米流時評

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カテゴリ:中東のパワーラビリンス( 28 )

ネタニヤフとリブニ/イスラエルの2月体制

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   ||| ゴラン高原とイスラエル総選挙 |||

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ガザ侵攻イスラエル軍の最高司令官でもあったオルメルト首相のポスターを貼った嘆きの壁ならぬ「靴辱の壁」

極右タカ派と中道派リブニ、左右の追い上げに苦戦するリクード党ネタニヤフ

d0123476_18552829.gif今回の総選挙では、ブッシュ政権の忠実な下僕であったエフド・オルメルト首相はブッシュと時期を同じくして引退し、彼の率いたカディマ党は、党首のバトンを現行の外相ズィッピ・リブニへと継承する。彼女の出自を知るには、一言で理解できる肩書きがある。泣く子も黙るイスラエルの諜報機関モサド出身なのである。

そのリブニ外相が、ガザ侵攻においては国際間の協力を求めて奔走したため、彼女の努力がイスラエル国民の目には愛国的と映ったらしい。しかし、彼女には今期の総選挙で首位必至と予測されたタカ派のリクード党党首ネタニヤフを下す、という絶対使命があり、侵攻においても空爆の強行・拡大を押し進めて右派の切り崩しを図ったのは明らかである。現役の外相の立場を利用して戦局を自己の選挙戦略に利用するという、非情な政治的家としての野望は、インタビューでの応答の端々に隠しようもなく出てきていた。
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あえて私見を述べさせていただくなら、ユダヤ人特有の選民主義と、エゴイスティックな政治的野心、そしてモサド上がりの闘争心で凝り固まった「冷酷なるアイスクィーン」と評価する。
リブニのこうした「為政者=Political leader」というよりも「覇権者=Power monger」としての特徴は、ロシアのプーチンと相通じるものがある。プーチンもまたロシア民族のナショナリズムの復権を標榜し、帝政ロシア時代の栄光とソ連時代の旧連邦体制の復活を目論む野心を暖めてきた、KGBエージェント出身の冷徹なる官僚だった。

d0123476_14302471.jpg時事ブログでいつも情報の早いYAN-Cさんはリブニ外相とオルメルト首相のカディマ党内の相克を詳説。▶ブログRE: SUKI 2/03 イスラエル 新首相はTzipi Livni?
エントリの冒頭より「ツィピ・リヴニ筆頭副首相兼外相は2007年5月にオルメルト首相への辞任を求めていました。2006年からわずか1年で、オルメルト政権は辞任を迫られたのです。余程信用がないのか、それとも同じ党内の話なので、微妙な駆け引きでもあるのでしょうか?......<後略>」


10日の国民投票で、彼女が所属するカディマ党が万が一にでも議席の過半数を獲得すれば、リブニはイスラエル史上2番目の女性首相となる。1948年に建国したイスラエルで最初に女性首相となったのは、スティーブン・スピルバーグ監督 (ユダヤ系アメリカ人) の政治的な問題作となった、映画『Munich/ミュンヘン』の冒頭に登場し、モサドのエージェントに暗殺使命を下した女傑、ゴルダ・マイヤーである (なんとユダヤ人的響きの名前か!)。彼女はまた、女性としては世界初めての首相でもあった。
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記事中で、リブニのキャンペーンに「The Man of Situation」というキャッチコピーが使われたというくだりがあるが、この場合の「Situation」は、軍事用語として使われた場合の「戦況/戦線報告」と解釈するのが妥当だろう。いわば「Situation Room=戦略会議室」にふさわしい人物、という意味である。

たしかに容赦ないガザへの爆撃で、1300名以上という膨大なガザ市民の犠牲者を「戦果」と誇って恥じない人物ではあった。他の候補者もみな、好戦的なタカ派ばかりである。紛争や戦争を日常茶飯事とする中東の台風の目・イスラエルでは、ネタニヤフ、リブニのどちらが首相になっても、ガザのパレスチナ人に対する弾圧の手綱はゆるみそうもない。

【米国時間2009年2月10日『米流時評』ysbee】

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FEBRUARY 10, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年2月10日号
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  Associated Press | B R E A K I N G
イスラエル総選挙投票予測:リクード・カディマ・愛国党・労働党の混戦
米国時間 2009年2月8日午後2時31分 | AP 通信・イスラエル支局発 | 訳『米流時評』ysbee

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Netanyahu: No Return of Golan Heights to Syria
8. Weighing into strategic Golan Heights
While Livni has not ruled out returning the strategic Golan Heights, captured in the 1967 war, in exchange for full peace, and the third candidate for premier, Defense Minister Ehud Barak of Labor, offered the Syrians just that deal when he was premier in 2000, Netanyahu insisted he would say no. "The Golan will never be divided again, the Golan will never fall again, the Golan will remain in our hands," he declared during his campaign stop there.
ゴラン高原の戦略的重要性を再確認
「ゴラン高原は2度と(シリアへ)分譲されるべきではない。イスラエルはゴランから決して退却するべきではない。ゴランはいつまでもわれわれの掌中にある。」
ネタニヤフは、わざわざゴラン高原へ出向いての現地キャンペーンで、こう演説した。ネタニヤフと彼の取巻き連中は、イスラエル北部を睥睨するゴラン高原の戦略的拠点としての価値を重視しており、あたかもパレスチナ、および周辺イスラム諸国との友好平和の協定を締結するよりも、緩衝地帯であるこの地域、ゴラン高原を死守する方が大事だと思い込んでいるようだ。

(注:ネタニヤフの言葉は、現行のオルメルト首相が昨年米国アナポリスで開催された「アナポリス平和会議」で、中東諸国との和平のためにゴラン高原からのイスラエル軍の撤退も検討、ほかイスラム諸国との妥協和解案を欧米と進めていることへの反論で、カディマ党首相候補のリブニ外相の友好的対外政策とは正面から対立するネタニヤフが、ゴラン高原を「軍事防衛優先主義」のシンボルとして使い間接的な表現で攻撃したもの)
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イスラエルとシリア、パレスチナ西岸の間に介在するゴラン高原にもユダヤ人入植者のキブツが点在しIDFが警護する

9. Careful foresight on Lieberman

Netanyahu and his backers consider the strategic value of the territory, which overlooks northern Israel, as more important than a peace treaty. Netanyahu has carefully not criticized Yisrael Beitenu or its leader, Avigdor Lieberman, who was Netanyahu's chief aide when he was premier from 1996-1999, hoping for a partnership after the election.
リーバーマン入閣を見越すネタニヤフ
選挙戦での遊説中、リクード党の首相候補ネタニヤフは、対戦相手である Yisrael Beitenu Party/イスラエル愛国党、あるいはその党首であるアビグドール・リーバーマンを敵に回さぬよう気を使って、直接批判の対象にするのは避けてきた。
その理由は、ネタニヤフ自身が首相を務めた96〜99年のリクード党政権時代にリーバーマンは側近の長だったという過去の緊密関係も手伝っているが、ネタニヤフの本心はむしろ「リクード党が過半数の議席を確保して与党としての地位を確立するためには、極右のリーバーマンの党と連立してタカ派政権を樹立する」という覇権のための政局把握戦略にある。
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投票2日前の日曜、6日間戦争以来イスラエルの望楼の役割を果した戦略的拠点ゴランハイツへ遊説するネタニヤフ

10. Growing sympathy of Israeli Arabs

Lieberman has been playing on the fears of many Israelis about the growing sympathy of Israeli Arabs for the Palestinian cause. Arabs make up about 20 percent of Israel's population. Lieberman's main campaign plank is to force Arabs to swear loyalty to the Jewish state or relinquish their citizenship.
ガザ戦争で高まるアラブ系への同情を懸念
イスラエル国内では、12月末から3週間続いたガザ侵攻への反撥として、イスラエルの市民権をもつアラブ人の間で、ガザのパレスチナ人の受難に対する同情が高まっている。(イスラエルの市民権をもつアラブ住民は、イスラエルの人口全体の20%にも及ぶ)
こうした兆候を懸念する大半のユダヤ人国民の恐れをうまく取り込んで、イスラエル祖国党(or 郷土党、愛国党)のリーバーマン党首は、アラブ・パレスチナに対する強硬姿勢を売り物に有権者の支持を伸ばしてきた。リーバーマンのキャンペーンにおける最大のセールスポイントは、アラブ人市民に対して「ユダヤ人国家への忠誠を誓うか、さもなくば市民権剥奪」という強引なシオニストの公約である。
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ネットで有名になった爆撃でちぎれた女の子の頭部の写真はイスラエルのガザ侵攻に抗議するポスター・バナーにも

11. Lieberman's party emerged to be at third

Some polls show Lieberman's party approaching 20 seats in the 120-seat parliament, trailing Likud and Kadima, polling less than 30 seats each, but well ahead of Labor, with about 15.
リクード党とカディマ党の覇権を左右するキングメーカー
世論調査専門の数社の統計によると、リーバーマンの率いるイスラエル愛国党 (祖国党) が、国会議員全120議席のうち20議席を獲得しそうな勢いである。その結果、極右の支持者を食われたリクード党とカディマ党はそれぞれ30議席以下に落ち込み、当初3位を予想されたエフド・バラク防衛相の労働党は15議席に落ち込み、4位に転落した。
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左:中道派の労働党候補エフド・バラク現防衛相/中:首相へ最有力候補のリクード党党首ビンヤミン・ネタニヤフ
右:「ガザは大戦中の日本」説で脚光を浴びた極右のイスラエル祖国党/愛国党、アビグドール・リーバーマン党首


12. Kingmaker between Likud and Kadima

While it is unlikely that Lieberman could carry out his loyalty pledge, the scope of his support could catapult him into a key role in the new government, giving him a large voice in peace moves and domestic policy as well.
リクード党とカディマ党の覇権を左右するキングメーカー
選挙終了後は、リーバーマンは多分過去の上司ネタニヤフへの忠誠を守り、さらには分党の獲得議席をリクード党体制下に組み込む見返りとして、閣僚の重要な地位を獲得できる思惑があると予測されている。リーバーマンの第三党が過半数をとれなかったネタニヤフの第一党に翼賛する状況では、リーバーマンがキングメーカーとなり、その後の中東和平問題やイスラエルの国政の上にも、影響の大きい声となりそうである。
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ベンヤミン・ネタニヤフの愛称「ビビ」とピノキオを合成した、自惚れを揶揄する「Binocchio=ビノキオ」マスク

12. Prediction of upset in whole equation

However, polls are notoriously inaccurate in Israel. This time the pollsters' task is even more difficult, because the gaps among the parties are relatively small, turnout is expected to be the lowest in Israel's history and a plethora of small parties could upset the whole equation.
僅少差で崩れる互角のバランス
しかしながら、イスラエルの総選挙の投票予測はいつも当たらないことで悪名が高い。おまけに今回はいつもに輪をかけて、票読みのプロ泣かせの難航した展開となっている。その理由は、各政党間の予想得票数のギャップが比較的小さく、投票率がイスラエル史上最低になるのではないかと予測されているせいである。さらには、イスラエルの政情を特徴づける極小政党が群雄割拠する「plethora/政党の飽和状態」で、僅少差で番狂わせの勝敗決定をもたらすのがお決まりの展開である。
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イスラエル国内にもアラブ系市民は存在する(スクリーンの向う側) 手前でバスを待つのはオーソドックッス・ジュー

13. Running for 120 seats by 31 parties

Israelis vote for parties, not candidates, and the 120 seats are divided up according to the numbers of votes the parties get. This time 31 parties are running, the highest number ever. While only a dozen or so are likely to make it into the new parliament, accurately predicting the results in advance is nearly impossible.
120議席をめぐって争う31党の候補
イスラエルの国会=クセネットの議員選出方法は、立候補者に投票するのではなく、各政党別の得票率で議席数を割り出す「政党比例議席制」をとっている。今回の総選挙には31党が立候補し選挙戦を繰り広げているが、イスラエル史上最多の参加政党数を記録した。その中で新しい議席を獲得できるのは12党前後と見込まれているが、実際には事前に結果を予測するのはほとんど不可能に近い状況である。 <了>

【 米国時間 2009年2月10日 『米流時評』ysbee訳 】
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10日の投票日の1週間前にすでに投票所へ運び込まれた、イスラエル国旗と同色のバロット・ボックス=投票箱

◀前号「イスラエルとオバマ/3タカ大将のイスラエル総選挙」
▶次号「速報!タリバンがカブール政府を同時多発テロ攻撃、28名死亡!」へ
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by ysbee-2 | 2009-02-10 18:54 | 中東のパワーラビリンス

イスラエルとオバマ/イスラエル総選挙の3タカ大将

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  ||| タカ派三つ巴のイスラエル総選挙 |||

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極右タカ派と中道派リブニ、左右の追い上げに苦戦するリクード党ネタニヤフ
全候補者ともガザ制圧派、オバマ新政権のパレスチナ和平政策との対立は必至


d0123476_18552829.gifイスラエル総選挙の投票が今日実施された。米国時間で10日火曜、日本時間では11日水曜である。当初は元首相の経歴もあるビンヤミン・ネタニヤフのリクード党が過半数確実を伝えられていた。しかし、12月末から3週間続けられたイスラエル政府軍のガザ侵攻で、趨勢はがらっと変わってしまった。

現政権の外相であるズィッピ・リブニが退却するオルメルト首相に代わって率いるカディマ党が、ガザでの強気の侵攻を承認したイスラエル国民の支持を集めて、投票直前のアンケート集計結果では、ネタニヤフと実力伯仲の追い上げを見せた。さらに驚くことには、三位と目された労働党を抜き去って、極右ナショナリスト政党が意外な番狂わせで急迫。
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ガザでの戦闘が白熱化した段階で「ガザは第二次大戦時の日本」と切り出し、暗に核攻撃による致命的打撃さえ暗示した、極右のアヴィグドール・リーバーマンを党首に擁する Yisrael Beiteinu Party(イスラエル祖国党)が、リクード、カディマに次いで三位に躍り出たのだ。

d0123476_14302471.jpgYAN-Cさんのブログではイスラエル総選挙の開票結果を紹介してらっしゃいます。
▶ブログ RE: SUKI 2/12「イスラエル 総選挙は2党勝利宣言!」
エントリの冒頭より 「オバマ大統領はイスラエルのShimon Peres(シモンペレス)大統領に、和平の促進を促す電話をしたようです。これはワシントンポスト(Washington Post) に寄稿された「One region, two states」というペレス大統領の記事への、感想などだったようです......<後略>」


この傾向は、ガザ侵攻でイスラエル軍によるパレスチナ人虐殺が表面化し、国際世論がイスラエルに対して急激に批判的になってきている傾向と反比例して、アラブ・イスラム諸国に対して強硬路線を唱えるタカ派の党派に、国民の支持が傾いた結果にほかならない。
懲りないイスラエル………(嘆息)
4千年の長きにわたる「さまよえるユダヤの民」の歴史から、いったい何を学んできたのか?
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現地時間で11日の投票も終了し、現在開票結果を集計中の段階であるが、さてその結果は?
わずか120の国会の議席をめぐって、31の政党から候補者が乱立。しかも、首位4党の党首すべてが、アラブ・イスラムに対しては好戦的なタカ派ぞろい。90年代にジム・キャリーのコメディー映画で「Dumb and Dumber」(馬鹿ともっとバカ)という映画があったが、そのレトリックで言うと「Hawk and Hawker」である。

1948年の建国以来、常に中東紛争の台風の目となってきたシナイ半島の問題児、イスラエル。この国の次期首相に、ネタニヤフ、リブニのどちらかが納まるにしても、イスラエルが強行してきたガザ・ゲットーに対する封鎖体制は解かれそうにもない。イスラエルが歴史の教訓を生かして平和と協調を目指す日は、まだまだずっと先のことだろう。それも、もし奇跡的に存在するとすれば、の話なのだから。
【米国時間2009年2月9日『米流時評』ysbee】

*イスラエル総選挙関連の記事を、投票の前日・翌日の前後2回に分けてお届けします。

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FEBRUARY 9, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年2月9日号
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  Associated Press | B R E A K I N G
イスラエル総選挙投票予測:リクード・カディマ・愛国党・労働党の混戦
米国時間 2009年2月8日午後2時31分 | AP 通信・イスラエル支局発 | 訳『米流時評』ysbee

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Netanyahu: No Return of Golan Heights to Syria
Pledge is apparent attempt to shore up his right-wing credentials
FEBRUARY 8, 2009 | Association Press — BREAKING | Translation by ysbee
JERUSALEM, Israel — Benjamin Netanyahu, the front-runner in polls ahead of Israel's election this week, declared Sunday he would not give up the strategic Golan Heights for peace with Syria, an apparent attempt to shore up his right-wing credentials in the face of a last-minute charge by a hardline party.

戦略拠点ゴラン高原に執着するネタニヤフ
イスラエル・エルサレム発 |今週実施されるイスラエルの総選挙では、有権者の事前世論調査によると、リクード党党首のベンヤミン・ネタニヤフが首位を独走するはずだった。投票日を2日後に控えた8日日曜、ネタニヤフは戦略的拠点であるゴラン高原をめぐって、現政府がシリアと交渉中だった和平協定は継続しないと宣言し、タカ派が主流のリクード党の結束を固めるために、カディマ党の追い上げで熾烈になってきた選挙戦へ、最後の好戦的アピールを投じた。
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対アラブ諸国攻略を考慮した場合の戦略的要衝としてIDFが重視する、イスラエルとシリアの間に広がるゴラン高原

2. Issue: war, peace, terrorism, recession.

Israelis go to the polls Tuesday after one of the calmest campaigns in the nation's history, despite the vital issues facing Israel — war, peace, terrorism and economic recession. The electorate has appeared fatigued after Israel's three-week offensive against Gaza's Hamas rulers last month.
選挙戦の焦点:戦争・和平・テロ・不況
イスラエル国民は10日火曜に投票所へ向かうが、戦争 (ガザ侵攻)、平和 (パレスチナ和平)、テロリズム (イスラム過激派テロ)、経済不況、などの現実問題に連日直面していたにもかかわらず、今回の総選挙は1948年の建国以来もっとも騒ぎの少ない選挙戦で終始した。
ハマスの支配者に対するイスラエル政府軍の3週間におよぶガザ侵攻で続いた、戦争当事国としての緊張と論争が先月の一時停戦で一段落したあとは、有権者もやや疲労困憊した状況だった。11月に投票日は2月の10日と発表されて以来、この戦意高揚の時期にあっては、対アラブ強硬路線で知られるタカ派のネタニヤフ党首が率いるリクード党が、当初の予測通り首位を独走していた。
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ベルリンのイスラエル支持者デモ ユダヤ人は欧米諸国の各都市で住民となっており、イスラエルは彼らの精神的祖国

3. Surge of another hawkish party

Netanyahu has been leading in the polls since shortly after the Feb. 10 election was called in November. But his lead has been shrinking in recent weeks as another hawkish party, Yisrael Beitenu, or "Israel is our home," surges with its campaign against Israel's minority Arab citizens.
右派国粋主義者の台頭で食われるリクード党
11月に投票日は2月の10日と発表されて以来この戦意高揚の時期にあっては、タカ派のネタニヤフ党首が率いるリクード党が予測通り首位を独走していた。しかしながらネタニヤフのリードは、ここ数週間失速を見せていた。その理由はもうひとつのタカ派「イスラエルわが祖国」を標榜する極右ナショナリストの Yisrael Beitenu Party/イスラエル愛国党が、ガザ侵攻展開中にイスラエル国内の少数民族であるアラブ人市民に対して威圧的なキャンペーンを展開し、ユダヤ人のイスラエル国民の賛意を急激に集めたせいである。
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「ガザは大戦中の日本」説で脚光を浴びた、極右のイスラエル祖国党(愛国党)、アビグドール・リーバーマン党首

4. Glory of hero Netaniyahu eroded

Netanyahu's Likud Party has been the mainstream voice of Israel's right wing for decades, but the erosion in its support has led him to underline his hawkish positions in the final hours of campaigning. He visited a West Bank settlement on Friday.
6日間戦争の英雄ネタニヤフの栄光に陰り
ネタニヤフの率いるリクード党は、彼がイスラエル政府軍将校から政界入りして以来、数十年にわたってイスラエルの右翼の声を代表する、保守派主流となっていた。
しかし(ガザ侵攻を恐慌に推進する現役のリブニ外相の人気が高騰し)リクード党の支持者がカディマ党に食われていくにつれて、形勢不利を見て取ったネタニヤフは、選挙戦の終盤では急遽タカ派としての立ち位置を強調せざるをえなかった。また接戦にあせるネタニヤフが、将来的に盟邦国の立場を取らざるをえないパレスチナ西岸のアッバース政権を訪れ、現実的な政策の指針を示したのも、外交力に長けたリブニ外相に対抗しての作戦だった。
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当初独走態勢が伝えられたタカ派リクード党のネタニヤフ党首だが、カディマ党リブニ外相の追い上げで守りの体制

5. Potential Obama confrontation

In turning rightward, Netanyahu could be setting up a confrontation with the Obama administration if he becomes Israel's leader. Netanyahu opposes talks on a peace treaty with the Palestinians and favors allowing Israeli settlements in the West Bank to expand, two points that are likely to clash with Washington policy.
中東和平で予測されるオバマ政権との対立
ネタニヤフが政策方針を右傾化すればするほど、もし彼がイスラエルの元首となった場合には、オバマ政権とは対立するようになる可能性がある。
なぜならネタニヤフは、米国が推奨するパレスチナとの和平協定交渉の話し合いには反対であり、パレスチナ西岸地区におけるユダヤ人入植者の開拓部落、キブツの拡張政策を推進しているので「和平協定無視とキブツ拡張」というパレスチナ問題におけるふたつの焦点に対するネタニヤフの好戦的立場は、あくまで和平を標榜するワシントンのオバマ政権の外交政策とは相反する方針だからである。
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左:イスラエルの宿敵イランとも直接的対話をと主張する、平和外交のオバマ/右:先週和平交渉役として中東各国を歴訪しエルサレムを訪問した、米国務省のジョージ・ミッチェル中東特使とイスラエルの長老格シモン・ベレス大統領

6. Livni, 'The best for the job'

With polls showing him holding a slim lead over Kadima, the present ruling party, and its candidate, Foreign Minister Tzipi Livni, Netanyahu traveled to the Golan Heights on Sunday to emphasize their policy differences. Livni's campaign unveiled a new French slogan on a Jerusalem billboard: "L'homme de la situation," or "The best man for the job," playing on the fact that if elected, she would become Israel's second female premier.
現役の強みを訴えるリブニ外相
現行政権のオルメルト首相が党首を務めるカディマ党よりも、わずかなリードにとどまり追い込まれたリクード党のネタニヤフは、カディマ党との政見の違いを強調する目的で、わずか2日後に投票日の迫った8日の日曜、自らゴラン高原へ出向いて強気のキャンペーンを行なった。
一方、カディマ党の次期首相候補で現行の外相であるズィッピ・リブニの選挙運動本部では、エルサレム市内の屋外看板にフランス語で「L'homme de la situation」と大書した巨大なポスターを張り出した。その意味は「状況にふさわしい人物」であり、ガザ侵攻で男勝りの強気の軍事外交を推進した有利な立場を売り込む目的である。もし彼女の党カディマ党が与党となれば、党首となるリブニは自動的にイスラエル史上2番目の女性首相となる。
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泣く子も黙るイスラエルの諜報機関モサド出身のズィッピ/or ツィッピ・リブニ外相

7. Weighing into strategic Golan Heights

While Livni has not ruled out returning the strategic Golan Heights, captured in the 1967 war, in exchange for full peace, and the third candidate for premier, Defense Minister Ehud Barak of Labor, offered the Syrians just that deal when he was premier in 2000, Netanyahu insisted he would say no. "The Golan will never be divided again, the Golan will never fall again, the Golan will remain in our hands," he declared during his campaign stop there.
ゴラン高原の戦略的重要性を再確認
リブニ外相自身も(対シリア・イランを見越した)戦略上の拠点であるゴラン高原に関しては、選挙戦の論点から外したわけではない。そもそもゴラン高原は、1967年の6日間戦争(第三次中東戦争)の終結時に相互不可侵条約の見返りとしてシリアがイスラエルへ分断委譲した土地である。
第三の首相候補である労働党党首のエフド・バラク防衛相は、2000年首相として在職中にシリアへ分譲返還する和平案を提案した経歴を持つが、当時ネタニヤフはこの案に真っ向から反対したという経緯があった。 >> 後編へ続く

【 米国時間 2009年2月9日 『米流時評』ysbee訳 】
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ハマスがイスラエルに撃ち込んだ自家製ロケット砲の残骸 破壊力は屋根を突き破る程度で10年間の犠牲者は4名

▶後編「ネタニヤフとリブニ/イスラエルの2月体制」へ
▶次号「速報!タリバンのカブール政府同時多発テロ攻撃で28名死亡!」へ
◀前号「テロ戦争の内幕/ブッシュとビンラディンの危険な関係」
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by ysbee-2 | 2009-02-09 12:24 | 中東のパワーラビリンス

中東が変わる!米国・イラン30年ぶりに国交回復へ

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  ||| 米国・イラン30年ぶりに国交回復へ |||

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30年間の国交断絶をやぶる外交革命 米・イランついに国交回復へ
バーンズ米国務次官、今週末ジュネーブでイランの核担当相と会談へ


米国時間2008年7月17日午前2時50分 | ロイター通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』
ロンドン発 |米国は来月、イランとの30年間の国交断絶をやぶって、テヘランに米国の外交出先機関を設立する計画を発表する予定であるというスクープを、英国のガーディアン紙が17日木曜の朝刊に掲載した。同紙の一面トップを飾ったこの記事では、米国政府はイランの首都に、大使館開設までの足掛かりとなるような米国政府の施設を開設する予定であると書かれている。

トップ:マレーシアのクアラルンプール空港へ到着した 左からイランのモタキ外相、アフマディネジャド大統領
Report: U.S. to Establish Presence in Tehran
Article in U.K.'s Guardian says U.S. would end 30-year absence
JULY 17, 2008, 2:50 a.m. EST | REUTERS — BREAKING | Translation by ysbee
LONDON — The United States will announce in the next month that it plans to establish a diplomatic presence in Tehran for the first time in 30 years, a British newspaper said Thursday. In a front-page report, the Guardian said Washington would open a U.S. interests section in the Iranian capital, halfway towards opening an embassy.

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JULY 17, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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  R E U T E R S | B R E A K I N G

米・イラン間に外交革命、国務省テヘランに米大使館設立準備計画
米国時間 2008年7月17日午前2時50分 | ロイター通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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1. Establish a diplomatic facility in Teheran
The unsourced report by the newspaper’s Washington correspondent said: “The Guardian has learned that an announcement will be made in the next month to establish a U.S. interests section in Tehran, a halfway house to setting up a full embassy. “The move will see US diplomats stationed in the country,” the paper wrote.
テヘランに米大使館開設までの臨時施設
情報源は明かされていないが、ワシントン駐在のガーディアン紙の記者がさる消息筋から取材した内容が次のように書かれている。
「ガーディアン紙の聴くところでは、米国政府は完全な体制の大使館を設立するまで、準備段階としての米国(国務省)の出先機関をテヘラン市内に設立する計画を、来月発表する予定である。この外交政策の大転換で、米国政府の外交官がイラン国内に常駐することになるだろう。」
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テヘラン市内のカフェでくつろぐイラン人女性

2. A remarkable turnaround in Iran policy

Senior U.S. diplomat William Burns said in testimony to Congress last week the United States was looking to opening up an interest section in Tehran but had not made a decision yet. The Guardian said the development was “a remarkable turnaround in policy by President George Bush who has pursued a hawkish approach to Iran throughout his time in office.”
ブッシュの「テヘランの壁」崩壊
米国国務省のウィリアム・バーンズ次官は、先週下院の聴聞会での答弁で「米国は将来的にテヘランに政府の出先機関を開設する意向はあるが、現時点ではまだそこまでの決断は下していない」と状況説明していた。ガーディアン紙の記事では、「今回の展開は、これまで7年半の在任期間中イランに対しては一貫してタカ派の攻撃姿勢をつらぬいてきたジョージ・ブッシュ大統領による、外交方針のめざましい転換である」と述べている。
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イスラム圏女性が全身を被う伝統的なチャドルのオーダーを受けるテヘランのテーラー/仕立屋

3. U.S. envoy joining the nuke talks

Washington said Wednesday it was sending Burns to join atomic talks with Iran this weekend to signal to Tehran and others that Washington wanted a diplomatic solution to their nuclear impasse. Iran says its nuclear work is for peaceful power generation, and not for the development of nuclear weapons as the West suspects, and has rejected conditions it give up uranium enrichment.
バーンズ次官、ジュネーブの核保安会議に出席
16日水曜米国政府は、今週末ジュネーブで開催される核保安会議に、国務省のウィリアム・バーンズ次官を出席させると発表。国務省のこの動きは、イランを始めとする核(兵器)開発国に対して(武力ではなく)外交的手段で解決を図りたいというブッシュ政権の意向を示唆する動きとして注目されていた。以前からイラン側では、同国の核開発計画はあくまで発電用の核エネルギーとしての平和利用であり、西側諸国が疑惑を抱いているような核兵器開発ではないと主張し(経済封鎖を解くために西側から要求されている)ウラン濃縮工程を断念するという条件を拒絶し続けてきた。
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テヘラン市内のオーディオショップ ドアーズのジム・モリソンやニルヴァーナのカート・コバーンのポスターも

4. 'Iran would consider any proposal by the U.S.'

On Sunday, President Mahmoud Ahmadinejad suggested Iran would consider any proposal by the United States for a U.S. interests section in the Islamic Republic, should one be forthcoming. U.S. media have reported that the State Department is considering opening an interests section that could mean U.S. diplomats returning to Tehran but operating under another country’s flag.
「イランは米国のいかなる提案も検討する意向」
去る13日日曜(シンガポールで開催されたイスラム教諸国サミットでの記者会見で)イランのマフムード・アフマディネジャド大統領は、イスラム共和国内に米国の出先機関をおくためにどちらかが譲歩するべきであるのなら、米国側からのいかなる提案も検討するつもりであると、イラン側の外交受け入れ態勢を示唆していた。また米国のメディアは、「国務省では他国の旗の元に運営されて(=他の大使館内に一時的に場所を借りたかたちで)米国の外交官がテヘランへ戻るという状況を示唆するような、米国の出先機関の開設を検討中であるようだ」と報道していた。
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テヘラン市内の歴史資料館 イランはササン朝ペルシャを始めとする古代からの遺跡や古美術品の宝庫

5. Reviving ties cut off since hostage crisis

The United States cut off diplomatic ties with Tehran during the 1979-1981 hostage crisis, in which a group of militant Iranian students held 52 U.S. diplomats hostage at the American embassy for 444 days. Iran maintains an interests section at the embassy of Pakistan in Washington. Mottaki said it serves the large Iranian community in the United States.
米国大使館人質事件以来30年ぶりの国交回復
米国は1979〜1981年のイスラム革命の最中に、イスラム強硬派のイランの学生たちが、当時のイラン王政を打倒する目的でゲリラグループを組織し、イラン駐在米国大使館を襲って、大使館員とその家族52名の米人を444日間にわたって拘留した「イラン米国大使館人質事件」が起きて以来、30年間にわたって国交断絶が続いていた。
それ以来イランは米国との外交折衝の窓口を、ワシントン駐在のパキスタン大使館を経由してかろうじて連絡を取っていた。イランのモタキ外相の説明では、今回の外交関係復活は、米国国内に在住するイラン人社会にとって、大きな前進であると表明した。 [了]

【米国時間 2008年7月17日 『米流時評』ysbee 訳】
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イランの富士山?ダマヴァンドの霊峰を望むディジンリゾート イランでも山岳地帯には降雪がある

»» 次号「五輪最前線 自爆テロ、ハイジャック……北京の緊急テロ対策」 へ続く
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by ysbee-2 | 2008-07-17 18:20 | 中東のパワーラビリンス

スクープ!米・イランに外交革命!テヘランに米大使館設立計画!!

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   ||| テヘランの春 30年目の雪解け |||

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英国ガーディアン紙の一大スクープ! 米・イラン国交ついに復活
30年の国交断絶に終止符、テヘランに米大使館の前身を設立計画


d0123476_18552829.gifあっと驚いてウ〜ンとうなってしまった。最近の緊急速報や大ニュースには連日の事なので慣れっ子になったつもりだったが、これは冗談でなく、地軸の度数が変わるほどの一大ニュースだ。イランと米国の緊張した対立の壁が一挙に崩れたような感じである。スクープして一面トップで報道したのは、英国のガーディアン紙。

西側諸国のG8サミットに対抗するかのように時期を全く同じくして、マレーシアのクアラルンプールで開かれていたイスラム諸国サミット。たしかにこの席で、イランのアフマディネジャド大統領は、「今後イランはいかなる戦争もしない」という平和宣言を発して、記者会見に臨んだジャーナリストばかりでなく、イスラエルのイラン攻撃がいつ始まるかと固唾をのんでいた世界の緊張に、見事(?)なフェイントをかけた。

7/08朝 WTF! アフマディネジャドの大乱心?戦争放棄宣言
7/08夕 イスラエル自滅、米国破産で中東平和?アフマディネジャドの大妄言!
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3/11 速報!米中央軍ファロン総司令官、突然の辞任で噂されるイラン攻撃
6/21 警告!イスラエル対イラン 中東核戦争への助走
6/22 イラン攻撃は現実か?イスラエル、中東戦争への秒読み開始
6/23 イランの核に協力する中国・ロシアと中東核戦争の想定


さらには一昨日から国務省のナンバー3であるウィリアム・バーンズ次官が、イランのサイード・ジャリリ核エネルギー担当相と、19日土曜にスイスのジュネーヴで開かれる核保安の会議に同席し、その席で直接的にか間接的にかはまだ明確ではないが、会談をもつ予定だとAP通信のスクープが出たのが15日。ブッシュ政権の、特にライス長官以下の国務省側では、イランとの国交回復でこの機に一気に中東平和の駒を進めるのではないか、と噂されていた最中だった。
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07年、サウジアラビアのファイサル国王と並んで、中東アラブ諸国リーグのパワーハウス(=ドン)であるエジプトのムバラク大統領(右)と会談する、ペンタゴン和平派のロバート=ボブ・ゲイツ国防長官と米外交トップの激務を4年務めるコンドリーザ・ライス国務長官

一方で、イラン攻撃の脅しで肝を冷やさせられたイスラエルは、今週なんとガザとの捕虜交換に調印し、アラブ・ユダヤの4千年の抗争にやや一息つくのかという、こちらも180度転換の和解ムード。5人のヒズボラの殺人犯人は、ある者は20年以上の虜囚生活の末にガザへ生還した。しかし、レバノン側の祝賀気分とは明暗を分けるような、沈痛な空気がイスラエルをおおっている。それは、一昨年夏のレバノン戦争のそもそものきっかけとなった、ゴラン高原で堡俏中のイスラエル空軍兵士2名をヒズボラが捕獲した事件。戦争捕虜となった2人のイスラエル兵士は、今回の捕虜交換では国中の期待に反して、黒い棺に納まってイスラエルへ無言の帰郷をした。家族は元より、筋金入りの愛国心で知られるイスラエル国民が、このままでは黙ってはいないだろう。このニュースは昨日今日と追いかけていたので、週末にでもこれまでの経過と併せてまとめてお伝えしたいと思っていたところ。

6/24 サルコジの聖地巡礼「エルサレム分割で中東平和を」
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1/23 ガザ・エクソダス!ガザの壁崩壊で35万人エジプトへ越境
1/24 ポスト・ジェリコ ガザの壁崩壊が中東に及ぼす波紋
1/25 ガザ・ゲットー 壁崩壊による窮乏からの脱出


それよりもアフガンの戦局が急激に悪化してきて、米軍は13日日曜の戦闘で、ここ3年間で最高の一度に9人の戦死者を出した。今日はペンタゴンが、パキスタンとの国境地帯クナール州ワナットの前線基地を「ギブアップ」した、というニュース。要するに、完成してわずか3日目のアフガン最前線の護りとなるはずだった米軍の砦が、200人ばかりのタリバンに包囲されて陥落した、という惨状である。そら見たことかである。イラク戦争はあらゆる局面で米国の足を引っ張る。実はこの状況に、去年から明快な回答を提言しているのが、バラク・オバマ。これも記事はフォーマットまでできているので、あとは翻訳して明日の掲載になる予定。

6/13 タリバン大胆不敵!アフガン監獄を襲撃、囚人千名大脱走!
6/16 ランドレポートが暴露したタリバンとパキスタン政府の癒着
6/17 ランドレポートで急旋回するテロ戦争の最前線
7/14 緊急アフガンレポート・テロ戦争の最前線から
7/15 タリバンの逆襲・アフガン戦死者2400名に

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6月にイラクの駐留米軍を視察した後アフガニスタンへ周り、首都カブールでカルザイ首相とアフガン・パキスタンのテロ戦争の現況を話し合う米軍中央司令部のミューレン総司令官。この時点で、ミューレンは「イラクよりもアフガンが深刻」と悟ったに違いない。

さて本題のガーディアン紙のスクープ記事だが、ここはよくガザやレバノンのイスラムゲリラ側の報道が詳しく載るので、多分イラン側の消息筋から聞き取った情報だろう。詳細はのちほどガーディアンの元記事を熟読してお伝えするが、私のメールに入ってきたのはロイター通信からの速報。ロイターはAP通信の記事と比べいつもボリュームにして半分か3分の1の短さで、出来事の要旨を掴むには便利である。
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無言の写真からも語りかけてくるものがある。この写真は、03年にサダム政権が倒れた後初めてイラクで実施された民主選挙の不在者投票風景。スンニ派のサダム政権の弾圧を逃れテヘランへ亡命していた、イラン政権と同じシーア派のイラク人女性有権者。ということは、イラン政府はこの選挙で成立したシーア派の新生イラク政府に、選挙の結果が出る以前から肩入れしていたことになる。写真をよく見ると見えてくる真実がある……

だが「現象のディテールにこそ事の本質が現れる」という経験則を大事にする私としては、事件や事変の現場の詳細をいたずらに加工したり抽象化せず「ありのまま」に伝えるAP通信の方が、事実の具体的なイメージもわき背景もよく判るので、どうしてもそちらを優先してしまいがちである。しかし今回はともかくこのニュースを一刻も早くお伝えしたいので、未消化ではあるが端的にまとまっている、短い方のロイターの記事を訳してお届けする。
こんなどうでもいい楽屋裏の前書きはさっさと飛ばして、早く翻訳を急ぎなさい!……ハイ。

»» 次号「中東が変わる!米国・イラン30年ぶりに国交回復へ」に続く

追記:関連記事のリンクをつけたりしていたら前書きがやたら長くなってしまいましたので、本文のロイター通信の『米・イラン国交回復』の記事は次のページへ分割掲載いたしました。

【米国時間 2008年7月17日『米流時評』ysbee 記】d0123476_1023580.jpg

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by ysbee-2 | 2008-07-17 17:50 | 中東のパワーラビリンス

ガザ・ゲットー 壁崩壊による窮乏からの脱出

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  ||| ガザ・ゲットー 窮乏からの脱出 |||

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ガザの壁崩壊3日目集団越境止まず、お手上げのエジプト国境警備隊

米国時間2008年1月25日午前10時00分 | AP通信・ガザシティ〜エジプト・ラファー国境発
エジプト・ラファー発 |25日金曜、エジプト-ガザ間の国境に沿って、エジプト側の機動隊が9列にも隊列を組んで押し寄せるガザ住民の群衆が越境するのを阻止しようとした。しかし、境界にそびえる鉄壁やコンクリートの壁、フェンスなどが随所で破壊され、そのあとをブルドーザーが地ならしして、3日目も相変わらず数万人のパレスチナ人が倒れたガザの壁を乗り越えて、国境の町ラファーに押し寄せている。
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Gazans Knock Down New Portion of Egypt Wall
Egyptian soldiers and riot police fail to stem the flow of Palestinians
JANUARY 25, 2008 EST | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
Continued from the previous issue |RAFAH, Egypt — The collapse of the border, although likely temporary, is a boon to Hamas. It briefly eases the international blockade of Gaza. and gives the Islamic militants possible leverage in demanding new border arrangements. At the same time, it will likely raise tensions between Egypt and Israel, which fears militants and weapons will flood Gaza in growing numbers.

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JANUARY 25, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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  A s s o c i a t e d P r e s s

ガザ・ゲットー ガザの壁崩壊による鎖国窮乏からの脱出
米国時間 2008年1月25日午前10時10分 | ガザ〜エジプト国境発・AP通信 | 『米流時評』ysbee 訳

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1. Another hole on border block
Men in black clothing, some of them masked, stood atop the bulldozer as it knocked down a concrete slab under the watchful eyes of Egyptian forces on the other side who shot in the air in an attempt to hinder the flow of Gazans into Egypt.
Thousands of Palestinians, many of them carrying empty fuel canisters, managed to push through several openings despite the presence of the Egyptians deployed nine rows deep in some places. At one point, guards aimed a water cannon above the heads of people, not at them, to keep them back.

ガザ・エジプト国境の壁に新たな崩壊部分
ガザとエジプトとを仕切るコンクリートの境界壁を押しつぶすブルドーザーの上には、ある者は黒い覆面で顔を隠した見るからにハマス戦士とわかる黒装束の男たちが立っており、国境の反対側ではエジプトの機動隊が、ラファーの町へなだれ込むガザの群衆をひるませる目的で、空砲を空に向かって発砲していた。
数千のパレスチナ人が、その多くは空の灯油用のポリ容器をぶらさげて、国境の向こう側には9列にも隊列を組むエジプトの機動隊が待ち構えているにもかかわらず、境界壁の数カ所に開けられた間隙から何とかエジプト側へもぐりこもうと躍起になっていた。ある地点では、機動隊が群衆を元来た方向へ帰らようと、放水車から群衆へ直接目がけてではなく彼らの頭上へと放水していた。
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エジプト側からは国境警備隊に加えて暴動鎮圧専門の機動隊が出動 放水車で威嚇するが効果なし

2. Lifting the crates of supplies, and hope

Cranes were positioned next to the border, lifting crates of supplies over into Gaza. Egyptian forces took up positions a few steps into Palestinian territory, using shields to protect themselves from some Gazans who climbed atop car roofs and threw stones at them. Witnesses said a photographer was lightly injured in the clash.
物資とともに運ばれた明日への希望
国境のすぐ脇では数台のクレーン車が、ガザへと搬入される荷物を吊り上げていた。数人のパレスチナ人が車の屋根によじ上って境界越しに投石してくるのを強化プラスチックの盾でよけながら、エジプトの機動隊はパレスチナ側の領土へ数歩足を踏み入れて、押し寄せる群衆の侵入を防ごうとした。目撃者の証言では、この衝突で報道カメラマンが軽い怪我をした模様である。
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クレーン車に吊り上げられ国境を越えるラクダ 下に見える黒いシルエットはガザの群衆

3. Palestinians flooding in and out

The border was first breached Wednesday, when Palestinian militants blew down large sections of the border wall. Since then, Egypt has allowed tens of thousands of Palestinians to go back and forth, but has rejected any suggestion of assuming responsibility for the crowded, impoverished territory. The visitors included a gaggle of Palestinian women in finely embroidered dresses and fresh makeup, heading to relatives’ weddings in Egypt they said had been hastily moved up to allow Gazan family members to attend.
雪崩のように押し寄せる群衆に抗しきれず
最初にエジプトとの国境が破壊されたのは23日水曜で、数人のパレスチナ人ゲリラが国境にそびえていた境界の壁を爆破し、かなりな部分がエジプト側へ倒壊したのがきっかけだった。その時以来エジプトは、数十万人のパレスチナ人が国境線を越えて行き来するのを黙認していたようだが、この貧窮の底にあえぐ地域に対して、非人道的な何らかの対処を講じる責任を避けたのだろう。
国境を越えてエジプト側へ訪れたパレスチナ人の中には、綺麗に化粧して瀟洒な刺繍をほどこした衣装をまとった女性の一団もおり、彼女らはエジプト国内に住む親戚の結婚式に向かうところだと言った。国境の壁が崩れて彼女らがエジプトに来るチャンスが訪れたので、新郎新婦は彼女らが出席できる間に間に合わせようと、結婚式の日取りを急遽早めたのだそうである。
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ガザ全体の人口は140万人だが、初日だけで35万人が越境した 3日目の今日も引きも切らず

4. Announcement to return

Yousef Mohammed, 17, from Gaza, said he waited until Friday to make the trip because he was trying to get together enough money first to shop in Egypt. “They don’t want us to go in,” he said, pointing at the riot police. Travelers returning from Egypt said they heard loudspeaker announcements there that Gazans had to return home by 7 p.m. Friday.
帰還指示のアナウンスに従う市民
ガザ市内から国境までやってきた17才のユセフ・モハメッドは、初めてエジプトで買物をするために充分な金を貯めるために、金曜まで国境を渡るのを待つつもりだと言う。「あいつらは俺たちにはエジプトに入ってもらいたくないんだよ」とエジプト側の機動隊を指差して言った。一方国境を越えて買い出しに行って戻ってきた者たちは、ガザの住民は金曜の夜7時までにガザへ戻るようにと命じるアナウンスが、街頭のスピーカーから流れてくるのを聞いたと言っていた。
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物資困窮に泣くガザ市民 物価が3分の1のエジプトから買えるだけ買い込んで帰路に着く

5. Verbal spat between Egypt and Israel

The border issue became a verbal spat between Egypt and Israel when Israeli Deputy Defense Minister Matan Vilnai said Israel gradually wants to relinquish responsibility for Gaza, now that its border with Egypt was blown open.
イスラエルとエジプトの間で国境警備論争
イスラエルのマタン・ヴィルナイ防衛副相が「イスラエルはガザとの国境線に対する警備責任を、徐々に軽減して行きたい」と発言して以来、ガザの国境封鎖問題では、エジプトとイスラエルの間で論争が取り交わされていたが、今やエジプトとの間の国境に風穴が空けられる結果となった。
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土手を破壊して流れ込む奔流のように、境界線の各所が破られ随所から越境するガザ市民

6. Defense Minister Barak cautioned

It was a position echoed by other Israeli officials, who said the border breach could pave the way for increasingly disconnecting from the territory. However, Israeli Defense Minister Ehud Barak, speaking on Thursday to The Associated Press on the sidelines of the World Economic Forum in Switzerland, said he did not want to “go too far in my interpretation of this.”
イスラエルのバラク防衛相の警告
ガザ国境封鎖問題に関するイスラエルとエジプトの意見の対立は、「越境行為によって、ガザは中東地域からますます孤立化する道をとることになる」という別のイスラエル政府高官の発言でも繰り返し明らかにされてきたことである。この高官とはイスラエルの防衛相エフド・バラク氏であるが、スイスのダボスで開催中の世界経済フォーラムの合間を縫って25日木曜AP通信記者の取材に答えて、国境問題に関する自分の解釈が行き過ぎとはとられたくないが、と前置きしてこの発言をしたものである。
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元イスラエル首相で現在は防衛相のエフド・バラク氏/同じく閣僚のシモン・ペレズ内相

7. Mubarak "Lift the seige"

Egypt angrily rejected the Israeli ideas and said it would not change border arrangements. In an interview published Friday in the weekly Al-Osboa, President Hosni Mubarak called the situation in Gaza "unacceptable" and called on Israel to "lift its siege" and "solve the problem."
ムバラク、国境封鎖解除を呼びかけ
(今回の国境の壁崩壊に際して、当初エジプトがガザ市民の越境を大目に見た理由は)エジプトがイスラエルの『国境封鎖によるガザ封じ込め案』とその実施に対して、怒りを込めて拒絶反応を示した現れと解釈すべきだろう。
26日金曜に発行された週刊誌『アル・オスボア』のインタビュー記事の中で、エジプトのホスニ・ムバラク大統領は、国境封鎖によるガザの困窮状態は「unacceptable=見過ごすわけにはいかない」惨状であると、イスラエルの政策に対立する意見を表明し、イスラエルに対しては「封鎖解除」と「問題解決」の二点を正面きって呼びかけている。 »» 続く

【米国時間 2008年1月25日『米流時評』ysbee 訳】
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ガザの壁崩壊の前夜22日、イスラエルの国境封鎖による物資不足と送電停止による停電に抗議するキャンドルデモ
◀「ガザ・エクソダス 第4部」へ続く

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■ 必読 ■ 中東の歴史と現状を理解するために
米流時評 総論「ガザの悲劇」4千年の中東民族抗争
■ 特集 ■ アナポリス中東平和会議 全4章
■ 特集 ■ 中東核戦争
「イランが危ない!」中東大戦争の可能性
「中東大戦争前夜?」急浮上するシリアとイスラエルの核紛争
1  戦争挑発行為?イスラエル爆撃機のシリア領空侵犯
2  中東核戦争の危機は本物か
3  「新ジェリコの戦い」イランのミサイル報復作戦
4  核のターゲットはイラク・アフガン駐留米軍
5  消された記事『中東代理戦争:シリア対イスラエル』
6-1 ホワイトハウスのウォーゲーム
6-2 「2008年核戦争の冬」チェニーのウォープラン
6-3 復讐の世紀「核のアルマゲドン」中東戦争
6-4 暴かれた大謀略・ネオコンとイスラエルの中東「核の戦略」
■ 特集 ■ 中東・イラン問題
急接近する北朝鮮とイラン、二国同盟に初調印
ブレアの再出発・中東平和外交代表
イラン警告:1分間で1万1千発ミサイル発射可能
衛星写真が証明 シリア核施設空爆後の証拠隠滅


||| 『米流時評』 特集シリーズ |||
次世代冷戦時代  |  グローバルウォー  |  イラク戦争  | テロとスパイ陰謀d0123476_1746245.jpg
アルカイダ2.0 核のテロ | パキスタン戒厳令の季節  |  アフガン・タリバンの復活
中東のパワーラビリンス | プーチンのロシア | ユーラシアの回廊 | ダイハード中国
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by ysbee-2 | 2008-01-25 16:05 | 中東のパワーラビリンス

ポスト・ジェリコ ガザの壁崩壊が中東に及ぼす波紋

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  ||| ガザの壁崩壊が中東に及ぼす波紋 |||
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ガザの壁崩壊、物資補給でイスラエルのパレスチナ鎖国状態に風穴
活気づくハマス、エジプトと左岸アッバースにガザ緊急会談を提案


米国時間 2008年1月23日午前0時10分 | AP通信・ガザシティ〜エジプト・ラファー国境発
前号からの続き | 境界線の崩壊は、一時的な現象とはいえハマスを活気づけた。壁の崩壊で一時的に物資が補給できたために多少息を吹き返した。さらにはこの一件で、イスラム過激派のハマス軍団は国境封鎖の状況に、新しい提案を起こす可能性も出てきた。またそれと同時に、エジプトとイスラエル間に新たな緊張を生んだことも否めない。イスラエルは今回の境界線の壁崩壊で、イスラム叛徒が武器をたずさえてガザへ大量に流入する事態を怖れている。
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Gazans Exodus — Part 2: Post Jericho's Wall
Hamas called for an urgent meeting with Egypt and Fatah in West Bank
Continued from the previous issue |RAFAH, Egypt — The collapse of the border, although likely temporary, is a boon to Hamas. It briefly eases the international blockade of Gaza. and gives the Islamic militants possible leverage in demanding new border arrangements. At the same time, it will likely raise tensions between Egypt and Israel, which fears militants and weapons will flood Gaza in growing numbers.
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JANUARY 24, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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  A s s o c i a t e d P r e s s

ポスト・ジェリコ ガザの壁崩壊が中東に及ぼす波紋
米国時間 2008年1月23日午前0時10分 | AP通信・ガザ-ラファー国境発 | 『米流時評』ysbee 訳

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8. Hamas leaders responses
Hamas supreme leader Khaled Mashaal said from Syria that Hamas was willing to work out a new border arrangement with Egypt and the rival Fatah, led by moderate Palestinian President Mahmoud Abbas. In Gaza, Hamas Prime Minister Ismail Haniyeh called for an urgent meeting with Egypt and Fatah to work out a new shared arrangement for Gaza's border crossings.
ハマス指導者からの新しい提案
シリアに亡命しているハマスの最高指導者カレド・マシャール師は、ハマスは新しい国境境界線の建設/計画を、エジプトともまた宿敵のファタハとさえも積極的に模索するつもりであると声明を発表した。ファタハは昨年まで同じガザ市内にいたパレスチナ穏健派のマフムード・アッバース政権を支持するパレスチナ左岸地区の政党である。一方ガザのハマスでは、イスマイル・ハニイェ首相がエジプトとファタハに対して、ガザ周辺の国境設備の設定に共同で新しい提案を模索する緊急会談を持つよう呼びかけた。
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破壊される前のガザ-エジプト間国境の壁 パレスチナ人が無傷でこの壁を越える日が来るとは誰が想像しただろうか

9. Abbas denounces Hamas's proposal
He suggested that Hamas would be prepared to cede some control to the Abbas government in the West Bank. "We don't want to be the only ones in control of these matters," Haniyeh said. But Hamas' position was swiftly denounced by Abbas' government. Ashraf Ajrami, a Cabinet minister, said Haniyeh's call for participation was meant to sidestep Abbas' demand that Hamas return all of Gaza to his control.
左岸アッバース、ハマス提案を即刻却下
ハニエ首相はこの声明の中で「われわれはこのガザ境界線の問題を、ハマスだけにかかわる問題としては処理したくない」と表明し、左岸のアッバース政権に対してハマス側がある程度の発言力を与える用意があると示唆した。
しかし、新しい境界線設定を呼びかけるハマスの提案は、パレスチナ左岸のアッバース政権によってただちに却下された。左岸アッバース政権のアシュラフ・アジラミ内相は「問題解決に左岸にも参加を呼びかけるハマスのハニエ首相の提案は、アッバース政権が提唱している『ガザ奪還による全パレスチナの掌握』の路線を逸脱させる意図で発せられたものである」と非難した。
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破壊された箇所をさらにガザ側からブルドーザーが出動し地ならし 車や馬車まで通行できる国境の風穴となった

10. 'It's a problem, not a solution'
"Everything Haniyeh is saying is simply to exploit this situation to win political gains. ... It is a part of the problem, not the solution," Ajrami said. Hamas seized control of Gaza by force in June, routing pro-Fatah security forces. Israel and Egypt sealed their border crossings with the coastal territory in response, and Abbas established another government in the West Bank. The two bitter rivals have not had formal contact since.
「ハマス提案は解決ではなく問題の種」
「ハニエの言っている事は、すべて今回の事態から政治的優位を引き出そうと問題を利用しているに過ぎない・・・彼の提案は解決ではなく問題をふやすだけだ」とアジャミ内相は結論づけた。
ハマスは武力抗争によりアッバースの率いる親ファタハ自衛軍を駆逐して、昨年6月にガザ地区での覇権を確立した。爾来親米政権のイスラエルとエジプトは、イスラム過激派の勢力拡大を怖れ、陸路と海上の国境線を完全封鎖して、左岸に遁走したアッバース政権のパレスチナ代表権を公式に承認した。ハニエ首相率いるイスラム過激派のハマス政権のガザ地区と、アッバース大統領率いる親米穏健派のファタハ政権の左岸地区。パレスチナを二分するこの二つの対立政権は、昨年以来公的な接触は皆無の抗争状態にある。
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ローマ帝国の属領統治の黄金律「分割して統治せよ」がそのまま当てはまる、イスラエル建国によって生じたパレスチナ分割。エジプトに近い地中海岸のガザ地区とヨルダン川西岸のウェストバンクとに二分され、昨年アッバース政権がパレスチナの正式政府として西側に公認されるまでは「ガザ地区」「左岸地区」と呼ばれ、国家ですらなかった。

11. Israel and the West boycott aide
Israel and the West imposed an aid boycott on the Palestinian government after Hamas won a parliamentary election and set up a government in early 2006. The sanctions have cut off roughly half of the estimated $1 billion in foreign aid and tax transfers from Israel. Since June, the West has been supporting Abbas and Gaza has received little direct foreign aid beyond the existing programs for Palestinian refugees there.
イスラエル主導で西側がガザ支援を拒否
イスラエルと西側諸国は、2006年初頭にガザで行なわれた議会総選挙でイスラム過激派のハマスが大勝して以来、それまで続いていたパレスチナ政府への経済援助を放棄した。この経済封鎖によって、海外基金とイスラエル税収からの譲渡金の推計10億ドル(約1140億円)の経済援助の半分が削減されてしまった。しかも昨年6月からは、西側諸国は左岸に樹立したアッバース政権のパレスチナ代表権を認めたため、パレスチナ難民の多くがガザ地区に居住しているにもかかわらず、国連の難民救済基金からの直接の経済援助はほとんど皆無に等しい状況となった。
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昨年6月ガザの覇権でハマスとの武力闘争に破れパレスチナ左岸に敗走したファタハを率いるアッバース政権は、西側諸国の支持をとりつけ正規のパレスチナ政権として承認された。しかしアッバース左岸政権は、あたかも「中東のヴィシー政府」のようで、パレスチナ人の自主独立を放棄して傀儡政権として米英の傘下に下ったようにしか見えない。

12. Israel concerns breach of security
Israel expressed concern that militants and weapons might be entering Gaza from Egypt amid the chaos, and said Egypt is responsible for restoring order. Israel also is in a difficult situation. It cannot be seen as criticizing Egypt too strongly for fear of alienating one of the few Arab countries it has a peace treaty with.
国境保安の欠落を指摘するイスラエル
イスラエルは、今回のガザの壁崩壊の混乱に乗じて、イスラム過激派の叛徒と武器がエジプト側から国境を越えてガザへ流入するかもしれないと危惧しており、エジプトが元通りの国境警備体制を復活する責任があると指摘した。しかし、イスラエルもまた難しい状況に立たされていることは間違いない。万一治安責任でエジプトへの糾弾が厳しくなり過ぎると、中東でイスラエルと平和条約を結んでいる数少ないアラブ諸国の一国を疎外する攻撃的態度と受け止められかねないからだ。
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国境を遮断され鎖国状態におちいったパレスチナ 物資補給を全面輸入に頼るガザ地区では物資が底をつき困窮状態に

13. Border control is on Egypt, not Israel
"Israel has no forces in Gaza or Egypt, and the Egyptians control the border, and therefore it is the responsibility of Egypt to ensure that the border operates properly according to the signed agreements," said Arye Mekel, a spokesman for Israel's Foreign Ministry. "We expect the Egyptians to solve the problem," he added. "Obviously we are worried about the situation. It could potentially allow anybody to enter."
「国境警備はイスラエルでなくエジプトの責任」
ガザ-エジプト間の国境警備に関して、イスラエル外務省のアリエ・メケル広報官は次のように主張する。「ガザにもエジプトにもイスラエル軍は駐屯していないし、ガザとエジプトの国境はエジプト政府の管轄にある。従って、イスラエル-エジプト間の安保条約で決められた協定にそって妥当な国境警備が実施されるよう確認する責任は、ひとえにエジプトにある。イスラエルとしては、エジプト政府が今回の問題を順当に解決するよう望んでいる。もちろん我が国は事態の進展を非常に懸念している。壁が崩壊した状況のままでは、誰でもガザに容易に侵入する怖れがあるからだ。」
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グリーンの旗はガザの軍団ハマスのシンボル イスラエル国境付近ではロケット砲や銃撃戦の抗争が絶えない

14. Weapons easier to find than Coca-Cola
In Egyptian Rafah, a market stall selling pistols and ammunition clips for Kalashnikov assault rifles had no customers Wednesday. Weapons are generally brought into Gaza through smuggling tunnels under the Gaza-Egypt border. An off-duty Hamas policeman, who only gave his first name as Abdel Rahman, said there was no need to buy weapons from Egypt. "You can buy weapons in Gaza, guns and RPGs," he said, adding that they were easier to find than Coca-Cola.
武器には不自由しないガザ
d0123476_1516928.jpgエジプト側の国境の町ラファーでは、ガザとの国境の壁が崩壊した23日水曜の段階では、AK-47カラシニコフ銃の銃弾や拳銃を販売しているショップには、ガザからの客は現れなかった。ガザに持ち込まれる武器弾薬の類いは、通常はガザ-エジプト間の国境の地下に掘られたトンネルを経由して密輸されている。
勤務時間外のハマスの警官は身の安全のためアブデル・ラーマンというファーストネームしか明かさなかったが、ガザのパレスチナ人はわざわざエジプトから武器を買ってくる必要はないと言う。「銃だろうがRPGロケット弾だろうが、手に入れたければ誰でもガザ市内で武器が買えるよ。」そして彼はこう付け加えた。「ガザで武器を買うのはコーラを見つけるより簡単だよ。」

【米国時間 2008年1月24日『米流時評』ysbee 訳】
»»「ガザ・エクソダス 第3部」へ続くd0123476_1023580.jpg

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by ysbee-2 | 2008-01-24 08:56 | 中東のパワーラビリンス

ガザ・エクソダス!ガザの壁崩壊で35万人エジプトへ越境

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 ||| ガザの壁崩壊、パレスチナ人35万人越境 |||

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エジプトとの国境の壁爆破され崩壊、パレスチナ人35万人が越境

米国時間 2008年1月23日午前0時10分 | AP通信・ガザシティ〜エジプト・ラファー国境
ガザ緊急レポート | 23日早朝ガザ南端のラファーで、7マイルにわたってエジプトとの国境を築いていた鉄壁が、武装した数人の覆面の男によって爆破され倒壊した。その直後から壁の倒れた地点から数万人のパレスチナ人が、エジプト側のラファーの町へ国境を越えて流出している。ガザ住民は車やロバに乗って越境した者もいるが、イスラエルの包囲と経済閉鎖で物資が底をついた状態だったため、ほとんどが徒歩で最低限の食糧や必需品を買い出しに行ったものと見られている。

ガザシティ取材 イブラヒム・バルザック、サラ・エルディーブ記者/ラファー取材 アシュラフ・スウェイラム記者 | AP通信/ニューズウィーク | 『米流時評』ysbee 訳
Gazans Knock Down Border, Flee to Egypt
Tens of thousands of Palestinians flood into Egypt after breaching Gaza border
By Ibrahim Barzak and Sarah El Deeb in Gaza City / Ashraf Sweilam in Rafah, Egypt — Reporters
Laurie Copans — Editor | Associated Press — NEWSWEEK | Translation by ysbee
JANUARY 23, 2007 |GAZA City / RAFAH, Egypt — Tens of thousands of Palestinians on foot and donkey carts poured into Egypt from Gaza Wednesday after masked gunmen used land mines to blast down a seven-mile barrier dividing the border town of Rafah.

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JANUARY 23, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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   A S S O C I A T E D P R E S S

第1部 ガザ-エジプト国境の壁崩壊、パレスチナ人35万人流出
米国時間 2008年1月23日午前0時10分 | AP通信・ガザ-ラファー国境発 | 『米流時評』ysbee 訳

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1. Dramatic protest against border closure
The border breach was a dramatic protest against the closure of the impoverished Palestinian territory imposed last week by Israel. Jubilant men and women crossed unhindered by border controls over toppled corrugated metal along sections of the barrier, carrying goats, chickens and crates of Coca-Cola.
国境閉鎖に対する劇的な抗議
国境の境界壁崩壊は、元々経済困窮にあえぐガザのパレスチナ人居住区が、先週イスラエルによって完全に外界から遮断されてしまった「国境閉鎖」に対する、ドラマチックな抗議の現れであった。閉塞から解放された数十万のパレスチナ人老若男女は、国境線に沿って延々と続く鉄製の巨大な壁が倒れた上を乗り越えてエジプト側の国境の町ラファーへとなだれ込み、閉鎖以来今まで手に入らなかったヤギ、鶏、からコカコーラのケースまでありとあらゆる物を買い込んで、パレスチナへ戻る壮観を呈した。
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昨年6月にパレスチナを隣接する国エジプトとイスラエルから隔絶した8メートルもの高さの鉄壁が崩壊した
鉄の境界壁とパレスチナ人の群れが、まるでモーゼに率いられて二つに分かれた紅海を渡るユダヤ人のようだ


2. Frenzy of buying anything
Some brought back televisions, car tires and cigarettes and one man even bought a motorcycle. Vendors sold soft drinks and baked goods to the crowds. They were stocking up on goods made scarce by the Israeli blockade and within hours, shops on the Egyptian side of Rafah had run out of most of their wares.
日用品から家具まで買いだめ
ある者はテレビや車のタイヤ、煙草のカートンを買い込み、またある者はバイクさえ手に入れて、ガザへ戻ってきた。国境付近では群衆を目当てに冷たい飲み物やスナックの屋台さえ出た。売り子たちはイスラエルの築いた鉄壁の傍らにこうしたフード・ドリンクの類いのストックを積み上げていたが、みな数時間とたたずに売り切れて底をついた。エジプト側のラファーの町中のショップでは、押し寄せたパレスチナ人に買い占められて、ほとんどの商品が売り切れる始末だった。
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境界の崩壊部分がブルドーザーでならされ車も馬車も通行可能に 買物を満載した馬車でガザへ戻るパレスチナ人

3. Food in Gaza cost three times of Egypt's
The border fence had divided the Rafah into two halves, one on the Egyptian side and one in southern Gazan. Ibrahim Abu Taha, 45, a Palestinian father of seven, was in the Egyptian section of Rafah with his two brothers and $185 in his pocket. "We want to buy food. We want to buy rice and sugar, milk and wheat and some cheese," Abu Taha said, adding that he would also get some cheap Egyptian cigarettes. He said he could get the food in Gaza, but at three times the price.
ガザの物価、エジプトの3倍
そびえ立つフェンスは国境の町ラファーを、一方はエジプトに他方はガザ南部にと、まったく異なる国に二分していた。今年45歳になる七児の父イブラヒム・アブタハさんは、取材した時にはポケットに185ドルをたずさえて、もう二人の彼の兄弟と一緒にラファーのエジプト側にいた。「俺たちは食糧を買い込みにきたんだよ。米に、砂糖に、ミルクに、小麦粉に、それとチーズもちょっと買いたいと思ってる。」アブタハさんはそう言って、さらに安いエジプト製の煙草も買物リストに付け加え、食糧はガザでも買えるがエジプトの値段と比べて3倍もすると説明した。
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いったん壁が倒れるやいなや老若男女ありとあらゆるパレスチナ人が壁を越えてエジプトへ 歴史に残るエクソダス

4. Separated in decades
Shamalla, of Gaza City, crossed the border with her husband, three children and other relatives, bringing with them only milk for her 3-month-old. The family used its last bit of fuel in the car to make the trip. Shamalla's mother lives in Cairo. But Shamalla said that she never was able to obtain the ID card she needs to cross into Egypt, so the women have not seen each other in 10 years.
十年以上離別した家族
ガザシティのシャマラさんは、彼女の夫と3人の子供、さらには親戚と一緒だったが、この一家は家に残った最後のガソリンを車に入れて国境を越え、生後3カ月の赤ん坊のためにミルクだけを買って帰ってきた。シャマラさんの母親はカイロに住んでいる。しかしシャマラさんは身分証明証を入手できないばかりにエジプトとの国境を越える事ができず、そんないきさつもあって、ここ10年というもの母親とは逢っていないとこぼした。
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拓かれたエジプトとの境界線は、堰を切ったようにあふれるパレスチナ人でノアの箱船のような騒ぎ CNNのレポーターが「歩けるガザ市民は全部国境を越えた」と表現したが、推定35万人という数字からは大袈裟でもなさそう

5. "We need no border after today"
Police from the militant Islamic group Hamas, which controls Gaza, directed the traffic. Egyptian border guards took no action and imposed no border controls on those who crossed. "Freedom is good. We need no border after today," said unemployed 29-year-old Mohammed Abu Ghazal.
No starvation has been reported in Gaza. But many of the 1.5 million residents have faced critical shortages of electricity, fuel and other supplies over months because Gaza has been virtually sealed since Hamas seized control of the territory by force from the rival Fatah faction in June.

「今日から国境は要らない」
国境の現場では、ガザの軍事行政をとりしきっているイスラム過激派ハマスの軍隊から派出された警備兵が、押し寄せる群衆の交通整理をしていた。一方エジプト側の国境警備兵は、境界線を越えるパレスチナ人に対して本来なすべき国境検問もせず一切ノーチェックで、解き放たれた奔流のように押し寄せる群衆を流れるままに通していた。「自由は良いもんだ。明日から国境なんか要らないよ。」29才の無職のパレスチナ人モハンメド・アブガザルさんは、こう快哉を叫んだ。
現在までの所ガザではまだ飢餓状態におちいった訳ではない。しかし150万の住民の多くは、電力・ガソリンをはじめ日常の必需品が、ここ数カ月極度に底をつく状態が続いていた。それというのも、昨年6月に敵対勢力のファタハを締め出し左岸へ追放してハマスがガザ地区の覇権を握って以来、ガザは実質的に鎖国状態になっていたからである。
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寒波の襲う中東だがパレスチナは経済封鎖で燃料用ガソリンさえない ラファーのガソリンスタンドには長い行列

6. Crossing Palestinians overwhelmed Egyptian guards
Egyptian President Hosni Mubarak told reporters in Cairo his border guards originally had forced the Gazans back on Tuesday when they tried to cross. "But today, a great number of them came back because the Palestinians in Gaza are starving due to the Israeli siege. I told them to let them come in and eat and buy food and then return them later as long as they were not carrying weapons," Mubarak said.
35万人の奔流に圧倒されるエジプト警備兵
今回の事態に際してエジプトのホスニ・ムバラク大統領はカイロで記者会見を行ない「22日火曜の時点ではエジプトの国境警備兵は国境を越えようとするガザ市民を押し返していた」と説明した。
「しかしイスラエルの包囲鎖国体制のおかげで、ガザのパレスチナ市民の飢えは厳しくなっており、今日(23日水曜)は膨大な人数の群衆が食糧物資を求めて国境に押し寄せてきたようだ。私は警備の軍隊には『パレスチナ人が武器を持っていない限り、彼らが来たいのならこちらに来させ、食糧を買うなり食べるなり好きにさせて、そのあとであちら側へ戻らせるように』と指示した。」ムバラクは彼のとった事態対応をこう説明した。
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エジプト側のラファーから戻ってきたパレスチナ人の買った物をチェックするガザの強硬派ハマス軍のパトロール兵

7. Concerns of neighbor nation, Egypt
d0123476_9431460.jpgEgypt has largely kept its border with Gaza closed since the Hamas takeover amid concerns of a spillover of Hamas-style militancy into Egypt. But the government is under public pressure to help the impoverished Gazans. The collapse of the border, although likely temporary, is a boon to Hamas. It briefly eases the international blockade of Gaza.
隣接国エジプトの懸念
エジプトもハマスがガザを覇権して以来、ハマス流の叛徒がエジプトに流入するのを怖れて、ガザとの国境を閉鎖していた。しかしムバラク政権も、日に日に高まるエジプト国民の世論「イスラムの同胞である困窮したガザ市民を救え」という圧力に抗しきれなかったものと見える。境界線の崩壊は、一時的な現象とはいえハマスを活気づけた。
イスラエルによって構築されたガザの物理的遮断による国際的貿易封鎖で、物資が底をつき困窮していたガザ市民。しかし、壁の崩壊でエジプト側から食糧や日常物資を補給できたために、多少息を吹き返すことができたようだ。

▶ 右上はラファーの位置を示す地図 ガザストリップと呼ばれるパレスチナ人居住区は、イスラム過激派のハマスが政治的実権を握るため、飛び地のパレスチナ左岸地区と異なり、国際的にはいまだに主権国家として認められていない

【米国時間 2008年1月23日『米流時評』ysbee 訳】 »»「ガザ・エクソダス 第2部」へ続く
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» GAZA Wall Down: 爆破からエクソダスへ
» GAZA Crisis: 国境閉鎖によるガザの危機
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by ysbee-2 | 2008-01-23 00:22 | 中東のパワーラビリンス

アフマディネジャドの冬・イラン寒波で60名凍死

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   ||| アフマディネジャドの冬・前編 |||

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食糧・ガス供給不足に寒波襲来で60名凍死、イラン国民の不満爆発
イラン経済封鎖の影響表面化、アフマディネジャド政権の人気も凍結


イラン・テヘラン発 |今日深刻な経済危機に直面している国家元首は、なにもブッシュ大統領だけではない。凍てつくような寒波襲来で、イスラム強硬派路線を敷くイランのアフマディネジャド大統領も、大きな危機を国内に抱えている。暖房用燃料ガソリンが極度に不足するに従い、イラン国民は大統領の誤った経済政策を攻撃の槍玉に上げている。
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Ahmadinejad’s Political Image Shivers in Iran
Cold-related deaths, food and gas shortages plague populist president
JANUARY 22, 2008 EST | Associated Press — IRAN | Translation by ysbee
TEHRAN, Iran — President Bush isn't the only leader facing serious economic woes. Icy weather is causing big political trouble for Iran's hard-line president, who is under attack for mismanaging the economy as the country runs perilously low on gas for heat.


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JANUARY 21, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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  A S S O C I A T E D P R E S S

イランに寒波襲撃60名凍死、アフマディネジャド政権に危機
米国時間 2008年1月21日午後5時01分 | AP通信・テヘラン支局発 | 『米流時評』ysbee 訳

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1. 60 died in the cold in remote villages
More than 60 people have died in the cold, some because of gas shortages in remote and mountainous villages, and even Iran's supreme leader has implicitly rebuked his one-time protege.
イラン山間部僻地で60名凍死
イラン北部の山岳地帯僻地で、厳しい寒波のため60名以上が凍死した。この原因の一部は暖房用のガスの供給不足によるものと見られている。こうした事態に対して、イランのイスラム教最高指導者までもが、一時は彼の忠実な弟子であった大統領に対して、遠回しにではあるが厳しい批判の声を上げている。
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2. Unprecedented real hit to Ahmadinejad
President Mahmoud Ahmadinejad was openly humiliated when state radio read a decree by supreme leader Ayatollah Ali Khamenei on Sunday ordering him to implement a law approved by Parliament to supply more natural gas to remote villages. Citing budgetary reasons, Ahmadinejad had balked at the Parliament's order to spend $1 billion from the country's currency reserve fund to supply the gas. But Khamenei, who has final say on all state matters under Iran's complicated system, overruled him.
予期せぬアフマディ政権最大の危機
イランの最高指導者アヤトラ・アリ・カメネイ師は、20日日曜イラン国営のラジオ放送で、マフムード・アフマディネジャド大統領に対して「僻地の部落への天然ガス供給を緊急に国会で承認」するよう公式の声明書を読み上げたため、アフマディネジャド大統領は全国民の前で面目を失った。しかし国家予算の不足を懸念するアフマディネジャドは、国家の財政基金から10億ドル(約1150億円)の緊急予算を供出してガス供給に充当するようイラン国会に要求する事を躊躇した。しかし、イランにおける国家単位の最終的決定権を握るカメネイ師は、大統領を跳ばして国会に指令を下した。
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3. Growing discontent ahead of election
That was particularly noteworthy because, although Khamenei has cooled publicly toward the president in recent months, he rarely enters into any outright dispute. "This was an unprecedented real hit to Ahmadinejad's government," said Tehran political analyst Saeed Laylaz.
As with Bush, the economic troubles and growing discontent come ahead of crucial elections that could affect the future of Ahmadinejad's political party. The Iranian leader has struggled politically for months, as one-time supporters joined critics in saying he should focus on Iran's economy rather than on confrontations with the West.

米・イランとも選挙前の経済危機
この件は特に注目に値する。なぜなら、従来はめったに論争のなかったカメネイ師とアフマディネジャド大統領であるが、カメネイ師はここ数カ月大統領に対して冷ややかな態度を公然と現すようになっていたからである。「今回の一件はアフマディネジャド政権にとって、思いがけない痛烈な打撃である」テヘランのイラン政治アナリスト、サイード・ライラズ氏はこう分析する。
米国のブッシュ政権と同様、イランでも国家の重要な転機となる大統領選を前に、経済不況と国民の不満がつのってきており、こうした国内情勢がアフマディネジャドの率いる政党の将来に、大いに影響を及ぼすものと見られている。イランの大統領はここ何カ月も政治的危機に面してきた。
その結果「大統領は西側諸国との衝突よりも、イラン国内の経済に政治の焦点を合わせるべきだ」という意見が大勢を占め、かつては彼の支持者であった層が対立政党へと離れていった。
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4. World's second-largest natural gas fields
On Tuesday, the five permanent members of the U.N. Security Council and Germany agreed on a new draft resolution to tighten sanctions against Iran over the country's refusal to suspend its nuclear program, officials said. Ironically, Iran has the world's second-largest natural gas fields after Russia. The country produces more than 15.75 billion cubic feet of natural gas a day, all consumed domestically. The exact cause of the current shortage was unclear, but demand clearly spiked because of the cold weather.
ロシアに次ぐ世界第二の天然ガス田
一方、国連安全保障理事会の常任理事国5カ国(米・英・仏・ロシア・中国)とドイツは、22日火曜、イランに対して経済規制を強める新しい草案に対して合意をみた。消息筋によると、この計画案はイランが核開発計画の停止を拒否したことによるものである。
皮肉なことに、イランは天然ガスの埋蔵量ではロシアに次いで世界で2番目のガス田を有する国である。国内の天然ガス産出量は、1日当り157.5億立方フィート以上にも及んでおり、そのすべては国内で消費されている。最近のガス供給不足の原因は明らかにされていないが、厳しい寒波によって需要が急激に増大したことは否めない。
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5. Fears of bread shortages
Many critics say production could easily have been doubled long before this, if managed correctly by the government. "The crisis of the gas shortage was a direct result of (the government's) policy," Laylaz said. Many view high inflation and shortages of gas and bread as particularly bitter because Iran should be flush with oil revenues right now, from high world oil prices. More than 80 percent of the government's revenues come from oil, and Ahmadinejad had campaigned on a platform to help the poor.
国家歳入の80%が石油輸出から
d0123476_1416537.jpgイラン国内の政治評論家の多くは「政府が事を正確に把握し事態に対処していれば、これほど悪化するよりもはるか以前に生産量を倍増することは容易にできたはずだ」と指摘する。
「ガス供給不足による燃料危機は、政府の誤った政策の直接的結果である」と前述のライラズ氏も指摘する。
また評論家の多くが「極度のインフレと燃料ガスや食糧の供給不足は、イラン国民にとってはとりわけ苦々しい不満の対象になっている」と指摘する。その理由は「本来ならば豊かな石油産出と国際席市場の暴騰による輸出歳入で、今頃は国家経済はきわめて潤沢になっているはずだった」からである。イランでは国家歳入の80%を石油輸出の売上に頼っており、従来アフマディネジャドは、こうした石油の利益によって貧しい階層を救済する経済政策を掲げ、大衆の支持を得る基盤としてきた背景がある。

6. Fears of bread shortages
"This was our fault. We elected a man who cannot manage problems," said Haydar Mirghasemi, who waited for an hour and a half outside a Tehran bakery this week to receive six pieces of bread — the staple of Iranian tables. Long lines have formed at city bakeries because of fears of bread shortages, which have hit other towns and cities after heating gas was cut. "During the past week, I came to the bakery four times, returning empty-handed" each time, said another angry customer, Ali Moradi, a construction worker. Mockingly he added: "How good the government has treated the lower class."
食糧配給不足で恐慌の怖れ
「今回の事態はわれわれの不徳の致すところである。われわれが問題解決のできない男を選んだからだ。」今週テヘラン市内のパン屋の前で、イランの食卓に欠かせないパンをたった6切れ受けとるために、1時間半も並んで待っていた市民のひとり、ハイダール・ミルガセミさんはこう自責する。食糧不足の怖れのために、テヘラン市内のあちこちでパン屋の前には長い行列ができていた。

d0123476_1638423.jpg燃料ガスの供給が停止してからは、この傾向はすぐに他の市町村にも波及した。「先週いっぱい私はパン屋へ4度も足を運んだけれど、そのたびに空手で帰りましたよ」こう言うのはもうひとりの怒れる顧客、建設労働者のアリ・モラディさん。彼は皮肉たっぷりにこう言った。「政府は公約どおり、どれだけ低所得者層を大切にしてくれることか。」

【米国時間2008年1月21日 米流時評 ysbee訳】

»» 次号「アフマディネジャドの冬・続編」へ続く
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連載予告「ドリームボーイ」バラク・オバマ*
1/19  第3報:接戦でマケインがハッカビーを下したSC州共和党予備選
1/19  第2報:ネバダ州民主党ヒラリーがオバマに辛勝
1/19  第1報:ネバダ州共和党はロムニーの圧勝
1/18  ワシントン政治アナリストの予備選予測:継続する三択ゲームd0123476_10413398.jpg
1/17  SC州調査:マケイン vs ハッカビー接戦、オバマトップ
1/15  ミシガン州予備選でロムニー候補初勝利
1/12  米流時評「米大統領選の先読み・共和党編」
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1/10 「続・帝国の逆襲」ヒラリー7つの勝因
1/09 「クリントン帝国の逆襲」ヒラリーの勝因分析
1/08  ニューハンプシャー予備選結果マケインとクリントンの勝利
1/07 「アイオワカルテ」続ヒラリー・クリントン11の敗因
1/07 「アイオワショック」ヒラリー・クリントン11の敗因
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1/05  米流時評「バラク・オバマはケネディの再来か」*
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1/03  オバマ予備選で歴史的勝利!次点エドワーズ、クリントン3位
07/08/09  オバマの問題発言「パキスタン派兵」とイラク戦争批判*
07/04/28  堕ちた偶像アメリカの復権に賭ける民主党大統領選候補*
06/10/28  バラク・オバマ フィーバー/2008年大統領選のスーパースター*

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2006年版の拙ブログ『楽園通信』で紹介したオバマの著書2冊 自伝の『Dreams from My Father』と、政治家としての信念と米国と世界が歩むべき道を説いたベストセラー『The Audacity of Hope』今や若者のバイブル。
バラク・オバマに関してもっと知りたいと思われる方は、リストの「*印」のついた記事をご一読ください。

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by ysbee-2 | 2008-01-21 20:28 | 中東のパワーラビリンス

アナポリス体制の継続・どうなる?中東和平会議の行方

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   ||| アナポリス中東和平会議の行方 |||
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パレスチナ・中東問題解決への一歩 ブッシュ政権最終章を飾れるか

メリーランド州アナポリスで国際外交の有志を集めて開催された中東和平会議の席上で、米国のブッシュ大統領は27日火曜の開幕の挨拶で「イスラエルとパレスチナ両国が会議の実現に向けて貢献したおかげである」と両陣営の努力に対して公式に謝意を表した。
前号「アナポリスの神託・中東和平会議の結論」からの続き】
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Predicted Problems After Annapolis Peace Talks
Mideast Peace Conference holds the sign of many difficult roads ahead
NOVEMBER 28, 2007 EST | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
WASHINGTON — The United States pledged Tuesday at an international peace conference on the Mideast held in Annapolis, Md., to hold both sides to account if they do not carry out obligations.

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NOVEMBER 30, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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 Associated Press | WASHINGTON

アナポリス体制の継続・どうなる中東和平会議の行方
米国時間 2007年11月28日 午後7時12分 | ワシントン発・AP通信 | 『米流時評』ysbee 訳

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1. Bush's pledge to devote his term
"I pledge to devote my effort during my time as president to do all I can to help you achieve this ambitious goal," Bush told Abbas and Olmert as the three stood together in the U.S. Naval Academy's majestic Memorial Hall. "I give you my personal commitment to support your work with the resources and resolve of the American government."
ブッシュ「残りの在任期間を中東和平に捧げる」
「この中東和平という大いなる目標を達成できるように、私に残された在任期間をすべて、その協力に全力を尽くすことに捧げます」アナポリス会議の会場、米海軍アカデミーの壮麗なメモリアルホールで、ブッシュはアッバースとオルメルトに向かって、自らの和平に賭ける覚悟をこう伝えた。「あなたがたの試みがうまくいくように、米国政府からできる限りの物質的精神的援助を提供して支援するように、私個人の覚悟を賭けましょう」
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「史上最悪の大統領」の汚名を返上しようと任期の最終章に中東和平の実現を画策するジョージ・W・ブッシュ

2. 'Memory of failures weighs heavy upon us'

The two Mideast leaders were circumspect but optimistic. "I had many good reasons not to come here," Olmert told diplomats, including those from Arab states that do not recognize Israel like Saudi Arabia and Syria. "Memory of failures in the near and distant past weighs heavy upon us."
オルメルト「過去の失敗は記憶の重荷」
中東で対立してきたイスラエルとパレスチナ両国の指導者は、用心深くしかしその反面楽観的に、今回の会議に臨んだようだ。「私には、ここへ出席しないでおこうと思えばそうできる理由が沢山ありました。」オルメルト首相は、イスラエルに対してサウジアラビアやシリアとは対極の見方をするアラブ諸国からも集まった外交使節を前に、こう切り出した。「昔から今日に至るまで、和平を試みて失敗した経験が、われわれの記憶には呵責として立ちはだかっています。」
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和平協定の条件、左岸のキブツ入植者撤退の最中にシャーロン首相が急死 後を継いだオルメルトも来年で任期切れ

3. Abbas 'joint interest for us and you'

Abbas, meanwhile, recited a familiar list of Palestinian demands, including calls for Israel to end the expansion of Jewish settlements on land that could be part of an eventual state called Palestine and to release some of the thousands of Palestinian prisoners in Israeli jails. "Neither we nor you must beg for peace from the other," Abbas said. "It is a joint interest for us and you. Peace and freedom is a right for us, just as peace and security is a right for you and us."
アッバース「三国共通の恩恵」
一方アッバース大統領は、パレスチナ人おなじみの要望のリストを読み連ねた。その中にはもちろん、左岸パレスチナ臨時政権の領土内のユダヤ人入植部落の拡張に終止符を打つようにイスラエルに呼びかけることや、イスラエルの監獄に留置されている4千人以上と言われるパレスチナ人捕虜の解放なども、当然含まれている。
「我が国も貴国も、相手にだけ平和を要求しなくてもよい。それはどの国にとっても共通の恩恵となり得る。ちょうど平和と安寧を求めるのが万人の権利であるのと同じように、平和と自由を求める行動は、われわれが生来持つ権利である。」パレスチナ左岸代表アッバース氏はこう声明で明らかにした。
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エジプトと並ぶ親米アラブ国家ヨルダンのアブドゥラ国王 (右) と会話を交わすパレスチナ左岸代表アッバース

4. Pledge to hold both sides accountable

The United States has pledged to hold both sides to account if they do not carry out obligations under the peace talks. Bush has held Mideast peacemaking at arms' length for most of his nearly seven years in office, arguing that conditions in Israel and the Palestinian territories were not right for a more energetic role.
米国「平和はお互いの責任」
米国は、平和会議の名の下に両国が何の拘束条件をも持ち出さなければ、両方の立場を尊重して任せることを誓った。ブッシュはこれまでの7年間に近い在任期間中、イスラエルとパレスチナの領土問題における現況について討議するのは(テロ戦争の指導者という)よりエネルギッシュな役割と比べると、自分にはふさわしくないという判断を下してきた。従って中東平和に関してはそのほとんどの期間を、何度かそれに近い位置まで行くチャンスがあっても、平和使節の役割をあえて敬遠してきたようである。
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たった2日間の和平会議でだったが錚々たる外交のベテランが顔をそろえ、出だしとしては成功した中東和平会議

5. Bush's answer to criticism

Arab allies, among others, have warned that the Palestinian plight underlies other conflicts and feeds grievances across the Middle East, and have urged the White House to do more. Bush seemed to answer the criticism Tuesday, giving detailed reasons why the time is now. He said Israeli and Palestinian leaders are ready to make peace, that there is a wider and unifying fight against extremism fed by the Palestinian conflict and that he world understands the urgency of acting now.
会議批判者へのブッシュの反応
他の国家の仲でもとりわけアラブの盟友は、パレスチナの危機は他の国家同士の紛争を招き、中東全域に不穏の種をまくものとして、警告を発してきた。火曜の段階で、ブッシュはこうしたパレスチナ問題への批判に対して、なぜ今がその潮時なのかを詳しく説明することによって、回答を用意できたように見える。
ブッシュいわく、イスラエルとパレスチナのリーダーは、平和を築く用意ができたのだと説明する。その時点にいたるまでには「パレスチナ紛争によって増殖した感のあるイスラム強硬派と、彼らに対する広汎な統一戦線(テロ戦争)が存在するので、現時点で緊急に平和的解決の手段をとるべきだと世界が認識している」とも語った。
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イスラエルのエフド・バラク元首相 クリントン時代にPLOアラファト代表との和平会談が失敗した苦い経験を持つ

6. 'Something positive on the horizon'

Later, in an interview with The Associated Press, Bush spoke of the importance of giving beleaguered Palestinians something positive to look forward to—and he sketched a grim alternative. Without a hopeful vision, he said, "it is conceivable that we could lose an entire generation—or a lot of a generation—to radicals and extremists. There has to be something more positive. And that is on the horizon today."
「ポジティブな兆候に望みを託す」
その後のAP通信のインタビューにおいて、仲間として組めるパレスチナ人に対して、将来に希望が持てるような何かを与えることの重要性を、ブッシュは力説した。さらには、そうしなかった場合の不気味な未来の構図も描いてみせた。彼は逆説でこう説明する。
「将来への希望を持てるビジョンが存在しなければ、われわれは一世代まるまる失うことになるだろう。あるいは下手をすれば幾世代も、過激派や強硬派の軍団に彼らを奪われてしまう。だから、彼らよりもずっとポジティブな何ものかを与えなくてはいけない。そしてその希望が、今日水平線から昇りつつある。」
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イスラエルのオルメルト首相とホワイトハウスで歓談するブッシュ お互いユダヤ人同士で国家的にも支援しあう仲

7. Second, third conference ahead

Negotiating teams will hold their first session in the region in just two weeks, on Dec. 12, and Olmert and Abbas plan to continue one-on-one discussions they began earlier this year. In addition, many of the same nations and organizations attending Tuesday's conference will gather again on Dec. 17 in Paris to raise money for the perpetually cash-strapped Palestinians.
2週間内に第2・第3の会議を予定
翻訳中
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開催前夜の招待ディナーで初めて同席したイスラエルのオルメルト首相(左)とパレスチナ左岸代表アッバース(右)

8. Israel faces other disputes

To attract Arab backing, the Bush administration included a session in the conference devoted to "comprehensive" peace questions — a coded reference to other Arab disputes with Israel. Syria came to the conference intending to raise its claim to the strategic Golan Heights, seized by Israel in 1967, and Lebanon wanted to talk about its border dispute with Israel.
シリア問題を抱えるイスラエル
翻訳中
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シリアとの国境地帯ゴラン高原には、9月のシリア核施設空爆前後からイスラエル軍が常駐待機して有事に備えている

9. Sign of the difficult road ahead

Rice told reporters that Syria and Lebanon spoke up, but she gave no details. But in a sign of the difficult road ahead, Abbas' speech was immediately rejected by Hamas, the militant Palestinian faction that stormed to power in the Gaza Strip in June, a month before Bush announced plans for the peace conference.
ともに国内に和平への難問が控える両国
翻訳中
【米国時間 2007年11月30日『米流時評』ysbee 訳】
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グリーンの旗はガザ地区のパレスチナを席巻するイスラム軍団ハマスのシンボル 今回の会議にはこぞって反対

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by ysbee-2 | 2007-11-30 18:24 | 中東のパワーラビリンス

アナポリスの神託・中東和平会議の出した結論

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   ||| アナポリス中東和平会議の結論 |||
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アナポリス中東和平会議が採択したイスラエル・パレスチナ共同宣言

米国時間 2007年11月28日 | ワシントン発/AP通信 | 『米流時評』ysbee 訳
アナポリスサミットが開催された翌28日水曜朝、ブッシュ大統領はイスラエル・パレスチナ両国の元首とともに再び公式の舞台に姿を現し、長年滞っていた中東和平会談を再開する同意に漕ぎ着けてから、わずか24時間後に長年の懸案だった和平交渉が再開できたことを誇らしげに宣言した。
前号「アナポリスの謀略・元NATO総帥を中東特使に指名」からの続き】

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What is the Outcome of the Annapolis Summit
U.S. pledged 'road map' peace plan on Middle East after conference
NOVEMBER 28, 2007 EST | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
WASHINGTON — Earlier Wednesday — just 24 hours after securing an agreement to resume long-stalled Mideast peace talks — President Bush met again with Israeli and Palestinian leaders to ceremonially inaugurate the negotiations.

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NOVEMBER 29, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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 Associated Press | WASHINGTON

中東和平会議が採択したイスラエル・パレスチナ共同宣言
米国時間 2007年11月28日 午後4時00分 | ワシントン発・AP通信 | 『米流時評』ysbee 訳


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1. Agreement 'a hopeful beginning'
After meeting individually with Palestinian President Mahmoud Abbas and Israeli Prime Minister Ehud Olmert, the three men appeared briefly together in the White House Rose Garden, where Bush called Tuesday's agreement "a hopeful beginning."
「共同宣言は中東の新しい時代の始まり」
ブッシュ大統領は、パレスチナのマフムード・アッバース大統領とイスラエルのエフド・オルメルト首相とそれぞれ個別に会談した後で、2日目の舞台をホワイトハウスのローズガーデンへと移して再び三者そろって記者団の前へ顔を見せ、前日火曜に成立した和平会談への承認を「希望の持てるスタート」と評価する声明を発表した。
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中東関連各国から外交使節50名が参集したアナポリス平和会議 開幕のハイライトはイスラエルとパレスチナの握手

2. 'Yesterday is not important as tomorrow'
"One thing I have assured both gentlemen is that the United States will be actively engaged in the process," Bush said. "We will use our power to help you as you come up with the necessary decisions to lay out a Palestinian state that will live side-by-side in peace with Israel." "No matter how important yesterday was, it's not nearly as important as tomorrow and the days beyond," he added.
ブッシュ「過去より明日が大事」
「私が両国の紳士に再確認したのは、米国は今後も中東の和平交渉において積極的にかかわっていくことになるだろう、ということである」とブッシュは念を押した。「パレスチナ人の国家がイスラエルと平和的に共存していけるような状況を作り出す上で、必要な決断がなされる場合には、我が国はそのパワー(軍事力)を行使するのにやぶさかではない。……たとえ過去の歴史がいかに大事であっても、明日からその先へと続く未来に比べたら、それほど重要なことではない。」
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アナポリス共同声明に対して「アッバースはパレスチナ代表ではなく無効」の声明書に署名するガザのパレスチナ議員

3. No handshakes in the Rose Garden
Bush said, "I appreciate your courage and leadership." But unlike their three-way handshake on Tuesday, the leaders did not shake hands in the Rose Garden. "It's an honor to call you friends. And it's an honor to have watched you yesterday as you laid out your respective visions for something we all want, which is peace in the holy land." The three then went back into the White House to formally begin the talks.
終幕の舞台はホワイトハウス・ローズガーデン
「私は両者の勇気とリーダーシップに心から感謝したい」とブッシュは表明したが、前日火曜の舞台上で見せたような三者そろっての握手は、今回のローズガーデンでの記者発表では行なわれなかった。「両者を友と呼べることを名誉に思います。そして昨日両者から公表された宣言『聖なる土地に平和をもたらす』という、われわれが全員待ち望んでいたご高見を提示されたことは、尊敬にたえません」ブッシュの平和会議の締めの言葉の後、三者は改めてホワイトハウスの中へ戻って、会談を再開した模様である。
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ホワイトハウス中庭のローズ・ガーデンで会議の終幕となる記者会見を行なうオルメルト、ブッシュ、アッバース

4. Rice, 'they are now ready to go'
After meeting their own low expectations for the Annapolis conference amid intense skepticism, Bush administration officials crowed with delight on Wednesday. "What has been remarkable about this process is that they are now ready to go," Rice told ABC during a round of TV interviews Wednesday morning in which she praised unprecedented support for the peace process from Arab states. "It's going to be hard, but you had support in that room that you had not had from Arab states in the past," Rice said on NBC.
ライス長官「両国とも和平交渉に対応」
今回のアナポリス中東和平会議に対しては、各方面から成功を疑問視されており、ブッシュ政権自体も開会前はそれほど成果を期待していなかったのが事実だが、終盤の水曜の時点では政府関係者は会議の順調な成り行きに喜びを隠しきれない様子であった。
「今回の会議を運営するにあたって目覚ましい特徴は、今や全員が(平和実現に対して)その気であるということです。」ライス長官は水曜朝、ABCテレビのモーニングショーのインタビューで、アラブ諸国からも和平交渉への支持を受けるというかつてない快挙を賞賛した。またNBCテレビの朝の番組Today Showのインタビューではこう語っている。
「和平交渉は、今後難航することもあるでしょう。でもこれまで過去においてはありえなかった、アラブ諸国も(米国の提案した和平会議に)参加して会議の開催を支持してくれたのですから。」
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ホワイトハウスの Oval Roomを訪れたイスラエル側のキーパースンでパレスチナ外交担当のサエブ・エレカット

5. Continuous pact talk with biweekly meetings
After inaugurating the negotiations at the White House, the two sides have agreed to continue with a meeting in the region on Dec. 12, Rice said Tuesday. Bush, along with Rice, had earlier salvaged a "joint understanding" between the Israelis and Palestinians, who had remained far apart on the details of the statement until the last minute.
今後も隔週で両国間の和平会談を継続
ホワイトハウスで和平交渉再開を公式発表した後、イスラエル・パレスチナ両国は12月12日に中東で次回の会談を継続して持つことに合意したと、ライス長官から火曜発表された。ライスの発表に加えてブッシュ大統領もまた、イスラエルとパレスチナの間では会議の始まる直前まで、共同宣言の細部に関してかなりの相違があったとはいうものの、早くも「相互理解」を復活できたと評価している。
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「パレスチナ人の笑顔」という稀な状況 イスラエルの捕虜だった彼らの息子が恩赦で釈放されるという朗報のため

6. Bush appreciated for both efforts for pact
Bush said in the Rose Garden, "I appreciate the commitment of these leaders, working hard to achieve peace. I wouldn't be standing here if I didn't believe that peace was possible, and they wouldn't be here either if they didn't think peace was possible."
ブッシュ、両陣営の会議実現努力に感謝
ローズガーデンでの記者発表では、ブッシュはこう評価していた。「私は、両国の指導者が平和を実現するために邁進したその尽力に感謝したい。もし平和は実現可能だと信じなかったら、私は今日ここにこうして皆さんの前に立つ事もなかったでしょう。同様に、彼らも平和の実現を信じたからこそ、ここにこうして並んでいるのです。」
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アナポリスサミットには国際外交の重鎮も出席 首相退職後は英国の中東特使ブレアとバン・キムン国連事務総長

7. 'Beginning ... not the end'
But with prodding from the American side, Olmert and Abbas — troubled leaders with fragile mandates for peace — told international backers and skeptical Arab neighbors they are ready for hard bargaining toward an independent Palestinian state in the 14 months Bush has left in office. "This is the beginning of the process, not the end of it," Bush said after reading from the just-completed text the statement that took weeks to negotiate and yet sets only the vaguest terms for the talks to come.
「和平への道は始まったばかり」
しかし米国側から指摘されているのは、これまで和平協定をまともに守ってこなかった問題の多い指導者であるオルメルトとアッバースには、和平計画の筋書き通りならばブッシュが大統領職を去ってから14カ月以内に、パレスチナを独立国家として承認する難題が控えているということである。
「今回は和平交渉の始まりであって、結論ではない。」
ブッシュは、担当秘書が直前まで練り直していた原稿をこう読み上げたが、この最終宣言にいたるまででさえ内容の確認に何週間もかかり、おまけに今後の会談から予想される結論もあいまいな語句で表現せざるをえなかったことも事実である。
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イスラエルの首都テルアビブの広場を埋めたユダヤ人右派のデモ隊 パレスチナとの和平に反対し徹底抗戦を訴える

»» 次号 「アナポリスの予兆・和平会議後の中東世界」に続く
【米国時間 2007年11月29日 訳『米流時評』ysbee】

d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/6659654
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by ysbee-2 | 2007-11-29 12:15 | 中東のパワーラビリンス
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