米流時評

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カテゴリ:インド・ムンバイテロ( 8 )

スクープ!ムンバイ生残り犯人が自白したテロの全貌

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  ||| ムンバイテロ犯人の自白調書初公開 |||

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AP通信記者がまたもやスクープ! ムンバイテロ生き残り犯人の供述書を初公開

米国時間 2008年12月13日 | AP通信・ムンバイ支局発 | 訳『米流時評』ysbee
先月末のムンバイ同時多発テロ襲撃事件で、ただ一人の生き残り犯人として拘留中のテロリストは、逮捕後警察側の厳しい取り調べで事件に関する新しい事実を連日自白しているが、当初計画を立てていたテロの筋書きでは、人質を取り立てこもってメディアを介してテロ組織の要求を発表する予定だったと供述している。この供述内容は、13日土曜の段階でAP通信の事件担当記者がスクープ入手した犯人自身の供述書のコピーによるものである。

トップ写真:10人のテロリストのうち リーダーと唯一の生き残り犯人が襲撃した、ムンバイの鉄道ターミナル駅
下:事件から2週間経った広場、右にタージホテル、左にインド門というムンバイの2大名所が静かに向かい合う

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Confession Sheds Light on Mumbai Attacks
Seven-page statement offers chilling details of the deadly three-day siege
DECEMBER 13, 2008 | Association Press — BREAKING | Translation by ysbee
MUMBAI, India — The gunman captured in last month's Mumbai attacks told police he had originally intended to seize hostages and call the media to make demands, according to his confession statement obtained Saturday by The Associated Press.

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DECEMBER 13, 2008 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2008年12月13日号
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A s s o c i a t e d P r e s s | B R E A K I N G
AP通信のスクープ! 全7ページのムンバイ犯人供述書初公開
米国時間 2008年12月13日午後1時14分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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インド北部の都市ラクナウの学校で、テロの犠牲者慰霊と平和への願いを込めて行われた渦巻状のイベント

1. Kasab, the lone survived terrorists

Mohammed Ajmal Kasab said he and his partner, who assaulted the city's main train station, had planned a rooftop standoff, but they couldn't find access to a roof, the statement said. The two killed dozens of people inside the station, but it's unclear if they ever held hostages.
唯一の生き残り犯人カサブ
10人のテロ攻撃犯人の中で唯一生き残った、21才のモハメッド・アジマル・カサブは、彼の相棒だった襲撃グループのリーダーと共に、ムンバイの交通機関の要であるターミナル駅を襲撃。当初の予定では、歴史的な駅の建物の屋上に上がって占拠を続ける予定だったが、屋上へ通じる入口が見つからず断念したと、供述書の中で述べている。ふたりは、駅構内の中央コンコースにいた一般の利用客に向けて機関銃を掃射。その結果、駅の現場だけで46名が亡くなったが、その時点で人質をとったかどうかは明らかにされていない。
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ムンバイ駅攻撃で唯一生き残り逮捕されたカサブ/右:犯人たちはムンバイの地理をグーグルマップで熟知していた

2. Assault initially set for Sept. 27

He said the assault, which started Nov. 26, was initially set for Sept. 27, though he doesn't explain why it was delayed. The gunmen had been told by their handlers to carry out the attacks during rush hours when the station is teeming with commuters. After reaching Mumbai, Kasab and his partner, Ismail Khan, the group's ringleader, headed to the train station by taxi.
当初は9月27日予定だったテロ攻撃
カサブの供述によると、11月26日に実行された同時テロ襲撃は、本来は9月27日に予定されていたものだったと自白しているが、どういう理由で延期されたのかまでは語っていない。
10人の選ばれた特命のテロリストたちのうちカサブとカーンの二人は、通勤客でごった返すムンバイ駅のラッシュアワーを狙って襲撃を実行に移すよう、彼らの指令者であるテロ組織ラシュカレタイバのトップから、テロ決行の使命を受けた。実際には、カサブの相棒イスマイル・カーンはムンバイテロ襲撃グループのリーダーでもあったが、ムンバイの港に密航するために略奪したボートで到着した後、二人はタクシーで夕刻のラッシュアワーで混雑するムンバイ駅へと向かった。
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テロリストが最新の機関銃を乱射したのに対し、警官は警棒と拳銃で対応。出動指令が遅れたため9時間後にようやく現場に到着した軍隊も、時代錯誤のライフルで応戦......テロ組織と政府軍の武器の歴然とした差にも批判が集中

3. Mumbai Terminal terror plot

"Ismail and myself went to the common toilet, took out the weapons from our sacks, loaded them, came out of toilet and started firing indiscriminately toward the passengers," Kasab told police. As a police officer opened fire, the two militants retaliated with grenades before entering another part of the station and randomly shooting more commuters.
ムンバイのターミナル駅襲撃計画
「イスマイルと私自身は、駅に着くなり公衆トイレへ直行して、そこでバックパックから武器を取り出し弾丸を装填した。そしてトイレからコンコースに出て、駅の中にいた乗客に向かって手当り次第に銃撃を浴びせた」カサブは警察の取調べ担当官に、駅での襲撃の手順をこう供述している。
彼らが機関銃の乱射を開始した時点で、駅の構内にいた警官のひとりが拳銃で彼らに向かって発砲したが、テロリスト二人はその警官に対して手榴弾を投げつけて応戦。そのあと駅のもう一方のウィングへ向かい、そこでもまた居合わせた通勤客に向かって、無差別に機関銃を乱射し続けた。
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特命を受けたテロリストのリーダー・イスマイルと、生き残ったカサブの2人が攻撃のターゲットにしたムンバイ駅

4. Call Chacha, Lashkar mastermind Lakhvi

The men then searched for a building with a rooftop where they had been told to hold hostages and call a contact named Chacha, whom Kasab identified as Zaki-ur-Rehman Lakhvi, the suspected mastermind behind the attacks. Chacha, which means "uncle" in Hindi.
テロ首謀者はラシュカールのチャチャ
そのあと二人は、駅舎の屋上へ上がる入口を探した。それは、彼らの指令者から人質をとって駅の屋上へ上がるようにと指示されていたからだと告白している。そのあとふたりは、組織間のコードネームで「チャチャ」と呼ばれる直接の指令者であり、この一連のテロ襲撃計画を指示した陰の首謀者と見られるザキウル・レーマン・ラクヴィに、携帯で報告を入れた。「チャチャ」とは、ヒンドゥ語で「おじさん/親父」という意味である。(ちなみにスパイ組織やテロ組織では、同志を「Brother/兄弟」、直接の指令者を「Uncle/おじさん」と呼ぶ場合が多く、各種スパイ小説や映画でもおなじみの通例である。)
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たまたま攻撃の現場のムンバイ駅に居合わせた地元メディアのカメラマンが、命がけで撮った2人のテロ犯人の映像

5. Stormed into a hospital for hostages

Lakhvi would supply phone numbers for media outlets and specify what demands the two should make. "This was the general strategy decided by our trainers," Kasab said. After failing to find a "suitable building," however, the two men instead stormed a hospital where they looked for hostages and exchanged more gunfire with police, he said.
人質をとるため病院を襲撃
ラクヴィは二人に対してメディア各社の電話番号を教え、メディアに対して伝えるべきテロ組織からの特定の要求内容を、電話を介して伝えるはずだったとカサブは自白している。「以上(人質を取り、メディアを介してテロ組織の要求を宣言)が、われわれを訓練した指導者が決定した襲撃計画の基本戦略だ」カサブは今回のテロ襲撃の目標を、こう明らかにした。
しかしながら、人質をとって屋上に昇るという本来の目的が(駅の屋上への入口が見つからず)成就できなかったため、二人は駅をあとにしパトカーを奪って逃走。駅で実現しなかった人質をとるために病院へ押し入って、そこでもまた警備の警官と銃撃戦を交わした、と供述している。
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パキスタン北西部ワジリスタン州のタリバンはアフガンへ、カシミール地方のラシュカールはインドへテロ出撃

6. Special training as terrorists

Kasab, 21, confirmed he was Pakistani national and said he was trained by Lashkar-e-Taiba, the terrorist group banned by Pakistan in 2002 and blamed by India in the attacks. He said he was given lectures on India security and intelligence agencies, as well as instruction in how to evade pursuing security forces.
ラシュカールのキャンプでテロリスト特訓
唯一の生き残り犯人、カサブの年齢は21才で、パキスタン国籍であることが確認された。彼は、2002年にテログループとしてパキスタン政府から違法の犯罪組織に認定され、インド政府が今回のムンバイテロの実行組織と指摘する「ラシュカレタイバ (ラシュカリタイバ)=ラシュカール」によって、1年以上にわたってテロリストとしての特訓を受けた、と自白している。
またその特訓の中では、インドの治安警備体制や諜報組織についても講釈を受け、攻撃目標の施設を警備している警察やセキュリティの警護体制をどうやって突破し侵入するかという、具体的方法のインストラクションも受けていたとも供述している。
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ムンバイカーの歴史と伝統に対する誇りの象徴だったホテルタージ・パレス&タワーは4人の犯人に3日間占拠された

7. Asking legal aid from Pakistani consulate

Police said Saturday that Kasab has also written to Pakistani officials to request legal help. In a letter written Thursday, he asks for "legal aid" from the Pakistani consulate and to meet with a consular representative, said Rakesh Maria, Mumbai's chief investigator.
パキスタン領事に法的援助を求めた犯人
ムンバイ警察の捜査陣が13日土曜に行った記者会見では、カサブは(被告となった立場に該当するパキスタン国民としての)「合法的援助」を要求して、パキスタン政府高官に宛てて手紙を書いた事実が明らかにされた。この手紙は11日木曜に書かれたもので、その中でカサブはムンバイ駐在のパキスタン領事に宛てて「法的幇助」を懇願し、領事館の代表者と会見したいと伝えた内容が、ムンバイ警察捜査当局のラケシ・マリア捜査主任から、記者会見で発表された。
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タージホテルと並んでムンバイを代表する高級ホテル・オベロイにも2人のテロリストが襲撃して数十人を射殺した

8. Mumbai attorneys refused to defend

The letter was forwarded to India's government to relay to Pakistani officials, but it was unclear whether it had been delivered, Maria said. Pakistani officials were not immediately available for comment. A number of Indian lawyers — including a prominent group of Mumbai attorneys — have refused to defend Kasab against criminal charges amid outrage over the attacks.
カサブを擁護する弁護士見つからず
この法的擁護を求めたカサブの手紙は、ムンバイ駐在の外交官へ手渡すためにインド政府へ送られたが、ムンバイ駐在のパキスタン領事館へ届けられたかどうかまでは不明であると、捜査主任は明らかにした。また、パキスタン高官サイドからも(週末でもあり)迅速な回答は得られなかった。
また地元ムンバイの弁護士協会メンバーも含めたインド人弁護士たちの大半は、今回のムンバイテロ事件に対するインド国民の憤りが余りにも強い状況から、テロ犯罪を裁く法廷でカサブを被告として弁護することを拒否している。
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辺境自治州バロチスタンの国境の町チャマンはアフガンからの難民が多く、パキスタン中央政府の統治をはねつけるイスラム原理主義者が支配する無法地帯とも言える地域で、タリバンシンパの軍閥に所属する叛徒が民事の主権を握る

9. Islamabad required further evidences

Kasab is being held on 12 offenses, including murder and waging war against the country, but has not yet been formally charged. Islamabad has refused to acknowledge Kasab's nationality, complaining that India has yet to furnish any evidence.
さらなる証拠を要求するパキスタン政府
検察側がカサブに対して挙げる12の罪状の中には、現行犯としての「殺人罪」から「国家に対する戦争謀議罪」まで列挙されているが、現在はまだ容疑者として逮捕拘禁の身柄で、正式に告訴された訳ではない。一方、首都イスラマバードのパキスタン政府側では、「インド政府はまだ、カサブがパキスタン国民であると断定するに足る確固とした証拠を提示していない」と理由づけて、パキスタン国民としてのカサブの属性認証を拒否している。 <了>

【 米国時間 2008年12月13日 『米流時評』ysbee訳 】f0127501_6213945.jpg

d0123476_18552829.gif【追記】アフガンとの国境に近いワジリスタンやバルチスタンの辺境自治州は、産業もなく痩せた山岳地帯で、中央政府に見放されたパキスタン国内でも最も貧しい地域。唯一の食い扶持は、アヘンや大麻などの麻薬栽培とテロ活動の請け負い。
警察も無力でまったく統制力のない、辺境自治区のこうした権力の真空地帯を狙って、アルカイダやタリバンなどのテロ組織が着々と根を降ろす。前途に希望を持てない若者がテロ組織に走るのを食い止めるには、地域ぐるみの産業振興と教育の徹底以外にない。少なくとも、テロ戦争の名目で戦費に費やす数十兆円の膨大な予算を、こうした地域の振興助成費や教育・福祉医療費に充てるならば、テロ戦争の根本的な解決につながるはずである。
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»» 次号「速報!ソマリア海賊との全面戦争を国連が承認」へ
«« 前号「ペイリンの逆襲・グーグル検索今年のトップランク」へ
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by ysbee-2 | 2008-12-13 20:24 | インド・ムンバイテロ

生残り犯人が自白、11万5千円で請負ったムンバイテロ

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    ||| 第4章 インド公安当局の致命的失態 |||

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9時間もかかった治安出動、公安当局の致命的失態を認め自治相以下3名辞任
犯人はカシミールのラシュカレタイバ戦士養成キャンプで、1年以上攻撃訓練


前号 「第3章 ムンバイテロ首謀者はラシュカレタイバの幹部2人」からの続き
インド・ムンバイ発 |ムンバイ警察よりも充全の武装態勢で奇襲し、公安組織よりも統制の取れた作戦行動でテロを完遂したのは、わずか10人の若いテロリストだった。この事実に対してインドの治安体制の致命的欠陥に世論の非難が一斉に集中したため、インド政府の関連閣僚が引責辞任する結果となった。一方、ムケルジ(ムカージー)外相は3日水曜の段階で、長年の宿敵パキスタンに対して、パキスタン国内に本拠地を置くテロ組織への対処の甘さを追求する、これまでになく厳しい弾劾の声明を発表した。

上:26日勃発した10人のテロリストによる3日間のムンバイテロ事件は、インドの9/11として現代史に刻まれた
下:9月26日パキスタンの首都イスラマバードのマリオットホテルを爆破し、200名以上の死傷者を出したテロ

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Pakistan Group's Leaders Linked to Mumbai-2
India suspects militant group's leaders masterminded Mumbai terror
MUMBAI, India — The country's top law enforcement official has resigned amid criticism that the 10 gunmen appeared better coordinated and better armed than police in Mumbai. Mukherjee on Wednesday adopted a more strident tone against longtime rival Pakistan.

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DECEMBER 5, 2008 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2008年12月5日号
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A s s o c i a t e d  P r e s s | B R E A K I N G
9時間もかかった治安出動、公安当局の致命的失態を認め自治相以下3名辞任
米国時間 2008年12月4日午前1時32分 | ワスビール・フサイン/AP通信 | 訳『米流時評』ysbee

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3日間の恐怖の惨劇が展開した「ムンバイの9/11」テロの舞台となったタージマハールホテル前の広場

1. 'No doubt for coming from Pakistan'

"There is no doubt the terrorist attacks in Mumbai were perpetrated by individuals who came from Pakistan and whose controllers are in Pakistan," Mukherjee said after a meeting with Rice. "The government of India is determined to act decisively to protect Indian territorial integrity and the right of our citizens to a peaceful life, with all the means at our disposal," he said, a turnaround from earlier statements that ruled out military action.
テロリストはパキスタン出身者と断定
「ムンバイの同時多発テロ攻撃では、襲撃を強行した犯人たちがパキスタンからやってきた点、またこの襲撃計画の首謀者はパキスタン国内にいるという点。この2点は、疑いようのない事実である」インド政府のムケルジ内相は、ライス長官との会談のあと記者会見でこう語った。
「インド政府は、インドの領土保全を守るため、またインドの一般市民が平穏に暮らす権利を守るために、わが国の所有するいかなる手段を用いても、断固とした措置をとるつもりである。」外相は、前日まで主張していた「軍事行動は度外視する」という発言をひるがえして、パキスタンに対する厳しい姿勢を示した。
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アフガニスタンとの国境地帯パキスタン北西部バジュール州の貧しい辺境の町カール 産業はアヘン栽培とテロ

2. Rice urged Pakistan an urgent act

Rice urged Pakistan to act "transparently, urgently and fully," saying Islamabad has a "special responsibility" to cooperate with the investigation. She noted that with six Americans killed in the attacks, the U.S. was cooperating closely with India.
ライス、パキスタン政府に火急な対処を要請
米国のライス国務長官もまた、パキスタン政府に対して「transparently, urgently and fully=隠し立てのない、迅速で、充全な措置」を即刻とるように要請した事実を明らかにし、イスラマバードのパキスタン政府は、今回のテロ事件の真相解明に捜査協力するにあたって「特別な責任を負っている」と述べた。
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昨年ベナジール・ブット元首相がパキスタンの大統領選出馬のため、亡命先のドバイから8年ぶりに帰国したが、無惨に暗殺された。殺される前に彼女は「もし私が暗殺されたら犯人はこの人物」というメッセージを友人に託していた。その首謀者とはパキスタンの軍部諜報 ISI のGul将軍。しかし事件後の捜査でも暗殺実行犯2名以外の首謀者は明らかにならず、当時のムシャラフ政権内相も軍部との関連を否定し、暗殺事件の真の黒幕はうやむやになったままである。

3. Adding pressure on Pakistan's corporation

Rice's visit was a part of U.S. effort to defuse tensions in the region and pressure Pakistan to share more intelligence and root out suspected terrorists believed hiding in the country.
テロ戦争への協力体制でプレッシャー
ライス長官のインドとパキスタンへの緊急訪問は、米国がこの地域の(特にカシミール地方をめぐる)印パ両国間の対立の危機を緩和しようと努める外交努力の一環でもあるが、さらにはパキスタンに対して今まで以上に諜報情報を公開し共有すること、パキスタン国内に隠れていると思われる容疑者のテロリスト摘発に全力投球するよう、この機会にプレッシャーをかける意図で行われたものと受け止められている。
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インド政府が以前から度重なるテロ爆破事件でテロ容疑者としてリストアップしている20名のパキスタン人を即刻引き渡せと、インドの各地でパキスタン政府に対する抗議デモが展開している。

4. in Mumbai, many called for war

Many Indians wanted more than just harsh words. At the candlelight gathering in Mumbai, many called for war.
追悼集会ではパキスタンとの開戦も
しかしインド人の多くは、単なる手厳しい言葉以上の行動を欲している。事件発生から1週間経った3日水曜、テロ惨劇の舞台となったムンバイでは沢山の市民が集まって、犠牲者追悼のキャンドルライトメモリアルの集会が行われたが、かなりの有志が「パキスタンとの戦争」を叫んでいた。
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テロ発生から1週間経ったムンバイでは、犠牲者慰霊のため追悼集会がタージホテルとインド門の間の広場で行われた

5. 'Enough is enough, go for war'

"India should attack Pakistan right away," said Sandeep Ambili, 27, who works for a shipping company. "Something has to be done. Pakistan has been attacking my country for a long time," said another protester, Rajat Sehgal. "If it means me going to war, I don't mind." Others chanted anti-Pakistan slogans and held banners reading: "Enough is enough, go for war." Similar rallies were held in cities across India.
「もう沢山だ、戦争だ」
「インドはパキスタンを即刻攻撃するべきだ」こう叫ぶのは、運輸業界に勤務する27才のサンディープ・アンビリさんである。開戦を叫ぶもうひとり、ラジャット・セーガルさんはこう主張する。「何か行動を起こすべきだ。パキスタンはずいぶん長いこと、わが国を攻撃し続けてきた。もし戦争のために私が徴兵されるのであっても、一向にかまわない。」他の参加者も反パキスタンのシュプレヒコールを上げ、「もう沢山だ。戦争だ。」と書かれたバナーを掲げた。ムンバイの抗議集会と同じようなパキスタンを非難するデモが、インド国内の各都市でも実行された。
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ここ数年極端に増えたテロ事件で、インドはイラクに次ぐ犠牲者を出している。今回のテロで、積年の堪忍袋の緒が切れたナショナリストのインド人市民は「パキスタンに報復攻撃」を叫んで抗議。また、インド政府が以前から度重なるテロ爆破事件の捜査でテロ容疑者としてリストアップしている20名のパキスタン人を即刻引き渡せと、インド各都市でパキスタン政府に対する抗議デモが展開している。

6. 60-yr fight between nuke nation

After a 2001 militant attack on India's parliament, also blamed on elements in Pakistan, the two neighbors posted nearly 1 million soldiers along their border in a yearlong standoff. The two nations have fought three wars since independence from Britain in 1947, but neither government wants a fourth. Both now have nuclear weapons.
核保有国、印パ紛争60年の確執
2001年にインド国会の議院がテロ攻撃を受け(この場合も多くの証拠はパキスタンとの関連を示していたが)その直後には印パ両国とも隣接する国境に沿ってそれぞれ100万人近い出兵を行い、国境をはさんでの緊迫した睨み合いが1年以上続いた。
そもそも1947年に大英帝国の植民地だったインドが、ヒンドゥー系のインドとイスラム系のパキスタンに二分して独立して以来、両国は3度にわたって戦争を起こしてきた。しかし、現在では両国政府とも4度目の戦争を迎えたくはない。なぜなら、両国とも現在では核兵器保有国だからだ。
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水曜夜、惨劇の宮殿タージホテルとインド門の間で行われた追悼集会にはムンバイカー(ムンバイ市民)数万人が参加

7. Require to turn over 20 terrorists

India has called on Pakistan to turn over 20 people who are "fugitives of Indian law" and wanted for questioning, but Pakistani President Asif Ali Zardari said the suspects would be tried in Pakistan if there is evidence of wrongdoing.
20名のテロ容疑者引渡し要求
インド政府は、テロ事件の容疑者としてインド国内で指名手配になっている20人のパキスタン人を「インドの法律に抵触する逃亡者」と定義して、パキスタン政府に対しインド側へ引き渡すよう要請した。しかしパキスタン政府のアシフ・アル・ザルダリ大統領は「万一悪事を働いた証拠があれば、容疑者はパキスタン国内で裁判にかける」と理由付けして、この公式要求を拒絶した。
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ムンバイのダウンタウンでイスラエル人旅行者の立ち寄るユダヤ人センター、ナリマンハウスを運営していたホルツバーグ夫妻。夫のガブリエルはニューヨーク・ブルックリン出身で米国籍所有のユダヤ人29才。妻リヴカはイスラエル人28才。二人ともセンターを急襲したテロリストによって凶弾に倒れた。この現場では全部で6人が犠牲に。

8. Over 1 year training by Lashkari base

Much of the evidence that Pakistanis were behind the Mumbai attack comes from the interrogation of the surviving gunman, who told police that he and the other nine attackers had trained for months in camps in Pakistan operated by the banned militant group Lashkar-e-Taiba.
テロリスト養成キャンプで1年以上訓練
ムンバイテロの10人のテロリストの中で、唯一の生き残りである犯人に対して行われている尋問で彼が自白した内容から、今回の攻撃計画の陰にパキスタン人がいたという証拠が、数多く上がってきている。犯人は警察の取調官に対して、「自分とほかの9人の攻撃犯人は、違法とされている叛徒グループ、ラシュカレタイバが運営するパキスタン国内の兵士養成キャンプで、何か月も訓練を受けた」と自白している。
(注:その後の追求で、ラシュカレタイバの幹部ふたりが指令者であること、1年以上の訓練後、戦士としての成績が抜群だった者10人が選抜されたことも、犯行事実の一部として供述している)
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ホルツバーグ夫妻の殺された現場から乳母によって奇跡的に救出された一人息子のモシェ(ユダヤ語でモーゼ)。乳母が付添いイスラエル在住の祖父に引き取られた。写真は5日、エルサレムのユダヤ教会で盛大に行われた夫妻の葬式。

9. Pay $1,250 for a martyr's family

Ajmal Amir Kasab, 21, told investigators his recruiters promised to pay his family from an impoverished village Pakistan's Punjab region $1,250 when he became a martyr.
1万ルピー(11万5千円)で請け負ったテロ
唯一の生き残り犯人、21才のアジマル・アミル・カサブは、係官の取り調べに対し次のような供述をした。パキスタン西南部パンジャブ州の貧しい村の出身である彼は、テロを完遂して「martyr=ジハド戦士として戦死した英雄/英霊」になった暁には、彼の家族に1250米ドル(現地通貨で100万ルピー=約115,000円)が支払われると、彼の指令者から約束された。
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パキスタンの北西部アフガンとの国境に近い辺境のバジュールで、テロ容疑者として逮捕拘留されたパシュトゥン人

10. Hand-picked by Rashkar for terror mission

Kasab said he and the other gunmen were "hand-picked" for the mission and trained for more than a year by Lashkar-e-Taiba, based in Kashmir, according to two senior officials involved in the investigation. They spoke on condition of anonymity because they were not authorized to talk to media about the investigation.
ラシュカレタイバの特命テロリスト
さらにカサブと他のテロリストたちは、今回のテロ攻撃の特命を受けて選抜され、パキスタン領内のカシミール自治州に本拠地を構えるラシュカレタイバによって、1年以上の特殊訓練を受けたと言う。この供述内容は、取り調べを担当した捜査官らの上司2名から直接取材した情報である。彼らは、捜査に関する内部情報をメディアに公開する権限を持たないため (広報官ではないので)、匿名と言う条件の下で取材に応じたものである。…… 続く
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アフガニスタンでテロ容疑者として収監されたパシュトゥン人。恩赦が出て故郷パキスタンへ戻る途中の国境関門。

【 米国時間 2008年12月5日 『米流時評』ysbee訳 】f0127501_6213945.jpg

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by ysbee-2 | 2008-12-05 14:24 | インド・ムンバイテロ

ムンバイテロ首謀者はラシュカレタイバの幹部2人

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   ||| 第3章 テロ首謀者はラシュカレタイバ |||

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 ムンバイテロの実行を指令した首謀者は、カシミール州のラシュカレタイバ
 インドからの独立分離運動をパキスタンが支援して育てた、ジハド戦士軍団


前号「パキスタン諜報ISIとテロ組織ラシュカレタイバ」の続き | ワシントン発
米国時間 2008年12月4日 | AP通信・インド支局発 | 訳『米流時評』ysbee 
インド・ムンバイ発 |ムンバイで3日間にわたり171名の犠牲者を出した、近年のインドで最大のテロ攻撃の犯人解明に関しては、インド政府の公安・諜報部と警察当局が総動員で捜査に当たっているが、4日木曜にインド政府諜報から、今回の事件の首謀者として、パキスタン政府から違法テロ組織の烙印を押されて活動を禁じられているイスラム狂信派軍団の幹部長老2人が容疑者であると結論づけた。
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Pakistan Group's Leaders Linked to Mumbai
India suspects militant group's leaders masterminded Mumbai terror
DECEMBER 4, 2008 | By Wasbir Hussain — Association Press | Translation by ysbee 
MUMBAI, India — India suspects that two senior leaders of a banned Pakistani militant group masterminded last week's three-day terrorist attacks that killed 171 people in Mumbai, an Indian intelligence official said Thursday.


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DECEMBER 4, 2008 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2008年12月4日号
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A s s o c i a t e d  P r e s s | B R E A K I N G
ムンバイ諜報レポート第3章 テロ指令者はカシミールのテロ組織ラシュカレタイバ
米国時間 2008年12月4日午前1時32分 | ワスビール・フサイン/AP通信 | 訳『米流時評』ysbee

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1. Analysis on mastermind of Mumbai terror

Evidences collected in the investigation of the deadly siege point to Zaki-ur-Rehman Lakhvi and Yusuf Muzammil, the official said, speaking on condition of anonymity because he wasn't authorized to speak publicly about the details.
ラシュカールの首領ラクヴィとムザミル
無差別大量殺人の殺戮テロの舞台となった、ムンバイ都心の数カ所の現場から押収された証拠品から割り出された首謀者は、カシミール地方に本拠地を置くテロ組織ラシュカレタイバのリーダーである、ザキウル・レーマン・ラクヴィと、ユスフ・ムザミルであると、インド諜報当局の捜査担当者は結論づけた。情報公開の権限のないこの諜報部高官は、事件がインドとパキスタン両国間の外交関係にかかわる微妙な問題であるため、あえて匿名での談話としてAP通信記者へ情報を伝えた。
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10人のテロリストのうち2人は、ムンバイでももっとも人混みの混雑したターミナル駅へ、ここでは46名が犠牲に

2. Two suspects believed to be in Pakistan

Lakhvi and Muzammil are believed to be top members of the outlawed Pakistani group Lashkar-e-Taiba, which India blames in the attacks. Muzammil is the group's chief of operations in Kashmir and other parts of India and Lakhvi its chief of operations, authorities said. The two suspects are believed to be in Pakistan, the Indian intelligence official said.
首謀者2人はパキスタンに
現在までの諜報情報で分かっている事実は、ラクヴィとムザミルは、パキスタン政府によって違法なテログループと認定された3つのテロ組織のひとつであり、インド政府が今回のムンバイテロの犯人と割り出しているラシュカレタイバの幹部である。米国諜報が把握しているテロ組織情報によると、ムザミルはカシミール地方のラシュカールの実動部隊司令官を務め、ラクヴィはカシミール以外のインド国内でのラシュカール実動部隊司令官である。またこの首謀者は、現時点では二人ともパキスタン国内にいるものと思われると、担当官は語った。
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上の写真の荷物用カート上の少年は一命を取り留めたが、医師はまだ少年の家族が全員死亡した事実を知らせていない

3. U.S. wants Pakistan to do more

From U.S., Secretary of State Condoleezza Rice arrived in Pakistan on Thursday for meetings with civilian and military leaders after visiting Indian leaders in New Delhi. She aimed to raise pressure on Pakistan's government to help get to the bottom of the terror attacks. The U.S. wants Pakistan to do more to go after terror cells rooted in Pakistan.
ライス長官インドからパキスタンへ
米国のコンドリーザ・ライス国務長官は、首都ニューデリーへインド政府の首脳を訪問した後、4日木曜はパキスタンへ到着。政府及び民間セクターの指導者たちと会合を持つ予定である。彼女の今回の印パ訪問旅行の目的は、パキスタン政府に対してテロ攻撃で対峙せざるを得なくなった両国間の危機に関して、率直な対話を求める仲介役である。米国としては、パキスタンを本拠地とするテロ組織細胞の摘発を、従来にも増して強化するように気合いを入れたいのが本音である。
またペンタゴンからは、米軍陸海空三軍の総司令官マイク・ミューレン提督が、同様のメッセージをたずさえてライスよりも一足先の水曜にパキスタンへ飛んでいる。ミューレン総司令官はその足でニューデリーへ回り、インド政府高官と治安対策について話し合う予定である。
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テロ戦争の友軍としてパキスタンもインドも必要な米国では、両国間のにらみ合い緩和のためライスが奔走するが…

4. Bombs found at Mumbai's terminal

From the Pentagon, Joint Chiefs of Staff Chairman Mike Mullen was pushing the same message in Pakistan on Wednesday, and also was to meet with officials in India during his trip. Meanwhile, police found two bombs at Mumbai's main train station nearly a week after they were left there by gunmen behind the attacks — a stunning new example of the botched security that has sparked outrage in India since the deadly three-day siege.
ムンバイ駅構内で爆発物発見
一方、現地警察の捜査陣はムンバイのターミナル駅構内で2発の爆発物を発見した。この爆発物は、2人のテロリストが残したものと見られるが、彼らが駅構内で機関銃を乱射してから1週間以上経ってから犯行現場で発見されたものである。3日間にわたるテロの惨劇が終結してからと言うもの、インドでは治安当局の手抜かりに対して厳しい非難の声が上がっているが、この一件からもそうした公安当局の杜撰な捜査態勢の一端が伺える。
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現地時間で4日木曜、テロ現場のひとつムンバイのターミナル駅構内で発見された爆発物の分解に成功した担当官

5. India insists terrorists from Pakistan

The discovery Wednesday came as Foreign Minister Pranab Mukherjee said India is "determined to act decisively" following the attacks, saying the evidence was clear the gunmen came from Pakistan and their handlers are still there.
インド「犯人はパキスタン出身」説
水曜に新たに爆発物が発見された件は、インド政府のプラナブ・ムケルジー外相が「インドはテロ攻撃の犯人に対して断固とした措置をとる」という声明を発表したのと相前後して起きた。外相はこの声明の中で、犯行現場の証拠物件や(生き残り犯人の自白から)犯人たちがパキスタンからやってきたのは明らかであり、彼らに指令を下した首謀者は依然としてパキスタンにいると述べた。
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ムンバイのスラム街の一角にあるユダヤ人センター・ナリマンハウスでも人質篭城の包囲戦争が2日以上続いた

6. Thousands marched for vigil in Mumbai

His words, the strongest yet from the government, came as thousands of Indians — many calling for war with Pakistan — held a vigil in Mumbai to mark one week since the start of the rampage.
数千人参加の追悼慰霊祭
この発言は、インド政府から公式に発表された声明の中では、パキスタンに対してもっとも厳しい内容である。しかし、インドの一般市民の怒りはこれと比較にならないほど強く、襲撃事件が始まってから1週間目に当たる3日水曜夜にムンバイで行われた犠牲者追悼のキャンドルライトマーチには、数千人の市民が参加。その中には、パキスタンとの戦争開戦を叫ぶ者もいた。
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水曜にムンバイで行われた犠牲者慰霊のキャンドルマーチに参加したインド人のイスラム教徒。複雑で辛い立場。

7. two 8.8-lb bombs inside a bag

While searching through a mound of about 150 bags, which police believed were left by the dozens of victims in the Chhatrapati Shivaji Terminus station, an officer found a suspicious-looking bag and called the bomb squad, said Assistant Commissioner of Police Bapu Domre. Inside were two 8.8-pound (4-kilogram) bombs, which were taken away and safely detonated, he said.
バックパックから2発の4キロ爆弾
テロリストふたりが機関銃を掃射して、46名の犠牲者を出したムンバイの鉄道ターミナル、チャハトラパティ・シヴァジ・テルミヌス駅には、彼らが現場に残したと思われる150余りのバッグやバックパックが随所に散乱していた。事件終了後に警察がその手荷物の山を1個1個確認している最中に、ひとりの係官が不審なバックパックに気がつき、爆発物取扱いの専門技術官を呼んだ。ムンバイ警察のバプ・ドムレ副署長の発表によると、その中には8.8ポンド(約4キロ)の爆弾が2発入っていたので、直ちに駅から遠ざけ、爆発物取扱いのプロの手で安全に起爆装置を外したと言う。
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ホテルの内部でも犯人たちは手当り次第に手榴弾を投げたため、炎上して無惨に焼け焦げたプールサイドのカフェ

8. Unexploded bombs at several sites

After the attacks, police found unexploded bombs at several of the sites, including two luxury hotels and a Jewish center. It was not immediately clear why the bags at the station were not examined earlier. The station, which serves hundreds of thousands of commuters, was declared safe and reopened hours after the attack.
2ホテルとユダヤ人センターからも爆発物
テロの惨劇が終結した後からも、2つのラグジュアリーホテルやユダヤ人センターも含めて、警察は数カ所の現場から不発の爆弾を何個か発見している。特に、事件後1週間も経ってからターミナル駅で発見された2発の爆弾に関しては、なぜもっと早くに発見できなかったのかという疑問に対して、現時点ではまだ明快な解答が出されていない。このターミナル駅は、1日数十万人が利用する極めて混雑する場所であり、事件終了後わずか数時間で安全宣言が出され営業再開していた経緯が、今更ながら疑問視されている。
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人質篭城で7人の犠牲者を出したナリマンハウスへの露地を、事件後も武装して警戒警護するムンバイ警察

9. 'A systemic failure' of authority

The discovery has added to increasing accusations that India's security forces missed warnings and bungled its response to the Nov. 26-29 attacks. Indian navy chief Sureesh Mehta has called the response to the attacks "a systemic failure." The country's top law enforcement official has resigned amid criticism that the 10 gunmen appeared better coordinated and better armed than police in Mumbai.
公安当局システム全体の致命的失態
遅きに失した感のある不発弾の発見は、すでに指摘されている「テロ警告無視」と「事件発生から対応までの遅さ」という致命的失態にさらに輪をかけ、公安当局に対する非難をいや増しした。
こうした状況を評し、インド政府軍の海軍総督スレシ・メブタ司令官は、警察と政府の公安当局が今回のテロ攻撃に対してとった対処は「a systemic failure」=警備体制自体の失敗にほかならないと、手厳しく批判した。…… 続く
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だびに伏される、テロリストとの銃撃戦で亡くなったインド政府軍将校の制服を捧げ持つ故人の遺族

【 米国時間 2008年12月4日 『米流時評』ysbee訳 】f0127501_6213945.jpg

»» 次号「第4章 生き残り犯人が自白、11万5千円で請け負ったムンバイテロ」へ続く
«« 前号「第2章 パキスタン諜報ISIとテロ組織ラシュカレタイバ」へ
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by ysbee-2 | 2008-12-04 18:34 | インド・ムンバイテロ

パキスタン諜報ISIとテロ組織ラシュカレタイバ

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   ||| ムンバイ諜報レポート 第2章 |||

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テロの陰に闇のネットワーク パキスタン諜報ISIと テロ組織ラシュカレタイバ
続 ムンバイコンフィデンシャル 米国はインドに事前にテロの警告を発していた!


前号「スクープ!米国務省レポート・ムンバイコンフィデンシャル」の続き | ワシントン発
米国国務省は、今年10月にインド駐在のアメリカ人に対して、少なくとも2件のテロ関連の事件が起きると、警告を発していた。特にそのうちの1件は地域を特定していたが、事件が起きる可能性があるという警告はインド西部を指しており、該当地域には今回のムンバイが入っていた。こうした警告は、テロ組織からの予告や諜報情報を受け取ったあとで発せられるのが通常だが、諜報当局が相手国の諜報部門へ手渡す漠然とした警告の形態で、それ以上の詳細は明記されていなかった。
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Blind Warning — Mumbai Confidential-II
State Dept. issued 2 terrorism warnings to Americans in India in October
DECEMBER 2, 2008 | Association Press — BREAKING | Translation by ysbee
Continued from the previous issue — The State Department issued at least two terrorism-related warnings to Americans in India in October, including one specifically covering western India, which includes Mumbai. These warnings are usually issued after threat information is received, but are less specific than what intelligence agencies would pass on to their counterparts.


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DECEMBER 3, 2008 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2008年12月3日号
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A s s o c i a t e d  P r e s s | B R E A K I N G
続 ムンバイ・コンフィデンシャル 米国がインドに10月に発していたテロ警告
米国時間 2008年12月2日午後6時36分 | AP通信・ワシントン支局発 | 訳『米流時評』ysbee

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30日日曜、テロで亡くなった172名の犠牲者の霊を弔うムンバイ市民総出のキャンドルメモリアル "Vigil March"

10. Similar pattern of murder methods

They highlighted the holiday season in India and the potential for large crowds in shopping areas, restaurants and train stations, which are frequently targeted by terrorists. The warnings did not specifically mention hotels. U.S. counterterrorism officials said the Mumbai attack was similar to past operations undertaken by groups such as Lashkar-e-Tayyiba and Jaish-e-Mohammed.
無差別大量殺人のパターン
警告したテロの警戒期間として、国務省側ではインドのホリデイシーズンをマークしており、ショッピングセンターやレストラン、列車のターミナル駅など、これまでにもテロリストが襲撃のターゲットとしてきた場所を、要注意箇所として挙げていた。しかし、警告の書類にはホテルは特筆されていなかった。
米国のテロ専門の諜報担当者は、今回のムンバイテロ攻撃に関して分析を下しているが、過去においてもインドやアフガニスタンでテロ活動を実行してきたテロ組織である、ラシュカレタイバ(ラシュカール)やジャイシェモハメドと、テロの方法論や手段が酷似していることを指摘している。
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今回と同じムンバイで9月8日に起きた、市民への無差別殺戮テロ 犯人はやはりパキスタンのテロ組織に属した

11. Resurfaced under Jamaat-ud-Dawa

Lashkar, a terrorist group based in the disputed Kashmir region, was banned in Pakistan in 2002 under pressure from the U.S., a year after Washington and Britain listed it a terrorist group. It is since believed to have emerged under another name, Jamaat-ud-Dawa, though that group has denied links to the Mumbai attack.
別の組織名ジャマアット・ウル・ダワで再浮上
ラシュカレタイバ、略称ラシュカールは、属領・独立問題で紛争の絶えないカシミール地方を本拠地とするテログループである。しかし、2001年に米国と英国、両国の政府が、ラシュカレタイバをテロリストグループとしてブラックリストに上げてマークした翌年02年に、パキスタンにおいてもムシャラフ政権がラシュカールの活動を禁止していた。以降、ラシュカールは別の名称「ジャマアット・ウル・ダワ」と組織名を改称し、活動を再開していた。しかしジャマアットグループは、今回のムンバイテロ攻撃には一切関知していないと、犯人とのリンクを否定している。
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パキスタンでは軍部の勢力がシビリアン政府よりも強大なので、ムシャラフ政権時代のように政府が親米であっても、米軍の時刻介入を一切断ってきた。その代わりに軍事援助金はしっかり頂く、という米国からするとアフガニスタンとは違って、実に扱いにくい国であったことは確かだ。今春ムシャラフが退いてザルダリ政権に交代したが、親米を装ってはいても閣僚内に反米派も多く、実権を維持する軍部の反米体質を抑えられないでいる。

12. Active organization in Kashmir

The State Department includes Lashkar on its foreign terrorist organizations list, one of three in Kashmir. Lashkar has attracted Pakistani members as well as Afghan and Arab veterans who fought the 1980s Soviet occupation of nearby Afghanistan.
カシミールでの活発なテロ活動
米国国務省では、カシミール地方を本拠地とする3つのテロ組織のひとつとして、ラシュカールも海外のテロ組織のブラックリストに登録している。ラシュカールの活動範囲は広範な地域に及び、地元のパキスタン人ばかりでなく、80年代にソ連のアフガン侵攻でアフガニスタンの独立を守るため対ソ連戦争を共に闘った、アフガニスタンやアラブ諸国のジハド戦士たちにも支持されている。
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7月19日インドカシミール自治州で政府軍のコンボイを狙った爆破テロ 警察と軍隊は真っ先にテロのターゲットに

13. Possibility of Kashmiri connection

It has been active in Kashmir since 1993 but extended its operations into Afghanistan after the Sept. 11 terrorist attacks and U.S.-led war in Afghanistan, a second U.S. counterterrorism official said. "One thing people are looking at is the real possibility of a Kashmiri connection. Some of what's been learned so far points in that direction," a second U.S. counterterrorism official said.
カシミールコネクションの可能性大
1993年以来ラシュカレタイバはカシミールをベースに活動を続けてきたが、アルカイダによる9/11の米国同時テロ攻撃以降は、米国主導のテロ戦争のアフガン戦線へも、その活動半径を伸ばしていると、もうひとりの米国のテロ専門の諜報担当者は説明した。
「人々が注目するべきは、カシミールとのコネクションです。これまでにわかっている事実のいくつかは、すべてその方向を示唆しています」
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アフガンとの国境に近いパキスタンのダマドラ地区のタリバンが今春行った公開処刑で首を切られた人質2人
無政府状態の国境地帯では、タリバン系テロ組織が親米派と見られる村民を誘拐、堂々と公開処刑する野蛮さ


14. Demanding to hand over suspected terrorists

Amid some information that the terrorists trained in camps in Pakistan, India has demanded that Islamabad hand over suspected terrorists believed living there and had said that Pakistan's leaders must take "strong action" action against those responsible.
テロ容疑者を手渡すようパキスタン政府に要求
今回のムンバイテロ攻撃の犯人たちが、パキスタン国内に存在するテロリスト養成キャンプで訓練を受けていたという(生き残り犯人が自白した)情報が公開されたが、これを根拠にインド政府はイスラマバードのパキスタン政府に対して、現在パキスタン国内に居住していると思われる(20名の)テロ容疑者を、インド側の捜査陣へ引き渡すよう要求した。この際にインド政府は、パキスタン政府の指導者たちは、一連のテロ事件を起こした責任のある者たちに対して、「厳重に対処すべき」と主張している。
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パキスタン北西部のタリバンの本拠地、北ワジリスタン州の叛徒摘発で逮捕されたパシュトゥン系のテロ容疑者

15. 'Terror group located on Pakistan's territory'

d0123476_15281378.jpgOn the origins of the terrorists, the official did not detail the evidence leading to a connection in Pakistan, and did not single out any one terror organization as suspect. But the official said "a variety of information, some of it public, some of it not" points to an unspecified terror group "partially or wholly ... located on Pakistan's territory."
「パキスタン国内のテログループ」
テロリストの出身地に関してだが、前述の諜報部門の高官は、パキスタンとのコネクションを結論づけるように導いた証拠がいったい何なのか、詳細は明らかにしなかった。また特定のテロ組織を名指しすることも避けた。しかしこの諜報分析のプロは「公表の有無にかかわらず、現在までの一連の情報から判明した事実は、名前は明らかにできないが、組織の一部あるいは全体がパキスタン国内に存在する一テロ組織の仕業である」と結論づけた。……続く

東のインド、西のパキスタン両国と中国の間に横たわる高原地帯カシミール。このカシミール地方は、帰属や独立問題をめぐって、60年以上常に両国の紛争の焦点となってきた南アジアの火薬庫。

【 米国時間 2008年12月3日 『米流時評』ysbee訳 】f0127501_6213945.jpg

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by ysbee-2 | 2008-12-03 16:12 | インド・ムンバイテロ

スクープ!米国務省レポート・ムンバイコンフィデンシャル

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  ||| ムンバイ・コンフィデンシャル-1 |||

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 ムンバイ・コンフィデンシャル 米国務省のテロ諜報ファイルをNBCが入手!
 陰のネットワーク パキスタン軍部諜報ISIと テロ組織ラシュカレタイバ


米国時間 2008年12月2日 ワシントン発 |先週後半に世界を震撼とさせた、インド最大の都市ムンバイのテロ攻撃事件。その犯行現場に残された証拠から浮かび上がった事実として、テロを強行したグループの一部はパキスタンに本拠地をおくテロ組織に属する者であったことが判ったと、2日火曜に米国政府高官が明らかにした。また新たに解明された件として、先月の段階で米国政府(国務省)がインド政府に対して「一部のテロリストグループがムンバイを襲う計画を立てているように伺える」と警告を発していた事実も明らかになった。
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U.S. official: Indian Attack Has Pakistani Ties
Washington says it warned of possible waterborne attack on Mumbai
DECEMBER 2, 2008 | Association Press — BREAKING | Translation by ysbee
WASHINGTON — Evidence suggests that a group partly based in Pakistan carried out last week's attack in India, U.S. officials said Tuesday, also revealing that the U.S. had warned the Indian government beforehand that terrorists appeared to be plotting an assault on Mumbai.


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DECEMBER 2, 2008 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2008年12月2日号
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A s s o c i a t e d  P r e s s | B R E A K I N G
ムンバイ・コンフィデンシャル NBCが入手!米国務省のテロ諜報ファイル
米国時間 2008年12月2日午後6時36分 | AP通信・ワシントン支局発 | 訳『米流時評』ysbee

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3日間ぶっ通しでテロリストを追いつめた最後の砦タージマハールホテルを解放しあとにするインド政府軍特殊部隊
エリート部隊Black Catsが手にしたバラはムンバイ市民が彼らの果敢な活躍をたたえ感謝の気持を込め手渡したもの


1. Terrorists have Pakistani roots

The brutal, prolonged attack on India's financial capital has some roots in Pakistan, a senior State Department official said. That's the closest the U.S. has come to placing blame for the coordinated assaults, although the official was careful to say that not all the evidence is in. The official spoke on condition of anonymity because the investigation is ongoing.
米国務省「テロリストはパキスタンから」
インド経済の首都であり、インドの近代的インフラの中枢でもある都市ムンバイに突然襲いかかった残虐なテロ攻撃の首謀者は、パキスタンを本拠地にしていたと、米国政府国務省首脳部の一高官が明らかにした。この結論は、米国が今回のインドに対する同時テロ攻撃に対して発言した中でももっとも詳細な諜報情報に即した報告書によるものである。ただし同高官は「まだ証拠がすべて出そろった訳ではないので、最終結論を出すには慎重な審議が必要である」と念を押した。事件はまだ捜査の最中であるために、この高官は匿名という条件の下で以上の談話を伝えた。
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先週水曜夜から60時間続いたムンバイテロ襲撃で、テロリストの最後の砦となったタージマハール・パレス&タワー

2. India claiming Pakistan connection

Indian authorities have claimed a Pakistan connection for days, but the United States has not wanted to "jump to conclusions," as Secretary of State Condoleezza Rice said Monday. The administration fears that any misstep amid the extraordinarily high emotions surrounding the three-day assault killed 172 and wounded 239 in the heart of Mumbai.
パキスタンコネクションを主張するインド
今回の事件を捜査担当するインドの警察と公安当局は、すでに何日も前の事件発生直後から、テロリストとパキスタンとのコネクションを指摘していた。しかし米国側としては、1日月曜にコンドリーザ・ライス国務長官が表明したように「性急な結論で早期判断しない」態度を明らかにしている。インドの政権としては、死者172名、負傷者239名を出した、ムンバイ都心への3日間のテロ攻撃にさらされたせいで、捜査展開にいかなる誤ちがあっても、それを許さない市民感情は前例のないほど極端な高まりを見せるだろうと恐れている。
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ムシャラフと交代したパキスタンの新政権は、テロ組織討伐をプッシュするブッシュ政権に対して「他人の芝生に踏み込むな」と高飛車に出て以来、冷めた関係が続いている。首相でも大統領でもなく、写真のクレシ外相が新政府の挨拶に出かけたこともしこりを残したようだ。パキスタンが米国からこれまでに100億円以上の軍事援助金をもらっていなければ、堂々と構えられた自立の姿勢かも知れないが、米国側からは身の程知らずと解釈されたような経緯があった。

3. Adm. Mullen gone to the region

It could spark new and possibly deadly tensions between nuclear-armed rivals India and Pakistan. U.S. Defense Secretary Robert Gates told a Pentagon news conference Tuesday that the chairman of the Joint Chiefs of Staff, Adm. Mike Mullen, had gone to the region to meet with officials. Rice also is to visit India on Wednesday, carrying the U.S. demand that Pakistan cooperate fully in the investigation into the attack.
現場へ飛んだミューレン米軍総司令官
今回の事件はまた、インドとパキスタンという隣接する核武装国の宿敵の間に、一触即発の緊張を新たにもたらす結果となった。米国国防総省のロバート・ゲイツ長官は2日火曜にペンタゴンで行われた記者会見で、米陸海空三軍の総司令官であるマイク・ミューレン海軍提督がすでに現地へ向かったという事実を公開した。一方国務省のライス長官もまた、米国時間で3日水曜にインドを訪問する予定であり、パキスタンに対しては当初から米国が主張するように、今回のテロ攻撃事件の捜査に全面的に協力するように要請する思惑である。
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爆破によってここまで完全燃焼するのは、高性能の軍使用の爆薬によるもの パキスタン政府軍がテロ組織へ武器弾薬を横流ししてサイドビジネスにしているという噂はテロ戦争の当初から広く流布していたが、ブッシュ政権はムシャラフに対して強い態度を取らなかったために、国境地帯のタリバンシンパのゲリラ組織に活動の余地を与えた事実が、以前から指摘されていた。

4. Failure of security and intelligence

Among those killed in Mumbai were six Americans. The revelation of a U.S. warning to Indian counterparts about a possible coming attack comes as the Indian government faces widespread accusations of security and intelligence failures in the wake of the assault.
諜報と治安両面でのインド政府の失敗
ムンバイテロの犠牲者には、6名のアメリカ人が入っていた。米国国務省がインド政府に対してテロ攻撃の可能性があると警告を発していた事実は、インドの敵対国であるパキスタンを少なからず驚かせた。それとと同時に、インド政府自体もその警告をないがしろにして、テロ攻撃の第一波の時点で防御できずに大きな犠牲者を出したという、国防体制上の致命的な敗北を招いた。テロ襲撃が終結した現在、一連の遅々とした治安の対応に批判を浴びせる世論が国内外に広汎に広まっており、インド政府もまた厳しい状況に立たされている。
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パキスタンでブッシュの傀儡だったムシャラフ政権が退き反米派も多い新政権に移行して以来、米国は急激にインドに接近し、先月には核開発の共同宣言を採択した。この流れがパキスタン政府の神経を逆撫でしたのは言うまでもない。

5. U.S. warned waterborne attack

Washington passed on information it had that a waterborne attack on Mumbai appeared in the works, said a senior administration official, speaking on condition of anonymity because of the sensitive nature of intelligence information. The official would not elaborate on either the timing or details of the U.S. warning.
海からの奇襲攻撃を警告していた米国
米国政府は、ムンバイに対する海からの奇襲攻撃が実効に移されようとしている、という情報をつかみ、インド政府へ前もって知らせていたと、国務省の一高官は明かしている。この事実は米国諜報機関の極秘情報なので、あくまで匿名でという条件の下に明らかにした。また、米国からの警告がいつ発せられて、どこまで具体的な内容だったかまでは触れなかった。
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ムンバイの鉄道のターミナル駅を襲撃した2人のテロリストのひとりが、10人いたと推測される犯人の唯一の生き残りとなった。この若いテロリストの自白で、彼らのほとんどがパキスタンのラシュカレタイバに所属していたこと、海から上陸する奇襲作戦をとったこと…など、テロ奇襲作戦の全貌と詳細の新事実が続々解明されている。このゴムボートは、彼らがムンバイ港から侵入するときに使用されたもののひとつ。

6. Lashkar-e-Tayyiba, terrorist group in Pakistan

NBC News reported Tuesday that a confidential U.S. intelligence analysis concludes that some of the Mumbai terrorists were likely trained by the Lashkar-e-Tayyiba terrorist group, with "camps located in Mansera and Muzzarafabad in Pakistani-administered Kashmir." The 10 terrorists behind the Mumbai massacre "spoke Punjabi" and were of "likely Pakistani origin," the report said.
パキスタンのテロ組織ラシュカレタイバ
NBCニュースが2日火曜に報道したスクープによると、NBCの記者が入手した米国諜報機関の極秘書類に書かれてある諜報分析レポートでは「ムンバイのテロリストの何人かは、パキスタンのテロリストグループ、ラシュカレタイバの軍事教練キャンプで実戦訓練を受けたようだ」と結論づけていた。
レポートには「このテロリスト養成キャンプは、パキスタン領土内のカシミール地方にあるマンセラとムザラファバードの両方の地区に存在する」とも書かれていた。また犯人たちの正体に関しては「ムンバイの虐殺を実行した10人のテロリストたちはみなパンジャブ語を話していたことから、パキスタン出身であるように見受けられる」とも報告している。
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ムンバイ市内の最高級ホテル、ターミナル駅、映画館、病院など一般市民が無防備に集まる場所を狙った無差別テロ

7. 17-pg State Dept. report on Mumbai terror

The 17-page report was written by the Overseas Security Advisory Council, a public-private group that serves as a liaison between the State Department and multinational corporations, NBC said. NBC also reported that Indian authorities have found the names of several high-ranking members of Lashkar — including Yusuf Muzammil, head of Lashkar's operations unit — in the satellite phone used by one of the Mumbai attackers.
17ページの国務省報告書
全部で17ページの諜報レポートは、OSAC=オーヴァーシーズ・セキュアリティ・アドヴァイザリー・カウンシル(海外安全保障諮問評議会)という半官半民の第三者機関によって上梓されたものであると、NBCニュースは伝えていた。またNBCでは、インドの官憲による捜査チームが、ラシュカレタリバの幹部ら数名の名前が確認できる証拠も発見したと報道している。証拠品とはテロリストの一人が使用していた携帯で、残された通話先の人物のリストの中には、ラシュカルの実戦部隊長であるユスフ・ムザミルも含まれていたという。
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左:6人の犠牲者を出したムンバイのユダヤ人センター、ナリマンハウス テロリストのターゲットは明らかに米・英・ユダヤ人/中:7月にも多くの犠牲者を出した爆破テロ現場/右:テロ発生当初、よくある事件のひとつと軽視し軍隊派遣などの措置が遅れたために多くの犠牲者を出した。その結果として引責辞任したインド政府の公安最高責任者。

8. Evidence call of satellite phone

There's evidence that calls were placed to some of the Lashkar leaders from the satellite phone, NBC reported. Neither Gates nor Rice would confirm that the United States had passed specific information to India ahead of the attacks. "Obviously we try to pass information to countries all around the world if we pick up information," she said at a press conference at NATO headquarters in Brussels.
衛星中継の携帯での会話記録
現場で押収された犯人の所持品から発見された携帯からは、通信衛星のネットワークを介して、ラシュカルの数人のリーダーたちに通話を発信した記録が残っていた、とNBCでは報道している。米国サイドでは、ゲイツ国防長官もライス国務長官も「テロ攻撃に先駆けて米国がインド側へ特定の諜報情報を伝えた」という事実を公的には認めてはいない。
「万一わが国がそうした(テロ攻撃の)情報をつかんだら、世界中の国へその情報を伝えようとするでしょう」ライス長官は、現在ブリュッセルで開催中のNATO防衛会議に出席中に、記者会見での質問に答えてこう釈明した。 »» 続く

【 米国時間 2008年12月2日 『米流時評』ysbee訳 】f0127501_6213945.jpg
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2001年の9/11同時テロ攻撃の首謀者とされるオサマ・ビンラディンはいまだに行方不明。一説にはとうの昔に死亡しているという説も。1月に新大統領に就任するオバマも、ビンラディンの捕獲をテロ戦争の最終目標に上げている。

»» 次号「ムンバイテロの黒幕・パキスタン諜報ISIとテロ組織ラシュカレタイバ」へ続く
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by ysbee-2 | 2008-12-02 13:25 | インド・ムンバイテロ

速報!インドでまた爆破テロ、アッサム州の列車で3名死亡

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   ||| アッサム州列車爆破テロ事件 |||

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  インドでまた爆破テロ、アッサム州の列車爆破で3名死亡、29名負傷

インド・アッサム州ゴーハチ発 |2日火曜インド北東部アッサム州で、列車に仕掛けられた爆発物が爆破、少なくとも3名が死亡、29名が重軽傷を負ったとインド内務省から発表された。今回の爆発は、インド北東部アッサム州の州都ゴーハチから南へ200マイル(約300キロ)南下したディフー駅へ旅客列車が到着した直後に起きたものである。
   トップとこの下の写真は、今夏7月11日にテロに見舞われた列車爆破事件
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Official: Bomb Blast Kills 3, Wounds 29 in India
Clinton's ties to India may complicate Obama policy in volatile South Asia
DECEMBER 2, 2008 | By Wasbir Hussain — Association Press | Translation by ysbee
GAUHATI, India — A bomb exploded in a train coach in India's insurgency-hit northeast on Tuesday, killing at least three people and injuring another 29, a state government official said. The explosion occurred shortly after the train arrived at Diphu railroad station, about 200 miles (300 kilometers) south of Gauhati, the capital of Assam state, said District Magistrate M.C. Sahu.


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DECEMBER 2, 2008 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2008年12月2日号
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A s s o c i a t e d  P r e s s | B R E A K I N G
止まらないテロ攻撃 インド・アッサム州で列車爆破テロ、3名死亡29名負傷
米国時間 2008年12月2日午前3時13分 | ワスビール・フセイン/AP通信 | 訳『米流時評』ysbee

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ムンバオの同時多発テロ発生の翌日、アッサム州ゴーハチ駅構内もテロ攻撃に対する警備体制を強化した

1. Just 2 days after the Mumbai terror

The train was heading from Lumding in central Assam to the eastern commercial hub of Tinsukhia, Sahu said. Tuesday's blast comes just days after suspected Muslim militants attacked targets across Mumbai, killing at least 172 people and injuring 239. Tuesday's blast was not seen as related to the Mumbai attacks.
ムンバイテロ終結からわずか2日後
今回爆破された列車は、アッサム州の中央部にあるルムディン駅を発車して、インド東部の商業の中心地であるティンスキアの駅へ到着した時点で起こったと、サフ総督は説明した。火曜の列車爆破は、イスラム過激派の聖戦兵士がムンバイ市内10カ所を襲撃、死者172名以上と負傷者239名を出したインドの9/11事件が終結してから、わずか2日後のテロ事件である。しかし、今回の爆破はムンバイの攻撃犯人とは関連性がないと見られている。
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先週水曜夜から60時間続いたムンバイ市内10カ所のテロ襲撃は、死者172名、負傷者239名を出して終結

2. Bomb with a timed device

Two train passengers were killed on the spot and one of the 30 wounded later died in a hospital, said Bhaskar Mahanta, a police official. Two of the wounded were in critical condition. The bomb was a timed device, left in a bag on an overhead rack of the train coach and it blew off a part of the roof, said another police official, K.K. Sharma.
列車の棚の荷物に時限爆弾
この爆破で乗客2名が即死、1名が病院に収容されたのちに亡くなった。このほか29名が重軽傷を負っていると、ゴーハチ警察のバスカール・マハンタ署長から発表された。怪我人のうち2名は瀕死の重体だと言う。また、爆発物には時限爆破装置が仕掛けられバックパックに入れられて、一般車輌の丈夫の棚に置き去りにされていたと言う。この爆発で車輌の屋根の一部が吹き飛ばされたと、もうひとりの警察幹部であるK・K・シャルマ氏から、記者団に発表があった。
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ムンバデビ寺院参詣路への無差別テロ攻撃 この場合には自動車に仕掛けられた爆弾テロだった

3. Suspicion on Karbi Longri National Liberation Front

While no one immediately claimed responsibility for the attack, Sharma said an ethnic insurgent group, Karbi Longri National Liberation Front, fighting for wide autonomy in the state for the past five years, was suspected. The front is one of the three groups active in the region; the other two groups have reached cease-fire accords with the government.
カルビロングリ独立解放戦線の仕業か
今回の事件の犯行声明は、まだどのグループからも出ていないが、シャルマ署長は「Karbi Longri National Liberation Front=カルビ・ロングリ民族解放戦線」と呼ばれる少数民族の叛徒グループだと推理している。このグループは、アッサム州の中でも独立運動の活動の活発な3つの組織のひとつである。他の2つの組織は、すでにインド政府と休戦協定を結んでいる。
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3月7日バラナシ駅構内の爆破テロ事件 公営交通機関として広く利用される列車はテロ攻撃の対象になりやすい

4. Same insurgents killed 2 migrants

Separately, suspected insurgents shot and killed two migrant workers in the same district on Tuesday, Mahanta told The Associated Press. The two petty traders from northern India were pulled out from their homes in Dolamara, a village, and fatally shot, he said, blaming the same insurgent group, Karbi Longri National Liberation Front.
同じ叛徒グループが行商人2人を殺害
また列車爆破事件とは関係がないが、同じく火曜に同じ郡部で出稼ぎ者2人が容疑者と見られるゲリラ兵士に射殺される事件も起きていた。前述の警察幹部マハンタ氏がAP通信の記者に語った内容によると、このふたりの行商人はインド北部からアッサム州へやってきたもので、ドラマハという村落の住まいから暴漢によって拉致連行され、射殺された。犯人は列車爆破事件の犯人と同じ組織の、カルビロングリ民族解放戦線に所属するゲリラだそうである。
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7月26日アーメダバードの無差別テロ 白昼堂々と人混みの多い市場で機関銃を乱射、罪もない一般市民が犠牲に

5. Separatists killed 300 migrants in 3 years

Suspected separatists have killed nearly 300 migrants over the past three years in Assam state. They have been targeting thousands of Hindi-speaking migrants from northern states like Bihar and Uttar Pradesh who they claim usurp the local population's job opportunities. In October, the state witnessed 13 coordinated bomb attacks, which killed 89 people and wounded more than 800 in four towns.
過去3年間に出稼ぎ者300名を殺害
今回の事件の容疑者である独立運動組織のゲリラ兵士は、アッサム地方だけで過去3年間に300名近い他部族の出稼ぎ者を殺害している。彼らは、ビハールやウッタルプラデシといった北部の郡部から、季節労働者としてアッサムへやってきたヒンドゥ語を使う何千人と言う人々をターゲットに攻撃している。その理由は、出稼ぎ者のお陰で地元民の働き口が削られているからだと言う。今年に入ってからも、10月だけで13件の意図的な爆破テロが4つの町で起き、89名が死亡、800名以上の負傷者を出した。
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先週末、テロリストに占拠されたタージホテル外部で足掛け4日間包囲から突撃へと展開したインド陸軍

6. Hundreds of ethnic groups in 7 states

Several insurgents groups are battling for power, for ethnic pride and for control of drug routes in India's northeast, an isolated collection of seven states and hundreds of ethnic groups and subgroups. They fight the government and they fight each other in a region crippled by poverty and political chaos.
7郡部に数百の部族を内包するアッサム州
叛徒組織の暴力の理由は、権力志向だったり、部族の誇りを誇示するためだったり、インド北東部の麻薬ルートの権利を掌握するためだったりとそれぞれである。しかし、この地域だけで7つの郡部に数百の少数民族がひしめいている。彼らは貧困と政治的混乱に明け暮れるこの地域で、政府にたてをついたり部族間で争いを起こしたりと、闘いの止む時を迎えたことがないのが歴史の延長線上の現状である。 [了]
【 米国時間 2008年12月2日 『米流時評』ysbee訳 】f0127501_6213945.jpg
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ムンバイのタージマハールホテルの上空に輝く新月 テロリストの攻撃は朔月の夜だったようだ

»» 次号「スクープ!米国務省諜報レポート・ムンバイコンフィデンシャル」へ続く
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by ysbee-2 | 2008-12-01 02:04 | インド・ムンバイテロ

ムンバイ テロの決算・タージホテル陥落

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   ||| タージ陥落でムンバイテロ終結 |||

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  60時間の死闘の末、人質篭城のテロリスト最後の砦 タージマハルホテル陥落

d0123476_18552829.gifムンバイの同時テロ襲撃発生から延々60時間経った28日金曜(日本時間で29日土曜)インド政府軍のコマンド特殊部隊が、タージマハールホテルを虐殺の砦にしてたてこもったテロリストの、最後の3人をしとめて、足掛け4日間の市街戦に終止符を打ちました。

手榴弾と機関銃でホテルのコリドールを駆け抜け、宿泊客を手当り次第に撃ち殺したテロリスト。命からがら脱出した生存者の話では、彼らは顔面に笑みを浮かべながら後ろ手に縛った人質の頭部に、次々と銃弾を撃ち込んでいったそうです。「Pure evil!」と吐き捨てるように言った脱出者の声が脳裏でエコーしています。ホテルの生き地獄を生き抜いた宿泊客の談話や、惜しくも殺された犠牲者のストーリーは、このあとに続けてご紹介したいと思います。
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また戦闘が終結してほっとする間もなく始まった、テロリストの正体を追求する国際捜査陣の推理や、テロ専門の諜報関係者の談話では、やはりこのテロ攻撃の影にパキスタンの黒幕の暗躍があった模様。テロリストのネットワークを暴く諜報の『CSI ムンバイ』を続編でお届けします。
まずはともかく、壮麗なタージホテルがテロ戦争の戦場となった『ムンバイ・テロの決算』を。

[米国時間 2008年11月28日『米流時評』ysbee]

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NOVEMBER 28, 2008 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2008年11月28日号
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A s s o c i a t e d  P r e s s | B R E A K I N G
60時間の死闘の末、テロリスト人質篭城の最後の砦 タージホテル陥落
米国時間 2008年11月28日午後11時16分 | NBCニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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Troops Search India Hotel After Rampage Ends
Bush pledges full support as India probes attacks that killed 196
NOVEMBER 29, 2008 | NBC News — BREAKING | Translation by ysbee
MUMBAI, India — A 60-hour terror rampage that killed 196 people across India's financial capital ended Saturday when commandos killed the last three gunmen inside a luxury hotel while it was engulfed in flames. Authorities searched for any remaining captives hiding in their rooms and began to shift their focus to who was behind the attacks, which killed 18 foreigners including six Americans.

ムンバイテロ最後の攻防戦終結
インド・ムンバイ発 |60時間にわたるテロリストとの死闘の末、200名近い犠牲者を出したインド経済の首都ムンバイの戦闘は、インド陸軍のコマンド部隊が炎上した最高級ホテル・タージマハール内部に立てこもった最後の3人のテロリストを射殺して、終結を迎えた。
ムンバイ警察当局は、まだホテル客室内に隠れている宿泊客の救出確認を急いでいるが、6名のアメリカ人を含む18名の外国人も犠牲となった今回のテロ襲撃の背後にいるのは何者か?という犯人究明に捜査の焦点をあてる方向へシフトし、事件の原因解明へ踏み出した。
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テロリストが宿泊客を人質に取って立て篭ったタージホテル 機関銃を据えて習いを定めるインド政府軍の狙撃兵

1. Seized the World Heritage Taj

Orange flames and black smoke engulfed the landmark 565-room Taj Mahal hotel after dawn Saturday as Indian forces ended the siege in a hail of gunfire, just hours after elite commandos stormed a Jewish center and found six hostages dead.
炎上した世界遺産のタージホテル陥落
世界遺産にも指定され「ムンバイの星」と謳われ同市のンボルだった、壮麗なタージマハール・ホテル&タワー。この565室を擁する超高級ホテルは、テロリストが宿泊客を人質に立て篭って以来、強固な要塞と化した。このタージホテルを戦場に、テロリストの侵入占拠から3日目の土曜の朝が明けたあと、インド政府軍の特殊部隊は、ホテル内部から機関銃を発射するテロリストと激しい銃撃戦の応酬を交わした。
別のテロ襲撃現場であるナリマンハウス(インド訪問のユダヤ人の立寄り場所として有名)では、エリートコマンド部隊が空から劇的な奇襲作戦をかけて犯人を射ち倒し3日間の包囲を終結したがこちらでは6人の人質が遺体で見つかった。
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ムンバイのユダヤ人センター・ナリマンハウスで2日間の篭城を続ける犯人を包囲し、空から奇襲するコマンド部隊

2. Driven by Black Cats, India's best commandos

字数制限のため英文省略
精鋭「黒猫」コマンド部隊が突撃
それから数時間後に、タージホテルへの軍隊の突撃が開始された。篭城していたテロリストは、ホテルのオーシャンフロントの一角に火を放ち、1・2階からはと猛炎が吹き出した。「The Black Cats」の愛称で親しまれる精鋭のコマンド部隊は、ホテル内部を部屋から部屋へと逃げ回る犯人たちとイタチごっこを繰り返した末、最終的に追いつめた。
テロリストたちは、26日水曜夜の攻撃の第一波で手榴弾を投げ込み突入したが、機関銃を乱射して殺害した宿泊客の死体に工作をしていた。ある者の口中には手榴弾を詰め込み、ある者の死体の下には爆弾を隠して、警官や兵士がホテル内へ入って死体に触れたら爆発するように卑劣な工作が仕掛けられていた。
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3昼夜市街戦の戦場と化したタージホテル テロリストはこのホテル全体を爆破し5千人殺害する計画だった

3. Nine attackers killed, one arrested

字数制限のため英文省略
最後のテロリスト9人死亡、1人逮捕
襲撃を挙行したテロリストたちは、当初およそ40名ほどと見られていたが、水曜夜ムンバイ市内の合計10カ所を襲撃した。彼らは海から上陸し、市の中心にあるターミナル駅で混雑した人混みに機関銃を乱射し、一般市民数十名を殺害。その際に駅構内の警察の派出所を襲撃して警官を殺害し、警官のユニフォームを身につけてパトカーで逃走するという、大胆不敵な作戦を実施した。
しかし3日間の攻防のあとで最後に残った篭城の砦が、タージマハールホテルだった。「ホテル内部に立て篭った犯人は3人で、われわれは全員をやっつけた。」インド国防軍の中でも精鋭のコマンド部隊のJ・K・ダット司令官は、戦闘終結の状況をこう説明した。
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テロ襲撃・人質篭城・爆破炎上・銃撃戦と、60時間ぶっ通しで市街戦の戦場となったホテルのエントランス

4. Historic terror as 'India's 9/11'

Nine of the attackers were killed, a tenth caught alive. He told interrogators they wanted to go down in history for an "Indian 9/11", and were also inspired by the bombing of the Marriott hotel in Islamabad in September, Times Now TV said, quoting an unidentified defense ministry official.
「インドの9/11」として歴史に残るテロ
ムンバイ市ばかりでなく世界を震撼とさせたテロ実行犯人は全部でわずか10人で、そのうち9人は警察や軍隊との戦闘で狙撃され死亡。最後の一人は生け捕りになった。
このたった一人の生き残り犯人が警察の尋問を受けて自白した内容では、「インドの9/11」として歴史に残るような大事件を起こすつもりだったらしく、また9月にパキスタンの首都イスラマバードで起きた、マリオットホテル爆破事件からもヒントを得たようであると、匿名の内務省高官が語ったと、Times Nowテレビの報道は伝えている。
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世界のツーリストの憧れ「ボンベイの星」と謳われたタージマハールホテル この世界遺産も二度火に包まれた

5. Plan to kill total of 5,000

Local news channel NDTV also reported the captured militant told investigators the gang aimed to blow up the Taj hotel and hoped to kill a total of 5,000 people. It is thought that the terrorists underestimated the strength of the building's stone exterior.
ホテル爆破で5千名の大量殺人計画
また地元のニュースチャンネルNDTVでも、生け捕りになった犯人が捜査官に自白した内容を伝えているが、そちらの報道内容では、犯人一味はタージマハールホテル全体を木っ端微塵に爆破する計画だったらしく、5千名の一般市民を大量殺人するのが最終目標だったと語ったと伝えている。しかし結果的には、内部に侵入してから仕掛けた爆薬を爆破しても、強固な石造建築のタージホテルは崩壊せず、内部からの火災でホテルの一角が二度炎上するにとどまった。
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事件発生当時ホテル最上階ではセキュリティ問題のエキスパートが集まり、国際フォーラムを開いていた最中だった

6. Survivors and booby traps left by militants

Explosions continued rock the Taj hotel after the battle as soldiers blasted open doors and detonated explosives found on the gunmen as they swept the hotel once more looking for survivors and booby traps left by the militants. Some hotel guests were still believed to be in their rooms.
恐怖の牢獄と化した客室
最後の犯人が殺されて戦闘が終結したあとも、タージマハールホテルには何回となく爆発音がとどろいた。一連の爆発は、それ以上の犯人が隠れていないかどうか兵士たちが鍵のかかった客室のドアを開けるために爆破したり、前述の死体に隠された爆発物が起爆したり、また生存者捜索の際に爆発を起こすようテロリストによってあちこちに仕掛けられたブービートラップに兵士が触れて爆発を起こしたことによるものである。さらにはまだ相当数の宿泊客が、兵士とテロリストの区別がつかないので戦闘終結の事態が納得できず、恐怖のあまり客室に閉じこもったまま出て来ない現状だという。
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ムンバイハーバーのウォーターフロントで占領されたもうひとつのラグジュアリーホテル・オベロイトライデント

7. Many guests hiding in their rooms

字数制限のため英文省略
60時間の地獄を生き抜いた生存者
「彼らはまだ恐怖におののいています。なので、われわれがドアの外から客室に向かって出てくるように言っても拒絶して、軍隊の身分証明書を示して安心させようとしても、しばらくは戦闘が終わった事実を信じられないでいます」コマンド部隊のダット司令官は、宿泊客のトラウマをこう語った。
一方捜索班の警察犬は、豪華ホテルの客室に遺体が残留していないかどうか嗅ぎ回り、手術用のマスクをつけた担当スタッフが、ホテル内のあちこちに散乱した死体を搬出している。戦闘が激しく展開していた時点では、まだ多くの宿泊客が客室をロックして閉じこもっていたが、兵士たちの説得で、次々に部屋から惨劇の現場となった廊下へと姿を現した。
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オベロイトライデントホテルの上階 手榴弾の爆発で壊れたウィンドーから生き残った宿泊客が見える

8. 'Blood, blood everywhere'

"The blood, everywhere the blood," an American woman called Patricia told NDTV channel, choking back tears. "And when we came down to the lobby, all the hundreds and hundreds of policemen were standing there looking so fried and so sad."
生存者「そこらじゅう血の海」
「血だらけ、もうそこら中、血の海!」生存者のひとりでパトリシアさんと名乗るアメリカ人女性は、NDTVチャンネルの取材に、嗚咽をこらえてこう語った。「部屋から出てロビーへ降りたら、それこそ何百人という警官が呆然と立ち尽くしていて、みなひどく悲しそうな顔をしていました」
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タージマハールホテルの厨房は屠殺場と化したと言う /左:厨房で奇跡的に生き延びて救出されたコックたち
右:救出されたあとも恐怖感が抜けず取材に答えられない生存者。脱出者はみな一様に生き地獄だったと表現する


9. Many bodies not recovered yet

字数制限のため英文省略
未確認の死体続出の恐れ
またNDTVの報道によると、タージホテルの4階と6階は、爆破されたあとに起きた2度の火災によって、床が陥没していると言う。遺体捜索の担当官の談話では、消失した部分の客室にいて焼死した宿泊客の遺体が、今後かなりな数で発見されるのは間違いないと語っている。
一方ホテルの外部では、客室に閉じ込められ人質となったゲストの家族たちがひとかたまりになって、当事者が無事な姿で現れることを心待ちにして立ち尽くしている。彼らのほとんどは、水曜の事件勃発以来キャンドルを点して、家族の無事を祈り続けてきた。
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家族の身元確認のため遺体安置所と化したセントジェームズ病院を訪れた犠牲者の遺族 死者の数は今後も増える模様

10. Well-planned, well-prepared

字数制限のため英文省略
周到に練られた計画と実戦訓練
テロ襲撃の犯人たちは準備周到で、かなり以前からある特定のターゲットをあらかじめ選定していたと見える。また長い篭城と戦闘に備えてその間のエネルギーを保持するためか、大きな袋入りのアーモンドを携帯していた。終結後に押収された犯人のバックパックのひとつからは、400発の弾薬も発見されている。
インドは近年、イスラム狂信派のジハディストによるものと思われるテロ攻撃が頻発し、社会不安の要因になってきていた。しかし今回の一連の襲撃は、きわめて高度な計画と連係プレーによる作戦で、しかも随分大胆な戦略である。
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ムンバイの鉄道ターミナル、チャトラパティ・シヴァージー・ターミナル駅でAK47の機関銃を乱射したテロリスト

11. Checked in hotel weeks before

Several newspapers said some of the militants had checked into the Taj hotel days or weeks before the attacks, while the Times of India said they had rented an apartment in the city a few months ago pretending to be students.
事件の数週間前からホテルに逗留
現地の新聞のいくつかが報道する内容では、犯人たちはタージマハルホテルに襲撃決行の数日前、あるいは数週間前からチェックインしていたと伝えているが、タイムズオブインディア紙の記事では、彼らが学生の身分を偽って、数ヶ月前からムンバイ市内の賃貸アパートで過ごしていたと報道している。
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バスケットに乗って決死の消火作業 当初は内部から狙撃されるため消防車が到着しても消火作業ができなかった

12. With long stint of commando training

An army general said the gunmen appeared to be very familiar with the hotel's layout and were well trained. "At times we found them matching us in combat and movement," one commando told the Hindustan Times. "They were either army regulars or have done a long stint of commando training."
長期の特殊軍事訓練を経たテロリスト
インド陸軍のある司令官の談話では、テロリストたちはホテル内の配置に精通しており、武器の使用に関しても熟達していたと言う。また実際の戦闘に立ち会ったコマンド部隊の司令官がヒンドゥスタンタイムズ紙に語った内容は、次のようなものである。「彼らの戦闘能力と作戦行動での敏捷な動きは、われわれコマンド部隊の実力と匹敵するものだった。彼らはさながら現役の兵士か、さもなければ特殊部隊のコマンドとしてのトレーニングで長期間鍛え上げたプロのようだった。」
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事件発生の翌朝28日、ムンバイの同時襲撃テロ事件を伝える現地の新聞 タイトルは「War Zone Mumbai」

13. 18 Foreigners of 11 countries killed

字数制限のため英文省略
11カ国の外国人18名が犠牲に
ムンバイ市内のユダヤ人センター、ナリマンハウスを運営するニューヨーク出身の米国籍ユダヤ人ラバイ(ユダヤ教の長老)ガヴリエル・ノーチ・ホルツバーグさんと妻のリヴカさんは、水曜にテロリストが襲撃して篭城して以来人質になっていたが、2人とも死体となって発見された。しかし、夫妻の一人息子で土曜に2才の誕生日を迎えるモシェ君は、人質になっていた使用人の女性が警察の突撃で逃走する際に、素早く部屋に飛び込んで子供を抱えてビルの外へ逃げ出したために助かっている。
夫妻の他にも、ドイツ人、カナダ人、イスラエル人、英国人、イタリー人、日本人、中国人、タイ人、オーストラリア人、シンガポール人の合計18名の外国人が、今回の襲撃事件の対象となって殺されている。負傷者は、28日金曜夜までの段階で295名にのぼった。 »» 続く
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タージホテルから60時間ぶりに救出された宿泊客 今後のインターナショナルなホテルの保安強化体制は必然の流れ

【 米国時間 2008年11月28日 『米流時評』ysbee訳 】f0127501_6213945.jpg

»» 次号「速報!インドでまた爆破テロ、アッサム州の列車爆破」へ続く
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by ysbee-2 | 2008-11-28 08:45 | インド・ムンバイテロ

速報!インド・ムンバイで同時多発テロ!犯人画像ほか現場写真

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 ||| インド・ムンバイで同時多発テロ発生 |||

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速報!インド・ムンバイで同時多発テロ発生!市内8か所爆破テロで80数名死亡 
犯人はラグジュアリーホテル タージマハルとオベロイで人質を捕り篭城、炎上中!
テロ組織デカン・ムジャヒディーンから、ニュースメディアへ 犯行声明のメール


d0123476_18552829.gif明日からサンクスギビングデーで4日間のホリデイウィークエンドを迎える米国では、一般家庭では盆と正月が一緒に来るようなご馳走の支度に大わらわの日。しかし、テロリストは、こういうソフトなシーズンを狙うものですよ。朝っぱらから「インドのムンバイで同時多発テロ発生!」ときました。もう、なんでこんな時に!

d0123476_10231037.jpg【第1報:午前9時】8カ所以上で同時多発の爆破テロとくれば、間違いなくアルカイダ系のテログループによる「コーディネート・テロ」のよう。今回の攻撃ターゲットとなったのは、欧米人に人気の高いタージホテルやホテルオベロイなど、国際的にも評価の高いファイブスターホテル数カ所。ケーブルのニュースチャンネルは全て、現地からの中継を流しながら、米国諜報のプロや軍事専門評論家が控えて解説中。今現在でもホテルのあちこちから火の手があがり、猛煙を上げて炎上中。

【第2報:午後1時】当初の臨時ニュースでは死者80名・怪我人250名だったのが、30分ほど前にいきなり急増して「負傷者800名!」市内の救急病院がひっくり返るような騒ぎで、数が確定しない様子。解説者も「犠牲者は数百人になるだろう」と予測。現場から命からがら逃げ出した現地市民の目撃談では、犯人はホテル内の客に「イギリス人か?アメリカ人か?」と訊ねて回り、英・米人は人質として拉致されたよう。噂では、その場で射殺されたとも……
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【第3報:午後4時】CNNをつけっぱなしにしてニュースをチェックしていますが、事態は一向に好転せず。確認した死者数は85名に増えましたが、負傷者は125名に減りました。テロ襲撃現場の常で、情報は錯綜をきわめている模様。
トップの写真からも伺えるように、20世紀初めの創業以来105年の歴史を誇るタジマハールホテルは、威風堂々とした壮麗な建物ですが、相変わらず煙に包まれ……(消防車が全然見えない)一方、ホテルオベロイのアーケードに立ち並ぶ、ヨーロッパの名門ブランドのブティックが次々映し出され……(これじゃ狙われる訳だわ)ヴィトンのショップの上からはホテル客室からシーツが垂れ下がり……(何人かはこれを伝って逃げたんだろうな)…… もう、次々と映し出される画面に見とれておりまして、翻訳する暇がありませんです。しかし早く上げなくては!
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【第4報:午後5時】日本の海外ニュースをチェックしましたら「日本人も2名死傷」と出ていて驚きました。何か天然ガス取扱いの三井の商社マンのようですね。インドもそうですが、パキスタン、アフガニスタンと、やはり地政学的に顕著な場所では、商社マンと諜報とテロリストの暗躍がシンクロして活発なようです。二つのホテルのほかに、犯人は市内の病院も襲撃して立てこもりましたが、こちらは小児科か産婦人科のようで、ご婦人と子供さんが人質になっていて、しかしその数は一向にわからないという……関係者や家族は気が気ではなく、一睡もできなかったんじゃないでしょうか。

【第5報:午後5時15分】たった今、現場からの中継を続けているCNNの画面でバンバーンと銃声が……全部で7発撃たれたそうです。犯人のものなのか警察なのか、すぐには判りません。CNNを見れる方は、どうぞスイッチオンして見てください。それから、病院で人質になっていた婦女子が解放された、というニュースも。しかし、情報の真偽を確認するまでは安心できません。
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ところで、ムンバイは聖なる汚い川 (?) ガンジスがインド洋に流れ込む、昔からインド洋貿易の要港だった古い歴史を誇る商業都市。マハラシュトラ州の州都にあたり、人口から言うとインド第一の都市で、その数1900万人。昔はボンベイと呼びましたが、これは大英帝国の植民地時代からの呼称なので、95年に旧来からの現地読みであるムンバイに再度改名したそうです。特に昨今は、IT産業の台頭が目覚ましく、インド映画産業の俗称ボリウッドもムンバイが本拠地。日本企業も60社以上進出しているとか。今回の事件の影響は、色んな産業に影を落としそうですね。

事態がどんどん進展するに連れて、このあとの記事も時々刻々と更新になってますので、随時更新アップいたします。表示した時刻はハワイ時間で、日本よりも5時間早いです。1日遅れですが。
[米国時間 2008年11月26日『米流時評』ysbee]

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NOVEMBER 26, 2008 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2008年11月26日号
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A s s o c i a t e d  P r e s s | B R E A K I N G
速報!インド・ムンバイで同時多発テロ発生!市内8か所爆破テロで80名死亡
米国時間 2008年11月26日午前11時59分 | NBCニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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ムンバイ駅のテロ爆破現場から警察の手で救出された子供 しかし、この子の親はいったいどうなったのだろう?

Terrorists Attack in Mumbai, Hold Westerners
At least 80 people killed in gun, grenade attacks on hotels, train station
NOVEMBER 26, 2008 | MSNBC News — BREAKING | Translation by ysbee
MUMBAI, India — Terrorists armed with automatic weapons, bombs and grenades attacked at least eight sites in Mumbai on Wednesday and were holding Western hostages at two luxury hotels, authorities said. Police and Indian media reported at least 80 people were killed and 900 wounded.

インド・ムンバイで同時多発テロ発生
インド・ムンバイ発 |現地時間で26日水曜夜、インドの近代的商業都市ムンバイで、機関銃や爆弾、手榴弾で武装したテロリストが、少なくとも8カ所以上を同時に襲撃。この同時多発テロの襲撃犯人たちは、国際的にも著名なムンバイ市のふたつのホテル、タージマハルとホテルオベロイに数十人の西欧人のホテル客を人質に取って篭城中と、地元ムンバイ警察から発表があった。同警察とインド国内のテレビニュースの報道では、このテロ襲撃事件で少なくとも80名が死亡。250名以上が負傷したと伝えている。

[注:その後、情報は二転三転し、負傷者の数がいきなり800名になったかと思えば、その2時間後には125名に縮小するなど、現場の警察情報にかなりの混乱が見られる。逆に死者は87名へと増えた。現地では一夜明けたというのに、人質の数はいまだ皆目掴めていない。]
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爆破のあった現場のひとつ、ムンバイの鉄道のステーション構内 死者も負傷者も確認の度に数が増える

2. Targeted popular places for the Westerners

The gunmen targeted five-star hotels, a popular restaurant, a police station, a crowded train station and other sites in India's financial capital in attacks that began late Wednesday and continued into Thursday, police and witnesses said. Explosions were heard at the Taj Mahal Palace & Tower hotel, and an ensuing fire engulfed the top of the landmark building early Thursday.
欧米人に人気のある場所がターゲットに
機関銃や手榴弾で武装した犯人たちは、インド経済の中心であるムンバイ市内で、ふたつのファイブスターホテルや、著名レストラン、病院、交番、鉄道の駅などをターゲットにし、水曜深夜から木曜朝にかけて爆破や銃撃などの襲撃を展開。ホテルや病院では人質をとって立て篭っている。木曜未明には、タジマハール・パレス&タワーホテルで大きな爆発音がしたあと、同市のランドマークにもなっている由緒ある建物の最上階は、燃え盛る炎と猛煙に包まれた。
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タージマハールのアーケード街ルイヴィトン 上階からシーツやカーテンを伝って避難する宿泊客にやっとハシゴ車が

3. Five-star hotels: Taj and Oberoi blazed

Screams could be heard and enormous clouds of black smoke rose from the century-old waterfront edifice. Firefighters were spraying water at the blaze. Meanwhile, army troops began moving into another hotel, the Oberoi, thought to contain hostages. "We have reports of 80 people dead and at least 250 injured. Many have serious injuries and the toll will go up," P.D. Ghadge, a police officer in the main control room in Mumbai, told Reuters.
ムンバイのシンボル、タージマハールホテル炎上
数世紀にわたってインド洋のウォーターフロントにそびえ立つ由緒あるクラシックホテル、タージマハール・キャッスル&タワーは、テロリストが侵入し火を放った最上階から黒煙が激しく立ち上り、内部に取り残されたホテル客の悲鳴が飛び交い、駆けつけた消防士たちが必死で消火の水を放出する。一方でインド陸軍の武装した兵士の一隊は、宿泊客が人質になっていると思われるもうひとつのホテル、ザ・オベロイへと向かった。
「現在までの報告では、80名が死亡、少なくとも250名が負傷した模様だが、負傷者の多くは瀕死の重傷であり、犠牲者の数は現在よりももっと増えるだろう」ムンバイ警察の総合司令室で検死担当官のガッジ医師は、ロイターの取材に答えてこう報告した。
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爆破現場から搬出される負傷者 その数も当初の250人から800人へ急増したが、現在は125人に減少

4. Police continuing to battle the gunmen

A.N. Roy, a senior police officer, said police were continuing to battle the gunmen. "The terrorists have used automatic weapons and in some places grenades have been lobbed, the encounters are still going on and we are trying to overpower them," he said. At least four suspects were killed by police in two incidents when they tried to flee in cars, State Home Secretary Bipin Shrimali said.
武装したテロリストと戦闘状態の警察
ムンバイ警察のA.N.ロイ部長は、警察側と武装した犯人との戦闘はいまだに継続中だと報告した。「テロリストは機関銃を使用し、ある現場では手榴弾を投げ爆破している。犯人との衝突は今後も当然あるが、なんとか制圧するよう努力している最中である」
警察の制圧の結果これまでに少なくとも2カ所で4人の容疑者が、車で警察の追跡を逃れようとしたところを警察に襲撃されて死亡したと、国家保安局のビピン・シュリマリ長官から報告された。
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CSIムンバイ 逃走しようとした犯人は警察に包囲され死亡 犯人の靴や犯行に使用したAK47が路上に散乱

5. e-mail statement by Deccan Mujahideen

Home Minister R.R. Patil said nine others were arrested.The arrests come as heavily armed gunmen attacked a pair of luxury hotels, a crowded train station, a police station and other targets in Mumbai, and took people hostage early Thursday. An organization calling itself the Deccan Mujahideen sent an e-mail to news organizations claiming responsibility for the attacks. Terrorism experts said they had not previously heard of the group.
デカン・ムジャヒディーンから犯行声明
インド政府のR.R.パティル内相からは、警察は死亡した4人の容疑者の他に9名を逮捕したと発表された。木曜早朝の逮捕の内容は、ムンバイ市内のふたつのラグジュアリーホテル、混雑した鉄道のターミナル駅、警察の出張所、人気の高いレストラン、病院、映画館などへの武器や爆発物使用による襲撃と、その場に居合わせた一般市民を人質にした容疑によるものである。
犯行を実行に及んだ組織は、自らを「Deccan Mujahideen/デカン・ムジャヒディーン」(デカン高原の聖戦士)と呼び、今回の同時テロ攻撃を実行したのは自分たちであると明らかにした犯行声明のメールを、地元のニュースメディアに送っていた。しかしテロリズム研究の専門家たちは、いまだかつてそのような名前のテログループは聞いたことがない、と語っている。
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現場の防犯カメラが捉えた犯人の映像 目撃者の話では一見ティーンエージャーに見える若者たちだったらしい

6. Alert for U.S., U.K. passport-holders

Among those killed in the attacks was Hemant Karkare, chief of the police anti-terrorist squad in Mumbai, Indian television reported. The U.S. State Department said all U.S. diplomats in India were safe, but officials were still trying to account for any Americans who may have been staying in the hotels and other targeted areas. "At this point, we are unaware of any American casualties," said State Department deputy spokesman Robert A. Wood.
警察、英米人に厳重警戒を警告
一連の襲撃で死亡した犠牲者の中には、ムンバイ警察署のテロ対策軍団の司令官を務めるヘマント・カルカレ氏も混じっていたと、インドのテレビニュースでは報道している。
また米国国務省からは、インド駐在の国務省管轄の外交官はみな無事だったと発表があったが、ホテルに宿泊客として滞在していたか他の現場に居合わせたかもしれない一般の米国人に関しては、いまだにその安否を確認中だとも明らかにした。「現在の時点では、われわれのところへはまだひとりのアメリカ人の犠牲者も報告されておりません」国務省のロバート・A・ウッド広報次官は、記者団の取材に答えてこう報告している。
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爆破で負傷した背中を示すムンバイ市民 英国人・アメリカ人は人質か殺害の対象に

7. Trying to account for Americans

Gunmen opened fire on two of the city's best-known luxury hotels, the Taj and the Oberoi. The attackers specifically targeted Britons and Americans, witnesses said. The attackers were holding an unknown number of Western hostages at both locations, media reports said. NDTV reported gunmen asked for U.S. and U.K. passport holders to be pulled aside.
英人・米人を誰何(すいか)し人質として連行
武装したテロリストは、ムンバイ市でももっとも著名なラグジュアリーホテルの双璧、タジマハールホテルとホテルオベロイに侵入し、宿泊客に銃弾を放った。侵入者は、特にイギリス人とアメリカ人をターゲットにしたと、襲撃現場の目撃者は語っている。彼らは両方のホテルで、はっきりした数は不明だが相当な人数の欧米人を人質にとっていると、ニュースメディアは伝えている。現地NDTVのレポートによると、犯人らは米国と英国のパスポート所有者を選んで連行したと言う。
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露地裏に逃げ込んだ犯人を追いつめるムンバイ警察の狙撃手 しかしクルマのアンチックなこと!昭和30年代です

8. Attack on police station in the terminal

Assailants also attacked a police station, the crowded Chhatrapati Shivaji Terminus station in southern Mumbai and Leopold's restaurant, a Mumbai landmark. The motive was not immediately clear but Mumbai has frequently been targeted in terror attacks, including a series of blasts in July 2007 that killed 187 people.
混雑した鉄道の終着駅派出所も襲撃
暗殺者たちはまた、ムンバイ市南部にある世界遺産としても有名な、人ごみでごった返すチャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅や、19世紀からのムンバイ名物レストラン、レオポルズ・カフェ、警察の派出所、映画館、病院なども同時に襲撃した。今回の同時テロ攻撃の動機はまだ定かではないが、ムンバイ市はこれまでにもしばしばテロ攻撃の対象となってきた。その中には、2007年7月の連続爆破事件があり、その時には187名が犠牲になっている。 »» 続く
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爆破でドアが損傷したターミナル駅構内の交番オフィスで現場検証するムンバイ市警察

【 米国時間 2008年11月26日 『米流時評』ysbee訳 】f0127501_6213945.jpg


MSNBC News Video | Gunmen Open Fire In Mumbai


CNBC News Video | Terrorist Attacks in Mumbai Kills over 100

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by ysbee-2 | 2008-11-26 09:06 | インド・ムンバイテロ
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