米流時評

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「沈黙の壁を越えて」村上春樹とイスラエル-3

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   ||| 沈黙の壁を越えて・作家の魂 |||

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作家としての村上春樹の生き方:『朱雀式』2/17号「羊男のエルサレム」より

d0123476_18552829.gif村上春樹氏のエルサレム賞受賞式でのスピーチは、ずいぶん沢山のブログでとりあげられ、そのどれもが彼の行動と勇気に敬意を表するものでした。
シリーズの最後に、数あるエントリの中でも心に残った一編を。最近推奨ブログにリストアップした『朱雀式』の2/17号からの抜粋です。

  やはりどなたにも、それぞれの「羊男論」があるようですが、
  ここでもやはり、文学者としての村上氏のペンの力に対する賞賛を惜しみません。
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  さらには、私もそうでしたが、彼の言動一致の勇気に動かされ、
  自らの生き方の原点を 振り返った方が多かったのではないでしょうか。
  朱雀氏の展開にも そうした軌跡が見られます。

  ねずみや羊男が彷徨った長い旅路、はるかなる放浪。
  辿り着く場所が、原点なのか到達点なのかさえわからずに 
  魂のベクトルが指し示すまま あてどなくさすらった荒野の果てに、
  もしかしたら村上氏は、自らの創作の あるいは人生の、
  究極の目的を見出したのかも知れない.....
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  壁に見立てた「体制」と、その規制や弾圧と闘う、脆弱な卵としての「個」
  あるいは、人間の自由な精神。
  その具体化しにくい観念上の闘争を、見事に言い表した比喩。

  精神の自由という、かたちにならない魂のエネルギーを
  自らの行動で示して見せた作家。
  一閃の輝きの中に人生を見るような、秀逸なエントリです。

  【米国時間2009年2月18日『米流時評』ysbee】

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FEBRUARY 18, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年2月18日号
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   B E I R Y U | C U R R E N T
作家としての村上春樹の生き方:『朱雀式』2/17号「羊男のエルサレム」より
米国時間 2009年2月18日 | ブログ『朱雀式』より | 転記『米流時評』ysbee

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ブログ『朱雀式』2/17号「羊男のエルサレム」より

<前略>...... 僕は文章についての多くを村上春樹に学んだ。
村上春樹は、デレク・ハートフィールドと同じく、
文章を武器として闘うことができる 数少ない非凡な作家だった。

両者の大きな違いは、ハートフィールドが 死ぬまで自分の闘う相手の姿を
明確にとらえることができず、不毛なままの一生を終えたのに対し、
村上春樹は生き続けて、現実世界と言葉で闘うことができるようになったことだ。
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そんなわけで、村上春樹は、エルサレムで堂々と、
イスラエルの暴力を真っ向から婉曲に批判し、
エルサレム賞の恥ずべき歴史に輝かしい一ページを加えることとなった。

  <中略>......「この暗喩の意味とは?
  ある場合には、まったく単純で明快すぎます。
  爆破犯(bomber)と戦車とロケット弾と白リン弾は高い壁です。
  卵とは、押しつぶされ焼かれ撃たれる非武装の市民です。
  これが暗喩の意味するところのひとつです。

  しかしながら、常にそうではありません。より深い意味をもたらします。
  こう考えて下さい。
  私たちはそれぞれ、多かれ少なかれ、卵です。
  私たちそれぞれが壊れやすい殻に包まれた
  唯一無二のかけがえのない存在(soul)です。
  
  ・・・・・「村上春樹: 常に卵の側に」


(*編者注:朱雀氏も引用したように、日本の報道では「bomber」を爆破犯と訳した媒体もあったようですが、村上氏の文脈から推して、また空爆から始まった戦況から判断して「bomber」は通常米語で「爆撃機」と解釈できます。自爆テロの場合は suicide-bomber。蛇足ですが、イラクの靴投げ抗議は shoecide bomber。)
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村上春樹は、壁の下敷きになって死んでいく弱者たちだけでなく、
僕たちの存在全てを「卵」と呼んだ。
もちろん、このスピーチによっても問題は何も解決していないし、
語り終えてもあるいは事態は全く同じと言うことになるかも知れない。

結局のところ、言葉を語るというのは変革の手段ではなく、
変革へのささやかな試みにしか過ぎないからだ。
しかし村上春樹は、「個人の自由に与える賞」を受賞するために
エルサレムまで行き、
個人の命を奪い続けている力を 批判する言葉を語った。
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「村上春樹はこんな賞を辞退するべきだ」と非難した人も、
「作家がどんな賞をもらってもいい。小説と政治は関係ない」
と擁護した人も――無論、僕も含めて――
村上春樹の作家としての戦闘的な姿勢を知らなかった、
あるいは村上の「コミットメント」を信用していなかった、ということだろう。

この受賞スピーチは、とても真摯な、
しかもこれだけで成立しうる批評的な作品 と言っていいものだと思う。
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かつて村上春樹は、自らの作品の中でこう書いた。

 「僕たちが認識しようと努めるものと、実際に認識するものの間には
  深い淵が横たわっている。
  どんな長い物差しを持ってしても その深さを測りきることはできない」


それでも彼は、決して物差しを手離そうとはせず、
世界を認識する努力をあきらめなかった、ということだろう。

初期の村上春樹の小説は、冒険をしても 主人公が全く成長せず、
出会いがあっても変わらず、ある種の「不毛な」物語ばかりだった。

しかし あれから30年が過ぎ、
今や不毛の大地は 象が帰る草原となり、
彼は力強い言葉で 世界を語り始めたのだ。

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>>ブログ『朱雀式』2/17号「羊男のエルサレム」で全文を読む
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  >2/16 「ガザの壁と命の卵」 村上春樹とイスラエル-1
  >2/17 「投げつけられた卵」 村上春樹とイスラエル-2
  >2/18 「沈黙の壁を越えて」 村上春樹とイスラエル-3

  <予告「Good News, Bad News, Everything in Between」
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by ysbee-2 | 2009-02-18 18:06 | イスラエル・ガザ戦争

「投げられた卵」村上春樹とイスラエル-2

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    ||| 「投げられた卵」村上春樹とイスラエル-2 |||

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meixiさんのブログから Jerusalem Post 紙「村上春樹エルサレム賞受賞」対訳

d0123476_18552829.gifこのブログ『米流時評』を始めた当初からおつき合いいただいている方々がいる。「かたがた」と言うのもてれくさいようなポン友なのだが、忌憚なくほめたりけなしたり、冗談を言いあったりできる、ありがたい存在である。

  しかしその中には、ある日突然更新が止まったり、
  あるいは、こちらからのアクセスが効かなくなったりしたブログもある。
  ちょうど実社会で、行きつけの店が ある日行ったら閉店していたり、
  同僚が突然転勤して引っ越したような、そんな感触と似ている。
  非常に残念ではあるが、それが人生さ、と歩き続けるしかない。
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  そうした中で、いつも励まし続けてくれた方のひとりに
  長野で塾を運営してらっしゃるmeixiさんがいる。
  先生で、主婦で、高校生・中学生のお母さんで、
  なによりもしっかりした個人の意見を言い合える、素敵な女性である。
  ときどき披露する「うっかり」体験もご愛嬌。

  彼女も主に英文記事の翻訳で、海外情報を伝えてくれている。
  なぜか、中国とトルコに興味をお持ちである。
  私のブログが、殺伐としたテロや戦争の記事が多いのに比べ
  彼女のピックアップする題材は、
  いつもヒューマニズムの感性にふれる 暖かい記事が多いのも特徴。
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  今回も、村上春樹氏のエルサレム賞受賞に関して、
  現地の英字新聞の全訳とともに、エントリを上げられた。
  記事が長いので、前後編2編に分けての掲出である。
  ぜひ、ご一読をおすすめする。
  たとえ彼女と友だちでなかったとしても、多分、読んで良かったと思える記事なので。

  【米国時間2009年2月17日『米流時評』ysbee】

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FEBRUARY 17, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年2月17日号
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   B E I R Y U | C U R R E N T
meixiさん〜Jerusalem Post紙掲載「村上春樹エルサレム賞受賞」記事の紹介
米国時間 2009年2月17日 | By meixi『英文記事を読む』前後編 | 転記『米流時評』ysbee

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meixiさんのブログ 2/19号「村上春樹氏、ガザ攻撃を批判」より

村上春樹氏がエルサレム文学賞を受賞したことで、
イスラエルでの授賞式へ行かないように との世論が巻き起こりましたが、
彼は迷った末に、「沈黙するより、述べることを選んだ。」と述べ、
受賞講演で イスラエルを直接名指しはしませんでしたが、
イスラエルを批判するスピーチを行いました。
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村上氏は「私たちを守るはずの体制が、組織的に人を殺すことがある。」と述べ
その体制を「高い壁」に例え、
守られなければならない人々を「壊れやすい卵」に例え、
その体制と戦うために 一人ひとりが団結しなければならない
とメッセージを送りました。

イスラエルへ行き、イスラエル政府高官も出席する式典にて、
イスラエル批判のスピーチをした村上氏の その勇気と行動に感銘を受けました。

彼のメッセージをどう受け止めたかは 人それぞれでしょう。
しかし、彼のスピーチ後半の部分の意味を理解できた人は、
「自分に何が出来るか?」そう問いかけ、行動することで、
彼のメッセージを本当に理解できた と言えるのではないでしょうか。
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私はJerusalem Postの記事を訳してみました。
記事の見出しは、『村上氏、ガザ攻撃を批判』としたかったのですが、
イスラエルのメディアの記事なので、英文の意味そのままで日本語に訳しました。
日本で発表されたスピーチの内容と、
Jerusalem Post が発表した彼のスピーチを比べると、
明らかに イスラエルに都合が悪いことは削られていることが分かり、残念です。

では、記事の訳を。
(以下全文対訳の中から一部抜粋。あとはぜひ元記事でご一読を)
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"Israel is not the egg"— Murakami, in trademark obscurity, explains why he accepted Jerusalem award
『村上氏、独特の難解さで、受賞理由を説明』

「だから、私はエルサレムに来ました。作家としてきたのです。
 それは、嘘の紡ぎ手としてということです。

作家だけが嘘をつくのではありません。
政治家も(申し訳ありません、大統領。)、そして外交官も嘘をつくのです。
しかし、作家は他の人たちと区別されます。
作家はその嘘がもとで 起訴されることもありません。むしろ賞賛されます。
そして 嘘が大きければ大きいほど、賞賛されるのです。
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私たち作家の嘘と 彼らの嘘との違いは、
作家の嘘は 真実をもたらすことを助ける ということです。
真実の全てをはっきりさせることは 難しいことです。
だから作家は それをフィクションの分野へと 置き換えるのです。
しかし、はじめに、私たち作家は、
自分の中のどこに真実があるのか、はっきりさせなければなりません。

今日、私は真実を語ります。
嘘を言うこととは係わりを持たない日、
つまり真実を語るという日は、一年に数日しかありません。
今日が その真実を語る日なのです。


>>このあとにも、記事の対訳が続き、前後編に分かれています。
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meixiさんのブログで「村上春樹氏、ガザ攻撃を批判」全文を読む
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   >2/16 「ガザの壁と命の卵」 村上春樹とイスラエル-1
   >2/17 「投げつけられた卵」 村上春樹とイスラエル-2
   <2/18 「沈黙の壁を越えて」 村上春樹とイスラエル-3
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by ysbee-2 | 2009-02-17 12:16 | イスラエル・ガザ戦争

村上春樹とイスラエル/ガザの壁といのちの卵

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   ||| 「卵と壁」村上春樹とイスラエル |||

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エルサレム賞受賞の村上春樹が、イスラエルから世界へ伝えた勇気あるメッセージ

d0123476_18552829.gif例の「イスラエル賞」を受賞した村上春樹氏の話である。そもそもは、パレスチナ関連の記事を連投なさっているピーさんのブログ『P-navi info』で、先月末に彼が文学賞を受賞したことを知り、これは問題になるな、と感じていた。

文学と政治は別物、と割り切って受けるにしろ、イスラエルのガザ侵攻は許せない、と拒絶するにしろ、彼なりの「イスラエル観」を表明せざるをえない結果になるだろうと予測したからである。

この問題で口をつぐむことは、言わば第二次大戦時にヒットラーのドイツ第三帝国によるユダヤ人の虐殺を、事実を知りながら看過したヨーロッパのナチス迎合派と同じ立ち位置になる、と私は解釈しているからだ。戦争のきっかけがどちらにあったか、などというテクニカルな話題で問題の焦点をそらそうとするメディアもある。
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しかし一番の問題は、イスラエルの強行した「虐殺行為」あるいは数年後には「戦争犯罪」と呼ばれるであろう、逸脱した軍事行動にある。これは人間性に逆行する蛮行であり、ユダヤ人がイスラエルという国家の形態を借りて強行した、「パレスチナ人の民族虐殺」にほかならない。

イスラエルの冒した大罪の数々は、12月末から一時停戦まで3週間続いた戦闘期間と同時進行で、『米流時評』でも特集を組んでほとんど毎日連載してきたので、詳細を知りたい方にはフィードバックでページ下のリンク集から各エントリーの記事を読んでいただける。

今日お知らせするのは、冒頭の村上春樹のイスラエル賞授賞式におけるスピーチについてである。ブロガー諸兄もそれぞれ一家言あったと見えて、皆さん秀逸なエントリを上げていらした。私自身が書くと、なにぶんガザに関しては怒りや悲しみの感情が先立って、いかんせん浪花節になってしまうので、ほんの一部だが、一読に値するブロガー氏のエントリーを紹介したい。
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この他にもたくさんの方々が、イスラエルとパレスチナの問題を日本人として真剣にとらえ、ひとりひとり、その方なりの気概に満ちたご意見を述べていらした。しかしみなさんのエントリを紹介したかったものの、紙面に限りがあるのでその中のほんの数氏だけになったことをあらためてお詫びする次第である。

日本の記事を直接読む機会が少ない私は、当初ニュースサイトのタイトルだけを見て「村上氏受賞」というものだから、なんだ彼でも迎合したか、と失望したのだが、cakeさんのブログで氏が気骨あるスピーチを「敵陣で」披露したことを知り、うれしかった。

文学者だからこその、言葉を武器にした落ち着いた抗議ができたのだろう。
それなりの覚悟もあったろうし……何しろモサドの本陣である。暗殺など朝飯前の土地だ。
長いこと彼の作品のファンではあったが、あらためて、人間として尊敬する。

【米国時間2009年2月16日『米流時評』ysbee】

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FEBRUARY 16, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年2月16日号
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   B E I R Y U | C U R R E N T
エルサレム賞受賞の村上春樹が、イスラエルから世界へ伝えた勇気あるメッセージ
米国時間 2009年2月16日 | By cake / YAN-C / P-navi | 編集『米流時評』ysbee

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まず初めに、いつも暖かい応援で励ましてくださるcakeさんのブログから。
彼女のエントリでは特に最後のメディアの処理に対する批判が納得いきました。
私もあやうく、村上氏を誤解するところでしたから。


d0123476_14302471.jpgcakeさんのブログ『無題・休題−ハバネロ風味−』2/16号
「村上春樹氏とエルサレム賞」より

イスラエルの文学賞の エルサレム賞の授与式が
15日、エルサレムの国際会議場で行われた。
受賞した作家の村上春樹氏(60)には、ガザ空爆に反対したNPO団体始め、
一般市民からも、この時期にイスラエルへ行く事に反対する意見があがり、
賞を受けるべきではないとメールなども多数送られたと思う。
村上氏は賞を受ける事を決め、
この時期だからこそ、自分の目で確かめる必要もあると、イスラエルに向かった。

イスラエルから、悲惨なガザの状態が見える筈もない。
しかし受賞の演説の時に、表だって彼はガザへの空爆を非難する発言をした。
ガザの人達を卵に喩えて、壁というイスラエルに向かってのコメントは、
非常に重要な物だったと思う。

私も内心 彼の受賞には賛成出来かねるものがあったのだが、
彼の作家としての才能に賞されたものだし、これがイスラエルに行って、
きちんと自分の意見を公に述べる、絶好の機会だったのだろう。
私は素直に拍手を送りたい。

しかし、それを報道する日本のマスコミは一体何なのだ。
一切ガザへの非難のコメントを外して 
表彰のみを扱ったマスコミがいた事を、腹立たしく思う。
一般の人には、イスラエルに尻尾を振る日本人にしか見えないだろう。
情報操作とは恐い物だなと思う。

『無題・休題−ハバネロ風味−』2/16号「村上春樹氏とエルサレム賞」より
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次に情報の早いこと、そして問題を見抜く洞察力の鋭さでいつも一目おく、
YAN-Cさんのブログ『RE: SUKI』では、
現地イスラエルでの報道を対訳で載せながら、持論を展開します。
村上氏のスピーチの核心が掴める秀逸なエントリーです。


d0123476_14302471.jpgYAN-Cさんのブログ『RE: SUKI』2/16号
「村上春樹さん イスラエルにて『エルサレム賞』受賞」より

<前略>………小説の中での創作を「嘘」と表現することで、
小説家が多くの方から得る賞賛についてを語りました。
そして、小説家は、小説の中では、嘘を付くものと前提し、
1年の中、嘘に関わらない数日ある日の中の1日が、今日であると伝えています。
冗談ぽい内容ですね。

「今日、私は真実を話します。
私が嘘を付くことにかかわらないことは、1年に数日だけです。
今日は、その中の1日です。」


受賞に際しての、村上さんの考えは、以下のようなものでした。

「私がこの賞を受けることを聞いた時」
「私は、ガザ地区での戦いを理由に、ここに来る事を警告されました。
 私は自身で問いただした。『イスラエルを訪れることは、適切なことなのか?
 一方の国の支持にならないだろうか?』」

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やはり、ガザ地区での出来事と、ご自身の立ち場について、悩まれたようです。
誰もが悩むであろう問題ですが、
小説家は、「見て触れなかった物を信用しない」とし、
今回のイスラエルへの来訪を決めたとのことでした。

「小説家は、見なかった物と触れなかった何物をも、信用することが出来ない。
 だから私は、見ることを選びました。
 私は、何も言わないことより、ここで話すことを選びました。」


その後の内容は、日本でも報道されていますが、
「卵」を比喩表現として使った、興味深い内容でした。
私の中2脳で訳そうかなと思ったのですが、
日本の報道のほうが早いので、そのまま転載しておきます。

 "So here is what I have come to say."
「私が言いたいことは、ここにあります」

「わたしが小説を書くとき 常に心に留めているのは、
 高くて固い壁と、それにぶつかって壊れる 卵のことだ。
 どちらが正しいか 歴史が決めるにしても、わたしは常に 卵の側に立つ。
 壁の側に立つ小説家に 何の価値があるだろうか。」

 ……<中略>……

「壁はあまりに高く、強大に見えて わたしたちは希望を失いがちだ。
 しかし、わたしたち一人一人は、制度にはない、生きた精神を持っている。
 制度がわたしたちを利用し、増殖するのを許してはならない。
 制度がわたしたちをつくったのでなく、わたしたちが制度をつくったのだ。」


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 ……<中略>……
その様な情勢の中、イスラエル国内での村上さんの発言は、
意味のあるものであったと、個人的には思っています。
何もしない、何も出来ない、ではなく、
実際に動き、言葉を伝えることは、重要です。
全てではなくとも、イスラエルの人に、
村上さんの想いは届いたのではないでしょうか?

小説家の嘘、政治家の嘘、
どこに真実を見出し、何を重視するかは、
人々が努力し探すべき「道」であると伝えているように、私には見えました。
意味のある何かを 世界の人々が共有出来るなら、
「嘘の世界」はなくなるのかもしれません。

『RE: SUKI』2/16号「村上春樹さん イスラエルにてエルサレム賞受賞」より
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そもそも村上春樹のエルサレム賞受賞については、ガザ・パレスチナ関連の情報センターのようなピーさんのブログ『P-navi info』で知りました。先月のことです。
彼は当初からイスラエルには反対の立場で、村上氏へ受賞を再考するように、各方面へメール送付キャンペーンを展開してきた方です。抜粋したのはその抗議の手紙の一部ですが、他の記事でも日本でのガザ支援の情報が得られます。


d0123476_14302471.jpgブログ『P-navi info』1/27号
「拝啓 村上春樹さま ――エルサレム賞の受賞について」より

拝啓 村上春樹さま、
この度、村上さんが、イスラエルのエルサレム市が大きく関与している
文学賞「エルサレム賞」を受賞なさるということを聞きました。
しかし、お祝いの言葉を私は言うことができません。

この賞は「社会における個人の自由」を描いた作者に贈られるとありましたが、
村上さんがそれにふさわしくないのではなく、
贈る側が「社会における個人の自由」を口にする資格がありません。
この賞を辞退なさることをお薦めします。 ……<中略>……
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しかし、賞を辞退するのも、あなたが共犯者とならないですむひとつの方法です。

それでも、村上さん、あなたが受賞のためにエルサレムに出向くというなら、
受賞式より前に 入植地で虫食いになった東エルサレムを、
人びとを分断し隔離する 巨大な壁を、たくさんの検問所を、
囲い込まれて身動きがとれなくなった西岸の街を
ご自分の目で見ていただきたいと思います。
パレスチナの人びとの声に 耳を傾けてほしいと思います。

イスラエルのおつきの人の目を盗んで、ひとり動きまわるのは
村上さんならやすやすとできそうです。
……<中略>……
あなたの行為が、世界中のあなたの読者を、
そして あなた自身の作品を裏切らないでいてほしいと思うばかりです。

    敬具  ビー・カミムーラ(ナブルス通信編集部)……<後略>d0123476_14302471.jpg
ブログ『P-navi info』関連記事リンク

1/27 拝啓 村上春樹さま ――エルサレム賞の受賞について
1/31 [雑記]風邪ひき
2/02 「村上春樹に読者の声を届けるよ!」by. m_debuggerさん
2/12 Open Letter to Haruki Murakami about his Jerusalem Prize
2/12 「拝啓 村上春樹さま」3つの言語への翻訳
2/18 村上春樹エルサレム賞受賞スピーチ (追加あり)
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  >2/15 「絶望と希望のはざまで」ハマスとイスラエル・ガザ停戦
  >2/16 「ガザの壁と命の卵」 村上春樹とイスラエル-1
  <2/17 「投げつけられた卵」 村上春樹とイスラエル-1
  <2/18 「沈黙の壁を越えて」 村上春樹とイスラエル-3
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by ysbee-2 | 2009-02-16 12:48 | イスラエル・ガザ戦争

ネタニヤフとリブニ/イスラエルの2月体制

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   ||| ゴラン高原とイスラエル総選挙 |||

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ガザ侵攻イスラエル軍の最高司令官でもあったオルメルト首相のポスターを貼った嘆きの壁ならぬ「靴辱の壁」

極右タカ派と中道派リブニ、左右の追い上げに苦戦するリクード党ネタニヤフ

d0123476_18552829.gif今回の総選挙では、ブッシュ政権の忠実な下僕であったエフド・オルメルト首相はブッシュと時期を同じくして引退し、彼の率いたカディマ党は、党首のバトンを現行の外相ズィッピ・リブニへと継承する。彼女の出自を知るには、一言で理解できる肩書きがある。泣く子も黙るイスラエルの諜報機関モサド出身なのである。

そのリブニ外相が、ガザ侵攻においては国際間の協力を求めて奔走したため、彼女の努力がイスラエル国民の目には愛国的と映ったらしい。しかし、彼女には今期の総選挙で首位必至と予測されたタカ派のリクード党党首ネタニヤフを下す、という絶対使命があり、侵攻においても空爆の強行・拡大を押し進めて右派の切り崩しを図ったのは明らかである。現役の外相の立場を利用して戦局を自己の選挙戦略に利用するという、非情な政治的家としての野望は、インタビューでの応答の端々に隠しようもなく出てきていた。
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あえて私見を述べさせていただくなら、ユダヤ人特有の選民主義と、エゴイスティックな政治的野心、そしてモサド上がりの闘争心で凝り固まった「冷酷なるアイスクィーン」と評価する。
リブニのこうした「為政者=Political leader」というよりも「覇権者=Power monger」としての特徴は、ロシアのプーチンと相通じるものがある。プーチンもまたロシア民族のナショナリズムの復権を標榜し、帝政ロシア時代の栄光とソ連時代の旧連邦体制の復活を目論む野心を暖めてきた、KGBエージェント出身の冷徹なる官僚だった。

d0123476_14302471.jpg時事ブログでいつも情報の早いYAN-Cさんはリブニ外相とオルメルト首相のカディマ党内の相克を詳説。▶ブログRE: SUKI 2/03 イスラエル 新首相はTzipi Livni?
エントリの冒頭より「ツィピ・リヴニ筆頭副首相兼外相は2007年5月にオルメルト首相への辞任を求めていました。2006年からわずか1年で、オルメルト政権は辞任を迫られたのです。余程信用がないのか、それとも同じ党内の話なので、微妙な駆け引きでもあるのでしょうか?......<後略>」


10日の国民投票で、彼女が所属するカディマ党が万が一にでも議席の過半数を獲得すれば、リブニはイスラエル史上2番目の女性首相となる。1948年に建国したイスラエルで最初に女性首相となったのは、スティーブン・スピルバーグ監督 (ユダヤ系アメリカ人) の政治的な問題作となった、映画『Munich/ミュンヘン』の冒頭に登場し、モサドのエージェントに暗殺使命を下した女傑、ゴルダ・マイヤーである (なんとユダヤ人的響きの名前か!)。彼女はまた、女性としては世界初めての首相でもあった。
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記事中で、リブニのキャンペーンに「The Man of Situation」というキャッチコピーが使われたというくだりがあるが、この場合の「Situation」は、軍事用語として使われた場合の「戦況/戦線報告」と解釈するのが妥当だろう。いわば「Situation Room=戦略会議室」にふさわしい人物、という意味である。

たしかに容赦ないガザへの爆撃で、1300名以上という膨大なガザ市民の犠牲者を「戦果」と誇って恥じない人物ではあった。他の候補者もみな、好戦的なタカ派ばかりである。紛争や戦争を日常茶飯事とする中東の台風の目・イスラエルでは、ネタニヤフ、リブニのどちらが首相になっても、ガザのパレスチナ人に対する弾圧の手綱はゆるみそうもない。

【米国時間2009年2月10日『米流時評』ysbee】

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FEBRUARY 10, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年2月10日号
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  Associated Press | B R E A K I N G
イスラエル総選挙投票予測:リクード・カディマ・愛国党・労働党の混戦
米国時間 2009年2月8日午後2時31分 | AP 通信・イスラエル支局発 | 訳『米流時評』ysbee

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Netanyahu: No Return of Golan Heights to Syria
8. Weighing into strategic Golan Heights
While Livni has not ruled out returning the strategic Golan Heights, captured in the 1967 war, in exchange for full peace, and the third candidate for premier, Defense Minister Ehud Barak of Labor, offered the Syrians just that deal when he was premier in 2000, Netanyahu insisted he would say no. "The Golan will never be divided again, the Golan will never fall again, the Golan will remain in our hands," he declared during his campaign stop there.
ゴラン高原の戦略的重要性を再確認
「ゴラン高原は2度と(シリアへ)分譲されるべきではない。イスラエルはゴランから決して退却するべきではない。ゴランはいつまでもわれわれの掌中にある。」
ネタニヤフは、わざわざゴラン高原へ出向いての現地キャンペーンで、こう演説した。ネタニヤフと彼の取巻き連中は、イスラエル北部を睥睨するゴラン高原の戦略的拠点としての価値を重視しており、あたかもパレスチナ、および周辺イスラム諸国との友好平和の協定を締結するよりも、緩衝地帯であるこの地域、ゴラン高原を死守する方が大事だと思い込んでいるようだ。

(注:ネタニヤフの言葉は、現行のオルメルト首相が昨年米国アナポリスで開催された「アナポリス平和会議」で、中東諸国との和平のためにゴラン高原からのイスラエル軍の撤退も検討、ほかイスラム諸国との妥協和解案を欧米と進めていることへの反論で、カディマ党首相候補のリブニ外相の友好的対外政策とは正面から対立するネタニヤフが、ゴラン高原を「軍事防衛優先主義」のシンボルとして使い間接的な表現で攻撃したもの)
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イスラエルとシリア、パレスチナ西岸の間に介在するゴラン高原にもユダヤ人入植者のキブツが点在しIDFが警護する

9. Careful foresight on Lieberman

Netanyahu and his backers consider the strategic value of the territory, which overlooks northern Israel, as more important than a peace treaty. Netanyahu has carefully not criticized Yisrael Beitenu or its leader, Avigdor Lieberman, who was Netanyahu's chief aide when he was premier from 1996-1999, hoping for a partnership after the election.
リーバーマン入閣を見越すネタニヤフ
選挙戦での遊説中、リクード党の首相候補ネタニヤフは、対戦相手である Yisrael Beitenu Party/イスラエル愛国党、あるいはその党首であるアビグドール・リーバーマンを敵に回さぬよう気を使って、直接批判の対象にするのは避けてきた。
その理由は、ネタニヤフ自身が首相を務めた96〜99年のリクード党政権時代にリーバーマンは側近の長だったという過去の緊密関係も手伝っているが、ネタニヤフの本心はむしろ「リクード党が過半数の議席を確保して与党としての地位を確立するためには、極右のリーバーマンの党と連立してタカ派政権を樹立する」という覇権のための政局把握戦略にある。
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投票2日前の日曜、6日間戦争以来イスラエルの望楼の役割を果した戦略的拠点ゴランハイツへ遊説するネタニヤフ

10. Growing sympathy of Israeli Arabs

Lieberman has been playing on the fears of many Israelis about the growing sympathy of Israeli Arabs for the Palestinian cause. Arabs make up about 20 percent of Israel's population. Lieberman's main campaign plank is to force Arabs to swear loyalty to the Jewish state or relinquish their citizenship.
ガザ戦争で高まるアラブ系への同情を懸念
イスラエル国内では、12月末から3週間続いたガザ侵攻への反撥として、イスラエルの市民権をもつアラブ人の間で、ガザのパレスチナ人の受難に対する同情が高まっている。(イスラエルの市民権をもつアラブ住民は、イスラエルの人口全体の20%にも及ぶ)
こうした兆候を懸念する大半のユダヤ人国民の恐れをうまく取り込んで、イスラエル祖国党(or 郷土党、愛国党)のリーバーマン党首は、アラブ・パレスチナに対する強硬姿勢を売り物に有権者の支持を伸ばしてきた。リーバーマンのキャンペーンにおける最大のセールスポイントは、アラブ人市民に対して「ユダヤ人国家への忠誠を誓うか、さもなくば市民権剥奪」という強引なシオニストの公約である。
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ネットで有名になった爆撃でちぎれた女の子の頭部の写真はイスラエルのガザ侵攻に抗議するポスター・バナーにも

11. Lieberman's party emerged to be at third

Some polls show Lieberman's party approaching 20 seats in the 120-seat parliament, trailing Likud and Kadima, polling less than 30 seats each, but well ahead of Labor, with about 15.
リクード党とカディマ党の覇権を左右するキングメーカー
世論調査専門の数社の統計によると、リーバーマンの率いるイスラエル愛国党 (祖国党) が、国会議員全120議席のうち20議席を獲得しそうな勢いである。その結果、極右の支持者を食われたリクード党とカディマ党はそれぞれ30議席以下に落ち込み、当初3位を予想されたエフド・バラク防衛相の労働党は15議席に落ち込み、4位に転落した。
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左:中道派の労働党候補エフド・バラク現防衛相/中:首相へ最有力候補のリクード党党首ビンヤミン・ネタニヤフ
右:「ガザは大戦中の日本」説で脚光を浴びた極右のイスラエル祖国党/愛国党、アビグドール・リーバーマン党首


12. Kingmaker between Likud and Kadima

While it is unlikely that Lieberman could carry out his loyalty pledge, the scope of his support could catapult him into a key role in the new government, giving him a large voice in peace moves and domestic policy as well.
リクード党とカディマ党の覇権を左右するキングメーカー
選挙終了後は、リーバーマンは多分過去の上司ネタニヤフへの忠誠を守り、さらには分党の獲得議席をリクード党体制下に組み込む見返りとして、閣僚の重要な地位を獲得できる思惑があると予測されている。リーバーマンの第三党が過半数をとれなかったネタニヤフの第一党に翼賛する状況では、リーバーマンがキングメーカーとなり、その後の中東和平問題やイスラエルの国政の上にも、影響の大きい声となりそうである。
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ベンヤミン・ネタニヤフの愛称「ビビ」とピノキオを合成した、自惚れを揶揄する「Binocchio=ビノキオ」マスク

12. Prediction of upset in whole equation

However, polls are notoriously inaccurate in Israel. This time the pollsters' task is even more difficult, because the gaps among the parties are relatively small, turnout is expected to be the lowest in Israel's history and a plethora of small parties could upset the whole equation.
僅少差で崩れる互角のバランス
しかしながら、イスラエルの総選挙の投票予測はいつも当たらないことで悪名が高い。おまけに今回はいつもに輪をかけて、票読みのプロ泣かせの難航した展開となっている。その理由は、各政党間の予想得票数のギャップが比較的小さく、投票率がイスラエル史上最低になるのではないかと予測されているせいである。さらには、イスラエルの政情を特徴づける極小政党が群雄割拠する「plethora/政党の飽和状態」で、僅少差で番狂わせの勝敗決定をもたらすのがお決まりの展開である。
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イスラエル国内にもアラブ系市民は存在する(スクリーンの向う側) 手前でバスを待つのはオーソドックッス・ジュー

13. Running for 120 seats by 31 parties

Israelis vote for parties, not candidates, and the 120 seats are divided up according to the numbers of votes the parties get. This time 31 parties are running, the highest number ever. While only a dozen or so are likely to make it into the new parliament, accurately predicting the results in advance is nearly impossible.
120議席をめぐって争う31党の候補
イスラエルの国会=クセネットの議員選出方法は、立候補者に投票するのではなく、各政党別の得票率で議席数を割り出す「政党比例議席制」をとっている。今回の総選挙には31党が立候補し選挙戦を繰り広げているが、イスラエル史上最多の参加政党数を記録した。その中で新しい議席を獲得できるのは12党前後と見込まれているが、実際には事前に結果を予測するのはほとんど不可能に近い状況である。 <了>

【 米国時間 2009年2月10日 『米流時評』ysbee訳 】
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10日の投票日の1週間前にすでに投票所へ運び込まれた、イスラエル国旗と同色のバロット・ボックス=投票箱

◀前号「イスラエルとオバマ/3タカ大将のイスラエル総選挙」
▶次号「速報!タリバンがカブール政府を同時多発テロ攻撃、28名死亡!」へ
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by ysbee-2 | 2009-02-10 18:54 | 中東のパワーラビリンス

イスラエルとオバマ/イスラエル総選挙の3タカ大将

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  ||| タカ派三つ巴のイスラエル総選挙 |||

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極右タカ派と中道派リブニ、左右の追い上げに苦戦するリクード党ネタニヤフ
全候補者ともガザ制圧派、オバマ新政権のパレスチナ和平政策との対立は必至


d0123476_18552829.gifイスラエル総選挙の投票が今日実施された。米国時間で10日火曜、日本時間では11日水曜である。当初は元首相の経歴もあるビンヤミン・ネタニヤフのリクード党が過半数確実を伝えられていた。しかし、12月末から3週間続けられたイスラエル政府軍のガザ侵攻で、趨勢はがらっと変わってしまった。

現政権の外相であるズィッピ・リブニが退却するオルメルト首相に代わって率いるカディマ党が、ガザでの強気の侵攻を承認したイスラエル国民の支持を集めて、投票直前のアンケート集計結果では、ネタニヤフと実力伯仲の追い上げを見せた。さらに驚くことには、三位と目された労働党を抜き去って、極右ナショナリスト政党が意外な番狂わせで急迫。
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ガザでの戦闘が白熱化した段階で「ガザは第二次大戦時の日本」と切り出し、暗に核攻撃による致命的打撃さえ暗示した、極右のアヴィグドール・リーバーマンを党首に擁する Yisrael Beiteinu Party(イスラエル祖国党)が、リクード、カディマに次いで三位に躍り出たのだ。

d0123476_14302471.jpgYAN-Cさんのブログではイスラエル総選挙の開票結果を紹介してらっしゃいます。
▶ブログ RE: SUKI 2/12「イスラエル 総選挙は2党勝利宣言!」
エントリの冒頭より 「オバマ大統領はイスラエルのShimon Peres(シモンペレス)大統領に、和平の促進を促す電話をしたようです。これはワシントンポスト(Washington Post) に寄稿された「One region, two states」というペレス大統領の記事への、感想などだったようです......<後略>」


この傾向は、ガザ侵攻でイスラエル軍によるパレスチナ人虐殺が表面化し、国際世論がイスラエルに対して急激に批判的になってきている傾向と反比例して、アラブ・イスラム諸国に対して強硬路線を唱えるタカ派の党派に、国民の支持が傾いた結果にほかならない。
懲りないイスラエル………(嘆息)
4千年の長きにわたる「さまよえるユダヤの民」の歴史から、いったい何を学んできたのか?
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現地時間で11日の投票も終了し、現在開票結果を集計中の段階であるが、さてその結果は?
わずか120の国会の議席をめぐって、31の政党から候補者が乱立。しかも、首位4党の党首すべてが、アラブ・イスラムに対しては好戦的なタカ派ぞろい。90年代にジム・キャリーのコメディー映画で「Dumb and Dumber」(馬鹿ともっとバカ)という映画があったが、そのレトリックで言うと「Hawk and Hawker」である。

1948年の建国以来、常に中東紛争の台風の目となってきたシナイ半島の問題児、イスラエル。この国の次期首相に、ネタニヤフ、リブニのどちらかが納まるにしても、イスラエルが強行してきたガザ・ゲットーに対する封鎖体制は解かれそうにもない。イスラエルが歴史の教訓を生かして平和と協調を目指す日は、まだまだずっと先のことだろう。それも、もし奇跡的に存在するとすれば、の話なのだから。
【米国時間2009年2月9日『米流時評』ysbee】

*イスラエル総選挙関連の記事を、投票の前日・翌日の前後2回に分けてお届けします。

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FEBRUARY 9, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年2月9日号
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  Associated Press | B R E A K I N G
イスラエル総選挙投票予測:リクード・カディマ・愛国党・労働党の混戦
米国時間 2009年2月8日午後2時31分 | AP 通信・イスラエル支局発 | 訳『米流時評』ysbee

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Netanyahu: No Return of Golan Heights to Syria
Pledge is apparent attempt to shore up his right-wing credentials
FEBRUARY 8, 2009 | Association Press — BREAKING | Translation by ysbee
JERUSALEM, Israel — Benjamin Netanyahu, the front-runner in polls ahead of Israel's election this week, declared Sunday he would not give up the strategic Golan Heights for peace with Syria, an apparent attempt to shore up his right-wing credentials in the face of a last-minute charge by a hardline party.

戦略拠点ゴラン高原に執着するネタニヤフ
イスラエル・エルサレム発 |今週実施されるイスラエルの総選挙では、有権者の事前世論調査によると、リクード党党首のベンヤミン・ネタニヤフが首位を独走するはずだった。投票日を2日後に控えた8日日曜、ネタニヤフは戦略的拠点であるゴラン高原をめぐって、現政府がシリアと交渉中だった和平協定は継続しないと宣言し、タカ派が主流のリクード党の結束を固めるために、カディマ党の追い上げで熾烈になってきた選挙戦へ、最後の好戦的アピールを投じた。
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対アラブ諸国攻略を考慮した場合の戦略的要衝としてIDFが重視する、イスラエルとシリアの間に広がるゴラン高原

2. Issue: war, peace, terrorism, recession.

Israelis go to the polls Tuesday after one of the calmest campaigns in the nation's history, despite the vital issues facing Israel — war, peace, terrorism and economic recession. The electorate has appeared fatigued after Israel's three-week offensive against Gaza's Hamas rulers last month.
選挙戦の焦点:戦争・和平・テロ・不況
イスラエル国民は10日火曜に投票所へ向かうが、戦争 (ガザ侵攻)、平和 (パレスチナ和平)、テロリズム (イスラム過激派テロ)、経済不況、などの現実問題に連日直面していたにもかかわらず、今回の総選挙は1948年の建国以来もっとも騒ぎの少ない選挙戦で終始した。
ハマスの支配者に対するイスラエル政府軍の3週間におよぶガザ侵攻で続いた、戦争当事国としての緊張と論争が先月の一時停戦で一段落したあとは、有権者もやや疲労困憊した状況だった。11月に投票日は2月の10日と発表されて以来、この戦意高揚の時期にあっては、対アラブ強硬路線で知られるタカ派のネタニヤフ党首が率いるリクード党が、当初の予測通り首位を独走していた。
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ベルリンのイスラエル支持者デモ ユダヤ人は欧米諸国の各都市で住民となっており、イスラエルは彼らの精神的祖国

3. Surge of another hawkish party

Netanyahu has been leading in the polls since shortly after the Feb. 10 election was called in November. But his lead has been shrinking in recent weeks as another hawkish party, Yisrael Beitenu, or "Israel is our home," surges with its campaign against Israel's minority Arab citizens.
右派国粋主義者の台頭で食われるリクード党
11月に投票日は2月の10日と発表されて以来この戦意高揚の時期にあっては、タカ派のネタニヤフ党首が率いるリクード党が予測通り首位を独走していた。しかしながらネタニヤフのリードは、ここ数週間失速を見せていた。その理由はもうひとつのタカ派「イスラエルわが祖国」を標榜する極右ナショナリストの Yisrael Beitenu Party/イスラエル愛国党が、ガザ侵攻展開中にイスラエル国内の少数民族であるアラブ人市民に対して威圧的なキャンペーンを展開し、ユダヤ人のイスラエル国民の賛意を急激に集めたせいである。
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「ガザは大戦中の日本」説で脚光を浴びた、極右のイスラエル祖国党(愛国党)、アビグドール・リーバーマン党首

4. Glory of hero Netaniyahu eroded

Netanyahu's Likud Party has been the mainstream voice of Israel's right wing for decades, but the erosion in its support has led him to underline his hawkish positions in the final hours of campaigning. He visited a West Bank settlement on Friday.
6日間戦争の英雄ネタニヤフの栄光に陰り
ネタニヤフの率いるリクード党は、彼がイスラエル政府軍将校から政界入りして以来、数十年にわたってイスラエルの右翼の声を代表する、保守派主流となっていた。
しかし(ガザ侵攻を恐慌に推進する現役のリブニ外相の人気が高騰し)リクード党の支持者がカディマ党に食われていくにつれて、形勢不利を見て取ったネタニヤフは、選挙戦の終盤では急遽タカ派としての立ち位置を強調せざるをえなかった。また接戦にあせるネタニヤフが、将来的に盟邦国の立場を取らざるをえないパレスチナ西岸のアッバース政権を訪れ、現実的な政策の指針を示したのも、外交力に長けたリブニ外相に対抗しての作戦だった。
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当初独走態勢が伝えられたタカ派リクード党のネタニヤフ党首だが、カディマ党リブニ外相の追い上げで守りの体制

5. Potential Obama confrontation

In turning rightward, Netanyahu could be setting up a confrontation with the Obama administration if he becomes Israel's leader. Netanyahu opposes talks on a peace treaty with the Palestinians and favors allowing Israeli settlements in the West Bank to expand, two points that are likely to clash with Washington policy.
中東和平で予測されるオバマ政権との対立
ネタニヤフが政策方針を右傾化すればするほど、もし彼がイスラエルの元首となった場合には、オバマ政権とは対立するようになる可能性がある。
なぜならネタニヤフは、米国が推奨するパレスチナとの和平協定交渉の話し合いには反対であり、パレスチナ西岸地区におけるユダヤ人入植者の開拓部落、キブツの拡張政策を推進しているので「和平協定無視とキブツ拡張」というパレスチナ問題におけるふたつの焦点に対するネタニヤフの好戦的立場は、あくまで和平を標榜するワシントンのオバマ政権の外交政策とは相反する方針だからである。
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左:イスラエルの宿敵イランとも直接的対話をと主張する、平和外交のオバマ/右:先週和平交渉役として中東各国を歴訪しエルサレムを訪問した、米国務省のジョージ・ミッチェル中東特使とイスラエルの長老格シモン・ベレス大統領

6. Livni, 'The best for the job'

With polls showing him holding a slim lead over Kadima, the present ruling party, and its candidate, Foreign Minister Tzipi Livni, Netanyahu traveled to the Golan Heights on Sunday to emphasize their policy differences. Livni's campaign unveiled a new French slogan on a Jerusalem billboard: "L'homme de la situation," or "The best man for the job," playing on the fact that if elected, she would become Israel's second female premier.
現役の強みを訴えるリブニ外相
現行政権のオルメルト首相が党首を務めるカディマ党よりも、わずかなリードにとどまり追い込まれたリクード党のネタニヤフは、カディマ党との政見の違いを強調する目的で、わずか2日後に投票日の迫った8日の日曜、自らゴラン高原へ出向いて強気のキャンペーンを行なった。
一方、カディマ党の次期首相候補で現行の外相であるズィッピ・リブニの選挙運動本部では、エルサレム市内の屋外看板にフランス語で「L'homme de la situation」と大書した巨大なポスターを張り出した。その意味は「状況にふさわしい人物」であり、ガザ侵攻で男勝りの強気の軍事外交を推進した有利な立場を売り込む目的である。もし彼女の党カディマ党が与党となれば、党首となるリブニは自動的にイスラエル史上2番目の女性首相となる。
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泣く子も黙るイスラエルの諜報機関モサド出身のズィッピ/or ツィッピ・リブニ外相

7. Weighing into strategic Golan Heights

While Livni has not ruled out returning the strategic Golan Heights, captured in the 1967 war, in exchange for full peace, and the third candidate for premier, Defense Minister Ehud Barak of Labor, offered the Syrians just that deal when he was premier in 2000, Netanyahu insisted he would say no. "The Golan will never be divided again, the Golan will never fall again, the Golan will remain in our hands," he declared during his campaign stop there.
ゴラン高原の戦略的重要性を再確認
リブニ外相自身も(対シリア・イランを見越した)戦略上の拠点であるゴラン高原に関しては、選挙戦の論点から外したわけではない。そもそもゴラン高原は、1967年の6日間戦争(第三次中東戦争)の終結時に相互不可侵条約の見返りとしてシリアがイスラエルへ分断委譲した土地である。
第三の首相候補である労働党党首のエフド・バラク防衛相は、2000年首相として在職中にシリアへ分譲返還する和平案を提案した経歴を持つが、当時ネタニヤフはこの案に真っ向から反対したという経緯があった。 >> 後編へ続く

【 米国時間 2009年2月9日 『米流時評』ysbee訳 】
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ハマスがイスラエルに撃ち込んだ自家製ロケット砲の残骸 破壊力は屋根を突き破る程度で10年間の犠牲者は4名

▶後編「ネタニヤフとリブニ/イスラエルの2月体制」へ
▶次号「速報!タリバンのカブール政府同時多発テロ攻撃で28名死亡!」へ
◀前号「テロ戦争の内幕/ブッシュとビンラディンの危険な関係」
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by ysbee-2 | 2009-02-09 12:24 | 中東のパワーラビリンス

イスラエル軍ガザの国連本部を爆撃、支援物資全焼

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  ||| イスラエル、国連のガザ本部を爆撃 |||

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  イスラエル軍ガザの国連支部を爆撃、ガザ市民への食糧・支援物資を全焼
  幼児含め6名死亡。エジプトとの国境ラファーの国連学校へ白リン弾投下


d0123476_18552829.gifエントリーが3日分ほどたまっております。オバマのスマート外交・スマートアドミニストレーションについて書き出しましたら、あれもこれも、今まで言いたかったことがうわっと突出してきて、段落にして30以上になってしまいました。

余計な部分を削りまして、やっと2ページに収まるようまとめたのですが、話があちこちに飛んでるものですから、コンテンツに沿った写真の選択の方が記事を書く時間よりも手間取ったりして、ブッシュの終幕の演説並みにヘドモドしている最中です。
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その間にも、イスラエル軍が停戦交渉を進めている傍ら、攻撃の手を少しも休めていません。17日には、ガザ市民の命の綱である国連の食糧倉庫を直撃したり、先日とは別の国連運営の学校を爆撃したり、まさしく虐殺大国の名をほしいままにする、空と陸からの爆撃を繰り返しています。

しかし、ようやく、まさにようやっと、待ちに待った「停戦」へのステップが踏まれたようです。先月27日の空爆開始以来、地上侵攻戦へ、市街戦へ、と1週毎に新しいフェーズ/侵攻作戦の戦術的転換を進めてきたIDF/イスラエル防衛軍ですが、3週間経ってようやく終結への歩みを踏み出しました。停戦協定の詳細は次号のエントリーでアップしたいと思います。今日は1日遅れですが、イスラエル軍による国連施設の爆破の件をお届けします。

【米国時間2009年1月17日『米流時評』ysbee】

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JANUARY 16, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2009年1月16日号
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 ASSOCIATED PRESS | BREAKING
イスラエル軍ガザの国連支部を爆撃、ガザ市民への支援物資を全焼
米国時間 2009年1月16日午後11時 | AP 通信・ガザ現地レポート | 訳『米流時評』ysbee

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6 Die as Israeli Shells Land Near Gaza School
U.N.-run site was being used by Palestinians seeking shelter, officials say
JANUARY 17, 2008 | Association Press — BREAKING | Translation by ysbee
GAZA CITY, Gaza Strip — An Israeli tank shell killed six people Saturday near a United Nations-run school in Gaza, Palestinian health officials said. Dr. Moaiya Hassanain said women and children were among the dead. The military and the U.N. had no immediate comment.

ラファの国連学校爆撃で6名死亡
ガザ地区・ガザシティ発 |現地時間で17日土曜、イスラエル地上軍の戦車部隊は、国連が運営するガザ地区の学校近隣に砲撃を繰り返し、学校へ避難していた一般市民6名が死亡したと、ガザ・パレスチナの厚生担当官モアイヤ・ハッサナイン医師から発表された。この爆撃の犠牲者の中には女性と子どもが含まれている。イスラエル軍と国連側からは、この件に関する声明はまだ発表されていない。
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1. Israel shells killed fleeing people
Witnesses said four of the victims were killed as other shells struck nearby as people tried to escape. The school was being used by people seeking shelter from fighting. However, officials later said four of the deaths were linked to another Israeli shelling.
イスラエル戦車の砲撃、避難する市民を直撃
現場に居合わせた目撃者の話では、最初の爆撃で避難していた国連運営の学校の建物から人々が逃げようとした際に、今度はその近くに数発の砲弾が直撃したと言う。この学校もまた、戦闘を逃れて避難してきた人々が、数百人身を寄せていた場所だった。
ロイター通信の報道では、学校近辺への爆撃によって当初6人の一般市民が亡くなったという救急隊員の談話を報じたが、のちに6人のうち4人は別の箇所へのイスラエル軍の砲撃に依るものであることが判明した。
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砲弾の直撃で全焼したエジプトとの国境ラファにある国連支援活動UNRWAのガザ本部 パレスチナ人の食糧倉庫

2. 45,000 Gazans sheltering in UN school

On Thursday, Israeli shells set ablaze a warehouse at the U.N. Gaza headquarters. About 45,000 Gazans fleeing battle zones are sheltering in U.N.-run schools in the enclave. Israeli shelling killed 42 people who had taken refuge at a U.N. school on Jan. 6.
国連運営の学校に4万5千人が避難
また15日木曜には、イスラエル軍は国連のガザ本部にある巨大な倉庫へ戦車から砲撃し、ガザ市民の命の綱である配給用の食糧が全焼した。ガザ地区内では、連日連夜続くイスラエル軍の激しい空爆と砲撃を逃れ、各所にある国連運営の学校へ避難している市民は、およそ4万5千名にものぼっている。イスラエル軍は、すでに地上侵攻が始まって2日目の1月6日に、ラシファの国連学校を標的に繰り返し砲撃し、学校へ避難していた一般市民から42名もの犠牲者を出した。
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空から降って来る熱い雨、白リン弾から逃れる避難民。ガザ地区に点在する国連運営の学校は避難場所だったはずだが

3. Approaching 'endgame'?

Earlier in the fighting, 30 were killed at a different U.N. school. Israel says Hamas militants use U.N. positions for cover when firing rockets. Meanwhile, Israel said it was approaching the "endgame" of its three-week offensive against Gaza's Hamas rulers and scheduled a Security Cabinet vote Saturday on a truce proposed by Egypt.
イスラエル国会で停戦議案に投票
空爆開始から3週間にわたるイスラエル軍ガザ侵攻作戦の初期の段階で、ガザ地区の国連運営のもうひとつの学校では、30名が爆撃で亡くなっている。この件に対してイスラエル側では、ハマスがこの学校の背後に隠れてロケット砲打ち上げを行なっていたから、と釈明していた。
一方イスラエル軍では、ガザのハマス支配者に対する3週間の攻撃作戦の拡大から一転して、最終的な終結へと向かう「エンドゲーム」の局面に迫っていると説明しており、17日土曜にはイスラエル国会の防衛委員会で、エジプト提案の停戦協定に関して投票する予定になっている。
【注:17日の投票結果、イスラエル側の条件下での停戦協定案が政府首脳の防衛会議を通過した】
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1/17 前日にイスラエル地上軍の砲撃で30人の死者を出したベツラヒヤの国連学校で、被害の実態を視察調査する国連人道支援部門 UNRWAのガザ地区担当責任者ジョン・ギング。国連本部へは「イスラエル軍の一連の国連施設への爆撃は、明らかに戦争犯罪の定義に抵触する」と報告した。

4. Behind-the-scenes contact

字数制限のため英文省略
戦闘と同時進行の停戦交渉
この停戦案に盛られた条件とは、
・戦闘を直ちに停止し10日間の休戦期間をおくこと、
・基本的にイスラエル軍はガザ地区の領土内にとどまること、また
・ハマスの兵士たちが再武装できないようにチェックするための保安体制を整えるまで、ガザ地区へ入国する際の国境検問所はイスラエル軍が監理すること...... などとなっている。
イスラエルの国営ラジオ放送の報道では、イスラエルが攻撃停止に合意すれば、この日曜にカイロで停戦調停会議が開かれ、イスラエルの政権首脳三役(オルメルト首相・リブニ外相・エフド・バラク防衛相)と、国連の潘基文事務総長が出席することになっている。しかしハマス側の指導者は、こうしたイスラエル側の一方的な停戦の条件を拒否した。
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イスラエルの激しい空爆で高層アパートも灰塵に帰した。この現場では30名の市民が亡くなったが、1週間過ぎてもいまだに見つからない遺体も数多く、遺族は毎日空爆や砲撃の合間を縫って、瓦礫をかき分けて遺体を探している。

5. 'If they are ready, we are ready'

字数制限のため英文省略
「イスラエルがその気ならハマスも」
ところが、イスラエルとハマスとの秘密裏の和平への話し合いは、実はカイロでの表向きの停戦交渉会議とは別途に、同地で仲介役を立てて隠密裡に進められていたと言う事実が暴露され、すでに双方が停戦への姿勢を固める時期に来ていることを、如実に示す事実が明らかになった。
Sky News/スカイニュースが報道したその内容によると、その席では現段階でのハマスのトップ交渉役と看做されているオサマ・ハムダンが「If they are ready, we are ready/奴ら(イスラエル)がその気なら、うち(ハマス)もその気だ」と公けにしたと伝えている。

【注:この場合の仲介役は、多分シリアだろう。シリアのアサド政権の首脳部は、中東外交における手練手管に長けたベテランがそろっており、一昨年のイランによる英国海軍水兵拿捕事件の際も、水際立った仲介交渉で捕虜の解放へこぎつけ、英米とイランとが戦争へと突入する危機を免れた経緯がある。】
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左:アフガニスタンのテロ戦争で米軍が常用しているバンカーバスター爆弾特有の垂直に炸裂する爆発。この直撃を受ければ高層のビルはもちろん、人間もひとたまりもなく塵芥に帰す。右:カイロでの表向きの停戦会議とは別個に、仲介役を立てて戦争終結への歩み寄りを伺っていたことを記者発表するハマス側幹部のひとり、オサマ・ハムダン。

6. IAF pounded 50 Hamas positions

字数制限のため英文省略
土曜の朝だけでハマスの拠点50カ所を爆撃
17日土曜カイロで行われたハマス側代表のハムダンの記者会見は、アルジャジーラTVのアラビア語放送を通じて中東全域に流された。一方、同じ土曜の朝イスラエル側では、IAFイスラエル空軍の戦闘ジェット機編隊が、ガザ地区内のハマスの拠点を空爆した。これはイスラエル政府の首脳部が、ガザへの侵攻作戦を終結させるか否かを決議する、イスラエル国会の防衛委員会での投票に先立って、集中的に強行された軍事行動である。
イスラエル軍部からの発表によると、15日夜から16日朝までに空軍の爆撃機で50カ所のハマスの拠点を空爆したと公表している。攻撃対象は、ロケット砲打上げ施設、物資密輸用トンネル、兵器格納庫、塹壕、地雷原などであると発表したが、実際に被害のあった学校や食糧倉庫などの国連施設は、報告内容には含まれていなかった。
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1/17 これはガザではなく左岸の首都ラマラー。アッバース政権はイスラエル寄りだが一般国民は同じパレスチナ人の同胞であるガザ市民に同情を示し、投石など抗議行動で機動隊との衝突が絶えない。白煙は鎮圧用の催涙ガス弾。 

7. Egyptian-brokered truce proposal

Egypt has been trying to broker a cease-fire deal between Israel and Hamas as the two sides do not negotiate directly. The vote on the Egyptian-brokered truce proposal follows a signing of a "memorandum of understanding" in Washington between Secretary of State Condoleezza Rice and Israeli Foreign Minister Tzipi Livni.
エジプトが仲介役の停戦協定交渉
戦争当事者であるイスラエルとハマスとは、直接的に交渉ができない状況にあるため、双方の間に立ってエジプトが停戦調停の仲介役を果たそうと試みている。すでにワシントンで米国のコンドリーザ・ライス国務長官とイスラエルのツィッピ・リヴニ外相との間で交わされた「memorandum of understanding/ワシントン了解メモ=停戦協定事項に関する承諾書」への署名に引き続いて、エジプトを仲介国とする停戦協定決議案が、イスラエル国会での投票を待っている段階である。

【注:17日の投票で、イスラエル国会から停戦協定にゴーサインが出た。詳細は次号に掲載予定】
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1/16 ガザ市内至る所への空爆・砲撃で死者激増、アルシファ病院ではモルグに収まりきらない遺体が廊下を埋める

8. Expanding intelligence cooperation

The meeting between two top diplomats of U.S. and Israel calls for expanded intelligence cooperation between their two countries to prevent Hamas from rearming. Livni called the deal, reached on the final working day of the Bush administration, "a vital complement for a cessation of hostility." It paved the path for Saturday night's vote in the 12-member Security Cabinet.
両国間の諜報協力強化へ
ライスとリヴニの間で行われた米国とイスラエルの外交トップ会談の案件は、ガザ戦争の停戦協定ばかりでなく、「ハマスの再武装を防ぐために、米国とイスラエル両国の諜報活動の協力体制を拡大しよう」という相互協力の確認を図る目的も含められていた。
ブッシュ政権が最終章を閉じつつある現段階にあって、イスラエルのリヴニ外相はこの覚え書き=ガザ停戦協定メモを「a vital complement for a cessation of hostility/戦意終結への実効的完遂計画書」と評した。この覚え書きは、その後イスラエル議会の12人の首脳による防衛委員会での投票対象となる草案として受け渡され、停戦への道を拓いた。
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1/17 ガザ北部ベツラヒヤの難民キャンプへも激しい空爆で、一般市民数十人が死亡。毎日50〜60人が犠牲に。

9. Considering Obama's inauguration

However, Israeli officials were also publicly discussing a unilateral cease-fire that would not take into account any of Hamas' conditions. Israel might want to halt the Gaza offensive before Barack Obama is sworn in as U.S. president on Tuesday, to avoid clouding a historic day for its main ally.
オバマの就任式前に停戦を検討
イスラエル政府高官の中には、ハマス側から提示されるならばいかなる停戦条件であれ飲むことは出来ないと公けに主張し、停戦に反対する者もいる。
しかしながらイスラエルは、20日火曜にバラク・オバマが米国の新しい大統領に就任する日に先立って、ガザ侵攻を停戦に持ち込みたい意向があるのかもしれない。その理由は、イスラエルの最大の味方であるアメリカの歴史的なターニングポイント、オバマ大統領就任式までの4日間の慶祝の日々を、戦雲の暗いニュースでかげらして因果を残したくないという思惑が、イスラエル政府首脳部にあるからだろう。
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1/16 空爆が激しく郊外にある広い墓地へ行けないので、死者はガザ市に古くからある狭い墓地を掘り起こして、旧い死体の傍らにやむなくスシ詰めで埋葬されていた。ところが、その悲惨な問題をAP記者が記事にして抗議した翌朝、その墓地目がけて激しい空爆が繰り返され、墓石はもちろん埋葬された遺体まで粉々に粉砕されるという更なる惨劇が発生。ユダヤ人には死者への畏敬というものがないのか? 
この墓地爆撃事件は、イスラエルの暴虐を指摘するイスラム教徒の根深い怨念として、後日まであとを引くだろう。


10. Hamas's halt of rocket is key

字数制限のため英文省略
ハマスのロケット攻撃停止が鍵
ガザ戦争における「停戦」とは、侵攻作戦の次のような局面、まずともかくイスラエル軍が軍事的攻撃をストップすることから始まる。そして、それに対するハマス兵士からの反応を見計らうことだと、イスラエル政府高官は語った。もしその際に、ハマス側が相も変わらずロケット砲攻撃を続けるならば、停戦はとりやめとなる。
こうした停戦条件の下に国際間の協力も取り付けながら、エジプトはガザへの武器密輸のルートを遮断する意向である。その一方で、後日エジプトからガザへの国境関門を再開するための(イスラエル・ガザ・エジプト三国の)話し合いを持つ予定である。
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1/17 国連学校への爆撃で殺された家族を嘆く残された母と子 ガザ地区北部ベツラヒヤの病院の死体安置所で

11. 1,140 Palestinians killed in 3 weeks

字数制限のため英文省略
3週間でパレスチナ人1,140名死亡
ガザと国境を接するイスラエル南部の都市に対して、ほとんど毎日撃ち込まれるハマスからのロケット攻撃を阻止するため、という大義名分の元に、イスラエルは12月27日にガザ地区に対する軍事攻撃を開始した。それ以降の激しい空爆と地上軍の砲撃による犠牲者は、パレスチナ側の医療班の計測によれば、少なくとも1,140名にも達している (身元確認のできた死体の数)。そのおおよそ半数が、非戦闘員の一般市民である。さらには、イスラエル空軍の連日の空爆作戦によって、東西4キロ南北27キロの狭小なガザ地区は、高層ビルが重なる都市から凄絶な瓦礫の荒野へと化した。
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1/14「イスラエルの虐殺糾弾・ガザ市民支援」を掲げて即時停戦を訴えるシリアの首都ダマスカスの子供たちのデモ

12. Israeli toll: 13 casualties only

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イスラエル人の犠牲者全部で13名
一方、イスラエル政府の発表によると、3週間にわたる戦闘でイスラエル軍から出た戦死者は、総計で13名を数え、そのうちロケット砲による一般人の死者は4名。残りの9名はガザ侵攻作戦中の戦場で戦死した者である。(訳者追記:さらにそのうちの2名は、イスラエル軍自身の誤爆によるものである。念のため。) <了>

【 米国時間 2009年1月16日 『米流時評』ysbee訳 】f0127501_6213945.jpg

▶次号「ガザ戦争ついに休戦へ!開戦から3週後イスラエル国会で可決」へ
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by ysbee-2 | 2009-01-17 18:10 | イスラエル・ガザ戦争

ガザ戦争の最終兵器・イスラエル極右タカ派と核使用の危険性

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  ||| イスラエルの危険分子と核の使用 |||

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1月4日ドイツ・ブレーメンのイスラエル抗議運動 凍てつく広場の路面に死者を模して横たわる「Lie in」のデモ

 ガザは大戦末期の日本なのか? イスラエル極右タカ派と核兵器使用の可能性
 ブログ RE: SUKI「イスラエル、ハマスに日本を見る」へ寄せたコメントから


d0123476_18552829.gifYAN-Cさん、いつもTBでお邪魔しています。
今日のTBのタイトルを見て、えっ?と思って読みにきました。
なるほど、徹底的に叩け、という訳ですね。
IZの超タカ派の主張ならば、あり得る話ですね。
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戦争終結の最終手段を意味するのでは?
ただ、私はいつも戦争や抗争の場合「双方の戦略家ならばどう出るだろう?」
という見方をするのですが、どうも、この場合の
 >「アメリカが日本に行ったことをハマスにしなければならない。」
というのは、「原爆投下」=「核兵器使用」で、戦争を終結せよ、と
言下に言っているように受け取れるのです。

それでなくても、イスラエルは以前にも、イランのナタンツの核施設への
バンカーバスター爆弾投下を、米国にお伺いを立てたり(先週ブッシュがばらしました)、
シリアの核施設を爆撃したり、ことあればとにかくヘビーな兵器を使いたがる国ですから、
あり得る選択肢です。
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先週10日にNYタイムズがすっぱ抜いたイスラエルのイラン核施設爆撃未遂事件。イスラエル政府はイランのナタンツ核施設に対し空爆を挙行するべく、イラク上空の飛行許可を米国に打診したが、ブッシュはオーケーを出さなかった。この件で、イランに潜入している米国CIAスパイとイスラエル諜報の現地エージェント情報が相反していたという事実が暴露された。この件に関する質問に対しホワイトハウスではノーコメント。つまりYes, it is. ということか。

軍事行動のあらゆる選択肢
ガザへの空爆開始直後にも、軍部では
「あらゆるオプションがテーブルにある(=最終兵器使用も辞さない)」
と明言しているので、今回はレバノン戦争の際にヒズボラを降伏させられなかったのに懲りて、
国際世論を無視して徹底的にやるな、とは思っておりましたが。

私の方でも、明朝の新しいエントリーで、軍部が諦観に達したという記事を挙げる予定でした。
………(略)………
とにもかくにも、一刻も早く終結してほしいですね。
核の使用なしに、話し合いで。 ではまた!
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開戦からすでに18日 ガザのシンボル、二つのミナレット(イスラム寺院尖塔)のバックは投下された直後の爆弾


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JANUARY 14, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2009年1月14日号
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  R E : S U K I | Y A N - C
『米流時評』から『RE: SUKI』へのコメント-2: 中東大戦争の可能性
米国時間 2009年1月14日 | 『米流時評』への YAN-Cさんのコメントへのレス by ysbee

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イスタンブールの小学校。トルコではエルドガン首相がイスラエルの無差別爆撃に非難声明を出し、率先してガザを支援。全国の公立学校にガザの犠牲者に黙祷するよう指示した。イスラム教徒が大半の国民ももちろんガザ支援である。

イランにはブレーキがある

>YAN-Cさん、こちらこそ、良い着目点のエントリーをありがとうございました。

米国のメディアでは、こうしたイスラエルのタカ派の意見は、総括論では紹介されますが
個別の生の意見、というのはなかなかそこまで掬う態勢ではないので
なるほど、そういう見方もあるのか、と大変参考になりました。
読めば読むほど、非常に危険な見解ではありますが。

イランのアフマディネジャド大統領も、よくこうした威嚇を発しますが
イランの場合は、カメネイ師が頷かなければGOサインが出ないので
ブッシュ政権との確執8年にもわたるのに、直接的交戦にまでいたらなかった。
つまり、イランの場合は宗教界が政界のブレーキの役割を果たしている、と言えるでしょうか。

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イランの首都テヘランでもカメネイ師のポスターを掲げてガザ支援のデモ。イランの女性は政治活動にも積極的。

ヒズボラが支持を受ける背景

逆にレバノンの場合は、ナスララー師の率いるヒズボラが、
宗教をベースにしながら、社会福祉事業から軍団形成、
そして政党として国会の一角を占めるまでのしてきた経緯があります。
レバノンの場合は、宗教が政治を浸食してきたと言えるでしょうか。

もっとも、レバノンでは南北の貧富の差が激しく、
北部のキリスト教系有産階級が、EUやNATOとうまく連繋して行こうとしているのに対して
南部のイスラム原理主義者団体(つまりヒズボラなのですが)は、
同じイスラム教シーア派のイランやシリアと連繋して、対欧米路線を主張してきました。

特に現政権は、親米派につきものの汚職・癒着の構造があからさまなために
ヒズボラはそうした腐敗政治を粛正する政体として、レバノン国民の支持を受けた訳です。
変な例えかも知れませんが、米国がテロ組織として認定しているヒズボラですが、
支持者はナスララを、貧困から救ってくれるロビンフッド的な受け止め方をしています。

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イスラエルの無差別爆撃で殺されたガザの子どもへの慰霊と、市民のサバイバルを支援するベイルートの子どもたち

イスラム3軍団の連合戦線の可能性

今回のガザ戦争は、イスラエルがこれ以上殺戮を続ければ、
レバノンのヒズボラ、イラクのアルサドルの軍団が、同じイスラムの兄弟を救え、
という大義名分で、ガザのハマス支援で立ち上がるでしょう。
現時点では、これらイスラム3軍団の連合戦線への展開を
イランがセーブしているように見えます。

しかし、イスラエル軍部の極右タカ派が、劣化ウラン弾や化学兵器の使用に踏み切れば
事態は一挙に転換して、イスラエルを囲繞するイスラム国家の全てが
対イスラエル連合戦線を結成して、中東大戦争に突入する恐れがあります。
イスラエルはその点に留意しないと、大戦のパンドラの箱を開ける結果になりかねません。
(追記:ブッシュがイラク侵攻を強行して、イスラム世界全体を敵に回したように)
………(後段省略)………
またみなさんと一緒に、常にアンテナを研ぎすまして
掘り起こした「真実」の情報をシェアしていきたいと思います。
よろしく!

上の記事はブログ RE: SUKI 1/14号「イスラエル ハマスに日本を見る」へ寄せた私のコメント。下の記事は、米流時評1/13号「ガザは大戦末期の日本なのか?イスラエル・タカ派の見る共通性」へいただいたYAN-Cさんのコメントへの、同じく私のレスを転載しました。
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【予 告】親米アラブ国家とオバマの中東外交
上の写真は、ヨルダンの首都アマンでのガザ・パレスチナ支援デモ。中東でもエジプトやサウジアラビアと並んで、親米アラブ国家の筆頭株として知られるヨルダンだが、今回はアブドゥラ国王夫妻自ら率先してパレスチナ人への献血運動に参加したりして、アラブ・イスラムの結束をアピールしている。

またイラク戦争時には空軍の中継地点を提供したトルコでも、ナショナリストのエルドガン大統領は今回のイスラエルのガザ侵攻には真っ向から反対。中段の写真のように、公立学校に喪に服するよう指示を出したりして「平穏な」抗議行動に出ている。

こうした示威行動は、米軍のイラク侵攻時とは逆方向の、反イスラエル運動の展開である。ブッシュが去りオバマの治世になれば、米国に睨まれることなく自由に同胞イスラム支援の姿勢が取れる、と親米アラブ国家が読んでいる兆しの現れだろうか。

このテーマは、今後の中東と国際社会の潮流にとって非常に重要なヒントを含んでいるので、
次号のエントリーで米流からの時評として書いてみたい。
無実の子どもたちがボロきれのように殺される戦争が、一刻も早く終わることを祈って。

【米国時間 2009年1月14日『米流時評』ysbee】f0127501_6213945.jpg
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▲ガザ市郊外ザイトゥンでイスラエル軍の砲撃で虐殺されたサムーニ家の犠牲者70人のひとり
▶詳細は『米流時評』1/10号「ザイトゥンの虐殺/イスラエルの戦争犯罪目撃者の証言」で。


▶次号「オバマのアウフヘーベン/米国のスマートパワー外交」へ続くd0123476_1023580.jpg

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NBC ナイトリーニュース |イスラエル軍、国連学校砲撃の事実を認める 1/12/2009
d0123476_614580.jpgMSNBC News — "Massacre of U.N. school"
Israel admits killing 40 civilians in U.N. school last week. Martin Fletcher reports.


12日月曜、イスラエル軍は先週起きたアルシファの国連学校砲撃事件で40名のガザ市民が死亡した件に関して、戦車砲撃の「流れ弾=stray mortar」が命中した事実を認めた。
ガザの現地で取材した Newsvine のビデオを、イスラエルとガザの国境で中継する NBCニュースのマーチン・フレッチャー中東特派員が、イスラエル軍のガザ侵攻開始以来連日レポート。


NBC Today Show ニュース |イスラエル軍ガザ市内へ侵攻・白リン弾多用 1/11/2009
d0123476_661975.jpgNBC Today Show Video — Richard Engel Report
As Israeli forces close in on Gaza City, harsh operation escalates.


アメリカの朝のワイドショー番組の首位を独走する NBCの「Today Show」でも、毎朝ガザ戦争の惨状を番組のトップで報道。
11日日曜イスラエル軍地上部隊はガザ市を包囲し市内侵攻が近い情勢。ガザ地区内へは取材陣立入禁止となっているため国境地帯に設けられた特設メディア中継所から、イラク戦争従軍歴8年のベテラン NBCニュース国際部長リチャード・エンゲルがレポート。


NBC ニュース |マーチン・フレッチャー レポート「ガザの子どもたち」 1/10/2009
d0123476_11332531.jpgMSNBC News — Martin Fletcher Report
Gaza violence takes terrible toll on children, leaving deep scars both physically and mentally.


ガザの現地で取材した Newsvine のビデオを、イスラエルとガザの国境で中継する NBCニュース中東特派員のマーチン・フレッチャーがレポート。中東各国駐在歴十数年のベテラン特派員。
ビデオの最後で、少年が幼なじみの従兄弟が殺されたとつぶやくのには考えさせられる。イスラエルが猛攻を繰り返すほど、復讐を誓うパレスチナ人が増え、イスラエルへの戦意を高めるだけだ。


MSNBC ニュース解説 |ブルゼジンスキー「イスラエルの自滅外交」 1/09/2009
d0123476_5564953.jpgMSNBC — Brzezinski: "Political disaster for Israel"
Zbignew Brzezinski, one of Obama's diplomatic brain team, concerns irreversible destruction in Gaza, as well as on diplomacy of Israel.


オバマ次期政権の外交ブレーンの重鎮、ズビグニュー・ブルゼジンスキーが分析解説する、ガザ侵攻がもたらすイスラエル外交戦略の致命的失敗と、ブッシュの中東和平外交の最終的破綻。
ブルゼジンスキーは、NBCネットワークの論説委員で、欧州・中東外交のベテランでもある。


緊急特集 ||| ガザ戦記 |||
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▶12/26  ガザ戦争 序章「イスラエルの最終戦争」
▶12/29(1)「ガザ空爆エスカレート」 凄惨!死者364名 負傷者1400名以上
▶12/30(2)「ガザの最終戦争宣言」ついに全面戦争へ突入するイスラエル(未掲載)
▶12/31(3)「ガザ空爆はジェノサイド!」反イスラエル抗議運動世界へ拡大(未掲載)
▶ 1/1 『米流時評』年頭のメッセージ「2009年のワルキューレ」ブログの砦の同志たちへ
▶ 1/2 (4)中東戦局分析「イスラエルのエンドゲーム」ガザ侵攻の最終目標は中東大戦争?
▶ 1/2 (5)中東戦局分析「イスラエルのエンドゲーム」後編(未掲載)
▶ 1/3 (6)号外!「ついに地上侵攻開始」イスラエル恐怖のガザ市街戦へ突入!
▶ 1/4 (7)緊急レポート・ガザの死闘で長期戦を覚悟するイスラエル
▶ 1/5 (8)イスラエルの大罪・ガザジェノサイド
▶ 1/6 (9)イスラエルの巨大な棺ガザ
▶ 1/7 (10)中東平和への墓標ガザ(未掲載)
▶ 1/8 (11)虐殺の砲弾・地上軍のガザ国連学校砲撃で死者40名(未掲載)
▶ 1/9 (12)ガザのホロコースト/イスラエル軍の戦争犯罪を赤十字が暴露!
▶1/10(13)ザイトゥンの虐殺/イスラエルの戦争犯罪目撃者の証言
▶1/13(16)ガザは大戦末期の日本なのか?イスラエル・タカ派の見る共通性
▶1/14(17)戦争終結の最終兵器・イスラエル極右タカ派と核使用の危険性
▶1/15(18)「オバマのアウフヘーベン/米国のスマートパワー外交」(予告)


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by ysbee-2 | 2009-01-14 14:20 | イスラエル・ガザ戦争

ガザのホロコースト/イスラエルの戦争犯罪を赤十字が暴露!

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  ||| イスラエルのガザ・ホロコースト |||

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イスラエルにジュネーブ協定違反「戦争犯罪」の疑惑 虐殺の実態を赤十字が暴露!

d0123476_18552829.gifイスラエルのパレスチナ人虐殺はとどまることを知らない。あの細長く狭いガザ地区(東西5キロ・南北40キロ)に150万人がひしめく人口密集地へ、国境を封鎖したゲットー状態にしておいて、その市街地へトン単位の爆弾を落とすのだから、ひとたまりもない。毎回繰り返すが、三四郎氏がいみじくも言ったように、これは戦争ではない。敵対する民族の虐殺、それ以外の何者でもない。

ブログ友各氏もガザについて心を痛め、エントリーで停戦を訴えられているが、ちょうど昨日の記事にいただいた日比野氏とのコメントのやりとりが、今日の記事のリードになるので、引用させていただく。(REC: ▶三四郎の日々「これは戦争ではない」 ▶日比野庵本館「ガザの虐殺」
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【日比野】 おはようございます。
 ガザの件、年末あたりからぼつぼつwatchしていたのですが、酷いものです。
 白燐弾の毒性あるなしにかかわらず猛烈な煙が発生することは確かなのですから、
 市街地でこれを使えば逃げ場がなくなる/分からなくなるのだけは間違いありません。
 そこへ空爆ですから、はじめから虐殺目的ではないのかと疑われても仕方ありません。
(なにやら東京大空襲をほうふつとさせます[周囲を焼夷弾で囲って逃げ場をなくしたやり方]。)
 本当はそういう意味で日本が一番抗議をすべきと思いますが。

 イスラエルを経済封鎖などで圧力を掛けて停戦させようにも、
 関係各国の足並みがそろわないと効果がありませんので、
 アメリカが介入しない間は国際世論を纏めるしかないでしょう。
 しかしその間にどれほどの虐殺がおこなわれるのかと思うとやりきれません。
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【ysbee】>日比野さん、そちらの記事も読みました。 本当に胸つぶれる思いです。
 イスラエルは、60年以上も前にナチスに痛めつけられたことを
 そのままガザのパレスチナ人に対してやっている感じですね。
 狭い領地内に封鎖して、食糧も水も断つ・・・ワルソーゲットー
 (この場合は水はありましたが)
 囲い込んで逃げ場をなくしておいて空爆・・・ホロコースト
 それ以前に、知識人階級はみな国外へ脱出離散・・・ディアスポラ

 しかし、ナチスでさえやらなかった残虐行為、銃をつきつけて避難場所へ集めておいて、
 その建物へ砲撃(!)という、とんでもない殺戮を数カ所でやらかした事実が、
 昨日のニュースで出て来ました。
 その事実は国際赤十字の救護班が現地へ入って発見したそうです。

 特にザイトゥン(ザイツーン)という地区では、その手で一カ所へ30人押し込めて、
(後続の詳報では死者が30人、集められたのは110人)その建物に戦車から砲撃したそうです。
 私がたまたま載せていた写真がその犠牲者たちで、前のページの一番下のトラックの写真です。
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 まったく、地獄です。
 イスラエルはこの戦争で、かなりの国を敵に回すことになるでしょう。
 東京では即時停戦を呼びかける集会が、今日あるようですね。
 その経過等、また掲載したいと思います。
 詳しい記事の情報も、ありがとうございました!

【米国時間2009年1月9日『米流時評』ysbee】

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JANUARY 9, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2009年1月9日号
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 ASSOCIATED PRESS | BREAKING
イスラエルにジュネーブ協定違反の疑惑? 虐殺の実態を赤十字が暴露!
米国時間 2009年1月9日午後6時34分 | AP 通信・ガザ現地速報 | 訳『米流時評』ysbee

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Probe Israel for Shelling Gaza Site, U.N. Says
Survivors allege Israeli soldiers directed them to building that was later hit
JANUARY 9, 2009 EST | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
JERUSALEM — With fighting all around them, Israeli troops knocked on the door of the Samouni clan in Gaza City last weekend and told them to leave, directing them to the building owned by a relative. Twenty-four hours later, three shells slammed into the structure where dozens of people were huddling, according to survivor accounts Friday.

集めた住民に戦車の十字砲火
米国時間 2009年1月9日 | AP通信 エルサレム発 ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee
ガザのいたるところへ、陸海空三軍の空爆と砲撃を繰り返して戦闘を続行するイスラエル軍。その地上部隊が、ガザシティのサムーニ一族の大家族が住む3階建ての住居を訪れ、入口のドアをノックしたのは、先週のことだった。彼らは一族全員に家を離れるように告げ、親戚のひとりが所有する(建築途中の)建物へと追い立てた。
しかしそれから24時間後には、数十人が身を寄せ合って押し込まれたその建物を目がけて、イスラエル軍の戦車から砲弾が3発撃ち込まれる結果となった。これは9日金曜の段階で、生存者たちの証言から明らかになった事実である。
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イスラエルの残虐な戦争犯罪が行われたザイトゥンで、4日ぶりに回収したこどもたちの遺体を抱える父親たち

1. Investigation of possible war crimes

A newly released United Nations report said 30 people died in the shelling, citing four unidentified survivors who spoke by telephone. It called the shelling "one of the gravest incidents" to happen since Israeli infantry and armored troops entered Gaza Jan. 4 to quell Hamas rockets on Israel.
イスラエルの戦争犯罪疑惑を国連が調査へ
今回新たに公表された国連の報告書によると、イスラエル軍の砲撃で一般市民30人が死亡したが、現場でかろうじて死をまぬがれた4人の生存者が(名前は伏されていた)電話で事実を訴えたものだと言う。国連では今回の砲撃虐殺事件を、1月4日にイスラエル防衛軍の歩兵部隊と戦車部隊が「ハマスのイスラエルに対するロケット攻撃を根絶するため」という理由でガザ領地内へ地上侵攻を開始して以来、「もっとも死者を多く出した事件のひとつ」であると明言した。
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中央はザイトゥンと同様に、数百人の避難民が集まっていたところへ戦車から砲撃を受けたアルシファの国連学校

2. Eyewitness accounts by massacre survivors

Other accounts given to The Associated Press and an Israeli human rights group provided lower casualty figures. But all agreed that shells hit the large, unfinished warehouse-like building a day after Israeli troops told them to get inside it for their safety.
生存者の証言で共通する驚愕の事実
国連の報告書以外に、AP通信とイスラエル人の人権擁護グループが独自に入手した目撃者の証言では、この事件の死亡者は国連の発表した数よりやや少ないものとなっていた。
しかし、いずれの報告でも共通しているのは、「イスラエル地上軍戦車が発射した数発の砲弾は、一軒の建築途中で屋根のない大きな倉庫のような建物へ命中した。そこへは砲撃のちょうど1日前に、イスラエル軍が安全な場所だからと誘導し、住民を駆り立ててその中へ集団で避難させていた建物だった」という事実である。
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ザイトゥンの爆撃現場 生き残った住民の証言では、屋根のない建築中途の倉庫のような建物だったという

3. Alleged shelling on 2nd day of invasion

The shelling allegedly occurred Monday, two days after Israel launched its ground operation into Gaza. It took place in the Zeitoun neighborhood, which suffered massive destruction from airstrikes and shelling from the ground. The report, by the U.N. Office for the Coordination of Humanitarian Affairs, offered no evidence that the attack was deliberate.
地上侵攻2日目の戦争犯罪容疑
戦争犯罪の疑惑のある砲撃虐殺事件は、イスラエル軍がガザ領土内への地上侵攻作戦を開始してから2日目の5日月曜に、イスラエルが間断なく続ける空爆と国境越しの砲撃とで、事件以前にすでに壊滅状態を呈していたザイトゥン(ザイツーン/Zeitoun)近郊で起きた。しかし、OCAH/国連人道支援事務所の報告書の記述では、この攻撃がイスラエル軍の故意により意図的に実行されたという証拠はまだ提示されていない。
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ベツラヒヤの町中を歩いていた一般市民目がけてイスラエル空軍のヘリが機銃掃射。同様の事件が各地で頻発。

4. Israel denies accounts

字数制限のため英文省略
イスラエル軍は戦犯容疑を否定
一方イスラエル軍部では、地上部隊が一般市民を強制的に特定の建物に押し込め、そこを集中砲撃した、という嫌疑を否定している。この件に関して、イスラエル軍広報官のアヴィタル・リーボビッチ大尉は次のように釈明した。
「われわれは通常、一般市民を住居以外の他の建物へ行くようにと警告することは、まずありません。これはわが軍のとるような軍事行動ではありません。しかしわれわれはまだこの件に関して報告を受けていないので、そうした攻撃が実際にあったかについてもまだ不明です。わが軍が攻撃したという事実すら、まだ確認できていませんから。」
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ベツラヒヤでも数十人が犠牲になったが、その半数は幼いこどもたちである

5. U.N.: 'War crime allegation'

U.N. High Commissioner for Human Rights Navi Pillay said the U.N. report should be the basis for an investigation of "war crimes elements." Her spokesman, Rupert Colville, said the "war crimes elements" would refer to allegations that Israel impeded medical teams trying to care for wounded civilians and failed to care for those injured in the attack.
国連「戦争犯罪の疑惑を調査」
国連人権理事会のナヴィ・ピレイ高等弁務官は、記者発表で「国連の報告書は『戦争犯罪の要素/war crimes elements』に関して調査するための基礎資料/basis となるはずである」と公言した。さらに彼女の広報官であるルパート・コルヴィル氏は、弁務官の発言を補足して次のように説明した。「『戦争犯罪の要素/war crimes elements』とは、イスラエル軍の医療班がガザの負傷した一般市民の手当をせずに放置したこと、また彼我の軍に関わらず戦闘で負傷した者の手当を怠ったこと、という点に対する嫌疑を指しています。」
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爆撃で家族10人を失いひとり残された少女。イスラエル側の犠牲者は「全部で10人」そのうち2人は自軍の誤爆

6. 'Incident with all the elements of war crimes'

Pillay told an emergency meeting of the U.N. Human Rights Council in Geneva that any harm to Israeli civilians by Hamas rockets was unacceptable, but it did not excuse abuses carried out by Israeli forces in response. Pillay went further in an interview with the British Broadcasting Corp., saying the incident "appears to have all the elements of war crimes."
「戦争犯罪のあらゆる要素を含む」
ピレイ弁務官は(イスラエルのガザ侵攻における戦争犯罪に関して)ジュネーブで開催された、国連人権理事会/U.N. Human Rights Council の緊急会議に出席し、次のような意見表明を行なった。「ハマスのロケット攻撃がイスラエル市民に及ぼすいかなる被害も認められないが、だからといって、その報復としてイスラエルが軍事力を濫用することは、許されるものではない。」
さらにピレイ弁務官は英国BBCのインタビューで「今回の事件(イスラエル軍のパレスチナ人虐殺と負傷者の放置)は、戦争犯罪としてのすべての要素を持っているように見える」と答えた。
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爆撃で意識不明の女の子 人口の半分が15才以下という構成のガザでは当然こどもの犠牲者も多くなる

7. Israeli banned Red Cross for rescue

字数制限のため英文省略
イスラエル軍、人命救助の赤十字を妨害
人道的救済のためにようやく現地入りできた第三者機関派遣の救援隊は、7日水曜にガザ市郊外のザイトゥンの町に入った際に、2軒の住居で住民15人の死体を発見したと報告している。また国際赤十字の広報官の発表によると、爆撃を受けた現場へ救援に立入るための許可証の発行をイスラエル軍に申請していたが、4日間の間却下され続けたと言う。
ピレイ弁務官の広報官コルヴィル氏の談話では、これまでにハマス側で何人の兵士が死んだかは不明であり、その理由は死体が爆撃で原型をとどめず、さらに戦場に放置されたままなので腐乱が激しいためであると語った。しかし、死体の中に軍属ではない女子供がいることは確かである。
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イスラエル軍は国境線をすべて完全封鎖、越境者は即逮捕。報道陣は元より、医療班・救済団体も禁足を食った。

8. Red Cross: Israeli delays 'unacceptable'

On Thursday, the International Committee of the Red Cross in Geneva accused Israel of "unacceptable" delays in letting rescue workers reach three Gaza City homes hit by shelling, where they eventually found 15 dead and 18 wounded, including young children too weak to stand. The Red Cross statement referred to the same Zeitoun neighborhood, but it was unclear if it involved the incident with the Samouni clan, or if it was the same building.
赤十字、イスラエル軍の負傷者見殺しを非難
8日木曜の段階で、ジュネーブに本部を置く国際赤十字委員会では、ガザ市内3カ所で爆撃によって破壊された家屋へ、赤十字の救護班が向かうための立入り許可を意図的に遅らせた事態を「許せない行為」と非難した。
爆撃されてから4日も経ってから立入りを許された現地の救護班は、破壊された現場で15人の死体と、18人の重傷者を発見した。特に、生き残った幼い子どもたちは衰弱が激しく立てない有様だったと言う。赤十字の報告書では、その現場は民家爆撃のあったザイトゥンとなっているが、砲撃による大量虐殺事件のあったサムーニ一族の事件の一部なのかどうかまでは触れていない。
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ベツラヒヤの爆撃で負傷したまま放置されていた少女。水も食糧もなく死の寸前を救出された。

9. Four small children next to dead mothers

The rescue team "found four small children next to their dead mothers in one of the houses. They were too weak to stand up on their own. One man was also found alive, too weak to stand up," the statement said. "In all, there were at least 12 corpses lying on mattresses" in one of the buildings, it added. "The Israeli military must have been aware of the situation but did not assist the wounded," the Red Cross said. "Neither did they make it possible for us or the Palestine Red Crescent to assist the wounded."
死んだ母親の傍らに4人の子どもを放置
「救護班は瓦礫となった家屋の中の一軒で、幼い4人の子どもたちが2人の死んだ母親たちの傍らにうずくまっていたのを発見した。彼らもまた衰弱が激しく、自らの足では立てない状況だった。またもうひとり大人の男性も生き残っていたが、彼もまたふらふらに弱って立てなかった。」
「結局その一軒の家では、合計12の死体がマットレスの上に横たえられていた。イスラエル軍の兵士たちはこうした状況をわかっていたはずだが、負傷者の介護はなされていなかった。さらには惨状を知りながらも、われわれ(国際赤十字)にも現地パレスチナの赤十字に対しても、怪我人の手当ができないような状況においた。」以上が報告書に書かれていた内容である。
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ベツラヒヤで生き残った女の子 水道はすでに2週間以上断水、飲料水の補給も空爆で途絶えた

10. Victims were later scattered

字数制限のため英文省略
ちりぢりになった生存者
負傷者は市内の少なくとも2カ所の病院へ送り込まれたが、一族のうち生き残った者たちはガザ市内のあちこちへ離散してしまい、お互いに連絡が取れないようである。現地のパレスチナ人記者たちは、戦闘が継続している間はイスラエル軍に撃たれるので、命の危険を冒してまで現場へ向かうことは避けている。また外国人記者は、イスラエル軍によってガザへ立ち入ることを禁じられているので、赤十字の報告書以上に爆撃を受けた現地で実際に何が起こったのかを見つけ出そうとしても、現段階では限界があるのが現実である。 >> 続く

(訳者注:しかしそれでもAP通信の現地記者は、ザイトゥン砲撃虐殺事件の生存者を探しあて、事実を聴きだすことに成功しました。この次の記事で、目撃者の証言の記事を翻訳紹介します。)
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イスラエル側の一方的な国境完全封鎖をかいくぐって、ガザ市内の病院へ命がけの応援に駆けつけた、国境なき医師団/Doctors Without Borders のノルウェー人医師マッズ・ギルバート氏。こういう人物こそ、真の英雄である。

▶次号 Vol.13「実録・ザイトゥンの虐殺」イスラエルの戦争犯罪目撃者の証言 へ続く
▼この下にも、現地のニュースビデオの紹介と、ガザ戦争の特集記事リンクがあります。
【 米国時間 2009年1月9日 『米流時評』ysbee訳 】f0127501_6213945.jpg
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d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/9184441
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/9184441

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by ysbee-2 | 2009-01-09 23:40 | イスラエル・ガザ戦争

ガザ戦記-8・イスラエルの巨大な棺ガザ

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   ||| イスラエルの巨大なる棺 ガザ |||

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イスラエル、休戦呼びかけの国際世論を無視し、ガザ市民虐殺の地上戦強行
人口過密の市街地を直撃する砲弾の雨、国際法違反のクラスター爆弾も使用


米国時間2009年1月6日 | AP通信・ガザシティ現地レポート | 『米流時評』ysbee 訳
イスラエルは月曜、国際的に高まっている休戦への呼びかけを却下した。その理由は、パレスチナ側からの一連のロケット砲撃ち込みを根絶して、イスラエル南部に「平和と静穏」がもたらされない限り、これまで10日間イスラエル防衛軍が間断なく続けて来た、ガザ侵攻を停止する意向はまったくないと明らかにした。
6日火曜ガザとの国境地帯では、前日から始まったイスラエル軍の地上侵攻がさらに進展し、市街地での白兵戦が展開される中、イスラエル軍の地上部隊とガザのハマス軍団とは、中東でも屈指の人口過密な都市部であるガザ市のシャジャイエ地区の周辺で、激しい銃撃戦の応酬を繰り返した。
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Israel Ignores International Calls for Cease-Fire
Gaza assault taking an increasing toll on civilians

JANUARY 6, 2009, 11:42 p.m.  | MSNBC News — BREAKING | Translation by ysbee
GAZA CITY, Gaza Strip — Israel ignored mounting international calls for a cease-fire Monday and said it won't stop its crippling 10-day assault until "peace and tranquility" are achieved in southern Israeli towns in the line of Palestinian rocket fire. In a serious urban clash, Israeli troops and Hamas militants fought a gunbattle on the outskirts of the crowded Gaza City neighborhood of Shajaiyeh, Israeli defense officials said.

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JANUARY 6, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2009年1月6日号
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  MSNBC NEWS |  B R E A K I N G
イスラエル、休戦呼びかけの国際世論を無視し、ガザ市民虐殺の地上戦強行
米国時間 2009年1月6日午前0時44分 | MSNBC・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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1. Severe score of death toll
Israeli forces seized control of high-rise buildings and attacked smuggling tunnels and several mosques in a campaign against Hamas militants that took an increasing toll on civilians: Three young brothers were reported killed during shelling, five people died in a house hit by ship fire, and Palestinian wounded filled hospital corridors.
ガザ市民の犠牲者膨大
イスラエル軍の地上部隊は、国境近くの市街地の高層ビルを制覇し、密輸の経路である数カ所の地下トンネルやいくつかのモスクを爆撃し破壊した。イスラエル側ではこの一連の爆撃は、ハマス兵士に対する軍事的攻撃作戦の一部だと説明しているが、実際には一般市民が巻き添えになり、これまで以上に犠牲者を激増する結果となった。3人の幼い兄弟は、戦車からの砲撃を受けて即死。ガザ沖に停泊するイスラエル海軍の戦艦から発射された砲弾が命中した家では、5人の家族が亡くなった。またガザ市内の病院では、空爆や砲弾の爆撃で重症を負った犠牲者が随時かつぎこまれているが、激増する数に対処しきれず、病室はおろか廊下の果てまで埋めている。
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国連学校への砲撃でくだけ散ったコンクリートの破片で負傷し、ガザのアルシファ病院へかつぎこまれる市民

2. Arab delegates call on immediate truce

Arab delegates met with the U.N. Security Council in New York Monday, urging members to adopt a resolution calling for an immediate end to the Israeli attacks and a permanent cease-fire. At the same time, diplomats and European leaders traveled the region in an effort to stop Israel's expanding ground and air offensive.
アラブ代表団、国連へ即時停戦を提案
翻訳中
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TNT火薬に換算して1トンの威力を持つ爆弾を投下された市街地 リーダーひとり殺すのにこの徹底的破壊を強行

3. Unsuccessful attempt of capture

Details also emerged of an unsuccessful attempt by Hamas fighters to capture Israeli soldiers hours after the ground operation began Saturday with a withering round of artillery fire. Military spokesman Brig. Gen. Avi Benayahu told Israeli TV the assault was going according to plan with forces sweeping through Palestinian rocket launching locations near the border.
イスラエル兵拉致に失敗したハマス
翻訳中
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4. Killed by friendly fire
Late Monday, the Israeli military said three soldiers were killed and 24 others wounded by friendly fire. It said an errant Israeli tank shell hit their position outside Gaza City, dismissing initial suspicions that a Hamas booby-trap caused the casualties. The military said a colonel who commanded an infantry brigade was among the injured.
イスラエル戦車の友軍誤爆で3名戦死
翻訳中
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6日エルサレムでハマスとの銃撃戦で死亡した IDFイスラエル防衛軍兵士の埋葬

5. Hospital overwhelmed with civilians

Despite Israeli claims that casualties have been heavy among militants, no Hamas fighters were seen Monday by an Associated Press reporter at Shifa Hospital, the Gaza Strip's largest. Instead, the hospital was overwhelmed with civilians. Bodies were two to a morgue drawer, and the wounded were being treated in hallways because beds were full.
市民の犠牲者で埋まるシファ病院
翻訳中
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重度の火傷を負ったガザの若者。白リン弾に被曝したのか、目も耳も溶解、無惨。

6. 550 killed, 2,500 injured in 10days

Gaza health officials reported that since the campaign began on Dec. 27 more than 550 Palestinians have been killed and 2,500 wounded, including 200 civilians. U.N. humanitarian chief John Holmes told reporters in New York on Monday that U.N. officials believe at least 500 people have been killed in the fighting and that as many as 25 percent are civilians.
10日間で550名死亡、負傷者2500名
翻訳中
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7. 20 children killed on Monday
At least 20 Palestinian children were killed during the day Monday, said Dr. Moaiya Hassanain, a health official. Most confirmed deaths have been civilians. The three brothers died in an attack on a town outside Gaza City, a Gaza health official said. They were carried to a cemetery in an emotional funeral. One of them, Issa Samouni, 3, was wrapped in a white cloth, showing only his pale, yellow face. A man delicately placed him in a dark grave cut into the earth.
5日月曜だけで子ども20人が死亡
翻訳中
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爆撃で即死した幼い3人兄弟

8. Gaza strife 'Increasingly alarming'

U.N. humanitarian chief John Holmes called the Gaza strife an "increasingly alarming" humanitarian crisis, directly contradicting Israeli denials that its offensive caused the growing problem. He said Gaza is running low on clean water, power, food, medicine and other supplies since Israel began its offensive. Israeli leaders have maintained there is no humanitarian crisis, and that they have been delivering vital supplies.
ガザの惨状、危機的限界に
翻訳中
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9. Troops seized Shajaiyeh
In Shajaiyeh, troops seized control of three six-story buildings on the outskirts, climbing to rooftop gun and observation positions, Israeli defense officials said. Residents were locked in their rooms and soldiers took away their cell phones, a neighbor said, quoting a relative who called before his phone was seized.
シャジャイエの町陥落
翻訳中
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10. 'Pray God to find our body'
"The army is there, firing in all directions," said Mohammed Salmai, a 29-year-old truck driver. "All we can do is take clothes to each other to keep ourselves warm and pray to God that if we die, someone will find our bodies under the rubble."
「せめて死んでも見つかるように」
翻訳中
▶次号「ガザのホロコースト/イスラエルの戦争犯罪を赤十字が暴露!」へ続く
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南北に細長いガザ地区東端の国境の町ザイツーンでは、集中砲火で4階建ての住居が壊滅、一家13人が全員死亡した

【 米国時間 2009年1月3日 『米流時評』ysbee訳 】f0127501_6213945.jpg
▶1/05 アルジャジーラニュース | 国連学校に避難し窮状を訴えるガザ市民の映像
爆撃を受ける前日に放映されたビデオ。イスラエルは、このアルジャジラの放送を見て砲撃を強行したのだろうか?




緊急特集 ||| ガザ戦記 |||
▶12/26 ガザ戦争 序章「イスラエルの最終戦争」
▶12/29(1)「ガザ空爆エスカレート」 凄惨!死者364名 負傷者1400名以上
▶12/30(2)「ガザの最終戦争宣言」ついに全面戦争へ突入するイスラエル(未掲載)
▶12/31(3)「ガザ空爆はジェノサイド!」反イスラエル抗議運動世界へ拡大(未掲載)
▶1/1 『米流時評』年頭のメッセージ「2009年のワルキューレ」ブログの砦の同志たちへ
▶1/2(4)中東戦局分析「イスラエルのエンドゲーム」ガザ侵攻の最終目標は中東大戦争?
▶1/2(5)中東戦局分析「イスラエルのエンドゲーム」後編(未掲載)
▶1/3(6)号外!「ついに地上侵攻開始」イスラエル恐怖のガザ市街戦へ突入!
▶1/4(7)緊急レポート・ガザの死闘で長期戦を覚悟するイスラエル
▶1/5(8)イスラエルの大罪・ガザジェノサイド
▶1/6(9)イスラエルの巨大な棺ガザ
▶1/7(10)中東平和への墓標ガザ(未掲載)
▶1/8(11)虐殺の砲弾・地上軍のガザ国連学校砲撃で死者40名(未掲載)
▶1/9(12)ガザのホロコースト/イスラエル軍の戦争犯罪を赤十字が暴露!
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by ysbee-2 | 2009-01-06 20:24 | イスラエル・ガザ戦争

「ガザジェノサイド」イスラエルの大罪を告発する!

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  ||| イスラエルの大罪 ガザジェノサイド |||

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人口過密の市街地を直撃する砲弾の雨、ジュネーブ協定違反の化学兵器も使用!
イスラエル、休戦呼びかけの国際世論を無視し、ガザ一般市民虐殺の地上戦強行


d0123476_18552829.gif実情はひどい!あまりにもひどすぎる! 防空壕もなく周囲の国境を閉鎖されて、完全に「出口なし」のガザ市民。公共の施設はすべて、政権を握るハマスの建物な訳だから、イスラエルの標的になり使えない。したがって、わずかに残されたかろうじて身を寄せる場所は、モスクや病院や国連の施設しかない。
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1. ガザの真っ青な空から降ってくるのは雪ではない イスラエル空軍のヘリからばらまかれる攻撃を予告するチラシ

また2週間前に始まった空爆以来、電気・電話線は元より上下水道も完全にストップ。鎖国状態で物資の補給を完全に断たれているので、食糧は1週間以上前に底をつき、飲み水すら3日以上欠乏しているという。空爆後に生まれた新生児は、水がないのでミルクを作るすべがなく、4日目に死んだと言う。地獄である。ナチスがユダヤ人を封じ込めたワルソーゲットーですら、飲み水はあった。
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2.「空爆するから数十分以内に立ち退け」と書かれたイスラエルのチラシをよむガザ市民 これ以上の横暴はない

さらに問題なのは、トップと一番下の写真。これを見た時は血が凍りついた。独特の不気味な白い航跡を描くのは、紛れもなく04年に米軍がイラクのファルージャで使用し、国際的に大問題となった「White Phosphorus」白燐弾である。ジュネーブ条約では市街戦では使用禁止となっている、極めて致死性の強い化学兵器であり、被爆すると皮膚や肉が溶解してしまう、とんでもない代物である。

白燐弾についてのまとめサイトより、白燐弾についての記述の一部:
「この兵器は極めて卑劣な兵器である。なぜなら、白燐はその物質がなくなるまで燃え続けるものだからだ。当事者が白燐の破片を受ければ骨に達するまで燃えるものなのである。燃焼は皮膚の露出した部分に普通限定される(上肢や顔など)。燃焼は白燐の脂溶性と発火性により第2級または第3級に値する程度になる。」
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3. そして始まる空爆と地上軍戦車からの砲撃。左右の建物やヤシの木と比較すれば、いかに大規模な爆撃かがわかる

イスラエルはいったい何を考えているのか? 
広島・長崎への原爆投下と一緒で、新兵器をひたすら消耗したい軍部首脳の狂気だろう。
国際世論を無視し人道的良識を踏みにじり、もはや戦争の亡者に成り果てたとしか考えられない。完全に狂っている。
この写真を見た瞬間、個人的感情は憤激を通り越して爆発しているが、あまりにも生な感情で書いても事実は伝わらない。すでに吐露した一文は、現在進行形の戦局が一段落した時点で掲載することにする。
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4. 1トンという威力の爆撃を受ければコンクリートのビルもひとたまりもない。ましてや生身の人間をや、である。

「イスラエルが今ガザで、どういうことをやらかしているのか」という実態を取材した現地直送記事で、ともかく現状を知ってもらおう。日本の報道は、相変わらず表層をなぞっただけの回覧板クラスだったり、甚だしいものはイスラエルの受け売りで、女子供を盾にするハマスが悪いとガザの人間を非難している。
彼らがどれだけ悲惨な状況に置かれているのかを、この筆者たちは知っているのだろうか? 
海路も陸路も完全にイスラエルに封鎖され、逃げようにも行き場がなく国連学校へ避難し、その結果砲撃された事実をわかって書いているのだろうか? 現代のナチス、イスラエルのお先棒を担ぐ者が、日本からは出てほしくない。
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5. 空爆の直撃で生き埋めになった少年の遺体。遺族は亡骸を掘り起こせただけでも良かったと語った。言葉を失う。

泣いていてもしょうがないので、まずは空爆よりもはるか以前から現地ガザに潜行して、ますます悲惨を極める現地の状況を連日時々刻々の記事にあげて送ってくるAP通信記者の現地特別レポートを、6日から8日まで3部に分けてお届けする。
今回の一連のガザ戦記に関しては、一昨日40人以上が即死した「ガザの国連学校に対する砲撃」をはじめ、より多くの方に悲惨な現実を知ってもらいたいので、「米流時評から転載」と但し書きしていただければ、部分的にコピー転載していただいてかまわない。あまりにも悲惨で、このページには載せられない写真も多々あるが、後日リンク先をつけて紹介したいと思う。
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6. 空爆で焼けただれた子どもと父親。ガザ市内の数少ない病院では、医薬品も底をつきベッドも足りないので、負傷者は廊下に横たえられたまま死亡する例があとを断たない。国境なき医師団が現地へ入ろうと交渉しているが、イスラエルは国際的取材・援助の一切の道を隔絶して、入国を許可していない。

特に、次の一文を伝えてほしい。
忘れないで下さい。
今イスラエルが、国際取材陣を一切立入禁止にして
ガザで展開している軍事作戦は、
彼らが言うような「テロリスト掃討」だけではありません。
これはイスラエルが 国際世論を無視して堂々と行なっている、
「ガザ・ゲットーに封鎖されたパレスチナ人に対するジェノサイド」
以外の何者でもないということを。

【米国時間2008年1月5日『米流時評』ysbee】f0127501_6213945.jpg
▶次号 ガザ戦記 第9章「イスラエルの巨大なる棺ガザ・前編」へ続く

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【告 発】ガザで白燐弾を使用したイスラエル
【注】White Phosphorus=白燐弾は、米国では俗称ウィリー・ピートとも呼ばれ、イラク駐留の米軍がファルージャで使用した事実を、英国『Independent』紙が2005年11月に戦争犯罪として暴露し、国際的な大問題となった経緯がある。
▶ "Incendiary Weapons: The Big White Lie"
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White Phosphorus/白燐弾に関する日本語の情報では、次のサイトが詳しい。
▶「燃える雨、白燐弾/米軍による白燐弾使用の実態についてのまとめサイト」

イスラエルの地上侵攻開始から3日目 地上軍を援助する空爆もますますエスカレートし、ガザの犠牲者は500名を越え負傷者は2000名以上に。特に人口の半分を占める子どもの犠牲者が多く、痛ましい。(1/07現在では死者600名負傷者2400名を越えました)
▶ アルジャジーラニュース 1/05 | 戦火拡大で子どもの犠牲者激増



1/06 NBCニュースビデオ
d0123476_1463442.jpgGaza Crisis Deepens/深刻化するガザの危機
イスラエルの爆撃を受けた国連学校で死亡した40名以上の犠牲者の葬儀。学校に避難していた子どもと一般のガザ市民が犠牲になった。
Mass funeral, humanitarian aids/ガザ戦局の潮目
国連学校の犠牲者の葬儀と、国際外交での和平交渉への努力。3時間の短い休戦期間に物資を補給する国連の援助機関UNRWAと国際赤十字。

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▶ 1/9 (12)ガザのホロコースト/イスラエル軍の戦争犯罪を赤十字が暴露!
▶1/10(13)ザイトゥンの虐殺/イスラエルの戦争犯罪目撃者の証言
▶1/13(16)ガザは大戦末期の日本なのか?イスラエル・タカ派の見る共通性
▶1/14(17)戦争終結の最終兵器・イスラエル極右タカ派と核使用の危険性
▶1/15(18)「オバマのアウフヘーベン/米国のスマートパワー外交」(予告)


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by ysbee-2 | 2009-01-05 14:24 | イスラエル・ガザ戦争
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