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カテゴリ:イスラエル・ガザ戦争( 23 )

自由への厚い扉/エジプト側のガザ国境再開!

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   ||| ガザ・エジプト間の国境再開 |||

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  ガザのラファ国境、待望の再開!初日にビザ所持者1千名がエジプトへ入国
  アラブ連盟もガザ入り、イスラエルの戦争犯罪立証のため、現地で調査開始


d0123476_18552829.gifガザの国境の壁で対立するユダヤ人とパレスチナ人。ふたつの民族の帰属をめぐって数千年にわたって抗争が繰り返されてきた、聖書の時代からの永劫の戦地。昨年暮れから3週間続いたイスラエルのガザ侵攻は、周辺の中東アラブ世界は元より、和平を願う世界各国の耳目を集めてきた。
特に、常に中東和平を使命のように捉えている英国と米国にとっては、この地域の平定は政権の人気を左右するほどの影響力を持つ。米国では、クリントン国務長官の任命と時を同じくして、国際的紛争解決のベテランで北アイルランド紛争解決の立役者ジョージ・ミッチェルが中東特使に、コソボ紛争解決に貢献したリチャード・ホルブルックがアフガン・パキスタン特使に任命された。
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このふたつの地域は、イラク戦線とアフガン戦線というブッシュ政権から引き継がざるをえなかった「アメリカのふたつの戦争」の前線である。オバマ政権にとっては、公約通り戦争から平和へと転換していかねばならない、国家の中枢神経と国庫の予算をもっとも消耗させられる「現場」であることは確かだ。

こうした最前線の地域に対して、全神経を集中し現地政権と協力し、和平という最終のゴールまでもっていくためには、諜報と外交と軍事という国家の機能としての3つのパワーをスマートに操る、優れた政治力を発揮しなければならない。
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その新しいスマートパワー外交の萌芽が、先週のジョン・ケリー上院議員の中東歴訪に伺えた。ケリーのガザ訪問よりも1週間早く、オバマ政権からは中東へジョージ・ミッチェル特使が派遣され、従来からの親米国家であるヨルダン、エジプト、イスラエル、西岸を歴訪。各国の元首と新しい米国の外交方針に関して、直接会談が行われた。

この際にミッチェル特使はガザを訪れなかったのだが、元来人権擁護の意識の強いリベラル派からオバマ政権に対して「片手落ちである」と批判の声が上がった。しかし、イスラエルと左岸優先の場合に当然予測されたこうした批判の声も、もしかしたら非友好国へ非公式の特使を送るための「世論の裏付け」となる布石として必要という、政治的計算のうちだったのかもしれない。
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私の見るところでは、当初からオバマは両者の意見に聴く耳を持つ態勢であったと思う。しかし従来からの友好国家へは、国務省の立場を尊重し省の約定に従って、国務長官もしくは特使に公式訪問させる。国交を持たない国家あるいは政体(イラン、北朝鮮、ガザなど)へは、外交術に長けた議員を私的な立場で赴かせ、当地の代表と直接的な会話を持つ......という徹底した現場主義、実績主義のメソッドを展開している。

オバマは、こういうブッシュ政権時からは考えられない多面的なアプローチで、思い切った友好外交の道を拓こうと踏み出したように見える。今回のケリーのガザ訪問を検討しても明らかなように、オバマは外交の世界でも、実に驚くほどのプラグマチストであることがわかる。その成果は、次号の「9億ドルの同情/米国のガザ復興援助金」で詳説する予定である。
   【米国時間2009年2月22日『米流時評』ysbee】

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FEBRUARY 22, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年2月22日号
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Associated Press | B R E A K I N G
ガザのラファ国境2か月ぶりで再開! アラブ連盟も戦争犯罪調査でガザ入り
米国時間 2009年2月22日午後6時44分 | AP 通信・ガザシティ現地速報 | 訳『米流時評』ysbee

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Egypt Opens Gaza Border for 1,000 to Cross
The opening allows students, patients and others with visas to leave Gaza

FEBRUARY 22, 2009 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
GAZA CITY, Gaza Strip — Hundreds of travelers left blockaded Gaza for Egypt on Sunday, in one of the sporadic openings that enable students, patients and others with Egyptian visas to cross the border. About 1,000 university students and holders of foreign residency permits were eligible to cross, and by mid-afternoon Sunday, about 600 people had made the trip, border officials said.

初日にビザ所有者1千名以上が通過
ガザ地区・ガザシティ発 |22日日曜、長い間封鎖されていたガザ地区から、千人を越えるパレスチナ人がエジプトへと旅立った。今回のガザとエジプトをつなぐラファ国境関門の再開は、これまでにも繰り返されてきた瞬発的な国境オープンの例にもれず一時的な措置だが、大学生やエジプトの病院の患者にとっては、国境を越えて目的の果たせる待望の朗報となった。
エジプトの大学に所属するパレスチナ人学生やエジプトの永住権を持ったガザ市民1千名以上が、国境管理事務所でビザ確認の手続きを終えた後で、越境を許可された。係員の談話では、日曜午後半ばまでにすでに600名がエジプトへ入国したと報告している。
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長い間完全封鎖状態だったエジプトとの国境関門が再開され、ラファの検問所で査証チェックを受けるパレスチナ人

2. Arab League delegation arrived in Gaza

Also on Sunday, Arab League delegation arrived in Gaza, and the representatives of Gaza's ruling Hamas movement welcomed the delegation at the Rafah border crossing. Their visit is aiming to document alleged Israeli war crimes committed during its three-week offensive in the territory last month. The delegation of international legal and forensic experts will present its findings to the Arab League's chief, Amr Moussa.
アラブ諸国連盟の調査団ガザ入り
国境が開通した22日日曜には、アラブ連盟の視察団がようやくガザ入りを果たした。ガザを運営する政体であるハマスは、視察団一行の到着を諸手を上げて歓迎した。
彼らの視察の目的は、12月末から1月後半まで3週間にわたってイスラエル軍によって強行されたガザ侵攻の期間中、イスラエルの軍隊が犯した戦争犯罪の疑惑に関して、現地で実地調査し記録を取るためである。国際法および犯罪科学捜査の国際的エキスパートによって編成されたこの視察団は、調査資料を編成しまとめたあとで、アラブ連盟のアムル・ムーサ議長へ提出する予定である。
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22日の国境再開で初めてガザ地区へ入国したアラブ連盟の調査使節団 目的はイスラエル軍の戦争犯罪立証捜査

3. Investigation on alleged Israeli war crimes

Then Arab League with its 22 member states could try to pursue war crime charges in some nations that allow such lawsuits. Critics accuse Israel of using disproportionate force, and failing to protect civilians during its offensive, which was meant to halt years of Gaza militant rocket fire toward southern Israel.
イスラエルの戦争犯罪捜査展開
アラブ連盟に加盟する22の中東諸国は、使節調査団から報告書が提出されたあとで、戦争犯罪の成立する国家(ジュネーブのスイスやハーグ国際裁判所のあるオランダなど)の法的機関へ、「戦争犯罪」の被告としてイスラエルを起訴処分にする予定である。
イスラエル側の言い分としては、ガザ侵攻は数年にわたってハマスがイスラエル南部へロケット砲攻撃を繰り返した報復措置としての軍事行動であると弁明している。しかし今回のガザ侵攻で行なわれた軍事作戦の実態を、国際問題の専門家や軍事評論家は「イスラエル全軍による比較にならない軍事力による過剰攻撃」が行なわれ、侵攻作戦中「一般市民の保護を怠った」(実際には一般市民を無差別に殺戮した)と厳しく非難している。
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イスラエルとの国境に近いガザ地区北部のベイトラヒヤ難民村は、もっともひどい爆撃を受け壊滅した戦災地のひとつ

4. Discovered bodies from the tunnels

Also Sunday, the bodies of four people were found in a smuggling tunnel under the Gaza-Egypt border, a day after another body was discovered in the area. Medics said all five suffocated. The 20-month closure of Gaza by Israel and Egypt has boosted smuggling of arms and consumer goods through hundreds of border tunnels.
トンネル内で窒息死した遺体4体を発見
一方同じ22日日曜、ガザ・エジプト国境の地下を走る物資密輸のトンネルから、4体の遺体が発見された。その前日に同じ地区で一体の死体が見つかった直後のことである。検死した医師の報告では、これら5名の犠牲者全員の死因は窒息死だったと言う。
1昨年夏にイスラエルとエジプトによって強行された国境閉鎖によって、これまで20か月の長きにわたって、ガザ地区は完全に封鎖状態となった。その結果 (ガザには他に物資補給のルートがないため)、武器や生活必需品などのあらゆる物資が、ガザ地区の国境線の地下に掘られた数百というトンネルを経由して、密輸入されていた。
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イスラエル軍爆撃機の空爆で破壊された地下トンネルから、崩れた土砂を排出するガザ国境地帯のパレスチナ人

5. Border reopening, the key for the truce

Israel destroyed dozens of tunnels during its three-week offensive against Gaza's Hamas rulers last month, but smuggling continues. The fate of Gaza's borders is key in two sets of Egyptian-brokered talks — on a truce deal between Israel and Hamas, and on a power-sharing agreement between Hamas and its rivals from President Mahmoud Abbas' Fatah movement. Hamas ousted Abbas' forces in a violent takeover of Gaza in June 2007.
和平交渉展開の鍵となる国境再開
ガザの制圧者ハマス掃討という大義名文で、昨年12月26日から3週間続けられたイスラエル軍によるガザ侵攻作戦。この戦闘期間中に、イスラエル側はガザ地区内の数十カ所のトンネルを爆撃して破壊したものの、密輸は相も変わらず続けられていた。
このガザ国境線の趨勢は、現在エジプトが仲介役となって進めているイスラエルとガザのハマスとの和平協定をゴールとする和解の話し合いにとって、成否の鍵を握る重要な案件である。また、左岸地区のアッバース大統領の率いるファタハ勢力と、ガザ地区をとりしきるハマス勢力との間で、パレスチナ代表としての覇権を統合するのか分立させたままか、という国家成立の可否を賭けた問題を解決するための前提条件でもある。
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イスラエル側の国境の町ベテシバの関門で、ガザ地区への入国許可を待ち衛兵と押し問答をするパレスチナ人女性

6. Power-sharing talks to begin Wednesday

Power-sharing talks between Hamas and Fatah are to begin Wednesday in Cairo, said Azzam al-Ahmed, a Fatah official in the West Bank. Hamas officials reiterated Sunday that Fatah must first release hundreds of Hamas prisoners, but it's not clear if Hamas would walk away from the talks if its demands were not met. Efforts to form a unity government have failed in the past.
カイロでハマス・ファタハのパレスチナ2者会談
ハマスは2007年の6月にガザを武力制圧して、政敵だったアッバースのファタハ勢力(Fatah=ファター/ファタ)を左岸へ追放した。パレスチナの代表権をめぐって、宿敵同士であるハマスとファタハの間で行なわれる直接会談は、25日水曜にカイロで開催されると、左岸のファタハ高官であるアッザム・アルアハメド氏から発表された。
この件に関して、ハマス側高官は日曜「ファタハがまず先に、左岸の捕虜になっている数百人のハマス兵士を解放するべきだ」というハマス側の要求を強調した。しかしながら、万一この要求をファタハが受け入れなかった場合には、ハマスが会談の場を蹴るかどうかはさだかでない。
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07年夏ハマスの軍事制圧でガザ地区から追われ、西岸のラマラーで別のパレスチナ政権を樹立したアッバース政権

7. Strong motives for unity deal

Efforts to form a unity government have failed in the past. However, after Israel's Gaza offensive, both sides have stronger motives to try to make it work. Hamas needs a unity deal to end the blockade of Gaza and be considered a partner by the international community in rebuilding the territory.
パレスチナ統一国家への悲願
パレスチナの統一政府創設への努力は過去にも何度か試みられたが、そのたびに失敗に終わっていた。しかしながらイスラエルのガザ侵攻が終わった現段階においては、ガザのハマス、左岸のファタハの双方とも、なんとかして統一政府を成立させたいという動機が強まってきている。
ハマス側としては統一協定が結ばれれば、ガザの封鎖が解除になり、すでに国連からは国家承認されている左岸政府に統合協力するパートナーとして、国際社会からも承認を受けて地域再建が進められる、という希望がある。
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11日トルコの首都イスタンブールを訪問、反イスラエルのエルドガン首相(左)と会談するエジプトのムバラク大統領

8. Abbas needs support from Hamas

Abbas, meanwhile, has overstayed his term as president and needs a partnership with Hamas to shore up his dwindling political legitimacy. Abbas was elected to a four-year term which expired in January 2009, and pollsters say most Palestinians don't accept his claim that he could extend by a year.
政権継続にはハマスの協力が要るアッバース
一方、左岸ファタハ政権の代表アッバース大統領は、すでに任期の期限を越えて大統領職に留任していた。また今回のイスラエルのガザ侵攻で、左岸パレスチナ人の支持をますます失ったために、任期延長の合法性を疑問視されている難局から自らを脱出させる手段として、ハマスにパレスチナ政府のパートナーシップを与えて、地位存続を図る必要がある。
実際問題として、アッバースは今年1月に4年の任期を終了した。さらには、左岸地区で行なわれた世論調査の結果では、彼の任期をもう1年延長するというアッバース提案を、左岸のパレスチナ人のほとんどは承認しないという結果が出ている。
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12月26日空爆開始とともに真っ先に爆撃で破壊された、ガザシティのハマス本部会議場。写真は政府要人の犠牲者。

9. International conference in Egypt on March 2

International donor countries are meeting in Egypt on March 2 for a pledging conference, to raise money for Gaza's reconstruction. Hamas will remain sidelined, including in reconstruction efforts, unless it moderates and allows Abbas a foothold in Gaza.
3月初めにエジプトで再建協力国会議
きたる3月2日には、国連のUNRWAや国際赤十字など国際社会の人道救援基金団体が主催して、「ガザ再建」への寄金を募る大会をエジプトで開く予定である。ガザの復興に関しては、ハマスとの和解が整いアッバースのガザ帰還を足場を築かない限り、ハマスは再建計画を含めたガザ復興において、脇役へ回らざるを得ないだろう。
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地中海の陽光に恵まれたガザ地区では、貴重な財源となる生花や果物を栽培し、ヨーロッパ各国へ輸出している

10. Elderly man bit by dog in West Bank raid

In other developments Sunday, the Israeli military confirmed that an army dog bit an elderly Palestinian, Salem Bani Odeh, 99, during the pre-dawn raid Friday in the West Bank village of Tamoun. He was in his bed when he was bitten repeatedly. He remained hospitalized Sunday with a gash in his left ear. Israeli troops regularly use dogs to detect explosives and search for militants.
西岸の老人を軍用犬に咬ませたイスラエル軍
22日日曜までのガザ地区の現況報告の中に、イスラエル軍が認めた軍用犬による傷害事件がある。この事件は、20日金曜明け方に西岸のタムーン村で起きたもので、村の老人サレム・バニ・オデさん(99才)が、イスラエル軍の掃討作戦部隊の奇襲に遭った災難である。
夜明け前ベッドでまだ就寝中だったところを、イスラエル陸軍が連れてきた軍用犬が襲い、オデさんは繰り返し咬まれた結果、左耳を咬みちぎられた。日曜の段階でも、オデさんはまだ治療入院中である。ちなみにイスラエルの軍隊は、爆発物の発見やイスラム兵士の捜索発見の目的で、通常作戦中でも軍用犬を引き連れている。 <了>

【 米国時間 2009年2月22日 『米流時評』ysbee訳 】
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産業のきわめて少ないガザ地区では、古代からの自給自足の牧畜や漁業を現在でも続けているパレスチナ人も多い

  >2/15 「絶望と希望のはざまで・ガザ停戦」 ハマスとイスラエル
  >2/19 「ジョン・ケリーのガザ巡礼」 リベラルとパレスチナ
  >2/21 「鼎頭の鷹の旗の元に/イスラエル組閣難航」 カディマとリクード党
  >2/22 「自由への厚い扉/エジプト側の国境再開!」 エジプトとガザ
  <2/23 「9億ドルの同情/米国のガザ復興援助」 パレスチナとオバマ
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*米流時評 特集『ガザ戦争』記事リストへ続く
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by ysbee-2 | 2009-02-22 20:18 | イスラエル・ガザ戦争

ケリー上院議員のガザ視察/リベラルとガザ

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   ||| ジョン・ケリーのガザ視察旅行 |||

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オバマの個人的なアドバイザーで上院の重鎮、ジョン・ケリー議員のガザ訪問
ミッチェル中東特使のイスラエル・左岸訪問と別個に、ガザの現地被害を視察


d0123476_18552829.gif村上春樹氏がイスラエルでエルサレム賞を受賞してから1週間経った。
ガザのひとびとの風前の灯火の運命を「卵」に例え、
イスラエルのシステマティックな侵攻、あるいは封鎖弾圧体制を「壁」に例えて
「それでも私は卵の側の立場をとる」と言い切った作家。
イスラエルの御大、ペレス大統領と文字通り隣席しての
正面切った「権力の横暴」に対する抗議。
思想を言葉へ、そして行動へと体現した、彼の勇気ある姿勢は、
われわれにも 自らの精神の立ち位置をあらためて確かめさせるような
充分なインパクトがあった。
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それは別に政治に関心のあるなしにかかわらず
「はたして、自分が正しいと思えることを今やれているだろうか?」
と真っ正面から問いかける疑問だった。
村上氏の行動が図らずも発したその問いかけは、
我々ひとりひとりが、自らの人生の軌跡を振り返ざるをえないような、
心の岸辺に打ち寄せる波紋を投げかけた。

昨年暮れからガザの記事を連載して以来、
随分ひどい中傷のデマや スパムの妨害に会ってきたが、
村上氏の「卵の側をとる」発言でふっ切れた。
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私は人気取りで書いているわけでもなければ、
政治的意図があって書いているわけでもない。
あくまで世の中の出来事の真実が見たいだけだ。
そして私なりに把握できた範囲で、その情報をシェアするだけだ。
わかる人にわかってもらえれば、私はそれで満足である。
その情報をどう判断し どう行動するかは、その先の個人の問題だからだ。

村上氏の立ち位置と似たような選択を、
一昨年のミャンマーの僧侶デモと虐殺事件の際に、エントリの中で書いていた。
写真につけたキャプションだったかもしれない。
数ある写真の中でも私が選ぶのは、
いつも機動隊とは反対側、石を投げる側に立った写真になる、と書いた。

政治的判断、あるいは法的判断での正悪は、
いずれ裁判や、もしくは歴史の判断が下されて、黒白がつくだろう。
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ただ、機関銃と装甲車で完全武装した体制側に向かって、
素手で石を投げるしかない民衆が立ち上がったのなら、
私は その無謀と呼ぶしかない決死の行動に出た人間に対して、
「頑張れ!」と声をかけるしかない。
撃たれるなと、うまく逃げろと。

そして、かつてダビデがゴリアテを倒した一撃のように、
いつか小さな石が強大な弾圧の体制を倒す日がくるまで、
しっかりと、堂々と、生き延びろと。
   【米国時間2009年2月19日『米流時評』ysbee】

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FEBRUARY 19, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年2月19日号
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Associated Press | B R E A K I N G
オバマの切り札、米国上院の重鎮ジョン・ケリー議員 ガザ現地視察訪問
米国時間 2009年2月19日午後0時27分 | AP通信・ガザシティ発 | 訳『米流時評』ysbee

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Kerry Makes Rare U.S. Visit to Gaza Strip
Strikes in response to Palestinian fire further strain an informal cease-fire

FEBRUARY 19, 2009 | Association Press — BREAKING | Translation by ysbee
GAZA CITY, Gaza Strip — Sen. John Kerry came to the Gaza Strip on Thursday, the highest-level visit by a U.S. official since the Hamas militant group seized power in the territory nearly two years ago. Accompanied by U.N. escorts, Kerry said he was in Gaza to view the aftermath of Israel's recent military offensive against Hamas.

オバマの切り札ジョン・ケリー、ガザへ
ガザ地区・ガザシティ発 |2004年の大統領選立候補者で米国民主党の重鎮、ジョン・ケリー上院議員は、19日木曜、イスラエルのガザ侵攻で甚大な戦災の被害を被ったガザ地区を、実地視察のため訪問した。今回の視察旅行は、2年前にハマス軍団がガザ地区を制圧して以来、米国の政治家としては最高ランクの政府高官による訪問となった。
現地では、国連出先機関UNRWAのガザ担当官が同行したが、ケリー議員は今回ガザを訪れた目的は、先回のイスラエル軍によるハマスへの侵攻作戦の、戦後の現地状況を実地に視察するためであると語った。
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エルサレムではシモン・ペレス大統領(右)とオルメルト首相と会談したケリー上院議員。このあとガザへ向かった。

2. Hamas official welcomed arrival of Americans

Hamas official Ahmed Yousef welcomed the arrival of the Americans. "We highly appreciate the visit of any delegation that wants to find out the facts and see what has happened on the ground in Gaza," he said. Israeli government spokesman Mark Regev said Kerry met Prime Minister Ehud Olmert early Thursday, but made no mention of his plans to go to Gaza.
米上院議員の訪問をハマス代表は歓迎
ハマスのガザ政府高官アハメド・ユセフ氏は、アメリカ人のガザ訪問を歓迎すると次のように語った。「ガザの地で何が起きたのかをその目で実際に確かめ、真実を見出したいと思う人々ならば、我々はたとえどの国の使節であれ、その訪問に大いに感謝します。」
一方、イスラエル政府のマーク・レゲブ広報官は、ケリー議員は木曜の午前中エフド・オルメルト首相と会談したが、その席ではガザ訪問の予定については一言もふれなかった、と洩らした。
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新しい元首が決定するのも間近のオルメルト首相 ジョン・ケリーはオルメルトとも会談したがガザ訪問は内密だった

3. Possible harbinger of a new U.S. approach

Kerry did not meet with anyone from Hamas, which the U.S. shuns as a terrorist group, and used the visit to urge the group to end its violent campaign against Israel. However, the presence of the Massachusetts senator and former Democratic presidential nominee was a possible harbinger of a new U.S. approach in the region.
米国の新しい中東政策の兆候
ケリー議員は、米国政府がテロ組織としてブラックリストに載せている関係で、ハマスの要人とは一切会わなかった。また今回の訪問を利用して、ハマスに対してはイスラエルへの暴力行為(ロケット砲撃・自爆テロなど)を終結するよう呼びかけた。
しかしながら、2004年にブッシュと大統領選を競ったこのマサチューセッツ州選出のベテラン上院議員がガザを訪れたという事実は、中東、特にガザ地区に対する、オバマ政権による米国の新しい外交政策「話し合いによる平和外交」の可能性を伺わせるには充分の兆候だった。
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昨年暮れから22日間続いたイスラエル軍爆撃の犠牲者は1340人以上 その半数以上が子供を含めた一般市民

4. Serious commitment to the Mideast

Since taking office last month, President Barack Obama has said he wants to improve America's ties with the Muslim world. Kerry is considered close to Obama, and a separate visit to Gaza by Rep. Keith Ellison — the first Muslim congressman — and Rep. Brian Baird of Washington also came to Gaza on Thursday. Their visits were another possible sign of a new U.S. approach to the region.
中東への通り一遍ではないアプローチ
先月20日にホワイトハウスに就任して以来、バラク・オバマ大統領は、(ブッシュ政権のイラク戦争で敵対した)アメリカとイスラム世界の絆を改善したいと語ってきた。ケリー議員は2004年の民主党大会で、当時まだ新人の上院議員だったオバマ氏に基調演説を指名して以来、お互いに特別信頼を置く間柄だった。
今回のガザ訪問は、たまたま同日ガザを視察に訪れた2人の民主党議員、キース・エリソン下院議員(米国議会上下両院で初めて選出されたイスラム教徒議員)とワシントン州選出ブライアン・ベアード下院議員と重なった訪問だった。彼らの視察旅行もまた、米国の直接平和外交の新しい兆候を示す現れと言えるだろう。
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 左:爆撃で壊滅したガザ市内国連学校の瓦礫を実地に視察する、米国民主党のブライアン・ベアード下院議員
 中:もうひとつのパレスチナ、ウェストバンク(左岸)の米国とイスラエルの傀儡政権代表アッバース大統領
 右:ヨルダンでは国王夫妻から一般国民まで、献血運動や献金活動でガザパレスチナ人支援のデモを連日展開


5. Sporadic violence after cease-fires

Israel launched the offensive in response to years of Palestinian rocket attacks on its south. The sides declared separate cease-fires Jan. 18, but sporadic violence has persisted while Egypt works to broker a long-term truce.
一時的停戦後も続く小競り合い
パレスチナとの国境に近い南部のベテシバやスデロットの町へは、長年にわたってガザ地区からハマスがロケット攻撃を行なってきたが、昨年暮れにイスラエルは業を煮やして大々的な反撃へと軍事攻勢を開始した。その後連続22日間の激しい爆撃による侵攻を続けた後に、1月18日にイスラエル、ハマスの両軍がそれぞれ別個に、一時停戦と勝利宣言を発した。しかしその後も、エジプトが仲介に入って長期的和平交渉を調停する一方で、両軍のあいだでは局地的な小競り合いが続いていた。
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ガザ地区の総人口140万人の半数が18才以下の子供と若者、失業率は50%を越えるという凄まじい経済状況

6. Widespread mass-destruction and refugees

The operation killed some 1,300 Palestinians, including hundreds of civilians, caused widespread destruction and left thousands homeless. Kerry toured the ruins of an American-style school that was destroyed in the Israeli bombing, and visited a neighborhood in northern Gaza where dozens of homes were flattened.
ガザの壊滅的被害と膨大なパレスチナ難民
イスラエル軍のガザ侵攻作戦では、結果的に数百人の一般市民を含む1300人以上のパレスチナ人が殺され、国土の大半が爆撃で焦土と化し、数万人が家屋を失い難民化した。ケリー上院議員は、イスラエルの空爆で壊滅したアメリカンスタイルの国連学校の廃墟を訪れたあと、被害甚大で見渡す限り焼け野原と化した、ガザ北部ベイトラヒヤの難民村の惨状を視察した。
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南北に細長いガザ地区の中でもイスラエルとの国境に近い北部と東部は、イスラエル軍の爆撃で壊滅的に破壊された

7. Kerry, authority of U.S. Foreign Relations

"Let me make this clear, there is no change in policy," said Kerry, who chairs the Senate Foreign Relations Committee. "I am here to listen with the U.N. personnel on the ground. The things we need to do is to improve the situation in the region," he said.
上院外交委員会の権威でもあるケリー
民主党の重鎮で米議会上院外交委員会の常任委員でもあるケリーは、今回のガザ訪問に関する彼の立場をこう説明した。
「前もってはっきりさせておきたいことがあります。それは私がこの地を訪問したからと言って、米国の外交方針が変わったわけではない、ということです。私がここへやってきたのは、ガザの現地事情に精通する国連の担当者から、直接話を聞くためです。われわれが今しなければならないことは、この地域の状況を良い方向へともっていくことですから。」
(訳者注:ガザ地区の政権を握るハマスは、米国国務省からはテロ組織として認証されており、正式の国交はない。というよりも、テロ戦争状況下では敵性国家とみなされる立場にある。)
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エジプトとの国境の町ラファの国連人道救援機関UNRWAガザ支部が続けている食糧の配給に集まった子供たち

8. 'We need to live respectable lives'

He also spoke to residents, including Shaarhabel Alzeem, a prominent attorney. "We highly appreciate your visit here and hope you can talk to your colleagues and say that we want peace with Israel. But we also need to live respectable lives," Alzeem told the senator.
「人間として尊厳のある暮しを」
ケリー議員はまた、ガザの現地住民からも話を聴いた。その中のひとりでガザでも有数の弁護士であるシャーラベル・アルズィーム氏は、ケリーに向かって次のように訴えた。
「われわれは、貴方がここガザへ直接訪れたことを大いに感謝しており、当地でのあなたの体験を仲間の議員のみなさんに伝えていただければと望んでいます。そして、われわれガザ市民はイスラエルとの平和を望んでいるという事実を、ぜひ伝えてください。さらにはわれわれガザ市民もまた、同じ人間として尊厳のある人生を生きる必要があるのだ、という真実も。」
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1948年国連承認のイスラエル建国で土地を奪われたパレスチナ人は狭いガザ地区へ押し込まれ難民となった。
爆撃のひどかったジェバリヤ難民村では、住民が避難していたモスクと学校が、真っ先に爆撃の対象となった。


9. Kerry pointed to stop the rocket-attacks

"Your political leadership needs to make it clear how it is willing to move to make peace and those decisions have not been made yet," Kerry responded. "Your political leadership needs to understand that any nation that has rockets hitting it for many years threatening its residents is going to respond."
ケリー、ロケット攻撃の脅威を指摘
アルズィーム氏の「ガザ市民はイスラエルとの和平を望む」という意見に対して、ケリーは次のように答えた。「あなたがた(ガザ市民)の指導者は、どれだけ和平を結びたいと思っているのか、外部に対してはっきり示さなくてはいけません。実際には、まだそういった決意を固めてないように見えます。隣の国が何年もの間ロケット砲撃を続けて、住民の生活を脅かしたら、やはりどんな国であれ、報復措置に出るのは当然の成り行きでしょう。」
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ハマスのロケット砲によるイスラエル南部の住宅被害。窓ガラスも片方だけ破損する程度。これに対するイスラエル側の報復は、陸海空三軍の無差別爆撃である。

10. First U.S. envoy since terror-attack in 2003

Visits by U.S. officials to Gaza have been rare since Palestinian militants blew up an American diplomatic convoy in 2003, killing three people. Before Thursday, no American officials had come to Gaza since Hamas won Palestinian elections in June 2006. The group violently seized control of Gaza the following year after a brief civil war.
03年米国使節テロ攻撃以来のガザ訪問
2003年にパレスチナ人の武装勢力が米人外交官の車を襲い、爆破によって3名が死亡するというテロ事件が起きて以来、米国とガザとの外交関係は断絶している。そのため、米国政府の有力議員によるガザ訪問というケースは、非常に稀である。
さらに2006年6月の総選挙でハマスが勝利を収め、政権を掌握してから19日木曜までの間というもの、米国高官は誰一人として、この地を踏んだ者はなかった。選挙の翌年07年の夏には、短期間ではあるが、ハマスとファタハの市民戦争が勃発。その結果指導者ハニエの率いるハマスが、アッバースの率いるファタハを暴力で駆逐して西岸へ追いやり、ガザ地区の完全掌握に成功した、という政治的背景がある。
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アッバース政権の左岸でも連日イスラエルのガザ侵攻抗議デモ、機動隊に投石するハマス支援のパレスチナの若者

11. IDF still hitting the tunnels

During the day, Israeli warplanes attacked six suspected weapons-smuggling tunnels in southern Gaza in response to new rocket fire, the army said. The airstrikes set off a huge explosion, signaling a weapons cache had been hit, the army said. The airstrikes took place about 20 miles from where the lawmakers were visiting; there were no reports of injuries.
継続するガザトンネルへの爆撃
ケリー上院議員が訪問していたこの日の日中、イスラエル側では武器の密輸に利用されているとして、ガザ南部のラファ近辺で地下トンネルとおぼしき地点6カ所を、イスラエル空軍の戦闘ジェット機が空爆した。イスラエル陸軍広報では、新規のロケット攻撃への報復措置だと公表した。この空爆によって巨大な爆発が起きたが、多分地下に隠されていた爆薬に命中し誘爆したものと説明している。
この空爆は、ケリー上院議員が訪れていた場所からわずか20マイル(約32キロ)しか離れていなかったが、負傷者の報告はなかった模様である。 <了>

【 米国時間 2009年2月19日 『米流時評』ysbee訳 】
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ガザ地区は空爆で爆心地のように壊滅的に破壊された廃墟だけが残った。オバマ政権では復興再建援助資金を予定

  >2/15 「絶望と希望のはざまで・ガザ停戦」 ハマスとイスラエル
  <2/21 「三頭の鷹の旗の元に/イスラエル組閣難航」 カディマとリクード党
  <2/22 「自由への厚い扉/エジプト側の国境再開!」 ガザとエジプト
  <2/23 「9億ドルの同情/米国のガザ復興援助金」 パレスチナとオバマ
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by ysbee-2 | 2009-02-19 18:36 | イスラエル・ガザ戦争

「沈黙の壁を越えて」村上春樹とイスラエル-3

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   ||| 沈黙の壁を越えて・作家の魂 |||

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作家としての村上春樹の生き方:『朱雀式』2/17号「羊男のエルサレム」より

d0123476_18552829.gif村上春樹氏のエルサレム賞受賞式でのスピーチは、ずいぶん沢山のブログでとりあげられ、そのどれもが彼の行動と勇気に敬意を表するものでした。
シリーズの最後に、数あるエントリの中でも心に残った一編を。最近推奨ブログにリストアップした『朱雀式』の2/17号からの抜粋です。

  やはりどなたにも、それぞれの「羊男論」があるようですが、
  ここでもやはり、文学者としての村上氏のペンの力に対する賞賛を惜しみません。
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  さらには、私もそうでしたが、彼の言動一致の勇気に動かされ、
  自らの生き方の原点を 振り返った方が多かったのではないでしょうか。
  朱雀氏の展開にも そうした軌跡が見られます。

  ねずみや羊男が彷徨った長い旅路、はるかなる放浪。
  辿り着く場所が、原点なのか到達点なのかさえわからずに 
  魂のベクトルが指し示すまま あてどなくさすらった荒野の果てに、
  もしかしたら村上氏は、自らの創作の あるいは人生の、
  究極の目的を見出したのかも知れない.....
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  壁に見立てた「体制」と、その規制や弾圧と闘う、脆弱な卵としての「個」
  あるいは、人間の自由な精神。
  その具体化しにくい観念上の闘争を、見事に言い表した比喩。

  精神の自由という、かたちにならない魂のエネルギーを
  自らの行動で示して見せた作家。
  一閃の輝きの中に人生を見るような、秀逸なエントリです。

  【米国時間2009年2月18日『米流時評』ysbee】

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FEBRUARY 18, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年2月18日号
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   B E I R Y U | C U R R E N T
作家としての村上春樹の生き方:『朱雀式』2/17号「羊男のエルサレム」より
米国時間 2009年2月18日 | ブログ『朱雀式』より | 転記『米流時評』ysbee

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ブログ『朱雀式』2/17号「羊男のエルサレム」より

<前略>...... 僕は文章についての多くを村上春樹に学んだ。
村上春樹は、デレク・ハートフィールドと同じく、
文章を武器として闘うことができる 数少ない非凡な作家だった。

両者の大きな違いは、ハートフィールドが 死ぬまで自分の闘う相手の姿を
明確にとらえることができず、不毛なままの一生を終えたのに対し、
村上春樹は生き続けて、現実世界と言葉で闘うことができるようになったことだ。
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そんなわけで、村上春樹は、エルサレムで堂々と、
イスラエルの暴力を真っ向から婉曲に批判し、
エルサレム賞の恥ずべき歴史に輝かしい一ページを加えることとなった。

  <中略>......「この暗喩の意味とは?
  ある場合には、まったく単純で明快すぎます。
  爆破犯(bomber)と戦車とロケット弾と白リン弾は高い壁です。
  卵とは、押しつぶされ焼かれ撃たれる非武装の市民です。
  これが暗喩の意味するところのひとつです。

  しかしながら、常にそうではありません。より深い意味をもたらします。
  こう考えて下さい。
  私たちはそれぞれ、多かれ少なかれ、卵です。
  私たちそれぞれが壊れやすい殻に包まれた
  唯一無二のかけがえのない存在(soul)です。
  
  ・・・・・「村上春樹: 常に卵の側に」


(*編者注:朱雀氏も引用したように、日本の報道では「bomber」を爆破犯と訳した媒体もあったようですが、村上氏の文脈から推して、また空爆から始まった戦況から判断して「bomber」は通常米語で「爆撃機」と解釈できます。自爆テロの場合は suicide-bomber。蛇足ですが、イラクの靴投げ抗議は shoecide bomber。)
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村上春樹は、壁の下敷きになって死んでいく弱者たちだけでなく、
僕たちの存在全てを「卵」と呼んだ。
もちろん、このスピーチによっても問題は何も解決していないし、
語り終えてもあるいは事態は全く同じと言うことになるかも知れない。

結局のところ、言葉を語るというのは変革の手段ではなく、
変革へのささやかな試みにしか過ぎないからだ。
しかし村上春樹は、「個人の自由に与える賞」を受賞するために
エルサレムまで行き、
個人の命を奪い続けている力を 批判する言葉を語った。
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「村上春樹はこんな賞を辞退するべきだ」と非難した人も、
「作家がどんな賞をもらってもいい。小説と政治は関係ない」
と擁護した人も――無論、僕も含めて――
村上春樹の作家としての戦闘的な姿勢を知らなかった、
あるいは村上の「コミットメント」を信用していなかった、ということだろう。

この受賞スピーチは、とても真摯な、
しかもこれだけで成立しうる批評的な作品 と言っていいものだと思う。
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かつて村上春樹は、自らの作品の中でこう書いた。

 「僕たちが認識しようと努めるものと、実際に認識するものの間には
  深い淵が横たわっている。
  どんな長い物差しを持ってしても その深さを測りきることはできない」


それでも彼は、決して物差しを手離そうとはせず、
世界を認識する努力をあきらめなかった、ということだろう。

初期の村上春樹の小説は、冒険をしても 主人公が全く成長せず、
出会いがあっても変わらず、ある種の「不毛な」物語ばかりだった。

しかし あれから30年が過ぎ、
今や不毛の大地は 象が帰る草原となり、
彼は力強い言葉で 世界を語り始めたのだ。

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>>ブログ『朱雀式』2/17号「羊男のエルサレム」で全文を読む
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  >2/16 「ガザの壁と命の卵」 村上春樹とイスラエル-1
  >2/17 「投げつけられた卵」 村上春樹とイスラエル-2
  >2/18 「沈黙の壁を越えて」 村上春樹とイスラエル-3

  <予告「Good News, Bad News, Everything in Between」
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by ysbee-2 | 2009-02-18 18:06 | イスラエル・ガザ戦争

「投げられた卵」村上春樹とイスラエル-2

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    ||| 「投げられた卵」村上春樹とイスラエル-2 |||

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meixiさんのブログから Jerusalem Post 紙「村上春樹エルサレム賞受賞」対訳

d0123476_18552829.gifこのブログ『米流時評』を始めた当初からおつき合いいただいている方々がいる。「かたがた」と言うのもてれくさいようなポン友なのだが、忌憚なくほめたりけなしたり、冗談を言いあったりできる、ありがたい存在である。

  しかしその中には、ある日突然更新が止まったり、
  あるいは、こちらからのアクセスが効かなくなったりしたブログもある。
  ちょうど実社会で、行きつけの店が ある日行ったら閉店していたり、
  同僚が突然転勤して引っ越したような、そんな感触と似ている。
  非常に残念ではあるが、それが人生さ、と歩き続けるしかない。
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  そうした中で、いつも励まし続けてくれた方のひとりに
  長野で塾を運営してらっしゃるmeixiさんがいる。
  先生で、主婦で、高校生・中学生のお母さんで、
  なによりもしっかりした個人の意見を言い合える、素敵な女性である。
  ときどき披露する「うっかり」体験もご愛嬌。

  彼女も主に英文記事の翻訳で、海外情報を伝えてくれている。
  なぜか、中国とトルコに興味をお持ちである。
  私のブログが、殺伐としたテロや戦争の記事が多いのに比べ
  彼女のピックアップする題材は、
  いつもヒューマニズムの感性にふれる 暖かい記事が多いのも特徴。
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  今回も、村上春樹氏のエルサレム賞受賞に関して、
  現地の英字新聞の全訳とともに、エントリを上げられた。
  記事が長いので、前後編2編に分けての掲出である。
  ぜひ、ご一読をおすすめする。
  たとえ彼女と友だちでなかったとしても、多分、読んで良かったと思える記事なので。

  【米国時間2009年2月17日『米流時評』ysbee】

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FEBRUARY 17, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年2月17日号
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   B E I R Y U | C U R R E N T
meixiさん〜Jerusalem Post紙掲載「村上春樹エルサレム賞受賞」記事の紹介
米国時間 2009年2月17日 | By meixi『英文記事を読む』前後編 | 転記『米流時評』ysbee

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meixiさんのブログ 2/19号「村上春樹氏、ガザ攻撃を批判」より

村上春樹氏がエルサレム文学賞を受賞したことで、
イスラエルでの授賞式へ行かないように との世論が巻き起こりましたが、
彼は迷った末に、「沈黙するより、述べることを選んだ。」と述べ、
受賞講演で イスラエルを直接名指しはしませんでしたが、
イスラエルを批判するスピーチを行いました。
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村上氏は「私たちを守るはずの体制が、組織的に人を殺すことがある。」と述べ
その体制を「高い壁」に例え、
守られなければならない人々を「壊れやすい卵」に例え、
その体制と戦うために 一人ひとりが団結しなければならない
とメッセージを送りました。

イスラエルへ行き、イスラエル政府高官も出席する式典にて、
イスラエル批判のスピーチをした村上氏の その勇気と行動に感銘を受けました。

彼のメッセージをどう受け止めたかは 人それぞれでしょう。
しかし、彼のスピーチ後半の部分の意味を理解できた人は、
「自分に何が出来るか?」そう問いかけ、行動することで、
彼のメッセージを本当に理解できた と言えるのではないでしょうか。
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私はJerusalem Postの記事を訳してみました。
記事の見出しは、『村上氏、ガザ攻撃を批判』としたかったのですが、
イスラエルのメディアの記事なので、英文の意味そのままで日本語に訳しました。
日本で発表されたスピーチの内容と、
Jerusalem Post が発表した彼のスピーチを比べると、
明らかに イスラエルに都合が悪いことは削られていることが分かり、残念です。

では、記事の訳を。
(以下全文対訳の中から一部抜粋。あとはぜひ元記事でご一読を)
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"Israel is not the egg"— Murakami, in trademark obscurity, explains why he accepted Jerusalem award
『村上氏、独特の難解さで、受賞理由を説明』

「だから、私はエルサレムに来ました。作家としてきたのです。
 それは、嘘の紡ぎ手としてということです。

作家だけが嘘をつくのではありません。
政治家も(申し訳ありません、大統領。)、そして外交官も嘘をつくのです。
しかし、作家は他の人たちと区別されます。
作家はその嘘がもとで 起訴されることもありません。むしろ賞賛されます。
そして 嘘が大きければ大きいほど、賞賛されるのです。
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私たち作家の嘘と 彼らの嘘との違いは、
作家の嘘は 真実をもたらすことを助ける ということです。
真実の全てをはっきりさせることは 難しいことです。
だから作家は それをフィクションの分野へと 置き換えるのです。
しかし、はじめに、私たち作家は、
自分の中のどこに真実があるのか、はっきりさせなければなりません。

今日、私は真実を語ります。
嘘を言うこととは係わりを持たない日、
つまり真実を語るという日は、一年に数日しかありません。
今日が その真実を語る日なのです。


>>このあとにも、記事の対訳が続き、前後編に分かれています。
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meixiさんのブログで「村上春樹氏、ガザ攻撃を批判」全文を読む
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   >2/16 「ガザの壁と命の卵」 村上春樹とイスラエル-1
   >2/17 「投げつけられた卵」 村上春樹とイスラエル-2
   <2/18 「沈黙の壁を越えて」 村上春樹とイスラエル-3
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by ysbee-2 | 2009-02-17 12:16 | イスラエル・ガザ戦争

村上春樹とイスラエル/ガザの壁といのちの卵

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   ||| 「卵と壁」村上春樹とイスラエル |||

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エルサレム賞受賞の村上春樹が、イスラエルから世界へ伝えた勇気あるメッセージ

d0123476_18552829.gif例の「イスラエル賞」を受賞した村上春樹氏の話である。そもそもは、パレスチナ関連の記事を連投なさっているピーさんのブログ『P-navi info』で、先月末に彼が文学賞を受賞したことを知り、これは問題になるな、と感じていた。

文学と政治は別物、と割り切って受けるにしろ、イスラエルのガザ侵攻は許せない、と拒絶するにしろ、彼なりの「イスラエル観」を表明せざるをえない結果になるだろうと予測したからである。

この問題で口をつぐむことは、言わば第二次大戦時にヒットラーのドイツ第三帝国によるユダヤ人の虐殺を、事実を知りながら看過したヨーロッパのナチス迎合派と同じ立ち位置になる、と私は解釈しているからだ。戦争のきっかけがどちらにあったか、などというテクニカルな話題で問題の焦点をそらそうとするメディアもある。
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しかし一番の問題は、イスラエルの強行した「虐殺行為」あるいは数年後には「戦争犯罪」と呼ばれるであろう、逸脱した軍事行動にある。これは人間性に逆行する蛮行であり、ユダヤ人がイスラエルという国家の形態を借りて強行した、「パレスチナ人の民族虐殺」にほかならない。

イスラエルの冒した大罪の数々は、12月末から一時停戦まで3週間続いた戦闘期間と同時進行で、『米流時評』でも特集を組んでほとんど毎日連載してきたので、詳細を知りたい方にはフィードバックでページ下のリンク集から各エントリーの記事を読んでいただける。

今日お知らせするのは、冒頭の村上春樹のイスラエル賞授賞式におけるスピーチについてである。ブロガー諸兄もそれぞれ一家言あったと見えて、皆さん秀逸なエントリを上げていらした。私自身が書くと、なにぶんガザに関しては怒りや悲しみの感情が先立って、いかんせん浪花節になってしまうので、ほんの一部だが、一読に値するブロガー氏のエントリーを紹介したい。
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この他にもたくさんの方々が、イスラエルとパレスチナの問題を日本人として真剣にとらえ、ひとりひとり、その方なりの気概に満ちたご意見を述べていらした。しかしみなさんのエントリを紹介したかったものの、紙面に限りがあるのでその中のほんの数氏だけになったことをあらためてお詫びする次第である。

日本の記事を直接読む機会が少ない私は、当初ニュースサイトのタイトルだけを見て「村上氏受賞」というものだから、なんだ彼でも迎合したか、と失望したのだが、cakeさんのブログで氏が気骨あるスピーチを「敵陣で」披露したことを知り、うれしかった。

文学者だからこその、言葉を武器にした落ち着いた抗議ができたのだろう。
それなりの覚悟もあったろうし……何しろモサドの本陣である。暗殺など朝飯前の土地だ。
長いこと彼の作品のファンではあったが、あらためて、人間として尊敬する。

【米国時間2009年2月16日『米流時評』ysbee】

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FEBRUARY 16, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年2月16日号
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   B E I R Y U | C U R R E N T
エルサレム賞受賞の村上春樹が、イスラエルから世界へ伝えた勇気あるメッセージ
米国時間 2009年2月16日 | By cake / YAN-C / P-navi | 編集『米流時評』ysbee

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まず初めに、いつも暖かい応援で励ましてくださるcakeさんのブログから。
彼女のエントリでは特に最後のメディアの処理に対する批判が納得いきました。
私もあやうく、村上氏を誤解するところでしたから。


d0123476_14302471.jpgcakeさんのブログ『無題・休題−ハバネロ風味−』2/16号
「村上春樹氏とエルサレム賞」より

イスラエルの文学賞の エルサレム賞の授与式が
15日、エルサレムの国際会議場で行われた。
受賞した作家の村上春樹氏(60)には、ガザ空爆に反対したNPO団体始め、
一般市民からも、この時期にイスラエルへ行く事に反対する意見があがり、
賞を受けるべきではないとメールなども多数送られたと思う。
村上氏は賞を受ける事を決め、
この時期だからこそ、自分の目で確かめる必要もあると、イスラエルに向かった。

イスラエルから、悲惨なガザの状態が見える筈もない。
しかし受賞の演説の時に、表だって彼はガザへの空爆を非難する発言をした。
ガザの人達を卵に喩えて、壁というイスラエルに向かってのコメントは、
非常に重要な物だったと思う。

私も内心 彼の受賞には賛成出来かねるものがあったのだが、
彼の作家としての才能に賞されたものだし、これがイスラエルに行って、
きちんと自分の意見を公に述べる、絶好の機会だったのだろう。
私は素直に拍手を送りたい。

しかし、それを報道する日本のマスコミは一体何なのだ。
一切ガザへの非難のコメントを外して 
表彰のみを扱ったマスコミがいた事を、腹立たしく思う。
一般の人には、イスラエルに尻尾を振る日本人にしか見えないだろう。
情報操作とは恐い物だなと思う。

『無題・休題−ハバネロ風味−』2/16号「村上春樹氏とエルサレム賞」より
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次に情報の早いこと、そして問題を見抜く洞察力の鋭さでいつも一目おく、
YAN-Cさんのブログ『RE: SUKI』では、
現地イスラエルでの報道を対訳で載せながら、持論を展開します。
村上氏のスピーチの核心が掴める秀逸なエントリーです。


d0123476_14302471.jpgYAN-Cさんのブログ『RE: SUKI』2/16号
「村上春樹さん イスラエルにて『エルサレム賞』受賞」より

<前略>………小説の中での創作を「嘘」と表現することで、
小説家が多くの方から得る賞賛についてを語りました。
そして、小説家は、小説の中では、嘘を付くものと前提し、
1年の中、嘘に関わらない数日ある日の中の1日が、今日であると伝えています。
冗談ぽい内容ですね。

「今日、私は真実を話します。
私が嘘を付くことにかかわらないことは、1年に数日だけです。
今日は、その中の1日です。」


受賞に際しての、村上さんの考えは、以下のようなものでした。

「私がこの賞を受けることを聞いた時」
「私は、ガザ地区での戦いを理由に、ここに来る事を警告されました。
 私は自身で問いただした。『イスラエルを訪れることは、適切なことなのか?
 一方の国の支持にならないだろうか?』」

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やはり、ガザ地区での出来事と、ご自身の立ち場について、悩まれたようです。
誰もが悩むであろう問題ですが、
小説家は、「見て触れなかった物を信用しない」とし、
今回のイスラエルへの来訪を決めたとのことでした。

「小説家は、見なかった物と触れなかった何物をも、信用することが出来ない。
 だから私は、見ることを選びました。
 私は、何も言わないことより、ここで話すことを選びました。」


その後の内容は、日本でも報道されていますが、
「卵」を比喩表現として使った、興味深い内容でした。
私の中2脳で訳そうかなと思ったのですが、
日本の報道のほうが早いので、そのまま転載しておきます。

 "So here is what I have come to say."
「私が言いたいことは、ここにあります」

「わたしが小説を書くとき 常に心に留めているのは、
 高くて固い壁と、それにぶつかって壊れる 卵のことだ。
 どちらが正しいか 歴史が決めるにしても、わたしは常に 卵の側に立つ。
 壁の側に立つ小説家に 何の価値があるだろうか。」

 ……<中略>……

「壁はあまりに高く、強大に見えて わたしたちは希望を失いがちだ。
 しかし、わたしたち一人一人は、制度にはない、生きた精神を持っている。
 制度がわたしたちを利用し、増殖するのを許してはならない。
 制度がわたしたちをつくったのでなく、わたしたちが制度をつくったのだ。」


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 ……<中略>……
その様な情勢の中、イスラエル国内での村上さんの発言は、
意味のあるものであったと、個人的には思っています。
何もしない、何も出来ない、ではなく、
実際に動き、言葉を伝えることは、重要です。
全てではなくとも、イスラエルの人に、
村上さんの想いは届いたのではないでしょうか?

小説家の嘘、政治家の嘘、
どこに真実を見出し、何を重視するかは、
人々が努力し探すべき「道」であると伝えているように、私には見えました。
意味のある何かを 世界の人々が共有出来るなら、
「嘘の世界」はなくなるのかもしれません。

『RE: SUKI』2/16号「村上春樹さん イスラエルにてエルサレム賞受賞」より
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そもそも村上春樹のエルサレム賞受賞については、ガザ・パレスチナ関連の情報センターのようなピーさんのブログ『P-navi info』で知りました。先月のことです。
彼は当初からイスラエルには反対の立場で、村上氏へ受賞を再考するように、各方面へメール送付キャンペーンを展開してきた方です。抜粋したのはその抗議の手紙の一部ですが、他の記事でも日本でのガザ支援の情報が得られます。


d0123476_14302471.jpgブログ『P-navi info』1/27号
「拝啓 村上春樹さま ――エルサレム賞の受賞について」より

拝啓 村上春樹さま、
この度、村上さんが、イスラエルのエルサレム市が大きく関与している
文学賞「エルサレム賞」を受賞なさるということを聞きました。
しかし、お祝いの言葉を私は言うことができません。

この賞は「社会における個人の自由」を描いた作者に贈られるとありましたが、
村上さんがそれにふさわしくないのではなく、
贈る側が「社会における個人の自由」を口にする資格がありません。
この賞を辞退なさることをお薦めします。 ……<中略>……
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しかし、賞を辞退するのも、あなたが共犯者とならないですむひとつの方法です。

それでも、村上さん、あなたが受賞のためにエルサレムに出向くというなら、
受賞式より前に 入植地で虫食いになった東エルサレムを、
人びとを分断し隔離する 巨大な壁を、たくさんの検問所を、
囲い込まれて身動きがとれなくなった西岸の街を
ご自分の目で見ていただきたいと思います。
パレスチナの人びとの声に 耳を傾けてほしいと思います。

イスラエルのおつきの人の目を盗んで、ひとり動きまわるのは
村上さんならやすやすとできそうです。
……<中略>……
あなたの行為が、世界中のあなたの読者を、
そして あなた自身の作品を裏切らないでいてほしいと思うばかりです。

    敬具  ビー・カミムーラ(ナブルス通信編集部)……<後略>d0123476_14302471.jpg
ブログ『P-navi info』関連記事リンク

1/27 拝啓 村上春樹さま ――エルサレム賞の受賞について
1/31 [雑記]風邪ひき
2/02 「村上春樹に読者の声を届けるよ!」by. m_debuggerさん
2/12 Open Letter to Haruki Murakami about his Jerusalem Prize
2/12 「拝啓 村上春樹さま」3つの言語への翻訳
2/18 村上春樹エルサレム賞受賞スピーチ (追加あり)
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  >2/15 「絶望と希望のはざまで」ハマスとイスラエル・ガザ停戦
  >2/16 「ガザの壁と命の卵」 村上春樹とイスラエル-1
  <2/17 「投げつけられた卵」 村上春樹とイスラエル-1
  <2/18 「沈黙の壁を越えて」 村上春樹とイスラエル-3
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▼米流時評 特集『ガザ戦争』記事リストへ続く
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by ysbee-2 | 2009-02-16 12:48 | イスラエル・ガザ戦争

ハマスとイスラエル/絶望と希望のはざまで・ガザ停戦

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  ||| ガザ停戦・絶望と希望のはざまで |||

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ガザ地区のハマス政権、エジプトの仲介でイスラエルとの1年半の停戦協定を承諾
和平交渉役エジプトは、国境再開・捕虜交換・左岸とのパレスチナ統一政権を提案


d0123476_18552829.gif昨年暮れのイスラエルのガザ侵攻以来、3週間の戦闘期間、米流時評でも連載で米国の記事・情報を翻訳してお伝えしてきた。空爆や戦車からの砲撃の凄まじさは、写真で見るだけでも壊滅的だった。ましてや、目の前で親兄弟・子供を惨殺されたパレスチナ人の悲しみは、凡人の思いの及ぶところではない。

イスラエル側では、2006年のレバノン侵攻の時と全く同様に、体よく兵器を「消費」し、敵国の犠牲者の数が千を超したところで停戦に踏み切った。今回のイスラエルのパレスチナ人に対する周到な「戦略的虐殺」を、メディアを介してではあるが連日見聞きし伝えてきて、私にはガザのひとびとが「ユダヤの虐殺者」と呪っていた憎しみが、半分わかったような気がする。
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国連の人権擁護委員会が、茫漠たる荒野と化したガザの現地で、非人道的兵器白燐弾や劣化ウラン弾の使用をはじめ、凄絶な大量虐殺の実態を「戦争犯罪」として調査報告している。憎しみからは破壊しか生まれないが、虐殺を命じた者・手を下した者には、それ相当の処罰があってしかるべきだと思う。そのための国際法であり、そのためにハーグの国際裁判所が存在するはずなのだから。

折しも、危うかった一時的停戦が、やや長期の協定となって成立しそうな気配である。エジプトが仲介しての停戦協定に対して、イスラエルが先に承諾し、翌日ハマスからも了解の回答が出たようである。ともかく折り合えるうちにまとまってほしい。ガザは今でも隔絶された壁の中で、瀕死の状態なのだから。

【米国時間2009年2月15日『米流時評』ysbee】

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FEBRUARY 15, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年2月15日号
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Associated Press | B R E A K I N G
エジプトのガザ停戦案:国境再開・捕虜交換・ハマスと左岸のパレスチナ統一政権
米国時間 2009年2月12日午後6時21分 | AP 通信・カイロ支局発 | 訳『米流時評』ysbee

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Report: Hamas Agrees to Long-Term Truce
Egypt news agency says deal with Israel over Gaza to be announced soon

FEBUARY 12, 2009 | Association Press — BREAKING | Translation by ysbee
CAIRO, Egypt — The deputy leader of Hamas said Thursday night that the Islamic militant group agreed to an 18-month truce with Israel for the Gaza Strip, the official Egyptian news agency reported. Moussa Abu Marzouk told MENA that Egypt's government, which has been mediating between Hamas and Israel, would announce the truce in two days after consulting with other Palestinian factions.

エジプト仲介の停戦協定へ
エジプト・カイロ発 |12日木曜夜、ガザ地区のハマス軍団の指導者は、ガザ地区に関してイスラエル政府と18か月の停戦協定を結ぶことに合意すると発表したと、エジプトの国営放送MENAから報道された。報道の内容によると、ハマスとイスラエルの間に立って和平交渉を進めてきたエジプト政府は、他のパレスチナの政体(西岸地区のファタハ政権と、シリアに亡命中のハマス指導者を指す)の助言を受けたあとで、2日以内に正式に停戦を発表する予定であると公表した。
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度重なる爆撃で完全に破壊されたアルシファモスク跡。瓦礫を取り除いた跡地で礼拝するガザ地区のイスラム教徒。

2. No comment by Olmert administration

Earlier in the day, Egyptian and Hamas officials reported progress in truce talks, which included Hamas' strongman from Gaza, Mahmoud Zahar, and Egypt's top mediator, intelligence chief Omar Suleiman. In Jerusalem, Prime Minister Ehud Olmert's office said the Israeli government had no comment on the report.
オルメルト政権はノーコメント
同日12日の朝には、エジプト政府とハマス政権双方の広報担当官から、和平交渉は大巾に進展したと報告された。交渉の話し合いには、ガザの政権を握るハマスの有力者であるマフムード・ザハールと、エジプト政府の交渉使節団長で諜報部長官のオマール・シュリーマンの両者が出席し、直接話を詰めた模様である。
この新しい停戦協定のニュースに際して、エルサレムにあるエフド・オルメルト首相の執務室からは「イスラエル政府はその報告に関してはノーコメント」と無言を保っている。
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イスラエルの空爆開始とともに真っ先に第一弾が投下された、ガザのハマス政権付属のイスラミック大学女子学生棟

3. 1,340 killed, 4,000 more injured in 22 days assault

字数制限のため英文省略
22日間の総攻撃で死者1340名、負傷者4千名以上
イスラエル政府軍のガザ侵攻は、昨年12月27日の空爆に始まり、その後壁の中に封鎖された狭いガザ地区に対して、爆撃機からの空爆と地上軍戦車隊からの砲撃、さらには海軍戦闘艦からの砲撃という、陸海空三軍による無差別全面攻撃で徹底した破壊と殺戮を22日間連日連夜繰り返し、1月17日にイスラエル、ハマス双方から別個の停戦勝利宣言が出されて一時的終結をみた。
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イスラエル三軍の無差別爆撃で徹底的破壊が3週間休みなく繰り返され、ガザのめぼしい建物はすべて瓦礫と化した

4. Hamas, Israel refuse to negotiate directly

Egyptian diplomats have been working as go-betweens to try to arrange a truce deal between Hamas and Israel to solidify a cease-fire that ended Israel's devastating 22-day offensive in Gaza last month. Hamas and Israel refuse to negotiate directly. Marzouk told MENA that the Egyptian-brokered deal it agreed to calls for Israel to reopen six border crossings into the Gaza Strip.
直接交渉を拒否したハマスとイスラエル
それ以来エジプト政府の外交使節が、敵対する両者の間を行きつ戻りつしながら、和平交渉の折衝を繰り返し、ガザ・イスラエル間の停戦あるいは平和協定へこぎつけるよう努力してきた。ハマスとイスラエルが、ともに直接交渉を拒絶したためである。
エジプト側交渉団のマルズーク氏が国営放送MENAに語った内容によると、エジプト提案の協定案の骨子は、ガザ地区へと通じる6カ所の国境関門を再開するようイスラエルに対して呼びかける提案であり、この点に関する諸条件をハマスが了解したものだという。
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パレスチナのもうひとつの政権、左岸地区に掲げられた巨大なアッバース首相とPLOの故アラファト議長の看板

5. Gaza Ghetto by Israeli borders closing

Hamas leaders centered its truce demands on reopen of the tiny coastal territory's borders enclosing Gaza have been largely sealed by Egypt and Israel since Hamas gunmen seized control in Gaza in 2007.
イスラエルの国境封鎖によるガザゲットー
地中海のへりに細長くへばりついたような狭いガザ地区と、それを取り巻くイスラエルとエジプトとの国境。2007年の総選挙でハマスが政権の座に就き、その後対抗勢力のファタハ(アッバース首相を党首とする政党および軍団)をヨルダン川左岸地区のウェストバンクへと追放して、ガザ地区を完全掌握した。
それ以来、ガザを取り巻く国境とその関門は、ファタハを支持しハマスを敵対視するイスラエルとエジプト両国により、完全封鎖されてきた。
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22日間昼夜の別なく続けられたイスラエル軍の空爆と砲撃で、ガザ地区のめぼしい建物は瓦礫に帰した。

6. Re-installment of reopening Rafah crossing

Earlier Thursday he told Al-Jazeera television that Egypt had previously agreed to work with Israel to forge new arrangements for reopening Gaza's crossing into Egypt.
エジプトとの国境ラファ再開の再提案
ハマスの指導者たちは、この和平協定におけるガザ側の要求で最優先する焦点を、封鎖された国境関門の再開に絞っている。12日木曜のアルジャジーラとのインタビューでもマルズーク氏は、氏の率いる交渉団はエジプトとの国境関門だけでも再開を許可するよう、イスラエルに対して強要するべく集中努力することをすでに了解していると語った。
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地中海に沿って狭く細長く伸びたガザ地区は、イスラエルによって完全封鎖された巨大な檻=ゲットーと化している。

7. Halting military activities of Hamas

Israel, in turn, insisted that any cease-fire must include an end to militants firing rockets from Gaza into southern Israel and a halt to Hamas arms smuggling. In talking to MENA, Marzouk did not discuss details.
イスラエルの要求:ハマスの軍事攻撃の廃止
一方国境再開の見返りとしてイスラエル側では、ハマスの軍事攻撃を一切やめることが条件として盛り込まれなければならないとしているが、その活動にはガザ地区からイスラエル南部へ撃ち込まれるロケット砲撃から、地下の秘密トンネルを経由して搬入される武器密輸までが挙げられている。MENAのインタビューでは、マルズーク氏はそれ以上の詳細条件は明らかにしなかった。
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すべてを破壊された市民は棒切れとシーツのテントに住む。国際人権機関アムネスティが被害の実地調査を実施

8. Egypt as a broker for prisoner exchange

Marzouk said a deal for the release of a captured Israeli soldier Gilad Shalit held in Gaza would be negotiated later, according to MENA. Egypt has been trying to broker a prisoner exchange between Israel and Hamas. Hamas is holding Shalit, who was abducted more than two years ago in a cross-border raid from Gaza into southern Israel.
捕虜交換の交渉代理人エジプト
さらにイスラエル側から出されている要求には、ガザの捕虜となって以来、対パレスチナ紛争で常に国内世論の焦点となってきたイスラエル兵ギラッド・シャリットの解放があり、この問題はパレスチナ人で現在イスラエルの囚人となっている多くの捕虜との交換条件として、後日双方との交渉で話し合われる予定だと、マズーク氏はMENAのインタビューで明らかにした。
イスラエルのガザ侵攻よりも随分以前から、エジプトはこれまでにも数回イスラエルとハマスとの間に立って、捕虜交換交渉を進めてきた実績がある。イスラエル兵シャリットは、2年以上前にイスラエル南部でガザから越境したハマス兵士によって捕獲され、捕虜になったままである。
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左:イスラエルの捕虜になっているガザのパレスチナ人は1万人以上といわれ、総人口わずか140万のガザ市民は、何らかの形で捕虜の家族と関連がある /中:パレスチナの国旗 /右:ガザのハマス政権指導者、イスマイル・ハニエ

9. Reconciliation to form a unity government?

Besides mediating a truce for Gaza, Egypt also is trying to bring Hamas and its Palestinian rival, President Mahmoud Abbas, into talks on reconciling and forming a unity government that can move ahead with peace negotiations with Israel. Egypt hopes to host a reconciliation conference Feb. 22.
ハマスと左岸のパレスチナ統一政権?
ガザのハマス側との和平交渉を煮詰めるかたわらで、エジプトはパレスチナの正統権を争うハマスの宿敵であり、ウェストバンク/左岸パレスチナのファタハ政権元首であるマムード・アッバース首相を、ハマスとの和解のテーブルへと引っ張り出そうという案を画策している。
その意図の究極的ゴールは、イスラエルとの恒久平和を成立することであり、それにはどうしてもガザと左岸が元通りに一体化する「パレスチナ統一国家」としての政府を樹立することが前提条件だからである。エジプトはこの画期的な和解の会談を、2月の22日にエジプト国内で主催する予定である。
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左のグリーンの旗がハマス、右の黒・白・グリーンに赤い三角がパレスチナの国旗、しかし国家は現在左岸が代表

10. Palestinian refugee arrested

An Egyptian security official said Egypt had arrested a Palestinian who sneaked into Egypt through a tunnel from Gaza and was trying to purchase weapons in Egypt. The official, who spoke on condition of anonymity, said the man and two Egyptians who were sheltering him were arrested in the coastal city of El-Arish on Wednesday.
パレスチナ人の不法越境者を逮捕
12日水曜のガザ国境関連の事件としては、ガザ地区と国境を接するエジプトの海岸沿いの町、エルアリシュでの越境事件が報告されている。これは、ガザ地区のパレスチナ人住民が、エジプト国内で武器を購入しようとしてガザ地区からトンネルを経由してエジプト国内に密入国し、エジプト側の警備兵によって逮捕されたと、軍部高官が匿名の条件の下に明らかにしたものである。この事件では、越境したパレスチナ人男性と、彼をかくまったエジプト人2名が逮捕された、と伝えられている。 <了>
【 米国時間 2009年2月15日 『米流時評』ysbee訳 】
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ガザ地区北部のベイトラヒヤ難民キャンプも、もっとも被害の甚だしかった地区のひとつ。難民がさらなる難民へ

  >2/14 「核と平和のアメとムチ」 クリントンと北朝鮮
  <2/16 「ガザの壁と命の卵」 村上春樹とイスラエル-1
  <2/17 「投げつけられた卵」 村上春樹とイスラエル-1
  <2/18 「沈黙の壁を越えて」 村上春樹とイスラエル-3
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by ysbee-2 | 2009-02-15 20:25 | イスラエル・ガザ戦争

'Extremely Shocking' ガザ壊滅に国連調査団も呆然!

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  ||| ガザの壊滅状態、国連調査団に衝撃 |||

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 ガザ壊滅! 想像を絶する惨状に、現地入りした国連調査団も呆然
 UNRWA国連人道救援委員会、戦災救援活動前にガザの実態調査


ガザ地区・ガザシティ発 |イスラエル軍のガザ侵攻による戦災被害を実地検分するために、国連人道問題事務局長はガザ地区でも爆撃による破壊状況のもっとも激甚な地域に、22日木曜初めて現場入りした。今回の実地調査の目的は、ガザ地区に住む140万人のパレスチナ人に対して、一刻も早く必要とされている支援物資の配給を開始できるよう、輸送・保管手段その他のロジスティックな条件を検討するためである。
22日木曜から5日間の予定で、戦災被害視察調査のためガザ地区を訪れたジョン・ホルムズ国連人道救援事務局長
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UN Aid Chief: Gaza Toll 'Extremely Shocking'
Checks on humanitarian needs; Olmert says Israel prisoner's outlook better
JANUARY 22, 2008 | Association Press — BREAKING | Translation by ysbee
GAZA CITY, Gaza Strip — The U.N.'s humanitarian chief Thursday launched a first-hand examination of the devastation wrought by Israel's offensive in the Gaza Strip so that the organization can begin providing desperately needed relief to the territory's 1.4 million people.


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JANUARY 22, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2009年1月22日号
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Associated Press | B R E A K I N G
国連調査団ガザ入り、現地の壊滅的な被害に「極めて衝撃的!」
米国時間 2009年1月22日午前9時51分 | AP 通信・ガザ現地レポート | 訳『米流時評』ysbee

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1. Palestinian casualty toll 'extremely shocking'
Opening a five-day trip to the region, U.N. humanitarian chief John Holmes called the steep Palestinian casualty toll from Israel's offensive "extremely shocking" and suggested the United Nations might ask Israel to compensate it for wartime damage to U.N. compounds in Gaza. Hundreds of tons of humanitarian aid were destroyed by Israeli shelling that struck the main U.N. compound.
事務局長、パレスチナ人の被害実態に唖然
国連人道救援部門のジョン・ホルムズ事務局長は、5日間のガザ地区への視察旅行の皮切りに、イスラエル軍の攻撃によって累積したパレスチナ人の犠牲者の数を「extremely shocking=極めて衝撃的」と表現した。
また、ガザの国連支部UNRWAの施設がイスラエル軍の爆撃で多大な被害をこうむった件に関しては、国連側からイスラエルに対して、戦時賠償金を要求するかも知れないと明らかにした。UNRWAガザ支部をターゲットにしたイスラエル軍の爆撃では、パレスチナ難民の人道支援目的で同施設に保管してあった、数百トンもの配給用救援物資(水・食糧・衣類など)が爆破炎上した。
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▶米流時評 1/16号「イスラエル軍ガザの国連本部を爆撃!支援物資全焼」
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四方を国境壁に囲まれ完全封鎖のガザでは、家を爆撃されても行き場がなく、瓦礫の隙間に身を寄せて寝るしかない

2. immediate aids and long-term reconstruction

字数制限のため英文省略
早急な支援物資配給と長期的復興再建計画
ホルムズ事務局長は、とりあえず緊急でガザ地区に必要な人道救援物資を見計らうと同時に、長期的な復興再建計画についても検討していると、記者団に明らかにした。
「被害状況の実地検分に関してはあくまで適正であることを心がけ、さらに必要であれば適正な量の支援物資を、適正な信頼に足る態勢で支給していきたいと思っています。まあ、いずれにしろ配給が必要になるとは思っていますが。」
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▶米流時評 1/20号「戦士の休息/ガザ休戦とイスラエルの戦争犯罪」
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空爆で家は壊滅、わずかに燃え残った食糧を子供に食べさせ見守る、ジェバリア難民村の家族

3. Biggest concerns: Water and sanitation

字数制限のため英文省略
支援活動の急務:飲料水と伝染病予防
ホルムズ事務局長はさらに、早急に必要なものとして次のように挙げた。「切迫して必要なのは、きれいな水、衛生環境、電気、そして戦闘で住む家を失ったガザ市民のための臨時の宿泊所です。またガザの閉鎖された国境関門は、復興事業をスタートするため、直ちに再開を許可しなくてはいけません。もちろん、復興再建のための建設資材も含めた救援物資は、適正な量で自由に流入されるようにするべきです。」
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▶米流時評 1/22号「イスラエルの戦争犯罪・白リン弾投下で国連が弾劾捜査へ」
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国連UNRWAの飲料水配給に集まった子どもたち。水道は戦争以前から断水しているので、飲み水は配給が頼り。

4. 22-day war killed 1,340+ Palestinians

字数制限のため英文省略
22日間戦争でパレスチナ人死者1300人以上
そもそもイスラエルが22日間の戦争を起こしたのは、ハマスが制圧するガザ地区からイスラエル南部へ撃ち込まれるロケット砲攻撃を終焉させるのが目的だったはずである。また25日日曜には、イスラエル政府とガザのハマス政府との双方から、休戦宣言(一時的戦闘停止)が発令された。
ガザ政府の保健局長の発表によると、今回のイスラエル軍のガザ侵攻によるパレスチナ人の犠牲者は、死者1300人以上、負傷者4000人以上にのぼった。また人的被害ばかりでなく、ガザ地区全域での建物崩壊など、物質的被害においても甚大なものがある。一方、イスラエル政府の発表によると、イスラエル側の犠牲者は13名であり、そのうち一般市民は4名だった。(注:戦死した9名のイスラエル軍兵士のうち、4名は自軍の誤爆によるもの)

d0123476_14302471.jpg▶YAN-Cさんのブログ『RE:SUKI』1/28号「停戦後 ガザへの攻撃再開」では、
 You-Tube動画『虐殺の町』でイスラエル兵の行なった虐殺の実態を詳しく紹介。

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停戦からしばらくして学校も再開したが、空爆や砲撃の犠牲になった生徒の席は空白のまま。名札が痛々しい。

5. Gunboat shells mars the truce

Low-level violence on both sides has marred the cease-fire and on Thursday a Palestinian man and girl walking near the shore in Gaza City were wounded by a shell fired from an Israeli gunboat, a Gaza health official said. Another shell landed 100 yards away in an empty area near a U.N. aid distribution center. And heavy-caliber bullet fire struck at least one house in the area, a witness said.
停戦中にも海軍戦闘艦から砲撃
一時停戦期間中も、国境付近では双方の軍隊の小競り合いが数回起きているが、一般市民が犠牲になった例としては、22日木曜にガザ市の地中海岸べりを歩いていたパレスチナ人の男性と少女が、イスラエル海軍戦闘艦からの砲撃で重傷を負ったとガザの保健省は報告している。またもう一発の砲弾は、国連の人道救援センターから100ヤード(約91メートル)しか離れていない空き地に着地し爆破したという。
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▶米流時評 1/5号「イスラエルの大罪・ガザジェノサイド【白リン弾使用】」
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白リン弾を被曝し、重度の火傷で失明した少年。白リン弾が無害だと言うのは、とんでもない隠蔽である。

6. Opening of Rafah crossing, Gaza's lifeline

字数制限のため英文省略
ガザの生命線、ラファ国境の再開問題
イスラエル軍では停戦中の不祥事の理由を「領海侵犯したパレスチナ人の漁船を追い払うために砲撃した」と弁明している。
2007年6月にイスラム軍団のハマスがガザの実権を制覇して以来、イスラエルはエジプトと協議の上、ガザとの国境を全面的に封鎖した。この国境封鎖の封じ込めにより、140万人のパレスチナ人が地中海岸べりの狭い地域に住むガザ地区は、物資の流入が一切途絶えるという完全な鎖国状態に陥っていた。この件に関してハマス側では「いかなる停戦交渉であっても、国境の再開が第一条件である」と主張している。
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▶米流時評 1/9号「ガザのホロコースト/イスラエル軍の戦争犯罪を赤十字が暴露」
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生後8か月のパレスチナ人の赤ん坊イスマイル・サフェディは、全身がやせ細り頭部だけが肥大化する巨頭症になった。母親の説明によるとその原因は、開戦2日目の12/28にイスラエル空軍がガザ市中央にあったハマスのガザ政府本部(政府・大学・学校・病院の集まった区画)を空爆で破壊したが、その際に使用された煙幕発生用の爆弾の煙を吸って以来、急激に巨頭症の症状が現れたと言う。22日の時点では国境再開のめどが立っていないため、ガザ地区内では治療する術がない。

7. Reopening option: freeing Sgt. Schalit

字数制限のため英文省略
イスラエル兵捕虜解放が国境再開の条件
イスラエル政府の保安担当部門の一部を司るビンヤミン・ベンエリザー内相は、22日木曜陸軍のラジオ放送で次のような見解を表明した。「2006年6月の国境地帯の掃討作戦で、ハマスの傘下にある軍団の捕虜となったイスラエル陸軍のジラド・シャリット軍曹を解放する交渉が行なわれない限り、ガザとの国境検問所を再開するつもりはない。」
国際社会ではこうした両者の見解を受けて、国境が再開されてもハマスがイスラエルを攻撃する兵器がガザ地区に流入しない方策を模索しながら、イスラエル側と長期的停戦の条件を討議している。
d0123476_14302471.jpg▶gataroさんのブログ『どこへ行く、日本』1/30号「ガザ:イスラエル軍の戦争犯罪/「ガザは今」日本人ボランティアの声」でもYou-Tubeの動画2本ほかを紹介。
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カレムシャロムの国境関門。ガザとイスラエルの国境は、イスラエル側からの高い境界壁がどこまでも続く。

8. Anti-smuggling effort

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国境トンネルの武器密輸流入を防止
イスラエル側の言い分では、エジプトからガザへと密輸される兵器の流入を遮断することが、今回の戦争の目的となっていた。イスラエルの外交交渉を率先するエーモス・ギラッド特使は、22日木曜エジプト入りし、今回の戦闘で大きな損害を受けたガザのハマス傘下の軍団が、再軍備のために兵器を密輸する手段を封鎖する方法について、エジプト政府の担当官と協議する予定である。
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イスラエル軍が数千発の空爆を実施し数百のトンネルを爆破しても、翌日にはもう新しいトンネルの建設が始まる。国境封鎖を解除して物流を開始しない限り、この問題は決して解決しない。現在はトンネル以外に食糧・水・医薬品・燃料を運ぶルートは閉ざされているのだから。

9. Israel wants EU to contribute forces

Israel wants the EU to contribute forces, ships and technology to anti-smuggling operations. EU officials who met with Livni on Wednesday said it was too early to make that commitment. The United States last week signed an anti-smuggling deal with Israel calling for expanded intelligence cooperation between the two countries and other U.S. allies in the Middle East and Europe.
イスラエル、EUに軍隊出動の協力を要請
一方ツィッピ・リブニ外相もまた武器密輸禁止措置を訴えるため、イスラエル政府代表としてブリュッセルのEU本部に出向いている。イスラエル政府としては、密輸発見用の特殊な技術や機器、さらには軍隊や戦艦の出動を要請する意向であるが、EU側の高官の談話によると「そのような協力体制をとるには時期尚早だ」とリブニ外相に直接伝えた模様である。
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イスラエルの「Queen of death 死の女王」ツィッピ・リブニ外相。オルメルトの後継者として次期首相に立候補。

10. Intelligence cooperation between U.S. allies

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中東の親米国家間の諜報協力体制
ブッシュ政権の最後の執務の週にあたる先週(1月第3週)、リブニ外相はワシントンのライス国務長官を訪問したが、その目的は「中東とヨーロッパの親米・新イスラエル国家と二国間の、諜報協力の拡大を要請すること」だった。また22日木曜には、イスラエル政権のエフド・オルメルト首相自身が停戦条件に関する声明を発表したが、首相はその中で「今回の戦争は、ガザのパレスチナ人に拉致され捕虜になっているイスラエル兵士の帰還を早めるのに役立った」とも述べている。
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物資流通から金融機関まですべてイスラエルに掌握されているガザ。1か月以上閉鎖されていたガザ地区内の銀行機関は一時停戦でようやく利用できるようになった。しかし買うべき物資が皆無でトンネル経由密輸のヤミ市しかない。

11. Projecting to swap prisoners of war

字数制限のため英文省略
イスラエルとパレスチナの戦争捕虜交換条件
イスラエル国内向けメディアの報道によると、閣僚の中にはイスラエル兵士との捕虜交換で、危険人物と見られているパレスチナ人の囚人を釈放する条件に対して、以前は反対だった態度を軟化する動きも出てきている。この対応の変化は、来月2月に実施されるイスラエルの総選挙に備えて、政府与党がハマスとの和平交渉を成立させることで、国民の支持を得ようとしている姿勢の現れと解釈できると、メディア側は評している。
他方、イスラエルの刑務所に長期間とらわれの身となっているパレスチナ人虜囚の家族たちもまた、首を長くして解放を待ち望んでおり、捕虜交換の案件はパレスチナ人社会にとっては最優先的に重要視されている問題でもあった。
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イスラエルのユダヤ人の中にも少数派だがガザ侵攻反対派も存在する。ガザ虐殺ストップを訴えるエルサレムのデモ。

12. Israel holds 10,000+ Palestinian prisoners

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パレスチナ人拉致捕虜1万人以上
イスラエルは現在、総数約1万名以上のパレスチナ人を拉致し留置している。イスラエル側としては、もしハマスがイスラエル兵士シャリットとの捕虜交換に応じるならば、これらのパレスチナ人の囚人の中から数百名を解放してもいいと明らかにしたと、イスラエルのメディアは伝えている。
これら一連の報道から察すると、イスラエル政府は国民に不評をかこっている捕虜交換の問題に対して、ある程度の情報を前もってリリースしクッションをおくことで、世論の反撃を緩和しようとしているように伺えると言えよう。 <了>

【 米国時間 2009年1月22日 『米流時評』ysbee訳 】f0127501_6213945.jpg
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【あとがき】
サッカーで遊ぶガザの子供たち。イスラエルのガザ空爆開始以来1か月以上、私のブログではずいぶん悲惨な写真を載せ続けてきたので、こういう希望の持てるショットを少し挟んでもいいかと。
配給の食糧を待って延々と続く行列や闇市や、戦車に投石する少年や(竹ヤリ)、町が瓦礫の原と化しても平気でその中で遊ぶ子供たちを見ると、どうしても戦後の焼け野原で育った兄や姉の姿を思い浮かべてしまう。聞き伝えの思い出話からだけで実際には見たこともないのに。私の子ども時代は昭和30年代の三丁目の夕日時代だったが、その少し前は多分こんな風だったんだろうな……と。そして、日本は大変な時代をくぐり抜けて、はるばるここまでやってきたのだなぁ、と。

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▶ 前号「Agent Peace/ブッシュのカウボーイ外交からオバマのピース外交へ」
▼ 予告 オバマの中東外交:ガザのハマス・左岸のアッバースとイスラエル
▶「ハマスの本音"CHANGE" ガザの戦後/絶望と希望のはざまで」
▶「パレスチナの"HOPE" パレスチナ恒久平和/長いトンネルの向こう」
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by ysbee-2 | 2009-01-27 10:20 | イスラエル・ガザ戦争

イスラエルの戦争犯罪・白リン弾投下で国連が弾劾捜査へ

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   ||| イスラエルの戦争犯罪とガザの惨状 |||

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ガザ地区へのイスラエル軍 白リン弾使用で、国連人権委員会が戦争犯罪捜査へ
イスラエル軍侵攻によるガザ資産損失推定額20億ドル、想像を絶する人的被害


前号「戦士の休息/ガザ休戦とイスラエルの戦争犯罪」からの続き
イスラエル・エルサレム発 |イスラエル陸軍の発表によると、ガザ侵攻作戦の期間中にイスラエル軍が「white phosphorus weapons=白リン弾」を使用した件に関し(国際法に抵触するという)疑惑に対して、国際的公的機関(=国連人権擁護委員会)が捜査に踏み切った事実を認めた。
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Israel: All Troops Have Left Gaza Strip—2
Forces remain massed on other side of border amid shaky cease-fire
JANUARY 21, 2008 | Association Press — BREAKING | Translation by ysbee
JERUSALEM, Israel — The Israeli army also confirmed it had launched an internal investigation into allegations about its use of white phosphorus weapons during the Gaza Strip offensive.


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JANUARY 21, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2009年1月21日号
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 ASSOCIATED PRESS | BREAKING
イスラエル軍の白リン弾使用で国連が戦争犯罪捜査へ、ガザ資産損失推定20億ドル
米国時間 2009年1月21日午前7時59分 | AP 通信・ガザ現地レポート | 訳『米流時評』ysbee

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1. Internal investigation into use of WP
White phosphorus is an incendiary agent used to illuminate targets or create smoke screens. International law does not prohibit its use in battle, but it can inflict serious burn wounds. U.N. officials and human rights groups have alleged Israel used it in the 22-day Gaza campaign against the territory's Hamas rulers.
国連、イスラエルの白リン弾使用を犯罪捜査
White phosphorus(ホワイト・フォスフォラス)=白リン弾は、戦場で使用される場合は、通常は敵対勢力の攻撃対象を照らし出す照明弾、あるいは着地後の白煙で敵の視界を限定する煙幕を発生する目的で用いられる。国際法では、戦闘時における白リン弾の使用を禁止してはいない。
しかしながら、白リン弾の破片が人体に付着した場合、深刻な火傷を起こす事実が知られている。国連の人権擁護委員会メンバー、及び民間の人権擁護団体は、22日間にわたるガザ侵攻作戦の期間中ガザ地区内のハマス政府関係者に対して、イスラエルがそれ(白リン弾)を使用した嫌疑があると弾劾した。
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国際世論の糾弾をよそに、イスラエルは連日白リン弾を投下。17日には堂々と国連学校へも砲撃し、死者を出した。

2. Amnesty: Using WP in Gaza 'a war crime'

Amnesty International has called Israel's firing of white phosphorus shells in densely populated residential areas of Gaza a war crime. Israel has not publicly acknowledged using white phosphorus. But in response to the claims, the military said in a statement Wednesday that an "investigative team has been established ... to look into this issue."
アムネスティ「ガザへの白リン弾砲撃は戦争犯罪」
アムネスティ・インターナショナルでは「世界でも最も人口の密集した地域として知られるガザの一般市民居住区へイスラエル軍が白リン弾を砲撃した事実は、『戦争犯罪』である」と公式の糾弾声明を出した。一方イスラエル政府では、白リン弾を使用した事実を公式には認めていない。
しかしこうした (国連や人権擁護団体からの) 非難に応えて、イスラエル軍部は21日水曜次のような公式声明を発表した。「この件に関して事実関係を調査するために、特別捜査班が編成された」
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重度の火傷を負った一般市民。避難していた学校へ空爆があり飛び出したところへ、さらに白リン弾の雨を被曝。

3. Gazans overwhelmed over the destruction

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巨大な破壊の実態に茫然自失のガザ市民
18日月曜の段階で、イスラエルとガザ双方の停戦が実効期間に入り、ガザの通りは空爆の危険から解かれた。(空爆の危険がとりあえずなくなったため)ガザ市民は初めて表へ出て、パレスチナ人が肩を寄せ合って住む人口密集地に対してくまなく徹底的に行なわれた「巨大なスケールの破壊の実相」を、あらためて目のあたりにした。ガザ市民の多くは、見渡す限り廃墟となった市街を眺め茫然自失の様子で、瓦礫の山を片付けようにも何処から手をつけたらいいのかわからないと嘆いた。
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国際的スキャンダルとなった地上軍の砲撃による一族虐殺が起きたザイトゥンは、一面廃墟の山で街全体が壊滅した。

4. Gaza lost nearly $2 billion in assets

With a cease-fire taking hold Monday and streets safe from air strikes, Gazans took a first close look at the large-scale destruction across their crowded territory. First estimates by independent surveyors said Gaza lost nearly $2 billion in assets during Israel's three-week war on Hamas, including 4,100 homes, about 1,500 factories and workshops, 20 mosques, 31 security compounds and 10 water or sewage lines. Many Gazans seemed overwhelmed, saying they didn't even know where to start with the cleanup.
ガザの資産損失額20億ドル
(イスラエルともガザとも関係のない)第三者機関の最初の調査では、イスラエル軍が3週間にわたってハマスに対して行なった戦闘期間中、ガザ地区がこうむった資産喪失の概況を次のように報告している。
 ・資産喪失推定総額は20億ドル相当(約1,777億円)
 ・全壊した一般住宅家屋 4,100棟 / 工場 1,500カ所 / 上下水道幹線 10カ所
 ・爆破されたモスク(イスラム教寺院)20カ所 / 警察署 31カ所

(注:ガザの場合、土地が狭いため一般住宅家屋といっても高層ビルの形態が多く、ひとつの建物に数十世帯が居住しているのが常態である。したがって倒壊家屋数の数十倍の市民が、家屋を爆破されて難民化した)
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避難先の国連学校から戻ったが、家はおろか道路も橋も空爆と砲撃で徹底的に破壊され、なすすべのないガザ市民

5. Shut out Hamas from reconstruction

Before setting off for Gaza, Ban met with Israeli Prime Minister Ehud Olmert, who told him Hamas could not be allowed to lead the reconstruction process in Gaza and thereby gain legitimacy, Olmert's office said in a statement. The U.N. and international organizations must lead the reconstruction in conjunction with the Palestinian Authority and Egypt, which has been mediating between Israel and Hamas, Olmert said.
オルメルト、ガザ復興からハマス排除を条件に
イスラエル軍の砲撃で全焼したガザの国連施設の被害実態を視察した、国連の潘基文事務総長は、その足でイスラエルを訪問し、エフド・オルメルト首相と会談した。その席でオルメルト首相は、停戦を恒久化するために次のような公式声明を事務総長に申し渡したと首相の広報官から公表された。
「ガザ地区の復興再建のプロセスにおいてハマスが主導権を得ること、すなわち合法的な統治権を得ることができないようにしてほしい。戦後の復興再建事業は、イスラエルとハマスの間に立って停戦交渉を行なった『パレスチナの代表国家(左岸のアッバース政権)とエジプトとの共同事業』として、国連と(世界銀行以下の)国際的関連組織が主導権を持って推進するべきである。」
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見渡す限り爆撃で廃墟になったガザ市郊外のムグラカ。通常は戦闘時でも宗教施設や学校は避けて攻撃しないのがルールだが、イスラエル軍は市民が避難して集まったモスクや学校をターゲットに爆撃し、1340名のガザ市民を殺した。

6. How to open Gaza's border crossings

Ban said his discussions with Olmert focused on withdrawing all Israeli troops from Gaza and how to open Gaza's border crossings. Ban is the most senior international official to visit Gaza since Hamas militants seized power in June 2007.
ガザ国境再開条件の大詰め
潘基文国連事務総長は、オルメルト首相との会談は主に「ガザからのイスラエル軍の全面撤退」について、また「ガザとの国境の関門をどのような形(タイミング・プロセス・メソッド)で再開するか」について話し合ったと語った。潘事務総長は、2007年6月にハマスが(アッバース代表のファタ政権を左岸へ放逐し)ガザ地区を制圧して以来、同地を訪れた国際的外交使節としてはもっとも権限のある人物である。
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国連人道支援部門UNRWAへ配給の食糧を求めて集まったガザ市民。しかし救援物資は先週空爆で全焼。

7. Livni asks EU for contribution

The Hamas government is not internationally recognized, and Ban was not scheduled to meet with the group, which is regarded by Western powers and Israel as a terrorist organization. Meanwhile, Israeli Foreign Minister Tzipi Livni was heading to Brussels on Wednesday, hoping to clinch a deal committing the European Union to contribute forces, ships and technology to anti-smuggling operations, officials said.
リブニ外相、EUに軍事協力要請
(ガザ地区での民主的選挙で勝ち政権を握った)ハマス政府は、国際的には国家として承認されておらず(国連総会ではアッバース政権の左岸をパレスチナ人国家として承認)、またハマスは、西側諸国とイスラエルからはテロ組織とみなされているため、当初から事務総長はハマス政権の代表者と会談する予定はなかった。
一方イスラエル政府広報官から公表された内容によると、ツィッピ・リヴニ外相はEUに対して、ガザへの兵器密輸入を防止するための戦力・巡回艇・テクノロジーを要請するために、21日水曜ベルギーのブリュッセルのEU本部へ向かった。
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度重なる爆撃による廃墟からわずかに残った遺物を運び出す、ガザ市郊外東部国境近くのザイトゥンの子どもたち

8. U.S. promised to supply equipment

Last week, the United States signed an anti-smuggling deal with Israel calling for expanded intelligence cooperation between the two countries and other U.S. allies in the Middle East and Europe. The United States promised to supply detection and surveillance equipment, as well as logistical help and training to Israel, Egypt and other nations in the region. The equipment and training would be used to monitor Gaza's land and sea borders.
米国:テロ防止の技術協力を約束
先週(12月第3週)米国は、中東における米国とイスラエル、および親米政権国家間の諜報活動の協力体制拡充を呼びかけるイスラエルと、武器密輸防止協定の覚え書きに調印したばかりである。(リブニ外相がワシントンへ飛び、ホワイトハウスでライス国務長官と調印を取り交わした。)
米国はイスラエルとエジプトほか、中東におけるイスラエル支援国家に対して、密輸探索装置やスパイ探査機といったハード機器ばかりでなく(航空機・ヘリなどの)輸送手段も支給して協力することを確約した(ブッシュ政権の最後の週に、ライス長官が調印)。一連の機器及びスタッフのトレーニングは、ガザ周辺の陸上海上の交通を監視することを目的とするものである。
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ベイトラヒヤの難民村で、空爆が止んだために4日ぶりに瓦礫の山から掘り出した子どもの亡きがらを運ぶ父親。

9. On the last day of Bush admin.

The document also calls for the United States to expand work with its NATO partners, particularly in the Red Sea, Mediterranean Sea, Gulf of Aden, Indian Ocean and eastern Africa. At the signing ceremony in Washington, Livni described the deal as "a vital complement for a cessation of hostility" in the troubled region.
ブッシュ政権の最後の置きみやげ
この覚え書きではまた米国に対して、特に紅海・地中海・アデン湾(ソマリア沖)・インド洋・アフリカ東岸に及ぶ地域で、NATOのパートナー(友軍)としての米軍の役割を拡大するように呼びかけている。ワシントンで行なわれた調印式の際に、紛争の絶えない中東における両国協力体制の協約を、リブニ外相はいみじくも「戦意を取り除くための有効措置」と表現した。
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停戦で瓦礫の中からようやく探し出したが、変わり果てた姿の叔父の死を嘆く、ベイトラヒヤの少女アヤットと家族

10. Agreement binds Obama administration

Shortly after, she said she hoped European countries, notably Britain, France and Germany, would work out similar agreements with the Israelis. Although signed by the Bush administration on its last working day, the agreement is binding on the Obama administration.
オバマ政権にも強制的に発効する協約
調印を終えてすぐに行なわれた記者会見で、リブニ外相は「英国・フランス・ドイツをはじめとするヨーロッパ諸国もまた、米国と同様にイスラエルとの協約を結ぶだろう」と公けにした。今回の二国協定は、ブッシュ政権の執行期間の最終の週に行なわれた訳だが、協約は後継のオバマ政権に対しても発効するものとなっていた。
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戦略爆撃機の空爆・砲艦からの砲撃・戦車隊の爆撃でガザ地区の至るところ瓦礫の山。唯一の希望は子どもたち。

11. Still closed in the walls

Egypt and European nations have pledged to get aid into Gaza as quickly as possible, but for now, Gaza's borders remain sealed until mediators can figure a way to ensure weapons and militants are not smuggled in.
依然として国境完全封鎖解けず
エジプトとヨーロッパ諸国は、出来る限り早急にガザ救援を開始する決議をすでに決定している。しかし現時点(1月22日)ではまだ、ガザ地区内へ武器や(ハマス応援の)兵士が流入しないような方策を停戦交渉で確立するまで、ガザの国境は閉ざされたままである。
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ガザへの唯一の関門、エジプトとの国境ラファのゲート。現在は国連と赤十字の支援物資のみ通過が許された。

12. International rescue teams halted

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各国からのガザ救援団体も足止め
他方、戦禍に痛めつけられたガザ市民を救援するために、世界各国から駆けつけた支援団体や医師団は、地中海のへりにへばりつくように細長く伸びた小さな国ガザへ入国できるチャンスを、今や遅しと待ちかねている。両国の停戦協定が18日日曜から発効しているにもかかわらず、彼らのほとんどは、いまだに入国許可が下りるのを待っている状態である。
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エジプトからの関門ラファの外側で国境が再開するのを待機する、世界各国から駆けつけたガザ救援の医師団

13. Ever-lasting problem on the border

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永続するガザの国境問題
昨年1月、ハマスの兵士がエジプトとの国境の壁を爆破して、ガザ危機の前哨戦とも言える国境爆破事件が発生した。それに引き続いて数万人のガザ市民が国境の壁のあちこちを突破し、エジプト側へとなだれこんだ。それ以前のイスラエルによるガザの完全封鎖で物資が極端に逼迫していたために、彼らは飲料水・食糧・煙草・ガソリン・バッテリーなどの生活必需品を買い求めてショップへ直行し、エジプト側が国境を封鎖する前に全員ガザへ戻った。
しかしイスラエルは、この騒動の最中にハマス応援の兵士や兵器がガザ領土内に持ち込まれ、その後のイスラエルに対するハマスのロケット攻撃などに用いられたとクレームをつけていた背景がある。<了>

【 米国時間 2009年1月21日 『米流時評』ysbee訳 】f0127501_6213945.jpg
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イスラエルとの国境に沿ってどこまでもつづくガザとの境界壁 物理的に外界から完全に遮断されているガザ

▶ 関連特集「ガザ・エクソダス」パレスチナ人の集団越境  1/23〜1/25/2008
第1部 ガザの壁崩壊で パレスチナ人35万人エジプトへ越境
第2部 ポスト・ジェリコ ガザの壁崩壊が中東に及ぼす波紋
第3部 ガザ・ゲットー ガザの壁崩壊による窮乏からの脱出

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▶次号「オバマの百日革命-1/オバマの仕事始め・米国外交の180度転換」
▶予告:キューバと北朝鮮から早くも国交回復のプロポーズ!
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by ysbee-2 | 2009-01-21 23:46 | イスラエル・ガザ戦争

戦士の休息/ガザ休戦とイスラエルの戦争犯罪

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   ||| ガザ休戦とイスラエルの戦争犯罪 |||

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イスラエル軍ガザから全面撤退後も国境常駐で臨戦態勢、ハマスとの緊張消えず
国連人権委員会「イスラエル軍のガザ住民密集地区への白燐弾使用は、戦争犯罪」


d0123476_18552829.gif21日間戦争。イスラエル軍がガザへ空爆を開始してから、3週間後の終戦。2006年のイスラエルのレバノン侵攻の場合も、3週間強だった。レバノンを陸海空3軍で痛めつけたこの3段階の攻撃戦略のフェーズは、今回のガザ攻撃でもまったくそのまま繰り返された。
 1. 空爆によるインフラの徹底破壊(空港・道路・橋脚・電気水道網など)>封鎖
 2. 対抗勢力拠点とモスク・学校など公共施設の破壊、一般市民への爆撃 >虐殺
 3. 赤十字・国連施設・メディアなど、国際的救援組織・報道陣への攻撃 >隠蔽
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ガザ地区から撤退したが国境で駐屯待機する地上軍。高層ビルの建て込むガザと比べ、国境の向こう側のイスラエルには広大な土地が広がる。1948年のイスラエルの建国までは、元々は数千年の間パレスチナ人の故郷だった土地だ。

レバノンと比べて極端に狭小な地域のガザ地区には、戦闘爆撃機編隊による空爆と砲艦と戦車隊からの砲撃が集中的に投下され、生き物はおろか地層を掘り返すほどの凄絶な破壊で、まるで大空襲後の東京の焼け野原か、広島の爆心地のような様相を呈している。

これ以上砲撃目標がない、というまで徹底的に爆撃し尽くされたガザ地区へ、国連人権諮問委員会からの要望で、潘基文事務総長が現地の実地視察でガザ入りしたのが昨日20日(米国時間)。ハマスはこれにあわせて、大規模な反イスラエルのラリーを展開した。
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どなたかのブログで映画『戦場のピアニスト』の爆撃されたワルソーゲットーの廃墟と酷似していると書かれていたが、まさしくその通りで、大戦直後のベルリンやドレスデン、大空襲後の東京や爆心地広島を彷彿とさせる。これは比較的被害が軽かったガザ地区南端ラファの町。北部や東端の国境近辺の町は爆撃でさら地同様に壊滅し見る影もない。

すでに失うものは何もなく、とことんまで痛めつけられた民族ほど、そのレジスタンス精神に迷いはない。イスラエルは、ガザ地区の建物は破壊したが、パレスチナ人の闘争精神の砦を、これまでになくより強靭な高みに押し上げてしまったようだ。さらに今回は、問題になっている「人口密集地での白リン弾使用」に対して国際的糾弾が集中し、国連の人権委員会は「戦争犯罪」として調査を開始した。

日暮れて道遠し。しかし道はいまだにある。これを機会に、イスラエルの行った非人道的作戦=パレスチナ人虐殺の実態を徹底的に暴いて、二度とこのような軍事大国の暴虐が、貧しい小国の無実の一般市民に、特に子どもたちに行使されることのないよう、国連の公正中立な立場を少しでも回復していってほしいと、切に、切に、願う。

【米国時間2008年1月21日『米流時評』ysbee】

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JANUARY 20, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2009年1月20日号
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 ASSOCIATED PRESS | BREAKING
イスラエル軍ガザ撤退後も国境に常駐、国連人権委「白燐弾使用は戦争犯罪」
米国時間 2009年1月20日午後11時59分 | AP 通信・ガザ現地レポート | 訳『米流時評』ysbee

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Israel: All Troops Have Left Gaza Strip
Forces remain massed on other side of border amid shaky cease-fire
JANUARY 21, 2008 | Association Press — BREAKING | Translation by ysbee
JERUSALEM, Israel — Israel withdrew the last of its troops from the Gaza Strip before dawn Wednesday, the military said, and pursued diplomatic efforts to stanch the flow of arms into the Hamas-ruled territory. The timing of the pullout reflected Israeli hopes to defuse the crisis in Gaza before President Barack Obama entered the White House.

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建国で土地を奪い、国境封鎖で生命線を奪い、空爆で命を奪う イスラエルはガザからこれ以上何を奪おうというのか

オバマ執権前にガザから全面撤退
イスラエル・エルサレム発 |イスラエルは21日水曜の夜明け前に、IDFイスラエル防衛軍の地上部隊を、侵攻していたガザ地区から全面撤退させたと発表した。またハマスが政権を握る同地域への武器の流入を遮断するために、関係各国の協力を得る外交努力を重ねていることを明らかにした。ガザ地区からの撤退のタイミングは、バラク・オバマ新大統領がホワイトハウス入りする前に、ガザでの危機的状況を終了したいという、イスラエル側の思惑を反映したものである。

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停戦でかろうじてガザ市内の一部では電気も復旧 空爆で窓ガラスのないタイ料理レストランでオバマの就任演説を見守るガザ市民。ガザ、タイレストラン、オバマ..... この構造もまたグローバル化した世界の現実の一断面ではある。

2. Still ready on the border

The military said troops remain massed on the Israeli side of the border, prepared to take action in the event of renewed militant fire. Israeli navy ships shot rounds of machine-gun fire at the beaches of northern Gaza. The military had no immediate comment on the gunboat fire.
イスラエル軍国境常駐で臨戦態勢
イスラエル軍の発表によると、ガザ侵攻に出動した地上軍の大半は、ガザ地区内から撤退したものの、イスラエル側の国境地帯に沿って駐屯を続けており、ハマスからの攻撃があった場合にはいつでも出兵できるような体制を取っている。また海上からの砲撃を展開したイスラエル海軍の戦闘艦は、ガザ北部の海岸に向かって威嚇射撃を行なったと報告されているが、軍部ではこの射撃事件に関してはノーコメントだった。
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爆撃された家屋からわずかに残った寝具を持ち出すジェバリヤ難民村の住民

3. Over 1,340 Palestinians killed

Israel sent thousands of ground troops into the Palestinian territory earlier this month as part of a bruising offensive meant to permanently halt years of militant rocket fire on growing numbers of Israelis and to halt the smuggling of arms into Gaza. At least 1,340 Palestinians were killed, more than half of them civilians, Gaza health officials and the United Nations have reported.
パレスチナ人の死者1340名以上
イスラエルは長年にわたって、ガザ地区内から発射されるハマスのロケット砲攻撃と、地下トンネルを経由するガザへの武器密輸に悩まされてきた。その元凶を一挙に断とうと、先月26日から空爆を開始、今月4日にはパレスチナ人の領土へ数千人の地上部隊を投下して、ガザ侵攻を展開してきた。その結果これまでの3週間に1340人以上のパレスチナ人が殺され、しかもその半数以上が非戦闘員である一般市民の犠牲者だった。この数字は、ガザのハマス政権の厚生省高官と、国連の現地事務局双方の報告によるものである。

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ザイトゥンの虐殺事件で、一族110人のうち70人が砲撃で殺されたサムーニ家 停戦でまた新しい遺体を発見

4. World outrage over massacre by Israel

A death toll of Palestinians has provoked international outrage. In Israel, however, the war was popular because it was seen as a legitimate response to militants who now have one-eighth of the population within rocket range. Both sides declared cease-fires that went into effect Sunday, though they remain shaky.
イスラエルの殺戮に世界の怒り
クパレスチナ人の膨大な死者の数は、国際世論に憤激を呼び起こした。しかしながらイスラエル国内では、戦争に対して賛成意見が圧倒的である。それは今やハマスのロケット砲が届く範囲が、イスラエル人口の8分の1を占める地域に及ぶようになった状況に対する、合法的な反撃と看做されているからである。しかし3週間の激しい戦闘の末、イスラエルとハマスの双方が別々に停戦を宣言し、18日日曜の時点で停戦協定は有効となった。もっとも、上述のイスラエル軍の国境待機により、今回の停戦も非常に危ういものであることは確かだ。

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イスラエルと協定しガザからの唯一の出口ラファ国境を封鎖したエジプト。レバノンの首都ベイルートのエジプト大使館には抗議のデモ隊を警戒して鉄条網が貼りめぐらされたが、そこへはイスラエルの国旗を炎上する抗議行動も展開。

5. Israel’s shelling killed 2 Gazans

Israel reported mortar shelling from Gaza on Tuesday, and the Palestinians say Israeli troops shot and killed two Gaza farmers along the border since the truce took hold.The fighting ended before Israel achieved its aims, though world leaders have pledged to assist in efforts to keep militants from restocking war-depleted arsenals.
停戦後もイスラエル軍の銃撃で2名死亡
停戦協定が発効してからもまだ、イスラエルは火曜にガザから砲撃があったと発表しており、一方ガザのパレスチナ側でもまた、イスラエル軍の銃撃で国境沿いの村の農夫2人が死亡したと報告した。イスラエルは、ハマスの戦闘用兵器再装備を阻止する目的で、各国の指導者に訴えかけてイスラエルの戦略を指示する側に付いてもらったものの(米国・エジプト・フランス等)、今回の侵攻作戦も(ヒズボラ掃討のレバノン侵攻と同様に)イスラエルの最終目標を達成せずに終わった。

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ベイトラヒヤの爆撃されたビルで遺体を手で掘って捜索するパレスチナ人/イスラエル側から見たガザの丘にかかる虹/以前に紹介した国境なき医師団のノルウェー人医師マッズ・ギルバート氏、停戦で訪れた親友とラファの国境で再会

6. U.N. inspection with Ban

U.N. Secretary-General Ban Ki-moon left the region early Wednesday after touring Gaza and southern Israel. Ban called for an investigation into the Israeli shelling of U.N. compounds in Gaza during the fighting, which he termed "outrageous." He also called militant rocket attacks against Israel "appalling and unacceptable."
潘基文国連総長、ガザの被害を視察
国連の潘基文事務総長は、先週イスラエル空軍の空爆を受けて全焼したラファのUNRWA/国連人道支援ガザ本部を訪れ、現地担当官からの訴えを聴き被害の実態を視察したあと、21日水曜午後にはイスラエル南部へと旅立った。
その前にガザの視察を終えた段階で行なった記者会見の席で、事務総長はいかに戦闘期間中であれ、(存在位置がわかっていて、攻撃目標にしてはいけないはずの)国連の支援施設をイスラエル軍が砲撃した事件に対して「outrageous=とんでもない暴虐だ」と非難し、真相究明の調査を提唱した。事務総長はまたイスラエルに向かって発射されるハマス側のロケット砲撃に対しても「appalling and unacceptable=許しがたい脅威である」と非難した。

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ラファにあるUNRWA国連人権支援部門のガザ支部もイスラエルの空爆で全焼した。国連事務総長が被害を視察

▶次号「イスラエルの戦争犯罪・国連学校に白リン弾で殺傷」へ続く
7. 国連、イスラエルの白リン弾使用を調査 /8. アムネスティ「ガザへの白リン弾砲撃は戦争犯罪」 /9.リブニ外相、EUに軍事協力要請 /10. 米国:テロ防止の技術協力を約束 /11. 米国:テロ防止のハード&ソフトを提供 /12. ガザの資産損失額20億ドル以上

【 米国時間 2009年1月20日 『米流時評』ysbee訳 】f0127501_6213945.jpg

▶1/21号「イスラエルの戦争犯罪・国連学校へ白リン弾投下」へ
▶1/22号「オバマの仕事始め・ニューアメリカンエイジ開幕」へ
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by ysbee-2 | 2009-01-20 23:30 | イスラエル・ガザ戦争

勝者なき闘い・ガザの終りとオバマの始まり

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    ||| 勝者なき闘い・ガザ戦争 |||

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イスラエルもハマスも勝利を宣言する、中東の終わりなき民族抗争
明日に迫ったオバマ新大統領就任式と、ガザ戦争終結との因果関係


d0123476_18552829.gifアメリカは国を挙げて、オバマ新大統領誕生の瞬間を待っている。2年間の長い長い大統領選の末にたどり着いたキャピトルヒル(上下両院のあるワシントンDCの丘)。オバマが11月の勝利演説でいみじくも宣言したように「We are the people who get there.」われわれがそこに到達した人間だ。

自由・平等・博愛を掲げ、アンシャンレジームを打ち倒した、フランス革命の精神。
そのスピリットを引き継いで英国から独立を果たした、アメリカ独立戦争の建国精神。
その実現を目指したリンカーンの、奴隷解放・万人平等の精神。
そうしたアメリカンスピリットを復活させた、ケネディのニューフロンティア精神。
マーチン・ルーサー・キング牧師の「I have a Dream」の不屈の精神・・・・

「We are the people who get there.」 この言葉の中には、
こうした米国の歴史の中の偉大なる先人のスピリットが、脈々と息づき燃えている。

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明日20日火曜の正午過ぎに、「夢と希望」という死語に命を吹き込んで復活させ、
アメリカが、いや世界中が期待をかけた、新しい大統領が誕生する。
フィラデルフィアからワシントンまでの、リンカーンが大統領就任の際に辿ったルート。

米国はすでに土曜の朝から、これと同じコースをアムトラックの御用列車で走り出した。
新しい米国の指導者となる オバマとジョー・バイデンが、沿道の群衆の歓声に応えながら
きわめて歴史的な、むしろノスタルジックな大統領就任の旅路をスタートした。

このルートは、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺の2年後に、
次の大統領に立候補した弟のロバート(ボビー)・ケネディもまた、
ロサンジェルスの民主党大会で凶弾に倒れ、その棺が辿ったのと同じ運命のルートでもある。

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立候補直後から、ホワイトスプリーマシスト=白人優越主義者による暗殺の噂の絶えないオバマ。
しかし彼は、そうした噂や因縁の禍々しい陰りを吹き飛ばすように、
リンカーンや ふたりのケネディがたどった同じコースを、
特別列車「オバマ・エキスプレス」に乗り込んで走った。

そして、キング牧師が実現した人種差別撤廃の公民権運動の偉業、
「Million Men March」百万人の行進の最終地点として目指した、
リンカーンメモリアルまでの由緒ある旅路を、
ワシントンへ上る勝利の道程として、あえて選んだ。
身を挺しての CHALLENGE の旅路である。

自分は負けない、自分は死なない、という生きた証しを打ち立てるために、
まるで 凶弾に倒れた偉人たちの魂を、蘇生しようとしているかのようだ。

American Resurrection・・・アメリカン・リザレクション。 米国の甦り。
失墜した米国の威信を救済し復活する、再生の旅路の始まりである。

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ワシントンには、アメリカ中から、いや世界中から、
ありとあらゆる肌の色のグラデーションを展開するかのごとく
すでに200万以上のひとびとが集まって、ユニバーサルな祝賀気分が渦巻いている。

昨夜の記念イベントの祝賀コンサート「We are One」も素晴らしかった。
私が米国へ住んで以来20年間見聞きした中でも、もっとも「Patriotic=愛国的」で、
アメリカンスピリットが横溢したイベントだった。

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オバマはたしかに、出自はリベラルかも知れないが、
彼の目指すところは、きわめて保守的で健全な、アメリカンスピリットの再生である。
そこが、保守・革新の枠を軽々と超えて、万人に理解され受け入れられる理由だろう。
就任前から、すでに82%という驚異的な支持率を示している。

これだけの期待と、大恐慌以来の経済危機が、両肩にのしかかっている。
今回のイスラエルのガザ侵攻についても、「大統領は一度にひとりだけ」という鉄則を貫き
ブッシュ政権のイスラエル支持に、反対意見を述べなかったオバマ。
04年の民主党大会以来ずっと応援してきたが、この一件で、私は初めてオバマに失点をつけた。

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彼が「即時停戦」を叫べば、ツルの一声で、もっと早くに停戦が実現し、
少なくとも数百の パレスチナ人の命が助かっていたはずだ。
就任直後には、先ず第一に、この件に対する明白な彼独自の意見が聞きたい。
そして、アメリカとイスラエルとの間に、確実な一線を引いてもらいたい。
軍事大国の横暴と虐殺は、イラク戦争だけで沢山だ。

怒りが沸騰している間にも、ことは進展した。
18日の時点で、イスラエルが議会通過を元に一方的に停戦宣言を出し、
続いてハマス側も、独自の停戦を宣言し、双方とも勝利したとのたまっている。

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特に、イスラエル側の停戦・撤退の理由は、オバマの大統領就任の直前までに、
ガザ地区内に侵攻している地上軍の全部隊を引き上げる、というものだった。
イスラエルの後ろ盾である米国の、新しい政権の発足を
戦場の凶報で汚したくないからだと報道されている。

イスラエルはそれほど、米国の中東外交の転換を気にしていたのか?
ならば、オバマが「STOP!」と号令をかければ、
地上侵攻も、そもそもの空爆も、抑止できたのではないか?

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イスラエルが陸海空三軍で侵略し、
破壊と殺戮の限りを繰り返した挙げ句、勝手に引き上げたのに対して、
決死のレジスタンスで全面降伏を回避した、イスラム軍団ハマス。
これでは当初予期した通り、2006年のレバノン戦争の終結と一緒ではないか。

死者の屍と、遺族の悲しみと、両者の敵意を膨大にふくらませただけで
一片の解決にもならなかった。
逆にイスラエルはハマスに対して、今後予測される逆襲やテロ攻撃に対して
「虐殺者への復讐」という大義名分を与えたようなものだ。

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イスラエルは、06年にレバノン南部を焦土と化したのとまったく同じ手段で
圧倒的な軍事力で、狭く細長いガザ地区と、この上なく貧しいパレスチナ人を
くまなく爆撃し、戦車で蹂躙し、瓦礫と死体の山を築いた。

人間性の極限を踏み越えた、虐殺の戦略に長けた国。
それがこれからの、世界が彼らを見る目になる。

戦闘では勝ったが、国際世論では多くの国と民衆を敵に回してしまった。
歴史のサイは投げられた。もう時間を逆行して記憶を消すことはできない。

ナチスが、アウシュビッツが、ホロコーストが、未来永劫ひとびとの記憶から消えないように
ガザで、パレスチナ人に対してイスラエルが行った、人間としての軌道を逸した蛮行は、
われわれの脳裏から 一生拭い去ることはできないだろう。

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彼らが今後できる唯一の償いは、パレスチナの一般市民に対する謝罪だけではない。
国土を焦土と化した罪ほろぼしに、再建復興を援助するだけでも足りない。
過ちは二度と繰り返しませんという「闘争意志の放棄」を双方が誓うこと。

そしてイスラエルには、ガザのパレスチナ人の存在理由を尊重し、
虐殺者としての断罪を受け止める以外に、許されるべき道はない。

【 米国時間 2009年1月19日 『米流時評』ysbee 】f0127501_6213945.jpg
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▶次号 「オバマ時代開幕」米国第44代大統領就任式・実況 へ続く
▼この下にも、現地のニュースビデオの紹介と、ガザ戦争の特集記事リンクがあります。d0123476_1023580.jpg

d0123476_12434412.jpg記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/9227907
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by ysbee-2 | 2009-01-19 20:24 | イスラエル・ガザ戦争
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世界の動きがよくわかる!激動する国際情勢を、欧米メディアでディープに読む…世界の「今」と真実探求に関心ある知的冒険者へ送るグローバル情報満載ブログ


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