米流時評

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メキシカン・ペイシェント 封印された患者ゼロ号

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    ||| メキシカン・ペイシェント |||

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メキシコで最初の感染患者は生きていた!養豚の町ラ・グロリアの隠された発生源
封印された患者ゼロ号、エドガー・ヘルナンデス(5才)の母が語る疑惑の医療班


d0123476_3532373.jpgH1N1新型ウィルスによるインフルエンザ(名称長い!)の発生源をめぐって、専門分野の細菌学者(virologist=バイロロジストと言うんですね。細菌学はvirology、ボキャブラリーが増えた)の学説から、お決まりの陰の政府によるパンデミック陰謀論まで、海外のブログ界でも百家争鳴です。

以前のエントリの前書きにも書きましたが、バイオハザード的なお膳立てがここまでそろうと、やはり一応は陰謀の根拠も確認するべきかも知れません。深入りすると、紹介するだけで1週間以上(というか、暗黒のラビットホールへのスパイラルで2日つぶれた)かかりそうなので、米流では一応傾聴に値する関連記事に触れたブログ記事を次回の前書きでお知らせする程度にとどめます。
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今後、私がふだんから信頼している investigative journalists=真相追求のジャーナリストたち、一例を挙げれば『Newsweek』のマイケル・イシコフ、NBCニュースのボブ・ウィンドラムやリサ・マイヤーズが率いる Investigative Unit=真相特捜班、歴史に残る陰謀暴露の権威であるシーモア・ハーシュ……などから、今回のパンデミックの真相レポートが上がってきた場合には、真っ先に紹介したいと思います。彼らの取材とレポートには、常にしっかりした根拠と現場の証人が存在しますから。

単なる噂が真相を解明されて、こういう信頼できるレポートに展開するプロセスを、英語(米語ですね)では「The plot got the legs / The story have legs」と表現します。証拠の裏付けがとれ推論が真実に裏付けられて、文字通り地に足が着く、という状態でしょう。

ですから紹介して行く記事は、すべて現地記者が足を運んで当事者に直接取材した、根拠の確かなレポートに限っています。今回紹介する記事も、AP通信の地元記者が感染の危険に脅かされながらも震源地と見られる村で直接取材し、こまめに情報収集した素材をまとめたレポートです。
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記者自身は「メキシコ政府の隠蔽」とは言及しておりませんが、事実関係を並べて行くと、
「先ずフルー発生」 > 「死者続出」 > 「少年ひとりだけが陽性反応」 となる訳です。
そして、この点線をつないだ時系列の線の先に、
「メキシコシティでのアウトブレイク」と「WHOのグローバルなタミフル使用」
とが連なってくるので、勘のいい方は「少年の免疫抗体がワクチンのオリジン?」という疑問に取り憑かれます。真相はまだ確定しておらず、ロイターなど大手メディアでも疑問視しています。

すでに、共和党のウルトラライトの連中は「オバマがメキシコ訪問の際に菌を国内に持ち込んだ」とか、甚だしい者はオバマが当地で菌をばらまいたという、マンガでもあり得ないようなとんでもないデマを流し始めています。今回のようなパンデミックに対するパニックを、政敵に対する攻撃材料に利用しようと企むあざとい思惑、それこそ「よこしまな、根拠のない陰謀」に騙されないように、真実は何かというゆるぎのない極北点を、常に見失わない姿勢を忘れないでおきましょう。

【米国時間2009年4月29日『米流時評』ysbee】

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APRIL 29, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年4月29日号
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  A s s o c i a t e d P r e s s | B R E A K I N G
メキシコで最初の感染患者は生きていた!養豚の町ラグロリアの隠蔽された発生源
米国時間 2009年4月29日午後9時11分 | AP通信・メキシコ現地レポート | 訳『米流時評』ysbee

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2千万人という世界一の人口を抱えるメキシコシティへバス通勤する郊外の市民 今日から5日間は公共機関も全休


Patient Zero? Mom of First Confirmed Case Talks
Hundreds of townspeople were sick before Edgar Hernandez, says mother
APRIL 28, 2009 | Olga R. Rodriguez — Associated Press/Mexico | Translation by ysbee
1. La Gloria, fatally infected village
LA GLORIA, Mexico — Everyone told Maria del Carmen Hernandez that her kindergartner's illness was just a regular cold. But it seemed like the whole town of 3,000 was getting sick. As early as February, neighbors all around her were coming down with unusually strong flu symptoms — and the caseload kept growing.
住民全員が風邪をひいた町
メキシコ・ラグロリア発 |まだ幼稚園生のマリア・デル・カルメン・ヘンルナンデスの息子が病気になった時、だれもがただの風邪だと言った。しかしそのあと、彼女の住む人口わずか3千の小さな町ラグロリアの住民全員が、同じように病気になった。彼女の近所では早い者は2月から、尋常ではないほど強い症状をともなう「風邪」にかかったが、その後も発病者は増える一方だった。
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軽症の妻が重傷の夫に付き添って、病院の外来へ 現在はメキシコシティ市内各所に無料診断のステーションを開設

2. First state investigation on March 23

When state health workers came to investigate March 23, some 1,300 people sought their medical help. About 450 were diagnosed with acute respiratory infections and sent home with antibiotics and surgical masks. Five-year-old Edgar Hernandez was still healthy then. Hernandez wanted to keep him home from school so he wouldn't get sick. But her husband said, "We can't be afraid of what might or might not happen."
症例発見の第1波は3月23日
ヴェラクルス州政府から保健局職員が最初にラグロリアを訪れ、1300人前後の住民を診察し治療薬を投与したのは、3月23日のことだった。診察を受けた住民の中、450人が急性気管支炎という診断を下され、抗生物質の治療薬と医科用マスクを渡され、自宅療養を命じられた。
5才になるマリアの息子エドガー・ヘルナンデスは、その時にはまだ元気だった。母親としては息子が風邪をうつされないように、幼稚園に通うのを休ませるつもりだった。ところが、彼女の意に反して夫はこう言った。「起きるかどうかわからないことを怖がってどうするんだ。」
かくして、エドガーはいつもどおりに幼稚園へ出かけた。
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4月後半のエピデミックが起きるよりも以前に、メキシコ政府の医療班が最初に陽性認定をした「患者ゼロ号」の少年

3. The first patient who was sealed

But her husband said, "We can't be afraid of what might or might not happen." Then he came home with a fever and a headache so bad his eyes hurt. She took him to a clinic, and after a few days of antibiotics, he, too, recovered. No one told Hernandez that her son had become Mexico's earliest confirmed case of swine flu until the Veracruz governor helicoptered in on Monday.
封印された「患者ゼロ号」
しかし幼稚園から帰ってきた息子は、ひどい熱と頭痛で目が真っ赤に充血していた。驚いた母親は医者に診てもらうためにあわてて息子を診療所へ連れて行き、他の患者と同様に抗生物質を投与するよう渡された。そうして自宅療養した数日後には、エドガーもまた他の住民の患者と同じように、回復して元気になった。
あとから判ったことだが、この時点では診察治療に当たった者の誰一人として、ヘルナンデスに対して「あなたの息子さんは、メキシコで一番最初に豚インフルエンザに感染して陽性反応が出ました」と事実を伝える者はいなかった………ひと月以上もたった今週月曜27日になって、ヴェラクルス州知事がヘリコプターでラグロリアの町を訪れるまでは。
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この写真はメキシコシティ市内を巡回する移動診療車 こうした特殊車輌のメーカーがいつ受注したかも要チェック

4. Ground zero in the epidemic

But Edgar's case confirmed for residents what they already believed: Their hillside town is ground zero in the epidemic. Local health officials and Federal Health Secretary Jose Angel Cordova downplay claims that the swine flu epidemic could have started in La Gloria, noting that of 35 mucous samples taken from respiratory patients there.
エピデミックのグラウンドゼロ
しかし(抗体反応に陽性を示した)エドガーのケースは、ラグロリアの住民がこれまでにも噂してきたことを証明する結果となった。丘陵地の斜面にへばりつくようなこの小さな町が、正体不明のインフルエンザ流行の発生地だった、という事実である。
ところが、州政府のお役人は元より、メキシコ連邦政府のホセ・アンゲル・コルドヴァ保健相までが「豚インフルエンザがラグロリアから発生した」という風評を抑えるような態勢に出た。実際には、この町で気管支炎と診断を下された患者から35の分析用検体が、政府の診療班によって採取されたにもかかわらず、である。
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すでに1千万個近く配布されたマスクや防疫服、治療薬のメーカーとWHO幹部の談合癒着がないかどうかも捜査を

5. The boy who infected with H1N1

Only Edgar's came back positive. Confirmation that the boy was infected with H1N1 — a strange new mix of pig, bird and human flu virus that has killed as many as 152 people in Mexico and now spread across the world — wasn't made until last week, when signs of the outbreak elsewhere prompted a second look at his sample.
H1N1に陽性反応を示した唯一の少年
住民の患者から採取された(血液かどうか不明)抗体検査の中で、エドガーの検査結果だけが陽性反応を示した。このことはとりもなおさず、少年はH1N1新型ウィルスに感染した事実が、臨床医学的に立証されたことになる。
H1N1:この奇妙な病原菌は、豚・トリ・ヒトのインフルエンザウィルスの混合型の、全く新しいタイプの伝染病の原因であり、4/28の時点でメキシコだけで152人が感染発病し、今や世界中にひろがっている。
ところが実際には、今やメキシコ中で蔓延の兆しが見えたにもかかわらず、政府の診療班がエドガーの2度目の抗体サンプルを摘出しようとやってきた先週まで、エドガーの感染例については州も国も政府からは一切、外部に何の知らせももたらされなかったのだ。
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当初の「豚インフルエンザ」から「H1N1新型ウィルスによるインフルエンザ」に改名された伝染病のウィルス

6. 'How will we ever know?'

"If the people who are supposed to be familiar with this didn't know what it was, how will we ever know how my son got it?" Hernandez said Tuesday. Hernandez said doctors came from Jalapa, the state capital, and Veracruz city to see Edgar in the weeks after he was tested.
「医者でさえ原因のわからない病気」
「もし万一この病気についてよく知っているべき連中(医師たち)が何もわからないとしたら、常人の私らがどうやって息子がこの病気にかかったか?なんてことが判るわけないじゃありませんか。」AP通信の記者が28日火曜現地へ赴き直接会話したインタビューで、エドガーの母親であるヘルナンデスさんは、憤懣を込めてこう語った。
彼女の話では、診療と検査にあたった医師たちは、エドガーが検査を受けたあとも何週間も、ヴェラクルス州の州都ファラパからわざわざやってきて、エドガーをチェックしたという。
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この写真はテキサス州で自宅隔離状態の感染者 5/1時点で米国ではすでに22州で150名以上の感染者を確認

7. 'Returned with saying nothing'

But they said nothing, "they just wanted to see him." A team came again last weekend, after federal officials confirmed the swine flu cases late Thursday and started closing schools and canceling events in Mexico City. Again, they left without saying anything, she said.
病気に関して一言もふれず
しかし、こうした一連の診察の際も、彼ら(医師団)は病気についてひとことも言葉を発しなかった。ヘルナンデスさんは「あのひとたちは、ただひたすら息子の病気の経過を見たかっただけでしたよ」と、当時を振り返る。
診察団は先週末もまたやってきた。この時はちょうどメキシコ政府が「swine flu=スワインフルー/豚インフルエンザ」の発生を確認した直後で、手始めに学校が休校となり、メキシコシティで行なわれるはずだったイベントを主催者がキャンセルし始めた時期だった。しかしこの時もまたヘルナンデス親子に「陽性反応」の件を一言も告げるでもなく、医師団は町を去ったと言う。
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メキシコの公立学校ではエピデミックが確認された時点で休校措置 現在はほとんどの公共機関も5日間閉鎖に

8. How and where the outbreak began

Cordova insists the rest of the community had suffered from H2N3, a common flu, based on other 34 samples. While Mexican authorities haven't determined how or where the swine flu outbreak began, Gov. Fidel Herrera said Tuesday that "there is not a single indicator" suggesting it started in La Gloria.
いつ、どのようにアウトブレイクが起きたのか?
メキシコ連邦政府のホセ・アンゲル・コルドヴァ保健相は、このヴェラクルス州ラグロリア町の患者から採取した34の抗体反応のサンプルを分析した結果、少年を除くコミュニティの患者全員が、H2N3型ウィルスによる通常のインフルエンザに感染していたと主張する。
メキシコの医療・保健界の権威ですら、今回の豚インフルエンザがいったいどこを起源にしてどのように発生したのか、発生源を断定できないでいる一方で、26日火曜には同州のフィデル・ヘレラ知事が「伝染病がラグロリアから発生したことを示す証拠はどこにもない」と、同町起源説を真っ向から否定した。
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ウィルスのメキシコ発生説を疑問視し米国起源を言い出した、カルデロン政権のホセ・アンゲラ・コルドヴァ保健相

9. Resonance with swine flu connection

字数制限のため英文省略
新型インフルエンザの症状と一致
しかしながら、ヴェラクルス州起源説を否定する政府側の主張をよそに、この町に住む34才のホセ・ルイス・マルチネスさんは異論を唱える。
「高熱・せき・関節の痛み・激しい頭痛、さらには嘔吐・下痢……」こうした豚インフルエンザの症状の特徴をニュースで聞いた時、彼はとっさに、ラグロリアの町民がかかった病気は豚インフルエンザに違いないと思った。
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病院で診察の番を待つ妊娠中の妻と夫 タミフルやリレンザなどの投薬の副作用は確認されているのだろうか?

10. Enfants buried immediately without testing

"When we saw it on the television, we said to ourselves, 'This is what we had,'" he said Monday. "It all came from here. ... The symptoms they are suffering are the same that we had here." Two infants died of pneumonia during the La Gloria outbreak. They were buried without testing.
幼児二人の犠牲者、検死を経ず即刻埋葬
「このニュースをテレビで見た時、私たちはみな『これこそみんながかかった病気だ』とつぶやきましたよ。この病気は全部ここから起きたことです。テレビで見る患者の症状は、この町のみんながかかったのと全く同じでしたから。」マルチネスさんは、ラグロリアの住民のかかった病気は豚インフルエンザそのものに違いないと証言した。
ラグロリアのアウトブレイクでは、幼児2人が肺炎を起こして亡くなったが、彼らはふたりとも、検死されることもなくすぐに埋葬されてしまった。
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新型インフルエンザで死亡したメキシコの犠牲者第1号 オアザカの税務職員マリア・アデラ・グチエレスさんの墓

11. Blame on pig farm upwind

But the new flu strain is a combination of pig, bird and human viruses that humans may have no natural immunity to. The Food and Drug Administration late Monday issued emergency guidance that allows certain antiviral drugs to be used in a broader range of the population in case mass dosing is needed to deal with an outbreak.
風上の養豚農場が汚染源か?
マルチネスさんをはじめ、住民たちはラグロリアの町の風上で5マイル(約8.5キロ)ほど北上した場所にある養豚農場の、豚の排泄物が伝染病の原因だと指摘し非難する。隣の町から流れてくる汚染された病原菌が、風下にある山々に囲まれたラグロリアの町へ流れ込んで滞留したのだと、町民たちは主張する。彼らは、町の水も空気も、この農場の豚の汚物によって汚染されたという推論を捨ててはいない。  >> 続く

【 米国時間 2009年4月29日 『米流時評』ysbee訳 】
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今回のH1N1新型ウィルスの発生源と見られている、ラグロリア町の郊外にある養豚場は、米国の食用豚肉メーカー、スミスフィールド・フーズ社と特約生産していた。このメーカーのライバル会社がどこなのかも調べるべきだろう。

d0123476_13581536.jpg4/29 NBC ナイトリーニュース
「豚インフル・エピデミック メキシコの村ラグロリア探訪」

メキシコ南部の小さなラグロリア村の大きな秘密 |患者ゼロ号、エドガー・ヘルナンデス君の村を訪ねて……In the tiny town of La Gloria, Mexico, little Edgar Hernandez is now all smiles, but about a month ago, he had what is believed to be the earliest known infection of swine flu.

4/30 CNBCニュース「スミスフィールドフーズ社長に聞く」
ラグロリア村の郊外に1万5千頭の養豚農場をもつメキシコとの合資会社、米国スミスフィールド・フーズ社のポープ社長に独占インタビュー

◀ 次号「隠蔽された発生源、養豚汚染の村ラグロリアの秘密」
▶ 前号「プレ・パンデミック秒読みの限りない憂鬱」d0123476_1023580.jpg

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by ysbee-2 | 2009-04-29 10:22 | パンデミック

プレ・パンデミック秒読みの限りない憂鬱

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  ||| プレ・パンデミックの限りない憂鬱 |||

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 欧州から中東、アジアまで拡大した新型ウィルスのインフルエンザ最前線報告
 CDC: 蔓延の実情は「プレ・パンデミック」フェーズ5への進展も時間の問題


d0123476_3532373.jpgまず最初に断り書き。このエントリは米国時間で29日水曜午後、日本時間で30日木曜の朝に書いております。英文記事は昨日付けで、今日朝一に WHOから宣言された「パンデミック・フェーズ5」のニュースとは、その内容に1日のタイムラグがあることをご了承ください。最新報は後続の記事で紹介する予定です。

Swine Flu Crosses New Frontiers in Mideast, Asia
Cuba imposes travel ban to and from Mexico; virus spreading overseas
APRIL 28, 2009, 2:50 PM  | Associated Press— Special Report | Translation by ysbee
1. U.S. 68 cases, 2 suspicious deaths
WASHINGTON / MEXICO CITY / GENEVA / MADRID / AUCKLAND / JERUSALEM / NEW YORK —
In the U.S., federal health officials said Tuesday that the number of confirmed cases rose to 68 and at least four more new reports of hospitalizations among affected. U.S. officials are watching for a potential flu pandemic.

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左:メキシコシティのミュージックイベントに出演して帰国後4人の発病者を出したカナダのノーヴァスコシア
中:米国との国境に近いメキシコ・ティファナ空港のカウンター職員もマスクで自衛 たしかに命がけの最前線


米国:罹患者68名に、ロスで2名の死因を解明中

AP通信 ワシントン/メキシコシティ/ジュネーヴ/マドリッド/オークランド/エルサレム/ニューヨーク 各支局発【インフルエンザ・パンデミック】特別レポート
米国では28日火曜、連邦政府の保健衛生関連各省担当が、新型ウィルスによるインフルエンザの最新状況に関して記者発表を行なった。その報告内容によると、全米で感染が確認された数は68症例にのぼり、その中で新しく病院に隔離されたケースは少なくとも4例あると公表された。
米国政府関係者は、今後さらに本格的な「パンデミック」に発展する可能性もあるとみて、対処態勢の準備を整える「プレ・パンデミック」の状況である。

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APRIL 28, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年4月28日号
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  A s s o c i a t e d P r e s s | B R E A K I N G
欧州から中東、アジアまで拡大した 新型ウィルスのインフルエンザ最前線
米国時間 2009年4月28日午後2時50分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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ニュージーランドのオークランド空港で無事検疫を通過してコンコースへ出る、メキシコから帰国した少年たち


2. Cuba banned travel to Mexico
The Los Angeles County coroner's office told the Los Angeles Times the recent deaths of two men were being examined for links to swine flu. Cuba suspended flights to and from Mexico on Tuesday, becoming the first country to impose a travel ban, as the fast-moving swine flu strain extended its reach overseas and in the United States.
キューバ:メキシコへ渡航禁止令
カリフォルニア州ロサンゼルス広域自治体警察の検死医のオフィスから、ロサンゼルスタイムズの記者が取材した内容によると、ごく最近検死を行なった2遺体の死因が豚インフルエンザに感染したものかどうか分析中であるという。
豚フルーウィルスへの感染が国境を越えた米国ばかりか、海外へも急速に波及してきているため、キューバは28日火曜の段階で、メキシコからの航空便に着陸を許可しない方針を打ち出した。この施策で、キューバは世界で最初にメキシコへの旅行禁止令を打ち出した国となった。
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27日月曜のサンフランシスコ空港、メキシカーナ航空のメキシコシティ行き搭乗受付カウンターは待ち人ゼロ

3. New Zealand

New Zealand reported that 11 people who recently returned from Mexico contracted the virus. Tests conducted at a WHO laboratory in Australia confirmed three cases of swine flu among 11 members of the group who were showing symptoms, New Zealand Health Minister Tony Ryall said.
ニュージーランドとオーストラリアで11名
ニュージーランドでは、つい最近メキシコから帰国したばかりの11人の高校生が、ウィルスに感染していることが判明した。またオーストラリアでも、WHOオーストラリア局の医療ラボで検査の結果、インフルエンザの症状を示した11人の患者のうち、3人から豚インフルウィルスが検出されたと報告している。
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ニュージーランドの首都オークランド メキシコへの修学旅行で感染した高校生(左端)は家族ぐるみ自宅隔離状態

4. Israel: Two confirmed cases

New Zealand officials decided that was evidence enough to assume the whole group was infected, he said. Israel's Health Ministry confirmed two swine flu cases in men who recently returned from Mexico. One has recovered and the other was not believed to be in serious danger, health officials said.
イスラエルでも帰国者2名の感染確認
ニュージーランドの症例報告は、トニー・ライオール保健相から発表されたが、メキシコへ旅行したグループ全員が感染したことから、メキシコからの感染経路を結論づけるに充分な検査結果が出たと明らかにした。
一方イスラエルの保健省も、最近メキシコから帰国した旅行者から2人の男性が豚インフルに感染していることを確認と発表した。そのうちのひとりは回復し、もうひとりも生命に危険はないと見られている。
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左:帰国後発病したイスラエル人患者 /中:NYの聖フランシスコスクール校長 /右:Enjoy Life! のメキシカン

5. Spain: first case confirmed

Meanwhile, a second case was confirmed Tuesday in Spain, Health Minister Trinidad Jimenez said, a day after the country reported its first case. The 23-year-old student, one of 26 patients under observation, was not in serious condition, Jimenez said.
スペインでも帰国者2名が発病
さらに、ヨーロッパで最初の感染者が月曜発見されたスペインでは、引き続き28日火曜になって2人目の感染者が確認されたと、トリニダッド・ジメネズ保健相から発表された。この罹患者は23才の学生で、現在検査中の26名の感染疑惑患者のひとりだが、深刻な病状ではないと状況説明した。
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メキシコシティで発生したフルーは大西洋を越えスペインでも2名発病 バレンシアの病院従事者もマスクで防衛

6. WHO: preparation for pandemic

World health officials in Geneva said they believed the virus appears to be establishing itself in communities and be able to produce larger outbreaks outside Mexico. "It's a very serious possibility, but it is still too early to say that this is inevitable," the World Health Organization's flu chief, Dr. Keiji Fukuda, told a telephone news conference.
WHO:パンデミック対応の準備
WHO世界保健機構のジュネーブ本部では、今回の新型ウィルスはメキシコシテイ郊外の特定地域で発生し、感染した保菌者がメキシコ国外へ出てから周囲にさらに感染拡大したものと見ている。
「(パンデミックに展開する)深刻な危険性は大いにありますが、それが「不可避」だと断定するにはまだ次期尚早です」WHOのインフルエンザ対応部長である福田敬二氏は、電話回線による記者会見で、現状をこう説明した。
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米国メディアに伝わった日本の商魂 東急ハンズでは「豚インフルエンザ対策用品」の特設コーナーがお目見え

7. U.S. expect more infected states

With the virus spreading, the U.S. stepped up checks of people entering the country and warned Americans to avoid nonessential travel to Mexico. "We anticipate that there will be confirmed cases in more states as we go through the coming days," Homeland Security Secretary Janet Napolitano said on NBC's "Today" show on Tuesday.
米国での発生州も今後ふえる可能性
インフルエンザの新しいウィルスが世界各地に拡散している現状を考慮し、米国政府は入国の際の検疫体制を強化する一方、アメリカ人に対して余程の条件でもない限り、メキシコへの旅行は避けるように警告を発した。
またHSD 国土安全保障局のジャネット・ナポリターノ長官も、28日火曜朝のNBCモーニングワイドショー『TODAY』のインタビューで、今後の展開を聞かれ次のように答えた。
「米国ではおそらく今後も、現在報告されている地域をさらに上回る州から、感染報告が上がって来るものと警戒しています。」
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左:前アリゾナ州知事でメキシコとの国境問題に精通している、ジャネット・ナポリターノ国土安全保障局長官
右:オバマ政権の大統領広報官ロバート・ギブズ 毎日午後の記者会見はドラマとユーモアがあって見逃せない


8. EU Warns against travel to Mexico

The global health body insisted that travel restrictions were ineffective, but Cuba's 48-hour suspension came as the EU's disease control agency as well as Canada, Israel and France warned against nonessential travel to Mexico. But "border controls do not work, travel restrictions do not work," WHO spokesman Gregory Hartl said.
EU:メキシコへの渡航見合わせ
EUの疾病管理局をはじめ、カナダ・イスラエル・フランスがメキシコへの不必要な旅行は避けるよう警告を発したのに続いて、キューバでは48時間のメキシコへの渡航禁止が発令されたが、WHOでは旅行制限などの手段は、実際にはあまり効果がないと主張する。
「一時的国境閉鎖は効果がないし、渡航制限も効き目はありません」WHOのグレゴリー・ハートル広報官は、国境閉鎖や渡航制限に対するWHOの評価を、こう語った。
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メキシコのリゾート、カンクンへバカンス予定だったがエアラインのフライトキャンセルでとまどう英国人ツーリスト

9. Recall of 2003 SARS epidemic in Asia

He recalled the 2003 SARS epidemic that killed 774 people, mostly in Asia, and slowed the global economy. "There was much more economic disruption caused by these measures than there was public health benefit," he said, adding that WHO is advising countries to provide treatment for the sick and make sure national plans are in place to ease the effects of a larger outbreak.
03年サーズ流行時の再考
ハートル広報官は、03年にアジアを中心に774名の死者を出したSARS=サーズの流行を例に挙げ、インフルエンザの蔓延がグローバル経済に与える悪影響を、次のように指摘した。
「あのSARSの騒ぎ以降、たしかに発生地区の衛生意識は改善されましたが、それをはるかに上回る経済的打撃は痛手となりました。WHOでは、伝染病蔓延を緩和するための国家的施策を実施できるように、感染地域となった国家に対して治療方法の行政指導を行なっています。」
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03年に中国と東南アジアで流行したSARSと鳥インフルエンザは記憶に新しい 鶏の死骸を処理する中国の防疫班

10. 36,000 flu-related deaths per year

Flu deaths are nothing new in the United States or elsewhere. The Atlanta-based Centers for Disease Control and Prevention estimates that about 36,000 people died of flu-related causes each year, on average, during the 1990s in the United States.
毎年3万6千人がフルーで死亡
米国に限らず世界のどこでも、インフルエンザによる死亡例は目新しいものではない。アトランタに本部を置く連邦政府の疾病管理予防センターCDCのデータによると、90年代の米国の調査を例にとれば、毎年平均3万6千人がインフルエンザが原因で死亡している。
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日本の国際空港では他国に先駆け、体温がカラー表示されるサーモグラフィで疑惑の乗客を水際でスクリーニング

11. No immunity against super-genom virus

But the new flu strain is a combination of pig, bird and human viruses that humans may have no natural immunity to. The Food and Drug Administration late Monday issued emergency guidance that allows certain antiviral drugs to be used in a broader range of the population in case mass dosing is needed to deal with an outbreak.
スーパーゲノム・ウィルスには免疫存在せず
しかしながら、新型インフルエンザの感染経路は、豚、トリ、人間と、本来不可能なはずの種の壁を越えて感染する「スーパーゲノム型の細菌」でうつる前例のない伝染病であるため、このウィルスに抵抗する免疫は、理論上はまだ地上のどの人間にもない。
米国連邦政府のFDA 食品医薬品局では、27日月曜夜「emergency guidance=緊急指導要綱」を発行したが、連邦政府はこの新しいステップによって、伝染病蔓延を防止するために必要な特定の抗ウィルス治療薬を、国内の広範な人口に対して投与できるような段階へ踏み込んだことになる。
>> 次号へ続く

【 米国時間 2009年4月28日 『米流時評』ysbee訳 】
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タミフルのメーカーRocheとパンデミックの関係を疑問視する陰謀論に関しては、次のエントリで

>> 次号「メキシカン・ペイシェント 封印された患者ゼロ号」へ続く
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by ysbee-2 | 2009-04-28 13:40 | パンデミック

メキシコシティ帰還レポート・蒼天のガダルペ

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   ||| ガダルペの蒼い空と青いマスク |||

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  メキシコシティのイベント出演を終えて無事米国に帰還した
  shigezoさんの 意外な現地体験レポート

d0123476_3532373.jpgブログを公開していてよかったと思うことのひとつは、ご自身の体験やダイレクトな現地情報がコメントで寄せられたときです。昨日のエントリには、米国在住のシゲゾーさんから、メキシコシティに関するコメントをいただきました。

初コメントなのですが、内容から察するに普段から読んでいただいてるのかな?と思うとかなり恥ずかしい。ちょうど裏庭でひとりで勝手にダンスしているところを通りがかりのひとに見られたような、バツの悪さを感じるのと似てなくもない……

うだうだな蛇足はともかく、シゲゾーさんのお話では、新型インフルエンザ発生のニュースが世界に発信された当日に、エピセンターのメキシコシティをイベント出演で訪問されていたそうです。
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現地の空気を肌で感じられた方ならではの体験談で、メディアの報道と一般市民の感覚とのズレが感じられ、やはり実態は現地の方から聴かないと判らないな、と痛感させられる貴重な実感レポートです。(以下、黒字がコメント部分)

【shigezoさんからのコメント】

私は米国在住者ですが、たまたまオリン・カン・フェスティバルという 
音楽とダンスのフェスティバル出演のため
昨日までメキシコシティーにいましたので、
気付いたことを少し書いてみたいと思います。

米流時評等で見られるような写真の光景は 
目にはしましたが、ごく一部にしか過ぎませんでした。
少なくとも 土曜の大統領の演説があるまでは、
街には人が溢れていました。
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土曜日は フリーダ・カーロ美術館の近くにあるフリーマーケットに
道すがら立ち寄りましたが、ものすごい賑わいで、
マスクをしている者は 私たちのような観光客に限られているようでした。
<途中キレ>……の意識から引き起こされるのかなという感じです。

私の目には、多くの地元の人たちが
インフルエンザのことなど 意に介していないように映りました。
ま、どこに行ってもマスクは売り切れで 手に入らない
という理由もあったのでしょうが。
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また、フェスティバルのボランティアの連中と話した所、
マスクをするなんて大げさなことは 
パニックを煽るようなもので、着けたくないという者や、
政府が嘘をついて国民を制御しようとしているんだ
というような 過激な発言もありました。

まあでも、何十人もいるスタッフのほとんどが
マスクを付けていなかったのは どうなんでしょうかね。

自分たちの街が ウィルスに冒されつつあるという事実を
受け入れたくないという感じが
ひしひしと伝わって来るようでした。
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26日の深夜に米国へ帰国しましたが、
入国時に何のチェックもなかったのには驚きでした。
本当に何もありませんでした。
自国で死者が出ていないから 入国審査官たちもあまり実感がないのでしょう。

というわけで 私はいろいろとチェックされることもなく
煩わしいことがなかったのですが
良かったのか悪かったのか 戸惑いを隠しきれません。
結局パンデミックはこういう人々………


(コメントはここまでで、このあと中断になってました。
 携帯のバッテリーでも切れたのでしょうか、残念!)
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【ここから『米流時評』あとがき】


今日の段階では、WHOはパンデミック警戒水準を
フェーズ5へ上げる体制を準備中と報道され、
わずか2日でグレードアップするからには、
やはり蔓延状況は避けられないからという理由のようです。

発病者はすでに病院に隔離されているわけだから、
むしろフリーに徘徊している保菌者のスクリーニングの方が
大事ではないかと思えるのですが、
当然と言うか従来通りと言うか、確定した数字が把握できていない。

今回諸々の情報を調べていて驚いたのは、
天下のWHOのウェブサイトのなんとお粗末なこと!

▼ 社団法人 日本WHO協会 豚インフルエンザのページ
http://www.japan-who.or.jp/2009/04/post-12.html
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そのへんの幼稚園でも、もう少し情報量のあるホームページになってるのでは?
と唖然とするほどの「サービス精神の欠如」を感じます。
サイトでの記述はこれだけ。あとはお問い合わせの電話で……という不親切。

「大変だ、知らせよう!」という意気込みが微塵も感じられない、
ティピカルなお役所仕事的サイト。
ネット情報のユニバーサルな伝播力を理解していない。

これも事務局長マーガレット・チャンのチャイニーズカラー?(ケチ)
外国語のページへのリンクが、英語をさしおいて
アラビア語と中国語が先行しているのも気になる。

むしろ、専門家ではないブロガー諸氏が、海外の情報サイトからの翻訳紹介や、
独自の情報のまとめを仕上げていて、さすがだなと感心させられました。
あちこちで勉強させていただきましたが、その中でも非常に詳しく、
また判りやすく総括してあった ブログ『想月』をご紹介します。

「疫病の季節」と銘打ったこの一連のエントリを読めば、
スーパーフルーのパンデミックというものが ある程度理解できて、
必要以上のパニックに陥らず 平静心が保てると思いますので、
推薦する次第です。d0123476_1023580.jpg

【米国時間2009年4月27日『米流時評』ysbee 】

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d0123476_18521168.jpg 『想月』1/24号 〜「疫病の季節」
 (2008/07/12エントリ再掲)
 疫病の季節1 ~新型インフルエンザとは
 疫病の季節2 ~パンデミックの被害
 疫病の季節3 ~その時どいうことが起こるのか
 疫病の季節4 ~パンデミックを封じる
 疫病の季節5 ~厄災の時代を生きる

◀ 次号「プレ・パンデミック秒読みの限りない憂鬱」
▶ 前号「マスクな日々・豚ウィルス 世界の水際防衛作戦」

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by ysbee-2 | 2009-04-27 19:33 | パンデミック

マスクな日々・豚インフル 世界の水際防衛最前線

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   ||| パンデミック・世界の熱い反応 |||

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豚インフルに世界各国で水際防衛作戦、パンデミックとパニックを防止する施策へ
米国東西5州・カナダ東部・ニュージーランドでも発症例報告、現在まで死者ゼロ


d0123476_3532373.jpgメキシコから上がって来る写真が、どれもこれも猫も杓子も、赤ん坊も機動隊も皆マスクをかけていたので、今日のエントリのタイトルはおふざけでなく「マスクな日々」。何となく鬱々としたやり切れなさ……みたいな市民の憤懣が漂っていたせいですが、そもそもの発生にマスクがかかっていた疑惑もあるからです。

しかし今回のウィルスの形態は、実に不気味ですね。私は典型的文系ニンゲンで、細菌学者とはもっとも遠い立ち位置にいるはずなのですが、この写真ばかりは素人でもその不気味さが印象に残る代物。WHOを始め、天下の細菌学の権威CDCの連中までが「never-before-seen virus=いまだかつて見たことのない新型ウィルス」と騒ぐのも無理のない、不定形というかフリーフォームというか、不可解を絵に描いたような形態でお目見えしました。(前エントリーの第6節の写真)
>> 4/24号「メキシコでパンデミック!豚インフルエンザで68名死亡」
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ただ、テレビの現地からのレポートで話をよく聴くと、メキシコで死者が多いのは、患者がぎりぎりの土壇場になってから担ぎ込まれたというパターンがほとんどだからだそうで、くしゃみをしただけで主治医の予約を取るアメリカ人は、発病例は20人あってもみな軽度で回復したという結果が出ています。やはり何はともあれ、かかったかな?と思ったらすぐに病院へ直行することですね。

それにしても今回の豚インフル流行は、やはり陰謀論の主流でもあるパンデミックの筋書き通り、(1)人口過密の大都市がエピセンター(震源地)で、(2)極めて短い期間(数日から1週間)に、(3)原因不明の高熱で急死し、(4)感染経路はエアボーン=空気感染で、(5)動物とヒトとの種の見境なく感染する……と、ここまでプロットが整っているので、これは人為的な細菌テロでタミフルやリレンザなどの医薬品メーカーのマッチポンプでは?という説も、ブログ界のあちこちに上がってきています。
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しかし、まず第一に 予防 > 原因解明 > 治療・予防薬の開発 と、最優先事項を片付けていくことが一番大事でしょう。それと同時に、もちろんWHOやCDCの上部組織と医薬品メーカーとの癒着がないかどうかも、疑惑の顕微鏡でぜひとも解明する必要がありますね。
まずは亡くなった方々のご冥福を祈るとともに、一過性の災難で済ませずに根本的な対処法・治療薬が開発され、こうしたパニックが再発しないことを望みます。

【米国時間2009年4月26日『米流時評』ysbee 】

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APRIL 26, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年4月26日号
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  A s s o c i a t e d P r e s s | B R E A K I N G
エピセンター・メキシコシティの豚インフルに、世界各国で水際防衛戦開始
米国時間2009年4月26日午後8時30分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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Global Race Is on to Contain Swine Flu Outbreak
U.S. declares state of emergency as 20 cases confirmed; 86 dead in Mexico
APRIL 26, 2009, 8:30 PM | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee

1. Avoiding global pandemic and hysteria
WASHINGTON — The world’s governments raced to avoid both a pandemic and global hysteria Sunday as more possible swine flu cases surfaced from Canada to New Zealand and the United States declared a public health emergency. “It’s not a time to panic,” the White House said.
各国でパンデミックとパニックの防止対策
ワシントン発 | カナダ、ニュージーランド、米国で浮上してきた豚インフルエンザの症例報告で、日曜にもかかわらず世界各国政府はみな、この新しい伝染病の蔓延と、グローバルなパニックとの両方を避けようと必死である。
特に米国では、オバマ政権のジャネット・ナポリターノ国土安全保障長官が「Public Health Emergency=公共衛生の非常事態」を宣言したが、ホワイトハウスではオバマ大統領自ら「パニックにおちいる時ではない」と警告し、落ち着いて各州責任者の指導に従うよう促した。
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メキシコシティでは人口2千万人に対しすでに4百万個のマスクを配布 保健要員だけでは足りないので軍隊が出動

2. Declaration of 'Public Health Emergency'

The U.S. declared the health emergency so it could ship roughly 12 million doses of flu-fighting medications from a federal stockpile to states in case they eventually need them — although, with 20 confirmed cases in 5 states recovering easily, they don’t appear to for now.
米国全土に「公共衛生非常事態宣言」発令
国土安全保障局が「Public Health Emergency=公共衛生非常事態」を発令したのは、連邦政府の備蓄しているおよそ1200万人分のフルー対策の治療薬を、非常事態の実行条項として発症例の出た州へ、緊急時の要求対応として発送できるからである。もっとも、全米で5つの州で発病が確認されたものの、いずれの罹患者も順調に回復し、現時点では健全な体調に戻ったようである。
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26日日曜5つの州で20の症例報告とニューヨークの私立高校で数十人の陽性反応を確認したため、全米に「公衆衛生非常事態宣言」を発令したオバマ政権の国土安全保障長官ジャネット・ナポリターノ。彼女の右に控えるのは、CDC米国疾病管理予防局のリチャード・ベッサー長官で、豚インフルの感染経路はやはりメキシコシティからと発表。

3. U.S.: 20 confirmed in 5 states but recovered

Eight students from St. Francis Preparatory High School in New York are among those who fell ill in five states, including New York, Ohio, California, Texas and Kansas. Patients have ranged in age from 7 to 54. Dr. Richard Besser, acting chief of the CDC, said he still can't say why cases in U.S. are so much milder than the deadly cases in Mexico.
米国5州で20人発病、すでに全員回復
米国での豚フルー発病報告は、ニューヨーク、オハイオ、カリフォルニア、テキサス、カンザスの5州から上がってきており、その中にはニューヨーク市クィーンズ地区のセント・フランシス私立ミッションスクールの生徒8人も含まれる。これら20人の患者の年齢は7才から54才まで多岐にわたっている。
CDC疾病管理予防局のリチャード・ベッサー長官は、メキシコでの死亡例と比べて、なぜ米国の場合は通常のインフルエンザ並みのごく軽い症状で済んでいるのか、理由を説明できないと当惑を隠しきれない様子である。
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豚インフルの罹患者が出たニューヨーク市クィーンズ地区の聖フランシススクールで、校舎全体を消毒して回る清掃員

4. World Bank to send $25 million to Mexico

Since April 13 in Mexico, the disease has killed up to 86 people and likely sickened nearly 1,400. The World Bank said it would send Mexico $25 million in loans for immediate aid and $180 million in long-term assistance to address the outbreak, along with advice on how other nations have dealt with similar crises.
メキシコほかへ世銀の危機融資200億円
発生地のメキシコでは、最初に症例の発見された4月の13日以来 豚インフルエンザ(Swine Flu/スワイン・フルー)が原因による死者は86人にのぼり、罹患者は1400人に近い。こうした状況を鑑みて、世界銀行では緊急支援金として2500万ドル(約24億円)の借款を送る予定と発表。さらに長期的な伝染病対策および各国の同様な危機対策費用への援助として、さらに1億8千万ドル(約174億円)を用意することを明らかにした。

[注:米国時間で27日月曜夕方のニュースでは、米国の罹患者が50名。メキシコでは死者が149名と急増し、罹患者も2千名以上に増えています]

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25日土曜、ロスピノスの大統領官邸で、カルデロン政権閣僚の記者会見に集まった取材陣も、みなマスクを着用

5. WHO to consider raising pandemic threat level

The World Health Organization and the U.S. were following a playbook of precautions developed over the past five years to prepare for the next super-flu. The WHO on Saturday asked all countries to step up detection of this strain of A/H1N1 swine flu and will reconsider on Tuesday whether to raise the pandemic threat level, in turn triggering additional actions.
パンデミックフェーズの引き上げも検討
WHO世界保健機構と米国政府は、予測される「スーパーフルー」の蔓延に備えて、過去5年間にわたって「Playbook of Precautions for Pandemic/パンデミック対策の実施要項」にしたがって、世界的に広がる心配のある伝染病が発生した場合の想定演習を行なってきた。
米国時間で25日土曜の段階で、WHOはこの基本方針に従い加盟諸国全政府に対し「swine flu/スワイン・フルー=豚インフルエンザ」のA-H1N1型ウィルスが発見された場合には、すみやかにWHO本部へ報告するようにという通達を出した。
さらに厳しい隔離体制を実行できるようにするため、28日火曜には「pandemic threat level=パンデミック警告水準」のフェーズを引き上げるかどうかを検討中である。

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今月7日のワールドヘルスデーで講演する、WHO世界保健機構のマーガレット・チャン事務局長

6. New strain treatable with Tamiflu, Relenza

A potential pandemic virus is defined, among other things, as a novel strain that's not easily treated. This new strain can be treated with Tamiflu and Relenza, but not two older flu drugs. Also, the WHO wants to know if it's easily spread from one person to a second who then spreads it again — something U.S. officials suspect and are investigating.
タミフルとリレンザ投与で対応
パンデミックウィルスの定義の中でももっとも際立った特徴は、簡単には治療法が解明できない、まったく新種の細菌であると言う点である。この新種のウィルスは、タミフルとリレンザで治療可能だが、既存のインフルエンザ治療薬では効果がない。
またWHOが知りたがっている事実は、このウィルスがヒトからヒトへと簡単に伝染する性質の細菌であるかどうか、という点である。もしそうであれば、このスーパーフルーは、人口過密地域ではあっという間に蔓延してしまうからである。この仮説はすでに米国の担当官が想定して、実地検証している最中である。

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4/25土曜メキシコと米国の国境に近いティファナ空港の搭乗ゲートで、豚インフルの検疫問診を受けるツーリスト

7. Asian nations to quarantine feverish travelers

Countries across Asia promised to quarantine feverish travelers returning from flu-affected areas. "Right now we have cases occurring in a couple of different countries and in multiple locations, but we also know that in the modern world that cases can simply move around from single locations and not really become established," cautioned WHO flu chief Dr. Keiji Fukuda.
アジア各国:熱のある帰国者は隔離へ
今回のパンデミックの怖れのある状況に対処して、アジア各国ではフルーの発生した地域から帰国してきた旅行者で熱のある者は、空港の検疫段階ですぐに隔離するよう約束した。
「現時点ではメキシコと米国の数カ所の土地で発生した段階にすぎませんが、ジェットで地球上のどこへでも数時間でアクセスできる時代ですから、細菌保有者は特定地域に固定できません。」
WHOの福田敬二事務局長補代理は、グローバルな社会状況の実態を警告し、こう注意を促した。
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メキシコシティでも自衛の検疫体制 ホテル入口でゲストの体温を測る市の保健所員 40度以上の高熱が目安

8. Attention focused on returned tourists

字数制限のため英文省略
警戒の対象はエピセンターからの帰国者

世界中の国が、今や疑惑の土地から帰国する旅行者に対して、厳しい検疫の焦点を当てている。
「メキシコでうつされ、帰国してから周囲に広まったようです」
カナダの北東部ノーヴァ・スコシア州の公衆衛生局長を勤めるロバート・ストラング医学博士は、
メキシコシティへの旅行から帰国後、カナダで最初の罹患者となった4人の学生についてこう説明した。ニューヨーク市のミッションスクールでも8人の学生の発病が確認されたため、月曜と火曜の2日間休校となった。
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左:ゴーストタウンと化したメキシコシティ /右:カナダのノーヴァ・スコシアでは帰国した4人の学生が発病

9. 13 students in New Zealand

New Zealand said 13 students who took a school trip to Mexico “likely” had swine flu. Spanish authorities had seven suspected cases under observation. China, Russia and Taiwan began planning to quarantine travelers arriving from flu-affected areas if they have symptoms. Italy, Poland and Venezuela advised citizens to postpone travel to affected parts of Mexico and the U.S.
ニュージーランドの学生13人も
さらにニュージーランドでも、メキシコへの旅行から帰国したグループの学生13名が、豚フルー「らしい」症状を示していると言う。一方スペインの保健衛生当局からも、伝染病の疑いのある患者7名を隔離監督していると発表があった。

このほか中国、ロシア、台湾では、豚フルーに汚染された地域から到着した旅行者で該当する症状を呈する者は、空港で緊急隔離する予定である。イタリー、ポーランド、ベネズェラでも、メキシコや米国の伝染地区への旅行は一時見合わせるよう、市民に勧告している。
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エアライン搭乗前に書き込む問診票では、熱やせき、鼻水、下痢の有無など基本的特徴をチェック

10. U.S. screening travelers at the borders

字数制限のため英文省略
国境の検疫で厳しくチェックする米国

米国ではメキシコへの旅行者に対して、まだこれといったアドバイスは下していないが、逗留先では頻繁に手を洗うようにといった衛生注意事項を呼びかけ、メキシコから到着したツーリストに対しては、インフルエンザの症状がないかどうか検疫の質問を開始した。また、メキシコとの国境を陸路クルマで往来する者のスクリーニングもスタートし、インフルエンザと疑わしい症状を呈している人物はすぐに隔離する方針を通達した。
日曜の記者会見で、ナポリターノ国土安全保障長官は今後ステップアップが予測される危機対処法の展開について、次のように明らかにした。「現状ではまだ旅行制限こそ発令していませんが、その条件はすぐに施行へと変更になるでしょう。」
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25日土曜メキシコと米国の国境に近いティファナ空港の搭乗ゲートで、豚インフルの検疫問診を受けるツーリスト

11. Handing informative 'yellow cards' at airports

字数制限のため英文省略
「イエローカード」の警告書を空港で配布

CDC伝染病予防管理センターの担当者は、日曜の段階で病気の各段階での症状や豚フルーのウィルスに感染する機会をできるだけ避ける方法を列記した「イエローカード」なる注意書きのチラシをツーリストを対象に空港で配布する予定だと公表した。
健康管理部門のスタッフは「発生状況がまだパンデミックとは言えない状況であるため、メキシコから帰国した旅行者に対して強制的な検疫や隔離はまだできないが、状況が悪化すれば検疫体制もすぐに強化する」とも語った。
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メキシコシティの市内各所に急設された「緊急ヘルスステーション」で、市民は情報提供と無料診断を受けられる

12. Not yet a global pandemic

字数制限のため英文省略
まだ「グローバルパンデミック」ではないが……

しかし、勘違いは禁物。状況はグローバル・パンデミック(世界的蔓延)ではない……少なくともこれまでの段階では、だが。
(まだ発病はしていなくても)このウィルスの保菌者がいったい何人いるのか? あるいはなぜメキシコ以外の患者は病状が軽くて済んでいるのか? こういった疑問がまだ解明されていない。
また、万一このまったく新しいウィルスが容易に蔓延して、グローバルな危機として歴史の1ページに記されるエポックメーキングな大事に発展するかどうかも、さだかではないのが現状だ。
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抵抗力の弱い子供やお年寄りの犠牲者が少なく、逆に健康な青年・壮年に多い犠牲者の謎

13. Impossible to contain within borders

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水際防衛は不可能に近い

しかしだからと言って、パンデミックが現実の状況となって宣言されるまで、手をこまねいて細菌からの防衛手段をとらなければ、手遅れになるのは目に見えている。CDCのアン・シューチャット担当官は、蔓延は一カ所に抑えきれないことを強調して、次のように警告した。
「我々がどんなに防止に努めたところで、この伝染病は国境で押しとどめられるような代物ではありません。しかし出来る限り全力を尽くせば、国民の健康を脅かす衝撃をある程度制限でき、伝染のスピードをスローに緩和することはできると、我々は信じています。蔓延のスピードを抑えられれば、国民の健康な生活への大きな貢献となるでしょう。」

【 米国時間 2009年4月26日 『米流時評』ysbee訳 】
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普段は人混みでごった返すメキシコシティ中央の広場周辺が、感染を怖れて人影もまばら

< 次号「メキシコシティ帰還レポート・ガダルペの蒼い空、青いマスク」へ続く
>前号「メキシコでパンデミック!豚インフルエンザで68名死亡」

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by ysbee-2 | 2009-04-26 22:36 | パンデミック

メキシコでパンデミック!豚インフルエンザで68名死亡

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  ||| メキシカン・パンデミックフルー |||

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 メキシコで豚インフルパンデミック!正体不明新型ウィルスですでに68名死亡
 国境を越え米国西部にも、カリフォルニア州南部・テキサス州でも 感染例報告


d0123476_3532373.jpgこれは映画の筋書きではない。『28 Days Later』や 90年代の『Outbreak』で描かれたような、伝染力の強力な未知のウィルスによる伝染病の蔓延。今回の発生はメキシコシティで、わずか1週間ほどで罹患者1000人以上。しかも怖いのは、すでに死者が68名も出ていることである。

Fatal Flu=致死性の流感と言えば、古くは前世紀初めに『スペイン風邪』が猛威をふるい、米国だけで60万人、全世界では4千万人以上という前代未聞の死者を出した忌まわしい歴史がある。当時の世界人口を考慮すれば、大戦の犠牲者をはるかに上回る甚大な脅威だったろうと察せられる。
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米国の公共放送テレビ PBSの『アメリカン・エクスペリエンス』は、毎回米国の歴史のエポックメーキングな史実や社会現象にスポットライトを当て、その背景から歴史的資料、体験者へのインタビューまでも交えて解説してくれる、極めてすぐれたドキュメンタリー番組である。

スペイン風邪については、私も以前にこの番組で観ていたので、その被害の甚大さは戦争以上だ、という説も納得できた。オバマ政権でも今後テロリスト対策の一環として「バイオ・テロリズム」を予防阻止する研究に予算を割くと、つい最近発表していたばかりである。
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私もそのうち「オバマの100日戦争」特集が済んだあたりに、バイオ・テロリズムを取り扱おうと思っていた矢先の、今回のパンデミックフルーである。メキシコだけでなく、サンディエゴやサンアントニオでも発生したようだ。オバマにとっては、一難去ってまた一難………ともかく、西海岸在住の方、またメキシコやウェストコーストへお出かけの方々は、くれぐれもご注意を!

【米国時間2009年4月24日『米流時評』ysbee】

d0123476_16503442.jpgPBSドキュメンタリー番組
『American Experience』〜「Influenza 1918」

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APRIL 24, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年4月24日号
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  A s s o c i a t e d P r e s s | B R E A K I N G
メキシコでパンデミックフルー発生! 正体不明の新型ウィルスで68名死亡
米国時間2009年4月24日午後11時38分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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最悪の場合の一般市民のパニックを想定して、市内の警護に出かける警察の特別部隊もマスクでウィルスを防備
Health Chief: Swine Flu Has 'Pandemic Potential'
Never-before-seen mixture of swine, human and avian viruses kills up to 68
APRIL 24, 2009 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee

1. 'Pandemic potential' in Mexico City
MEXICO CITY — A new swine flu strain that has killed as many as 68 people and sickened more than 1,000 across Mexico has “pandemic potential,” the World Health Organization chief said Saturday, and it may be too late to contain the sudden outbreak.
メキシコシティに「パンデミック」の可能性
メキシコシティ発 | メキシコでは24日現在、1千名以上が罹患し68名以上の死者を出した新型ウィルスの豚インフルエンザの発生で「パンデミック=伝染病蔓延」の可能性がある、とWHO 世界保険機構の事務局長から25日発表された。しかしすでにインフルエンザの猛威は、国境を越えて米国にまで広まっており、突発した伝染病を隔離するにはすでに手遅れの段階とも言える。
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メキシコシティの人口は東京広域圏と同程度の2千万人 蔓延すれば取り返しのつかない悪夢のパンデミックとなる

2. 24 cases reported in California, Texas

The disease has already reached Texas and California, and with 24 new suspected cases reported Saturday in Mexico City alone, though there have been no deaths north of the border, puzzling experts at the U.S. Centers for Disease Control and Prevention. CDC noted there had been no direct contact between the cases in the San Diego and San Antonio areas.
カリフォルニア州南部・テキサス州でも発症例
今回の伝染病はすでにテキサス州とカリフォルニア州でも発生が報告されており、メキシコシティだけでも土曜に入ってからさらに24名の新しい患者が報告された。しかし国境の北側の米国では、死亡例は報告されておらず、またカリフォルニア州サンディエゴ市広域自治体とテキサス州サンアントニオ市広域自治体の症例には相互に感染ルートのつながりがまったくなく、CDC 米国伝染病管理局の専門家達は、発生の原因について首をかしげている。
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テキサス州ダラス広域自治体保健センターのホワイトボードに記された「Swine Flu=豚インフル」の発症例報告

3. All schools, public events closed

Schools were closed and all public events suspended in the capital until further notice — including more than 500 concerts and other gatherings in the metropolis of 20 million. Soldiers and health workers handed out masks at subway stops, and hospitals dealt with crowds of people seeking help.
首都圏一円の学校休校・イベント延期
メキシコの首都一円では、状況が鎮静するまで学校が休校となり公式のイベントも延期となった。その中には、人口2千万人の首都で開催予定だった、総計500以上のコンサートや各種イベントが含まれている。首都のあちこちでは、地下鉄の出口で兵士や保健局の職員が乗降客にマスクを手渡し、病院では診断やワクチン接種のために訪れた市民をさばくのに大わらわである。
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メキシコらしい名前の新聞「インパクト」紙のタイトルには「テロル:ワクチンの効かない恐怖」と書かれている

4. 'Pandemic potential by never-before-seen virus'

A hot line fielded 2,366 calls in its first hours from frightened city residents who suspected they might have the disease. The World Health Organization’s director-general, Margaret Chan, said the outbreak of the never-before-seen virus is a very serious situation and has “pandemic potential.”
「前代未聞のウィルスによるパンデミックの可能性」
メキシコシティの市の保健局が設置したホットラインには、回線をオープンしてからわずか1〜2時間の間に、この伝染病にかかったのではないかという恐怖に駆られた市民からの問合せの電話が2,366件もあった。
WHO世界保険機構のマーガレット・チャン事務局長は、今回の「never-before-seen virus=いまだかつて見たことのない新型ウィルス」による伝染病発生は「very serious situation=きわめて深刻な状況」であり「pandemic potential=爆発的に蔓延する可能性」があると警告を発した。
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左:CDC米国伝染病管理局のウィルス分析スペシャリスト /右:メキシコシティの総合病院で診断の番を待つ行列

5. 'situation is evolving quickly'

But she said it is still too early to tell if it would become a pandemic. "The situation is evolving quickly," Chan said in a telephone news conference in Geneva. "A new disease is by definition poorly understood," Chan cautioned. Spokesman Gregory Hartl said a decision would not be made Saturday.
WHO「急速に蔓延している」
しかしチャン事務局長は、ジュネーブのWHO本部からの電話会議を介しての記者会見で「このウィルス伝染が『パンデミック』になるかどうか断言するには、まだ時期尚早です」とも発言した。「状況は急激に展開している上、新型の伝染病を定義づけるにはあまりにも不可解な部分がありますから」と事務局長は警告した。また、WHOのグレゴリー・ハートル広報官からも「WHOの伝染病認定は25日土曜の段階でもむずかしい」と伝えられた。
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WHO 世界保健機構のマーガレット・チャン事務局長 今月7日のワールドヘルスデーの講演では鼻風邪だったが…

6. Virus: a mix of 'bird–pig–human' strains

This virus is a mix of human, pig and bird strains that prompted WHO to meet Saturday to consider declaring an international public health emergency — a step that could lead to travel advisories, trade restrictions and border closures. Scientists have warned for years about the potential for a pandemic from viruses that mix genetic material from humans and animals.
鳥 <–> 豚 <–> ヒト 媒体の感染経路
このウィルスは、人間・豚・鳥の種の区別なく伝染する、まったく新しいタイプの未知のウィルスであるため、WHOでは25日土曜に緊急会議を開き、国際的な公衆衛生の緊急事態として警告を発令するかどうか決定する予定である。このステップを踏めば、世界各国の旅行者への注意勧告から特定の国際貿易の制限、ひいては国境閉鎖まで、諸々の段階の警戒体制へ進展する事態となる。
細菌学研究の科学者は、これまでにも数年にわたって、ヒトと動物との種の壁を越えて感染する全く新しいタイプの「スーパージェネティック・ウィルス」が出現する可能性を警告してきていた。

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これまでのパターンでは考えられない鳥>豚>ヒト>ヒトと空気感染する、SF映画に出てくるようなウィルスの出現

7. Pandemic from mixed genetic viruses

The CDC report suggests the virus had already spread from one geographic area through other undiagnosed people. Another reason to worry is that authorities said the dead so far don't include vulnerable infants and elderly. The Spanish flu pandemic, which killed at least 40 million people worldwide in 1918-19, also first struck otherwise healthy young adults.
スーパージェネティック・ウィルス蔓延の悪夢
CDC米国伝染病管理局の報告では、このウィルスは特定の発生地域から患者に認定されていない人々を介して、すでに広汎に広がっているものと推測している。
もうひとつ懸念すべき理由は、罹患して死亡した患者には、本来であれば伝染病に弱いはずの子供やお年寄りが含まれていない事実である。1918〜1919年に世界中に蔓延し4千万人という前代未聞の死者を出した「スペイン風邪」のパンデミックでも同様に、最初に罹患したのは健康な若者ばかりだった、という謎が残っている。(他のメディアでは、予防ワクチン接種の有無が罹患の明暗を分けたのでは?という仮説を唱える学者もいた)
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市民に配布するマスクを運ぶ、メキシコ政府軍の兵士 首都メキシコシティはほとんど非常事態に近い体制

8. Similar symptoms with regular flu

This swine flu and regular flu can have similar symptoms — mostly fever, cough and sore throat, though some of the U.S. victims who recovered also experienced vomiting and diarrhea. The CDC and Canadian health officials were studying samples sent from Mexico. But unlike with regular flu, humans don’t have natural immunity to a virus that includes animal genes.
初期症状は通常の流感と同じ
今回発生した豚インフルエンザは、発病当初はほとんどの患者に共通して、高熱が出て喉に痛みを覚えるという、通常の流感とそっくりな症状をともなっている。ただし米国の患者の場合、こうした症状にさらに嘔吐や下痢が続いた。
米国のCDCとカナダの保健省では、それぞれメキシコからウィルスのサンプルを送ってもらい、専門家が分析解明する予定である。しかしながら、通常のインフルエンザとちがって、他の動物のかかる伝染病のウィルスに対する抵抗力は、当然ながら人間の生体は持ち合わせていない。
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メキシコシティの健康保健センターで、保健婦さんから豚インフルエンザに対抗する健康指導を受ける市民

9. 68 death reports in Mexico alone

Unfortunately, new vaccines can take months to bring into use. Already, more than 1,000 people have been infected in as many as 14 of Mexico’s 32 states, according to daily newspaper El Universal. Tests show 20 people have died of the swine flu, and 48 other deaths were probably due to the same strain. But CDC officials dismissed the idea of trying that in the United States.
メキシコだけで68の死亡例
さらに悪いことには、ウィルス自体が未知のタイプであるためワクチンの開発製造が困難で、このウィルスに対応する新しいワクチンが実用化されるまでには、数ヶ月を要すると見られている。

メキシコの日刊紙『エル・ウニベルサル』の報道によると、メキシコではすでに全32州のうち14州に豚インフルエンザが広まっており、少なくとも1千名以上の罹患者を数える状態である。臨床検査ではすでに20名の死者からこの新型ウィルスが発見され、その他の48名の死者も(検査中であるが)多分同じ病因によるものと見られている。
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メキシコシティの病院前で息子を失った家族を慰める親戚 抵抗力があるはずの頑強な若者がかかり死亡する不思議

10. Airports screening passengers from Mexico

Experts at the WHO and the U.S. Centers for Disease Control and Prevention say the nature of this outbreak may make containment impossible, it’s too late to try to contain spread of the virus. Though airports around the world were screening passengers from Mexico for symptoms of the new flu strain, saying they may quarantine passengers.
メキシコからの乗客を空港でチェック
WHOとCDC米国伝染病管理予防研究所の細菌学者は「種の壁を越えたウィルスの空気感染による発病」というこれまでに類を見ない蔓延の特徴からしても「予防は不可能に近く、患者を隔離してウィルスの蔓延を防ごうと現段階で試みるにはすでに遅過ぎる」と本音をもらした。

しかしながら、世界中の空港ではメキシコからの旅行客に対して検疫を行ない、新型豚インフルの症状が見られた場合には、その乗客を罹患疑惑者で隔離するかもしれないと警告した。>> 続く

【 米国時間 2009年4月24日 『米流時評』ysbee訳 】
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ツーリストもマスクでフルー対策 マスクに付着したウィルスのお持ち帰りのないように、空港での検疫は充分に!
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by ysbee-2 | 2009-04-24 16:48 | パンデミック

アメリカン エミスフェール・米半球が微笑んだサミット

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  ||| アメリカン エミスフェール 第2章 |||

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 旧来の関係を破るオバマの動きに希望的観測を抱いた、米州機構サミットの成果
 国交回復を視野に入れるキューバ、大使派遣のベネズェラが、米国外交の焦点に


d0123476_3532373.jpg【前号まえ書きからの続き】 よく、オバマは饒舌な詭弁家に過ぎない、と彼の資質をおとしめて評価する連中がいる。しかし、オバマの真価をわかっている国民は(いつでも国民全体の3分の2だが)そうした誹謗を微塵も意に介さない。なぜなら、アメリカという国の体質そのものが、健全で建設的な方向へ変わって行っている実感を、日々痛感しているからだ。

さらに最近しばしば驚かされるのは、あのミーイズムの独善主義の権化と思われていたアメリカ人が、どうも変わってきているようなのである。余分なお金と時間があるなら、社会奉仕へ差し出そう、という利他主義への変化である。これは、オバマの出現以前から、少しずつ米国社会の吹きだまりで起きてきた現象である。
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きっかけは他のすべての社会現象と同じく、9/11だろう。「外部からの攻撃や脅威」のない生活がどれだけ貴重なものであるかを痛感し、人種はさまざまでもひとつの国の旗の元に集まった民衆として同じ痛みを分ち合うことを自然に学んだ7年半前の秋。そしてその3年後の04年のカトリナ。

アメリカ人は世界で最も豊かな国だと思い込んでいた自分の国が、いつのまにかテロや天災にもろくも屈してしまうバナナリパブリックと大差のない脆弱な国に堕してしまった現実に愕然とした。テロ戦争でアフガン侵攻を始めた段階では、国民の8割がブッシュ政権の方針を支持していたが、カトリナでブッシュに対する信頼は崩れ落ちた。

共和党が転落の坂を転がり始めたのは、この時からだろう。ブッシュを2期当選させた保守派でさえ、国民不在の政策に疑問を抱き始めた。もちろん民主党支持者は、アフガン戦争を中途半端のまま、イラクへ踏み込んだ時点で反旗を翻した。
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こうした「反ブッシュ」の草の根の結束に押し上げられて、04年の大統領選でケリーがブッシュに惜敗した雪辱を晴らすかのように、06年の総選挙では民主党が各州で大量得点で大勝、会員の圧倒的過半数を獲得できた。

そしてこの上向きのベクトルが「アメリカを国民の手に取り戻そう」という、合衆国の初心に立ち直る政策を掲げたオバマというミスター・リバティを得て、ついにブッシュを傀儡の独裁者とするグローバルな軍産一体化の恐怖政治体制に、ピリオドを打つことができた。

ブッシュからオバマへの転換は、これまでの米国大統領制のどのバトンタッチよりも際立って対照的な、閉塞した暗黒時代から啓蒙された新しい時代への大きな方向転換である。
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就任してからわずか100日間。経済危機と2つの戦争という、これまでのどの大統領よりも困難な重荷を背負い、愚痴もこぼさず次々と審議し、解決案を示し、法案化して行くオバマ政権。

各地のコミュニティセンターや大学で、ひんぱんに行なわれる国民との直接対話集会。どんな質問にも真摯に、納得がいくまで説明するオバマ。また、その週に片付けた仕事の説明と次の週に取り組む課題を、先生が生徒に教えるように毎週土曜には国民に直接語りかけるオバマ。
今までこんなに熱心な大統領がいただろうか?   >> 次号の冒頭へ続く

【米国時間2009年4月20日『米流時評』ysbee】

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APRIL 20, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年4月20日号
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  A s s o c i a t e d P r e s s | B R E A K I N G
アメリカン エミスフェール 第2章 アメリカの半球が微笑んだサミット
米国時間 2009年4月20日午前0時30分 | AP通信・OASサミットレポート | 訳『米流時評』ysbee

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各国代表の入場に儀礼兵が国旗を掲げて先行 アルゼンチンのブルーの国旗が最初に入場

At Summit, Obama Gets Friendly with Neighbors
He reaches out to fiery leftist leader Chavez, offers new agenda for region
APRIL 20, 2009 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee

11. Chavez: Hoping for U.S.-Cuba ties
At a luncheon speech to fellow leaders, Chavez said the spirit of respect is encouraging and he proposed that Havana host the next summit. "I'm not going to speak for Cuba. It's not up to me.... (but) all of us here are friends of Cuba, and we hope the United States will be, too," Chavez said.
米国との友好的関係へ転換するチャベス
前号「アメリカの半球・失われた友情を求めて」からの続き
トリニダッドトバゴ・ポートオブスペイン |
翻訳中
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社会主義国家の同胞としてカストロと仲の良いベネズエラのチャベスは、見舞いもかねてしばしばキューバを訪問

12. Still critical against U.S. foreign policy

U.S. aides said that Chavez later spoke during a summit session on democratic governance; Obama chose not to speak. The White House said Chavez was civil in his criticism of the U.S. during a summit meeting, but that there was no discussion of reinstating ambassadors who were kicked out of each other's countries last year.
米国外交政策にはいまだ批判的
翻訳中
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米州機構サミットに出席する途上、メキシコを表敬訪問しカルデロン首相と親交を深めたオバマ

13. Chavez approached Clinton

"Relationships depend on more than smiles and handshakes," Obama economic adviser Larry Summers told reporters later. The State Department welcomed Chavez's outreach. Earlier today at the Summit of the Americas President Chavez approached Secretary of State Hillary Rodham Clinton.
クリントンにも接近したチャベス
翻訳中
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左:オバマ外交の最前線で世界各国を飛び回るクリントン長官/中:ボリビアのモラレス大統領/右:チャベス大統領

14. issue of returning ambassadors

They discussed returning ambassadors to their respective posts in Caracas and Washington," said State spokesman Robert Wood. "This is a positive development that will help advance U.S. interests, and the State Department will now work to further this shared goal."
両国大使の復活派遣を検討
翻訳中
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麻薬のメッカ、中米の親米政権コロンビアのウリベ首相と外交的会話を交わす、ヒラリー・クリントン国務長官

15. Bolivia President disagrees

Bolivia President Evo Morales, a close ally of Chavez, said Obama's pledge of a new era of mutual respect toward Latin America rings hollow. "Obama said three things: There are neither senior or junior partners. He said relations should be of mutual respect, and he spoke of change," Morales said. "In Bolivia ... one doesn't feel any change. The policy of conspiracy continues."
ボリビアのモラレス大統領「米国の陰謀は継続」
翻訳中
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左:アルゼンチンのクリスティナ・キルチネル大統領/右:エクアドルのラファエル・コレア大統領 共に親米派

16. Morales expelled U.S. ambassador

Morales expelled U.S. ambassador Philip Goldberg in September and kicked out the Drug Enforcement Administration the next month for allegedly conspiring with the political opposition to incite violence. Chavez expelled the U.S. ambassador in Venezuela in solidarity.
ブッシュ時代に米大使を国外追放したボリビア
翻訳中
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中南米と言えば、クーデタと革命のメッカ 会場周辺の警備も厳重を極め、事故もなく会期終了した。

17. Bush suspended trade to Bolivia

The Bush administration subsequently suspended trade preferences to Bolivia that Bolivian business leaders say could cost 20,000 jobs. But as the summit neared its close, Chavez said he soon expects to send an ambassador back to Washington. Obama administration officials didn't have an immediate comment on the announcement.
ボリビアに経済制裁で応酬したブッシュ
翻訳中
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18. Nicaragua's Ortega still in avenger
Obama also extended a hand to Nicaragua's Daniel Ortega, whom President Ronald Reagan spent years trying to drive from power. Ortega was ousted in 1990 elections that ended Nicaragua's civil war, but was returned to power by voters in 2006.
レーガン時代のしこりを残すニカラグア
翻訳中
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19. Ortega denounced U.S. 'imperialism'
Ortega stepped up and introduced himself to Obama, U.S. officials said. But a short time later, Ortega delivered a blistering 50-minute speech that denounced capitalism and U.S. imperialism as the root of much hemispheric mischief.
「帝国主義国家」と非難するオルテガ
翻訳中
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20. Laughter and applauseto Obama
The address even recalled the 1961 Bay of Pigs invasion of Cuba, though Ortega said the new U.S. president could not be held to account for that. "I'm grateful that President Ortega did not blame me for things that happened when I was three months old," Obama said, to laughter and applause from the other leaders.
オバマのジョークに笑いと拍手
翻訳中  >> 続く

【 米国時間 2009年4月20日 『米流時評』ysbee訳 】
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閉会式を前に加盟国代表全員がそろって記念写真撮影 ピンクの目立つ女性はアルゼンチンのキルチネル大統領
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by ysbee-2 | 2009-04-20 18:20 | オバマの時代

アメリカの半球・失われた友情を求めて

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  ||| アメリカン エミスフェール 第1章 |||

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オバマの目指すアメリカ半球の結束 鍵となるキューバとベネズエラとの外交回復
カナダからチリまで、南北アメリカ大陸の外交と経済の絆による再結束を目指して


d0123476_3532373.jpg<前号まえ書きからの続き> しかし、何と言っても今回のサミットでの米国最大の収穫は、キューバとベネズエラとの国交回復だろう。ケネディ大統領時代のキューバ危機/Cuban Crisis 以来半世紀近くにわたって鎖国状態だった両国。しかし、キューバに関しては、一昨年カストロが病床に伏して穏健派の弟ラウルに大統領権を相続してから、情勢はがらりと変わった。

社会主義の鉄の戒律を社会の隅々にまで徹底させたが、わずか100キロしか離れていない隣国のアメリカとは完璧な没交渉で、キューバは60年代からそのまま時が止まってしまったかのようだ。経済的な面だけをとりあげれば、時代の流れから忘れられた島として、波に取り残され固く閉じた貝のように、閉鎖的で頑迷な国として老いて行くかに見えた。
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しかし、それも昨年まで。特にオバマが新しい大統領に選出された11月以降は、米国のキューバに対する半世紀近い経済封鎖政策を解くチャンスが、ついに訪れるのでは、という憶測がすでに飛び交っていた。そうした希望的観測を裏付けるかのように、オバマはキューバへ外交特使を送った。

ラウル大統領との今後の歩み寄りを話し合う、米国政府からの使節団。彼らは、オバマがいつもどの国でも繰り返す基本的外交姿勢、「先ず相手の話を真摯に聴く」ことから始めたにちがいない。そうして踏み出したアメリカの第一歩。それは、経済封鎖を段階的に解くことから。それまで厳しい検閲を要していた「キューバへの旅行と送金の自由」を、先週13日月曜に許可すると発表した。

キューバ自由化の第一歩へ/U.S. to allow travel, money transfers to Cuba
Obama fulfilling campaign pledge to give relatives greater access

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OAS米州サミット初日の開会式直前に、初対面のオバマとチャベスが握手し歓談した場面は米国のトップニュースに


この政策の大転換ひとつをとっても、オバマは単純な理想主義者でも、夢想的リベラルでもない。ましてやネオコンの中傷するような社会主義指向とは、噴飯ものの解釈である。現実問題の摘出とその最短距離での解決方法を探し出す、実に堅実な実践主義者であることが見てとれる。この政策は、オバマが選挙運動中にキューバ出身者の米国市民から訴えられた要求に対する、最初の具体的解答である。約束は守る男なのだ。律儀なほどに。

これは他の立場の主張をもつ市民との公約を忘れずに、就任後ひとつひとつ、しかしすさまじいスピードで政策や法律として実現していっている、パワフルなオバマ行政の一環である。先々週の段階で、1月21日からオバマ政権が法制化に署名した法律や条例は、なんと2千を越えた。
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オバマがキューバに対する経済封鎖の緩和を発表した直後に行なわれたアンケート、国交回復を支持する割合が78%

米国民からすれば、ブッシュ政権によってこれまで8年間放置され続けてきた切実な要望を、一挙に成文化してくれた素晴らしい「最初の100日」となるだろう。
経済危機のどん底にいるはずのアメリカ人が、悲嘆に暮れることもなくやけに明るく生き生きしているのは、このオバマ行政の敷いた新しい世紀の「アメリカの礎石」に、根本的な安心と信頼を見出しているからに他ならない。  >> 次号の冒頭へ続く

【米国時間2009年4月19日『米流時評』ysbee】

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APRIL 19, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年4月19日号
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  A s s o c i a t e d P r e s s | B R E A K I N G
アメリカン・エミスフェール 前編 南北アメリカ大陸の外交と経済の絆を再結束
米国時間 2009年4月19日午後10時30分 | AP通信・OASサミットレポート | 訳『米流時評』ysbee

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第5回OAS米州サミットの会場となったトリニダードの首都ポートオブスペイン VIP参集とあって厳重な警戒体制

At Summit, Obama Gets Friendly with Neighbors
He reaches out to fiery leftist leader Chavez, offers new agenda for region
APRIL 19, 2009 | Associated Press — OAS Summit Report | Translation by ysbee

1. Make America's hemisphere friendly
PORT-OF-SPAIN, Trinidad — President Barack Obama offered a spirit of cooperation to America's hemispheric neighbors at a summit Saturday, listening to complaints about past U.S. meddling and even reaching out to Venezuela's leftist leader.
アメリカ半球が微笑んだサミット
前号「オバマミラクルの握手/お友だちになりたいチャベス」からの続き
トリニダッドトバゴ・ポートオブスペイン |第5回OASアメリカサミットは、トリニダッドトバゴの首都ポートオブスペインで18日土曜開幕した。米国のバラク・オバマ大統領は開会式の基調演説で、南北アメリカ大陸の半球から参集したサミット加盟各国へ相互協調精神をアピールし、中南米各国に対して米国が政治介入した過去の歴史に対する批判に耳を傾け、さらには左派のベネズエラ元首チャベス大統領に歩み寄る姿勢さえ見せた。
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オバマの参加する元首サミットや首脳会談では、どの写真も全員満面笑みを浮かべている オバママジックの成果?

2. Working to ease friction within hemisphere

While he worked to ease friction between the U.S. and their countries, Obama cautioned leaders at the Summit of the Americas to resist a temptation to blame all their problems on their behemoth neighbor to the north.
アメリカ半球の緊張を解く努力
オバマ大統領は、過去の紛争でわだかまりを築いたまま経過してきた、米国と他の中南米諸国との間の軋轢(あつれき)を緩和するよう努める姿勢を見せたが、その一方では、アメリカ機構サミットに出席した各国元首および外交団に向かって「自国の抱える問題の原因をすべて北の隣国である米国のせいにする安易な逃げの論理」に逃げ込まないようにと、注意を促した。
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どの会場でもオバマは注目の的 ブッシュ時代には無為無策だった米国の中南米外交政策に強力なてこが入れられた

3. 'Have to learn how we can work together'

"I have a lot to learn and I very much look forward to listening and figuring out how we can work together more effectively," Obama said. Obama said he was ready to accept Cuban President Raul Castro's proposal of talks on issues once off-limits for Cuba.
「どうやって協調できるか」学ぶ姿勢で
「私はこれからも学ぶべきことが山ほどあります。どうやったらわれわれが一緒に実りある方法で協調していけるのか、お互いの主張に耳を傾け解決策を見出せるよう前向きの姿勢で取り組みたいと思っています。」オバマ大統領は、中南米における新しいアメリカの立場をこう表明した。
またアメリカとキューバとの新しい関係については、これまで半世紀もの間敷かれてきたキューバに対する経済制裁に関して、ラウル・カストロ大統領から申し入れのあった直接会談を受け入れる用意がある、とも明らかにした。
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行く先々で行なう演説でその国民を魅了してしまうオバマ 今回も基調演説が感動を呼びスタンディングオベーション

4. Ready to accept Cuban proposal

The talk between two countries include the human wright issue — the political prisoners held by the communist government. While praising America's initial effort to thaw relations with Havana, the leaders pushed the U.S. to go further and lift the 47-year-old U.S. trade embargo against Cuba.
キューバとの国交回復も視野に
6月に予定されている米国とキューバ両国間の会談では、キューバの共産主義政府が収監したままの政治犯の人権問題に関しても話し合う予定であると伝えられた。サミット本会議に出席した各国代表は、キューバ政府との国交回復を図ろうと努める米国政府の基本的転換を賞賛し、さらに一歩進んで47年の長きにわたる米国のキューバに対する経済封鎖を解くよう、米国に促した。
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左:反米国家の旗手ベネズエラのチャベス/中:米国との国交回復を視野に入れるキューバのラウル・カストロ大統領

5. Promise on 'Hemispheric Growth Fund'

To Latin American nations reeling from a sudden plunge in exports, Obama promised a new hemispheric growth fund, an initiative to increase Caribbean security and a partnership to develop alternative energy sources and fight global warming.
「アメリカ半球 振興基金」の創設を約束
オバマはまた、ラテンアメリカ諸国に対して、今回の経済危機で各国の米国向けの輸出が急落している苦境から脱出する施策として「hemispheric growth fund=米半球振興基金」を新たに創設するほか、カリビア海周辺の治安警備強化、(太陽エネルギーや風力発電、エタノールなどの)代替エネルギーの資源と施設開発、地球温暖化問題への取り組みなどを推進することを約束した。
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米国・カナダを除いて、大部分の中南米国家は近代化途上の貧しい国が多い。ここでも南北格差の是正が問題に。

6. Chavez's handshakes and back-pats

As the first full day of meetings began on the two-island nation of Trinidad and Tobago Saturday, Obama exchanged handshakes and pats on the back with Venezuela's Hugo Chavez, who once likened Obama's predecessor, President George W. Bush, to the devil.
オバマとチャベスの握手の歴史的重み
トリニダード島とトバゴ島というふたつの島からなる中米の小国で開催された第5回アメリカ機構サミットは、18日土曜は丸一日本会議が開かれたが、開会式前の会場入口で、オバマはベネズエラのチャベス大統領と握手を交わし、チャベスの肩を叩くという一幕もあった。
中米の社会主義国家ベネズエラのウーゴ・チャベス大統領は、かつてイラク侵攻を強行したブッシュ大統領を国連本会議場で「悪魔」呼ばわりした経緯があり、強硬な反米派として知られていた。
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左:3月にベネズエラの首都へチャベスを表敬訪問した民主党のウィリアム・デラハント上院議員。この時点ですでに歩み寄りのプレ段階の協議がある程度なされ、元首会談のための地ならしができたのではないかと思われる。2月にはガザにケリー上院議員を送ったり、オバマはこういう議員を派遣しての二次的外交の根回しがうまいように見える。

7. Chavez gave a gift of book for Obama

In front of photographers, Chavez gave Obama a copy of "The Open Veins of Latin America: Five Centuries of the Pillage of a Continent," a book by Eduardo Galeano that chronicles U.S. and European economic and political interference in the region.
オバマにラテンアメリカの本をプレゼント
オバマとチャベスの初対面での握手の翌日にも、分科会での会議の席上でチャベスがオバマの席へ歩み寄り、一冊の本をプレゼントするというハプニングもあった。この本はガテマラのエデュアルド・ガレアーノが著した社会科学書『The Open Veins of Latin America: Five Centuries of the Pillage of a Continent』で、欧米諸国が中南米でいかに政治経済の覇権をおこなってきたかを解説したクロニクルである。
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国連総会の壇上でノーム・チョムスキーの著書を示し、ブッシュによるアメリカの覇権政策を批判したチャベス

8. 'Going to give him one of mine'

When a reporter asked Obama what he thought of the book, the president replied: "I thought it was one of Chavez's books. I was going to give him one of mine." White House advisers said they didn't know if Obama would read it or not.
「お返しに私の本をさし上げよう」
この会議を終えた後、取材記者のひとりがオバマに本についての感想をたずねると、大統領はこう答えた。「最初もらった時には、てっきりチャベスの書いた本だと思ったよ。お返しに私の本を一冊さしあげるつもりだ」
また大統領顧問たちは、オバマがこの(欧米の覇権主義糾弾の)本を読むつもりがあるかどうかはわからない、とも答えた。
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2日目の会議の始まる前にオバマの席へ歩み寄り、欧米の覇権に対する批判の書をプレゼントし握手するチャベス

9. Shake hands for three times

White House spokesman Robert Gibbs made a joke about it, noting the president doesn't speak or read Spanish. "I think it's in Spanish, so that might be a tad on the difficult side." Later, during a group photo, Obama reached behind several leaders at the summit to shake Chavez's hand for the third time. Obama summoned a translator and the two smiled and spoke briefly.
通算3度握手したチャベスとオバマ
ロバート・ギブス大統領広報官は、本のプレゼントに関していつものようにジョークを効かせた。「ご存知のように、大統領はスペイン語の読み書きができませんのでね。あの本は多分スペイン語で書かれていると思うんですが、それだったら不幸中の幸いで、たぶん耳の痛い批判の部分は大統領にはチンプンカンプンでしょう。」
しかし、当日の後段、閉会を前にした参加各国元首の記念写真の撮影の最中、後列にいたチャベスから握手を求められたオバマは、ほかの数人の元首の肩越しに3度目の握手を交わした。そのあともオバマは通訳を介して、チャベスと微笑みながら短い会話を交わすひとときを持った。
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OASサミットの記念撮影でもオバマに3度目の握手を求めるチャベス 何となくクラスの優等生とガキ大将の雰囲気

10. 'Intelligent man, compared to the previous'

Those two exchanges followed a brief grip-and-grin for cameras on Friday night when Obama greeted Chavez in Spanish. "I think it was a good moment," Chavez said about their initial encounter. "I think President Obama is an intelligent man, compared to the previous U.S. president."
感想「先代と比べて知的な大統領」
チャベスとオバマとの間で交わされたやりとりは、開会式直前にオバマがチャベスへスペイン語で挨拶した際に、取材陣のカメラの前でお互いに相好をくずして握手を交わした、前日金曜の夜にひき続く友好のハプニングとなった。最初の邂逅について、チャベスは取材陣に次のように感想をもらしている。
「とてもいいひとときだったよ。私が思うに、前の大統領(ブッシュ)と比べれば、オバマ大統領は知的なひとだね。」 >> 次号へ続く

【 米国時間 2009年4月19日 『米流時評』ysbee訳 】
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先代Wと比べたら誰でも知的に見える オバマの場合は最近レーガンやケネディと比較検討されるようになってきた
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by ysbee-2 | 2009-04-19 18:18 | オバマの時代

オバマミラクルの握手!お友だちになりたいチャベス

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  ||| オバマ マジックにかかったチャベス |||

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 第5回南北アメリカサミットで、オバマにひと目惚れのチャベス大統領の接近
 基調演説で感動したチャベス、ブッシュ時代の敵意を捨て、親米へ方向転換か


d0123476_18552829.gif日本の皆さんも、もうニュースで御覧になってご存知と思うが、やはり一言書かずにはいられない。またまたオバママジックが起こった!今回はよりによって、ブッシュを悪魔呼ばわりし「アメリカは人民の敵」と連呼してきた、あのベネズエラのチャベスがオバマと握手した!それも3回ことあるごとに!! これはもう、マジックを越えてオバマミラクルである。

選挙戦の始まる以前から「たとえ仮想敵国であってもまず話し合いの外交を軍事に優先する」という政治家としての基本方針を貫いてきたオバマ。大統領に就任してからも公約に反することなく、この対話路線を継続展開している。
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就任後のホワイトハウスを最初に訪問したのがメキシコのカルデロン大統領 隣国として米国との外交は最重要事項

オバマ就任後の米国の中南米外交では、キューバとの歩み寄りも見込め始めたために、一時ロシアが(もちろんプーチンの号令一過なのだろうが)ベネズエラに北方艦隊を差し向け、同地にミサイル基地の計画もあり、と「新しいキューバ危機」と物議をかもした威嚇の体勢に出てきていた。

しかしオバマのダイレクトコミュニケーションの成果の第一歩が、まず対ロシア外交で開花した。昨年まで「新冷戦」一歩手前の危険な段階にまでエスカレートしてきていたロシアとの関係を一転させる雪解け宣言。4月初頭G20ロンドンサミットでの、ロシアのメドベージェフ大統領との直接二者会談でもらされたように、これまでの冷戦の氷点の原因だった東欧MDS計画は、もちろん軍拡を基本的に是としないオバマ政権下の新体制で、うまくいけば反古になりそうな展開である。
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カルデロン大統領の子供にすっかりなつかれてしまったオバマ 子供に好かれる光景は選挙戦中どこでも見られた

このサミット後の欧州・中東歴訪でも、行く先々で笑顔と歓声に迎えられたオバマ。今回の第5回OASサミットでは、開催国のトリニダッドへ入る前に訪れたメキシコでも大歓迎を受けた。今後の両国の展開では、メキシコとの国境で悪化する武器麻薬の密輸・密入国問題をカルデロン大統領と協力して闘う、国境の南の共闘戦線が敷かれる予定である。  >> 次号の前書きへ続く

【米国時間 2009年4月18日『米流時評』ysbee 】

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APRIL 18, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年4月18日号
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 A s s o c i a t e d P r e s s | B R E A K I N G
基調演説で感動したチャベス、ブッシュ時代の敵意を捨てオバマへ歩み寄り
米国時間 2009年4月18日午前7時08分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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サミット開催時に、参加国首脳メンバー全員の記念写真の際にも、オバマに「参った」様子のチャベスと3度目の握手
Chavez to Obama: ‘I Want to Be Your Friend’
Venezuelan leader shakes president's hand, hints at closer ties with U.S.
APRIL 18, 2009 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee

1. Shaking hands on the first encounter
PORT-OF-SPAIN, Trinidad — Presidents Barack Obama and Hugo Chavez, Venezuela's socialist leader, met Friday and shook hands on the sidelines of a summit of their hemisphere's democracies.
サミット合間の初対面で握手
トリニダード/ポート・オブ・スペイン発 |米国のバラク・オバマ大統領と、中米の社会主義国家ベネズエラの元首ウーゴ・チャベス大統領は、アメリカ半球の民主主義国家首脳会議「OAS 第5回米州サミット」に出席するため、会場となるトリニダードのポート・オブ・スペインに滞在中であるが、17日金曜の本会議の合間に、両人が初めて対面し握手するという一幕があった。
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南北アメリカ半球の首脳会議「第5回 OASサミット」開催地は、トリニダードの港町ポルト・オブ・スペイン

2. From an old evil to 'your friend'

Obama walked across a hotel meeting room to meet Chavez for the first time. Their first encounter was told by a senior U.S. administration official who witnessed it and spoke on condition of anonymity. The official said Obama initiated the encounter. Chavez has been a fierce critic of the United States during President George W. Bush's tenure.
昨日の「悪の枢軸」は今日の友
オバマ大統領は会場のホテル会議室内にいたチャベスへ歩み寄り、初対面の挨拶を交わした。ふたりが初めて顔を合わせた事実は、この場面を目撃した米国側の政府高官からもたらされたが(匿名希望)、この高官の情報によると、オバマの方から話しかけた模様である。ベネズエラのチャベス大統領は、先代のジョージ・W・ブッシュ大統領時代には、米国に対する手厳しい批判論者として知られていた。
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3/19 チャベス大統領をカラカスの官邸に訪問したウィリアム・デラハント上院議員(マサチューセッツ州民主党)

3. Very shot, but important encounter

"It was very, very short," the official said of Friday's meeting. "The president shook his hand, smiled and then went back to his position in the line." The encounter comes as Obama softens U.S. policy against Cuba, a Chavez ally. Photos released by the Venezuelan government show the two smiling and Obama touching Chavez on the shoulder.
極めて短いが重要な出逢いの瞬間
金曜のふたりの出会いは「ごくごく短い時間でした」とその高官は目撃談を語った。「オバマ大統領はチャベス氏と握手すると、すぐまた並んでいた列の元の自分の位置に戻りました。」
今回の邂逅は、オバマがキューバに対するこれまでの米国の強硬な外交方針を軟化しようと、転換している最中の出来事だった。ベネズエラ政府のカメラマンの撮った、出会いと握手の瞬間をとらえた写真が公開されたが、ふたりはにこやかに微笑みながら会話を交わし、オバマがチャベスの肩に手をかける瞬間も捉えられていた。
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4/17 オバマと待望の初対面を果たしたベネズエラのウーゴ・チャベス大統領 これをきっかけに会期中通算3回握手

4. Obama 'hopes for better relations'

Other photos show them with clenched hands in the room next to the main summit ballroom while the heads of state and government were waiting in line to enter the opening ceremony. The Venezuelan presidency also said Obama initiated the handshake and quoted Chavez as telling Obama he hopes for better relations between their nations.
オバマ「両国間により良い関係を望む」
その他の写真では、オープニングセレモニーへ出席する各国首脳と代表団のメンバーが、サミット本会議場へ入場するため並んでいる列から二人が離れ、会場隣の小会議室で握手を交わしている写真もあった。ベネズエラ政府側の談話によると、やはりオバマから握手を求め「両国間がより良い外交関係になることを希望している」とチャベスに告げたことが明らかにされている。
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左:4月第1週のG20ロンドンサミットから欧州中東歴訪、第3週には中南米歴訪と 外交面でも精力的に動くオバマ
中:OASサミット開催国トリニダッドでもオバマブーム 会場近くのカフェ従業員ユニフォームにもオバマスマイル
右:国連の本会議場でブッシュの演説直後に壇上に立ち「悪魔の残り香がする」と暴言(直言?)を吐いたチャベス


5. Chavez, 'I want to be your friend'

The Venezuelan's office reported Chavez told Obama: "With this same hand I greeted Bush eight years ago. I want to be your friend." Obama's comments were limited to saying that he wanted to introduce himself to Chavez, the U.S. official said.
チャベス「友だちになりたい」
ベネズエラ外交団の伝える談話によると、チャベスはオバマに対して、次のように応えたそうである。「8年前に私のこの手はブッシュと挨拶を交わした。しかし、あなたとは本気で友だちになりたい。」一方オバマからの発言は、チャベスに対する自己紹介にとどまったと、米国外交団でこの場面に立ち会った高官は語っている。
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4/18 会議の開催直前にオバマの席へ歩み寄り、オバマに欧米の南米覇権に関する本をプレゼントしたチャベス大統領
このニュースが発表されるや否や、同書はアマゾン.comで5万位程度だったのが 一夜でトップセラーにのしあがった


6. To restore the relations with Washington

The Obama official would not comment on what Chavez told the U.S. president. But when a reporter asked if the Venezuelan account of what happened was accurate, the Obama official said: "I wouldn't dispute that." As recently as last week, Chavez expressed a desire to "reset" relations with Washington.
米国との国交を回復したいベネズエラ
オバマ大統領の側近は、チャベスがオバマに対して何と言ったのかについてはノーコメントだったが、AP通信の記者がベネズエラ政府側から聴いた発言を告げ、事実に即しているかどうかたずねると、その側近は「その内容に関しては異議ありません」と結果的に肯定した。
最近になってはほんの先週のことだがチャベスはベネズエラと米国政府との関係を「RESET=巻き戻したい」と公表するなど、先月までの強硬な態度を軟化させてきたところだった。 >> 続く

【 米国時間 2009年4月18日 『米流時評』ysbee訳 】
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サミットの昼食会でオバマの隣に着席し「大統領のサインをもらった」と記者団に見せるコロンビアのウリベ大統領
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by ysbee-2 | 2009-04-18 17:48 | オバマの時代

過熱するアデン湾岸戦争でソマリア歩哨基地案も

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  ||| 過熱する海賊とのアデン湾岸戦争 |||

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 EUと米国の共闘掃討作戦、過熱するアデン湾岸戦争でソマリアに歩哨基地案も
 EU「海軍力を増強」米国「海賊の資金凍結」ソマリア首相「湾岸に歩哨基地を」


d0123476_18552829.gifここ1・2年雨後のタケノコのように急激に横行し、今やソマリア第一の巨大産業となってしまった海賊戦線の実態を知りたい方のために、昨日に引き続き昨年12月16日号のエントリー、「緊急報告 ソマリア海賊との全面戦争を国連が承認!」の一部を前書きとして再掲出します。(*記事下にも海賊関連記事リスト掲載)

トップ:ソロモン諸島海域で海賊船の偵察にあたる無人スパイ機「スキャン・イーグル」を 艦上から発射した瞬間
ソマリア沖を哨戒中の米国海軍第5艦隊所属ミサイル巡洋艦USSベインブリッジ号にも、スキャンイーグルを搭載


米軍再び「ブラックホークダウン」のソマリアへ

今回の国連安保理の決議で、米軍は再びソマリアの地を踏む可能性がでてきた。過去において米軍がソマリアに進駐したのは1992〜93年のことで、首都モガディシュで軍閥のロケット砲を受けて米軍ヘリが墜落し、パイロットの死体が市内引き回しになるという悪夢の事件が起きた。また別の人質パイロットが解放されたあとは、当時のクリントン政権がソマリアからの米軍撤退という恥辱的な決定を下した苦い経験がある。
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人質の身代金で巨額の軍資金を得た海賊は、アデン湾岸ソマリアの母港エイルで新しいボートを購入し増殖する

イスラム過激派が支配するソマリア南部

今日ではソマリア南部の大部分が、イスラム過激派の軍閥の支配下にある。この地を支配する旧態依然のイスラム法と言えば、罪を犯した者には鞭打ちや投石、斬首刑などの残酷な公開処刑が待っており、社会に植え付けた恐怖感で住民を支配する時代を逆行する支配体制である。
福祉制度や医療設備、医師も皆無に等しいので、平均寿命は46才ときわめて低い。それと言うのも生まれた子供の約半数が5才に達する前に死亡、という慢性的な飢饉と劣悪な衛生環境にあるためである。
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海賊にインタビューする怖いもの知らずの戦場のジャーナリスト、ロイター通信のアンドリュー・コーソーン支局長

しかしその一方で、ソマリアの海賊産業には潤沢な資金が行きわたっており、充分な訓練と武器を授かった民兵がその組織の活動を支えている。20年近く内戦状態が続き戦禍で全土が荒廃したソマリアでは、軍隊並の重装備の武器は定着した密輸ルートからいとも簡単に入手できているようだ。

【米国時間2009年4月17日『米流時評』ysbee】

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APRIL 17, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年4月17日号
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A s s o c i a t e d P r e s s | B R E A K I N G
復讐を誓う海賊、エスカレートするシージャック、ソマリアの陸上で掃討計画も?
米国時間 2009年4月16日午後0時03分 | AP通信・ケニア発現地レポート | 訳『米流時評』ysbee

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トップ:海賊の横行するアデン湾へ向かう、スエズ運河を運行中の米海軍第5艦隊ミサイル駆逐艦 USS メーハン号
U.S. Navy Rescues Captain Held by Pirates
Three of the Somali captors killed, one in custody after swift operation
APRIL 16, 2009, 12:03 p.m | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee

8. EU boosts anti-piracy fleet
Continued from the previous issue |MOMBASA, Kenya — Meanwhile the European Union said Thursday it is boosting its anti-piracy fleet off the Somali coast to 11 ships, with the addition of three Swedish frigates in May. Its main task is to escort cargo ships carrying U.N. World Food Program aid to hungry Somalis. Nearly a dozen countries, including the United States, have anti-piracy operations in the Gulf of Aden and off the Somali coast.
EU「対海賊艦隊」を11艘に増強
前号「復讐を誓う海賊・米国は資金凍結・EU海軍増強」からの続き
翻訳中
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北方アラビア海を哨戒する米海軍ミサイル巡洋艦USSゲティスバーグ号 今回のソマリア沖救出作戦にも参加した

9. Best way: prevent them entering ocean

Sharmarke said the Somali government was presenting a anti-pirates strategy plan to envoys from the European Union, the United States and a regional authority to fight pirates by building up military forces and establishing intelligence-gathering posts along its coastline. "The best way to actually deal with this is to prevent (the pirates) from going into the waters," Sharmarke said.
最善の予防策:海賊を出航前に阻止
翻訳中
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ソマリアのオマール・アブディラシド・シャルマーク首相/モガディシュ訪問のドナルド・ペイン米下院議員と協議

10. Plan to establish 10+ observation posts

"We are planning to establish at least ten or more observation posts on the coastline." Still, it was not clear how this plan could cover the 1,900-mile Somali coastline, since his government controls only a few square blocks of the capital, Mogadishu, with the aid of African peacekeepers.
ソマリア海岸に海賊監視基地10カ所以上設置
翻訳中
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マースクアラバマ号の襲撃の知らせで現場へ急行したが、海賊と5日間の睨み合いとなった米海軍USSベンブリッジ号

11. U.S. warning further action

But once reluctant donors, funding a government with little accountability, may change by the recent piracy spike. Despite U.S. Admiral Michael Mullen's confident statement and President Barack Obama's warning of further U.S. action, Somali pirates captured two more nautical trophies Tuesday to match the two ships they seized a day or two earlier.
掃討作戦強化の警告を発した米国
翻訳中
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アデン湾航路を運航する船舶警護のため、日本の海上自衛隊から派遣されたMSD十和田号

12. Pirates vow revenge against U.S.

Pirates have vowed revenge for the deaths of three colleagues at the hands of U.S. snipers rescuing Capt. Richard Phillips. As well as they threatened to kill more captives for two other pirates slain by French forces in a separate rescue last week.
米国への復讐を誓うソマリアの海賊
翻訳中
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20年以上も内戦の続くソマリアの首都モガディシュは常に市街戦の舞台で、弾痕のない建物は見当たらない

13. New threat on lives of hostages

"Our latest hijackings were meant to show that no one can deter us from protecting our waters from the enemy because we believe in dying for our land." A message of vengeance from Omar Dahir Idle, a pirate based in the coastal town of Harardhere, was delivered to The Associated Press by telephone.
人質に危害・殺戮と脅迫
翻訳中
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海賊の人質となるのを拒否して脱出、モンバサ港へ無事たどりつき、船長の無事救出を訴えるアラバマ号クルー

14. Ending the 5 days ordeal of hostage

Meanwhile, the American sea captain held hostage for five days by pirates reached port in Kenya on Thursday, hours after his crew held a joyous reunion with their families at Andrews Air Force Base in Maryland. Phillips, 53, of Underhill, Vermont, gave himself up as a hostage to ensure the safety of his crew.
5日間の人質救出作戦
翻訳中
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左:アラバマ号が所属する海運会社マースク社の自家用ジェット ケニアの首都モンバサの国際空港から帰国の途へ
右:ケニアモンバサ港へコンテナ貨物輸送の途中、8日水曜ソマリアの500キロ沖合で海賊に襲撃されたアラバマ号


15. Self-sacrifying captain, hero of Seamen

He was freed Sunday by Navy SEAL sharpshooters who killed his three captors. Phillips planned to spend Thursday night on the Bainbridge, according to Maersk shipping line spokesman Gordan van Hook.
自己犠牲の船長は海の男の鑑
翻訳中
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 左:海軍の特殊部隊に救出され、ケニアから米国本土へ向かう、アラバマ号のリチャード・フィリップス船長
 中:米国の海軍巡視艇 /右:身代わりとなった船長無事救出の知らせを受け、喜びに沸くアラバマ号クルー


16. 'Sweet Home Alabama's coming home

Capt. Richard Phillips of the U.S.-flagged Maersk Alabama cargo ship was brought into Mombasa harbor aboard the USS Bainbridge, which docked to the music of "Sweet Home Alabama" — the Lynyrd Skynyrd hit that includes the words "I'm coming home to you."
”スィートホーム”アラバマ号の帰郷
翻訳中
<了>
【 米国時間 2009年4月17日 『米流時評』ysbee訳 】
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救出された人質フィリップス船長の無事帰国を祝って、ウェルカムバナーを作る船長の故郷の町アンダーヒルの小学生
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d0123476_7294370.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/9617505/
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/9617505

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by ysbee-2 | 2009-04-17 13:35 | 海賊シージャック

復讐を誓う海賊に、資金凍結で首根を絞めるクリントン

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  ||| 復讐を誓う海賊に致命的資金凍結案 |||

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 EU「海軍力増強」米国「海賊の資金凍結」ソマリア首相提案「湾岸に歩哨基地」
 スエズ運河から紅海を経てインド洋へ至る、世界の輸送タンカー主要航路を警護


d0123476_18552829.gifソマリアの海賊については、07年から大きな襲撃事件が起きるたびに関連記事を紹介してきた。その中でも昨年後半、海賊のシージャックがあまりにも猖獗を極めるため、12月になって国連が加盟各国に対し海賊への全面攻撃を承認したのが、ソマリア戦線での大きな潮目となった。

昨年12/16のエントリ「ソマリア海賊との全面戦争を国連が承認」に、こうした海賊行為の背景となるソマリアの国情や人質拉致の手法、シージャックの実態について詳説してあるので、海賊戦線の実態を知りたい方のために、本日の記事の前書きとして、あらためてその一部を再掲載する。
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トップ:米海軍ミサイル駆逐艦 USS オスカー・オースチン号艦上のネイビーシールズ 12日に人質船長の救出に成功
上:4日海賊にハイジャックされたヨットで子供1人を含むフランス人4人が人質。1週間後に仏海軍のコマンド部隊が人質救出作戦を展開。結果、海賊2人が死亡3人を逮捕したが、人質のひとりも巻き添えになって死亡した。


ハイテク装備の海の突撃隊

事態を重く見た各国海軍の軍艦や哨戒艇が同海域をパトロールしているにもかかわらず、実際に拿捕された海賊はほんの一握りにすぎない。ソマリアの海賊たちは、GPSシステムや携帯を経由したイントラネット連絡など、サテライトを中継した先端のITツールを組織のコミュニケーションに活用しており、生まれ育ったソマリアの海域に関してはもちろん他国の海軍よりも精通している。しかしターゲットの船をハイジャックする時には昔ながらの海賊同様の手段を用いるのも常である。
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復讐を誓う海賊に追撃されロケット砲で24時間攻撃を受けたが、あやうく危機を脱出した米国船籍のリバティサン号

巨大船舶ほど身動きとれず

彼らは狙いを定めた船の周りを小回りの効く高速艇で取り囲むと、先端にフックをつけた縄梯子を投げて船の甲板によじのぼり、ハイジャック活動をスタートする。11月にハイジャックされたサウジのスーパータンカーが最たる例だが、彼らが通常ターゲットにするのは巨大な船舶が多い。
その理由は、船が大きくなるほど急発進や急ターンが利かないために、5〜6人の海賊が乗り込んだ小型の快速艇がフルスピードで近づくのを避けることができず、むざむざと餌食になってしまうという実情のためである。

【米国時間2009年4月16日『米流時評』ysbee】

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APRIL 16, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年4月16日号
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A s s o c i a t e d P r e s s | B R E A K I N G
復讐を誓う海賊、エスカレートするシージャック、陸上掃討計画も
米国時間 2009年4月16日午後0時03分 | AP通信・ケニア発 | 訳『米流時評』ysbee

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ソマリアの首都モガディシュを闊歩する、反政府勢力のイスラム過激派軍団「ヒズブル・イスラム」の戦士=海賊
U.S. Navy Rescues Captain Held by Pirates
Three of the Somali captors killed, one in custody after swift operation
APRIL 16, 2009, 12:03 p.m | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee

1. From Suez, Red Sea to Indian Ocean
MOMBASA, Kenya — The Gulf of Aden, which links the Suez Canal and the Red Sea to the Indian Ocean, is the shortest route from Asia to Europe. More than 20,000 ships cross the vital sea lane every year.
スエズ運河・紅海・インド洋の主要航路
ケニア・モンバサ発 |スエズ運河・紅海から開口部にあるアデン湾を経由して、洋々たるインド洋の大海へとつながる航路は、前世紀以来ヨーロッパからアジアへと航海する際の最短距離として利用されている。世界でも行き交う船舶の数が最も多いこの航路では、毎年2万隻以上の船が航行しているのが現状である。
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船長解放・海賊射殺の結果、海賊の復讐の対象となった米国のリバティサン号 写真は襲撃の前でスエズ運河航行中

2. 280 foreign crew captive on 15 ships

But currently, forty-two ships were hijacked by Somali pirates last year, and so far 19 have been taken this year. Still pirates are holding more than 280 foreign crewmen captive on 15 ships. After the battle with U.S. Navy last week, the pirates capture at least 76 sailors as their revenge.
船舶15隻と船員280名が人質のまま
しかし最近ではソマリア沿岸を本拠地として、航行中のタンカーや貨物輸送船を襲撃する身代金目当ての海賊が横行し、昨年は42隻の、今年に入ってから現在まではすでに19隻の船がハイジャックされている。ソマリアの海賊が現時点で拉致している総数は、各国の船舶15隻とその乗組員280名以上という数字が上がっている
先週(4/8〜4/13)起きた米国海軍との戦闘の直後に、仲間を特殊部隊に射殺され復讐を誓った海賊は、わずか数日間にすでに4隻の船を拿捕し、その乗組員76名を人質として拉致している。
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海賊の襲撃から脱出し、11日ケニアのモンバサ港へ入港した米国船籍のマースク・アラバマ号乗組員 船長は人質に

3. Captured 4 ships with 60 crew in 2 days

The latest seizures were the Lebanese-owned cargo ship MV Sea Horse, the Greek-managed bulk carrier MV Irene E.M. and two Egyptian fishing boats. Maritime officials said the Irene carried 21 to 23 Filipino crew, and Egyptian officials reported 36 men, mostly Egyptians, on the two fishing boats.
2日間で4隻・60名のシージャック
もっとも最近の拉致連行は、レバノン船籍の貨物船 MVシーホース号、ギリシャの海運会社が運営する大型輸送船 MVイレーネ・E・M号、そして2隻のエジプトの漁船となっている。
海事事務局消息筋の話では、イレーネ号には21〜23名のフィリピン人の乗組員が搭乗しており、またエジプト政府当局からは、2隻の漁船で連れ去られたのは36名の漁船員で、そのほとんどがエジプト人であると発表された。
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海賊といってもAK47とロケット砲で重装備した民兵は、アデン湾の人質拉致産業ゲリラと言った方が早い

4. Enforcing Somali government to hunt

Omar Abdirashid Ali Sharmarke, Somalia's prime minister, says his government has identified many pirate leaders and would be willing to share that information with other countries, including the U.S., to get the resources needed to go after them. He was speaking Thursday to The Associated Press in its exclusive interview in Nairobi, the capital of Kenya.
海賊掃討にに必要なソマリア政府強化
オマール・アブディラシド・アリ・シャルマーキ新首相は、ソマリア政府は数多くの海賊首領の身元を割り出しており、政府は海賊討伐を展開するのに必要な資金を得るために、米国を始めとする支援協力国家との情報交換も喜んでするつもりだと語った。ソマリア新政権が表明するこの新しい方針は、ケニアの首都ナイロビで行なわれたシャルマーク首相との、AP通信の独占インタビューで明らかにされたものである。
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30日カタールの首都ドーハで開催のアラブサミットでシリアのアサド大統領と会談するソマリアのアハメド新大統領

5. 'Pirates become wealthy and powerful'

Sharmarke said the pirates have become so wealthy and powerful that they threaten his government. "We have information on who is behind this, who is involved," he said. He was referring to the fact that Somali pirates can earn $1 million or more in ransom for each hijacked ship. "There is a lot of money flowing in.... we are following very closely how money is distributed here," he said.
ソマリアの政府よりも強大になった海賊
シャルマーク首相の談話によると、海賊勢力は(数十億ドルにのぼる人質の身代金で)財源が豊かになり軍隊並みの兵器で武装した結果、現在ではソマリアの政府を脅かすほど強大な勢力になってしまったと吐露した。また、海賊はハイジャックした船舶1隻あたり平均して1億円以上の身代金を入手しているそうである。
「政府側ではこの海賊行為を陰で操っているのが誰(どの国家/組織)なのか、またどういうメンバーが所属しているのか、という情報を握っている。海賊には巨額の金が転がり込んでいる。われわれはこうした資金が、どうやってわが国まで送られるのかという経路を緻密に追跡している」とシャルマーク首相は語った。

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左:モガディシュの官邸でビンラディンの挑戦宣告を非難するソマリア新政府のシーク・シャリフ・アハメド大統領
中:アルカイダ系列のシーク/首長が率いるイスラム過激派軍団ヒズブル・イスラムの本陣入口を警備する海賊兵士
右:海賊に襲撃されたが脱出してモンバサ港に入港した米船籍コンテナ輸送船マースクアラバマ号を警備する海軍兵


6. Clinton, 'armed gangs on the sea'

U.S. Secretary of State Hillary Rodham Clinton on Wednesday announced new diplomatic efforts to freeze the pirates' assets and said the Obama administration will work with shippers and insurers to improve their defenses against pirates. "These pirates are criminals, they are armed gangs on the sea. And those plotting attacks must be stopped," Clinton said in Washington.
クリントン長官「武装した海のギャング」
一方14日水曜、米国のヒラリー・クリントン国務長官は、ソマリア海域の海賊に対処する米国の新しい方針を明らかにした。その内容によると、オバマ政権は海賊の資産凍結を目的とする国際間の外交的施策を図り、また当該地域での運輸航路を海賊から守るために、海運業界や運輸保険会社と一致協力する体勢をとる、と表明した。
「この海域に出没する海賊は犯罪者であり、武装した海のギャングです。こうした襲撃は、計画時点で阻止しなければいけません。」クリントン長官は、オーストラリアとの二国会談を終えた後の共同記者会見の席で、海賊対策についてこう発表した。
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米・オーストラリア2国間軍事外交サミットAUSMIT記者会見で海賊に対する制裁措置を告げるクリントン国務長官

7. 'Track and freeze pirates' money'

She urged the U.S. and others to "explore ways to track and freeze" pirate ransom money and other funds used in purchases of new boats, weapons and communications equipment. Clinton did not call for military force, although she mentioned "going after" pirate bases in Somalia.
「海賊の身代金と資金経路を凍結」
クリントン長官は、米国を始め、ソマリア政府への協力国に対して、払われた人質の身代金や、スピードボート、兵器や通信機器を購入する資金のルートを追跡して凍結する方法を模索するよう協力を促すと発表した。クリントン長官は、ソマリア国内の海賊の基地を「追跡」するとは言ったものの、軍事出動は口にしなかった。   >> 次号へ続く

【 米国時間 2009年4月16日 『米流時評』ysbee訳 】
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フランス海軍の偵察機から撮ったソマリア海賊の「母船」/ヨットから人質3人を救出した仏海軍のコマンド部隊
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by ysbee-2 | 2009-04-16 17:41 | 海賊シージャック
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