園 通 信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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N E W S W E E K | Web Exclusive
親米派サルコジの百日改革
米国知性派クリストファー・ディッキーが論評するサルコジの功罪
米国時間 2007年5月7日 | ニューズウィーク サイト独占掲載 | 訳:『米流時評』ysbee
'France is Back'
A Modern Lafayette? The election of conservative Nicolas Sarkozy as president of France likely means stronger ties with the United States.
By Christopher Dickey | NEWSWEEK — Web Exclusive | Translation by ysbee

d0123476_14272834.jpg1. A 'very American' president-elect
MAY 6, 2007 — France's new president speak American? Sure looks that way. Conservative Nicolas Sarkozy has defeated his Socialist Party rival, Ségolène Royal, by a margin of 53 percent to 47 percent. Royal, the first woman ever to come this close to the French presidency, conceded within minutes. So now the man set to govern the oldest (and arguably the most temperamental) ally of the United States for the next five years is someone whose message will be easy to translate: lower taxes, harder work for more money, greater consumption as the key to more employment and ever tougher measures against criminals and terrorists.
アメリカびいきの次期大統領
フランスの新しい大統領は「米語」を話すのでは? そう言われれば、たしかにそんなふうにも見える。保守党のニコラ・サルコジ候補は、53%:47%という得票率で社会党候補のセゴレーヌ・ロワイヤル女史を引き離し、大統領選に勝った。ロワイヤル女史はフランスでは女性として初めて大統領選の最終選にまで勝ち残った候補ではあったが、開票結果が発表されてわずか数分後には、もう敗北声明を出した。
かくして今やこれから先の5年間、アメリカのもっとも古い友軍であったフランスを統治する座に着くのはこの人物であるが、彼の公約は(アメリカ流に)誠に判りやすいものであった。いわく、減税/労働時間延長で収入増/雇用促進の鍵となる消費拡大/犯罪常習者とテロリストに極刑。

2. Opponents: 'New poodle for Bush'
Braving derision by political rivals branding him the new “poodle” of President George W. Bush, who has long been as unpopular in France as he is these days in the United States, Sarkozy made a high-profile visit to Washington last September. Just weeks ago, the French candidate published an American edition of his campaign manifesto, “Testimony: France in the Twenty-First Century” (Pantheon), with a new introduction that makes him sound like the best friend the Yanks have had in Paris since the Marquis de Lafayette.
反対派「ブッシュの新しい愛玩犬」d0123476_15231100.jpg
政敵によって彼に新しく付けられたブランドは、ジョージ・W・ブッシュ大統領の「新しいプードル」。ブッシュは、最近のアメリカ国内でと同様、フランスでは長いこと不人気であったが、サルコジ氏は昨年の9月にワシントンを表敬訪問し、ブッシュに会見している。さらに投票日のちょうど数週間前には、このフランスの候補者は自らのキャンペーン・マニフェストを、Pantheon 出版から米国版で出版してもいる。『Testimony: France in the Twenty-First Century/証言:21世紀のフランス』という本で、この新刊を読む限りでは「ヤンキーにはマルキ・ド・ラファイエット以来の親友がパリにいる」と思えるような人物として自己紹介しているようだ。

米国版のニコラ・サルコジ著『Testimony: France in the Twenty-First Century/証言:21世紀のフランス』Pantheon出版より刊行

3. In charge of public order
How Sarkozy’s ideas will play with the notoriously protest-prone population he now has to lead is an open question. Testifying to the confrontational mood he brings to the office, police contingents were reinforced today in the same outer-city ghettos that erupted with inchoate, incendiary anger in 2005, while Sarkozy was in charge of public order as the minister of interior. Large contingents of cops were also on hand in Place de la Concorde, the heart of central Paris, in case victory celebrations by the right wing degenerated into outright confrontation between Sarkozy’s supporters and those who hate and fear the man—or just want to use the occasion to raise hell.
手慣れた騒擾鎮圧体制
今やサルコジ氏自身が統率して行かねばならない、悪名高い抗議集団であるフランス都市部の若年層に対して、氏の理論がどのような効果を現すか、というのが誰でもまず第一に頭に浮かべる疑問である。これまでに彼が行政機関や取締当局の特例条項に導入した「対立抗争を煽るような行政感覚」への反撥を証言するかのように、すでに今日また不穏な騒動が勢力を盛り返して再現された。その発端は、サルコジ氏がまだシラク内閣の内相職にあり、群衆鎮圧の采配をふるっていた2005年に、フランス主要都市周辺部のゲットー/貧民地区で起った、一触即発状態の民衆のやり場のない鬱憤が爆発した一連の騒擾事件である。
今夕パリのど真ん中にあるコンコルド広場では、機動隊が一団となって待機している。保守党の勝利を祝う人出が、サルコジ氏支持派と彼を憎み怖れる反対派との間の衝突に発展するのを警戒して。さもなければ、ただ単に騒ぎを起こしたいと思っている危険な連中を取り締まるために。
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サルコジ勝利が決定した日曜夜、パリ他主要都市で勃発した投石・火炎ビンなどの騒擾事件で反対派が機動隊と衝突

4. The last debate‘s warning
“The choice of Nicolas Sarkozy is a dangerous choice,” Royal said as campaigning drew to an end on Friday, claiming she had to “sound the alarm” about “the violence and brutality that will be spawned in the country. Everyone knows it, but no one says it. It is a kind of taboo.” Sarkozy responded with undisguised contempt: “Ah, well, she wasn’t in a good mood this morning. It must be the polls.”
選挙戦最終日の警告
「ニコラス・サルコジ氏を選ぶのは危険な選択です」先週金曜の選挙戦の最終日、両陣営のキャンペーンが最期の幕を下ろそうとしているときにロワイヤル女史はこう断言した。「(彼が支配すれば)この国に繁殖するだろう暴力と虐待について警報を発しなければならない。誰もが判っているけれど、誰もそれにふれようとはしない。このことは一種のタブーになってます」と民衆に訴えかけた。この真っ向からの非難に対して、サルコジ氏はどうしようもないという反応を隠そうともせず、こう反論した。「やれやれ、彼女は今朝は上機嫌ではないようですね。きっと予想集計の数字のせいでしょう」(当日の得票予想のアンケート集計ではサルコジ氏が6%リード)
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サルコジ氏の対抗馬でフランス初の女性の大統領選最終候補となったが敗れた社会党のセゴレーヌ・ロワイヤル女史

5. Clear, concise conciliation with U.S.
While Sarkozy’s ability to ram through major changes in the way France and the French do business looms as the imponderable and possibly ominous theme of the weeks to come—he has vowed to push his programs into law in 100 days—his pitch to Americans is clear, concise and conciliatory. Sarkozy writes in the preface to the U.S. edition of “Testimony,” “I have no intention of apologizing for feeling an affinity with the greatest democracy in the world.” Opting more for Bushism than Gaullism, Sarkozy extols the transatlantic alliance with the United States “that enabled France and Western Europe to preserve their freedom.”
米に対する和解の申し入れ
フランスが、さらに下ればフランス国民がものごとに対処する (do business) 上で関わってくる諸問題に対して、大幅な改革を強行しようとするサルコジ氏の手腕に頼れば、抑えのきかないそして多分(雇用問題・移民問題・ゲットー整備・騒動鎮圧などの)陰鬱なテーマと、これから先の数週間は否が応でも対面しなければならないことを覚悟しなければならないだろう。実際、彼はその大断行の法制化を100日以内にやってみせると公約したのだから。またアメリカに対する彼の意見も「明白で簡潔な和解の申し入れ」であった。
サルコジ氏は、自著『Testimony』の米国版のまえがきにこう記している。「世界で最も偉大な民主主義に対して好感を持つことに対して、弁明する気持ちはさらさらない。」
またドゴール主義/Gaullismよりもブッシュ主義/Bushismを重視して、米国の大西洋をはさんだ連合国体制に賞賛を惜しまず、サルコジ氏はこう書いている。「アメリカのおかげでフランスと西欧は自由を堅持することができた。」
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5日土曜フランス全土で行われた次期大統領選は、国民の関心の高さを物語る投票率84%という驚異的数字を挙げた

6. Verbose Chirac, straight-shooter Sarkozy
While he tends to wriggle around the question of French opposition to the war in Iraq, hinting he would eschew the kind of “verbosity” shown by outgoing President Jacques Chirac when Sarkozy was serving in his cabinet, the former interior minister is unquestionably a hard-liner in the wider fight against terrorists. “Now at the start of the 21st century, the United States and France again stand together in the same camp against a serious threat to global freedom.” Every time “terrorism strikes,” he says, “it is freedom that is the target. Facing such a threat, free countries have no choice but to pool their forces and work together.”.
饒舌のシラク、不言実行のサルコジ
サルコジ氏がまだシラク政権の閣僚だった時代には、物怖じしないジャック・シラク大統領がよく口にした一種の「饒舌」を唾棄するかのように、フランスがイラク戦争に反対したことについての質問をぬらりくらりとかわすきらいがあったとはいうものの、この前内相はテロリスト相手の広汎な戦争については、疑いもなく強硬派である。対テロ戦争に関して、彼はこう断言する。
「21世紀初めの今日、グローバルな自由を脅かす深刻な脅威に対抗するために、米国とフランスは再び同じ陣営に立つ。彼らテロリストのターゲットは、我々の「自由」そのものだ。そのような脅威に立ち向かうには、自由主義国家はその力(軍隊)を集結し共に闘う以外選択の余地はない。」
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社会党候補のロワイヤル女史を破って次期フランス大統領の座が決定し、支持者の祝福を受けるニコラ・サルコジ氏

【米国時間 2007年5月7日 訳:米流時評 ysbee】

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by ysbee-2 | 2007-05-07 12:36 | サルコジのフランス

サルコジ大統領誕生!フランス新世代へシフト

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     ||| サルコジ氏 新しい仏大統領に決定 |||
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シラクの後継者決定!保守党改革派、社会党ロワイヤル候補を破る
今後6年のフランスの新しい顔、次期大統領にユダヤ系移民2世のサルコジ氏選出


【MSNBCニュース速報】 2007年5月6日 パリ発 |シラク大統領の12年間の政権を引き継いで、新しい時代のフランスへと牽引して行くフランスの新しい顔が決まった。6日日曜、フランスの有権者は、新しい大統領にニコラ・サルコジ氏を選出した。今回の投票では、事前に行われた4社のアンケート結果からも予測された通り、変革への要望を託された保守党候補が余裕をもって、長い大統領選のゴールで勝利をつかんだ。サルコジ氏の対立候補であるフランス社会党のロワイヤル女史は、開票終了直後に敗北声明を発表し、今回の大統領選の結論を出した。
By MSNBC News Services | 訳:米流時評 ysbee


Nicolas Sarkozy Elected French President:
Socialist Royal conceded election; polls reflect conservative's win
BREAKING NEWS — PARIS | MAY 6, 2007 — French voters chose Nicolas Sarkozy as their new president on Sunday, giving the conservative a comfortable margin for victory and a mandate for change, result projections from four polling agencies showed. His Socialist opponent conceded minutes after polls closed.
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MAY 6, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽 園 通 信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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M S N B C B R E A K I N G N E W S
       ||| フランス共和制の新時代開幕 |||
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サルコジ氏、社会党ロワイヤル女史を破りフランス大統領選に勝利


1. 'Universal suffrage has spoken'
The agencies said the conservative won 53 percent of the vote amid massive turnout, dashing Socialist Segolene Royal's hopes of being elected France's first woman president. The projections were based on vote counts from representative samples of hundreds of polling stations across the country.
"Universal suffrage has spoken. I wish the next president of the Republic the best in accomplishing his mission in the service of all the French people," Royal told supporters in Paris.


ロワイヤル社会党候補から敗北宣言
今回の大統領選では、例年にない高い投票率の元に結果が注目されたが、保守党のサルコジ氏が投票者の53%の支持を得て、フランス初の女性大統領の出現なるかと期待された躍進する仏社会党セゴレーヌ・ロワイヤル女史を引き離し、大統領の座を獲得した。この予測結果は、フランス全土の投票所から数百カ所をサンプル抽出し、得票比率で割り出した投票総数を算出した数値に基づいている。
「世間の選択がすべてを語ります。フランス全国民に奉仕する使命を全うして下さるよう、次期大統領の健闘をお祈りします」対立候補のロワイヤル女史は、パリの支援集会でこのように敗北声明を発表した。

写真は2月に行われた選挙前の公開演説でのロワイヤル女史 政治改革を標榜するフランス左派を代表する社会党候補
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2. Sarkozy leadS 53% before ballot ends
French law bans the publication of any exit polls or projections in France until after the last polling stations in large cities close. La Libre Belgique daily and RTBF quoted several sources as saying Sarkozy was leading with 53 percent more than two hours before the balloting ends in the main urban centers. Le Soir, quoting sources close to the French Interior Ministry's political intelligence service, said Sarkozy had about 54 percent of the vote.

サルコジ氏53%の得票率で勝利
フランスでは、国内主要都市の最後の投票所が終了するまでは、いかなる開票結果も予想得票も、公表することは法律で禁じられている。ベルギーのメディア、日刊のラ・リブレ・ベルジーク紙とRTBF-TV/ラジオ局では、フランスのいくつかの消息筋が伝えるところによる情報として、主要都市で開票の終わる2時間以上前の時点で、サルコジ氏が53%の得票率でリードしていると報道した。フランスの夕刊紙ル・ソワールはフランス内務省の政治情報機関に近い消息筋からの情報として、サルコジ氏は54%前後の得票率だと伝えている。

カナダのケベック、モントリオールなど国外でも在留フランス人が国外投票所で清き一票 写真はスイスのローザンヌ
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3. An immigrant vs. a mother of four
Both Sarkozy, who says he had to fight harder because of his foreign roots, and Royal, a mother of four who says she had to overcome sexism, are originals in French politics and energized an electorate craving new direction. Turnout in the April 22 first-round vote was an exceptional 84 percent.

移民の息子と4児の母の対決
外国人のルーツを持つが故に人一倍懸命に闘わねばならないと誓ったサルコジ氏。4児の母で女性である差別を乗り越えねばならないと宣言したロワイヤル女史。重いハンディキャップを背負った両人とも、学問での専攻はフランス政治学であり、またともに待望されていたフランスの進むべき新しい針路を掲げて選挙戦を盛り上げた。この熱気を反映して、4月の22日に実施された第一次投票では、前代未聞の84%という驚異的投票率を記録し、有権者の関心の高さを如実に示した。

4児の母で左派の政治活動家のロワイヤル女史 ハンガリー人の父とギリシャ系ユダヤ人の母を持つ移民のサルコジ氏
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4. Expecting a generation shift
Whoever wins, the race marks a generational shift, because a 50-something will replace 74-year-old Jacques Chirac, in office for 12 years. But Sarkozy and Royal, nicknamed Sarko and Sego, have radically different formulas for how to revive France’s sluggish economy, reverse its declining clout in world affairs and improve the lives of the impoverished residents of housing projects where largely minority youth rioted in 2005.

共和制新世代へのシフト
どちらが勝つにしろ、今回の選挙戦は世代のシフトを記す転機となるのは間違いない。というのも、どちらが選出されても50代前半の若い候補者が、12年間の長期にわたって大統領の座に君臨した74才のジャック・シラクに取って代わるのであるから。
しかし「サルコ」と「セゴ」と愛称されるサルコジ氏とロワイヤル女史は、フランスが抱える山積した問題にどう対処するかという抜本的対策としては、極端に異なる公約を打ち出している。フランスの沈滞した経済を活性化し、国際社会で受けた打撃を挽回し、住宅政策においては、2005年に若年層の移民の暴動が起った貧困地域住民の生活環境を向上させること……などの重要な課題に関しての対策である。

第2次大戦後のフランス第5共和制歴代大統領:左からシャルル・ドゴール将軍、ジョルジュ・ポンピドー、ヴァレリー・ジスカール・デスタン、フランソワ・ミッテラン、現大統領ジャック・シラク、次期ニコラ・サルコジの各氏
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5. U.S. admirer, hard-liner
Sarkozy, 52, says France’s 35-hour work week is absurd, and he wants to make overtime pay tax-free to encourage people to work more. A former interior minister, Sarkozy cracked down on drunk driving, crime and illegal immigration, and he promises tougher sentencing for repeat offenders if he wins. He is an admirer of the United States who has borrowed from some American policy ideas, such and zero tolerance and affirmative action. Tough-talking and blunt, he won no fans in France’s housing projects when he called young delinquents “scum.”

硬派の米国政策信奉者
今年52才のサルコジ氏は、フランスの週35時間労働を甘すぎると批判。フランス人がもっと勤勉に働くようにするために、残業手当に対しては免税にしたい方針である。シラク内閣での内務大臣を経験したサルコジ氏は、国内の行政面においては、飲酒運転追放と違法入国を厳しく取り締まって成果を挙げている。選挙公約では、当選した暁には違法行為の常犯者に対して、より厳しい措置で対処すると明言している。
彼はまた米国の信奉者でもあり、「ゼロトーレランス方式(鉄則主義)」とか「アファーマティブ・アクション(差別特別是正措置)」のような米国起源の政策を導入してきてもいる。
また政敵に対しては、論鋒鋭く歯に衣着せぬ発言で知られ、フランスの住宅政策での論争では、反逆する若者に対して「世間のくず」と蔑称して、ひんしゅくを買ったこともある。

6. Concerns about possible unrest
d0123476_8283635.jpgPolice were quietly keeping watch for possible unrest Sunday night in France’s poor, predominantly immigrant neighborhoods if Sarkozy is elected. Authorities in the Seine-Saint-Denis region northeast of Paris — the epicenter of the 2005 rioting — refused officers’ requests for days off Sunday, one official said.

サルコジ氏勝利で反対派を厳重警戒
投票の終わった日曜夜、フランス警察は主に移民が多く住む貧しい地域で、サルコジ氏が選出されれば起こりうる騒擾を警戒している。パリの北西部にあるセーヌ河畔のサンドニ地区は、2005年に継起した暴動の震源地であったが、警察側はパトロールの警官に日曜出勤を命じて警戒に当たっていると関係者は伝えている。

右:日曜投票所へ向かうニコラ・サルコジ氏(本名はニコラ・ポール・ステファヌ・サルコジ・ド・ナジ=ボクサ)とセシリア夫人

7. Royal's series of foreign policy gaffes
Royal, 53, is a former environment minister who believes France must keep its welfare protections strong. She wants to raise the minimum wage, create 500,000 state-funded starter jobs for youths and build 120,000 subsidized housing units a year. On the campaign trail she often talked about her four children, and she appealed to women to vote for her because she is female. Royal is strong on the environment and schools but has made a series of foreign policy gaffes — suggesting, for instance, that the Canadian province of Quebec deserved independence.

ロワイヤル女史、外交政策が致命傷
一方、今年53才になるロワイヤル女史は、以前社会環境相だった時代に「フランスは社会福祉へのテコ入れを継続すべき」と主張していた。彼女の公約では、最低賃金のアップ、若年層に対しては50万以上の新規就職口を政府の補助金で開拓、年間12万戸の住宅建設に助成資金、などをうたっていた。
選挙戦の遊説中も、演説の中に彼女の4人の子供の話しをしばしばはさんで、女性候補と言う特権をフルに活用して女性有権者の票を稼いでいた。ロワイヤル女史は環境問題と教育の分野には強いが、外交政策では一連の失言を重ねていた。その一例を挙げるならば「カナダのケベック州は独立するべき」などというのはまずい提案であった。

環境問題・教育問題など内政には強いが、国際時事や外交問題には難点がみられ、大統領としての資質が疑問視された
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8. Royal points Salkozy 'a dangerous choice'
This week, as poll numbers suggested Royal’s chances were slim, she made a last-ditch effort to rip into Sarkozy, warning of the chance for new riots if he is elected and calling him “a dangerous choice” for France. Sarkozy retorted in an interview published in Le Parisien newspaper’s Web site: “I think that in the history of the Republic, we have never heard such violent or threatening comments.”

「サルコジ氏は危険な選択」と警告
今週の時点での有権者に対するアンケート調査では、ロワイヤル女史の勝つ見込みはごくわずかと見られていた。最後の追い込みでロワイヤル女史は「万一サルコジ氏が選出されれば新たな暴動が起きる危険性がある」と警告し、「サルコジ氏はフランスにとって危険な選択である」と断言して、サルコジ支持者からの票の流出をねらった土壇場での作戦を展開した。この攻撃に対してサルコジ氏も激しく応酬し、フランスの大手新聞ル・パリズィアン紙のサイトでのインタビューで、こう切り返している。「フランス共和制の長い歴史の中でも、われわれはいまだかつて、これほどまでに暴力的で脅迫じみた発言は聞いたことがない。」

一次投票前後の選挙戦の模様を報道するヨーロッパの各メディア:
左から 英国ヘラルド・トリビューン紙、フランスのル・フィガロ紙、ル・パリズィエン。リベラシオン誌の大見出しは「ル・コンバット・ロワイヤル」で、ロワイヤル女史とサルコジ氏の「バトル・ロイヤル=死闘」というタイトル
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9. Predicted win for Salkozy
On Saturday, the candidates stayed out of the public eye because French election rules forbid campaigning a day before the race. No polls or interviews were published Saturday. The Ipsos/Dell poll released Friday, which suggested that Sarkozy had consolidated his lead to 55 percent, surveyed 992 registered voters. The margin of error for a poll of that size is about 3 percentage points. Other polls also suggested Sarkozy was ahead.

予測されたサルコジ氏の勝利
投票日の土曜の段階では、両候補ともマスコミの目からは遠ざかっていた。というのも、フランスの選挙法では投票日前日の選挙活動は禁じられているためである。土曜日には一片のインタビューも得票予測も流れなかった。金曜の段階で最終的に発表されたイプソス・デルの得票予測では、992名の有権者に対してなされたアンケートの集計結果が報告されたが、それによるとサルコジ氏の得票率が55%でリードと要約されていた。ちなみに、この規模での集計誤差は約3%と設定されている。他の得票予想アンケートでも「サルコジ氏優勢」を示す同様の結果が出ていた。

6年の任期を2期務めたシラク氏の跡を継ぎこの先6年間の全権を与るサルコジ氏の新居、大統領官邸のエリゼー宮
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【米国時間 2007年5月6日 訳:米流時評 ysbee】

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by ysbee-2 | 2007-05-06 05:22 | サルコジのフランス
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