米流時評

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さらば独裁!第二のイラン革命に沈黙するオバマ外交

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     ||| さらば独裁!第二のイラン革命 |||


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   軍事独裁政治に訣別を告げる、第二のイラン革命とイスラム国家の民主化運動
   炯眼ファリード・ザカリアが、オバマの中東外交に箴言「イランは傍観が一番」

d0123476_13514429.jpg 大統領選後のイランでは、現行の政権に反対する抗議行動自体が
 「違法=政府転覆を企てる国家反逆罪行為」と規定されてしまい
 通りに出て怒りの声を上げれば、有無を言わさず即刻逮捕される。

 グリーンのシャツやリストバンドを身につけているだけで
 警察取締当局から「反逆者」の烙印が押され、投獄される。
 絵に描いたような全体主義の、軍事独裁国家の弾圧である。
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 しかし、いくら報道陣の目と耳と口をシャットアウトしても
(ジャーナリストの国外追放・自宅拘禁・逮捕拷問・自白強要)
 今や圧政に目覚めた一般国民が市民ジャーナリストとなって
 逆に、テヘランやイスファハンやシラズや、名もない町々の
 ありとあらゆる街角から、毎分毎刻、生の映像を上げてくる。
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 自由な社会を求める 民主化運動の潮流の、大きなうねりは
 大海の最先端へと波頭を連ねながら、一瞬も止まることなく
 鉄壁と言われた独裁政権の岸壁に 繰り返し押し寄せ続けて
 いつかきっと白日の下に、その城塞を粉々に打ち砕くだろう。
 ちょうどベルリンの壁が 40年の冷戦の末に 崩壊したように。
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 地球を半周して伝わってくる、ディジタルのパルスを信じ
 その日まで、目をそらさず、耳を傾け、見えない声を発し
 「がんばれ、負けるな!」とキーを叩き続けていくのみだ。

【米国時間 2009年7月27日『米流時評』ysbee 】


ルネ・マグリットがイラン第二革命の抗議運動をプロデュースしたらこうなる? 上の写真は25日土曜に世界100以上の主要都市で実施された、イラン民主化運動を支持するグローバル連帯デモでエッフェル塔の下の広場に集まったパリ市民の抗議運動犠牲者追悼「I am Neda」キャンペーン

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   JULY 27, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年7月27日号
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 続「グリーン革命とイランの未来」ファリード・ザカリア中東時評
 By ファリード・ザカリア | ニューズウィーク・2009年8月3日号 | 訳『米流時評』ysbee

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On Iran, Do Nothing. Yet.
What is happening in Iran, and what should the U.S. do for now?
AUGUST 3, 2009 issue | By Fareed Zakaria — NEWSWEEK | Translation by ysbee

8. Military positioning of Ahmadinejad
Ahmadinejad represents this change, being a layman, a veteran of the Iran-Iraq War, and a man with close ties to the Revolutionary Guards, the parallel military created by Ayatollah Ruhollah Khomeini because he distrusted the shah's officer corps.

アフマディネジャドの軍事的ポジション
前号「テヘランは革命前夜か?イラン独裁体制からの脱出」からの続き
イスラム共和国のイランの実権が、本来の宗教界から軍部へと移ったパワーシフトは、アフマディネジャド政権の下で顕著に行なわれた。最高指導者ハメネイ師の執権担当者として、また80年代のイラン・イラク戦争に出兵した軍隊経験者として、アフマディネジャドはイスラム革命防衛軍との密接な絆を保ち、その手綱を握っている。

(Revolutionary Guards/イスラム革命防衛軍は、まだパーレビ国王の支配下にあったイスラム革命以前のイランで、国王は以下の軍隊に不信感を持っていた故アヤトラ・ルホラー・ホメイニ大師によって創設された特設部隊である。現在の最高指導者ハメネイ師はホメイニ師の後継者)
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 アフマディネジャド支持者=イスラム強硬派=軍部強硬路線タカ派=イラン核武装支持者=イスラエル攻撃論者

9. Tilt from mullahs to the military

While in office, Ahmadinejad has directed state funds away from the religious foundations dominated by clerics and toward the military and the Guards. The tilt from mullahs to the military has been somewhat obscured by the role that Khamenei has played as part of both camps.

宗教統制から軍事独裁への傾斜
アフマディネジャドは大統領執行期間1期目4年の間に、イラン政府の国庫管理を、イスラム宗教界の高僧が独占している内閣に相当する護憲評議会から、イスラム革命防衛軍も含めた軍部の采配下に移行してしまった。イラン政府内でのこうした一連の実権の移行は、ハメネイ師が政府と軍部の双方に対して強力な発言権を持っている実態から見て、非常に奇異な実態権力のシフトである。

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 先月12日の投票以降、開票の不正をめぐる紛争が社会危機にまで進展したイラン 写真は選挙後初の金曜礼拝

10. Dispute between two leaders

He is, of course, a cleric, but he has always been close to the Revolutionary Guards and cultivated their support. Ahmadinejad, however, is clearly not of the clerical establishment. (Then, he chosed Esfandiar Rahim Mashai, his son's father-in-law, as his first vice president — probably without any consultations from clerics.)
アフマディ対ハメネイ覇権の相克
ハメネイ師はもちろん、イランの国教であるイスラム教シーア派の高僧であるが、イスラム革命防衛隊の創設以来、常に軍部と密接な関係を保ち、軍指導者と兵士の絶対的な支持を確保してきた。

これにひきかえアフマディネジャドは、周知の通り革命軍出身ではあるが宗教界出身ではない。さらに、改選後の政局でハメネイ師との間に一悶着があった。先週内閣承認を得るまでの大統領指名の次期閣僚メンバーで、イラン政府のナンバー2にあたる筆頭副大統領に、自分の息子の養父であるエスファンディアル・ラヒム・マシャイを指名したのである。(多分、ハメネイ師は元より誰のアドバイスも聞き入れずに独断で。)

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 弾圧や虐殺の実態が日を追って明らかになるに連れ、アフマディ政権支持者はクシの歯が欠けるように減っていく。
 一方、自身の娘婿 (左) を副大統領に据えた直後、ハメネイ師も含めた閣僚からの猛反対にあい、数日で罷免した。


11. Problematic choice of first VP

He's even defied Khamenei, his key backer, by initially refusing to withdraw his choice for first vice president despite the Supreme Leader's objections. While it is difficult to know exactly what the dispute between Khamenei and Ahmadinejad reflects, it is surely a sign of an increasingly divided ruling elite.

問題の副大統領人選をめぐる確執
しかしこの人選は、マシャイ氏が以前公けにイスラエル擁護論を持ち出していた事から、イラン国内のイスラム強硬派から猛烈な反対にあった。当然ハメネイ師もアフマディに対して、私的な比重の大き過ぎる人選を検討し直すよう命じたのだが、アフマディは当初この要望に応じなかった。

この副大統領人選をめぐる一悶着で、ハメネイ氏の命令権が絶対的ではないこと、権限を独占しようとするアフマディとハメネイ師との間に(体制側としては致命的な、覇権争いの)亀裂が生じていること、というイラン現政権体制の内包する問題点が発覚する結果となった。
(注:アフマディネジャドは現在まだ前期暫定大統領の身分。2期目の就任式は来週8月5日)

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 革命の父、故ホメイニ師の追悼式。左からアフマディ、体制派のハタミ師 (中腰)、核開発相、ハメネイ師 (中腰)、
 ひとりおいて右端が改革派リーダーの対立候補ムサビ元首相。左手前後ろ姿で登場がラスファンジャニ元大統領。


12. If only focus on apocalyptic dictators

While it is difficult to know exactly what the dispute between Khamenei and Ahmadinejad reflects. It is surely a sign of an increasingly divided ruling elite. The hyperbole in America and Israel about apocalyptic mullahs with nukes missed the big story in Iran, which was that the mullahs were not apocalyptic, and they were fading in influence anyway.

亡国の独裁者による核兵器開発
ハメネイ師とアフマディネジャドとの間で、一体どういう論争が交わされたのかという実相に関して知ろうとしても、元より非常に困難なわざだが、ひとつ確実に言えることは、イラン政府の体制を牛耳ってきた支配者エリートの間で、分裂の兆しが日に日に深まっているという現実だろう。

イランの現実を見極める際にもっとも重要な真実は、米国とイスラエルが常時ヒステリックに繰り返しているような、核戦争を支持する狂信的イスラム強硬派宗主たちの存在が脅威なのではない。イランの実態を見つめるとき、宗教界の指導者たちが破壊的だという指摘は当たらない。なぜなら彼らの権力は、いずれにしろ軍部のはるか後方へ、すでに後退してしまっているからだ。

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 中東の野蛮人、イランの狼男、洞窟原人……など、イスラエル人がアフマディを蔑称する枕詞には事欠かない

13. From Islamic nation to dictatorship

One might have said that the Islamic Republic of Iran is losing its distinct religious basis of power and becoming another Middle Eastern dictatorship—except that it now hosts an opposition movement that does not seem ready to quiet down.

イスラム革命国家から中東型独裁国家へ
「イスラム共和国としてのイランは、国家の一大特徴だった政体における宗教的基盤を徐々に喪失し、今や典型的な中東の独裁国家に成り下がった。」
中東事情に精通するある識者は、近年のアフマディ=ハメネイ体制下のイランを、いみじくもこう酷評した。しかしながら、この独裁国家の内部から現在自然発生的に芽生えてきたのが、体制の改革を求めるムサビ候補が率いる改革派の「イランの反体制運動」であり、このイラン社会を根底からゆるがす改革運動は、当分鎮静しそうにない。

(注:ザカリアのこの記事の初稿がサイトに掲出されたのは、先週の25日土曜)

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 イスラム革命防衛隊の下部にある自警団的組織の「Basij/バスィージ」は、改革派抗議運動参加者の虐殺を強行

14. Almost impossible negotiation on nuke

What does this turmoil mean for Washington and the world's dealings with Iran? Obviously it makes negotiating with Tehran close to impossible right now. Any talks with Ahmadinejad would confer legitimacy on a regime that has lost it at home.

絶望的な核計画廃絶交渉
こうした不協和音を奏でるイラン政府内外の抗争は、ワシントンの米国政府ひいては世界の動向に対して、いったいどういう意味合いを持つのだろうか?
当然見ての通り、現在のイラン政府にとって他国と交渉を進めるような余裕は、全くないと言っていいだろう。現時点でのアフマディネジャドは、イラン国民の信頼を完全に失った旧体制の代表でしかなく、正式の就任式前ではいかなる話し合いも、合法的とは認められない現状である。

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 ナタンツの核施設でイラン核開発計画の進行状況を視察するアフマディネジャド大統領と閣僚の一行(選挙前)

15. Best strategy — Do nothing

And any gains agreed to in talks with a regime that is searching tactically for legitimacy might well prove to be temporary. The best strategy is to do nothing. Hillary Clinton implied as much when she put off the question of negotiating with Iran. In fact, the ball is in Tehran's court anyway.

米国最善の外交戦略は無為無策
こういう流動的な不測の状況にあっては、旧体制との話し合いで、たとえいかなる成果が得られたとしても、それが後日新しい政権によって合法的に承認されるという保証はどこにもなく、せいぜいが「一時的合意」でしかないのが現実だ。
したがって、米国にとって最善の外交戦略とは……何もしないことである。ヒラリー・クリントン国務長官は、先々週イランとの間で(核放棄に関する)外交交渉を進める件に関して、イラン政府の混沌とした現状をかんがみて根本的に疑問を呈示し、没交渉の姿勢をとったが正解である。

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 世界主要百都市で実施された、イラン政府の弾圧に抗議するグローバル連帯デモ/ニューヨークのタイムズスクエア

16. Iran seats at the game table

In April, the West presented Iran with an offer of talks that is serious and generous. Let Khamenei and Ahmadinejad figure out how to respond, as they keep claiming they will. The West faces constraints, but they face many more.

イランのサイはイラン人が振る
実際あらゆる交渉の主導権を握っているのは、イラン政府の方なのだから致し方ない。今年4月にイラン政府に対して、西側諸国は歩み寄りの外交的対話を申し出たが、真摯な決断による寛容な条件呈示と言える譲歩だった。しかしその新しい条件に対しては、ハメネイとアフマディネジャドがどう回答するかを決めるしかない。何と言っても、当事者である彼らがそう言っているのだから。
西側はこれまでにもいやと言うほど、イランからは一方的条件を押し付けられてきたが、今後もまだ今まで以上の忍耐を強いられることになりそうだ。

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17. Policy against Stalin and Mao

Some argue that this allows Iran to inch closer to a bomb. But the best way to blunt that threat—which is still not imminent—has always been deterrence and containment, a policy that worked against Stalin and Mao and works against North Korea, a far more unstable and bizarre regime.

対スターリン・毛沢東の戦略
外交問題の専門家の中には、こうした西側の譲歩はイランをつけあがらせ、日が経つにつれ核兵器の開発成功に近づかせるだけだ、と主張する者もいる。

しかしながら、現在に至っても一向になくならないそういった核兵器の脅威を緩和する最良の施策は、いつの時代にあっても常に変わらず「核抑止力と経済封鎖」である。この政策は、冷戦時代のスターリンのソ連や毛沢東の率いる中国に対して効き目があった。さらに現在では、イランよりもはるかに不安定で奇怪な政体の国家、北朝鮮に対して有効である。

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18. Israel's poor relations with Obama admin.

Again, Secretary Clinton correctly outlined such a policy last week. On being offered a nuclear umbrella, Israel criticized the United States, which is a sign of the current Israeli government's poor relations with Washington.
イスラエルと一歩距離をおくオバマ政権
再度言うが、クリントン長官は先週そういった政策に対しても、正しいアウトラインを引いたようである。と言うのは、核の傘の申し出を受けたイスラエルは、逆に米国政府に対して文句を言ってきた。これは、現在のイスラエルのネタニヤフ政権と、米国のオバマ政権とがしっくり行っていないことの現れと見ていいだろう。

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19. Green seems the color of future

Time is not on the current Iranian regime's side. Amid all this confusion, we have a clear answer to a crucial puzzle. We always wondered, are there moderates in Iran? Yes, it turns out—millions of them.

イランの未来は温和なグリーン?
結論を言うならば、イラン政府の旧体制側は、ここへきて時代に見放されたのだと言える。
現在に至るまでの混乱の真っ直中にあって、なおかつわれわれには、イランの命運をかけた未来への謎を解く答えが見えている。
これまでわれわれ欧米側では常に「イランには果たして(外交的対話を受け入れられる)穏健な中道派なる人間は存在するのか?」という、根本的な疑問を抱えてきた。しかし、どうもそれは杞憂だったようで、彼の地にはそうした落ち着いた話し合いのできる相手が、しっかりと存在しているようだ。しかも、数千万人というたいへんな数で。  <了>

【 米国時間 2009年7月27日 『米流時評』ysbee訳 】
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先週土曜「Solidarity: Global Action Day/世界連帯の日」にニューヨーク・タイムズスクエアで行なわれたデモ

d0123476_11564496.jpg◀ 次号「イランの民主革命で甦る米国独立宣言スピリット」
▶ 前号「テヘランは革命前夜か?イラン独裁体制からの脱出」
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by ysbee-2 | 2009-07-27 09:52 | イランのグリーン革命

テヘランは革命前夜か?イラン独裁体制からの脱出

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    ||| テヘランは革命前夜か? |||

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 グリーン革命とイランの未来『ニューズウィーク』ファリード・ザカリア時評
 革命は成功するのか? 米国はどう出るか? イラン危機はどう展開するのか? 


d0123476_13494652.jpg先週ウォール街では終値が9000ポイント以上を記録し、
昨年1月の平均株価にまで1年半ぶりで回復した。
週刊誌は ニューズウィークでも タイムでも、
「不況は終わった」とか「空前の中古住宅市場ブーム」とか、
ようやく朗報が聴かれつつある。(どちらも両誌のサイトコラムで)

 オバマ政権も、1月のスタートからすでに200日を過ぎ、
 脱兎のごとく駆け抜けてきた不況のトンネルを、
 ようやく脱出しつつあるようだ。
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 現在、アメリカ国内の課題で最重要の案件は、
 クリントン政権時代から民主党の懸案だった、「国民健康保険」の立法である。
 
 しかし、議会の上下両院が夏休みに入る今週末までに法案が成立するのは、
 反対議員が半数を数える現在では、どう見ても無理だろう。

 そもそもは、トルーマン大統領時代からの悲願だったのだから、
 いかにオバマといえども、数ヶ月で成立することを期待するのは酷だ。
 
 これは長期戦で、長老が反対議員をひとりずつ説得し、
 賛成票を投じる側へ、根気よくひっくり返していくしかない。
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 米国政府の目線を世界へ転じると、
 これまた呆れるほどの難題が山積している。
 
 北朝鮮の核開発・ミサイルの脅威と、半島問題、
 ウイグル、チベットに対する中国の弾圧と虐殺、
 ミャンマー軍事独裁政権の、スーチー女史解放、
 アフガンとパキスタンの、対タリバン戦線強化、
 イラクからの国際軍撤退、ロシアとの核軍縮案、
 イスラエル・パレスチナの中東恒久平和の課題、
 そして一向に止めないイランの核兵器開発問題。

 どの問題もおろそかにできない、危機的要素をはらんでいる。
 あれだけ騒がれたソマリアの海賊問題も かすむほどだ。
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 選挙の年を迎えた中東の場合、
 レバノンまでは、見事に民主化作戦が功を奏したようだが
 イランで、とんでもなくつまづいた。
 
 米国もロシアもイスラエルも、いや、アラブ諸国でさえ、
 アフマディネジャドの大統領再選を予期して
 外交姿勢を整えていたのが、見事な大番狂わせである。

 イランの民衆が、欧米諸国に「真の民主主義」の姿を
 身を挺して教えたような、逆風の革命である。
 (私はムサビ改革派を100%支持するので、あえてそう評価したい)
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 6月12日の投票日から、実に45日も経ったというのに、
 事態は落ち着くどころか、逆に(幸いなことに)
 現政権のアフマディ=ハメネイ体制に、不利に展開してきている。

 まるでオセロゲームのように、宗教界の高僧や有力政治家がひとりずつ、
 ムサビ元首相の率いる改革派へ、支持を表明してきていているという
 イランの新しい風向きを知らせるニュースが、連日続いている。
 いや、むしろその風速は、ますます増しているようだ。

 日が経つにつれて「革命の実現」という希望が、
 ありえなかった奇跡から、明日の可能性へと、
 もう少しで手の届くところまで、神の思し召しのように降臨してきた。
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 抗議のデモは禁じられており、
 武装警察やバシジに捕まれば、投獄され拷問される。
 (ニューズウィークの現地イラン人記者も逮捕されたまま)
 さらに、下手をすれば虐殺される。
 (すでに逮捕者3人の獄中死を確認)

 しかしそれでもなお、グリーン革命の戦士たちは
 果敢にも、連日テヘランの通りへと繰り出して、
 政府の不正と暴虐に、抗議する声を挙げるのを止めない。

 今週木曜には、テヘランで
 反対運動のために「政府に殺された」犠牲者の、追悼式があるという。
 多分、先月18日以来の、大規模なデモになるだろう。
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 イランの革命運動に関しての、日本の記事があまりにも少ないので、
 このシリーズは、しばらく本腰を入れて連載します。

 ディジタルな媒体を通してであっても
 歴史を変えるであろう 実際の革命を目撃するという、
 稀なチャンスに恵まれた者として。
  
 【米国時間 2009年7月26日『米流時評』ysbee 】

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   JULY 26, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年7月26日号
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「グリーン革命とイランの未来」ファリード・ザカリア中東時評
 By ファリード・ザカリア | ニューズウィーク・2009年8月3日号 | 訳『米流時評』ysbee

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On Iran, Do Nothing. Yet.
What is happening in Iran, and what should the U.S. do for now?
AUGUST 3, 2009 issue | By Fareed Zakaria — NEWSWEEK | Translation by ysbee
1. Underneath the surface of Tehran

NEWSWEEK / GLOBAL ANALYSIS — What is happening in Iran? On the surface, the country has returned to normalcy. Demonstrations have become infrequent, and have been quickly dispersed. But underneath the calm, there is intense activity and the beginnings of a political opposition.
テヘランの皮相の下にあるもの
ニューズウィーク・グローバルアナリシス | 今イランで何が起きているのか?
表面上は、この国は以前のような正常を取り戻したかのように見える。政府に抗議するデモは違法として禁止されたため、その数はめっきり減り、たまに起こったとしても、すぐさま武装警察に追い散らされる。
しかし、そういった一見平穏が戻ったかに見えるイラン社会の表向きの顔の一枚下には、極めて根強い抗議行動への決意と、反体制の改革の開幕が看てとれる。
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現体制閣僚:左から原子力相、ひとりおいて、アフマディネジャド大統領、右端がイラン最高位のハメネイ師

2. Reformists claims 'Iranian crisis'

In the past week, Mir Hossein Mousavi, the candidate has announced his intention to create a "large-scale social movement" to oppose the government and press for a more open political system. Mohammad Khatami, the reformist former president, has called for a referendum on the government.
改革派の警告「イランの危機」
先週(7月第3週)、アフマディネジャドに対抗する候補者、ミール・ホセイン・ムサビ元首相は、現行政府の弾圧体制に反対し、外部へより開かれた政治体制を求めるために「大規模な社会改革運動」を組織すると宣言した。
また同じ改革派候補で宗教界の高僧でもある、モハンマド・ハタミ師も、先週イランの議会に対して、アフマディネジャド政権を承認するか否かの、国会での決議投票を実施するよう呼びかけた。
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先週日曜19日のテヘランデモ 機動隊の撃ち込む催涙弾を避け避難する改革派デモ隊

3. Iran's kingmaker: Rafanjani

Another powerful former president, Ali Akbar Hashemi Rafsanjani, has criticized the regime's handling election and post-election "crisis." All three have demanded the release of politicians and journalists imprisoned over the past month and held without charges.
イランのキングメーカー、ラスファンジャニ
もうひとりのイラン政界への影響力の強大な人物は、元大統領を2期務めたアリ・アクバル・ハシェミ・ラスファンジャニ師である。彼は現行政府の選挙の処遇と、それに続く「ポスト選挙危機」を、アフマディネジャドディ政権の責任であると、厳しく追及している。
ムサビ、ハタミ、ラスファンジャニの3人とも、選挙後のここひと月余りの間に確固とした嫌疑もなしに当局に逮捕された、反対派の政治家やジャーナリストの解放を要求している。
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宗教から軍事へと支配体制の比重を変えたハメネイ師に対抗して、改革派を支持するラスファンジャニ元大統領

4. Demand on release of detainees

Those prisoners include Maziar Bahari, NEWSWEEK's Tehran correspondent, a Canadian citizen, and an internationally recognized documentary filmmaker. These are not dissidents in the wilderness. Between them, the three men have been at the pinnacle of power for most of the Islamic Republic's existence.
改革派逮捕者の釈放を要求
こうした摘発による逮捕者の中には、ニューズウィークのテヘラン特約記者であるマジャール・バハリ氏も含まれている。彼はイラン人の血統だがカナダ国籍で、ドキュメンタリー映像作家としても国際的によく知られている。彼らは決して、取締当局が言うような無法な暴徒などではもちろんない。
しかし、改革派支持者として抗議運動に参加し逮捕された者たちにとっては、上述の3人は、軍事独裁国家に陥った現体制を改革して、本来のイスラム共和国としてのイランの存続を託せる、イランの3巨頭である。
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左:デモ隊参加者に殴る蹴るの暴行を働くバシジ軍団/右:先月のデモ圧殺現場で取材中に逮捕されたバハリ記者

5. Only few Ayatollahs support Ahmadinejad

More striking has been the revolt of the clerics. Iran has only a score or so grand ayatollahs, the highest rank in the Shiite clerical order. Few have publicly supported President Mahmoud Ahmadinejad.
宗教界指導者の大半が改革派支持
ごく最近の状況で驚くのは、宗教界の高僧たちが現政権に反旗をひるがえしたことである。イランはシーア派を国教とするが、国内にはそのシーア派僧侶の最高位である「グランドアヤトラ」の階位を戴く高僧は、数えるほどしかいない。さらには、その中で現行大統領のマフムード・アフマディネジャドを支持すると公表した者は、ほとんどいないのが事実である。
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 反対派のヒーロー、ムサビ候補(イラク・イラン戦争時の元首相)アフマディネジャドとハメネイの独裁体制に喝!

6. Fatwa against presidential inauguration

At the same time, according to the indispensable Tehran Bureau Web site, six grand ayatollahs have publicly criticized the regime. Last week one of them issued a fatwa (a religious ruling) declaring that it was appropriate to boycott Ahmadinejad's inauguration as president.
大統領就任式に対するファトワ
それどころか、イラン情報に欠かせないTehran Bureauのサイト記事によると、その中の6名のグランドアヤトラが、現体制を公然と批判しているという。先週この3人のうちのひとりハタミ氏がイスラム教独自の戒則「Fatwa/ファトワ」を宣言した。その対象はアフマディネジャドで、彼が大統領に就任する際に無効となるよう、合法的なボイコットを実施するというものである。
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イスラム革命で民主化したはずの共和国イランを、アラブ世界の君主制と同じ軍事独裁国家におとしめたアフマディ

7. Criticizing Supreme Leader

He also directly criticized the country's Supreme Leader, Ayatollah Ali Khamenei. The clerics' actions highlight a shift in power in Iran away from the religious establishment and toward the military.
最高指導者ハメネイ師も批判対象に
ハタミ氏はまた、イランの国家的最高指導者であるアヤトラ・アリ・ハメネイ師に対しても、直接的に批判を下している。こうした一連の高僧による抗議行動は、アフマディネジャド=ハメネイ体制下のイランにおける実権が、イスラム共和国としての本来の宗教界から軍部へとパワーシフトした経緯に対して、イスラム教の権威者が以前から不満を抱いていた事実を物語る現象である。
>次号へ続く

【 米国時間 2009年7月26日 『米流時評』ysbee訳 】
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絶対的最終決定権を持つ最高指導者ハメネイ師の忠実な僕臣(しもべ)アフマディ その親衛隊的軍隊ロイヤルガード

d0123476_13494652.jpg◀ 次号「さらば独裁!イラン第二革命に沈黙するオバマ外交」
8. アフマディの軍事的ポジション/9. 宗教統制から軍事独裁への傾斜 /10. アフマディ対 ハメネイ覇権の相克 /11. 亡国の独裁者による核兵器開発 /12. イスラム革命国家から中東型独裁国家へ/13. 絶望的な核計画廃絶交渉 /14. 米国最善の戦略は無為無策 /15. 対スターリン・毛沢東の戦略 /16. イスラエルと距離をおくオバマ政権 /17. イランの未来はグリーン?


▶ 前号「バカンス特急脱線!アドリア海リゾート列車事故で死傷者61名」

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by ysbee-2 | 2009-07-26 18:00 | イランのグリーン革命

バカンス特急脱線!アドリア海リゾート列車事故で死傷者61名

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  ||| クロアチア バカンス特急脱線事故 |||

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クロアチア南部アドリア海リゾート行きバカンス列車が脱線事故、死者6負傷者55
今夏のヨーロッパを襲う熱波の影響でレール歪曲?スピード出し過ぎ?原因究明中


d0123476_16582178.jpgクロアチア。この国の位置を世界地図で自信をもって指差せるひとは、
勝手な思い込みかも知れないが、そう多くないのではないか。
私自身の(かろうじての)記憶では、アドリア海をはさんだ
「イタリーのお向かいさん」という程度のおぼろげなものでしかない。
 
 あとは、昨年何かの陰謀関連の事件で、
 ダルメシアン・コーストの飛び地の件が出てきて、
 クロアチア南部のダルマチア(ダルメシア)地方の海岸線が、
 かつては「共産圏のリビエラ」と呼ばれていたことを知るのみだ。
 (別名「貧乏人のリビエラ」)
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 そんな訳で、これまで気になる国ではあったのだが、
 時間をかけて調べるきっかけがなかった。
 
 しかしどうも、今回写真を探していたら、
 目に入る風景すべてが素晴らしく美しい。
 
 俗化されていないアマルフィと言うか、
 東欧の由緒ある古都を 地中海に浮かべたような塩梅である。
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 名物のバーントシエナのような赤い甍が、
 文字通りアドリアンブルーの海を背景に、見事なコントラストを見せる。
 
 見ていくにつれ、ここは自然と人間が、文化と歴史が
 きわめてむつまじく、時を刻んでいるのではないか、
 と思えてきてしまった。
 
 一言で言えば、「風土にひと目惚れ」である。
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 これでは、クロアチアがEUに加盟したとたん、
 どっと観光客が押しよせるようになったのも無理はない。
 
 夏のリゾート地として、ヨーロッパからだけでなく
 米国のラグジュアリーなクルーズラインの寄港地として
 ツーリストに受けるセールスポイントにもなっているらしい。
 
 今回の「バカンス列車脱線事故」は、
 気分だけでも架空の夏休みを味わいたいところへ
 格好のタイミングで、すぽっと入ってきたニュース。
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 もちろん、イランのグリーン革命支援運動、ウイグルの弾圧反対運動、
 オバマ政権の経済危機脱出宣言、チェニーの陰の政府暗殺部隊の暴露、
 クリントンと北朝鮮の舌戦デスバトル………
 
 エントリ予定の記事が、かき氷のてんこもり状態になっているのですが、
 しばし、ニュースで一服。
 
 バカンス事故には気をつけましょう、という教訓も含めて
 アドリア海リゾートの写真とともにお届けします。
 
 【米国時間 2009年7月25日『米流時評』ysbee 】
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d0123476_14281134.jpgクロアチア関連で、素敵なフォトブログと旅行情報のブログを見つけました。
どちらも千花さんという方が編集人のよう。写真が「佳きかな」の風情です。
*クロアチアの碧い海の夢 クロアチアの海と森と世界遺産 街角フォトブログ
*クロアチア旅行情報 *CROATIA DREAMS*


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   JULY 25, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年7月25日号
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 アドリア海リゾートでバカンス特急列車脱線事故、死傷者61名
 米国時間 2009年7月24日午後3時30分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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6 Killed, 55 Hurt in Croatia Train Crash
12 foreigners among the injured during trip to coastal resort of Split
JULY 24, 2009 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
1. Derailing accident in southern Croatia coast

ZAGREB, Croatia — A two-car train carrying about 90 passengers derailed in a remote area of southern Croatia on Friday, killing six people and injuring at least 55. The high-speed train derailed in a remote, hilly area at about noon local time, officials said.
南クロアチア海岸部で特急列車脱線事故
クロアチア・ザグレブ発 |現地時間で24日金曜、クロアチア南部のアドリア海沿岸地方で、90名前後の乗客を乗せた2両編成の列車が脱線。この事故で6名が死亡、少なくとも55名が重軽傷を負った。事故の起きた時間はちょうど正午をまわったあたりで、現場は都市部から離れた海岸部の丘陵地帯と、クロアチア現地警察の担当官から発表があった。
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2. Vacation express from Zagreb to Split

An emergency official, Darko Marinkovic said that the high-speed train was traveling from Zagreb, Croatia's capital, to the city of Split — the final destination 20 miles from the site of accident. The impact of accident has nearly broken one of the two cars in half, leaving a gruesome tangle of metal, seats, blood and passengers' possessions.
首都ザグレブ発アドリア海行きバカンス特急
事故のあった地区の救急隊員ダルコ・マリンコビッチさんの説明によると、クロアチアの首都ザグレブを発車してアドリア海岸のリゾート地として有名なスプリット市へ向かっていた高速列車が、目的地の手前20マイル(約32キロ)の地点で脱線事故を起こしたという。
事故の強烈な衝撃を示すように、2両編成の後方車輌はほとんどまっぷたつに分断され、車輌の残骸には、ちぎれた車体の金属板や座席、血の付いた乗客の所持品などが散乱する惨状を呈した。
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3. Six killed, 12 foreigners among 55 injured

Six people were killed and at least 55 injured. Undertakers removed the dead, while medical teams and helicopters raced to the scene to carry the injured to local hospitals. Split Hospital, where injured passengers were taken, appealed to citizens to donate blood.
死者6名、負傷者55名中12名が外国人
この事故で列車に乗っていた乗客のうち6名が死亡、少なくとも55名が重軽傷を負った。現地の救急隊ヘリや医療救急チームが、事故現場の車輌から救出した負傷者を同地方の病院へ搬送する懸命の救出作業にあたる一方で、専門の処理班が犠牲者の遺体を撤去した。現場から一番近い町は32キロ離れたビーチリゾートのスプリット市だが、負傷者の手当に当たる同市の病院では市民に緊急の献血協力を呼びかけた。
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4. Amidst of vacationing season in Croatia

Among the injured were 12 foreigners: four citizens of France, two from Australia and one each from Slovenia, Sweden, Britain, Pakistan, Serbia and Spain, said another emergency official. Five of them suffered minor injuries and were released from hospital, while others were kept for treatment.
バカンスシーズン最中だったクロアチア鉄道
病院に収容された55名の負傷者のうち、外国人ツーリストは12名に上った。その内訳は、フランス人4名、オーストラリア人2名、その他スロバキア、スェーデン、英国、パキスタン、セルビア、スペインからそれぞれ1名と、別の救急隊員から発表された。外国人負傷者のうち5名は軽傷ですでに退院したが、残りの7名は病院に残り治療経過中である。
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5. Investigation on the way

Croatian Railways said the injured included the train's driver and two conductors, and that the investigation would include an alcohol test on the driver. Croatian Prime Minister Jadranka Kosor said he would visit the wounded in Split Hospital.
事故原因推論A:飲酒運転?
クロアチア国営鉄道からの発表では、負傷者の中には列車の運転手と2名のツアーコンダクターが含まれている模様。また、警察の捜査陣が事故原因を解明中だが、運転手のアルコール度テストを実施したとも公表している。一方、クロアチア政府のヤドランカ・コソール首相は、負傷者を見舞うためにスプリット市の病院を訪問する予定であると、記者会見で発表した。
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6. Trains run too fast before accident

The train is used by many Croatians and young foreign tourists traveling to the coast on summer vacations. One injured passenger, Zarko Rogan, a 71-year-old retiree from Zagreb, said the train seemed to be traveling too fast before the accident. "I told my wife: we have a problem, this train's brakes don't work," he said.
推論B:事故直前に猛スピード?
クロアチア鉄道は夏のバカンスシーズンの真っ最中で、アドリア海沿岸を旅行する国内のバカンス客や、若い外国人のツーリストが利用していた。負傷した乗客のひとりでザグレブから乗った、71才の年金生活者ザルコ・ローガンさんは、事故の起きた前後の模様を次のように語っている。
「事故の起きる直前まで、列車の走るスピードがあまりにも早過ぎると感じたので、同席していた家内に『大変だ、列車のブレーキが効かないみたいだ』と言ったくらいですよ。」
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7. Derailing caused by heat wave?

Croatia is suffering a heat wave with temperatures up to 104 degrees Fahrenheit on Friday, and local media speculated this could have been a factor in the accident.
推論C:熱波でレールが曲がった?
今夏ヨーロッパを襲っている熱波の影響で、金曜はクロアチアでも104°F/40℃の高温を記録した。こうした気象条件から、ローカルのメディアでは「暑さのせいでレールの金属が膨張し曲がったのではないか?」という推論を持ち出した。
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8. Railways' head, 'Too early to conclude'

Zoran Popovac, the head of Croatian Railways, refused during an interview on Croatian state-run TV to speculate about what might have caused the accident. He talked about his thought whether the country's heat wave could have been a factor. "I won't speculate about that at the moment," he said.
国営鉄道長官「結論づけには時期尚早」
だがこうした憶測を受けて、クロアチア国営鉄道のゾラン・ポポバッチ長官は国営テレビのインタビューに答えて、「事故原因を断定するには時期尚早」と結論づけるのを拒否した。鉄道省長官は「今夏欧州全域と同様クロアチアを襲っている熱波について、事故原因の要素として考えられるのでは?」という記者団の質問に対して、「現時点の捜査段階では、まだそのような推論に原因を確定することはできません。」と答えた。
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9. Barely avoided a major accident

Rail traffic was suspended on the route. Reporters at the scene said the crash occurred several yards from a 60-foot-deep chasm in the landscape. The cause of the derailment will be concluded after the process of investigation.
峡谷のカーブだが、大惨事免れる
クロアチア鉄道の現地の路線は、事故発生以来不通となったままである。事故現場へ急行した取材記者のレポートによると、列車はこの地方独特の沿岸風景である海からそそりたつ断崖上を走り、ちょうど高さ約18メートルの切り通しが左右に迫る隘路にさしかかる直前で、軌道から脱線したと伝えている。今回の脱線事故原因究明の結論は、捜査過程が最終的に終了した後で発表される見込みである。 <了>
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【 米国時間 2009年7月25日 『米流時評』ysbee訳 】

d0123476_11564496.jpg◀ 次号「プーケットの舌戦・クリントン VS 北朝鮮 ASEANの対決」
▶ 前号「また墜ちた!イラン今月2度目の旅客機事故で17名死亡」
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by ysbee-2 | 2009-07-25 13:48 | ニュースで一服

また墜ちた!イラン2度目の旅客機事故で17名死亡

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  ||| アーリア航空着陸事故で17名死亡 |||

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 イランで今月2度目のジェット旅客機事故、着陸時に滑走路ランオフで17名死亡
 イラン航空墜落事故で168名全員死亡から、わずか10日目のアーリア航空の惨事


d0123476_16582178.jpgまた墜ちました。イランの民間旅客ジェット。
先回はわずか10日前で、カスピアン航空の旅客機が地上に墜落激突。
搭乗の168名全員が死亡という大惨事に。原因はいまだ捜査中。
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 で、今日のニュースはアーリア航空という、
 これもまたイランに13社ある民間航空の、一社の旅客機。
 
 今回の事故は、墜落ではなく着陸時に、ランディングタイヤが炎上。
 滑走路を走ったまま止まらず、空港の障壁に激突したらしい。

 まだ米国へニュースがもたらされてから数時間で、
 詳細は下の記事に書かれてあるところまでしかわかっていませんが、
 イランは政変の真っ最中でもあるし、
 10日間に2度の墜落事故とあれば、当然陰謀説が浮上。
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 改革派側のサボタージュだという見方もあれば、
 体制側が革命派を摘発するために冤罪にする罠だという説もあり、
 犯人はCIA説、モサド説、KGB説……と諸説紛々。
 
 しかし、今回のマシャド空港での事故は、
 メイド・イン・ロシアのイリューシンジェット旅客機なので、
 KGBの線は消えるわけで……
 政局の混迷とともに、ますます謎の深まるイランの空です。
 
 【米国時間 2009年7月24日『米流時評』ysbee 】

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   JULY 24, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年7月24日号
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 イラン旅客航空界、今月2度目の事故で17名死亡・19名負傷
 米国時間 2009年7月24日午後0時50分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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Iranian Airliner Skids off Runway, Killing 17
Tires of plane caught fire as it was landing in northeast, official says
JULY 24, 2009 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee

1. 17 killed by Aria Air's skid off
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TEHRAN, Iran — Seventeen people died when an Iranian passenger plane caught fire as it was landing and skidded off the runway in the northeast of the country, according to a local official.

アーリア航空の旅客ジェット事故で17名死亡
イラン・テヘラン発 |AP通信ニュース速報
イラン北東部のマシャド国際空港で、旅客ジェットが着陸時にランディング用の車輪が炎上。機体は滑走路を暴走し、空港の境界壁に激突し機首が焼失した。この事故で17名が死亡したと現地の警察から報告された。

右:イランのサテライトネットで英語媒体のPress TVニュース画面からグラブした、アーリア航空の悲惨な機首映像。炎上と言うわりには通常燃えた形跡として残る黒く炭化した部分がなく、どう見ても内部からの爆発かミサイルで機首が断ち切られたような、凄惨な崩壊だ。

2. Landing tires caught fire and crashed

Provincial official Ghahraman Rashid told the state news agency that the tires of the plane from the private Aria airline caught fire during its landing Friday in Mashhad and it crashed into walls near the runway. Another 19 people were injured in the crash in which the cockpit also caught fire.
着陸時にタイヤ炎上、止まらず機首激突
テヘランから75マイル北東のマシャド市で、航空機事故が発生。同地区のガハラマン・ラシド警察署長が国営メディアに報告した内容によると、イランの現地時間で24日金曜夕刻、イランの民間航空会社アーリア航空所属のジェット旅客機が滑走路に着陸の際、着地用車輪が炎上。機体はそのまま滑走路を突っ走り、近くの境界壁に激突して機首が大破炎上。搭乗者から死者17名、負傷者19名を出す、イラン航空界で今月2度目の惨事となった。
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 わずか10日前にカズナン市郊外ジャナタバード村上空で発生し、168名が即死したカスピアン航空の墜落事故現場

3. Second airplane crash in this month

Aria Air Flight 1525 was a scheduled flight which departured from Khazakhstan and crashed on landing at Mashhad International Airport. There were 153 passengers and an undisclosed number of crew on the Russian-made Ilyushin plane.
今月2度目の旅客機墜落事故
今回のアーリア航空1525便は、当初カザクスタンを出発。テヘランから75マイル北東のマシャド国際空港へ着陸の際に失敗して機首を大破し、死者17名、負傷者19名を出すイラン航空界で今月2度目の惨事となった。事故を起こした旅客機はロシア製のイリューシン旅客機で、事故当時は153名の乗客と不確定数の乗員が搭乗していた。
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 イラン国営メディアのIRNAから テヘラン北東75マイルの墜落地点で献花するアルメニア人の事故犠牲者の親族

4. Crash on July 15 killed 168

On July 15, an Iranian passenger plane crashed soon after take off, killing 168 people aboard. Iranian airlines, including state-run ones, are chronically strapped for crash, and maintenance has suffered. The aircraft involved was an Ilyushin IL-62M, registered UP-I6208, one of three Il62Ms to have entered service with Aria Airlines earlier in 2009.
10日前もカスピ航空墜落事故で168名全員死亡
イランでは今月15日にもイラン航空の旅客機が離陸直後に墜落。搭乗の乗客乗員168名全員が死亡した。イランの旅客航空界では、国営のイラン航空も含めて以前から墜落事故が絶えず、整備不良体制もその一因として挙げられている。
今回の事故機はロシア製の「イリューシン IL-62M」で航空機登録ナンバーはUP-16208。今年早々にアーリア航空が導入した3機のロシア製旅客機の中のひとつだった。
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 今月15日カスピアン航空墜落事故では搭乗者168名全員が死亡 亡くなったイラン系カナダ人親子の生前の写真

5. Old Russian jet plane: Ilyushin IL-62M

Iranian airlines, including state-run ones, are chronically strapped for cash, and maintenance has suffered. The aircraft was originally in service with East German state carrier Interflug and still bore the airline's red cheatline and tail, although it had served with a number of airlines in Russia, Kazahkstan and Africa, since the demise of Interflug in 1991.
東ドイツ時代からの旧式中古旅客機
事故機は元々は、冷戦末期のソ連統制下の東ドイツで輸送機として採用されたもので、機体にはいまだに「東ドイツ国営航空」を表す赤いボディラインと尾翼のデザインが残ったままだった。
同機はその後91年のインターフラグ以降は、ロシアの民間航空機からカザフスタン、アフリカの共産系国家……と各国間を転々と転売されて、最終的に現在のアーリア航空の所属に納まった長い経歴を持つ。
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 2006年9月にも、やはり今回と同じマシャド空港で、着地に失敗した国営イラン航空の旧ソ連製旅客機が墜落炎上

6. All pilots and seven technicians are Kazakhs

The accident happened at 18:10 Iran Daylight Time (13:40 UTC). The aircraft is reported to have crashed and caught fire on landing. Seventeen people were killed — all occupants of the cockpit, all occupants of the first three rows in the forward passenger cabin, and the cabin crew seated at the front of the passenger cabin — and 136 survived the accident. The pilots, and seven other technicians aboard, were Kazahkstan nationals.
死亡したパイロットと7名の科学者はカザクスタン人
事故が起きたのは、イランの現地時間で午後6時10分。目撃者の証言では、機首が着陸時点で大破し炎上したという。この際にコックピット内のパイロット全員と、座席前方シートの最前列から3列に着席していた乗客全員、さらに前方シートと操縦室の間にいた添乗員全員の、総数17名が即死した。事故発生直後、残りの乗客136名は後部の非常ドアから脱出して生還した。ちなみに、パイロット全員と最前部に着席して死亡した7名の科学技術者は、カザクスタン国籍だった。
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 テヘランのメヘラバード国際空港で先月3日撮影の、アーリア航空の旧ソ連製イリューシンIL-62ジェット旅客機

7. Weather in good condition at landing

The weather on Thursday was good at the time of the accident: wind at 14 knots, 060 degrees; ceiling and visibility unlimited; temperature 33 degrees C; dew point -4 degrees C; altimeter 1012 millibars. The aircraft, however, landed with a crosswind.
飛行に最適だった着陸当時の天候
金曜のイラン現地の天候は、事故発生当時は飛行にまったく支障のない好天だった。
以下当日の天候条件の詳細:風力14ノット;上空より地上へ風向060度;上空及び全方向位へ視界最良;気温33℃;氷結点マイナス4℃;気圧1012ミリバール。
ただし、機体着陸時点では向い風だった。 <了>
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 テヘラン空港離陸直後のカスピアン航空墜落事故では搭乗の168名全員が死亡 棺でイェレヴァンに戻った犠牲者

【 米国時間 2009年7月24日 『米流時評』ysbee訳 】

d0123476_11564496.jpg◀ 次号「バカンス特急脱線!アドリア海リゾート列車事故で死傷者61名」
▶ 前号「黄昏のラプター F22廃止・軍産複合体に半世紀目の楔」
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by ysbee-2 | 2009-07-24 05:45 | テロとスパイ陰謀

黄昏のラプター F22廃止・軍産複合体に半世紀目の楔

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   ||| 軍産複合体 半世紀目の黄昏 |||

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 米軍 F-22ラプターの生産中止は、米国に跋扈した軍産複合体 解体への第一歩か
 アイゼンハワー半世紀の悲願「米国の主権を軍需産業に渡すな」をオバマが実現


d0123476_16582178.jpg今回のF-22発注停止の時事をどう見るかで、
各自の立ち位置が明確に見えることに気づいた。
ネオコンタカ派は、当然軍事予算縮小を実行に移すオバマ政権を
「米国の防衛力を弱体化する」と非難する。

 一方リベラルのハト派はもちろん、
 米国民の大半を占める、インディペンデントな中道穏健派にとっては、
 半世紀近い平和への悲願が現実となった、時代を画する決議であり、
 米国政治に巣食う癌細胞「軍産複合体」の解体へ向かう突破口となった感がある。
 その反応、まさに雲泥の差、天国と地獄である。
 
 この兆候を端的に言うと「ぶっちゃけて」書いた私のコメントの方が、
 かしこまった記事よりももっと判りやすいかも知れないとも思えるので、
 JINさんの関連記事に寄せた私のコメントを冒頭に引用します。
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 [ここから J i n & T o n i c に書き込んだ拙コメント]

 ……私の方でも、たまたま今日はオバマの記事でした。
 もっとも、軍縮の話題でしたが。
 この件に関しては、日本のマスコミはもちろん、
 米国のメディアでもあまり騒がれませんでしたけど、
 ホントは凄いことだと思うんですよ。

 何しろ、そもそもはアイゼンハワーの昔にまで遡るんですが、
 彼が大統領を辞める時に「軍産共同体は米国を食い潰す」と、
 はっきりと警告してるんですね。

 第二次大戦、朝鮮戦争と陣頭指揮を執ってきたアイゼンハワーでさえ、
 現役中にはその危惧を言えず、辞める段に死ぬ気で警告した。
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 その後、ケネディもそれを懸念して、ベトナム戦争を回避しようとしたけれど、
 逆に暗殺されてしまった。
 (遺志を継いで大統領選に立候補した弟のロバート "ボビー"・ケネディも……)

 だからその後は、軍産体制にたてをつこうとした大統領は
 出現しなかったわけですよ。
 と〜こ〜ろ〜が〜……

 オバマ出現。
 世界を変えると言うのは本当だった訳で、
 軍産複合体の跳梁に、ついにストップがかかった。
 ブッシュの代で飛躍的に膨張した軍事予算を、縮小の方向へ大転換です。
 
 予定されていたF-22の発注はナシ!
 あんな高いモン、買ってられるか。それより国民の福祉へ、という訳です。
 
(この転換をペンタゴン的に見ると、以下の通り:
 *追加発注キャンセル → 長距離飛行用戦略爆撃機生産中止 → 侵略戦争ナシ)
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 私自身「軍産にメス」のかけ声は「ロビイスト撤廃」と一緒で、
 選挙の公約には貼っても実施は無理だろう、と思っていたので、
 今日上院でF-22発注ストップの議案が通過して、正直驚きました。

 実は、いまオバマが全力投球している国民健康保険の議案は、
 こちらの軍縮案を騒ぎにならないうちに通すための
 煙幕用のカモフラージュじゃないか? とまで思えたり。
 それだけ、のちのち凄い影響が出てくる政策転換だと思います。
 (世界の軍事相関図のバランスを崩して行くかも知れない、という意味で)

【米国時間 2009年7月22日『米流時評』ysbee 】

 ここから下のAP通信の記事は、昨日のエントリ
 「オバマの軍縮・軍産複合体解体へ大いなる第一歩」からの続きです。
 まだお読みになっていない方は、ぜひ前号の冒頭からお読みください。

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   JULY 22, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年7月22日号
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 半世紀前のアイゼンハワーの悲願「軍産複合体解体」オバマが実現
 米国時間 2009年7月21日午後6時10分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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オバマの訪問先いたるところでこぼれる笑顔。どこへ行っても元首同士はもちろんだが、側近や護衛までが満面の笑み

8. Risky defense against China, Russia?

WASHINGTON — Meanwhile on the other side, supporters of the program insisted the F-22 is important to U.S. security interests. They are pointing out that China and Russia are developing planes that can compete with it — and needed to protect aerospace jobs in a bad economy.
中国とロシアの軍拡に対抗するリスクを懸念
一方、軍縮を標榜するオバマ政権とF-22生産計画の存続をめぐって対抗するラプター推進派は、F-22戦闘ジェット機は米国の防衛戦略上必須であると、生産継続に固執した。彼らの言い分は、中国とロシアがF-22に対抗するような機種のジェット戦闘機を開発中であると指摘し、不況の最中にあって航空機産業界の職場を確保する必要もある、と執拗な説得を続けた。
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ライクラサミット前のモスクワ訪問で、プーチン首相と私邸で会談するオバマとジェームズ・ジョーンズ防衛顧問

9. 'Chinese are anxious for this vote'

"The Chinese are really anxiously awaiting this vote," said Sen. Saxby Chambliss, a Republican from Georgia whose state would be one of the hardest hit by the shutdown of F-22 production. In the Pentagon, however, the Secretary of Defense Robert Gates — first appointed by President George W. Bush — wants to shift military spending to programs more attuned to today's unconventional wars.
F22推進派「否決を望んでいるのは中国」
「今回の票決を固唾を飲んで待ち望んでいるのは、中国政府ですよ」共和党ジョージア州選出のサクスビー・チャンブリス上院議員は、F22存続問題に関してこう言い捨てる。出身のジョージア州は、万一F-22が生産停止になれば大打撃を受ける州のひとつとなる。
しかしながら肝心のペンタゴンでは、先代のジョージ・W・ブッシュ大統領2期目に任命されオバマ政権下でも継続して任務に就くロバート・ゲイツ国防長官が、米国の軍事予算を今日の複雑な局地戦に的を絞った作戦計画の方へ向けたいという意向で、軍事予算のシフトを希望している。
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10. Shift to next-generation F-35 Lightning

The F-22, designed for midair combat, has been irrelevant to the wars in Iraq and Afghanistan and therefore unused there. Gates and other Pentagon officials want to put more emphasis on the next-generation F-35 Lightning. F-35 is a single-engine jet that would be used primarily to attack targets on the ground and would replace the F-16 and the Air Force's aging fleet of A-10s.
戦闘ジェットも次世代機種へシフト
問題の焦点となったF-22ラプターは本来空中戦用に開発されたジェット戦闘機であるため、敵陣が空軍を持たない現状のイラクやアフガニスタンのゲリラ戦においては、むしろ無用の長物だった。
ゲイツ長官およびペンタゴン高官は、同じステルス戦闘機でもむしろ次世代型のF-35ライトニングへと、空軍戦力の主力を移したいという意向を持っていた。シングルエンジンのF-35は、もともと局地戦で地上ターゲットを攻撃する特性でデザインされた機種であり、空軍で従来使用されてきたF-16や旧式のA-10に変わる先鋭機として開発生産されてきた。
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メインランドの空軍基地で、実戦演習を終え F22から降りるファイタージェットパイロット

11. Focus on practical purpose

The Air Force plans to buy more than 1,700 F-35s, which are currently being produced in small numbers for testing purposes. Versions of that plane, known as the Joint Strike Fighter, are also being built for the Navy and Marine Corps, another plus for supporters.
アフガンの実戦に即したF35に焦点
F-35に関しては現時点まではまだ試験採用段階で、生産機数もわずかだったが、米国空軍の計画では総数1700機以上を発注する予定でいる。「Joint Strike Fighter=編隊攻撃戦闘機」として知られるこの機種のジェット戦闘機は、(滑走路が短くて済むので)海軍や海兵隊でも使用できる利点に恵まれていることを、F-35推進派は説得の根拠にしている。
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スーパーソニックスピード=超音速で飛行「ライトニング=電光石火/閃光」と命名されたロッキード F-35戦闘機

12. Changing the way of Capitol business

The defense bill has money to build 30 F-35s. "The president really needed to win this vote," said Levin, a Democrat, not only on the merits of the planes but "in terms of changing the way we do business in Washington."
ワシントンビジネスの慣れ合いに改革
今回の軍事予算改定案では、F-2212機の前渡金に代わって30機のF-35を生産する予算ができた。
「オバマ大統領は、今回の議決を心底希望してましたよ。」上院の軍事委員会で議長を務める民主党のベテラン、レヴィン議員は、今回の決議の意義は、予算が実戦で活用できる機種へ変更できただけでなく、これまでワシントンの政界を牛耳ってきたやり方(軍産共同体の言いなりの発注)を根本から変えて、議会が主導権を握ったことに意義があると評価する。
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ホワイトハウス執務棟ウェストウィングの大統領筆頭執務官ラーム・エマニュエルへ議案の説明に出かける下院議員

13. Hatch,'NASCAR racer of U.S. Air team'

Sen. Orrin Hatch, a Republican, added that the F-35 is designed to supplement, not replace, the F-22, "the "NASCAR racer of this air dominance team."
ハッチ議員「F-35は空軍のレースカー」
さらに(前号で述べたマケイン議員と同様に)超党派でレヴィン・マケイン議案の通過を応援した共和党のベテラン議員オリン・ハッチ氏もまた、今回の画期的な法案可決を次のように賞賛した。
「F-35は、単にF-22に代行するためではなく、戦闘現場での必要十分条件を満たす目的でデザインされた戦闘機です。極めて優れた最先端の性能を誇り、現在の空軍チームの中ではNASCARのレースカーのような存在と言えるでしょう。」
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滑走距離が短くて済むため地上の空軍基地を必要とせず、海軍の航空母艦から発着可能な利点を持つ F-35ラプター

14. Effecting 25,000 Lockheed Martin employees

Supporters of the F-22 have put the number needed at anywhere from 250 to 380. Both F-22 and F-35 are produced by Lockheed Martin. According to Lockheed Martin, 25,000 people are directly employed in building F-22 lines, and 70,000 more have indirect links, particularly in Georgia, Texas and California.
ロッキードマーチン社の失業者懸念
F-22支持派は、今後も250〜380機内外の線で、F-22の生産を必要とすると力説する。F-22ラプター、F-35ライトニングの両機種とも、ロッキードマーチン社が生産している。
ロッキード社の説明によると、F-22生産工場の正規従業員は2万5千名を数え、その下請けなどの関連企業は7万名を越えるという。F-22の工場所在地は主に、ジョージア州、テキサス州、カリフォルニア州となっている。
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相変わらずローカルの自治体回りを欠かさないオバマ 先週14日、ミシガン州ウォーレンのコミュニティカレッジで

15. Dod turned to be a supporter of F-22

Sen. Chris Dodd, D-Conn., who is Obama's ally on overhaul of health care, argued passionately for continued F-22 production. Save the F-22, said Dodd, and you save the jobs — including about 3,000 at United Technologies based in his home state."
ドッド上院議員はF-22継続支持派
民主党コネチカット州選出のクリス・ドッド上院議員は、現在米国議会で最大の焦点となっている健康保険の全面改訂案(民主党の長年の懸案である「国民健康保険」の制定)に関してはオバマの強い味方であるが、ことF-22の生産存続に関しては熱のこもった議論を展開した。
ドッド議員の論旨は「F-22の維持は職場の維持」と主張する通り、あくまで雇用問題である。特にF-22生産のロッキード社に、コンピュタ制御などの計器類を納品しているユナイテッドテクノロジー社は、彼の出身地であるコネチカット州に本社があり、3千名の従業員が従事している。
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スーパーソニックジェットも、元を正せば金属板 ロッキードマーチン社製 F-35ライトニングのアッセンブリー工場

16. Senate OKs defense bill near $1 trillion

"To cancel the program would be a great danger to the nation — not to mention to these jobs which are critically important to our nation’s future,” he said. The Senate defense bill authorizes $550 billion for defense programs and $130 billion for military operations in Iraq and Afghanistan and for anti-terrorist operations.
巨額の今年度軍事予算 上院を通過
「F-22の生産計画をキャンセルする事自体が、国家にとっては大いなる危機です。ましてや、生産にたずさわる高度な技術者が失業するとなれば、わが国の未来にとって由々しき事態を迎える事になります。」ドッド上院議員は、雇用問題を懸念してこう語った。
上院の次年度防衛予算案では(2009年9月〜2010年8月)、国防計画に対して5,500億ドル(約52兆円)を承認した。また、イラクとアフガニスタンを主な戦線とする対テロ戦争の軍事作戦に対しては、1,300億ドル(約12.3兆円)が計上され、予算案は上院を通過した。 <了>

【 米国時間 2009年7月22日 『米流時評』ysbee訳 】
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d0123476_11564496.jpg◀ 次号「革命の武器は携帯カメラ・歴史を変革するメディアツール」
▶ 前号「オバマの軍縮・軍産複合体解体へ大いなる第一歩」
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by ysbee-2 | 2009-07-22 12:15 | オバマの時代

オバマの軍縮・F22生産停止で軍産複合体にストップ

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   ||| オバマの軍縮・ノーモア F-22 |||

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 米国上院決議で F-22戦闘ジェット機の製造停止を可決、軍縮への一大方向転換
 オバマ大統領「国税浪費」民主党半世紀の悲願達成、軍産複合体解体への第一歩


d0123476_16582178.jpg日本の自衛隊でもF-22戦闘ジェットの購入を見送った
というニュースを、先月見かけたような気がするが
(記憶違いだったらごめんなさい)軍産本家本元の米国でも今日、
今年度の軍事予算で F-22をこれ以上新規生産する予算を却下した。

 この決定は 今日22日火曜の段階で、ワシントンの米国上院で票決されたものである。
 上院は、議員の構成比が民主党51議席対共和党49議席で、
 そのままの投票であれば、共和党中道派議員数名の賛成票も含めて、
 辛うじて議決に必要な60票をかき集め、議案決定となるところだ。
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 だが、米国政治の「冬のライオン」
 大長老のエドワード (テッド)・ケネディ議員が
 脳腫瘍の療養中で すでに2か月も欠席のため、
 いつも決議が通るまではらはらさせられる
 「会議は踊る」経過となる。

 一方下院の方は 民主党が圧倒的多数を占めるので、
 一旦上院で可決されれば、あとは余程の混乱が発生しない限り
 多数票ですんなり議院通過となる。

 議会の承認を得て生まれたばかりの真新しい議案は
 その足で ホワイトハウスへと提案議員がたずさえ、
 オバマを取り囲んで大統領署名が記されれば、
 めでたく国家の法案として、正式に成立する。
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 ジョージ・W・ブッシュの代までは、
 こういう議会システムの一部始終まで
 通常のニュース番組で「実況で」報道する、などという例はまれだった。

 しかしオバマが就任して以来、
 何しろ国民の注目が ホワイトハウスに注がれるものだから、
 視聴率を気にするTVメディアとしては、オバマの一挙手一動足まで
 「ライブで」オンエアする体制になってしまった。

 おかげで、それまで無名の存在だった議員が
 重大発言をしたというので突如知名度が上がったり、
 法案のきっかけになった一市民の
 悲劇や美談が 一躍脚光を浴びたり、
 メディアのステージとしての首都ワシントンの重要度も
 オバマ政権への移行とともに倍増した。
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就任以来、新体制のホワイトハウスへ連日国内外の「オバマ詣で」ビジターが押しかける 写真はチリ外交団の一行

 今日のニュースは、その台風の目オバマが
 大統領選の遊説でも繰り返し主張してきた
 「軍産複合体にメス」の軍縮論がついに着地した、
 歴史的な重要案件成立の報告である。

 派手さも何もないニュースだが、
 事の重みを知る人々にとっては、
 驚嘆の目を見張る、歴史的局面である。

 またそれ以前に、すでに海外での演説でも宣言してきたように、
 オバマは、長年の彼の悲願だった
 「核廃絶」への行程を 歩み出してもいる。
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オバマは今月上旬イタリーのライクラG8サミットに先駆けてモスクワを訪問 メドベージェフ大統領、プーチン首相と会談後、7日にロシア国会の野党代表団(右側)と「ポスト冷戦の米ロ関係」について話し合うオバマ政権外交団

 今回の軍縮への第一歩は、第2次大戦から朝鮮戦争の総指揮を取り、
 大統領を退陣する際に 冷戦の前兆を感知したアイゼンハワーが、
 「戦争産業に支配されるな」と、米国の政府と国民へ残した警告。

 あの有名な演説以来「Military Industrial Complex=軍産複合体」が
 米国政治の指揮権を握ることを憂慮し続けた世代にとって、
 非核宣言とともに、半世紀近い悲願達成への第一歩でもある。

 上院のこの勇断に対して、ペンタゴンから声明を発した
 ロバート・ゲイツ国防長官の声は、心なしか震えていた。
 不可能と思われていた米軍の軍縮が、ついに可能になったからだ。
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 「防衛とは守りであって他国への侵略ではない」
 という鉄則を是とする良識派の軍人にとっては、50年後の奇跡だ。

  「If not now, then when?」
  「今でなければ、いつやると言うのか?」


 オバマを「演説がうまいだけ」と評価する御仁たちは、
 世界史の流れを変える彼の真価と実力に、まだ気がついていないのだと思う。
 あるいは、気がついても認めたくないだけなのかも知れない。

 【米国時間 2009年7月21日『米流時評』ysbee 】

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   JULY 21, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年7月21日号
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 半世紀の悲願、オバマの軍縮計画で軍産複合体解体へ大きな一歩
 米国時間 2009年7月21日午後6時10分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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Senate Rejects Funds for More F-22 Fighter Jets
Obama hails Senate's decision, says 'More F-22's an inexcusable waste'
JULY 21, 2009 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
1. Slimming down the defense bill

WASHINGTON — The Senate voted Tuesday to terminate further production of the U.S. Air Force's topline F-22 fighter jets, giving President Barack Obama a major spending victory and siding with the Pentagon's desire for smaller jets better suited to 21st-century wars.
オバマ政権の軍事費削減計画効果
ワシントン発 |米空軍御用達のジェット機種ランクでもトップに挙げられる、F-22戦闘ジェット「ラプター」に関して、今後これ以上の製造を停止するという議会法案が、21日火曜米国上院で可決された。この票決は、バラク・オバマ大統領にとって大巾な軍事費削減・国費歳出節約の政策的勝利をもたらした。
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 沖縄の座間米軍基地の滑走路で、発進体制に入る空軍のF-22ラプター戦闘爆撃ジェット 本年6月16日撮影

2. From monster to mosquito

The Senate decision Tuesday also takes on side with the Pentagon's desire for smaller jets better suited to 21st-century wars. F-22 supporters complained the action would be a blow to long-term national defense — and cost thousands of jobs in the middle of the recession.
戦略爆撃機から近代戦用小型戦闘機へ
今回の「予算棄却=発注なし=生産停止」という基本方針の決定で、(超高額なF-22戦闘機を製造納品する側のロッキードマーチン社の意向を蹴って)21世紀型の近代戦(長距離じゅうたん爆撃よりもゲリラ戦・局地戦)に適応する小型の戦闘ジェット機 F-35 を要望していたペンタゴン側に、結果的に軍配が上がったことになる。
しかし、議会での F-22 推進者は「長期的展望で見た際の国防問題にとって(長距離戦略爆撃機の生産停止は)大打撃になるだろう」と反撃し、さらには不況のどん底にある現状では、ロッキード社に従事する者数千人が失業する憂き目にあうだろうと懸念している。
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 オレゴン州ポートランドの空軍基地で、環太平洋防衛の実戦演習を終え F15から降りた戦闘ジェットパイロット

3. Biden, Gates persuaded lawmakers

The House last month approved its version of the defense bill with a $369 million down payment for 12 F-22 fighters. Wavering lawmakers heard repeatedly from Vice President Joe Biden, Defense Secretary Robert Gates and other senior administration officials. He said he rejected the notion that the country has to "waste billions of taxpayers dollars" on outdated defense projects.
バイデン副大統領、ゲイツ国防長官も中道派説得に尽力
下院では先月、上院とは別に下院議員で構成する軍事委員会が提出した2010年度防衛予算の中で、F-22戦闘ジェット12機の発注時の前渡金(購入費総額ではない)の支払費用として3億6900万ドル (約345億円/1機当りの前渡金 約28.5億円) を、別項目の費用と一緒に承認可決していた。
しかし(法案制定の最終決定を与る)上院では、ジョー・バイデン副大統領、ロバート・ゲイツ国防長官を始めとするオバマ政権の長老格が、中道派議員に対して説得を繰り返し、F-22の新規発注を見送るよう働きかけた。
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【注:米国民主党と軍産共同体、半世紀の攻防】
上の写真は、上院議員に7期選ばれ外交委員会の議長を長年務めたワシントン政界の大ベテラン、ジョー・バイデン副大統領。直言が過ぎて批判を浴びる事もあるが、逆にそれだけ本音を語る政治家ということで、一般国民からの信望は厚い。今回の上院の決議は、こうした米国の良識派の長年の悲願が、アイゼンハワーの警告以来半世紀を経てようやく実った結果である。
2000年以来ブッシュの悪政の下で苦しんだ後、まず最初に06年の大勝で、民主党が下院で圧倒的多数の議席を獲得した。続いて昨年の大統領選でめでたくオバマ大統領が選出され、名実共に与党の地位を確立。さらに上院でもぎりぎりの過半数議席を占める体制に。
こうして、立法のために必要な三役そろい踏みの体制が整ったおかげで、これまで50年もの間、米国を欲しいままに食い潰してきた「軍産共同体」の巨大な構造、ペンタゴンと軍需産業の癒着体制に対して、今年初めてメスが入れることができた訳である。

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4. McCain, 'signal to limit building weapons systems'
"The vote was a signal that we are not going to continue to build weapons systems with cost overruns which outlive their requirements for defending this nation," declared Republican Sen. John McCain of Arizona. McCain joined Senate Armed Services Committee Chairman Carl Levin in arguing for cutting off production.
超党派マケイン「軍産複合体に歯止めの兆候」
今回の票決について、共和党アリゾナ州選出のジョン・マケイン上院議員は次のように評価した。
「F-22発注の予算却下は、わが国を防衛するという観点から見れば、『不必要な攻撃能力を備えた過剰なコストを食う兵器製造体制 (build weapons systems/軍産複合体システムを指す) を、これ以上無条件に継続していくつもりはない』という上院良識派の決意を示す兆候 (signal) である。」
マケイン議員は、米国議会でも強力な上院の軍事委員会の常任メンバ−だが、今回のF-22製造停止に関しては、委員会の長である民主党の長老カール・レヴィン議員に、党派を超えて協力する態勢をとり、仲間の共和党議員中道派の説得に努力して成功した。
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 上院の軍事委員会を代表する2人の長老議員、民主党のカール・レヴィンと共和党のジョン・マケインが推進した
 経緯で、今回のF-22廃止の予算改訂案は俗に「Levin-McCain Bill/レヴィン・マケイン議案」と呼ばれる。


5. Hard-fought victory for Obama

The 58-40 vote to cut the money from a $680 billion defense bill was a hard-fought victory for Obama, who had threatened to veto defense spending legislation if it included funds for more F-22s. Obama told reporters at the White House the Senate's decision will "better protect our troops."
上院議決 58票対40票で辛勝
総額6,800億ドルの2010年度防衛予算から、F-22生産費用を削減する法案の表決は58票対40票で、オバマにとっては厳しい論争の末の辛勝だった。
オバマ自身は、今回の削減案が通らずにF-22増産体制の防衛予算が議会で成立した場合には、大統領権限のVETO=拒否権を発動するとまで警告を発していた。今日(21日火曜)この重要案件である予算改定法案が上院を通過したことを知らされた大統領は、ホワイトハウスでの記者会見で、報道陣に「上院の決定はわが国の軍隊をよりよく守ることになる」という謝意を表明した。
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 先週ワシントンのアイゼンハワー旧エグゼクティブビルで開催のフォーラムで、スピーチの直前にテレプロンプター
 (演説用字幕を映すガラススクリーン)が落ちて壊れた。こういう時のオバマの速攻スピーチは原稿より面白い。


【注:予算の焦点 兵器から兵士への転換】
オバマ政権の防衛予算に対する取り組みは、今回の一件でも明らかなように、ブッシュ・ネオコン体制からの180度転換である。従来のブッシュ政権は、軍産共同体が潤うような最新兵器発注が優先で、イラク出兵の兵士に防弾チョッキが行き渡らなかったり、甚だしい例では銃すら配布できなかったという「人命軽視」の防衛態勢が過去8年間続いていた。こうしたネオコンタカ派的風潮を一掃して、本来の「防衛」に徹し、兵士の安全と待遇を改善しようというのが、新しいオバマ政権下でのペンタゴン行政の指針となりつつある。

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6. Debates on importance of strategical war plane

The $1.75 billion was aimed at adding seven F-22s to the current plan to deploy 187 of the twin-engine stealth planes. Some of those 187 are still in the pipeline and will be completed. On the other side, supporters of the program insisted the F-22 is important to U.S. security interests.
戦略用爆撃機の重要性をめぐる論議
昨年ブッシュ政権時代までは、これまでに187機のツインエンジンF-22ステルス機が米空軍の戦闘爆撃機として採用されており、これにさらに7機追加生産する予定で、17.5億ドル(約1650億円)が2010年度の予算として計上される予定だった。
しかし過去発注分の187機のうち数機は、現在まだに製造中で完成される過程にあると説明されている。一方ステルス採用計画の支持者は、F-22は米国の防衛に利する上で重要であると、いまだに主張している。
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7. Final decision awaits at House floor
"I reject the notion that we have to waste billions of taxpayer dollars on outdated and unnecessary defense projects to keep this nation secure," Obama said after the vote. While Tuesday's vote gives momentum to the anti-F-22 side, a final decision must wait for the House and Senate to reach a compromise on their differing defense bills.
最終決定は下院の票決待ち
オバマ大統領は上院採決の報告を受けて、次のように語った。「本来わが国を平和に保つために存在する防衛計画上で、時代遅れの不必要な兵器(ニュアンスとしては軍需産業のおもちゃ)のわずか1機でさえ、それにに対して数十億ドルもの国税を浪費しなければならないというような(馬鹿げた)考えは拒絶して当然だ。」
火曜の票決は、F-22反対派にとっては時代を画する重要な決定事項となった。しかしながら、最終的決定は、上下両院でそれぞれに異なる防衛予算案をすり合わせて、統一された予算案ができあがるまで待たねばならないようだ  >次号へつづく

【 米国時間 2009年7月21日 『米流時評』ysbee訳 】
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d0123476_11564496.jpg◀ 次号「黄昏のラプター F22廃止・軍産複合体に楔」
▶ 前号「過激派テロのターゲットは欧米資本と外国人ツーリスト」
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by ysbee-2 | 2009-07-21 14:18 | オバマの時代

過激派テロのターゲットは欧米資本と外国人ツーリスト

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   ||| 狙われる外国人VIPツーリスト |||

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 アジア地区のイスラム過激派テロ組織、ジャマーイスラミヤ、ラシュカレタイバ
 アルカイダ系テロ組織のターゲットは、欧米資本高級ホテルと外国人ツーリスト


d0123476_16582178.jpgジョージ・W・ブッシュの1期目、2001年の9/11同時テロ攻撃に対する復讐戦としてはじまったテロ戦争「War on Terror」。通常は英仏戦争、米西戦争のように、戦争当事国の名前が冠せられる戦争で、「Terror=テロ」という概念自体が敵という、前代未聞の漠然とした戦争の定義づけが成立してしまった。

 この時点から、どの国家であれ組織であれ人物であれ、
 ブッシュ政権下の国務省が「テロリスト」と認定すれば、
 敵性対象として自動的に攻撃を容認するシステムが作られてしまった訳である。
 (判断素材は、国務省配下のCIAおよびペンタゴン配下のNSAの諜報資料)
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 しかし、昨年11月にオバマが大統領に選出され、今年1月に正式就任したため、
 それまでブッシュ政権下で行き詰まっていた米国の
 あらゆる方針と政策は180度方向転換し、軍事面でも
 戦線を拡大する一途だったテロ戦争を、削減する方針へと変換した。
 
 かくして、まず「テロ戦争」という用語を一切使用しない態勢となり、
 1年以内にガンタナモ捕虜収容所も閉鎖する予定で、戦争捕虜にも
 基本的人権にのっとって正規の裁判を受けさせるよう、方針転換した。
 
 その結果、6月にはウイグル人の戦争捕虜が無罪放免となり、
 出身地の新彊自治区へ帰国させると、
 中国政府のイスラム教徒への弾圧で、再逮捕される恐れがあるので、
 カリブ海の英領バミューダやパラオ諸島など、
 受け入れを認可した国家へ亡命の形態で引き取られた。

 今月の新彊ウイグル自治区での中国の弾圧には、
 こうした背景も絡んでいるように見受けられる。

 【米国時間2009年7月19日『米流時評』ysbee】

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   JULY 19, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年7月19日号
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 アジアの高級ホテルとVIPツーリストをターゲットにするイスラム過激派テロ
 米国時間 2009年7月18日午前11時10分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee


 7/17号「ジャカルタのJWマリオットとリッツカールトン ホテル連続爆破テロ
 7/18号「真相究明・ラグジュアリーホテルに宿泊していた連続爆破テロ犯人」からの続き

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Asian Terror Groups Target High-End Tourism
Bomb hidden in laptop computer is also found at hotel hit by suicide attack
JULY 18, 2009 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
9. Executive forum of consultancy firm

JAKARTA, Indonesia — The attack occurred as the Marriott was hosting a regular meeting of top foreign executives at major companies in Indonesia organized by the consultancy firm CastleAsia said the group which is headed by an American.
国際フォーラム参加の外国人VIP宿泊中
今回の襲撃があった時点では、5スターホテルのJWマリオット・ジャカルタで、米国法人の「CastleAsia=キャスレーシア」というコンサルタント会社の主催で、インドネシアの主要企業を取りしきる外国人経営者が参加する年次恒例のフォーラムが、ちょうど開催されていた最中だった。
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JWマリオット、リッツカールトン共に5スタークラスのラグジュアリーホテルで利用客には外国人ツーリストが多い

10. Australian think tank warned ahead

An Australian think tank, the Strategic Policy Institute, had warned the Southeast Asian terrorist group Jemaah Islamiyah might launch new attacks just a day before Friday's deadly strike.
事前警告を発していた豪州シンクタンク
また金曜のホテルテロ襲撃のまさに前日に「Strategic Policy Institute(戦略方針研究所)」というオーストラリアのシンクタンクが「東南アジアのテログループ、ジェマーイスラミヤが新たなテロ襲撃を実行する可能性がある」と、警告を発した翌日に事件が起きているのも偶然過ぎる。
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リッツカールトンから緊急避難する顧客 両ホテルともジャカルタを代表するレストランがテナントとして入っている

11. Capitol under the extreme security

Security is tight at five-star hotels in Indonesia. Guests typically walk through metal detectors and vehicles are inspected, but many visitors say searches are often cursory.
首都ジャカルタの治安厳戒態勢下に
今回のテロ爆破事件の起きるよりもはるか以前から、インドネシアでは5スタークラスのラグジュアリーホテルに対しては、厳重な保安警備体制がとられていた。宿泊客やホテル内の飲食施設の利用客は、まずエントランスで金属探知機のゲートをくぐり、もちろん駐車する車輌もすべてチェックされていた。しかしながら利用客の多くからは、急ぐ際にはチェックはしばしばおざなりだったという批判の声も上がっている。
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JWマリオットの正面玄関で厳戒態勢の警備につく首都警察のスワットチーム 誰何して止まらなければ撃たれる

12. Technical advance by terrorists

"If they (the terrorists) were to separate explosives and metals they could get through the detectors because the wands the hotels use do not detect explosives," said Jakarta-based security consultant Ken Conboy.
警戒体制をくぐるテロリストの技術革新
「万一彼らテロリストが、爆発物の素材である化学物質と起爆装置などの金属素材を別々に持ち込めば(空港と違って化学物質を検出する機能を持たない)金属探知機しか設置していないホテルでは、チェックの関門をやすやすと通過できた可能性があります。」こう説明するのは、ジャカルタを本拠地とするセキュリティ専門のコンサルタント、ケン・コンボイ氏である。
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昨今のビルは開放的デザインでグラスウォールが多いが、爆破が起きればミリオン単位の凶器と化す危険性もはらむ

13. Indonesian jihadists praised attacks

Meanwhile, hundreds of postings on a Web site used by Indonesian jihadists praised the attacks. "Mission accomplished," read one posting on the site Arrahmah.com. Indonesian President Susilo Bambang Yudhoyono said the attack was carried out by a "terrorist group" and vowed to arrest the perpetrators. He also suggested a possible link with last week's national presidential election.
襲撃を賞賛するインドネシアのジハディスト
一方、イスラム過激派グループのウェブサイトには、今回のテロ攻撃を讃える投稿が何百も上がった。テログループのサイト「Arrahmah.com」に貼られた投稿のひとつにはこう書かれている。「Mission accomplished=任務完了」(イラク侵攻時にブッシュ大統領が戦艦ミズーリ上で吐いた自画自賛の迷セリフ)
インドネシア政府のスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領は、次のような公式声明を発表した。
「今回の事件はテロリストグループによって実行された計画的なテロ攻撃であり、実行犯人はすべて逮捕することを誓う。」彼はまたテロ攻撃のタイミングについて、先週実施され彼自身が再選されたインドネシア大統領選の結果と関連があるという示唆を示した。
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2つの高級ホテル連続爆破テロ直後、救急車で運ばれた先の病院で負傷した外国人のホテル客を見舞うユドヨノ大統領

14. Series of attacks on the tourists target

It has been nearly four years since the last major terrorist attack in the world's most populous Muslim nation. In 2002, a triple suicide bombing attacked two Bali nightclubs, killed 202—mostly foreign tourists.
アジア地区の欧米人ツーリストがターゲット
東南アジアだけでなく、世界最大のムスリム人口を抱えるインドネシア。この国で大規模なテロ攻撃事件が起きてから、すでに4年近く経った。これまでで最後の最大のテロ攻撃事件は、2005年のバリ島のナイトクラブトリプル爆破テロで、この事件では202名もの死者を出し、しかもそのほとんどが外国人ツーリストだった。しかし今回の先週金曜のテロ爆破事件では、ハイエンド顧客の利用するホテルでの警備体制のスキについて、新たな疑問が投げかけられる結果となった。
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リッツカールトンから搬出されるボディバッグに収納された爆破テロ犠牲者の遺体 4年前のバリ島では202名が死亡

15. Mumbai attacks by Lashkare Taiba

Friday's strikes raised questions about security gaps at high-end hotels, which have become popular targets for militants in recent years, most notably in Mumbai, India, where attacks in November killed 164 people.
昨年のムンバイ同時多発テロ事件
こうした外国人ツーリストのハブとなるラグジュアリーな観光・宿泊施設は、近年特に武装テログループの格好のターゲットとなる傾向を強めている。その典型的な例が、昨年11月インドのムンバイで起きた同時多発爆破テロ事件で、164名が犠牲になった。ムンバイでのテロ攻撃のターゲットは、2つの最高級ホテル、タージマハールとオベロイ、さらに人通りの過密なムンバイ駅とムンバイの通りで、この事件の犯人もまたイスラム過激派のラシュカレタイバである。
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ムンバイの同時多発テロでは、インド最高級のタージホテルとオベロイホテル、ムンバイ駅ターミナルがターゲットに
『米流時評』11/26〜12/04 「ムンバイ テロの決算」特集記事参照
60時間の死闘の末、人質篭城のテロリスト最後の砦 タージマハルホテル陥落

16. U.S. continue to partner with Indonesia

President Barack Obama condemned the "outrageous attacks" and said the U.S. government "stands ready" to help its ally in the effort to combat extremism. "We will continue to partner with Indonesia to eliminate the threat from these violent extremists, and we will be unwavering in supporting a future of security and opportunity for the Indonesian people," said Obama, who spent part of his childhood in Indonesia. The European Union also condemned the blasts.
オバマ「テロとの闘いでインドネシアと共闘」
少年時代をインドネシアで過ごした経験を持つ米国のバラク・オバマ大統領は、今回の事件を「とんでもない攻撃」であると非難し、米国政府は過激派武装集団と闘争する局面で、友軍国家(この場合はインドネシアを指す)を援助する体制はできていると表明した。
「こうした暴虐を繰り返す過激派の脅威をなくすために、われわれはインドネシアとの共闘体制を継続していくつもりであり、インドネシアが平穏と繁栄の未来を享受できるよう、ゆるぎない支援を継続していく所存である。」
またヨーロッパでもジャカルタ滞在中の欧州人が数人負傷しており、米国同様にEUが今回の爆破テロ事件に対して糾弾声明を出した。
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本当は、先週のNAACP結成百周年記念のオバマの迫力ある素晴らしい演説でも翻訳したいところだが、イランの革命やらウイグルの動乱やらジャカルタのテロ....相変わらず血なまぐさい事変が勃発する時代なのだよ、でおあずけです

17. Employees of world's largest gold mine

Two of those wounded at the Ritz-Carlton were employees of Phoenix-based Freeport McMoRan Copper & Gold, Inc. said a company spokesman. He declined to identify the two men or their nationalities, citing company policy, but said their injuries were not life-threatening. Freeport operates the world's largest gold mine in Indonesia's restive eastern Papua province.
負傷者に世界最大の金鉱会社社員も
ホテル・リッツカールトン・ジャカルタに滞在中に爆破で負傷した外国人の中には、アリゾナ州フェニックスに本社を置くFreeport McMoRan Copper & Gold, Inc.=フリーポート・マクモラン金銅採掘会社の社員2名が含まれていると、同社の広報担当から発表されたが、同社の方針に従い個人名および国籍は伏せた。ただし、ふたりとも命に別状をきたすような症状ではないという。
フリーポート社は、インドネシア辺境のパプアニューギニア地区で世界最大の金鉱を有し、金の採掘を行なっている。
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足に負傷したリッツ・カールトンホテルのレストランサービススタッフ 隣のスーツケースは医師の応急処置用か?

18. Attacks near mining complex in Papua

Several attacks have occurred in the past week on the road from the firm's sprawling Grasberg mining complex to the mountain mining town of Timika, leaving at least 15 people killed or wounded. Authorities initially blamed the ambushes on Papuan separatists, but official statements now refer to "an armed group" of professional marksmen.
パプアニューギニア鉱山襲撃で15名死亡
実は先週、フリーポート・マクモラン社がパプアニューギニアに所有するグラスバーグ鉱山から、
山間の鉱山の町ティミカへいたる道路で、過激派武装集団による襲撃が数回起きていた。その結果合せて15名が殺されたり瀕死の重傷を負っている。地元警察の発表では、当初パプア地区独立派の襲撃としていたが、今回のジャカルタ連続ホテルテロ爆破事件が起きたことによって、先週の襲撃もまた過激派のプロの武装集団によるものと、犯行容疑者に関する推論を変更した。 <了>

【 米国時間 2009年7月19日 『米流時評』ysbee訳 】
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d0123476_11564496.jpg◀ 次号「オバマの秘跡・軍産複合体解体への偉大なる第一歩」
▶ 前号「ジャカルタホテル爆破テロ主犯は逃亡中のテロリスト」
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by ysbee-2 | 2009-07-19 10:05 | テロとスパイ陰謀

ジャカルタホテル爆破テロ主犯は逃亡中のテロリスト

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   ||| 怪しい客の友だちはアルカイダ |||

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 ホテル爆破テロの首謀者は逃亡中のマレーシア人テロリスト、ヌルディン・トプ
 捜査当局はアルカイダ系イスラム過激派ジャマー・イスラミヤ分派の犯行と断定


米国時間 2009年7月18日 | インドネシア・ジャカルタ発 | AP通信ニュース速報
インドネシアの首都ジャカルタを代表する米国資本の5スター級ラグジュアリーホテル、JWマリオットとリッツカールトン・ジャカルタは、17日朝自爆テロの襲撃でホテルの一部を爆破され、死者8名、負傷者50名以上に上る大惨事となったと、首都警察当局から発表された。
現在捜査陣は犯行容疑者を究明中であるが、これまでの手がかりから今回の連続爆破テロ事件の主犯は、複数のテロ容疑で指名手配となり逃走中のヌルディン・トップというテロリストであることがますます濃厚になってきている。
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トップ:ジャカルタの一等地に高層のラグジュアリーホテルが立ち並ぶ。右のツインタワーがリッツカールトン、中奥の黒っぽいビルがJWマリオット /下写真左:ホテル近くの芝生に避難したホテルスタッフ /中:救急車でごったがえすJWマリオットのエントランス /右:朝7時45分の最初の爆破でパジャマのまま飛び出したホテル宿泊客

Cops Eye Fugitive Terrorist in Indonesia Blasts
Bomb hidden in laptop computer is also found at hotel hit by suicide attack
JULY 18, 2009 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
JAKARTA, Indonesia — The suicide bombers set off a pair of blasts at two American luxury hotels in Indonesia's capital, that killed nine people and wounded more than 50, authorities said. While investigators worked to identify the suspects, suspicions hardened that the blasts were masterminded by Noordin Top.


d0123476_21474336.jpg7/18 MSNBC ニュースビデオ | ホテル爆破テロの真犯人解明
MSNBC Report: Jakarta bombing mastermind close to being ID'd — July 18: Indonesian officials may be close to identifying the mastermind behind two deadly suicide bombings at two hotels. NBC's Ian Williams reports.


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   JULY 18, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年7月18日号
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 Why, How, and Who? ホテル連続爆破テロの真相究明
 米国時間 2009年7月18日午前11時10分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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爆破の翌日、5つ星ホテル・リッツカールトンの入口正面サインに犠牲者慰霊の献花をするジャカルタ市民の子ども

1. Suicide bombers posed as guests

Suicide bombers posing as guests attacked the J.W. Marriott and Ritz-Carlton hotels in Jakarta on Friday. The attackers evaded hotel security, smuggling explosives into the Marriott and apparently assembling the bombs on the 18th floor, where an undetonated device was found after the explosions.
宿泊滞在中に客室で爆発物製造
捜査の進展で18日金曜までの時点でわかったのは、複数の自爆テロ犯人はジャカルタ市内のJWマリオットとリッツカールトン両ホテルに、宿泊客として逗留していたという事実である。襲撃犯人たちは、ホテルのセキュリティチェックをうまく通過して爆発物をマリオットホテル内に持ち込み、チェックインした18階の客室でバラバラだった部品を組立てたという仮説が、爆破後に同客室内でもうひとつの起爆装置が発見されたことから、事実に近いと有力視されている。
(注:MSNBCのニュースでは、犯人はセキュリティチェックを免れるため、パソコンのノートブック内に起爆装置のパーツを内蔵して搬入したと説明していた。)
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最初の爆破現場はJWマリオットホテル1階のカフェ。爆風で1階部分は跡形もなく多数の死傷者を出した。

2. Targeted the breakfast time on Friday

The bombers had stayed at the hotel for two days and set off the blasts in restaurants at both hotels. A police investigator also told The Associated Press on Saturday that Noordin was the most likely suspect.
金曜の朝食時間帯を狙ってレストランを爆破
犯人容疑者たちは同ホテルに2泊滞在した翌朝、JWマリオットとリッツカールトン両ホテルのそれぞれ1階にあるカフェレストランで、爆発物を起爆したものと見られている。さらに18日土曜の朝になってから、ジャカルタ首都警察の捜査官がAP通信に明らかにした内容によると、指名手配で逃走中のテロリスト、ヌルディン・トプが、容疑者としてもっとも濃い線に浮かんでいるという。
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最初の爆破現場JWマリオット1階のカフェ外部ロビーを検証するCSI この現場は防犯カメラにも納まっている

3. Mastermind of blasts — Noordin Top

"Considering the target, the location and content of the bombs, it was clearly the work of Noordin" — a Malaysian fugitive who heads a breakaway faction of the Southeast Asian militant network Jemaah Islamiyah.
爆破テロ首謀者は JIのヌルディン
「テロのターゲット、ロケーション、爆発物の素材……こういったものを総合的に判断すると、当然ヌルディンの仕業だと言うことは明白です。」
捜査官が犯人として確実視するこの人物は、別件のテロ事件で指名手配中のマレーシア人のお尋ね者で、東南アジア最大の武装集団でインドネシアを活動の本拠地とするテロ組織ネットワーク「ジェマー・イスラミヤ」から分派したグループの首謀者である。
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爆破テロ事件の直後、リッツカールトン・ジャカルタ客室棟の被害をエクステリアからチェックするユドヨノ大統領

4. Informant, '200% sure.... it's Noordin'

"I'm 200 percent sure this was his work," said Nasir Abbas, a former Jemaah Islamiyah leader turned police informant who has worked with police on investigations into Indonesia's last three terrorist attacks. According to the source of investigators, a hotel receptionist told police that the man who checked into the room gave his name as "Nurdin."
諜報「200%ヌルディンの仕業」
「この事件がやつの仕業だと言うのは200%確実だよ」こう言うのは、元ジェマー・イスラミヤの首領で、現在は警察の諜報員として活躍するナシル・アッバースである。彼はインドネシアで過去起きた3回のテロ襲撃事件でも、警察の捜査活動に参加協力してきた経歴をもつ。
また別の捜査員の消息筋によると、ホテルのフロントデスクのチェックイン担当者が警察に伝えた情報では、起爆装置がみつかった部屋に逗留した男は、Noordinと同名でスペル違いの「Nurdin」という名前でチェックインしたそうである。
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事件当日リッツカールトンの爆破テロの現場で 地元公安の現場検証を補佐する国際警察のテロスペシャリスト捜査官

5. As a guest deposited $1,000 cash

He gave a $1,000 cash deposit because he had no credit card, he said. He said police had confiscated handwritten notes, a cell phone and a bomb encased in a laptop computer from room 1808 of the Marriott, where the bombers had apparently prepared for the blasts.
1000ドルの現金をデポジット
容疑者と見られる男は、クレジットカードを所有していなかったため、チェックインの際に現金1000ドルを保証金としてデポジットに入れたと、捜査官の一人は説明した。彼の話では、犯人たちが爆発物を組立てた場所と見られているJWマリオットの客室1808号室から、警察は手書きのメモ、携帯電話、そして爆発物が内蔵されたノートブック型パソコンを押収したそうである。
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爆破テロのあった翌日18日、リッツカールトン・ジャカルタからチェックアウトして帰路につく各国のツーリスト

6. Blast captured by security camera

"There was a big explosion followed by a shock wave," said Ahmad Rochadi, a security guard at the Marriott who was checking cars in the basement. "I rushed upstairs and saw smoke billowing from the lobby." Authorities have not officially named a suspect, but suspicion quickly fell on Jemaah Islamiyah or its allies.
防犯カメラに残された爆発の瞬間
さらにマリオットでは、1階の奥にあるカフェへ通じるロビーの防犯カメラのビデオに、爆発の瞬間が捉えられていた。ほんのわずかの短い瞬間だが、ベースボールキャップをかぶりホィールバッグを引きずった男が、ロビーを通過してレストランの方へ向かって歩いていく場面が、モノクロっぽいイメージで映し出されている。そしてすぐに一面白い煙に包まれる瞬間も。
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キャリーバッグを引く男がマリオット1階ロビー中央を突っ切ってカフェレストランへ向かうが白煙で見えなくなる

7. 'Big explosion followed by shock wave'

"There was a big explosion followed by a shock wave," said Ahmad Rochadi, a security guard at the Marriott who was checking cars in the basement. "I rushed upstairs and saw smoke billowing from the lobby." Authorities have not officially named a suspect, but suspicion quickly fell on Jemaah Islamiyah or its allies.
目撃者談「大きな爆発と衝撃波」
「最初に大きな爆発があって、その直後に衝撃波が続きました」こう言うのは、マリオットの保安警備員で、爆発当時はカフェの階下の地下駐車場で車をチェックしていたアハメド・ロチャディさんである。「急いで駐車場の上にある1階のロビーに駆け上がりましたが、ロビーは一面に白い煙が立ちこめていました。」
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8. Jemaah Islamiyah, al-Qaida-linked network

The al-Qaida-linked network is blamed for past attacks in Indonesia, including a 2003 bombing at the Marriott in which 12 people died. The heads of four of the bodies recovered from the blast scenes — two at each hotel — had been blown off, the police investigator said.
アルカイダ系列テロ組織ジェマーイスラミヤ
インドネシアの捜査当局からは犯人の名はまだ公表されていないが、事件発生後すぐに「今回のテロはジェマーイスラミヤかその分派の犯行だろう」という嫌疑がかけられた。
ジェマーイスラミヤはインドネシアを活動の中心とする、アルカイダ系列のテロ組織ネットワークで、これまでの主な犯行経歴としては、2003年にやはりジャカルタのマリオットホテルで12名が死亡したホテル爆破テロ襲撃事件が挙げられる。今回の連続爆破テロでは、両方のホテルからそれぞれ2体の遺体と爆発で吹き飛ばされたと推測されるその頭部が発見されたと、警察の捜査陣から発表があった。 > 次号へつづく


【 米国時間 2009年7月18日 『米流時評』ysbee訳 】
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 7/17 NBC ナイトリーニュースビデオ | ジャカルタ高級ホテル連続爆破事件現地速報
Deadly blasts rock Indonesia hotels — July 17: Two suicide blasts, just minutes apart, rip through two luxury hotels in Jakarta, killing at least 9 people and injuring dozens. Police say the suspects posed as guests before setting off the explosions. NBC's Ian Williams reports.

d0123476_11564496.jpg◀ 次号「過激派テロのターゲットは欧米資本と外国人ツーリスト」
▶ 前号「ジャカルタのJWマリオットとリッツカールトン連続爆破テロ」
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TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/10001644

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by ysbee-2 | 2009-07-18 14:18 | テロとスパイ陰謀

ジャカルタのJWマリオットとリッツカールトン連続爆破テロ

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  ||| ジャカルタ高級ホテル連続爆破テロ |||

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ジャカルタのJWマリオットとリッツ・カールトン、高級ホテル連続爆破テロ発生
死者9名 負傷者50名以上 過激派ジャマー・イスラミヤ4年ぶりのテロ襲撃か?


米国時間 2009年7月17日 | インドネシア・ジャカルタ発 | AP通信ニュース速報
17日金曜朝、インドネシアの首都ジャカルタの高級ビジネス地区にある、2つのラグジュアリーホテルで相次いで爆破が起き、これまでに判っただけでも死者9名、負傷者50名以上を出す連続爆破テロ攻撃事件となった。インドネシアは世界最大数のイスラム教徒を擁する国だが、2003年の一連のテロ攻撃事件以来4年間続いた平穏が、今回の爆破事件でついに破られた。

 現地のテレビMETRのニュースビデオがYou-Tubeに早々とアップ タグ: Jakarta, hotel, blast, bombing
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Deadly Blasts Hit 2 Hotels in Indonesia
Explosions two minutes apart killed 9 at Marriott, Ritz-Carlton in Jakarta
JULY 17, 2009 | Associated Press/REUTERS — BREAKING | Translation by ysbee
JAKARTA, Indonesia — Bombs minutes apart ripped through two luxury hotels in Jakarta Friday, killing nine and wounding at least 50 more, ending a four-year lull in terror attacks in the world's most populous Muslim nation. At least 14 foreigners were among the dead and wounded.


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   JULY 17, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年7月17日号
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 ジャカルタのリッツカールトンとマリオット 高級ホテル連続爆破テロ
 米国時間 2009年7月17日午前1時05分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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2003年のバリ島爆破テロ事件以来、イスラム過激派のテロには厳重な警戒態勢を敷いていたインドネシアだが

1. Blasts at J.W. Marriott, Ritz-Carlton

The blasts at the J.W. Marriott and Ritz-Carlton hotels, located side-by-side in an upscale business district in the capital, blew out windows and scattered debris and glass across the street, kicking up a thick plume of smoke. Facades of both hotels were reduced to twisted metal.
マリオットとリッツ・カールトン連続爆破
ジャカルタ中心部のアップスケールなオフィス街で、50メートルほど離れて隣り合わせに立つJ.W.マリオットとリッツ・カールトンの2つの高級ホテルを襲った爆破テロ事件。この青天の霹靂で、厚い黒煙が立ち上る両ホテルでは、客室の窓ガラスは粉々に砕けて周囲の路上に散乱し、ホテルの入口は捻じ曲がった金属の塊と化した。
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JWマリオット・ジャカルタ1階のカフェは、爆破時点の17日金曜朝7時45分には朝食をとる客でごった返していた

2. Indications of suicide bombers

Theo Sambuaga, chairman of the parliamentary security commission, said there were "indications" the attacks were carried out by suicide bombers. The Indonesian security minister and police have said a New Zealander was among those killed. Thirteen other foreigners were among the wounded, including nationals from the United States, Australia, Canada, India, the Netherlands, Norway and South Korea.
複数の自爆テロの手がかり
インドネシア国会の保安委員会で委員長を務めるテオ・サンバガ議員は、現場の状況から判断して今回の襲撃は自爆テロによって実行されたことを示す手がかりがあると記者発表した。
また保安相と警察当局からは、死者の中にニュージーランド人が1人混じっていると公表された。外国人の負傷者は13名にのぼり、その国籍は米国、オーストラリア、カナダ、インド、オランダ、ノルウェー、韓国、となっている。
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現場立入禁止の黄色いテープを張りめぐらしたリッツカールトン客室棟外部で捜査陣に陣頭指揮するジャカルタ公安

3. 'Bodies on the ground…It was terrible'

Alex Asmasubrata, who was jogging nearby, said he walked into the Marriott before emergency services arrived and "there were bodies on the ground, one of them had no stomach," he said. "It was terrible." At the Ritz-Carlton, torn curtains flapped around broken windows and glass lay around the hotel. There was blood on the street across from the Marriott.
「地面に死体が散乱……すさまじい光景だった」
事件発生当時、ジョギングをしていてホテルの近くを通りかかったアレックス・アスマスブラタさんは、爆破の模様を次のように語っている。
「爆破のあった後、救急車が駆けつける前でしたが、マリオットの敷地に入って行ったんです。そうしたらあちこちの地面に死体がころがってて、その中のひとりなんて胃の部分がないんですよ。もう、すさまじい光景でした。」
隣のリッツ・カールトン・ホテルでは、爆破で砕け散った窓ガラスがホテル周辺の地面をびっしり埋め、ガラスがなくなった個室の窓はガランと開いたままで、ボロボロになったカーテンがはためいていた。そこからマリオットまでの通りは、そこら中 血の海ができていた。
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爆破テロの遺体は五体そろっていたらまだましという。後方の携帯カメラで撮った映像はネットに上がらないように

4. 'Very loud, it was like thunder'

Scores of foreigners and Indonesian hotel guests milled behind police lines in the hours after the blasts, some still wearing bathrobes. "It was very loud, it was like thunder, it was rather continuous, and then followed by the second explosion," said Vidi Tanza, who works near the hotel, describing the blasts. Indonesian President Susilo Bambang Yudhoyono vowed in a televised address to the nation.
「雷が落ちたようなもの凄い音が続いた」
ホテルの宿泊客には外国人も地元インドネシア人もまじっていたが、爆発が起きてから数時間というもの、首都警察の警備陣の後方で呆然とかたまっていた。その中には寝起きのバスローブのままの者もいた。目撃者のひとりで、ホテルに近いビルのオフィスに勤務するジャカルタ市民のヴィディ・タンザさんは、爆発の模様を次のように語った。
「まるで雷が落ちたような、ものすごく大きな爆発音がしました。それがずっと続いて、それから2度目の大きな爆発音を聴きました。」
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マリオットに続いて爆破されたリッツカールトンから、バスローブの宿泊客を連れて避難誘導するレストランスタッフ

5. Yudhoyono vowed to arrest the terrorists

He vowed to arrest the attackers and said, "this action was carried out by a terrorist group, though it is too early to say if it is the same network responsible for a series of bombings in Indonesia in recent years, the Southeast Asian group Jemaah Islamiyah. Those who carried out this attack and those who planned it will be arrested and tried according to the law."
犯人追及を誓うユドヨノ大統領
インドネシアのスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領は、テレビを通じて全国へ声明を発表。その中で、彼は襲撃犯人を必ず逮捕すると誓い、次のように厳しい糾弾を実行することを宣言した。
「今回の事件がここ数年インドネシアで起きた一連の爆破テロ事件の犯人である東南アジアの過激派武装集団、ジェマー・イスラミヤと同じネットワークの仕業であるかどうか断言するには時期尚早だが、テロリストグループによってひき起こされたことは確かである。今回の襲撃を実行した犯人たち、またその襲撃を計画・司令した者も、いずれ必ず逮捕され、法の正義の元に裁かれることを誓うものである。」
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政府軍と公安関係の重鎮をそろえて、報道陣にインドネシアのテロ対策と治安体制を説明するユドヨノ大統領

6. The second atttack on Marriott

The Marriott, which was attacked in 2003 in a bombing blamed on al-Qaida-linked Jemaah Islamiyah, was hit first, followed by the blast at the Ritz two minutes later. The attacks came just two weeks after presidential vote expected to re-elect Susilo, who has been credited with stabilizing a nation previously wracked by militancy.
マリオットホテルに2度目の攻撃
ジャカルタのJWマリオットホテルは、2003年にもアルカイダ系列のテロ集団ジェマー・イスラミヤが犯行声明を出した爆破テロ襲撃の被害を受けている。今回の事件では、マリオットが先に爆破され、それから2分後に今度は隣接するリッツカールトンの爆破が続いた。
今回の爆破テロ襲撃事件は、インドネシア大統領選で現役のユドヨノ大統領の再選が決定してからわずか2週間後に起きた。大統領は選挙戦中も、政情不安を起こすイスラム過激派の武装集団を一掃し、インドネシアの社会状況と経済を安定化する政策を訴えていた。
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ページトップの写真は爆発の直後 /上の写真:外部の芝生に避難した客とスタッフが不安なままホテルを見守る

7. Another blast in the afternoon

Anti-terror forces were rushed to the scene, and authorities blocked access to the hotels in a district also home to foreign embassies. "This destroys our conducive situation," Sucipto said, referring to the nearly four years since a major terrorist attack in Indonesia — a triple suicide bombing at restaurants at the resort island of Bali that killed 20 people.
同日午後、別の現場でも爆発
地元ジャカルタのメディアの報道によると、この日金曜の夜になってから、ジャカルタ市内北部でもう一件の自動車爆破テロがあった模様である。公安当局に確かめたところ、爆破事件は起きたが当日朝のホテル爆破事件との関連はないという説明があった。
インドネシア政府のウィドド・アディ・スシプト保安相は、同日の記者会見でこれまでに明らかになったホテル爆破事件の詳細を発表したが、その内容によると爆破時刻は J W マリオットホテルが午前7時45分、リッツカールトンホテルが2分後の午前7時47分。また保安相は「極めて高水準の爆発物が使用された模様」と語った。
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マリオットの爆破現場は原型をとどめないまでに吹き飛ばされた。これほどの惨状で火事が起きなかったのが不思議

8. Breaking the peace since Bali blast

Anti-terror forces were rushed to the scene, and authorities blocked access to the hotels in a district also home to foreign embassies. "This destroys our conducive situation," Sucipto said, referring to the nearly four years since a major terrorist attack in Indonesia. In October 2002 a triple suicide bombing attacked two Bali nightclubs, and killed 202 people, many of victims were foreign tourists. Jemaah Islamiyah was accused of responsibility.
バリ島爆破テロ事件以来の惨事
爆破現場にはインドネシア政府軍のテロ対抗部隊が急行。ジャカルタ警察当局は、現場となったホテルや近隣地区にある各国大使館周辺の道路を急遽閉鎖、通行禁止にして、予測される連続テロを防止する体制をとった。
インドネシアでは2002年に、リゾートアイランド バリ島のレストランとディスコが自爆テロの襲撃にあい、202名の犠牲者を出す大惨事が起きた。このときの犠牲者の多くは外国人ツーリストで、その後数年間バリ島のツーリズムは大打撃を受けた。以来4年間というもの、厳重な警戒態勢で大規模なテロ爆破事件がなかっただけに、スシプト保安相は「今回の事件はわが国の平穏を打ち破った」と遺憾の意を表明した。
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JWマリオットの爆破現場から、ボディバッグに収容されホテルのラゲッジキャリアで運び出される犠牲者の遺体

9. Crackdown on Jemaah Islamiyah

There was a crackdown in recent years by anti-terrorist officials in Indonesia, a predominantly Muslim nation of 235 million,Police have detained most of the key figures in the Indonesia-based Jemaah Islamiyah and rounded up hundreds of other sympathizers and lesser figures. But the group was "still a very capable terrorist organization," a terrorism analyst said.
ジェマー・イスラミヤ摘発作戦
インドネシアはイスラム教徒の数2億3500万人を抱えるムスリム大国だが、近年政府軍のテロ対抗部隊が、イスラム過激派のテログループの弾圧摘発を徹底させていた。インドネシアの警察と公安当局は、インドネシアを活動の本拠地とするテロ組織「ジェマー・イスラミヤ」の幹部のほとんどを逮捕拘留しており、さらにそのシンパや配下の活動家も数百人摘発してきていた。
しかし、テロリズム専門のアナリストの分析では「インドネシアのテロ組織には、いまだテロ活動を実行する余力がある」と評価していた。  >次号へつづく

【 米国時間 2009年7月17日 『米流時評』ysbee訳 】
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爆破のあったホテル周辺と各国大使館や主要外国施設などの近隣道路では、全面通行禁止の厳戒体制がとられた

d0123476_11564496.jpg◀ 次号「真相究明・ラグジュアリーホテルに宿泊していた爆破テロ犯人」
▶ 前号「中国の新彊ジェノサイドに アルカイダが復讐宣言」
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by ysbee-2 | 2009-07-17 19:01 | テロとスパイ陰謀

中国の新彊ジェノサイドに アルカイダが復讐宣言

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   ||| 少数民族、復讐するは我にあり |||

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 中国の新彊自治区ウイグル人弾圧虐殺に沈黙を守る、利害関係重視のアラブ国家
 トルコ「ジェノサイド」、中国製品ボイコット、アルカイダ「在外中国人に復讐」


d0123476_16582178.jpgチベット、ウイグルと、中国政府の目に余る辺境自治区弾圧政策。
その軋轢に対する憤懣が、ついに暴発した、新彊ウルムチの動乱。
それに続く、漢族中国人の自警団による、ウイグル人の拉致虐殺。

 辺境の少数民族に対する、あまりにも明白な弾圧と民族殲滅政策。
 チベット人は敬虔な仏教徒として、ダライラマ法王の提唱する
「独立ではなく理想的自治」への平和的進展を、辛抱強く待っているが、
 ウイグル人はそうはいかない。彼らはイスラム教徒である。
 彼らの宗教と文化を奪う者は、神を恐れぬ聖戦の敵となる。
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 しかも新彊ウイグルは、かつては北半球の広大な部分を占めた、
 オスマントルコ帝国の支配者、テュルク系民族の発祥の地でもある。
 民族闘争の戦士としての血は、中央アジアの高原で覇権を競ってきた
 騎馬民族の彼らの悠久の歴史とともに、いまだ熱く脈打っている。

 現代の中国政府をとりしきる 漢族中国人が、
 民族の歴史と誇りだけが残された 辺境の少数民族を圧迫すれば
 (単に経済的・社会的軋轢ばかりでなく、物理的な弾圧・迫害)
 窮した鼠は、当然 猫を噛む。

 しかも彼らの後方には、イスラム教の同胞である
 中東アラブ諸国や、アフリカの新興諸国が控えている。
 ただし、今回の中国のウイグル弾圧に関しては、
 イスラム国家の反応はまちまちだ。
 どの国も、経済大国中国との借款の絆は断ちがたいと見える。
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 しかしその中で、もっとも鋭い糾弾の声を挙げているのが、
 民族的に血のつながるアナトリアの要衝国家、トルコである。
 この国の英邁なるエルドガン首相は、今回の弾圧を、
 いみじくも「新彊ジェノサイド」と言い切った。

 彼は、今春のイスラエルのガザ侵攻の際も、
 国際会議の公式の場で、軍事大国イスラエルを
 唯一正面切って「虐殺者」と非難した、
 いまどき希少な 覇気あるサムライである。

 トルコは、数千年の遥かな時の砂漠を越えて
 アナトリア=小アジア半島という
 西洋と東洋の 文明の交差点に位置しながらも
 覇者に統合されずに独立を保ってきた、数少ない独立国家である。
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 自国トルコの「民族自決の運命」を痛感しているからこそ、
 国民の信望厚いエルドガン首相としては、
 大国が軍事力をかさに着て 少数民族を弾圧する暴虐に対して
 どうしても本能的に見過ごしには出来ない……
 そういう政治的感性が、ストレートに共鳴したのだろう。

 しかし昨日はついに、アルカイダのアフリカ戦線が、
 「中国に対する聖戦」を宣言した。
 これはもはや、中共政府が望んでいるような「内政不干渉」
 などという、幼稚な論理の盾では 納まらない展開だ。

 国内政策だけでは攻防しきれない局面まで、世界の論調を逆撫でしてしまった
 中国自身の暴虐の態勢が掘り返した墓穴に、
 自らの足下をすくわれた状況に他ならない。
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 もうすでに、あまりにも多くの血が流され、
 今となっては いかなる方策も遅きに失した感はあるが、
 できれば一刻も早く、より解放され独立した本格的自治体制を認め、
 自由と民主主義を求める少数民族との、和解と理解に徹することだ。

 中華思想の蒙昧なる民は、いったい何度自滅の道をたどれば目が覚めるのか。
 4千年の王朝の興亡の歴史から、少しは学んできたはずなのに。
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 【米国時間 2009年7月13日『米流時評』ysbee 】

 日本語でのウイグル情報は日本ウイグル協会のホームページで >>>
 http://uyghur-j.org/main.html

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   JULY 13, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年7月13日号
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Muslim Nations Mostly Silent on China Unrest
Ethnic clashes, crackdown on Uighur minority draws muted reaction
JULY 13, 2009 | MSNBC.com— BREAKING | Translation by ysbee
「復讐するは我にあり」 方針転換するイスラム国家の対中国政策
 米国時間 2009年7月13日午後3時13分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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ウイグル自治区第2の都市カシュガル イドゥガモスクから金曜の礼拝を終えたばかりの敬虔なイスラム教徒が退出


1. Muted responses from Muslim nations

CAIRO, Egypt — The riots in China's Xinjiang region and subsequent crackdown on the Muslim Uighur minority have drawn a muted response from many Muslim countries — they may be warying of damaging lucrative trade ties with Beijing or attracting attention to their own attitudes toward political dissent.
イスラム圏国家の多くが沈黙
エジプト・カイロ発 |中国西域の辺境、新彊自治区で起きた、イスラム教の少数民族ウイグル人住民の "暴動"とそれに続く中国政府の弾圧。(イスラム同胞の危機であるにもかかわらず)世界の大半のムスリム国家は、この事変に対しては沈黙を守っているように見える。
各国とも北京の中国政府との有益な交易の絆にダメージを受けるのを恐れての、沈黙なのかも知れない。さもなければ、この機に乗じてあえて政治的に保留の態度を取ることで、中国政府の気を惹く意図なのかも知れない。
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昨年の聖火リレーで盛大なセレモニーが挙行されたカシュガルの人民広場 毛沢東の巨像 (虚像) が空しくそびえる

2. Turkey has special ties with Uighur

字数制限のため英文省略
トルコ人とウイグル人の民族的絆
しかし、イスラム圏ではあるがアラブ圏ではないイランとトルコは、中国に対して非難の声を挙げた数少ない国家である。とりわけイランは、大統領選の開票をめぐる紛争でテヘラン政府自体が弾圧体制を糾弾されている最中にもかかわらず、他国の弾圧は指摘できるとみえる。
一方トルコは、中国国内では辺境自治区少数民族のウイグル族であるが、歴史的にみてテュルク系の同民族という絆を尊重している。しかしながら両国はごく稀な例にすぎず、中近東アラブ諸国の大多数の国家が、中国西域での虐殺弾圧に関してはほとんど反応を示していない。
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7.5虐殺事件発生以来、トルコでは中国政府の弾圧に抗議するデモが主要都市で連日数千人規模で行なわれている

3. Arab regimes in the same boat with China

"Arab regimes couldn't criticize the attacks on Chinese Muslims because they themselves have no democracy," said Labib Kamhawi, a Jordanian political analyst. "They're in the same boat as the Chinese government."
アラブ世界も中国と呉越同舟
こうしたアラブ世界の冷めた反応を、ヨルダンの政治アナリスト、ラビブ・カムハウィ氏はこう分析する。「アラブ諸国の旧体制政権は、中国政府が彼らのイスラム同胞に対して弾圧を加えても傍観するしかない。なぜなら彼ら (アラブ諸国) の自国内ではいまだ民主主義が存在しないからだ。彼らもまた、中国政府と同じ穴のムジナに過ぎない。」
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事件後最初の金曜10日は、新彊自治区主要都市のモスクで毎週恒例の金曜礼拝に対して禁止令が出されたが、
不満の声が高まり、抗議の反乱を恐れた中国政府は直前に厳重警戒下にゲートを開いて信者の礼拝を許可した。


4. China's severe ethnic violence in decades

字数制限のため英文省略
中国建国以来最大の少数民族弾圧抗争
中国政府は、西域の辺境自治区新彊の治安出動で、ここ数日間の間に数万人(メディア発表では3万人)の軍隊を出兵した。特に先週日曜以来180名以上の死者と1,680名の負傷者を出し、いまだに不穏な空気が残る、自治区首府のウルムチ市とその周辺地区に対しては(戒厳令に近い)極端に厳しい統制下におく体制をとっている。
一方先祖代々ウルムチの地元民であるウイグル人は、ここ数年でウルムチ市の人口の過半数を占めるまで急増した中国本土から移住してきた漢民族が、ウイグル人に対して人種差別をし、共産党政府は彼ら独自の言語であるトルコ語と、独自のウイグル文化を抹殺しようとしていると、衝突以前から危機を訴えていた。

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ウルムチ市中心にある人民広場に整列する武装警察の大部隊 近隣のグランドバザール界隈はウイグル人の密集地

5. Major trading partner for many Arab nations

China is a major trading partner for many Arab countries including Sudan, Saudi Arabia and other oil-rich Gulf nations. It is Jordan's third-largest largest trading partner, following Saudi Arabia and the United States. Jordan also is seeking to attract Chinese investment in projects such as renewable energy, railroads and water desalination.
中国資本投下を期待するアラブ諸国
中国は、アラブ諸国の多くにとっては最大手の交易相手であるが、その中にはスーダンやサウジアラビアほか、湾岸地域の石油産出国が含まれている。
一例をとれば、ヨルダンにとって中国はサウジアラビア、米国に次ぐ第三の交易国であり、ヨルダン自体は、次世代エネルギー産業や鉄道事業、海水の無塩化灌漑事業などの国家的プロジェクトに対して、中国資本を導入しようと躍起になっていた最中でもあった。

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グランドバザールは古くからシルクロード交易の中心だった場所 取材記者が5日の虐殺を目撃した住民に、犠牲者がどんなふうに殺されたのか訊ねると、老人は「残酷すぎて言えない」と絶句した。もちろん政府からの箝口令もある。

6. Iran, Turkey speak out of crackdown

字数制限のため英文省略
イスラム圏ではイランとトルコが弾圧批判
イランは、イスラム圏の中では数少ない、中国の弾圧に批判の声を上げた国のひとつである。虐殺事件から1週間経った12日日曜、イラン国営放送のIRNAは、マヌシェール・モタキ外相が「民族抗争についてイスラム諸国間が共有する遺憾の意」について、中国側の外交担当官と電話で討論したと報道している。
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路傍の建物から砕いた煉瓦の砕片は、漢人の武装自警団(国家容認の暴徒)襲撃に対し投石で反撃する唯一の武器

7. Opposition Grand Ayatollah denounce

字数制限のため英文省略
改革派の高僧「許しがたい弾圧」
イスラム教シーア派の高僧、グランド・アヤトラ・サアネイ師は、イランの政局を決定する護憲評議会のメンバーとして、アフマディネジャド政権に対して中国へ非難声明を出すように要求したひとりである。「民衆に対して振るわれたあのような暴虐な弾圧に対して、沈黙を守って旧態以前に固執する態度は、決して許されるべき道ではない。」
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漢人自警団や武装警察の襲撃を恐れ、あり合せの素材でパリケードを構築したグランドバザール近辺のウイグル人住民たち。国家や警察が敵に化した時点で、ウイグル人は自分たちの手で自衛する以外、命を守る手段は残されていない。

8. Strong concern with human rights issue

字数制限のため英文省略
人権問題に真っ向から抵触
周知の通りイランでは、6月12日の大統領選投票にまつわる不正をめぐってイスラム革命以降最大規模の抗議運動が起こり、これに対してイラン政府側は暴力的弾圧を下した。サアネイ師はまた、自国の民主化運動を圧殺しようとするアフマディネジャド政権の弾圧に対しても、厳しい批判の声を上げている改革派運動推進者のひとりである。
イランの首都テヘランをはじめ、イスファハンや主要都市で展開された民主化を求める抗議運動に対して、現行のアフマディネジャドディ政権が強行した暴力的な弾圧もまた多数の犠牲者をもたらし、西側諸国や人権問題の国際的組織の厳しい糾弾の的となった、近々の状況がある。
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9. Turks condemns 'ethnic cleansing'

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トルコ人「民族殲滅」と抗議デモ
しかしながら、イスラム世界におけるもっともパワフルな反論は、トルコから上がってきた。トルコでは中国政府のウイグル人虐殺以来、連日抗議デモが展開しているが、特に10日日曜にイスタンブールで行なわれた抗議デモには、5千名以上の市民が参加した。(注*アネモネ氏の『東アジア黙示録』によると、朝日新聞はトルコのデモ参加者を300人と過小報道)
北京政府の辺境自治区異民族弾圧虐殺に抗議して、首都アンカラの中国大使館や交易都市イスタンブールの中国領事館へ押し掛けたデモ隊は、トルコの自国政府に対しても、中国国内の悲惨な状況を阻止するために、民族問題として介入するよう要請した。トルコの抗議運動では、中国の弾圧政策を、はっきりと「ethnic cleansing=民族殲滅政策」と呼んでいる。
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12日日曜トルコの首都アンカラの中国大使館へ押しかけたウイグル人虐殺弾圧抗議デモには市民5千人以上が参加

10. Call for boycott of Made-in-China

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メイド・イン・チャイナをボイコット
トルコ人は、テュルク語系民族であるウイグル人とは共通の民族の絆で歴史的につながっている。したがって、中国のウイグル人虐殺が報じられて以来、トルコ国内ではほとんど毎日のように抗議デモが展開されてきた。しかしながら、日曜のデモはこれまでの最大規模となった。
デモ隊はおもに中国政府外交部の施設である、アンカラ駐在の中国大使館とイスタンブール駐在の中国領事館を取り囲んでシュプレヒコールを繰り返したが、その中の数人は、中国の五星紅旗をやメイドインチャナ製品を燃やしたりして、過激な示威行動に出る者も出現した。
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「Killers=人殺し」と大書された五星紅旗を掲げるトルコ人学生の抗議アピール。このあと中国国旗は燃やされた。

11. Erdogan: 'Xinjang genocide'

Turkey's prime minister, Recep Tayyip Erdogan, has compared the situation in Xinjiang to genocide. The foreign minister has conveyed Turkey's concerns to China, and Turkey's industry minister has urged Turks to stop buying Chinese goods. The government, however, has no plans for an official boycott.
エルドガン首相の直言「新彊ジェノサイド」
トルコのエルドガン首相は、今回の新彊自治区の惨状を、いみじくも「genocide=ジェノサイド/大量虐殺」と直言した。また工業相も、中国政府の弾圧に対するトルコの懸念を表明し、彼個人の見解としてトルコ人に中国製品不買運動を呼びかけた。しかしながら、トルコ政府としては「中国製品ボイコット」を、国家として公式宣言する予定はない。
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昨年の北京五輪でも「民族統一」をアピールした中国政府 しかしかけ声だけで実態は辺境植民地政策の圧政だった

12. Relations with Muslim world

In the Arab world, two extremist Islamic Web sites affiliated with al-Qaida called for killing Han Chinese in the Middle East, noting large communities of ethnic Chinese laborers work in Algeria and Saudi Arabia. "Chop off their heads at their workplaces or in their homes to tell them that the time of enslaving Muslims has gone," read one posting.
アルカイダ系過激派「中国人に復讐」
アラブ世界では、アルカイダ系列の2つのイスラム過激派グループが、そのサイトを介して「中東地域にいる漢族中国人を殺害する」という警告を発した。その声明文の中では、特に具体的にアルジェリアとサウジアラビアの現場に従事している中国人労働者を対象にすると書かれ、次のように威嚇していた。
「ムスリム(イスラム教徒)を奴隷化する時代は終わったということを思い知らせるために、職場であれ家庭であれ、奴ら(中国人)の首を斬り落としてみせるから覚悟せよ。」

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「動乱鎮圧」という名目で3万名投下された武装警察 実態は要するに辺境支配へ人民軍を出兵したという侵略戦争

13. Hamas, 'Not harm relations by harming Uighurs'

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ハマス「ウイグル人はイスラムの同胞」
一方中東では、イスラム強硬派の武装集団で政党のハマスが支配するガザ地区で、アハメド・ユセフ外相が、中国のウイグル弾圧に対するハマス政権の見解を表明し、ウイグル自治区の騒擾は中国とイスラム世界との関係を著しく損なうだろうと、次のように警告を発した。
「われわれは(基本的には)中国政府が新彊地区のイスラム教徒との関係を改善するよう望む。間違っても、ウイグル人に危害を及ぼすことで双方の関係を損なうことのないよう希望する。」
>次号につづく
【 米国時間 2009年7月13日 『米流時評』ysbee訳 】
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トルコの首都アンカラの中国大使館(右側の柵の内部)周辺では、7.5事件以来連日ウイグル人支援と中国政府へ抗議のデモが展開。政党や年代に関係ない広範な市民の「トルコ民族を救え!」という国民的運動に高まってきている。

d0123476_11564496.jpg◀ 次号「ジャカルタのJWマリオットとリッツカールトン ホテル連続爆破テロ」
▶ 前号「中国武装警察・ついに始まった恐怖の人間狩り」


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by ysbee-2 | 2009-07-13 19:10 | フリーウイグル
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