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米流時評

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北の打上げは核搭載ミサイルの可能性〜米諜報部

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   ||| 北の打上げは核搭載ミサイル? |||

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 ワシントンポスト紙「北朝鮮の弾道ミサイル打上げ実験に核弾頭搭載の怖れ」
 中国海軍大演習を前に、金王朝の核とミサイルへの執心、最終段階を披露か


d0123476_18552829.gif北朝鮮のミサイルに関しては、米国ではすでに金曜の段階で発射場に搬入された黒々としたミサイルの現物が、おなじみの衛星写真で公開になったため「人工衛星かミサイルか」という基本的疑問にピリオドが打たれた。北朝鮮からは、それが偽装写真だという反論も上がってこないので、真実なのであろう。

それにしても、北もずいぶん初歩的だ。d0123476_16411350.jpg
キューバ危機の時ですら、カストロひきいる革命軍は、
ミサイルを「木陰」に隠す工夫をしたものである。
しかし、今回は堂々と打ち上げ台に搬入。

サテライトから現場を随時撮影されているのは
北側でも承知の上だろうから、これでは、
ナイフをちらつかせて「いくら出す?」と脅している
チンピラのようなものだ。

こんな輩は無視するのが一番だが、
日本の上空を通るのではたまったものではない。
ミサイルが国土の上を飛んだら、撃墜されて当然。
あくまで衛星で、科学的目的だと言うのなら
外国メディアに堂々と公開するべきではないか?d0123476_16432892.jpg

「射ったら」ではなくて「射つ前に」
国際犯罪としての糾弾に必要十分な証拠を揃えて、
国連安保理が待ったをかける手はないのだろうか。

北のミサイルに関しては議論百出で、
防衛論争については 米国よりも日本のメディアの方が
逐次詳細を報道しているので、ここでは
27日のワシントンポスト紙のショッキングな記事
「北朝鮮のミサイル打上げに核弾頭搭載の怖れ」を
やや遅きに失した感はあるものの、
全文翻訳してお届けしたい。

【米国時間2009年3月29日『米流時評』ysbee】

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MARCH 29, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年3月29日号
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 WASHINGTON POST | BREAKING
WP紙「北朝鮮のミサイル打上げ実験に、核弾頭搭載の怖れ」
米国時間 2009年3月27日 | ブレイン・ハードン/ワシントンポスト | 訳『米流時評』ysbee

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沖縄米軍嘉手納基地でミサイル攻撃に備え、迎撃用パトリオットミサイルを配置する駐留米軍

North Korean Nuclear Test a Growing Possibility
Long-range missile launch may indicate nation is near building a warhead
MARCH 27, 2009 | By Blaine Harden — Washington Post | Translation by ysbee

1. Long-range missile moved to a launchpad
SEOUL, South Korea — North Korea moved a long-range missile to a launchpad this week and plans to send it into space in early April in defiance of repeated international warnings. While North Korea has been making missiles to intimidate its neighbors for nearly half a century, what makes this launch particularly worrying is the increasing possibility of nuclear warhead.
長距離弾道ミサイルを発射台へ移動
韓国・ソウル発 |北朝鮮は今週、長距離ミサイルを発射台へ移動し、4月初頭に宇宙空間へ打上げることを予定している。これは、北朝鮮に対して国際社会が再三にわたって繰り返してきた警告と、完全に対峙する姿勢をあらわにした行為である。
北朝鮮は過去半世紀近くにわたって、北東アジアの近隣諸国を威嚇する目的で、ミサイル製造を行なってきたが、今回の打ち上げで特に懸念されているのは、ミサイルに核弾頭を搭載する可能性が強まってきている点である。
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左:ロケット発射台に搬入された黒いロケット状の物体は長距離弾道ミサイル

2. Looming concerns about the nuke

U.S. is the country that practically everyone blames for creating the global economic crisis. Never mind what would happen to the roughly $2 trillion in Chinese foreign reserves that are invested in U.S. securities if Beijing suddenly tried to cut America loose. Seeking to placate the domestic critics, China's leaders are hardening their stance toward the Americans.
増大する核弾頭搭載への懸念
米国の諜報部門(CIAかNSAかは明記していない)と、いくつかの民間情報研究機関の情報分析エキスパートによって解析された諜報内容を総合した結果、次のような結論にたどりついた。
北朝鮮のミサイルは、その数を日増しに増大してきているが、ミサイルの弾頭に装着出来る程度に小型化した核弾頭を製造したか、あるいは製造しようと企てている、という可能性がいや増ししてきていることである。
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スカッドミサイルをはじめ南北朝鮮両国の各種ミサイルを常設展示する、韓国の首都ソウルの軍事博物館

3. Pentagon intelligence report on North

U.S. is the country that practically everyone blames for creating the global economic crisis. Never mind what would happen to the roughly $2 trillion in Chinese foreign reserves that are invested in U.S. securities if Beijing suddenly tried to cut America loose. Seeking to placate the domestic critics, China's leaders are hardening their stance toward the Americans.
ペンタゴン諜報部の北朝鮮レポート
ペンタゴン国防諜報局のマイケル・D・メイプルズ司令官は、今月後半、上院の軍事委員会の聴聞会で証言するために準備した報告書の中で、次のように述べていた。
「北朝鮮は、大陸間弾道弾(長距離ミサイル)に搭載できる仕様の核弾頭(nuclear warhead)の製造に成功した可能性があるかもしれないと思われる。」
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左:一昨年の北朝鮮建国記念日の軍事パレードで公開された長距離ミサイル

4. 'Likely able to build a nuclear warhead'

David Albright, a physicist and nuclear weapons expert who runs the Washington-based Institute for Science and International Security, has written that North Korea is "likely able to build a crude nuclear warhead" for its midrange missiles that target Japan.
「日本が射程距離の中距離ミサイル用核弾頭」
ワシントンに本部を置く Institute for Science and International Security/国際安全保障科学研究所を運営し、米国における核兵器研究の第一人者でもあるデビッド・オルブライト氏は、最近のレポートでこう書いている。
「北朝鮮は、日本をターゲットにした中距離ミサイルに搭載できる仕様の、初期的段階の核弾頭を製造することができるようになったようだ。」
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「Million army=百万の人民軍」と呼ばれる北朝鮮政府軍 昨年の建国記念日の軍事パレード

5. Guessing game on nuclear capability

Experts agree that North Korea is probably years away from putting nuclear warheads on long-range missiles that could hit the United States. "North Korea's nuclear strategy is to keep everyone confused, keep everyone wondering," Albright said.
オルブライト、北の核兵器開発能力への疑問
しかしついこの間までは、核兵器研究の専門家達はみな一様にこう言っていたはずだ。「米国本土へ撃ち込めるような長距離ミサイルに装填する核弾頭の開発に北朝鮮が成功するのは、多分まだ数年先のことだろう。」 こうした交錯する意見に関して、オルブライト氏はこう説明する。「北朝鮮の核開発戦略は常に誰をも困惑させ、煙に巻くのが得意なようです。」
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左:寧辺の核燃料施設

6. Legacy of nation in militarism

The country's founding dictator, the late Kim Il Sung, created a military academy 44 years ago to "nurture" missile builders, ordering them to make weapons that could strike Japan and "prevent" the United States from meddling on the Korean Peninsula. Kim's son and successor, Kim Jong Il, has continued to nurture the missilemakers, who have built more than 200 Nodong missiles capable of hitting most of Japan.
冷戦時代以来の全体主義軍事国家
北朝鮮建国の祖である独裁者、故金日成総書記は、今から44年も前にミサイルの設計者を養成するために、ミリタリーアカデミー/軍事技術専門学校を創設した。そこでは日本をターゲットに爆撃できる兵器の製造や、米国を朝鮮半島での南北間の問題に干渉するのを「予防」できるような兵器の設計を推進するよう、金総書記から命令が下された。
金日成の息子で後継者の金正日もまた、父親と同様にミサイル設計者を養成し、200発以上のノドンミサイルを製造したが、その目標はもっぱら日本攻撃である。
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88年の建国記念日祝賀式典で、金正日総書記を拍手で迎える北朝鮮政府軍幹部

7. Kim dynasty's commitment

The Kim dynasty's commitment to missiles continues to rattle nerves, with Japan and South Korea repeatedly protesting as North Korea moves closer to the planned launch of its new long-range missile. North Korea says it plans to put a communications satellite into orbit, but that claim is widely viewed as a pretext for testing an intercontinental ballistic missile, the Taepodong-2.
金王朝のミサイルへの執心
金王朝のミサイル開発に対する執着は、常に近隣諸国の神経を逆撫でし(06年の中距離ミサイルの連続発射や、地下核実験など)ことが起きるたびに、日本や韓国は「北は新開発の長距離ミサイルの発射実験へと歩を進めている」と、平壌政府の動きに対して抗議を繰り返してきた。
今回の同様の抗議に対して、北は「わが国は通信衛星を軌道に乗せようと計画しているだけである」と弁明している。しかしこの回答は、以前に大陸間弾道ミサイル「テポドン2号」の発射実験の前にも使っていた言い訳と同じではないかと、世間一般には解釈されているのが事実だ。
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首都圏防衛を謳う埼玉県の自衛隊入間基地からミサイル関連機器を搬出する軍用輸送トラック

8. Possibility of hitting mainland U.S.

The U.S. director of national intelligence, Dennis C. Blair, told a Senate committee that a three-stage missile of this type, if it works, could strike the continental United States. "Most of the world understands the game they're playing," Blair said, adding that North Korea "risks international opprobrium and hopefully worse" if the launch proceeds.
米国本土も射程距離の3段式
米国政府諜報部門のデニス・C・ブレア長官は、上院の軍事委員会が開いた聴聞会の席で、次のように報告している。「今回(衛星写真で確認した)ロケットのタイプは3段式で、万一これが予定された機能通りに飛んだとすれば、米国本土(北米大陸部分)を撃つ可能性もある (could strike continental U.S.)。」
しかしブレア氏は、次のような解釈も付け加えた。「世界の大方の国では、今回も彼らが威嚇ゲームを楽しんでいるだけだ、ということを承知しています。しかしながら、北朝鮮が警告を無視して打ち上げに踏み切れば、これまで以上の厳しい糾弾を世界中から浴びることになるでしょう。」
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左:昨年12月ハワイのカウアイ島沖で行なわれた日米海軍の合同軍事演習でパトリオット弾を発射するイージス艦

9. Sanction vs. sabotage of Six Talk

If the international community sanctions North Korea for the launch, Pyongyang threatened this week to abrogate an agreement with the United States and five other countries to abandon nuclear weapons in return for aid and other concessions. It has also threatened to go to war, if what it calls its peaceful research launch is shot down.
経済制裁には6カ国協定破棄で対応
今週になって平壌政府は、もしも国際社会が北の打ち上げに対して経済制裁を行なうならば、6カ国協議で締結した米国とほかの5カ国との協約を破棄すると、脅してきた。この約定とは、北朝鮮が核兵器開発を放棄すれば、その見返りとして食糧及びその他の経済援助を与える、という共同了解事項である。さらに北朝鮮は、自ら冠するところの「平和的科学探査」が目的で打ち上げたものが撃墜された場合には、戦争となる(戦闘行為とみなす)とも脅迫している。 >次号へ続く

【 米国時間 2009年3月29日 『米流時評』ysbee訳 】
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7年前「悪の枢軸」と呼んで金正日を核兵器開発に走らせたブッシュ政権 ヒル特使が奔走した6カ国協議も水泡に

d0123476_1348379.jpgNBCニュースビデオ 3/29「北朝鮮、全面戦争と威嚇」

NBC News Video | North Korea threatens all-out war
March 29: Tensions boil on the Korean Peninsula as North Korea puts its armed forces on standby for war. NBC's Stephanie Gosk reports.

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by ysbee-2 | 2009-03-29 18:45 | トンデモ北朝鮮

ネオ紅衛兵?経済危機と中国次世代ナショナリズム

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    ||| 中国新世代の経済愛国主義 |||

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  中国を襲うグローバル不況の波と、第2世代の五星紅旗ナショナリズム
  米国バッシング、国際新通貨の提案、中国の海軍力重視への危険な傾斜


d0123476_18552829.gifニューズウィークは普段から愛読している週刊誌で、サイトの記事も充実しているが、その中でも特に「investigative journalists」の活躍がめざましい、真相追求のジャーナリズム雑誌である。ブッシュ政権8年の暗黒政治の暴露、オバマの大統領選の報道にはめざましい活躍を示し、政見雑誌としての役割も見逃せない。

特にワシントン政界の裏幕を暴露するジャーナリストとしてウォーターゲート事件以来の伝統ある「政界探偵物」のようなレポートを書き続ける、マイケル・イシコフ、マーク・ホーゼンボール、エヴァン・トーマス...米国民主主義の主流とも言える建設的な論陣を張る、マイケル・ハーシュ、ジョナサン・アルター、ハワード・ファインマン、エレノア・クロフト......
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ひるがえって海外の特派員もそれぞれ個性ある豪傑ぞろいで、特にイラクやアフガニスタンの戦局の最前線から実録記事を送って来る「戦場のジャーナリスト」たちの活躍には、時として戦争映画を見ているような臨場感を覚える。名前を聞くだけで、今度は何処の前線から?と期待してしまうロッド・ノードランドをはじめ、ラリー・カプロウ、スコット・ジョンソン......

また各国の首都駐在の特派員にも、ジャーナリストとしての洞察力と作家とまがうほどの文学的味わいのある文章で、堪能させられる才人が多い。その筆頭は『米流時評』でも開始当初から何度も紹介してきたクリストファー・ディッキー、ファリード・ザカリア、オーウェン・マシューズ....
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彼らは皆、時代の表層を突き抜けて歴史の真実をつかみ出す達人ばかりだ。私がある程度、世界の出来事の裏おもてを把握できるようになったのも、彼らの送ってくる情報の確かな視点に教えられ育てられてきた余録かもしれない。(それまでは単なるプランナーと言うか、一クリエーティブ)たしかにこちらへ来てからの私の「世界科」の教師は、もっぱら雑誌とネットだった。

今日のエントリで翻訳して紹介するのは、その中でも北京からのダイレクトな中国情報でおなじみのメリンダ・リウ女史。彼女は中国の人民パワーを評価しながらも、中共政府の全体主義的な弾圧の体制には常に批判の眼を向け糾弾の声を上げてきた、勇気あるジャーナリストのひとりである。
昨年3月のチベット騒乱弾圧の際には、ラサ蜂起よりも1週間早く「中国公安警察がチベット僧院の周囲に集結、ひと波乱起きる」と予言し、ニューズウィークの記事で報告していた。彼女の予感が不幸にも的中した3月14日以降の現地レポートは、言うまでもなく臨場感あふれる緊迫した記事の連続だった。
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今回の記事は、米国に端を発したグローバルな経済危機、その余波をまともに受けた中国経済、国内に横溢する新しい世代のナショナリズム、そして見逃してはならない軍事力、特に海軍パワー増強への傾斜。こういった中国の世相の表面に現れた「点」を、ジャーナリスト特有のたしかな視点で「線」としてつないで、国家としての今後への流れまでを垣間見せた、秀逸な時事評論である。日本のネオナショナリズムの台頭と照らし合わせてみても、興味深い一文だろうと思う。

【米国時間2009年3月28日『米流時評』ysbee】

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MARCH 28, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年3月28日号
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  N E W S W E E K | A N A L Y S I S
ネオ紅衛兵の台頭? グローバル不況と中国次世代ナショナリズム
米国時間 2009年3月28日 | メリンダ・リウ/ニューズウィーク・北京発 | 訳『米流時評』ysbee

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中共軍がチベットに侵攻しラサの王宮を占拠してから50年。この侵略の日を中共政府はいみじくも「農奴解放の日」と呼び、厳重な警戒の元に祝賀式典を強行。過去の真実の隠蔽・捏造・欺瞞の集大成、虚偽きわまった祭典である。

China: There’s Plenty Of Blame For All
Nationalist angst directed at the U.S. has also rattled China's government
MARCH 24, 2009 | By Daniel Gross — Economic Analysis | Translation by ysbee

1. China's outburst of America-bashing
NEWSWEEK APRIL 8, 2009 issue — The latest recession-fueled outburst of America-bashing in China might worry Washington, but it's even scarier to the rulers in Beijing. Millions of ordinary Chinese are in trouble, and they're asking why their government is continuing to prop up one country — United States.
中国を筆頭に始まった米国バッシング
中国では現在このところの経済不況にあおられたアメリカバッシングの暴発が、米国政府の頭痛の種になってきているが、こうした不測の事態はむしろ北京の政府支配者側にとってこそ、脅威を感じる元凶となっている。グローバルな経済危機の影響をまともに受け、中国ではすでに数百万人の一般市民が経済的窮地におちいっている。こうした貧窮層は、自分たちの政府がなぜよその国の縁の下の力持ちの立場を取り続けるのか、疑問を持ち始めた。その外国とは、もちろん米国である。
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中国全土の各都市で「増殖」する新しい建築群 政府の規制が開発のスピードにに追いつかず違反建築は野放し状態

2. U.S. as blaming target of economic crisis

U.S. is the country that practically everyone blames for creating the global economic crisis. Never mind what would happen to the roughly $2 trillion in Chinese foreign reserves that are invested in U.S. securities if Beijing suddenly tried to cut America loose. Seeking to placate the domestic critics, China's leaders are hardening their stance toward the Americans.
経済危機の元凶アメリカへの糾弾
「今回のグローバルな経済危機を作り出した張本人は米国だ」と糾弾する意見に関しては、どの国も異論がない。だからといって、万一中国政府が米国との友好の絆を突然断ち切ってしまったら、それまで米国債を買い続けてきた中国の200兆円にものぼる海外投資が、どういう結果を迎えるのかについては論外だ。言うまでもなく当然、両国の関係に破綻を招くだろう。しかしながら共産党首脳部は、中国国内の批判勢力をなだめるのに躍起なあまり、米国政権に対するこれまでの態度を一変して、強硬な姿勢を示し始めている。
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時代を百年もへだてた新旧が混在するのが現代中国の実相。どの都会にも最先端のビルの陰にスラム街が残存する

3. Asking IMF for replacement to new currency

Last week China's Central Bank Gov. Zhou Xiaochuan called for the greenback to be replaced with a new reserve currency controlled by the International Monetary Fund. That proposal came on the heels of Premier Wen Jiabao's pointed expression of "concern" for the safety of China's U.S. holdings amid the current turmoil.
国際基金にドルに代わる新通貨を提案
先週、中国政府中央銀行のズー・シャオチャン頭取は、貿易収支決済をドル建てからIMF発行の新しい国際通貨に切り替えてはどうか、と呼びかけた。この提案は、最近問題化してきている米中間の負債の保全に関して、温家宝首相がその安全性について難色を示した時点から間を置かずに出てきたものである。
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天安門広場で売っている中共みやげの毛沢東主席バッジ 政治的と言うよりキッチュというデザイン的評価で買われる

4. China's economic nationalists

The tough talk is expected to continue as China demands a greater say in international financial matters at this week's G20 summit in London. But the anti-U.S. hard-liners—"economic nationalists," as they're known in China—are far from satisfied. Wang Xiaodong, a prominent member of the movement, scoffs at the idea of replacing the dollar with a new IMF-backed reserve currency.
中国のエコノミック・ナショナリスト
今週ロンドンで開催されるG20主要20カ国首脳会議では、今や最大の国際問題となっている財政危機について、大いに一言ありと大上段に構える中国のおかげで、米中間のIMF通貨問題に端を発した論争がますます過熱し、厳しい対立を招きそうな気配である。
しかし、中国の中でも強硬な反米派の連中は、国内では「エコノミック・ナショナリスト=経済的愛国主義者」として周知の存在だが、話し合いなどで妥協できる段階からはほど遠い立場をとっている。反米運動の旗手として知られるワン・シャオドン氏は、米ドルに代わる新しいIMF基軸通貨のアイディアををいきなり打ち出し、関係諸国を面食らわせた。

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昔日のスローガンが天井に残る廃墟となった鉄道のプラットホーム 何かの展示会場として再利用するための工事中

5. 'Quit buying U.S. T-bills, but invest in domestic'

"Isn't the IMF also under the control of the United States?" he asks, with a conspiratorial grin. He says Beijing should simply quit buying U.S. T-bills and invest the money at home instead, building up China's own infrastructure, defense forces and social services.
米国債買いを止めて国内に投資
「国際通貨基金IMFもまた、米国のコントロール下にあるのではなっかたかね?」とワン氏は意味ありげな笑みを浮かべて問い返した。
彼の言うところでは、中国政府はただ単に米国の国債購入を止めて、代わりにその金を国内のインフラ整備や、防衛力強化、社会福祉などの、国内への投資に回したいだけだと説明した。
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中国13億の民 国家としてのGDPは2桁の伸張を続けるが、典型的官僚優遇体制で貧富の階級格差は開くばかり

6. Brand-new bestseller, 'Unhappy China'

Wang is one of five authors of a new book, "Unhappy China," which sold 100,000 copies in just 11 days after its release in mid-March. The book takes Beijing to task not only for coddling the Americans but also for neglecting national defense. Wang and his cohorts say China needs to beef up its Navy.
ベストセラー『アンハッピー・チャイナ』
中国では現在、3月中旬に発売されて以来わずか11日間で10万部売れた、新刊本のベストセラーがある。ワン氏はその『アンハッピーチャイナ/不幸な中国』の5人の共著者のひとりでもある。この本の中で、ワン氏と彼の仲間は「北京政府は(度重なる国債買いによって)米国を甘やかし過ぎたばかりでなく、自国の国防と言う重要な役割を無視した」と指摘し、さらに「中国は海軍力を強化する必要がある」と主張している。
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昨年4月の四川省大地震で崩壊した道路や橋が現在も残骸のまま放置 川向うの学校へロープウェイで命がけの登校

7. Younger Chinese asking for a strong Navy

They insist in beefing up China's military muscle if it continues buying up natural resources everywhere from Australia to Africa. "All those commercial contracts mean nothing unless we have aircraft carriers to back them up," says Wang, "That's why so many younger Chinese are asking for a strong Navy."
海軍力強化を希望する中国の若い世代
彼ら著者は、オーストラリアからアフリカまでいたるところで中国が天然地下資源を買い続けようとするならば、中国政府は軍事力を増強する必要があると、次のように主張している。
「これら一連の商業取引は、その海上輸送の安全を保障するためにわが国が航空母艦を持たない限り無意味である。それが、中国の若い世代が強力な海軍を望んでいる理由である。」
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天安門広場に翻る五星紅旗 昨夏の北京五輪では中国ナショナリズムのシンボルだったが度が過ぎると憎悪の対象に

8. Aggressive military budgets and actions

A new Pentagon report says China is already headed in that direction. Beijing's military budgets have doubled between 2000 and 2008; the Chinese Navy is venturing; farther out to sea to secure energy transport routes; conduct anti-piracy patrols off the coast of Somalia.
軍事予算も行動範囲も飛躍拡大した中国の軍隊
先週発表された新しいペンタゴンレポートによると、中国はすでにそのように海軍力を強化する方向へ進んでいると報告している。その他の主な報告内容は以下の通り:
 ・中国政府の年次の軍事予算は、2000年から2008年までの間に倍増
 ・中国海軍は石油などエネルギー資源の輸送ルート安全確保のため、従来以上の海路へ進出
 ・海賊対策のためにソマリア沖にまで海軍が進出
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昨年8月五輪聖火リレー時のチベットの首都ラサ 五星紅旗が並ぶポタラ宮前広場をパトロールする中国の武装警察

9. Biggest parade of Chinese sea power

Senior officers have reportedly decided to train 50 pilots to operate from a refurbished Soviet-era aircraft carrier purchased from Ukraine. This month Chinese forces are scheduled to lay on a spectacular "naval parade" off Qingdao, the biggest show of Chinese sea power since the birth of the People's Republic in 1949. Perhaps the sight will make Wang and his coauthors at least a little less unhappy.
4月に中国海軍最大の軍事演習
中国海軍では、ウクライナから買い取ったソビエト時代の航空母艦を改修し、ベテランの司令官が同艦上で50名の戦闘機パイロットを育成している最中である。
また中国海軍は今月、青島沖で壮大な「海上パレード」を挙行する予定だが、これは1949年に中華人民共和国が誕生してから50周年にあたるため、中国の海上軍事力を世に示す建国以来最大の軍事ショーが展開される予定である。この演習光景は、多分ワン氏とその仲間の不幸な感慨を、少なくとも軽減するものになるだろう。 <了>

【 米国時間 2009年3月28日 『米流時評』ysbee訳 】
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左:北京市内で商店撤去後の警備員 /中:ユービキタスな毛沢東の銅像 /右:中国海軍の演習を視察する軍司令官d0123476_1023580.jpg

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by ysbee-2 | 2009-03-28 16:15 | ダイハード中国

ニューキャピタリズム・資本活性化を促すガイトナープラン

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   ||| ガイトナーのレガシープラン |||

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 ウォール街が気に入った!ガイトナー提案の「レガシーローン」は日本がお手本?

d0123476_18552829.gif今回の「つき出し」は、金融システムでの政府介入の度合い……みたいな話題に関する、前号のコメント欄でのやりとりです。
<バンコク愚連隊さんのコメント>
オバマのすごいところは その視点の基礎が
「一般的常識」におかれている点ではないかと思います。
今までの発言を見ていると、旧来のしがらみにがんじがらめにされていた
今までの政治家と目線が違いますよね。
かといって 衆愚政治にはならないバランス感覚もあるようなので
さらに今後を期待しています。

自分的にはあと企業の借り入れに対しても 政府系金融機関で「保証を出す」
ということを 考えればよいのではないかと個人的に思っています。
……<中略>……
要は「保証がなければ金を貸さない」が金融屋の志向の根本ですから、
いくら資金を潤沢に提供しても
銀行は企業の評価=保証できる可能性が高くない限り 金を出しません。
日本も考えたらいいと思うんですけどねえ…
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3/24『資本家は何処へ行った?ガイトナー・ソルーションの行方』コメント欄より
<ysbeeのレス・冒頭省略>…… 
経済に関してはド素人で、会社経営の経験はあっても
財務はいつも経理任せだったので、
大学の教養課程で 単位のために「仕方なく」聴講した
経済原論程度の知識しかありません。
エコノミーのジャック・アンド・ベティですね。

なので、今回の経済危機の構造に関しては、疑問が多々あるのですが、
皆さんのブログで勉強させてもらっている次第です。
疑問のひとつに、日本には「信用保証協会」という機関があって
半官半民なのでしょうか? 借りる方も貸す方にとっても
便利な機構だと思います。(素人考え。今でもあるのかな?)

で、どうも、今回のガイトナー案は何となく性格上
これに近い体制として解釈できるのですが。
借主と貸主の間に政府が介入して、貸借を保証するのですから
両者にとって安心だし、政府としては新規事業振興策の裏付けにもなるでしょうし
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それで、何が言いたいかと言いますと、
  「ガイトナーはもろもろの半官半民のビジネスモデルを
   日本の経済システムから学んだんじゃないだろうか?」

という点です。
彼は、日本のバブル隆盛期と崩壊後の経済と社会機構の変化を研究対象にしていた
という経歴があるので、もしかしたら日本のシステムモデルの成功例は取り入れ、
失敗例は他山の石として、予防・迂回する、
という経済政策をとるような気がします。
……<後略>

<追記> どうも、ガイトナーの思惑はこうじゃないかと見えるんですが。
「ヨーロッパ諸国の社会主義は 国家負担が大き過ぎて、
 あくまで自由経済を是とする資本家の意向にそわない。
 その点、日本の社会の経済システムは(小泉のカイカク以前)
 官と民のバランスがうまくとれ、税負担も理想的で
 そのおかげで あれだけの経済発展を遂げたのじゃなかろうか」
これが、経済にはド素人の私が感じとった、ガイトナープランの解釈です。
   【米国時間 2009年3月26日『米流時評』ysbee 】

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MARCH 26, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年3月26日号
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    N E W S W E E K | A N A L Y S I S
ニューキャピタリズムで資本の活性化を促す、ガイトナーのレガシーローンプラン
米国時間 2009年3月24日 | ダニエル・グロス/ニューズウィーク経済時評 | 訳『米流時評』ysbee

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古き良きアメリカを彷彿とさせるスタイルのこの住宅は、米国の平民宰相ハリー・トルーマンのマイホーム
Man Up, Capitalists! — Part II
Why do we have to bribe investors to take risks?
MARCH 24, 2009 | By Daniel Gross — Economic Analysis | Translation by ysbee
前号「資本家は何処へ行った?ガイトナーソルーションの行方」からの続き

9. 90's fortune made by purchase of bonds
NEWSWEEK Web Exclusive — After the junk-bond market crashed in the early 1990s, investors deploying new pools of capital jumped in, purchased the bonds, and used them to acquire control of companies—a bet that paid off handsomely. Earlier this decade, Warren Buffett and others pounced on telecommunications and energy-trading companies that had become impaired.
国債発行でしのいだ90年代の経済危機
90年代のはじめに、回収不能に陥った債券で主にS&Pの相場がクラッシュした後、そこから引き上げた投資家達は、資本を投下する新しい市場商品を探した結果、国債買いに走った。さらには、その国債を、投資する会社の株を購入する際にも利用した。結果としてこの新しい賭けは、見事に回収されて帰ってきた。同じく90年代の初めに、ウォーレン・バフェットを代表格とするグローバルな投資家が、出回り始めた携帯電話を成長株とする通信業界と、エネルギー貿易業界に食いついたが、弱体化させる結果となった。
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上下両院の予算編成委員会:左から ラリー・サマーズ大統領経済顧問(民主)、バーニー・フランク下院議員(民主)、クリス・ドッド上院議員(民主)、オバマ大統領(民主)、ティム・ガイトナー財務長官、シェルビー上院議員(共和)

10. Great moment for vulture investors

Earlier this decade, Warren Buffett and others pounced on telecommunications and energy-trading companies that had become impaired. The current environment should be a great moment for vulture investors. We've just gone through the mother of all dislocations when it comes to debt. In fact, the New York Times reports, several name-brand firms are plunging into distressed debt.
野心的投資家には絶好のチャンス
翻訳中
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具体案が出るまでは評価の対象がなく、AIG問題をはじめ経済危機の責任を問われていたガイトナー財務長官

11. Gone through the mother of all dislocations

But while these firms have plenty of cash, and (limited) access to other people's money, they won't wade into the mortgage morass—without something like a guaranteed return. Yes, the market for these assets isn't functioning properly.
リターン保証つきに限り投資
翻訳中
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米国経済の2大市場、金融と不動産を一気に活気づける意図のガイトナー・ソルーション効果はこの夏以降

12. Improperly functioning markets within

But improperly functioning markets are a feature of life. Just as there's always a bull market somewhere, there's always a market. Sure, the market exists in which something is significantly underpriced because of macroeconomic, geopolitical, or industry-specific issues.
機能不全の市場を抱えた改革
翻訳中
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オバマの経済施策に対する評価は賛否それぞれ40%で世論を二分するが、大統領制全体への評価では69%が支持

13. Not so low prices for down-turned mentality

There may be good reasons why capitalists aren't yet lining up to buy discounted junk from banks. It could be that potential buyers have lost their nerve (although you can never lose money going long on the nerve of Wall Street operators). It could be that the prices at which sellers are willing to part with lousy "legacy securities" still aren't sufficiently low to make these trades worthwhile without major leverage.
下がらない価格帯とどん底の投資意欲
翻訳中
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金融危機で資金繰り困難に陥り、宅地開発の住宅建設がストップしたカリフォルニア州コスタメサのニュータウン

14. Legacy assets still not sufficiently low

It could be that investors today can't fathom waiting a couple of years to get paid. It could be, as economist Mark Thoma suggests, that the combination of complex instruments and a totally FUBAR market makes these legacy assets simply uninvestable at any price.
不良資産の価格設定に問題
翻訳中
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米国の東部と西部両岸にAmTrackの新しい縦断鉄道も計画している、オバマ政権のジョー・バイデン副大統領

15. Capitalism without capitalists

Or it could be that Wall Street has lost its nerve. In this past decade, the controlling assumption of the financial-services industry was that you could have "wealth without risk." Now it seems to be that you can have "capitalism without capitalists."
資本家なき資本主義
翻訳中
<了>
【 米国時間 2009年3月26日 『米流時評』ysbee訳 】
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先月ロンドン郊外で開かれたG20経済相会議 来月のG20首脳会議にはオバマも参加し、就任後初の欧州訪問となるd0123476_1023580.jpg

d0123476_7294370.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/9518134
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by ysbee-2 | 2009-03-26 17:15 | オバマの時代

資本家は何処へ行った?ガイトナー・ソルーションの行方

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  ||| ガイトナー・ソルーションの行方 |||

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 ガイトナー財務長官のほどこす財政の大手術で、米国経済は生き返るのか?

d0123476_18552829.gif『米流時評』は通常、本文は米国メディアの翻訳記事で、私自身の意見はトップの前書き(もどき)に書いていますが、時事の焦点に的を得た質問が出ると、待ってましたとばかりにレスが書きやすくなります。なぜかと言えば、掲載記事のコンテンツ以外にもこちらの新聞・テレビのニュース解説や討論番組で得たホットな情報も、あわせて紹介したいからです。

いつも時間がなく週遅れのレスになっているにもかかわらず、正鵠を得たコメントを残してくださる皆さんには、改めてその誠意に深く感謝申し上げる次第です。今回のAIGボーナス問題に関しても色々ご意見をいただきましたが、日本へ帰国してますます水を得た魚のようなunimaroさんからのコメントへ書いたレスに、私の言いたかったことが凝縮されているので、そのまま記載します。(それにしてもカジュアルな文体で、冷や汗三斗ですが)
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3/16号『オバマ激怒!AIGの巨額ボーナスに待った』のコメント欄より
>うにさん、いつもコメントをありがとうございます!
4年前から応援していた身としては、全然「化け」てはいないと思うんですが。
オバマほど主張を変えない政治家も珍しい、と思えます。
公約通りの政策を議案として次々成立させていっているので
そこまで律儀に約束を守れるとは思っていなかったとすれば、意外かも。

今回のボーナス問題で一番の収穫は、上のレスでも書いた通り
金融界の天井知らずの報酬に対して、規制が成立した、という点ですね。
これは、下院では民主党が圧倒的与党で議案通過、大統領も民主党なので、
最終承認のオバマのサインでスピーディーにスムーズに成立するわけです。
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これまでは、クリントンの時は下院の与党が共和党で「ねじれ」で成立せず。
ブッシュの時には、特に2期目の後半 2006年の総選挙で
民主党が圧勝を収め、下院で多数を占める与党となったのですが、
せっかく成立した良い議案も、大統領の拒否権発動で却下されていました。
ですから、かれこれ16年間も すったもんだの膠着状態だったわけですよ。
この間、金融資本家がはびこり放題。

ですから、今回の金融機関への政府の介入は
一種の経済革命と言ってもいいかと思います。


みなボーナスの額の大きさとか、経営陣の強欲に目がとられて
本質的なドラスティックな変化に言及している評論家はまだおらず、
この上で書いたローレンス・オドーネルが、
クリス・マシューズの「Hardball」で指摘したのが、最初で最後です。
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しかしこの変化は、政治・経済両面において巨大なUターンになったと思います。
多分その効果は、これからじわじわとオバマ政権の圧倒的強みになって
社会全体に健全な効果が現れてくるんじゃないでしょうか。

格差社会のハレーションにストップがかかったわけです。
やっと庶民が王様になる時代が、訪れつつあるのですよ。
この大局的な構図が見えない人だけが、社会主義化とか騒いで、
ネガティブな恐怖感をあおっているだけです。

この次に打つ手の対象は、こういった特権階級の隠し金で
海外の、特にスイスの銀行に預金していた口座を対象に、
税金逃れに対するチェックメイトの手が伸びるでしょう。
その件に関しては、ただ今翻訳中のシャープな評論がありますので
ご期待ください。
   【米国時間 2009年3月24日『米流時評』ysbee 】

d0123476_16391691.jpgunimaroさんのブログ 3/22のエントリでは、この件に関する日本の偏向報道を取り上げ、「プロ」のジャーナリストの言葉の選択如何で、いかに事実が歪曲されていくかについて、実例とともに鋭い批判を浴びせています。ぜひご一読を!
▶【株屋は株屋】分をわきまえられない永遠の屑達♪【金貸しは金貸し(銀行)】

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MARCH 24, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年3月24日号
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  N E W S W E E K | A N A L Y S I S
資本家はどこへ行った? ガイトナー・ソルーションの行方
米国時間 2009年3月24日 | ダニエル・グロス/ニューズウィーク | 訳『米流時評』ysbee

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いつもは米国の危機を一身に背負ったような険しい表情のTiny Timmyが、珍しく笑顔を見せた一瞬
Man Up, Capitalists! — Part I
Why do we have to bribe investors to take risks?
MARCH 24, 2009 | By Daniel Gross — Economic Analysis | Translation by ysbee

1. Market loves it
NEWSWEEK Web Exclusive — What to think of the latest plan to get crummy mortgage-related assets off the books of large financial institutions? Two of the economists whose views I most respect differ widely on it. Paul Krugman hates it. Brad DeLong is more optimistic. The stock market, which is a poor barometer of public policy, totally loves it.
市場が気に入ったガイトナー案
【 By ダニエル・グロス / ニューズウィーク経済時評・サイト独占掲載 】
財政破綻でゾンビ化しつつある巨大金融機関の財務表から、その癌ともいえる住宅ローン関係のにっちもさっちもいかない不良資産を一掃しようという、ガイトナーのソルーションをどう評価したらいいものだろう?
ここに常日頃私がもっとも敬愛するふたりの経済学者の評価があるが、両者の意見には大きな開きがある。ポール・クルッグマンは、この案が嫌いだ。もうひとりブラッド・デロングは、より楽観的に受け止めている。しかしながら、決して国民の総意を反映するバロメータにはなりえないが、米国の投機市場自体は、この案をすっかり気に入ったようである。
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昨年経済学でノーベル賞受賞のポール・クルッグマンはNYタイムズの常連コラムニスト ガイトナー案には批判的

2. Excitement and exuberance in Wall St.

In its wisdom, Wall Street could easily decide tomorrow, or next month, that it hates the plan. That's been the pattern for the last six months of bailouts—excitement and exuberance that the cavalry is about to arrive followed by disappointment that it's armed with pop guns.
ローラーコースターのウォール街
相場の知恵を働かせれば、政府からの提案を嫌うウォール街としては、買いに転じる決断を明日に回してもよかっただろうし、用心深く来月まで待つこともできたはずだ。それが昨年9月のリーマンショック以来これまで半年の間、連邦準備銀行からの注入金で息を継いできた株式市場のパターンだった。助けの神の騎兵隊が到着するぞという興奮と喜びもつかの間、その武器ときたら役立たずのおもちゃの鉄砲程度で、ちゃちな援軍だったからである。(注入金の不足を指摘)
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NYSE ニューヨーク株取引市場 昨年9月のリーマンショック以来下落の一途で14年間最悪の底値を更新していた

3. Who is taking the risk?

We should sympathize with the dilemma the Treasury Department faces in trying to clean up this mess. As Treasury Secretary Timothy Geithner said last week: "Many banks in this country took too much risk, but the risk now to the economy as a whole is that you take too little risk." (Moneybox made a similar point.) But who is taking the risk? And who stands to reap the rewards?
リスクテイカーはいないのか?
連邦政府の画期的政策には、賛否両論、議論百出の現状である。しかしわれわれ一般大衆は、この8年間放置され山積みされてきた、金融危機の残滓である不良資産を一掃するという大役に直面して、経済活動の自由か規制かというジレンマに陥っている財務省にたいして、もっと同情を寄せるべきではないだろうか? ティモシー・ガイトナー財務長官が先週いみじくもこう言ったように。
「この国の金融機関の多くは、自らを利するためには、あえて多大なリスクがあっても相場に賭けてきたはずです。しかしながら、自社の財政だけでなく経済全体の運命がかかっているというリスクに対しては、われ関せずなのですか?」(ファイナンシャルサイトのMoneyboxでも同様のポイントを指摘していた。)
しかし、いったい誰がこの壮大なリスクを受け止めるのだろう?
そして誰が勇気をもって立ち上がり、勝利の栄冠を得るのだろうか?
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ニューヨークのAIG本社前で「AIGreed/AIGは守銭奴」と書いたカードを掲げて、ボーナス問題を糾弾する市民

4. 'Legacy loans' for the toxic assets

The Treasury acknowledges that private investors will be subsidized to take on the ownership of what it's calling "legacy loans" and "legacy securities." (If these horrific securities are legacy loans, then the funeral industry should reclassify corpses as "legacy bodies.")
不良資産買い付けに「レガシーローン」
財務省の提案した新しい財政プランは「legacy loansレガシー・ローン(継承資産購入ローン)」あるいは「legacy securities/レガシー・セキュリティ(継承資産保険)」と呼ばれる、銀行が不良債権の担保として差し押さえた不動産物件の所有権を、民間投資家や一般市民が個人資産として買い取れるよう、連邦政府が保証して援助する、という「金融と不動産」という2大業界の活性化を一挙に促進しようとする大胆な施策である。
(それにしても、こういった金融ゾンビ化の要因だった二重三重に担保の付いた「所有権の容れ子状態」の不良資産に対する貸付保証を「レガシーローン」という小じゃれた名前で呼べるなら、葬儀屋の業界では、死体のことを「レガシーボディ(肉体的遺産)」と呼ぶべきかもしれない。)
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コネチカット州では、写真の AIG 創業者ハアス氏の自宅をはじめ、AIG 役員邸宅めぐりの抗議ツアーが始まった

5. 72% government loan with 6% deposit

The Treasury cites as an example a loan valued by a bank at $100 that is sold for $84. In that instance, the private investor and the government would each put in $6, and the investor would borrow the other $72 from the government. If you're keeping score at home, it means the private investor would put in 7 percent of the cash but would receive a much higher percentage of the profits.
手付金6%で政府の貸付金72%
財務省では、きわめて単純な例でその内容を説明した。その仕組みは次の通りである。
・まずここに銀行が100ドル貸付したローンの担保物件として没収した、住宅なり不動産物件があるとする。その市場販売価格が現行で84ドルだったとする。
・その場合、新しい買主となる個人投資家と連邦政府が、物件購入の手付金としてそれぞれ6ドルずつ自己負担して支払う。
・購入契約が成立したら、残額の72ドルを買主は連邦政府から借り入れができる。
・その物件を保有し続ければ、買主は7%の現金を投資したことになるが、実質的には不動産が資産として計上されるので、損益対照表ではそれをはるかに上回るパーセンテージの利益が出ることになる。
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T-Bondsと呼ばれる米国連邦準備銀行発行の国債証券/ドル離れが加速し、中国では新しいグローバル通貨を提唱

6. Where are all the capitalists?

The plan raises the disturbing question: Where the hell are the capitalists? Where are all the people who are willing to put their own money, and that of people willing to lend them cash, at risk in pursuit of profit? Why are Wall Street's tough guys such a bunch of girly men?
資本家は何処へ?
しかし、この新しいガイトナー案にも次のような疑問がつきまとう。
資本家はいったいどこへ行ったんだ? 好況の頃には、利潤のためならリスクを冒してでも、あれだけ持ち金を積んで投資した連中、またそういう連中にじゃんじゃん貸し付けた銀行、あいつらはいったいどこへ行ってしまったんだ? ウォール街のタフガイはこれほど女々しい奴らだったのか?
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投資金融機関JPモーガンの本社ロビー 成金を絵に描いたような、なんと悪趣味で空疎なデザインだろうか!

7. Investors without risk-taking guts

The Geithner plan assumes that Wall Street's bravest investors won't spend a penny or borrow unless the government is willing to cover losses, make loans, and give away extra profits. It assumes, in short, that these great businesspeople are afraid to do business.
投機心を失った投資家たち
ガイトナーの連邦ローン案を見る限り、ウォール街の闘士だったはずの投資家たちは、リスクの一切合切を政府が背負わない限り、一銭たりとも払ったり借りたりするつもりはなさそうだ。連邦政府が不良資産を引き取りローンを貸し付けし、おまけに余剰利益をくれるというおんぶにだっこの算段がととのうまでは。とどのつまり端的に言うと、あの偉大なる「ビジネスピープル」たちが、今ではビジネスするのを怖がっているような案配だ。
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先月頻繁に開かれた財務省の予算案編成委員会 左からショーン・ドノヴァン補佐官、ティム・ガイトナー財務長官

8. Investment horizon ahead

Dislocations create opportunities for investors with the courage to jump in and the vision to extend their investment horizon beyond a year or two.
投資の新しい地平線
しかし、新しい状況に飛び込む勇気をもった投資家にとっては、現在急旋回している米国経済の転換期はまたとないビジネスチャンスであり、あと1・2年先には新しい産業に対するインベストメントの地平線が拓けてくるという、希望の持てるビジョンが見えたに違いない。 >> 後編へ続く

【 米国時間 2009年3月24日 『米流時評』ysbee訳 】
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ウィンドパワー、ソーラーパワーなど、石油に変わる新しいエネルギーの発電で「グリーンエナジー(エネルギー)」改革を進めるオバマ政権。写真はコロラド州デンバーにある太陽熱発電のモデル企業 Namaste Solar。d0123476_1023580.jpg

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by ysbee-2 | 2009-03-24 22:30 | オバマの時代

ウォール街にサクラサク!500ドル急騰で再生の春到来

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  ||| ウォール街急騰で経済再生の春到来 |||

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 オバマの経済再生案、ガイトナーの実施詳細案提示で国民の安心感醸成に成功
 好材料続出:中古住宅業界6年ぶり急騰、連邦100兆円で金融悪質担保買取り


d0123476_18552829.gif週明け、朝一ですでにアメリカは活気に満ちている。先週いっぱいAIGのボーナス騒動で明け暮れ、野党共和党から「ガイトナー長官は引責辞任せよ」という非難の声が高まったところへ、週末にオバマが一連のテレビ番組に出演。「ガイトナーが辞表をもってきたら、お前(Buddy)には片付ける仕事があるからダメだよと断る」と、いとも簡単に一笑に付した。

このカジュアルでポジティブな発言が効いたのか。いや、ガイトナー自身が週末に発表した「1兆ドル(約98兆円)の不良資産買取り」と、今朝発表した経済再生案の実行細則とのダブルパンチで、実数に弱い投資家層が雰囲気だけでなく現実的再生への見込みを確認できたので、売り急ぎと買い控えで溜め込まれた資金が一気に投下された結果だろう。
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さらに好材料としては、住宅業界の朗報がある。2月の中古住宅市場のセールスが、ひと月でなんと5.1%アップしたというのである。先月はマンション業界が22%上昇という驚異の数字もすでに上がっていた。この背景には、ローン支払不能で銀行の差押え処分となった住宅が、それ専門の極安物件のセリ「フォークロージュアセール」でブームになっていること、連銀が貸付利息の利率を格段に下げたこと、というふたつの変化が起因している。

私は経済は専門畑ではないので、翻訳の中で間違った用語を使っていたら、ぜひその道の先達に指摘していただきたいと思っている。ただし、時流の転換にピントが合っている、と思える情報を嗅ぎ分ける勘は多少あるつもりなので、このニュースを含め後続の記事は議論百出の中からピックアップした速報からお届けしたい。

【米国時間 2009年3月23日『米流時評』ysbee 】

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MARCH 23, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年3月23日号
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  A S S O C I A T E D P R E S S | B R E A K I N G
ガイトナー長官「不良資産買取り1兆ドル」発表で 市場急激な好転
米国時間 2009年3月23日午後4時50分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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Dow Soars Nearly 500 Points on Banking Plan
Dow skyrockets nearly 500 points on news of Treasury's proposal
MARCH 23, 2009 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee

1. Good news in banks and housing
NEW YORK — Wall Street got the news it wanted on the economy’s biggest problems — banks and housing — and responded with a rally that hurtled the Dow Jones industrials up nearly 500 points. Major stock indicators surged more than 6 percent, including the Dow, which had its biggest percentage gain since October.
2大市場、金融と住宅業界に好材料
ニューヨーク発 | 米国経済が抱える最大の問題、金融とハウジングの財政破綻。このふたつの業界から、待ちに待っていた朗報をウォール街は今朝受けとった。この好材料を反映してか、投資家はたちまち「買いのラリー」に転じ、NYSEニューヨーク証券取引所 ダウジョーンズ市場の平均株価は、今日1日で500ドル近い猛反発を記録した。
最近例のないこの活況で、米国取引市場主要銘柄の株価はダウ相場を筆頭に一様に反発の動きを見せ、主要銘柄の平均株価は先週末から6%の急騰となり、昨年10月以来、またダウ史上4番目の大巾な上げを記録した。
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2. Fundamental move from the bottom

字数制限のため英文省略
ウォール街、活況化に本腰
AIG役員ボーナス問題の春の突風が吹き荒れた先週。その週明けの月曜ウォール街の投資家は、(シティグループの黒字報告のあった)2週間前から噂されていた経済再生のロケットに、ようやく燃料を注ぎ込む気になったようだ。長らく待望されていた景気回復へのこの動きは、土日から伝えられていた経済再生への具体案提示と景気回復の兆候を示すデータという、ふたつのポジティブなニュースを反映したものである。
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NYSEニューヨークダウ株式市場のフロア ディーラーにはイタリー系が、アナリストにはユダヤ系が、なぜか多い

3. Investors cheering the government's plan

Investors added rocket fuel Monday to a two-week-old advance, cheering the government's plan to help banks remove bad assets from their books and also welcoming a report showing a surprising increase in home sales.
経済再生案を投資家が認めた証拠
この朝、経済再生のパイロットである財務省のガイトナー長官から、金融機関の抱えている不良債権の担保買い取りを発表。これによって、銀行や保険会社などの死に態の資産が処理でき、資産表の赤字を解消できる見込みとなった。ウォール街は、連邦政府のこの英断に拍手を送った。
また一方では2月の住宅市場のセールスリポートで、中古住宅の総売上が前年同月比で5.1%という驚異の伸びを見せ、ウォール街の関連相場も軒並み急騰を見せた。
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AIGのボーナス制約条項を議案から消却したのでは?という疑惑をかけられた民主党のクリス・ドッド上院議員(左)
孤軍奮闘で再生予算の詳細を編成するガイトナー長官(中)、予算委員会の真偽に向かう共和党のシェルビー上院議員


4. 'Economic activity of recovery on the horizon'

Although analysts were still hesitant to say Wall Street is squarely on its way to recovery after the collapse that began last fall, they said the banking and housing news bolstered the belief that the economy is starting to heal. "It's just hard to argue that there isn't an improvement in economic activity on the horizon," said Jim Dunigan, executive vice president at PNC Wealth Management.
「具体的数字で再生の現実が見えてきた」
業界の市場アナリストは、昨年来の株価の底なしの下落に懲りたあとだけに「ウォール街が不況のどん底からしっかりと立ち直った」と断言することをいまだに躊躇しているが、「金融と住宅というウォール街の原動力となる業界の好材料は、経済が回復への道を歩み始めるだろうという信頼感を強く裏付けるものだろう」と控えめながらポジティブな評価を下している。
「経済活動回復の兆しが視野に入ってきたという状況に関しては、異論の余地がない」PNCウェルス・マネージメントのジム・ダニガン取締役副社長は、好転の兆候をこう認めた。
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AIGの役員を始めスーパーリッチが豪邸を構える、ハートフォードやブリッジポートを控えたコネチカット州

5. Turning tide since black report of Citigroup

The market began turning around two weeks ago on news that Citigroup Inc. was operating at a profit in January and February. A spate of more upbeat economic reports helped the market build on its gains, although the rally stalled last Thursday and Friday.
シティグループ黒字報告が好転の潮目
米国の市況が潮目を迎えたのは2週間ほど前のことで(連邦政府が財政救済資金を投下していた)シティグループの、1月・2月と2か月連続で黒字収支が報告されたのがきっかけだった。またその後も一連の経済情報の好材料で、先週の木・金には一時停滞したとはいえ、4日連続で株価上昇が続き、好況の兆しが見え始めていた。
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d0123476_13424687.jpg3/10号 Citigroup黒字報告でウォール街370ドルの急騰
3/11号 シティバンク危機脱出!FRBのゾンビ蘇生術成功か?

6. More fundamental strength in rally

Analysts said they saw more fundamental strength in Monday’s buying than they saw at the start of the rally. Dave Rovelli managing director of trading at brokerage Canaccord Adams, said there appeared to be less short covering, which occurs when traders are forced to buy to cover misplaced bets that stocks would fall. Short covering contributed to the market’s surge after the Citigroup news.
買いのラリーに伺えるウォール街の底力
ウォール街の証券アナリストたちは、月曜の急騰相場は、朝の段階では単に「買いのラリー」が始まったものと観ていたが、終盤では意図的なラリーをはるかに越える業績を目の当たりにして、ムード買いだけではない投資家層の底力を認識したようである。
カナッコード・アダムス証券取引管理部門のデイヴ・ロヴェリ部長は、推奨した株価が下落した際に証券会社が損失を抑えるために買い戻す、超短期の「自衛買い」はほとんど見られなかったとも証言した。先々週シティグループの黒字ニュースが流れて急騰した際には、この自衛買いがかなりの量で行なわれたそうである。
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左:セレブ的証券アナリストのジム・マグレガー氏も、23日の高騰にほっとした表情で勝利の葉巻を口にポーズ

7. $700 billion financial rescue fund

The market shot higher at the opening and kept going. The Treasury Department said its bad asset cleanup program would tap money from the government’s $700 billion financial rescue fund and involve help from the Federal Reserve, the Federal Deposit Insurance Corp. and the participation of private investors.
連邦政府から68兆円の財政救済資金
月曜の株価は寄り付きからいきなり急騰し、そのまま順調に上昇を続けた。その大きな要因は「bad asset cleanup program/不良資産解消案」として、財政逼迫した金融機関が抱えている担保物件の買い取りに、財務省が7千億ドル(約68兆円)という巨額の財政救済資金を投じる決定を下したためである。この資金は、連邦準備銀行、連邦預金保証協会、および民間の投資家による投資プロジェクトとして実行される予定である。
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オバマ政権では財務省とホワイトハウス主催で、政財界の有志を対象に新しい再建予算案の説明討論会を連日開催

8. Finally encouraged by bad loan cleanup plan

The government’s announcement was what the market had waited weeks to hear. Treasury Secretary Timothy Geithner had announced an outline of the program last month but provided few details then about how it would work, leading to a stock plunge that sliced 380 points from the Dow. But while analysts were pleased with the market’s performance Monday, they were also still cautious.
不良債権の連邦買取りで再建のめど
連邦政府からの金融機関に対するこの財政支援政策は、ここ数週間待ち望まれていた発表だった。ティモシー・ガイトナー財務長官は、先月その大まかな概要をすでに発表してはいたが、どのような部門にどれだけ支払われるかといった実行細則についてはほとんど触れていなかったため、先行き不安な投資家が買い控えや売りに走り、ダウ平均株価が一挙に380ドル(約3万7千円)も落ち込む暴落を招いていた。
しかし今回は具体案で納得がいったせいか、月曜久々の株価急騰で証券アナリストも一様にこの再生案が市場に与えた効果を評価しているが、同時にこれまでの用心深さもそのまま持続している。
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9. Fed giving traders hope for recovery

Subodh Kumar, an independent investment strategist in Toronto, said the Fed’s announcement that it would buy government debt and the details on plans to help banks are giving traders hope for recovery. “The market is shedding some of its excess pessimism. That doesn’t mean the market goes straight up,” he said.
トレーダーの経済再生への希望が表出
トロントで米国市場の株を取り扱う個人の投資戦略家スボド・クマール氏は、連邦政府の施策について「買い取った実質資産の価格評価が当然上がれば、財務表の負債が軽減する。その一方で、実質的な金融救済案は投資ディーラーに経済回復への希望を与え、投機心理に果たすその役割はきわめて大きい」と評価する。
「市場は今や、過激な悲観主義を排除しようとしている。しかしながら、だからと言って相場がこのまままっすぐに上昇線を描くとも思えないが」とクマール氏は補足した。
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10. Existing home sales surged in Feb.

Meanwhile, the National Association of Realtors' existing home sales report was overwhelmingly positive for the market although it showed a decline in home prices in February. Investors are embracing any sign that a glut in homes for sale may be easing. Monday's data followed a dose of good housing news last week as housing starts for February came in much better than expected.
中古住宅市場2月のセールス急騰
連邦政府の財政援助策の一方で、NAR 全米不動産士協会からは、米国内の不動産市場における住宅販売平均価格は下がったとは言え、中古住宅市場の2月の売上が驚異的数値を示したという結果が報告された。月曜発表された中古住宅市場の売上データは、すでに先週公表されていたハウジング業界の2月の売上実績で、集合住宅部門が22%増という、予測よりもはるかに良い実績を納めたニュースに引き続く朗報だった。投資家は、特に不況をかこっていた住宅販売業界が少しでも好転した兆候を見逃さず、すかさずこの機に買いに転じたようである。 >> 次号へ続く

【 米国時間 2009年3月23日 『米流時評』ysbee訳 】
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by ysbee-2 | 2009-03-23 23:45 | オバマの時代

その金返せ!AIGの巨額ボーナス回収騒動

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   ||| AIGの巨額ボーナス回収騒動 |||

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 海外134カ国に支店を持つ巨大金融機関AIG、役員ボーナス問題は氷山の一角?
 オバマ政権が米国の未来を賭ける、起死回生のニューディール予算案にも悪影響


d0123476_18552829.gif今回のAIG巨額ボーナス問題は、前号の前書きでもお伝えしたように、日を追ってというよりも毎時のニュースのたびにどんどん騒ぎが拡大して行った感があり、ライブでお伝えできなかったのが残念なほどの展開でした。返済を拒否したAIGに対して、昨日緊急処置としてボーナス支払分への90%の課税も決定し、支払われた資金がある程度回収できる目処はついたようです。

しかし、この課税法案で新たに浮かび上がってきた重要なポイントがあります。米国の経済のみならず、社会構造そのものにまで影響を及ぼすのではないかと思われる、非常に大きな潮目なので、舌足らずな拙文ではありますが、前号の記事へ寄せられた三四郎さんのコメントに対する私自身のレスを転載します。
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前号「オバマ激怒!AIGの巨額ボーナスに待った」のコメント欄でのレスポンス

このAIGボーナス騒動、まるで核分裂のチェーンリアクションのように時々刻々と大騒ぎに拡大していったので、もっぱらニュースを追いかけるのに手一杯でしたが、昨日の下院での決議で、支給されたボーナスへの90%課税が超党派で決まり、一段落した感があります。

それよりも驚くのは、この窮地にあってもオバマ政権は逆ネジを効かせまして、要するに、ブッシュ時代には規制が排除されて野放しだった法外な役員給与やボーナスに対して、合法的に規制できる体制が、わずか2日間で規制法として成立してしまったことです。
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これは民主党が8年間、いえクリントンの代以前からですから、もしかしたらレーガン時代から、政府の規制がはずされて、ユダヤ資本や投資家が肥え太っていった「スーパーキャピタリズム」の喉元に、とどめを刺した快挙となったようです。

結果論かも知れませんが、今日『West Wing』の制作者として知られ、リベラルの政治評論家としてもテレビによく顔を出すローレンス・オドーネルが、そういう見方で快哉を叫んでいました。

つまりこれは、金融本位主義を排除して、健全な実質経済の道をとった
オバマ政権の「経済革命」の、突破口の第一歩になったのかも知れません。


つまりAIGをテストケースとして失敗させたように見せて、その実は「Rich for the Riches」の格差社会に楔をさす抜本的な資本への規制力を、課税法案として成立させたことになる訳です。それも、わずか2日で!
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本来なら富裕者層への減税で献金ルートを確保していた共和党が、逆に率先して法外な役員給与に「重い課税」を課する法案に賛成票を投じたので、AIGの解決だけを見れば一過性の手当てに見えるかもしれませんが、基本的に共和党は、彼らの支持者である資本家層を敵に回してしまった。


これがもし評論家の評価する通り、ペローシ下院議長や策士エマニュエルの策略だったとしたら、これほど見事に成功した作戦は、ちょっと前例がないですね。また新しい報道が楽しみに。

【米国時間2009年3月20日『米流時評』ysbee】

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MARCH 17, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年3月17日号
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  A S S O C I A T E D P R E S S | B R E A K I N G
オバマ政権を襲ったAIGボーナス危機! 再生予算案にまで飛び火
米国時間 2009年3月16日午後6時20分 | AP通信・ニュース速報 |  訳『米流時評』ysbee

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Angry Obama Vows to Try to Block Bonuses
President calls $165 million in bonuses an 'outrage to the taxpayers'
MARCH 16, 2009, 6:20 p.m. | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee

11. Cuomo issue subpenas on AIG
WASHINGTON — On a separate track, New York Attorney General Andrew Cuomo said Monday he would issue subpoenas for information on the bonuses after AIG missed his deadline for providing details.
クオモ州司法長官、AIG経営者を証人喚問
前号「オバマ激怒!AIGの巨額ボーナスに待った!」からの続き
ワシントン発 |16日月曜朝、全米を驚愕させた「AIG役員巨額ボーナス支払事件」を摘発した報告とは別途に、司法省ニューヨーク支部のアンドリュー・クオモ司法長官は「AIGが同社の支払明細報告書を司法側から要求していた提出期限までに提出しなかった」という理由で、AIG経営者へ証人喚問の出頭命令書を発行した、と発表した。
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元来は自動車や住宅が対象の保険会社だったが、保険の適用範囲を企業やプロジェクトそのものやハリウッドの映画など、ありとあらゆるものに拡げて事業を拡大したAIG。最終的には海外の銀行や金融機関まで保険の対象となったため「つぶすには巨大過ぎるモンスター金融」となってしまった。

12. Cuomo, 'The Crusader of New York'

Cuomo said his office would investigate whether the employees were involved in AIG’s near-collapse and whether the $165 million in bonus payments were fraudulent under state law. AIG spokeswoman Christina Pretto told The Associated Press, "We are in contact with the attorney general and will of course respond to his request."
「ニューヨークのクルセーダー」クオモ
クオモ司法長官は、彼が陣頭指揮するニューヨーク州支部では「AIGが財政破綻寸前にまで追い込まれた状況に対して、雇用者の意図的捜査があったかどうか。また1億6500万ドル(約158億円)のボーナス支払がニューヨーク州の条例に違反しているかどうか」に関して、今後も捜査を進めると明らかにした。
また、AP通信の記者がAIGのクリスティーナ・プレット広報担当に取材した談話では、司法支部の捜査の経過について次のように伝えている。「当社ではクオモ司法長官と連絡をとっており、もちろん彼の要請に応えて報告書を提出する意向です。」
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「ニューヨークのエリオット・ネス、摘発のクルセーダー」と呼ばれるアンドリュー・クオモ(orコモ)州司法長官

13. Federal bailouts have gone awry

One reason that the AIG bonus giveaway is such a compelling story — and a politically troubling one for Obama if not neutralized — is that it offers a simple story line that appears to sum up ways in which the federal bailouts have gone awry.
連邦銀行注入金のとんでもない行方
AIGのボーナスが行方について政局を左右するほどの是非論が闘わせられ、この話題がこれほどまでにメディアの焦点になっている理由。それは、この経済危機問題がこじれれば、オバマ政権の今後の政策に対しても批判の目が向けられるような足をひっぱる悪影響を生みかねないからである。
AIGボーナス問題は、一言で断言できるほど単純明快な資質をもっている。それは「連邦準備銀行の財政援助注入金は、とんでもない不始末を起こす」というスキャンダル発生の種になりかねない危険性をはらんだ政策だという事実である。
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ホワイトハウスでは連日各界のリーダーが集まり、経済危機対策について大統領自ら討議に加わるフォーラムを開催

14. AIG issue galvanizes public outrage

"This is just the kind of issue that galvanizes public outrage," said Paul C. Light, professor of public service at New York University. "It's always the tangible stuff, the things that ordinary Americans can relate to." Bailout steps for AIG totaling over $170 billion since September have effectively left the federal government with an 80 percent stake in the faltering insurance giant.
AIG問題で結束する怒れるアメリカ人
ニューヨーク州立大学パブリックサービス部のポール・C・ライト教授は、今回の騒動をこう評価する。「これは、一般大衆が怒りで結束するようなたちの一大社会問題になりますね。いつの世であれ、国税のとんでもない浪費というのは、普通のアメリカ人が自分の問題として身近に受け止めることのできる事柄ですから。」
AIGに対して、昨年の9月以来これまでに国庫から支払われた財政注入金の総額は、1700億ドル(約16兆3158億円)という途方もない額にのぼっている。FRBからの資本投下にともない、連邦政府は結果的に、財政破綻寸前だったAIGの自社株の80%を買い取ったかたちになり、図らずも金融機関の8割国有化の新しい形態の企業が出現した。
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左:昨年秋、議院の聴聞会で「金融危機」の原因を問われる、左からポールソン財務長官、FRBのバーナンキ議長
右:クリントン時代から継続してブッシュ政権でも連銀をとりしきったアラン・グリーンスパン。しかし金融バブルの危険性を声高に訴えたため、ブッシュ体制側にうとんじられ更迭に近い形で辞任。バーナンキへと議長席が移された。


d0123476_16391691.jpg【訳者注 by ysbee】 忘れていけないのは、この大裁断を下したのはブッシュ政権であり、当時の財務責任者はそれまで金融資本家のしたい放題に放任していた、FRB連邦準備銀行のベン・バーナンキ頭取と、財務省のトップ、ヘンリー・ポールソン財務長官だったという事実である。問題の大きさから、史実と言ってもいい。ポールソンは、ブッシュに財務省長官に任命されるまでは、ゴールドマン・サックス社の会長兼CEOを勤めていた生粋のウォール街人種で、証券資本家の代表のような人物。一連の金融バブルは、ブッシュ政権8年の新自由主義経済/スーパーキャピタリズムの因果応報と、私は解釈している。

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ブッシュの金庫番、左からFRB連銀のベン・バーナンキ議長、ヘンリー・ポールソン財務長官、ブッシュ前大統領

15. Obama's new approval rating

Obama’s comments came on the same day a new poll showed slippage in his approval rating. The poll by the Pew Research Center showed it dropped from 64% in February to 59% this month amid divisions of opinions over his economic proposals and what the pollsters said was a growing perception that the president is listening more to his party’s liberals than to its moderates.
オバマの支持率を下げる経済問題
オバマ大統領がAIGボーナス支払に対して怒りをあらわに非難の声を上げたのと同日、新政権に対する支持率の最新のアンケート調査が発表された。その結果では、オバマの大統領としての手腕を評価すると答えた割合の下降を示していた。
ピュー・リサーチセンターによるこの支持率調査結果では、2月の支持率64%から、今月は59%へと5%落ち込み、特に彼の提案する経済政策に対する反対意見が、この下落を招いた状況が現れていた。また「大統領は所属する民主党の中でも、中道派よりもリベラル派の意見に耳を傾ける」という意見を肯定するパーセンテージも増えていた。
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1月20日大統領就任式の夜、ワシントンの祝賀パーティー10カ所をこなした翌朝には3つの法案を片付けたオバマ

16. Bush's debt, buck stops with Obama

字数制限のため英文省略
ブッシュのツケを払わされるオバマ
しかし支持率がやや下がったとは言え、アンケート結果では「新しい大統領は経済危機解決のために出来る限りのことをやっているか」という設問に対しては大半が好意的に肯定する回答をとり、「経済を悪化させている」と非難して答えた者はほとんどいなかった(few blame him for...)。
ピュー・センターのアンドリュー・コフト リサーチ部長は「アンケート調査の段階で人々がもっとも怒りをぶつけたい対象は(経済危機を招いた張本人の)金融機関と企業でした」と、一般国民の経済問題に対する感情を説明した。しかしまた、こうも解説する。
「一般的にワシントンの政界全体に対する不信感がつのっており、そしてもちろんその責任のツケは、このところ現職の大統領であるバラク・オバマに回ってきている、というのが実情です。」
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大統領経済顧問のポール・ヴァルカーと最近の経済問題と解決施策であるStimulus Planについて説明するオバマ

17. AIG refused to rescind payments

字数制限のため英文省略
支払ったボーナスの撤回を拒否したAIG
AIG経営陣に対するオバマの鋭い糾弾の言葉は、週末以来過去数日間続いた政権側からの一連の非難と呼応して、ボーナスを受け取ったAIG役員に対する圧力となることを意図したものだった。しかしながら、こうした非難囂々の世論にもかかわらず、AIG役員は支払われたボーナスを元へ戻すことを拒否した。ブッシュ政権下のポールソン財務長官によって、昨年秋に連邦政府からAIGの新しい代表取締役に任命されたエドワード・リビー社長は、先週末ガイトナー財務長官に送ったレター(メールか書面かは不明)の中で、こう弁明している。
「ボーナスは(自分が任命される以前から社員契約の条項に存在していたものであり)法的な拘束があって従わざるを得ませんでした。会社の打つ手は(この契約に)縛られた状態でした。」
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会社経営を通して企業理念を実現し、繁栄の報酬を還元して社会に貢献する.... 本来の起業家精神はどこへ?
私利私欲に走る理念のない投資家は「株屋」と呼ばれてもいたしかたない。社会への貢献度を評価さるべき。


18. Still rework for $170 billion bailout

字数制限のため英文省略
今後まだ16.3兆円の注入金を予定
週明けの現在でもなお(元記事の掲載は3/16)、AIGのボーナス問題に対するプレッシャーはますます強まってきている。さらには、連邦政府はAIGに対して、この先まだ最大限1700億ドル(約16兆3157億円)という財政援助金を再度支払う予定だったが「国税で払われた再建会社の法外な巨額ボーナス」という不祥事のために、支払条件についてかなりの修正をほどこすことが余儀なくされるだろう。
さらに報告書でわかったのは、同社ではこれまでのところ、米国内ばかりでなく海外134カ国の金融機関へも、経済危機の財政援助金として総額900億ドル(約8兆6378億円)以上を支払っていることも明らかになった。
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AIG傘下ではユーロピアンバンク(英)のほかドイッチェバンク(独) ソシエテジェネラール(仏) HSBC(英) など無数

19. FRB seized AIG in September

字数制限のため英文省略
FRB 昨年9月にAIGの8割を国有化
連邦政府は、昨年9月にAIGの自社株8割を買い取り連銀の支配下に置いた時点で、それ以前から契約が成立していた一連の特別賞与支給制度が継続する条件を飲んでいた。政府が財政援助の資金を出したのは、万一AIGが財政破綻に陥れば、グローバルな経済危機はよりいっそう悪化する事態を避けるためだった。
しかしながらオバマ政権の財務担当閣僚たちは、日曜恒例の時事トークショー番組に出演してAIG幹部を批判した。驚いたことには、連邦準備銀行のベン・バーナンキ議長までがこの隊列に加わりCBSの看板番組『60 minutes』に出演、「これまでの数ある問題解決の中でも、AIGの財政援助交渉がもっとも腹立たしかった」という重大発言を吐露した。
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米国民放3大ネットワークのひとつ CBSの長寿番組『60 Minutes』で、昨今の経済危機を忌憚なく語るバーネンキ

20. Global economy havoc if AIG collapses

字数制限のため英文省略
AIGが潰れればグローバル経済が崩壊
バーネンキは、「AIGとの話し合いの最中には経営陣のわからなさ加減に頭に来て、実際に何度か
受話器をたたきつけたこともあるよ」と告白した。彼はさらに「AIGがつぶれれば、直ちに世界経済に混乱を来すことが判っていたので、やむを得ずAIGの救済に踏み切った」とも語った。
一方オバマ大統領は金曜、財政破綻で不況の兆候が著しいカリフォルニア州を訪問。おなじみとなった庶民との対話集会で、不況対策の経済再生予算案について一般庶民と話し合った後、その夜にはNBCの夜のトークショー番組、ジェイ・レノの『Tonight Show』に出演した。このテレビ出演は、破綻の危機に面した経済の再生に全力投入している大統領が、めずらしく肩の力を抜いたカジュアルな一面を伺わせるものとなった。 <了>

【 米国時間 2009年3月17日 『米流時評』ysbee訳 】
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共和党支持者は選挙戦中オバマの主張をまともに聴いていなかったと見え、就任翌日から次々と決定される議案の数々に唖然としているが、民主党のオバマ支持者から見れば、議案のひとつひとつがすべて公約でうたわれた長年の懸案を法案として実現に移したにすぎない。しかし、これほどまでのスピードで解決されるとは、並の人間業ではない。d0123476_1023580.jpg

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by ysbee-2 | 2009-03-17 23:45 | オバマの時代

オバマ激怒!AIGの巨額ボーナスに待った!

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   ||| AIG 巨額ボーナスの自爆テロ |||

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 オバマもアメリカ国民も激怒! 再建企業AIGの巨額ボーナス支給に非難の嵐!
 世界でトップの保険会社役員と幹部社員に、週末の夜 総額158億円を緊急支払


d0123476_18552829.gif財政立て直しのため連邦政府から総額20兆円近い注入金が投じられた、世界トップの保険企業AIG。財政援助の見返りとして、同社の持株の8割が連邦政府所有となり、財務表上ではほとんど国営化に近い体裁となった。財務省が任命した新しいCEOは年俸1ドルで再建に邁進すると約束し、国民もその意気込みに期待した。

しかし、いくらトップの首をすげ替えても、金融ブームの甘い汁を吸った経営陣の体質は変わらなかったと見え、投入された資金から役員と幹部社員に総額1億6500万ドル(約158億円)の臨時ボーナスを、よりによって週末の夜に支給したのだという。AIGの本部はニューヨークのマンハッタンにあるが、注入金の行方を見守っていた司法省ニューヨーク州支部の辣腕、マリオ・クオモ司法長官の摘発で、この事実が明らかになった。
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巨額ボーナスのニュースがアメリカ国民に知らされたのは、週明けの16日月曜の朝だった。ゾンビ銀行への注入金貸与の方策に対して、すでに半数以上の国民が反対していた上に、この不祥事である。金融資本家への怒りがくすぶっていた最中でもあり、まるで焼け木杭にガソリンをかけたような案配で、国民の怒りは一気に炎上した。24時間体制のケーブルニュースの各チャンネルでは、終日「AIG Bonus Mess=AIGのボーナス騒動」のタイトルで、評論家が右も左も一様にウォール街の金融資本を糾弾する姿勢で、喧々諤々(けんけんがくがく)の論争を展開した。

論争はまたたく間に強風下の野火のように広まり、アメリカのブログ論壇を始めとするネットでの怒号の炎上は言うまでもない。火曜の夕刻には、すでに新しい財務長官の責任を問う「ガイトナーおろし」が始まっていた。甚だしいのは共和党議員の非難で「責任者は日本人の経営者のように、公衆の面前で最敬礼で謝罪し、そして自殺せよ」という極論まで出て、これがまた一層の論議の的になったり...... あるメディアが冠したタイトルのごとく、まさしく「AIG Storm」そのものが、全米に吹き荒れた。
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さらには救済企業の管理が甘いと言うので、下手をするとオバマ政権が解決しようとしている経済危機の最大の対処策「Stimulus Plan」(オバマのニューディールの予算案)そのものが、共和党議員の要求する手直しの改革案を飲まなければいけないような風向きになってきた。今週でやっと2か月を過ぎたばかりのオバマ新政権の、アメリカの再生を賭けた起死回生の計画を担う巨大予算案までが、一金融機関の馬鹿な経営陣の大ポカで、ネガティブな批判の対象になりつつある。

ウォール街の強欲資本 AIG が巻き起こしたボーナス旋風が、猛烈な勢いでホワイトハウスに襲いかかっている現在、果たして賢人オバマはこの難局を乗り切れるだろうか? 共和党議員の要求するように、ガイトナー財務長官やラリー・サマーズ、ポール・ヴァルカーらの財政相談役の首は、いつまでもつだろうか? 時々刻々と新しい情報が入ってくるので、逐次連載でレポートしたい。

【米国時間2009年3月16日『米流時評』ysbee】

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MARCH 16, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年3月16日号
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  A S S O C I A T E D P R E S S | B R E A K I N G
オバマも米国民も激怒! 再建企業AIGの巨額ボーナスに待った!
米国時間 2009年3月16日午後6時20分 | AP通信・ニュース速報 |  訳『米流時評』ysbee

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Angry Obama Vows to Try to Block Bonuses
President calls $165 million in bonuses an 'outrage to the taxpayers'
MARCH 16, 2009, 6:20 p.m. | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee

1. Furious Obama blistered AIG
WASHINGTON — Joining a wave of public anger, President Barack Obama blistered insurance giant AIG for "recklessness and greed" Monday and pledged to try to block it from handing its executives $165 million in bonuses after taking billions in federal bailout money. Outcries against the company have also come from congressional leaders.
再建企業の巨額ボーナスに怒り心頭のオバマ
ワシントン発 |AIGの巨額ボーナス支給がニュースの焦点となった16日月曜、アメリカの一般大衆からわき起こった怒りの津波の一端となって、バラク・オバマ大統領は保険業界の巨大企業AIGに対して「reckless and greed/どこまでがめついんだ!」と厳しい非難を浴びせた。
さらに、財政破綻を防ぐためFRB連邦準備銀行から数十億ドル(数千億円)という政府注入金を受け取った直後に、同社の役員と幹部社員に緊急ボーナスとして土曜の夜こっそりと緊急に支払われた総額1億6500万ドル(約156億円)が支払先に渡ることは、是が非でも阻止すると断言した。同社の巨額ボーナス支給に対する怒りは、米国下院議員の派閥リーダーからも上がっている。
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16日月曜朝、ホワイトハウスの予算案に関する記者会見で開口一番AIGを非難、珍しく怒りをぶちまけたオバマ

2. $1 million bonus for 164 execs against debts

The AIG bonuses were revealed over the weekend. It also was disclosed that AIG used $90 billion-plus in federal aid to pay foreign and domestic banks, some of which had received their own multibillion-dollar U.S. government bailouts. The money went to banks to cover their losses on complex mortgage investments, as well as for collateral needed for other transactions.
ボーナス1億円を重役164人に緊急支給
財政逼迫で政府が8割の自社株を買い取った企業でありながら、役員に巨額のボーナスを支払ったAIGスキャンダルは、先週の土日にかけて全米に暴露された。しかもボーナス支給の事実解明にともなって、注入された援助金も含めて900億ドル(約8兆5千億円)以上の資金が、AIGグループ傘下の国内及び海外の金融機関へ流れていたという、さらに杜撰な支出も明らかになった。
こうした資金は(特に住宅業界の)重層化したローン返済不能で焦げついた財政や、その他ローン関連部門の支払いをカバーするために必要な資金繰りに使われたと見られている。
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ニューヨーク・マンハッタンにある全米保険業界最大企業、AIG/American International Group の本部

3. Also paid billions to foreign banks

The recipients included Goldman Sachs, at $12.9 billion, and three European banks — France's Societe Generale at $11.9 billion, Germany's Deutsche Bank at $11.8 billion, and Britain's Barclays PLC at $8.5 billion. Merrill Lynch, which also is undergoing federal scrutiny of its bonus plans and which is now part of Bank of America, had received $6.8 billion as of Dec. 31.
グループ傘下の海外銀行へも支払い
資金援助の流れた先は以下の通り:
  ・ゴールドマンサックス(米)  129億ドル(約1兆2313億円)
   ヨーロッパの3銀行:
  ・ソシエテ・ジェネラール(仏) 119億ドル(約1兆1359億円)
  ・ドイッチェバンク(独)    118億ドル(約1兆1152億円)
  ・バークレーズ PLC(英)    85億ドル(約8113億円)
ニューヨーク州クオモ法務長官の調査の結果、AIGのほかにもやはり12月31日付けで連邦準備銀行から68億ドル(約6430億円)のてこ入れを受けているBOAバンクオブアメリカの傘下に吸収された投資金融機関メリルリンチもまた、法外なボーナスを予定していたことが明らかになった。

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米国上院・下院の合同予算委員会の聴聞会に召還された、ウォール街を牛耳ってきた金融界のエグゼキュティブ達

4. It’s about our fundamental values

"How do they justify this outrage to the taxpayers who are keeping the company afloat?" Obama asked. "This isn't just a matter of dollars and cents. It's about our fundamental values." Obama aggressively joined other officials in criticizing American International Group, the company that is fast becoming the poster boy for Americans' bailout blues.
問われる金融界の企業倫理と価値観
「(連邦準備銀行からの資金援助で)自分たちの会社を苦境から救ってくれている納税者たちの怒りに対して、AIGの連中は(ボーナス支払に関して)どう正当化するつもりですか」とオバマは厳しく問いかけた。
「これは単にドルやセントの数字だけの問題ではない。これはわれわれすべての根本的価値観にかかわる問題だ」オバマはこう切り出し、AIGを批判している他の政権高官の隊列に勢いよく加わった。かくしてAIGは一夜にして、アメリカの注入金哀歌のポスターボーイに収まる結果となった。
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ふだんは何事があっても冷静沈着で「No drama for Obama」と定評のあるオバマも、今回は憤慨を隠さなかった

5. New help for small businesses in recession

"People are angry because they've seen exhibit after exhibit of irresponsibility and people walking away with money in their pockets," he said. "It's undermined the discussion that we have to have." Obama had scheduled a speech Monday to announce new help for recession-pounded small businesses. But first, he said, he had a few words to say about AIG.
月曜には新しい中小企業救済予算を提案
「国民は怒り心頭だ。無理もない。本来財政に行き詰まったはずのトップの連中が大金を懐に入れては立ち去るという企業の無責任な姿勢を、次から次へといやというほど見せつけられてきたのだから。我々が持つべき対話の重要性を脅かす姿勢だ。」
この発言のあった月曜同日には、オバマ大統領は不況にあえぐ中小企業に対する新しい救済策を発表するスピーチを行なう予定だった。しかしともかく、先ず最初にAIGに関してひとこと言わずにはいられなかったと、彼は本音を語った。
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30年代の世界大恐慌以来と怖れられる経済不況で職安にも長い列 カリフォルニア州では10人にひとりが失業者に
中:800ページという超大部の予算書をわかりやすくコンパクトにまとめたブルーブック
右:シカゴ本店のノーザン・トラストバンク。あえて訳せば米国の「北陸信用金庫」か?


6. Stern anger against corporations' greed

He lost his voice at one point and ad-libbed, "Excuse me, I'm choked up with anger here." It was just a light aside, but he meant the sternness of his remarks to come through. "This is a corporation that finds itself in financial distress due to recklessness and greed," Obama declared.
企業エゴに対し怒り爆発のオバマ
この発言の途中で、オバマ大統領は一瞬声が出なくなるハプニングがあったが「失礼、怒りのあまり声がつまったよ」と即座にアドリブのジョークでその場を納めた。彼のユーモラスな一面を語る一幕だったが、AIGの非常識な財務にあきれ果てたという実感が伺える表現だった。
「今回の一件で、AIGというのは財政危機の最中ですら、性懲りもなく経営者側の強欲に徹する会社だという実態がつくづくわかった」とオバマは言い切った。
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分刻みの激務のスケジュールを精力的にこなすオバマに、追いかける取材陣の方が着いていけないとこぼすほど

7. Every legal avenue to block these bonuses

He said he had directed Treasury Secretary Timothy Geithner to "pursue every legal avenue to block these bonuses and make the American taxpayer whole." Later, White House spokesman Robert Gibbs said the administration would modify the terms of a pending $30 billion bailout installment for AIG to at least recoup the $165 million the bonuses represent.
ボーナス阻止にあらゆる法的措置を指示
オバマはさらに、ティモシー・ガイトナー司法長官(日本の法務相に該当)に対して「納税者であるアメリカ国民の血税を損なわないよう、AIGのボーナス支払を阻止するためにあらゆる法的措置を講じるように」と指示したと語った。さらに月曜の午後になって、ホワイトハウスのロバート・ギブズ大統領広報官からは、次のような警告が発表された。
「オバマ政権は、AIGが1億6500万ドル(約158億円)のボーナス支払金を元に戻さない限り、今後AIGに対して予定していた追加注入金300億ドル(約2兆8600億円)の支払期日を延期するつもりもある。」

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ウォール街を控えたニューヨークの連邦準備銀行頭取から、米国の財務長官に抜擢されたティモシー・ガイトナー

8. Axelrod, 'spectacularly tone-deaf'

That wouldn't rescind the bonuses, just require AIG to account for them differently. Axelrod called the bonuses "spectacularly tone-deaf." He said the administration hoped the tough talk would result in voluntary action on the part of AIG and its bonus recipients, although that remains an open question. "All we can do is administer this thing going forward," he said.
「どうしようもなく空気が読めない連中」
しかし、オバマ政権の対策は行政府としての事後処理であり、AIGに対する法的効力としては、今後の財務報告のメソッドを(事前に迅速に通知するなどして)改善するよう要求するしかない。
ホワイトハウスのデヴィッド・アクセルロッド大統領上級顧問は、今回のボーナス支払について、いみじくもこう言う。「spectacularly tone-deaf=すさまじいばかりに時流の読めない愚行だ」
さらに彼は続けて「結果がどう出るかと言う回答はまだ得ていないが、一連の厳しい発言でAIGとボーナスを受け取った役員/幹部社員が自発的に正しい行動をとる姿勢になるよう、オバマ政権は期待する」と述べ、次のように結んだ。「われわれにできることは、ひとえにこの騒動を前向きの事態へと好転させて行くことだ。」
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昨年のリーマンショック以来転落の一途をたどるウォール街の株相場 AIG問題公聴会の中継に見入るディーラー達

9. May jeopardize entire recovery agenda

The bonuses could contribute to a backlash against Washington that would make it tougher for Obama to ask Congress for more bailout help — and jeopardize other parts of the recovery agenda that is dominating the start of his presidency. Thus, the president and his top aides were working hard to distance themselves from the insurer's conduct.
米国再生法案そのものに対する批判へ発展か
AIGのボーナス問題は、注入金を承認したワシントンの政界に対する、国民全体の反撥を招いた。そればかりか、今後議会へ提案してさらなる追加注入金を補助しようとしていたオバマ政権に対して、上下両院議員は厳しい姿勢をとらざるを得なくなった。
その結果、オバマの大統領としての時代を画するはずだった「NEWニューディール政策」の米国再生案の他の部門までが、批判の対象となる窮地に陥る羽目となった。こうした事態の急変に対応して、オバマと側近のブレーンたちは、AIGのとった経営姿勢とは対立する立場に立っていることを強調し、できるだけ距離をおいて再生案への支持を保つよう苦慮している。
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全米の主要企業経営者を集め、米国再生のニューディール予算法案「Stimulus Plan」の説明と討議をするオバマ

10. Public confidence in new administration in danger

Axelrod, senior adviser to Obama, said in an interview with The Associated Press that there was no question that the bonuses and the public’s anger over them could run many things off the rail. The administration tried to contain possible political damage and to try to bolster public confidence in his administration’s handling of the broader economic rescue effort.
オバマ新政権への信頼を根本から揺るがす危険性
オバマの上級顧問であるアクセルロッドは、月曜行なわれたAP通信のインタビューに応えて、こうした危機に直面していることを認めた。「AIGのボーナス問題とそれに対する国民の怒りは(金融危機救済ばかりでなく)せっかく軌道に乗りつつあった他の経済救済・再生計画まで、脱線しかねない窮状に追いつめている。」
オバマ政権は、今後想定されるそういった政治的反撥が、これ以上高まるのを鎮静しようと努めており、広範な部門で経済危機脱出策を講じる政権の手腕にこれまで信頼を寄せてきたアメリカ国民の確信を、さらに強めるような広報対策も打ち出そうとしている。 >> 次号へ続く

【 米国時間 2009年3月16日 『米流時評』ysbee訳 】
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ホワイトハウスの大統領執務室オーバルルームで朝の打ち合わせをする左からジョー・バイデン副大統領、オバマ大統領、ひとりおいてラーム・エマニュエル首席補佐官、ラリー・サマーズ財務顧問
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d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/9487778
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by ysbee-2 | 2009-03-16 13:15 | オバマの時代

「オバマファクター」米国経済の危機脱出に効果あり

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  ||| ジョー・バイデンの危機脱出宣言 |||

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ジョー・バイデン副大統領:米国経済の危機脱出に、オバマファクターが効果発揮
経済回復の兆候見えた、緊急対策と長期政策の構築的デュアル経済再生計画を実施


d0123476_18552829.gifこのところ専門分野ではない経済のエントリが続いている。なぜかと言えば、アメリカのメディアが経済危機のニュースで埋まっており、しかもちょうどその潮目にさしかかったようだからだ。昨年秋から際限なく株価が転落し続ける、アリスのラビットホールのような相場。しかしそろそろ、その底に届いたようである。

私の母方の祖父は、潮目を見るプロだったようだ。北は樺太から南は門司まで、海の男を守る各地の岬の灯台長を歴任し、最後は三浦半島の観音崎灯台で定年退職した。まだ私が生まれるずっと前の話である。戦前は、灯台は逓信省(現在の郵政省)の管轄だった。逓信省に入る前は海軍の通信兵だったそうで、日露戦争時に日本海でロシア帝国海軍の艦隊が発するモールス信号を傍受して、その暗号を解読した功績に対して、洋行の褒美をもらったそうである。たしかに、モダン爺さんであった。
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何となく私の中にも、そういったいち早く時流の潮目を察知する触覚というか、先読みの血が流れているのかな、と勝手にうなずく時がよくある。そんなわけで、いつも直感のバロメーターが動く方向へネット上で嗅覚を働かせているわけだが、この2・3日ひどい花粉症で、まったくお手上げであった。涙モーロー、頭全体がモモンガ状態で、新聞はおろかモニターも、テレビの画面でさえぼんやりしてしまうのである。

今年は特にひどかった。1年中同じ気候の当地で花粉症があるのか、と移住した当初は不思議だったが、これはスギの花粉とかへの生体反応というよりは、私のDNAの中にしっかり花粉症の季節が刷り込まれているとしか思えない。毎年決まって、2月の末から3月半ばまで続く。天候とも連動するようで、薬を飲んでもちっとも効かなかったのが、3日ぶりで晴天の今日、やっと調子が良くなった。
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そこで、コピー・セーブしてあった記事を片端から読み、写真を集め編集して、これから脱兎のごとく....... とはいかないが、冬眠から醒めた野うさぎ程度のスピードで、ぼちぼちお届けしたい。本文記事の翻訳に時間を取られるので、1日1〜2エントリがやっとだが、まずは経済危機のトンネルの向こうに光が見えてきた、という久方ぶりの安堵の話題から。前置きの部分は飛ばして本文に入る方には、翻訳のアップがまだるっこしいだろうことを、前もってお詫びしておきまする。

【米国時間2009年3月15日『米流時評』ysbee】

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MARCH 15, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年3月15日号
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  A S S O C I A T E D P R E S S | B R E A K I N G
バイデン副大統領「米国経済の危機脱出に、オバマファクター効果」
米国時間 2009年3月14日午後9時31分 | AP通信・ニュース速報 |  訳『米流時評』ysbee

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Biden Sees Signs Economic Confidence Returning
‘People are beginning to figure out that the president’s got a plan’
MARCH 14, 2009 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee

LITTLE ROCK, Arkansas — Vice President Joe Biden, who was in Little Rock, Ark., on Saturday night to help Sen. Blanche Lincoln kick off her re-election bid, said he believes the administration is on track to overcome the financial crisis. Biden said he believes there are signs the public's confidence is growing in the Obama administration's ability to tackle the financial crisis.

「米国は危機を乗り越える途上」
アーカンソー州リトルロック発 |米国のジョー・バイデン副大統領は、2010年に控えた民主党のブランシュ・リンカーン上院議員再選キャンペーンのため、14日土曜、彼女の地元アーカンソー州都リトルロックを訪れ、応援演説を行なった。バイデン副大統領はその際に、米国が現在直面している経済危機について触れ「オバマ政権は、今この危機を乗り越える途上にあると信じている」と語った。
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2. Signs of 'Obama Factor'

Biden said he was confident that people are starting to understand President Barack Obama has a plan. He said that he and the president have no doubt that the country will overcome its economic problems and he feels the recent uptick in the stock markets is a result of the "Obama factor."
「オバマファクター」の再生効果
バイデン副大統領は、目に見えてきた経済危機脱出の兆しを、次のように語った。
「バラク・オバマ大統領がある確かなプランを持っているということを、アメリカの国民がようやく理解し始めたという確信が、私にはある。この国が経済危機を乗り越える見込みについては、大統領も私も何の疑問をさしはさむ余地がないし、ごく最近(先週)の株式市場の景気回復は『オバマファクター』が効果を現し始めた結果だという手応えを感じている。」
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3. 'We will climb out of this hole'

"There is no doubt in our minds and there is no doubt in the president's mind that in fact we will overcome this. We will climb out of this hole," Biden told The Associated Press in an interview. "It just takes some real perseverance, and you've got to have a guy as gutsy as the president who's willing to make some really tough decisions."
「経済危機のトンネルを必ず脱出する」
バイデン副大統領は、さらにAP通信の記者のインタビューに応えて次のように語った。
「経済危機脱出に対する確信については、何の疑いもない。また大統領の本心も同じだ。われわれがこの危機を克服するだろうことは、たしかな事実として疑う余地のないものだ。この穴から必ず這い出してみせる。ただし、それには少々本気の辛抱が必要だ。現在の難局を乗り切るには、困難な状況を正面から受け止めて、現実に即した厳しい決断をあえて下すことのできる、現在の大統領のように肝のすわった男が指導者でなければいけない。」
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4. Beginning to show some signs of hope

Biden said he believes the economy is also beginning to show some signs of hope. "Consumer confidence is slightly up. The market is slightly up," Biden said. "It'll go down again, but the ‘’ and he believes we can work our way through this." Biden's comments came after the stock market's gains on Friday capped Wall Street's best week since November.
希望の持てる兆候が出てきた先週の市場
「経済もまた、ある種希望のもてる兆候を示し始めたと信じている。消費者の自信もまた多少回復した。市場も少しずつだが回復してきている。もちろん、また下がることも当然ある。しかし最後には、われわれは今向き合っている困難を乗り越えて、米国の未来を切り拓く道を進んで行けると信じている。」
バイデン副大統領のこのコメントは、金曜までの4日間株式市場で上げ相場が続き、ウォール街が昨年11月以来最良の週を終えた翌日に出されたものである。
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5. Restoring global confidence in U.S.'s ability

Biden also urged passage of the Obama administration's budget, saying that it would help restore confidence internationally in the United States' ability to tackle the financial crisis. "Once it's in place, you're going to see a response not just from the United States but around the world that these guys mean business, they know what they're doing and guess what? They can get this done," he said.
経済危機を脱出する米国の信頼回復
バイデン氏はまた、オバマ政権が提示している予算案の通過を強く促したが、その理由を次のように説明した。
「この予算が通れば、財政危機を克服する米国の底力に対して、国際的信用を回復するのにも一役買うだろう。一旦ことが収まれば、『やつらは対処法をちゃんと承知してるじゃないか。こいつらは仕事ができる』という反応が、米国内だけでなく世界中から出てくるようになるだろう。そうなったらどうなるか?彼らもまた(米国の先例にならって)経済問題にカタをつけると思うよ。」
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6. Defending the 'incomplete' budget

Biden also defended the administration's budget proposals, which have faced skepticism from both Democrats and Republicans on Capitol Hill. North Dakota Sen. Kent Conrad, the Democratic chairman of the Budget Committee, called the track of future deficits "unsustainable."
「完璧ではないが必須な予算」
バイデンは、オバマ政権の提出した予算案を保護する立場をとった。米国議会では共和党・民主党のどちらからも懐疑的な目で見られる難局に面した、問題の予算案である。(国民の95%減税、幼児の健康保険全加入、教職員待遇改善・老朽校舎の改築・教育設備充実など教育費の飛躍的増加、退役軍人の社会復帰補助....etc.)
民主党ノースダコタ州選出で上院の予算委員会議長を務めるケント・コンラッド上院議員ですら、この予算が実効になれば、その先の国家財政の負債額は、とても持ちこたえられないほど増加する怖れがある、と懸念する予算内容である。
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7. Significant tax reform two years away

Biden said he believed the Obama administration would address Conrad's concerns by working to lower the costs of Medicare and Social Security. Eventually, the cost cut of Medicare and Social Security would take on a reform of the tax structure. But Biden said he believed any "significant" tax reform is probably two years away.
「2年後に抜本的な税制改革」
バイデンは、対立政党の共和党だけでなく、自らの民主党議員からさえ出ているこうした批判に対して、次のように応えている。
「コンラッド上院議員が気にかけているような歳出増加は、医療保険や国民年金の制度改革(保険会社の暴利抑制と経費削減)によって担当省庁のコスト削減ができるので、解決が図れると思う。医療保険と国民年金のコスト削減は、たまたま税制の構造改革と同時に一括作業で進められるからだ。」しかしバイデン氏は「いかなる内容であれ税制の抜本的改革は、多分2年先になるだろうと思う」とも補足した。
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8. 'New economy based on no bubbles'

"I think, for example, that corporations should be willing to give up the loopholes for a lower tax bracket. It would save the taxpayers a lot of money and corporate America would be more competitive," he said. Biden said the president's budget helps lay the foundation for more growth in this country that doesn't rely on any "bubbles."
「バブルのない堅実な実質経済を再建」
「私の考えでは、例えば企業と言うものは、高額納税者が法の抜け道を探して税金逃れをするような愚行を、あえて諦めるべきだと思う。そうすれば、大部分の納税者の税額は低く抑えられて支出に回せるため、景気回復に貢献し、結果的にコーポレート・アメリカ(米国を企業体と見る通例の表現)は、(中国や日本など)他国と比べて対抗できる線まで回復できるんじゃないか。」
「大統領の提出する予算書は(金融重視型の)以前と違って、(グリーンエネルギー産業や国家インフラ施設再建事業などの実質産業の創成で)バブル景気には一切頼らない健全な経済再建のための礎石を敷くものになるだろう。」
バイデン副大統領は、オバマ政権の経済再建の基本姿勢をこう説明した。
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9. Lay down a foundation for U.S. economy

"If we're going to grow this economy from this point out, once we dig ourselves out of this hole we're in, it can't be based on any more bubbles," Biden said. "There are no economic bubbles on the horizon. So we have a chance here, and I'd argue a necessity, to reset the agenda and to actually lay down a foundation for the future economic growth of this country that's not based upon an unsustainable bubble."
「基礎からの健全な米国経済の再建を」
「もしわれわれアメリカ人が、現在陥っている危機から経済を脱出させ、深みにはまった泥沼からいったん這い出すことができれば、今後はいかなるバブルとも関係のない堅実な産業を、米国経済の基盤として行けるだろう。提出した予算案が通れば、われわれの目指す水平線に経済のバブルは存在する余地はない。だからこそ今われわれは逆に、大いなるチャンスを掴んでいることになる。その理由を説明する必要があると思うが、不安定なバブル産業を最初から避け、政策方針をさら地に戻す。そしてそこから、この国の未来の経済成長を約束する基盤を、ひとつずつ築いていくことができるからだ。」 <了>

【 米国時間 2009年3月15日 『米流時評』ysbee訳 】
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オバマお得意のシビアなジョークで手前で手放しで笑っているのが、長い2年間の選挙戦参謀でオバマに勝利をもたらした立役者デビッド・アクセルロッド。現在はホワイトハウスシニアアドバイザーのひとり。オバマがシャーロック・ホームズだとすると、ワトソン博士のような存在。いや、もうひとりワトソン氏が...... 長い上院議員のキャリアと毒舌で知られるジョー・バイデン副大統領。民主・共和両党の議員からも敬愛される、歯に衣着せぬベテラン政治家。

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by ysbee-2 | 2009-03-15 15:40 | オバマの時代

シティバンク危機脱出!連邦政府のゾンビ蘇生術成功か?

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  ||| ブライトライズ・ビッグシティ 後編 |||

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 シティバンク危機脱出! ゾンビ銀行への財政注入金と、連邦政府の介入
 米国経済氷河期に雪解けか、シティバンク黒字決算で急騰したウォール街


d0123476_18552829.gif昨年秋から「ウォール街暴落」「金融資本主義の破綻」「グローバル経済のバブル崩壊」「新自由主義経済の終焉」......と、際限なく不況から恐慌へと転落するお先真っ暗な経済のニュースで連日埋まっていた米国メディアの第1面。しかし昨日のウォール街急騰のニュースは、久しぶりでアメリカ人にほっと一息つかせた。

政治面では、1月にオバマが大統領に就任して以来、8年間放置されてきた全体主義的ブッシズムが一掃され、ワシントンでは毎日新しい議案が成立して、旧態依然の米国政治を塗り替えている真っ最中だ。もしオバマが進めている「ワシントン政治の旧弊刷新・米国再生」の良いニュースがなかったら、今頃は米国の自殺率は現在の5倍位にふくらんでいたにちがいない。
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これが噂の FTB/Federal Treasury Bond=米国国債の証券 /右:ウォール街のど真ん中で「MIT(マサチューセッツ工科大、理数科系トップの大学)卒業、専門職エキスパート、職求む」と書いたサインで求職を訴える失業者。

8年間野放しにされてきた金融資本主義のバブルがはじけ(それ自体は膿を出す意味でも良いことなのだが)、準備段階もなくブームの破局が訪れれば、当然企業の財政緊縮で、先ず第一に経常経費の最たる部分、人件費が削減される。特に不況の津波が直撃した金融界・不動産業界・自動車業界(個人の大型消費業界)では、レイオフから首切りへと進むのに、ものの1〜2か月しか経たなかったのは、いかに予測されていたとは言えショックだった。

中でも、それまでグローバル金融の最前線で我が世の春を謳歌していた、株取引や投資関連のファイナンシャル部門の凋落は、目をおおうばかりだ。「ゾンビ銀行」という用語まで定着した。今回記事で紹介したシティグループも、金融不況のあおりをもろに受けて、昨年11月には世界に散在する全支店で一挙に5万1千人の人員削減を発表し「これはもう不況などと言う段階ではなく、文字通り経済恐慌だ」と判断される材料になったほどである。
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左:マンハッタンのシティグループ本部ビル /中:シティバンクは、市中銀行よりもネットバンキングの先駆けとなった新規開拓が成功 /右:全盛期に社主が購入したマンハッタンの高級コンド「ザ・ベレフォード」も資金難で転売

連邦政府からは、経済崩壊のプロセスを押しとどめようと、ブッシュの在位中の11月に初回の財政援助の注入金が瀕死の企業へ渡された。しかしこの時の80兆円近い注入金には、妥当な規制や監査体制がともなわず、企業役員への億単位の巨額のボーナスに回されたりしたのが明らかになった。国民の血税をほんの一部のビリオネアの遊興費に使われたのでは、たまったものではない。
かくして一般のアメリカ人の不満が爆発した。「Bail Us Out! 助けてほしいのはこっちだぜ!」

年明けて、1月20日に就任した新しいオバマ政権では、ますます悪化する景気を好転するために、8,780億ドル(約8.5兆円)の新たな経済再建の臨時予算を計上した。米国の歴史始まって以来の膨大な臨時予算である。今や「Party of No=何でも反対党」と呼ばれるようになった共和党。説得力のない彼らの反対にあったものの、先月3日に上院でも可決通過し、地方自治体にもそれぞれの分け前 (steak) の予算が届く段階になっている。オバマが選挙戦公約の柱にしてきたひとつ「国民の95%の減税」もこの4月から実施される。
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関連業界の責任者を集めての経済対策フォーラム 連日休みなしにこうした「直接民主主義」的な徹底した話し合いの対策協議会が大統領がリーダーとなって開かれている。すでに膨大な数である。毎日の詳細はホワイトハウスのホームページで詳しく紹介してあり、ガラス張り政治のオープンな姿勢が伺える。 >> www.whotehouse.gov

財政補助法に対しても、用途金不明などのザル法にならぬよう厳しい監査体制をしくと昨日宣言した。しかもその声明を、ブッシュ政権時と同じ連邦準備金制度のバーナンキ自身の口から出させている。これはつまり、バーナンキも昨年のテコ入れ当初から監査規制を強化したかったが、「実際にはブッシュ政権下ではままならなかった」という権力構造を、言わずもがなで暴露しているようなものだ。

バーナンキがそうしたかったのか?あるいはオバマサイドの指令でそうしたのなら、オバマの側近ラーム・エマニュエルの考えそうな戦術である。キャピタルギャングの中でも、敵に回したらもっとも怖れられる策士。ブッシュの施策との差を明確にするための、エッジの利いた政治的演出。いずれにしても、とにかく前世の「やりっぱなし財政」から脱皮しつつあるのは確かだ。
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鋭い眼光で見る者を射すくめる側近のラーム・エマニュエル ユダヤ人特有のこう言う目をPiercing eyesと言う

不況転落以来、金融界で初めての黒字計上のニュースも流れ、ウォール街は一気に急騰した。これが好転への潮目となるか、これまでにも何度も繰り返された一時的バウンスなのかは、本物の春が訪れる頃にはわかるだろう。ただ、アメリカ人が待ちこがれていた久々の朗報だったことは疑う余地がない。
4月1日から国民の大多数に還元される減税給付金が、不況で冷えきった経済に吹き込む景気付けの春風になるだろうか? 少なくとも95%のアメリカ人が微笑むことだけは、今から予想できる。

【 米国時間 2009年3月11日 『米流時評』ysbee訳 】


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MARCH 11, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年3月11日号
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 NBC/MSNBC/CNBC | BREAKING
シティバンク危機脱出! ゾンビ銀行への財政注入金と連邦政府の介入
米国時間 2009年3月10日午後4時32分 | NBC/MSNBC/CNBC・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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Wall Street Surges on Citigroup Report
News of profit by Citigroup drives Dow in recovering surge with 380 points
MARCH 10, 2009 | NBC/MSNBC/CNBC — BREAKING | Translation by ysbee

9. Hardest-hit banks in credit crisis, recession
字数制限のため英文省略
前号『Citigroup黒字報告でウォール街370ドルの急騰』からの続き
金融危機と経済不況で大打撃のゾンビ銀行
グローバル経済躍進の一躍を担ったシティグループは、現在進行中の金融危機と経済不況によってもっとも手痛い打撃を受けた金融機関のひとつである。2007年後半以降、貸付金の回収不能と不良債権が山積し、数百億ドルの損失を出してきた。財政状態の緊迫と同時に投資価値は急落し、ローン貸付の焦げ付きがさらに広まった。
ニューヨークに本部を置く、銀行・証券取引・不動産ローンその他のファイナンシャル部門を統合する金融のコングロマリット、シティグループの銀行部門であるシティバンクは、昨年10月まで5期連続マイナスの四半期決算を計上していた。特にひどかったのは昨年第4四半期で、82.9億ドル(約8080億円)の赤字を出し、危機が囁かれていた。
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11月に5万名の人員削減でショックを与えたシティグループ つい先週まではGMと並んで危機が囁かれていた

10. FRB bought 36% of Citi's stocks

Late last month, in its third attempt to rescue the bank from collapse, the Treasury Department moved to take up to a 36% stake in Citi. The government has also agreed to cover a some of Citi’s losses on hundreds of billions of troubled assets and loans as tries to right itself. That investment has helped shore up the bank’s capital base, adding as much as $81 billions to the bank’s so-called “tangible common equity.”
財政投資で Citi の36%の株主になった連邦銀行
こうした窮状にあったCitigroup/シティグループを倒産の危機から救うため、米国財務省は先月末に同社の持ち株36%を買い取るという、近年類を見ないドラスティックな救済策に出た。連邦政府はその見返りとして、不良債権や未回収ローンなど、シティグループの損失の一部を負担することに同意した。(つまり負債をある程度「国が肩代わり」する代わりに、政府が同社の36%の株主になった訳である。準国有化と言われる由縁)
この緊急財政救済の方策、政府による資本投下によって「tangible common equity=有形株主資本」と呼ばれる銀行の資産は810億ドル(約8,080億円)にまで増資され、結果的に銀行部門の貸付資金にゆとりをもたらした。

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注入金の受領資格をクリアするため財務局や連邦銀行へ日参した、シティグループのヴィクラム・パンディット社長

11. Operative scenario more pessimistic than gov.

字数制限のため英文省略
財務省より悲観的観測をふまえた経営再建策
シティグループのヴィクラム・パンディット代表取締役のメモには、こう書かれていた。
「シティバンクは、いまや米国最強の資本がついた(政府)銀行になった。銀行の預金高は、比較的安定している。当社は、貸付・投資面での財務表に対しても、独自の厳しい「ストレステスト」を施して計上している。今後の業績の動向に関しては、財務省よりももっと悲観的観測に立って、施策を検討するようにしている。」
一方、連邦政府側の監査員も、政府から供出された公的注入金の効果が、現在よりもさらに厳しい不況に対して、どうやったらもちこたえられるかを検討中である。
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昨年10月以来ワシントンへ何度も足を運び、議院の聴聞会で財政窮状とその対策を訴え続けたシティグループ経営陣

12. Return to the traditional business

Citi has been working in recent months to return to profitability. Among its plans, the bank is shedding assets and reducing staff to streamline operations. Citi has already announced a plan to sell a majority stake in its Smith Barney brokerage unit to Morgan Stanley. Citi is also pursuing a plan to split its operations, separating the traditional banking businesses from the riskier operations that have been the primary driver of losses in recent quarters.
マルチ経営から専業への回帰
シティグループは昨年来ここ数ヶ月、利益率を回復するのに力を入れている。一連の計画の中でも主な施策は、余剰資産の売却処理と人員削減で企業の贅肉をそぎ落とし、より効率的な経営体制を目指すものである。
シティはすでに、同グループの証券取引部門であるスミスバーニーを証券取引専門のモーガンスタンレー社に大半の株を売り渡す予定と発表した。シティはまた、法人全体を大きく二分する施策を実施中である。それは、企業リスクが大きく08年の各四半期を通して損失が大きく経営を傾かせた元凶である株取引部門を、本来の銀行部門から切り離す、抜本的な経営改革である。

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ウォール街に出勤するアジア系証券アナリスト グローバル経済を象徴するダークスーツのファイナンシャル軍団

13. More lending, key to economic recovery

Jon Merriman, CEO of brokerage Merriman Curhan Ford in San Francisco, said the letter from Citi’s CEO shows the bank is lending. Government officials and market analysts alike have said more lending is key to an economic recovery. “Maybe Citibank is not going to zero, that means it’s going to lend again and then the economy will turn,” he said.
金融界では融資拡大が経済復興のしるし
サンフランシスコの証券会社メリマン・カーハン・フォードの経営者ジョン・メリマン社長は、シティグループのパンディット社長から受け取ったテキストメッセージから読み取った現況を、銀行の貸付が順調に進んでいる証拠と解釈したようである。
「多分、シティバンクの株価はゼロまで落ちないでしょう。ということはつまり、銀行が再び貸し始められたということで、そうなれば(企業の運転資金貸付や個人のローンが可能になり)経済は回復へ向かうでしょう。」その件に関しては、連邦財務局の高官も証券アナリストも一様に「金融業界にとっては融資拡大が経済復興の鍵である」と力説してきた点でもある。
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シティバンク黒字計上で急騰した上げ相場で、久々に笑顔の戻ったNYSEニューヨーク株式市場のディーラー

14. Connecting the dots in the market

“People today in the stock market are connecting those dots. And the market is up broadly, it’s not just the banks,” Merriman said. Reports also surfaced Tuesday that federal regulators are considering a proposal to reinstate the “uptick rule,” which proponents say helps protect companies from excessive short-selling, when investors bet a stock will drop. The rule expired in 2007.
情報の点と線をつなぐ市場の推論
相場の読みに長けたメリマン氏は、投資家が市場の動きを推測する方式を次のように語った。
「ディーラーにしろ投資家にしろ、今日株式市場にかかわっている人々は、こういったばらばらに入ってくる情報を点と見ます。そしてその点をつなげて線にしてみた時に、線のその先まで見越せる景気の流れのプロットが見えてくるわけです。だからシティの情報が入って急騰したのは、銀行ばかりじゃないでしょう。銀行が回復すれば経済全体が回るようになるのを皆知っているので、先を見越して市場全体が大巾に急騰した、と見るのが妥当でしょうね。」

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10日の急騰は、それまで一切手を引いていた投資家が好転の兆しを示す朗報を待ちかねたように買いに出たため

15. Overhaul of financial regulatory system

Reports also surfaced Tuesday that federal regulators are considering a proposal to reinstate the “uptick rule,” which proponents say helps protect companies from excessive short-selling, when investors bet a stock will drop. The rule expired in 2007.
金融機関への連邦監査体制を革新
10日火曜にはまた連邦財務局からも、金融機関へのより厳しい監査体制と法規制を議案として提案することを検討中と発表された。その中のひとつには、投資家が株価が下がったからといって即売りに転じないように最低の保有期間を規制する条項も入っている。以前には存在したこの規制は、2007年に期限切れとなったまま放置されていたものである。
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下院の公正取引委員会の聴聞会に召還された金融界の経営者 検事の詰問を受ける被告のように厳しい質問が続いた

16. Objective condition: Too big to fail

字数制限のため英文省略
公的注入金の対象は 'Too big to fail'企業
上院の外交委員会の公聴会で、査問された FRB連邦準備制度理事会のベン・バーナンキ議長は、公的注入金で財政援助する対象について、次のように特定した。
「連邦政府からの財政援助の注入金は、"Too big to fail" 万一つぶれると社会現象を引き起こすほど巨大な企業が対象となります。こうした企業に対しては、現行よりも数段厳しい現場での監査体制をしき、(前回のような)注入金の乱費が発生しないよう予防しなければなりません。」
バーナンキ会長のこの見解は、ちょうどオバマ政権と下院が、金融界に対してこれまでの野放図な融資体制を改めるような改革政策を施そうとしている動きと連動するものである。
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オバマ政権の抱える最大の難問、経済危機をどう乗り切るか?期待も責任も大き過ぎるティム・ガイトナー財務長官

17. Good news propel Dow to its best day

And investors were encouraged by Bernanke's call for an overhaul of the country's financial regulatory system. The combination of good news was enough to propel the Dow to its best day since Thanksgiving week, banking stocks led the markets higher all day, and all 30 of the Dow industrial stocks gained ground. The Dow finished at 6,926.49, its highest close since late February.
重なる朗報で4か月半ぶりに回復した市場
金融機関に対する連邦政府の監査規制を大巾に改革するというバーナンキの呼びかけを受けて、投資家層は金融界健全化の確信を得たようである。シティバンクの黒字と連邦政府の介入という朗報が重なったせいか、ニューヨークダウ相場の平均株価を1日で379ドル急騰させるのに充分な波及効果があった。
この好況で、10日火曜の株式は昨年11月末のサンクスギビングデー以来、最高の上げ巾を記録した。特に金融関連株は終日高値を保ち相場全体の株価浮上に一役買ったが、ダウ主要工業30銘柄すべての株価が急騰した結果、株価を安定させる軸足を地につけた感を与えた効果は大きい。10日のダウ市場の終値は6,926ドルまで回復し、2月下旬以来の最高値で閉場した。 <了>
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10日火曜の Surge/サージ=急騰で軒並みリバウンドした株価 上げ巾が5割近かったMoverの企業銘柄

【 米国時間 2009年3月11日 『米流時評』ysbee訳 】
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by ysbee-2 | 2009-03-11 20:40 | グローバルビジネス

シティバンク黒字でウォール街急騰!経済氷河期に春一番?

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   ||| ブライトライズ・ビッグシティ |||

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 ウォール街、不況のどん底でバウンス? Citigroup黒字決算の内部情報で急騰
 米国経済の氷河期に終りを告げる最初の朗報か、政府注入金効果の現れた春一番


d0123476_18552829.gif氷河期のど真ん中のウォール街へ、待ちに待った朗報!金融機関大手のCitigroupの決算で、1月2月の2か月連続黒字計上というのだ。その情報源は、CitigroupのCEOヴィクラム・パンディット氏。彼自身のメモで、黒字決算をスタッフと株主へ流したのがそもそものニュースソース。

昨年9月のリーマンショック以来、転落の坂を転がり落ちるローリングストーンズだった、NYSEニューヨーク株式市場。ひとつの企業の死亡通知で、マーケット全体が赤くなったり青くなったりするジャイレーション現象の連続だったが、今回のCitigroupの黒字報告は、もしかしたら市場の氷河期の終りを告げる、経済の春一番になるのかもしれない。

果たしてこれは、終りの始まり? 凍結した経済の氷壁に吹きつけた春一番?
リーマンショックで始まったミレニアム恐慌の奈落が、シティサプライズで終わるのだろうか。
久しぶりのポジティブなニュースで、良いタイトルが浮かんだ。
「Bright Rise, Big Citi」
(アレンジの元は80年代のジェイ・マキーナニーのベストセラー『Bright Lights, Big City』)

【米国時間 2009年3月10日『米流時評』ysbee 】

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MARCH 10, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年3月10日号
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 NBC/MSNBC/CNBC | BREAKING
米国経済の氷河期に春一番? Citigroup2か月連続黒字決算情報で急騰
米国時間 2009年3月10日午後1時55分 | NBC/MSNBC/CNBCニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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Wall Street Surges on Citigroup Report
Citigroup CEO says bank operating at profit; Dow surged over 380 points
MARCH 10, 2009 | NBC/MSNBC/CNBC — BREAKING | Translation by ysbee

1. Tuesday surprise on Wall St.
NEW YORK — Embattled Citigroup Inc. surprised Wall Street Tuesday with news that the bank company has operated at a profit in the first two months of the year. But despite the upbeat news, Congress and the Fed continue to review strategies for dealing with a further deterioration of the troubled global banking giant.
ウォール街急騰!チューズデーサプライズ
ニューヨーク発 | 米国時間で10日火曜、大恐慌以来の空前の経済危機で苦闘するウォール街を久々の朗報が駆けめぐった。金融界を代表する企業のひとつ、Citigroup/シティグループが、今年に入ってから2か月連続で収益を上げたという黒字計上のニュースである。
しかし株式市場急騰の一方で、米国議院と連邦財務省は、グローバル経済危機がこれ以上悪化するのを阻止するために、新しい金融規制法や監査体制の見直しを検討している最中である。
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2. Pandit's memo: Best performance since 2007

Citigroup CEO Vikram Pandit said late Monday in a memo to employees and clients that the bank had an operating profit of $8.3 billion through February — its best performance since the third quarter of 2007, when the credit crisis first triggered a wave of losses in the industry.
パンディットメモ「07年以来最高の実績」
金融界のトップ企業のひとつ、Citigroup/シティグループのヴィクラム・パンディット代表取締役(CEO/Corporate Executive Officer)は10日月曜午後、黒字計上の個人的メモを、社員とクライアント(株主を含む)へテキストメッセージで送った。
その内容は、シティグループの中核を成すシティバンクの今年に入ってからの業績は、1・2月の2か月連続で83億ドル(約8,164億円)の利益を計上した、という業務報告だった。この黒字実績はシティバンクとしては、2007年の第3四半期(9〜11月)に金融業界を不況の波が襲った金融危機が始まって以来、最高の収益を記録する結果となった。

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ニューヨーク・マンハッタンのシティバンク・パークアベニュー支店 シティはネットバンキングの先駆者として有名

3. The best results since 3rd quarter of 2007

Pandit said the bank was on track, based on historical trends, to make $8.3 billion for the quarter, resulted its best performance since the third quarter of 2007 when the last time it booked a quarterly profit. The news broke a months-long torrent of bad news from the banking industry — particularly for Citi, which had grown so shaky the federal government had to take a 36% ownership stake.
2007年第3四半期以来、最高の業績
パンディットはメモの中で、次のように報告している。
「シティバンクは、歴史的な不況とその対策のただ中にありながら順調な業績を上げており、第3四半期(12・1・2月)の決算で83億ドルの収益を上げた。これは最後にプラス計上した2007年第3四半期以来、最高の業績をもたらす結果となった。」
今回のシティバンク黒字のニュースは、ひと月以上最悪のニュースが連日山積していた金融界にとって、一条の光がさすような朗報となった。特にシティグループ自体にとっては、財政状態があまりにも不安定なので、連邦政府が財政補助注入金の担保として36%の持ち株を負担した事態から見ても、やっと一息つける展望の見える待望の情報だったにちがいない。
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ニューヨークに本部をおくシティグループの代表取締役ヴィクラム・パンディット氏はインド系米国市民

4. Figure excludes taxes and special items

But Pandit's figure excludes taxes and “special items” — one-time gains or losses that companies strip out of their overall results to give investors a better idea of how well the underlying business is performing. Pandit declined to say how large credit losses and other one-time items have been that would at least partially offset profit.
税金や返済金以前の数字ながらも
もっともパンディットの挙げた数字は、税金と「特別経常支出」を差し引く前の粗利益である。これは、企業が投資家に対してよりめざましい企業実績を印象づけるために、年次総決算とは別の方式で税金などの決算期のマイナス分を試算計上せずに、四半期の段階のみで算出した結果の数字である。シティグループのパンディット代表取締役は、少なくとも83億ドルという収益をけずるはずの貸付返済金や税金その他の差引経費が、どのくらいの数字になるかに関しては言及しなかった。
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テレビ番組前のパンディット CNBCやブルンバーグTVなどファイナンシャル系メディアにも出演する金融セレブ

5. Hope lifts up the financial sector

The Pandit memo helped provide the battered banking industry with a hopeful piece of news and helped lift the stock market. Citi stock, which had been hovering at about $1 a share, jumped by 40 cents. Other banking stocks also were higher, and the broader market was enjoying it best session in weeks. But Citibank is hardly out of the woods yet.
今年初の企業朗報で久々の買い市場
しかしそれでもなおパンディットの一片のメモは、不況に打ちのめされた金融界に久方ぶりの「企業側からの朗報」で希望的観測をもたらしたものと見え、株式市場が買いの活況を呈するのに一役買ったようである。
このニュースによって、シティグループの株価は前日比40セント増の1ドルまで、一躍回復した。また他の銀行株も軒並み急騰したほか、ここ数週間下り坂の一途だった市場全体が、今期最高の株価を記録した。とはいうものの、シティバンクが苦境から脱したというにはほど遠い状況であるのも事実だ。
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1か月以上続いた暴落がストップ しばらくぶりの急騰に希望が見えてきたウォール街のディーラー

6. Two-day winning streak possible?

A gain on Wednesday would give the Dow its first two-day winning streak since early February. But Wall Street is used to false starts. The Dow had gained 200 points in a single day five times in 2009 before Tuesday. Each time, it lost ground in the next session, twice by triple digits. And after they hit their lowest points last year, both the Dow and the S&P 500 jumped about 20%. But those lows didn't last, and Wall Street is now trading well below those levels.
2月初旬以来の2日連続上昇なるか?
もしダウ市場株価が11日水曜も上げを続ければ、2月初旬以来初めて2日連続の上昇を記録することになる。しかし、上がれば下がるのはウォール街のならい。今年に入ってから昨日までダウ平均株価が200ドル以上の急騰を見せたのは5回あったが、毎回翌日には2桁あるいは3桁の急落で、株価の足場を失っている。
一方、好況へ向かう兆しのいい例としては、昨年底値を記録した日の翌日には、ダウもS&P 500も20%前後の急騰を記録したことである。しかし上げが継続しないことが、今期の危機的スランプの一因でもあり、ウォール街が現在通常の平均株価から地盤沈下した理由でもある。
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7. S&P still less than half value at market's peak

On Tuesday, the S&P closed at 719.60 points, still less than half of its value at the market peak in October 2007. "I would be surprised to see us trade back over 800 points in the near term," said Ben Halliburton, chief investment officer of Tradition Capital Management in Summit, N.J. "The news coming out on the economic front will continue to be rather gloomy."
S&P平均株価、最高潮時のまだ半値
火曜の市況では、S&P500銘柄が719.60ドルの終値をつけたが、これは昨年10月の市場最盛期の高値と比較して、いまだに半値でしかない。ニュージャージー州サミットに本社をおくトラディッション・キャピタル・マネージメント社の投資部長ベン・ハリバートン氏は、今後の値動きについてこう観測する。
「近々に景気回復の目処となるような800ドルの大台を超したら、驚きにあたいすると言ってもいいでしょうね。経済の最前線、株式市場から聞こえてくるニュースは、まだまだ悲惨な状況が続くだろう、というのがもっぱらですから。」
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8. Bernenke: Renew financial regulatory system

Also Tuesday, Federal Reserve Chairman Ben Bernanke called for a revamp of the country’s financial regulatory system. Speaking before the Council on Foreign Relations, Bernanke said companies that are “too big to fail” must be subject to more rigorous supervision to prevent them from taking on excessive risk. Bernanke’s remarks come as the Obama administration and Congress begin to devise their strategies for overhauling regulation.
バーナンキ:金融機関の法規制と監査体制の見直し
10日火曜にはまた、連邦準備金制度のベン・バーナンキ議長が、米国の金融規制体制を強化することを明らかにした。上院外交委員会の議員たちを前に、召還されたバーナンキ議長は「companies that are too big to fail」=経営規模があまりにも大きすぎて、破産申告すれば社会現象を引き起こすような影響力のある巨大企業は、必要以上のリスクを負う事態を予防する意味でも、(連邦政府の)監理体制を現在よりも強化する対象となるべきだと、連邦監理体制の強化を明らかにした。
バーナンキ議長の主張は、オバマ政権と下院が金融規制の見直し戦略を検討し始めると発表したのと時期を同じくして公表されたものである。   >> 次号『Bright Rise, Big Citi』後編に続く

【 米国時間 2009年3月10日 『米流時評』ysbee訳 】
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d0123476_15185449.jpg 3/10 Citigroup黒字報告でウォール街370ドルの急騰
 3/08 警告!北朝鮮が臨戦態勢、衛星撃墜なら「戦争」と威嚇
 3/06 作家フォーサイス 次の小説はギニアビサウのクーデタ
 3/05 「事実は小説よりも奇なり」フォーサイス、クーデタに遭遇
 3/04 新自由主義経済の終焉と景気の氷河期
 3/03 ウォール街の真冬はいつまで続くのか?
 3/02 ウォール街にブリザード!ダウ6千ドル台へ急落

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by ysbee-2 | 2009-03-10 10:25 | グローバルビジネス
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