米流時評

beiryu2.exblog.jp ブログトップ

タグ:ロシア ( 17 ) タグの人気記事

謎の貨物船カーボベルデ沖で発見!ロシア人乗組員は無事

f0127501_128435.gif

  ||| 見つかった貨物船の解けない謎 |||

d0123476_135154.jpg
 ロシア政府発表「大西洋航行中消息を断った大型貨物船、カーボベルデ沖で発見」
 ロシア人乗組員15名全員無事で、ロシア海軍戦闘艦に収容、事件の顛末は調査中


d0123476_16582178.jpgカーボベルデ共和国、通称カーボベルデは、
大西洋の南、アフリカの西沖合いに位置する
バルラヴェント諸島とソタヴェント諸島からなる共和制国家。
マクロネシアの島国であり、元ポルトガル領であった。

 カーボベルデ諸島は、西アフリカから約375km離れた場所に位置し、
 10の島(内1つは無人島)と 8つの小島から構成されている。
 史跡としては、かつてポルトガルの重要な植民地であったが、
 フランシス・ドレークによって破壊された町、シダーデ・ヴェーリャが残っている。
d0123476_13522940.jpg
 大小15の火山群島からなり、最高峰はフォゴ島にある2829mのカノ山。
 熱く乾燥した気候で、旱魃が何年も続く事があり、
 農作物などの被害を受けやすい。
 
 カーボベルデ諸島は1460年に、ギニアは1445年に
 ポルトガル人によって「発見」された。
 これらの領土は1553年1月31日に、法王クレメンス7世により、
 ローマンカトリックの司教管区に選ばれた。
 
 植民地化が始まった当初は、
 マデイラ諸島やアソーレス諸島のような
 ポルトガル人の大規模移住は行われなかった。
 しかし16世紀になると、アフリカから南北アメリカ大陸へ向かう奴隷船の
 大西洋上の中継拠点となり、奴隷貿易で栄えた。
d0123476_852346.jpg
 カーボベルデ諸島には、
 南洋の植民地として入植したポルトガル人と
 アフリカ大陸から奴隷貿易で連行されたアフリカ人によって
 両者の混血が進み、ヨーロッパとアフリカ混在の
 独自のクレオール文化が形成されていった。
 
 開放的なバルコニーやテラス、強い日差しを遮る鎧戸、
 色鮮やかな南欧風のペイントをほどこした
 プランテーションスタイルの建築様式は、
 貿易船とともに そのままニューオーリンズを中心に
 米国南部へ伝承され、独自のクレオール様式の建物が
 現在でも南部の各州で見られる。
d0123476_8541391.jpg
左:クレオール文化が漂着した代表的な土地、ニューオーリンズ。フレンチクォーターの一角には、植民地時代の栄華を残す建物が今も影をおとす /中:何代にもわたって、ポルトガル・フランス・西アフリカ・インド・中国人が完全に混血したクレオーリアン /右:カーボベルデの首都プライアの港に面した、遠洋航海の船員向けの旅籠 (はたご)

 カーボベルデの料理は、大概が魚介類と
 トウモロコシ・米のような穀類をベースにし
 スパイスの効いた味付けが特徴。
 
 独自の風味で、ヨーロッパ人にもアフリカ人にも受け入れられた
 カーボベルデのクレオール料理は、
 奴隷貿易の船とともに、独立以前のアメリカ南部に上陸。
 
 メキシコ湾から穫れる豊富なシーフードを素材として
 クレオールのフルーティでスパイシーな味付けに
 当時フランス領だったルイジアナの領主が好んだ
 クリーミーなフレンチキュイジーンをミックスした
 独自の「ケイジャン・キュイジーン」が生まれた。

d0123476_8574412.jpg
トマトやパプリカのレッド、タンジェリンのオレンジ、バナナリーフのグリーン、珊瑚礁のターコイズブルー……南国の自然からもぎとったような、オーガニックな色合いのクレオールチェック。何となく黄八丈と通じるものがある。

 カーボベルデの音楽はポルトガル、西インド諸島、
 アフリカ、ブラジルの音楽から影響を受け、混合している。
 
 カーボベルデの真髄たる国民音楽はモルナ(パルラヴェント系)で、
 哀愁に満ちたかつ熱情的な歌の形式は、クレオールミュージックと呼ばれる。
 
 カーボベルデ出身の歌手の中でも最もよく知られた存在は
 セザリア・エヴォラであり、
 彼女の歌は、クレオール文化を代表する音楽となった。

【米国時間2009年8月16日『米流時評』ysbee】

*注:上記の内容は Wikipedia の「カーボベルデ」の項目からの抄文。ブルー文字の段落は編集人の加筆補足です。また今回のエントリの写真は、貨物船とソマリアの海賊の写真を除けば、ほとんどカーボベルデ諸島の海岸風景で、(i) のマークの写真はLonely Planetから。

d0123476_1539544.jpg
  AUGUST 16, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年8月16日号
 f0127501_457513.gif
 消息不明の貨物船アークティックシー号、カーボベルデ沖で発見
 米国時間 2009年8月17日 | 英『ガーディアン』紙・モスクワ支局 | 訳『米流時評』ysbee

d0123476_13573716.jpg
貧しい国に限って、空と海は抜けるように青く素晴らしい、そこに住む人間も誠実だ。神はその一点で公平だと思う。
Muddied Waters
Russia Finds 'Piracy' Cargo Ship, But What Really Happened?
AUGUST 17, 2009 | Caroline Davies/Tom Parfitt — The Guardian | Translation by ysbee

1. Arctic Sea found off Cape Verde
MOSCOW — Three weeks after it vanished on the high seas, the cargo ship Arctic Sea was found off the Cape Verde islands today with its Russian crew alive, well and "answering questions."

北極海号、カーボベルデ諸島沖で発見
モスクワ発 |マルタ共和国船籍でフィンランドの海運会社が運航する4千トンの貨物船『アークティックシー号』が、機密物資と思われる貨物を搭載したまま公海上で消息を絶ってから3週間後の17日月曜、南大西洋のカーボベルデ諸島沖で同船が発見された。
d0123476_1843889.jpg
 トロピカルの太陽を照り返す白砂のビーチ。リゾート地として最適な環境でもあり、近年は別荘用ヴィラが隆盛。

2. 15 sailors all alive and safe

All 15 sailors were aboard a Russian anti-submarine warship , bringing to a conclusion one of the most intriguing maritime mysteries of modern times.

ロシア人乗組員15名全員無事
同船の捜索には世界20カ国以上のインターポル捜査協力があったが、ロシア政府の発表によると、同船が発見された時点では15名のロシア人乗組員は全員無事で元気であり、同海域を哨戒中だったロシア海軍の戦闘艦に収容され、現在船舶の捜索を担当していた当局の質問に答えていると言う。
d0123476_1359926.jpg
 今回カーボベルデ沖でみつかったアークティックシー号 母港はフィンランドで、ソルチャート社が運行を管理する

3. Mystery of secret cargo's saga

But, even as the Russian authorities announced the development, the few details to emerge left more questions than answers at the end of a saga. The missing mystery of the cargo 'Arctic Sea' has inspired frenzied rumors of piracy, ransom demands, secret cargos and arms smuggling — all worthy of a cold war thriller.
ロシアンマフィアの武器密輸?海賊の略奪?
ロシア政府及び海軍からの公式発表があったとはいうものの、詳細な経緯はほとんど語られておらず、大西洋上でこつ然と消息を絶って以来、今日(記事掲載の17日)発見までの一部始終の真相に関する謎は、かえってますます深まる結果となった。
マルタ船籍・フィンランド運営の貨物船「アークティックシー (北極海) 号 謎の失踪事件」のミステリーは、事実がほとんど解明されないまま世界の耳目を集め、地中海に海賊出現か? 身代金支払はいくら? ロシアンマフィアの武器密輸か? とメディアとネットを騒がせた。この一件だけで、冷戦時代のスパイ陰謀小説のようなお膳立てだが、今回の消息発見で推理劇の第一幕がおりた。

d0123476_1402342.jpg
 遠目に見るとグリーンの島に見えるため、Cape Verde/アフリカ西端の碧の岬という名のついたカーボベルデ諸島

4. Crew not under armed control

字数制限のため英文省略
捕虜状態ではなかった乗組員
ロシアの国営メディア タス通信の報道によると、17日土曜モスクワのクレムリンで、アナトリー・セルジュコフ防衛相がドミトリー・メドベージェフ大統領に、次の報告をしたと伝えている。
大西洋上で消息を絶ち行方不明になっていた貨物船アークティックシー号が発見された時点では、船の乗組員たちは、武装した襲撃犯人に捕まっていた状況ではなかったこと。乗組員たちは、捜索救出のため現地に向かったロシア海軍の戦闘艦に保護され、今回の前代未聞の船舶失踪事件に関して真相を糾すために、係官から現在事情聴取を受けていると言う。
d0123476_1413388.jpg
 浅瀬の海岸に地元の漁船やヨット用の小さなピア/桟橋が連なる 町の建物は典型的なカリビアンカラー

5. Discovered at 300 miles off Cape Verde

字数制限のため英文省略
カーボベルデ諸島の沖合480キロで発見
タス通信が報道する記事の内容は以下の通り。
「アークティックシー号は、モスクワ時間で今日(17日)午前1時にカーボベルデ諸島の沖合480キロの海上で発見された。同船の乗組員(ロシア人15名)は、ただちにロシア海軍の対潜水艦哨戒艇に乗り移って、戦闘艦本艦に収容された。彼らは状況説明で事件の全容を明らかにするべく、捜査担当官の尋問に答えている。乗組員は全員無事で健全であり、武器で脅されていたのではないようである。」
d0123476_932369.jpg
 近代的工業施設が皆無に近いカーボベルデ共和国では、住民の大半が昔ながらの手漕ぎボートの漁で生業を立てる

6. Solchart director exhilarated

Viktor Matveyev, director of the Finnish-owned vessel's operating company, Solchart, told the Komsomolskaya Pravda newspaper: "We are extremely pleased, we've been told that everyone is alive and nobody was hurt … I can't say any more. I'm rushing to a meeting to organize getting the crew home, checking their health and providing any help. We still don't know what condition the ship is in".

貨物船発見で歓喜のソルチャート社
問題の船の運行管理会社で、フィンランドを本拠地とするソルチャート社のヴィクトール・マトベイエフ業務部長は、地元ヘルシンキの新聞『コムソモルスカヤ・プラウダ』紙の取材にこう答えている。
「当社では今回発見されたという朗報に、手放しで喜んでいます。我々に伝わってきた情報では、乗組員は全員無事で怪我をしたものもいないと聴いています。」
「いやもうこれ以上は私の口からは言えません。健康状態のチェックやその他諸々の救援作業を進めて乗組員が全員無事帰宅できるよう段取りを組む会議に、これから急がなければいけないので失礼します。いかんせん船が一体どういう状況にあるのか、我々にも皆目わからないんですよ。」
d0123476_9231733.jpg
 町の中央にあるローマンカトリックのノッサ・セニョーラ・ド・ロザリオ教会のチャペル=礼拝堂

7. How could 4,000-ton ship disappear?

The disappearance of the Arctic Sea, carrying a £1.1m cargo of timber, baffled experts as it eluded all radar and satellite detection by vanishing after passing through the English Channel on July 28.

4千トンの巨艦がこつ然と消えた謎
ミステリーの焦点となっている貨物船アークティックシー号の消失事件は、フィンランドから1億3千万円相当の木材を積んだまま出航した同艦が、先月28日にイングリッシュチャネル=英仏海峡を通過した直後、一切のレーダーから忽然と姿を消した海事事件である。
同艦は今回のカーボベルデ沖の発見まで、専門家の懸命の捜索にもかかわらず消息を絶ったままだったため、海賊のシージャックからロシアンマフィアの武器密輸まで、ありとあらゆる陰謀説が各国の報道記事でも噂された。

d0123476_9165475.jpg
 北欧のフィヨルドの港から大西洋へ出るには、英国とフランスをへだてる英仏海峡を通過するのが常道の航路

8. Bermuda triangle? Ghost ship?

Just how a 4,000-ton ship could drop off the charts in these days of space-age technology prompted allusions to the Bermuda triangle and the "ghost ship" Marie Celeste.

バミューダトライアングル? 幽霊船?
それにしても、衛星回線を介した時代の最先端の通信設備を備えながら、どうすれば4千トンもの巨艦が、GPSやその他一切の受信網のレーダーから忽然と消えることが可能だろうか?という基本的な疑問を、誰もが抱かざるをえない。その結果、この海域ではおなじみの「バミューダトライアングル」説や「マリー・セレステの幽霊船」説まで、ありとあらゆる妄想の仮説がネットやブログ界に流布する結果を招いた。
d0123476_9174850.jpg
 カーボベルデ諸島のひとつ、サンヴィンセント島のカルハウビーチ 後方に見えるのは暗緑色のモンテベルデ山

9. Seajacked at the Baltic Sea?

Further intrigue came with reports that the Malta Maritime Authority had received information that the vessel had been boarded by up to a dozen armed men in masks as it sailed through the Baltic Sea, sparking concerns of piracy — almost unheard of in European waters.

バルチック海を航行中に海賊襲撃?
こうした話題の中でももっとも注目されたのは、アークティック号の船籍所在地(船舶の本籍を登記した国)であるマルタ共和国の海運局 MMAから発表された情報である。その内容によると、貨物船がバルチック海(スカンジナビア半島とバルト3国・ドイツに囲まれた北欧の海)を航海していた最中に、12名ほどの武装集団が船に乗り込んで来た、というものである。
状況から推して、すわ海賊によるシージャックか?という疑惑が発生したが(ソマリア沖やインド洋では頻発していても)近代以降のヨーロッパの海域ではおよそ前代未聞であるだけに、大きな波紋を巻き起こした。

d0123476_1411960.jpg
 アフリカ大陸の反対側、東海岸と紅海の接点「Horn of Africa=アフリカの角」から出航するソマリアの海賊

10. From Finland to Bejaja, Algeria

字数制限のため英文省略
フィンランド出航、アルジェリア行き航路
MMAマルタ海運局の情報では、この「Raiders」侵入者は、12時間後に救命ボートに乗って船を離れるまで、貨物船の乗組員に目隠しをして縛り上げた、と伝えられている。その間、貨物船の通信装置をすべて使用不能にしたらしい。
当初アークティックシー号は、7月23日にフィンランドの港を出航した後、バルチック海・英仏海峡を通り、ジブラルタル海峡を回って、8月にアルジェリアの港町ベジャイアへ入港する予定だった。

d0123476_18443265.jpg
 大西洋航海の重要な寄港地点として、大航海時代から植民地時代まで繁栄を誇ったカーボベルデ諸島

11. Via off-Dover and Bay of Biscay

字数制限のため英文省略
ドーバー沖、ビスケー湾からも連絡
同船は7月28日に、ドーバー海峡の公海を警備する海上警備艇へも通信連絡があったようだが、その時点では「襲撃」された報告や救助を求めるような連絡ではなかったため、警備艇は貨物船を捜索するまでにはいたらなかった。
それから2日後、今度は地中海のスペインからフランス沖合のビスケー湾に同船が位置していることが、マルタ海運局のレーダーで一瞬だったが傍受されている。またこれと全く同じ地点から発信した同船の信号が、運行管理会社であるフィンランド、ソルチャート社のGPS装置でも、まったく同じ時点で受信されていた。

d0123476_937252.jpg
 ヨーロッパ大陸西岸と英国から大西洋航海へ向かう船舶がひっきりなしに通行する、ドーバー海峡と英仏海峡

12. Communication stopped on July 28

字数制限のため英文省略
7月28日に消息を経つ
行方不明になっていた貨物船の現在位置が、28日にビスケー湾沖と確認できたとはいうものの、その後ふたたびぷっつり音信不通となり、8月後半まで消息不明のままだった。その間、同船に搭載のGPSや各種位置確認通信装置は、電源が切られたものか機能不全になったのか、全く発信機能は作動していなかったと見られる。
同船の当初の運航予定では、最終目的地のアルジェリアの港へは8月4日入国予定だった。しかし発見されたのが南大西洋のカーボベルデ諸島沖という地点から見ても、当初の地中海へ侵入する航路ではなく、英仏海峡を抜けた後そのまま大西洋を南米方面に向かって南下していた途中ではないか?と推論されている。

d0123476_18455428.jpg
 クレオール特有のアフリカ色の濃いトロピカルカラーが、引き潮の砂浜に屹立する船のもやいの支柱にも

13. Navy sent warships and submarines

字数制限のため英文省略
ロシア海軍の戦艦と潜水艦が捜索へ
こうした一連の事態を深刻に受け止めたクレムリンのロシア政府では、乗組員15名が全員ロシア人だったこの貨物船が、海賊襲撃のターゲットとなったという状況判断の元に、大西洋上で同船を捜索する目的で、ロシア海軍の戦闘艦と潜水艦それぞれ数隻を出動する態勢をとっていた。
一方NATO海軍では、海賊行為のありえない海上で、通常の判断では決断しかねる特殊な展開を見せた貨物船消失事件に対して、直接の関わり合いはないとはいうものの、事態の進展を注意深く見守っている現状である。  >次号第3話へ続く

【 米国時間 2009年8月17日『米流時評』ysbee 訳 】
d0123476_184703.jpg
 クレオール特有のスパイシーカラーのマドラスチェックの衣装で踊る ドミニカのクレオールパレードの子供たち

d0123476_11564496.jpg◀ 次号「貨物船ミステリー10の疑惑・積荷の真相は核関連?」
▶ 前号「地中海の海賊?消えた貨物船アークティックシーの謎」

d0123476_1023580.jpg
d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/10121259
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/10121259

d0123476_1539544.jpg
  いつもご愛読いただきまして大変ありがとうございます。ワンクリックがブログのエネルギーです!
 d0123476_12465883.gif


ブログランキングでは、ベスト10にカムバックまでもうひとがんばり!
  ブログランキング・にほんブログ村へ おかげさまで、ブログ村の国際政治部門でトップに戻れました。応援に深謝!



*クリックして、最近の「米流時評」記事リンクへ
[PR]
by ysbee-2 | 2009-08-16 14:30 | 海賊シージャック

地中海の海賊?消えた貨物船アークティックシーの謎

f0127501_128435.gif

   ||| 消えた貨物船「北極海号」の謎 |||

d0123476_16564219.jpg
 ロシア人乗組員・機密物資搭載のアルジェリア行き貨物船、忽然と消息絶つ
 ポルトガル沖航行中に謎の失踪、ロシア軍艦出動。欧州沖で初の海賊行為?


d0123476_16582178.jpg海賊と言えば、おととしまではカリビア海の、
昨年以降はソマリアの海賊が通例だった。ソマリアといっても、
インド洋のはるか沖合まで遠征してのシージャック=船舶略奪行為なので、
各国海軍を繰り出しての海賊掃討作戦が、メディアをにぎわした。

 しかし、今回のシージャック、フィンランドの貨物船消失事件は、
 地中海で起きた。
 ヨーロッパの公海上での海賊行為というのは、
 数世紀の間なかった、前代未聞の事件らしい。
d0123476_16574751.jpg
 さらに事件の謎を深めているのは、その貨物船自体の複雑怪奇な運航内容。

 先ず最初に、船の船籍は、地中海の島国マルタであること。
 その船の運航営業を取り扱っているのは、北欧フィンランドの貨物運航会社。
 そして問題なのは、15名の乗組員全員が、ロシア人である事。
 (ここで、突然スパイ小説じみてきます)

 さらにさらに、否が応でも興味を惹かずにおかないのは、
 搭載していた1億3千万円相当の「木材」というのは、表向きの名称で、
 実際には「ミサイル」なのか、「核廃棄物」なのか、
 あるいはまた「核燃料」なのか……?
d0123476_17543328.jpg
 これだけの国際的事件に発展しても、
 いまだに公表できない性質の、
 軍事関連の物資が積まれていた疑いがあるようである。

 GPSグローバル位置確認装置の発信が突然ストップし、
 地中海上でこつ然と消失してしまった、
 このフィンランドの貨物船「アークティックシー/北極海号」。
 
 現在位置の情報も各国でまちまちなら、
 海賊の身代金要求も通ったようだが内密のまま。
 それにもまして、非常に気なるのは、
 同船の捜索に、ロシア海軍の戦闘艦が出動した、という確認情報である。
d0123476_16583476.jpg
 いったい、何が積まれていたのか? 
 いまだ謎に包まれたままの、北極海号の秘密に迫る(れるか?)

【米国時間2009年8月15日『米流時評』ysbee 】

*注:今回のエントリの掲載写真の大半は、事件とは直接関係ありませんが、
 北極海号が生まれたマルタ島の写真で、少しばかり夏休み気分を。

d0123476_1539544.jpg
  AUGUST 15, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年8月15日号
 f0127501_457513.gif
 消えた貨物船 北極海号の謎 機密物資輸送?捜索にロシア海軍出動
 米国時間2009年8月15日 | MSNBC/REUTERS・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

d0123476_16592315.jpg
 ヨーロッパとアフリカの中間に位置し、古代から「地中海の飛び石」として地中海交易の要衝だったマルタ島
Mystery Deepens Over Missing Cargo Ship
Ransom demand reported amid conflicting accounts of whereabouts
AUGUST 15, 2009 | MSNBC News/REUTERS — BREAKING | Translation by ysbee

1. Mystery of missing cargo ship
HELSINKI, Finland — A ransom demand has been made for the lost merchant ship Arctic Sea, Finnish media said on Saturday, but the whereabouts of the vessel were still unknown in a saga looking increasingly like the plot of a spy thriller.

貨物船「北極海号」謎の消失事件
フィンランド・ヘルシンキ発 |今月1日にヨーロッパ沖で消息を絶って以来、乗組員を乗せたまま行方不明になっていた商用貨物船「Arctic Sea/北極海号」に対して、身代金の要求があったと言う事実が、15日土曜フィンランドのメディアから報道された。
しかし、貨物船の現在位置やこれまでの消息は依然として謎のままであり、「北極海号謎の消失事件」は日が経つにつれ、ますますスパイ小説の筋書きのような様相を呈してきている。
d0123476_1703937.jpg
 マルタ島の朝が明ける 古くからの地中海交易の要衝だったヴァレッタの港湾は、街全体が要塞のようにも見える

2. Large ransom demanded for release

"A ransom demand has been made ... let's say it's a largish amount of money," Markku Ranta-Aho, of Finland's National Bureau of Investigation, told national YLE radio Saturday. He said the demand was addressed to the Finland-based company that owns the Arctic Sea, but he would not give further details or say where the ship might be located for fear of endangering the crew.

フィンランドの運航会社に多額の身代金要求
「身代金の要求がありました。あえて言えば、かなり巨額です。」フィンランドの国家捜査局(米国のFBI、日本の警視庁に相当か)のマルック・レンタアホ氏は、フィンランドの現地時間で15日土曜、国営ラジオ局のYLEの番組でこう語った。
レンタアホ氏の説明では、今回の貨物船の身代金要求は、シージャックされたアークティックシー(北極海)号が所属するソルチャート社のヘルシンキ本社宛てに届いたと言う。しかしながら、氏は乗組員の安否を気遣ってか、船舶の所在地などそれ以上の詳細は明らかにしなかった。
d0123476_1713763.jpg
 マルタ島南部の町ゼイツン イタリーの地方都市のように見えるが、建築様式はローマ帝国以来地中海全域に共通

3. Unprecedented hijacking in European waters

字数制限のため英文省略
ヨーロッパの公海で初めての海賊シージャック
ここ数年、海賊行為による一連のシージャックが横行し、紅海からインド洋を航行する船舶を恐怖に陥れているのは、もっぱら「アフリカの角」と呼ばれるソマリアの沖合だった。
公海上のテロとも言うべき、大胆な船舶略奪と乗組員誘拐による身代金要求事件の連続に、被害国家は業を煮やした。その結果、自国船舶の航行安全を図って商用船舶を護送するために、各国とも海軍の戦闘艦を繰り出し、ソマリア沖の海賊掃討作戦で共闘体制をとるまでになっていた。
しかしながら、ヨーロッパの公海上でのシージャック=海賊行為というのは、近代社会になってからはいまだかつて前例のない、前代未聞の海事事件である。
d0123476_1722311.jpg
 インターナショナルな貿易港バレッタは、旧市街をとり囲む深い運河と合わせて、外国の大型船舶が停泊できる

4. Heading to Algeria with 15 Russian crew

The report was the latest fragment of information to surface about the missing ship. 15-member Russian crew, who have been cloaked in mystery since failing to deliver a $1.3-million cargo of timber to the Algerian port of Bejaia on August 4.

ヘルシンキ発アルジェリア行き、ロシア人乗組員15名
ソルチャート社が問題の貨物船からの最後の連絡を受信したのは、先々週8月1日で、ポルトガル沖を通過中だった。その後ぷっつり消息を絶って以来、さまざまな憶測を呼んでいた謎の船舶失踪事件だったが、今回の身代金要求の報道で事件の性質が明らかになってきたようである。
アクアティックシー号は、1億3千万円相当の木材を輸送して、本来の予定では8月4日に北アフリカ・アルジェリアのベジャイアの港に到着し荷下ろしする予定だった。しかしながら、身元を公開しない15名のロシア人乗組員を乗せたまま、ポルトガル沖の海上でこつ然と消息を絶って以来、同船に対する謎は深まるばかりだった。
d0123476_1732841.jpg
 マルタ島最大の港町バレッタ 歴史の深く刻まれたライムストーンの地中海様式建築が連なる特徴ある坂道

5. Ship's whereabout unknown

"I don't sleep. I don't eat. I have been working 24 hours a day," said Viktor Matveyev, director of Solchart, the Finland-based operator of the vessel. "We hope that the crew is alive," he told Reuters. Matveyev declined to comment on any ransom demand.

ポルトガル沖?スペイン沖?フランス沖?
「眠る時間もなければ、食事する暇もありません。1日24時間かかりきりですよ。」こうもらすのは、消息不明の貨物船の航行を管理するフィンランドのソルチャート本社に詰めっぱなしのヴィクトル・マトベーエフ営業部長である。
「ともかくも、乗組員の無事を願うばかりです。」氏はロイター通信記者の取材に答えてこう所存を述べたが、身代金要求に関する質問に関しては、一切ノーコメントだった。
d0123476_1741578.jpg
 運航会社ソルチャートのフィンランド部門営業部長ヴィクトル・マトベーエフ氏 ヘルシンキのオフィスで連絡待ち

6. Moscow sent warships for search

The vanishing of the Maltese-registered vessel and its crew has unsettled authorities in Europe and North Africa. The mysterious situation for its disappearance have included piracy, foul play or a secret cargo. Moscow sent warships to find it.

捜索に海軍戦闘艦を出動したロシア
マルタ共和国船籍の商用貨物船アークティックシー号が、乗組員を乗せたまま消息を絶った事件は、これまで前例がない地中海海域で発生しただけに、この海域を利用するヨーロッパ、及び北アフリカ各国政府の関連各省を震撼とさせている。
今回の船舶失踪事件でも特に謎を呼んでいる状況は、消息不明は海賊の襲撃によるものか? 不測の事態が発生したのか? さらには搭載した貨物そのものが機密物資なのではないか? という点に由来するものである。
d0123476_17506.jpg
 文字通りコートダジュール=紺碧のサンジュリアン湾に浮かぶ巨大な航空母艦のような地中海の要塞都市バレッタ

7. State-level Russia involved?

字数制限のため英文省略
国家レベルでのロシアの機密物資搭載?
一方、ロシアの一紙の報道によると、行方不明の船舶は15日日曜の時点で一時的に所在が確認されたが、発信した位置はフランス沖の模様である。また他のメディアの報道では、その発信元はケープベルデとなっていた。
ロシアの海運関係者が信頼を寄せる業界専門誌『ソヴフラクト・マリタイムジャーナル (海事情報)』の編集長ミハイル・ボイテンコ氏の談話によると、実は「同船は船舶所有権をおくマルタ共和国にも、運行管理会社の本拠地であるフィンランドにも内容証明の届け出を出していない、秘密の物資を搭載しているのではないか?」という疑惑も浮上してきていると言う。
d0123476_21485626.jpg
 8月1日時点でぷっつり音信不通になった貨物船から最後に届いた航海日報のコピー/マリンジャーナル

8. 'Cloak-and-dagger, like a le Carre novel'

"I don't think that it was pirates who took this vessel but it really smells of some sort of state involvement. This is real cloak and dagger stuff, like a le Carre novel," the editor told Reuters. Solchart's director Matveyev said his main focus was on trying to find the Arctic Sea.

ル・カレのスパイ陰謀小説のように
「私が思うに、どうも今回の船を略奪したのは海賊ではないと受け取れるんですがね。それにしても、今回の失踪事件には、国家レベルでの何らかの関わり合いがあると、やけに匂います。まるでジョン・ル・カレのスパイ小説のように、 国家反逆罪ものの陰謀でも絡んでるんじゃないかと思えますよ。」海運ジャーナルの編集長ボイテンコ氏は、こう分析した。
しかし、海上運輸会社ソルチャート社のマトベーエフ部長は、そうした下馬評よりもとにかくアークティックシー号を探し出す事に専念集中すると強調した。
d0123476_21493339.jpg
 フィンランド出航アルジェリア行きの航海途中で、乗組員を乗せたまま突如行方不明になったアークティックシー号

9. Last GPS signal: Bay of Biscay

字数制限のため英文省略
最後のGPS発信位置はビスケー湾
ロシアの海事雑誌『ソヴフラクト』の記事によると、アークティックシー号のGPS=自動位置確認装置から、米国東部時間で15日土曜の午前4時30分(グリニッチ標準時で08:30)に、たった一度だけ発信があって確認できたが、その後すぐに音信不通になったようである。
ヘルシンキのソルチャート社がとらえたGPS信号が指した位置によると、行方不明の貨物船はその時点では地中海のスペイン沖、ビスケー湾にいたと言う。
d0123476_1763841.jpg
 この地図はソルチャート社の運航チャートで、8/13時点の貨物船の現在位置がフランス沖合にオレンジで表示

10. French Navy: ship heading to Brazil

字数制限のため英文省略
フランス海軍「針路は南大西洋からブラジルへ」?
同じく15日土曜、フランスでは海軍のジェローム・バロー広報官から貨物船の消息について、関連海域担当艦から報告があった事が明らかにされたが、その内容を裏付ける情報は一切公表されなかった。ただし広報官は地中海での行方不明説を否定し、「該当船舶は多分いまだに南大西洋上を航海中で、ブラジルに向かっているものと思われる」という、フランス独自の見解を付け加えた。
d0123476_1773923.jpg
 マルタ島のバレッタは古代ローマ帝国時代に開港 以来治世が変わっても地中海の要衝として繁栄を続けてきた

11. French conclusion: off Cape Verde

字数制限のため英文省略
ケープベルデ沖と結論したフランス
フランス海軍広報官は、消息を絶った貨物船がフランス海域には存在しないという点を強調した。
「フランス海軍の情報から判断して、問題の船はケープヴェルデ(カーボベルデ共和国)の沖合にいるものと思われる。しかし現状では、その事実を100%保証することはできない。もしその船が捜索中の貨物船だとしたら、船の外観は部分的に偽装されていると見ていいだろう。先月初めにハイジャックされてから随分の日数が経っているので、そうした変化があったとしても不思議ではない。わが国の海軍はまだ現場へ急行していないが、ポルトガルの海軍が向かったようだ。」
d0123476_1782462.jpg
 マルタ島の領主の居城だった王宮には、現在では国立美術館・国会議事堂・大統領官邸が内部に併在している

12. Conflicting informations from various sources

字数制限のため英文省略
謎が謎を呼ぶ錯綜した情報
「以上、われわれが知る限りでの情報から総合判断した結果、この船はわが国フランスの海域を航行してはおらず、カーボベルデ沖にいるといっても航行中のようであり、その向かう先はどうも、ブラジルの方向を指している。」仏海軍広報官は最終的にこうしめくくった。
しかしながらフランスの出した結論は、消息を絶ってからこれまでのひと月半の間、謎の貨物船をめぐってありとあらゆる噂が投じられた錯綜した情報の渦に、さらに新たなさざ波を立てたに過ぎない。
d0123476_179294.jpg
 現在は美術館となっている王宮グランドマスターズパレスの回廊 ルネッサンス時代以来変わらないインテリア

13. international investigation under way

字数制限のため英文省略
国際犯罪の略奪事件として捜査開始
その代表的な例として、先週14日金曜に報道されたロシアの一外交官がもらした説では、全長98メートル4千トンの巨艦である貨物船が、遠浅の海岸線を持つケープベルデの沖を運航するというのは、あり得ない話だと、大西洋南下説を否定している。
一方、問題の貨物船が船籍をおくマルタでは、共和国政府の海運局長が次のような新しい展開を発表した。「国際的な犯罪捜査のネットワークが、海上略奪行為とシージャックの嫌疑で、この貨物船消失事件の捜査を開始した。」
d0123476_179496.jpg
 マルタ共和国の国会議事堂へ向かう荘厳なエントランス 由緒あるグランドマスターズパレスの内部にある

14. Broad investigation via Interpol, Europol

字数制限のため英文省略
インターポル・ユーロポル20カ国以上で捜査
MMAマルタ海運局局長は、失踪事件にかかわる現況の展開を次のように説明した。
「貨物船消失事件に直接関連する犯罪行為の嫌疑に対して、フィンランド・スェーデン・マルタ各国の捜査当局が、緊密に連絡をとりあって事件捜査の指揮に当たります。」
捜査に協力するのは上記3国だけでなくヨーロッパ・アフリカ・南米の総数20カ国以上にのぼり、国際警察のインターポルとユーロポルもまた、捜査ネットワークに加担する状況となった。
>次号「消えた貨物船の謎・カーボベルデ篇」へ続く

【 米国時間 2009年8月15日『米流時評』ysbee 訳 】
d0123476_17102471.jpg
 モスタの町の由緒ある英国国教会のカテドラル(大伽藍) 第2次大戦中にドイツ軍の空襲で爆撃されたが、
 爆弾は伽藍の壁に突き刺さったまま不発に終わったという奇跡で有名。


*Cape Verde/カーボベルデ共和国*

英語読みでは「Cape Verde/ケープヴェルデ」ポルトガル語の現地読みでは「Cabo Verde/カーボベルデ」で、意味は碧の岬。アフリカ大陸の西側の南大西洋に点在する自然の桟橋のような、トロピカル環礁から成る列島の共和国。
ヨーロッパとアフリカと南北アメリカ大陸の中間に位置して、人種と文化の交差点のようなカーボベルデ諸島で培われたクレオール音楽とクレオール料理。そのクレオール文化のふるさとでもあるこの国については、次号で詳しく紹介。
d0123476_10275330.jpg
バーミューダ島やセントジョン島のようなカリビア海のトロピカルな島々と共通する、ピンクのさらさらしたパウダーサンドと、どこまでも透き通ったターコイズブルーの海が特徴の、カーボベルデのビーチ

d0123476_11564496.jpg◀ 次号「消えた貨物船の謎 続編・カーボベルデ沖で発見!」
▶ 前号「タリバンのエンドゲーム・テロ戦争の潮目」

d0123476_1023580.jpg
d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/10113969
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/10113969

d0123476_1539544.jpg
  いつもご愛読いただきまして大変ありがとうございます。ワンクリックがブログのエネルギーです!
 d0123476_12465883.gif


ブログランキングでは、ベスト10にカムバックまでもうひとがんばり!
  ブログランキング・にほんブログ村へ おかげさまで、ブログ村の国際政治部門でトップに戻れました。応援に深謝!



*クリックして、最近の「米流時評」記事リンクへ
[PR]
by ysbee-2 | 2009-08-15 17:24 | 海賊シージャック

ポストグルジア紛争・尾を引くグルジアとロシアの対立

f0127501_128435.gif

  ||| ポストグルジア紛争のコーカサス |||

d0123476_1551247.jpg
サルコジ仲介の和平協定実効せず、グルジア紛争後も尾を引くコーカサスの対立
ロシア軍撤退後も南オセチア・アブハジアに4千名駐留継続、危機体制変わらず


d0123476_18552829.gif今日のエントリーは昨日のグルジアのサーカシビリ大統領狙撃事件の続きですが、その前に一昨日のエントリー「亡国への傾斜に警世の一閃!今からでも遅くない」の祈りが届いたような、国籍法改正に反対する集会のお知らせです。25日夜(今日だ!)と26日夕方に東京で開催されます。主旨に賛成される方はぜひ参加を!

フリーチベット・フリー東トルキスタン運動でも熱心に活躍してらっしゃる、愛国派無所属を標榜する熱血の政治家、荒川区議会議員小坂英二さんのブログからの転載です。

荒川区議会議員小坂英二の考察・雑感より

「国籍法改正」に反対する緊急国民集会・第1回
 日 時:平成20年11月25日(火)午後6時半~8時半
 会 場:砂防会館別館3階(六甲)
 主 催:草莽全国地方議員の会(代表 松浦芳子)草莽なでしこ隊、
     誇りある日本をつくる会、「国籍法」を考える会
 問合せ先:草莽全国地方議員の会  電話&Fax 03-3311-7810(松浦)

「国籍法改正」に反対する緊急国民集会・第2回
 日 時:平成20年11月26日(水)午後4時~5時
 会 場:衆議院第2議員会館第1会議室
     ※整理券を先着100名の方に受付で配ります(3時45分配布開始)
 主 催:国籍法を考える会
     〒102-0093 東京都千代田区平河町 2-16-5-302 高池法律事務所気付
     080-5086-2963(藤本)090-7725-6256(福永)
d0123476_15332471.jpg
トップ:今夏ロシア軍侵攻の南オセチアを逃れ、着の身着のままで首都トビリシにたどりついたグルジア人の避難民
ロシア軍の侵略行為に反対する「Stop Russia!」と大書したバスのバナーサイン。日本なら「Stop China!」か


__________________________________________________________________
NOVEMBER 24, 2008 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2008年11月24日号
f0127501_457513.gif

A s s o c i a t e d  P r e s s | B R E A K I N G
ロシア軍、南オセチア・アブハジアに4千名駐留継続、危機体制変わらず
米国時間 2008年11月23日午後4時06分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

d0123476_1513761.jpg
Georgian, Polish Presidents' Motorcade Fired on
The shots allegedly come from the breakaway province of South Ossetia
Continued from the previous issue — Relations between Russia and Georgia have been deteriorating for several years. The Rose Revolution in 2003 was a popular uprising against elections that were seen as fraudulent.
前号「狙撃!サーカシビリ危機一髪!グルジア、ロシアを非難」からの続き
グルジア・トビリシ発 |ロシアとグルジアの関係は、ここ数年最悪になってきていた。2003年のグルジアのバラ革命は、従来の親ロシア政権の政治腐敗が不正選挙となって露呈した政局に対して、若者を中心とした一般市民が怒りの声を上げ、数十万人の市民が蜂起して連日デモを展開した結果、旧体制が崩壊した典型的民主主義革命だった。
d0123476_19522531.jpg
10. Newly-born democratic nation in Caucus
It drove President Eduard Shevardnadze, a former Soviet foreign minister, from office and ushered pro-Western Saakashvili into power.
新生民主主義国家グルジアの新しい顔
この時には旧ソビエト連邦の外相で、ソ連崩壊と共に連邦国家のひとつだったグルジアの元首に収まっていた、エデュアルド・シェヴァルデナーゼ大統領が官邸から放逐され、代わりにその後民主的再選挙で当選した親欧米派の、ミハイル・サーカシビリ現大統領が、新生民主国家グルジアの新しい顔となった。
d0123476_15222888.jpg
左:オクスフォード卒の若手外交官でトルコ大使だったグリゴル・ムガロブリシビリ。サーカシビリは彼を旧体制親露派のラドー・グルゲニーツェと差し替え外相に抜擢。その独裁者的行政に批判も強い /中:11日ワルシャワのポーランド独立90周年記念式典で、ドイツのメルケル首相の後ろで歓談するウクライナのユフシェンコ首相とサーカシビリ /右:13日にロシアとの和平仲介役であるフランスのサルコジ大統領をエリゼー宮に訪問したサーカシビリ

11. War broke out over South Ossetia

The war broke out when Saakashvili launched an offensive Aug. 7 to regain control of South Ossetia. Russia sent in troops which quickly routed the Georgian military.
南オセチア統治をめぐるグルジア戦争の勃発
今年の夏のグルジア紛争は、南オセチア自治州の統治権を回復しようとしたサーカシビリ大統領が、8月7日にグルジア陸軍を南オセチア領内に差し向けて、叛徒に対して攻撃を開始した時点で勃発した。それ以前から南オセチア住民にロシアの市民権を与えるなどして、同州のロシア帰属を図っていたモスクワ政府は、グルジアの攻撃を待ちかねていたように、ほとんど同時に国境を越えて南下。紛争地区の南オセチアだけにとどまらず、グルジアの首都トビリシへ至る道路網の要衝であるゴリの町を、陸海空から全面攻撃し、ゴリ市は見る影もなく崩壊し陥落した。
d0123476_18513470.jpg
意図的に一般市民を無差別攻撃で空爆した、凄絶なロシア軍の侵略攻撃。空からいきなり爆弾が降ってくる恐怖。

12. Fueled the New Cold War situation

The war and Moscow's subsequent recognition of the two breakaway regions have badly strained Russia-west ties.
グルジア紛争で表面化した米露の新冷戦
一時は首都トビリシが包囲される危機的状況まで陥ったが、サーカシビリ大統領の西側諸国へ窮状を訴え、米国とEU諸国がグルジア支援に回った。特にフランスのサルコジ大統領がモスクワへ出向き、メドベージェフ大統領を説得し、一時的休戦にこぎつけた。しかし、ロシアはその後、南オセチアとアブハジアの両自治州を、独立国家として認めることを承認したため、両州はグルジアに帰属すると主張するグルジアとの対立が続いたままである。この紛争によって、東欧MDSを計画中の米国とロシアは、ますます溝を深め、一時は新冷戦再開を噂される危機的状況も派生した。
d0123476_19343630.jpg
休戦協定を締結後も最前線のロシア兵は攻撃を続けた 捕虜になり目隠しで連行されるグルジア兵

13. 4,000 troops in S. Ossetia, Abkhazia

Russia recognized South Ossetia and another breakaway Georgian province, Abkhazia, as independent nations after the war and deployed nearly 4,000 troops to each region, a much bigger presence than before the conflict.
南オセチア・アブハジアに4千ロシア兵駐屯
翻訳中
d0123476_1543384.jpg
8月11日、グルジア全土を蹂躙したロシア軍も一応撤退。しかし南オセチアには紛争前より大量に駐留を続ける。

14. incident demonstrates weak truce

The truce plan, brokered by French President Nicolas Sarkozy, called for Russian troops to withdraw from areas outside South Ossetia and Abkhazia, but they have remained in several areas controlled by Georgia before the war, including the area around the town of Akhalgori, near which the firing was said to have occurred.
実効力の弱いサルコジ仲介の和平
翻訳中
d0123476_15362924.jpg
15. Georgian critical on mishandling the war
Saakashvili's popularity has dwindled as critics have charged him with authoritarianism and with mishandling the war with Russia. This year's anniversary was marked with little jubilation. A former ally used the occasion to launch a drive to unseat Saakashvili.
サーカシビリの不手際に批判
翻訳中
d0123476_19423014.jpg
グルジア戦争の戦死者は圧倒的に一般市民が多く、総数1500とも2000名以上とも言われる

16. Truce has little effect for peacekeeping

Polish president Kaczynski said the incident demonstrated the weakness of the French-brokered truce. he truce agreement has ended Russia's August war with Georgia over South Ossetia. But Kaczynski said, "it does not reflect reality."
サルコジ仲介の和平条約、実効なし
翻訳中
d0123476_15141433.jpg
11月11日ワルシャワの陸軍学校で実施されたポーランドの独立90周年記念式典に列席した来賓の自由主義国家元首。前列一番左にアフガニスタンのカルザイ、一人おいてドイツのメルケル、その後ろにウクライナのユフシェンコ

17. Russian troops still in the both provinces

Kaczynski criticized the European Union and NATO which, he said, have failed to take united action to counter what he described as Russia's attempt to rebuild the Soviet empire. "Today, it's not too late yet, but tomorrow it might be," he said.
南オセチア・アブハジアに遺留するロシア軍
翻訳中
d0123476_1563594.jpg
8月の南下侵略時に南オセチアからグルジアの首都トビリシへ侵攻する途中で地雷が爆破したロシア陸軍の戦車d0123476_1023580.jpg

【 米国時間 2008年11月24日 『米流時評』ysbee 】
■ OBAMA TODAY ■ d0123476_14501313.jpg
 24日指名発表のオバマ次期政権の経済閣僚( )内は前職
・財務長官 ティモシー・ガイトナー(元 財務長官補佐官)
・筆頭経済顧問 クリスティーナ・ローマー
・国家経済諮問局長 ローレンス・サマーズ(元 財務長官補佐官)
・国内政策諮問局長 メロディ・バーンズ
 右端はジョー・バイデン次期副大統領
d0123476_15575676.jpg
»» 次号 特集「チベットの未来を決定する亡命者代表会議」へ続く
«« 前号「狙撃!サーカシビリ危機一髪!グルジア、ロシアを非難」へ


d0123476_7294370.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/8972632f0127501_6213945.jpg
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/8972632

__________________________________________________________________
いつもご愛読いただきまして大変ありがとうございます。ワンクリックがブログのエネルギーです!
d0123476_12465883.gif


4〜7位を行ったり来たり。クリックで応援をよろしく!
ブログランキング・にほんブログ村へ  「ブログ村」の国際政治部門では、おかげさまで1〜2位です!


d0123476_10141436.gif
ニュース部門でトップです。みなさまのクリック、ありがとうございます!
テクノラティお気に入りに追加する テクノラティはお気に入りブログの更新内容が一覧できて大変便利


『米流時評』Current Issues
[PR]
by ysbee-2 | 2008-11-24 16:04 | グルジア紛争

速報!極東海域でロシア原潜事故、20名死亡!

f0127501_128435.gif

  ||| 日本海海域でロシア原潜死亡事故 |||

d0123476_12191310.jpg
太平洋極東海域でロシア海軍原子力潜水艦に事故発生、20名死亡
事故発生場所未発表、メドベージェフ 事故原因の緊急調査を指令


米国時間2008年11月8日午後6時 | ロイター通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee
モスクワ発ニュース速報 |モスクワ現地時間で8日土曜深夜、太平洋海域を航行中のロシア海軍太平洋艦隊所属の原子力潜水艦内で事故があり、少なくとも20名が死亡、21名が負傷したと、ロシア海軍の広報官から発表された。
Accident Aboard Russian Submarine Kills 20
Finland hosts highest-level discussions since Georgia war strained ties
NOVEMBER 8, 2008 | REUTERS — BREAKING | Translation by ysbee
MOSCOW — At least 20 people died and 21 were injured in an accident on board a Russian nuclear-powered submarine from the country’s Pacific Fleet, a Russian naval spokesman said late on Saturday.

d0123476_12243759.jpg
1. Location of accident unknown
The spokesman did not give the name of the submarine or specify where it was located, adding only that it was on exercises at sea and 208 people were on board. “The reactor section (of the submarine) is working properly,” he said by telephone. “The radiation levels on the ship are normal.”President Dmitry Medvedev has been informed about the accident, Russian news agencies reported.
208名搭乗の原潜事故発生場所不明
広報官はAP通信の電話での取材に応え、事故は搭乗員208名の原子力潜水艦が極東海域で演習中に起こったと説明しただけで、原潜の名前やどこで事故が起きたのかは公表しなかった。「潜水艦の核燃料炉部分は正常に作動している。艦内の放射能濃度も正常である」一方ロシア国営ニュースの報道では、ドミトリー・メドベージェフ大統領も今回の事故の知らせを受け取っていると言う。
d0123476_1552100.jpg
ロシア領土内の核燃料貯蔵基地

2. Russian destroyer sent to rescue

A Russian destroyer, the Admiral Tributs, was providing assistance and taking some of the injured crew from the submarine to port, the spokesman said. He did not say where the ships were, but the Tributs is normally based at Vladivostok, Russia’s main Far Eastern naval port, according to Russian media.
ウラジオストックからミサイル戦闘艦が救援に
また事故発生後、ロシアの戦闘艦アドミラル・トリバッツ号は直ちに現場へ向かい、潜水艦内の負傷兵を港湾へ搬送したと広報官は伝えている。事故現場がどこであったかは公表しなかったが、ロシア国内のメディアによると、トリバッツ号は通常ロシアの極東地域の中心地ウラジオストックを基地としているので、その近辺海域と目されている。
d0123476_12223271.jpg
ロシア海軍のミサイル戦闘艦
__________________________________________________________________
NOVEMBER 8, 2008 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2008年11/08号
f0127501_457513.gif

 X I N H U A | B R E A K I N G N E W S
極東海域でロシア海軍太平洋艦隊原子力潜水艦に事故発生、20名死亡
米国時間 2008年11月8日午後7時46分 | 新華社通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

d0123476_12195980.jpg
1. Accident of Russian nuke submarine
NOVEMBER 8, 2008 7:46 PM | Xinhua — BREAKING | Translation by ysbee
BEIJING, China — More than 20 people have been killed in an accident on a Russian nuclear submarine, local media reported on early Sunday. "Over 20 people have been killed on Nov. 8, as a result of accidental activation of the fire extinguishing system at a nuclear-powered submarine of the Pacific Fleet during sea trials," Itar-Tass cited a navy spokesman.

実戦演習中に消火装置が誤作動
北京発・新華社通信 |ロシア現地時間で9日日曜の早朝、事故現場に近い区域のロシアのローカルメディアの報道によると、太平洋海域を航行中のロシア海軍の原子力潜水艦内で起きた事故で、同潜水艦乗組員20名以上が死亡した模様である。イタル・タス通信の報道によると、ロシア海軍の広報官から次のような発表があったと伝えている。
「11月8日、ロシア海軍太平洋艦隊の原子力潜水艦が海中での実戦演習中に、間違って消火装置が作動した結果、乗組員20名以上が死亡した」
d0123476_1226596.jpg
ロシア、米国、NATOのミサイル防衛施設マップ

2. Over 20 killed, 21 injured

There were 208 people aboard the submarine during the accident and 81 of them were military servicemen. The radiation on the submarine is normal as its nuclear reactor is working at normal status, said Igor Dygalov, an aide to the commander-in-chief of the Russian Pacific Fleet. Among the killed are workers of a shipyard and military servicemen, he said.
20名以上死亡、負傷者21名
航行中だった潜水艦には、事故当時208名の乗組員が搭乗しており、そのうちの81名は非戦闘員だった。潜水艦のエンジン部である核燃料設備は正常に作動しており、艦内の放射能濃度も正常であると、ロシア太平洋艦隊のイゴール・ディガロフ総司令官補佐官から発表された。犠牲者のうち数名は、非戦闘員である港湾ドック従事者や海軍施設従事者が含まれると同氏は説明した。
d0123476_1572659.jpg
3. Sailing to far east Primorye territory
The submarine is sailing to a temporary base in Russia's far east Primorye territory with the escorting of an anti-submarine warship and a rescue vessel to evacuate another 21 injured people, Dygalo said. Russian President Dmitry Medvedev has ordered the defense minister to probe into the accident and provide all the necessary assistance to the families of the killed, said the Kremlin.
ロシア極東地域のプリモライへ航行
潜水艦は事故後21名の負傷者を搬送するために、対潜水艦ミサイル戦闘艦と救援用の船舶が随航して、ロシアの極東地域にあるプリモライ地域にある臨時の基地へ向かっているとディガロフ補佐官は報告した。ロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領は、直ちに事故原因の究明を急ぐよう、また犠牲者の遺族に対しては必要な補助金を全額支給するよう指示を出したと、クレムリンの大統領執務室から公表された。
d0123476_12291846.jpg
4. HIstory of submarine tragedy
The latest similar accident was reported in September, 2006, when two servicemen were killed and one injured in a fire onboard a Russian nuclear submarine. The last major tragedy on Russian nuclear submarine occurred on Aug. 12, 2000, when the Kursk sank during a military exercise in the Barents Sea after an explosion ripped through the vessel. All 118 sailors perished.
ロシア潜水艦事故、悲劇の歴史
ロシアの原潜で最近起きた事故を挙げると、2006年9月に同様の火災事故が起きているが、その際には海軍兵2名が死亡、1名が負傷した。最近の事故で大惨事に至った悲劇は、2000年8月12日にロシア海軍の原潜クルスク号の沈没事件がある。同号は事故当時、北極に近いバレンツ海で軍事演習の最中だったが、艦内で爆発事故が起き沈没。(プーチンは救出を諦めたため)結果的に118名の乗組員全員が死亡した。 <了>

【 米国時間 2008年11月8日 『米流時評』ysbee 訳 】
d0123476_12302365.jpg
»» 次号「オバマワールド第7章 オバマの初仕事・ホワイトハウス組閣人事」へ続く
«« 前号「オバマワールド第6章 オバマの第一声 アメリカの大いなる挑戦」からの続き


d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/8894133f0127501_6213945.jpg
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/8894133

__________________________________________________________________
いつもご愛読いただきまして大変ありがとうございます。ワンクリックがブログのエネルギー!
d0123476_12465883.gif


4〜7位を行ったり来たり。クリックで応援をよろしく!
ブログランキング・にほんブログ村へ  「ブログ村」の国際政治部門では、おかげさまで1〜2位です!


d0123476_10141436.gif
ニュース部門でトップです。みなさまのクリック、ありがとうございます!
テクノラティお気に入りに追加する テクノラティはお気に入りブログの更新内容が一覧できて大変便利

[PR]
by ysbee-2 | 2008-11-08 12:24 | プーチンのロシア

【再掲】ユーラシア大連邦と第三次世界大戦の兆候

f0127501_128435.gif

  ||| ユーラシア大連邦と世界大戦の兆候 |||
d0123476_19143446.jpg
 ロシア・イラン・中国のユーラシアユニオン 対 NATO拡大軍の
 グローバルな第三次世界大戦は すでに始まっている

d0123476_18552829.gifイスラエル、アルメニア、トルコ、クルド、イラン、リビア、ソマリア、ダルフール、ミャンマー、東トルキスタン、チベット...... 紛争の焦点はグローバルに散在 【2007年10月の記事再掲出】
イスラエルとパレスチナ「エルサレム二都物語」
d0123476_191566.jpg先月末から2週間近くミャンマーの虐殺に胸つぶれる思いで、軍事独裁政権の弾圧を糾弾してきたので、他の重要なニュースに紙面を割く事ができなかった。しかし現在、世界はすさまじいスピードとスケールで、一大変革の渦に巻き込まれているかのようだ。今日お伝えする「エルサレム二都物語」も、これまでの国際社会の常識では想像もつかなかったドラスチックなシフトで、ユダヤ対アラブの数千年にわたる民族紛争の焦点エルサレムを、イスラエルとパレスチナ双方の首都として分割するという、思いがけない紛争解決策である。それも、当事者である好戦的なイスラエルのオルメルト首相から提案されたという驚愕の展開だが、そのほかにも続々と唖然とする大変化が、国際社会の大舞台で開幕している。

プーチンのイラン訪問と「カスピ海サミット」
d0123476_19185638.jpgひとつは、一昨日から2回に分けてお届けした「プーチンのイラン訪問」。今回のカスピ海サミットの詳細については前回の記事を読んでいただくとして、要はロシアとイランのエネルギー資源の供給路を確保する会議と観た方が、てっとり早いかも知れない。
ロシアはすでに中国とは共同で軍事演習を行なっている状況であるから、北朝鮮=中国=ロシア=カザクスタン=トルクメニスタン=イラン=シリア、そしてトルコという一連の「ユーラシアの連帯と結束」をプーチンは胸に描いていて、実現しつつあるように受けとれる。その共通点が、NATO、EUをも含めた「反アメリカ覇権主義」にあるのは明白である。

「アルメニア人虐殺」とトルコのクルド侵攻
d0123476_19224065.jpgもうひとつ重要な動きとして、トルコの親米体制からの離脱。これは第一次大戦下のオスマントルコによる「アルメニア人虐殺」の史実承認問題である。韓国と日本の慰安婦問題と似て非也なのは、下院を議案通過した時点ではアナクロな争点の蒸し返しに見えたが、トルコにとっては国辱問題であり、ナショナリストを中心に俄然反米運動が巻き起こってしまった。一般の米国市民にはどうにも解せない晴天の霹靂。が、実はイラクとの国境地帯クルド地区では、トルコ政府軍とクルド人の独立運動ゲリラPKKとの間の数十年の小競り合いが最近急激に険悪になり、戦死者数十名を出す本格的紛争に発展してきた背景がある。これもまた、サダム政権という鉄拳統制の崩壊以来険悪化してきた状況で、関連国にとっては火急の事態である。

国連安保理事会でカダフィのリビアが理事国に
d0123476_19233050.jpgさらにもうひとつ。これには驚きを通り越して呆れてしまったのだが、カダフィ議長の率いる地中海沿岸北アフリカの小国家リビアが、国連安保理事会で「アフリカ代表として理事国に選出された」のである。88年スコットランドでのパンナム103便爆破事件はカダフィの指令と看破されたにも拘らず、最終責任は追求されずに今日に至っている。しかしイランのアフマディネジャドやベネズェラのチャベスら反米主義強硬派とは違い、カダフィは数年前にいち早くテロ戦争への加担を申し出てブッシュの「悪の枢軸」国家の隊列離脱に成功し、米国務省のテロ国家ブラックリスト入りを危うく免れている。この「リビアの理事国化」は国連の権威を失墜する象徴的な出来事として後々に必ずや禍根を残すと予測できるので、後日報告したい。

世界同時多発のグローバルウォー
その他にも大きな動きが多々あるのだが、トルコの反米動向を除いて、これらがすべて今週に入ってからたった2日間の出来事である。もし今現在本音で「世界は平和だ」と宣っている方がいらしたら、それは無人島に住んでいてワイアレスなためにニュースに触れる機会がないのか、端的に盲目か、という状況にある方々に相違ない。
これほどの深刻な紛争が同時多発している状況を、もし数世紀後の歴史家が振り返って名付けるならば、きっとこう呼ぶに違いない。「21世紀初頭のグローバルウォー」だと。
あるいは先人を踏襲して単純にこう記述するだろう。第三次世界大戦は2007年に始まった、と。

【『米流時評』昨年10月16日のエントリーより再掲出 ©2007 ysbee 】
d0123476_1925166.jpg
写真の説明:トップはトルコとアルメニアの国境にそびえるアララット山の勇姿。ノアの方舟が山頂にたどり着いたという伝説もある。/右側の縦長の写真は、すべてモンゴル共和国の中央アジアの平原。鉄道はその名もエキゾチックな「サイベリアン・エキスプレス=シベリア特急」で007かマタハリでも潜んでいそうだが、北朝鮮の金正日がモスクワへプーチン詣での時に愛用する列車。/一番下の写真は「Armenian genocide」で昨今急激にクローズアップされるアルメニアの高原の夏。オスマントルコが150万人のアルメニア人イスラム教徒を計画的に殲滅したと伝えられ、このような破壊の跡を示すモスクのドームが、今でもそのまま放置されている。

»» 次号「【再掲】ユーラシアの回廊・帝政ロシアの首飾り」d0123476_1023580.jpg
d0123476_12434412.jpg記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/8435637
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/8435637

__________________________________________________________________
いつもご愛読いただきまして大変ありがとうございます。みなさまのクリックがブログの活力です。よろしく!
d0123476_12465883.gif


ランキングが夏バテ気味? クリックで応援をよろしくお願いします!
ブログランキング・にほんブログ村へ  「ブログ村」の国際政治部門では、おかげさまで開設以来トップです!

d0123476_4274095.jpg

||| 『米流時評』テロ戦争関連特集 |||
•中東核戦争 | •中東のパワーラビリンス | •グローバルウォー | •次世代冷戦時代
•アフガン・タリバンの復活 | •アルカイダ2.0・核のテロ | •パキスタン戒厳令の季節
•テロとスパイ陰謀 | •イラク戦争レポート | •ブッシュと米国政治 | •米大統領選


||| ユーラシアの回廊 特集記事 |||d0123476_12543738.jpg
10/29 アゼルバイジャンで米大使館襲撃テロ発覚
10/22 クルドPKKの橋梁爆破でトルコ軍12名戦死
10/16 ユーラシア大連邦と第三次世界大戦
6/10  ユーラシアの回廊・帝政ロシアの首飾り
6/09  緊急レポート・アゼルバイジャンの秘密
6/08  外交の神業・プーチンのムーンサルト アゼリの切札
6/07  G8サミットのプーチンショック! 米露ミサイル防衛網

||| 中東核戦争 特集記事 |||d0123476_8345660.jpg
序 章 中東核戦争前夜?急浮上するシリア対イスラエル核紛争
第1章 戦争挑発行為?イスラエル爆撃機のシリア領空侵犯
第2章 シリア対イスラエル 中東核戦争の危機は本物か
第3章 新・ジェリコの闘い イランのミサイル報復作戦
第4章 核のターゲットは駐留米軍 国連とEUの経済制裁
第5章 消された記事『中東代理戦争・シリアvsイスラエル』
第6章 囁かれる中東核戦争
   中東核戦争6.1 ホワイトハウスのウォーゲーム
   中東核戦争6.2 2008年核戦争の冬・チェニーのウォープラン
   中東核戦争6.3 復讐の世紀・中東戦争「核のアルマゲドン」
   中東核戦争6.4 暴かれた大謀略・イスラエルとネオコン中東核戦略
第7章 驚愕!原爆搭載機 B-52飛行事件は米空軍内のクーデターか?

[PR]
by ysbee-2 | 2008-10-16 09:40 | ユーラシアの回廊

アイスランド国家破産の危機!グローバル恐慌レポート3.1

f0127501_128435.gif

   ||| アイスランド国家破産の危機 |||

d0123476_22422386.jpg
  アイスランド国家破産の危機 グローバル恐慌がもたらした最初の犠牲者
  金融財政逼迫にあえぐ小国、ロシアから54億ドルの借款、銀行を国営化


d0123476_18552829.gif国が滅びる場合、米流風にばっさりと言うと3つの形がある。
ひとつは、大国から侵略されて隷属する場合。これは古くはローマ帝国や近代ではナチスの第三帝国による国家の属州化が挙げられる。もうひとつは、天変地異の大災害による滅亡。古代の都市国家であったポンペイがベスヴィアス火山の噴火で埋もれたのが顕著な例だ。

そしてごく最近の「国家滅亡」の症例。それは国家財政破綻によるひとつの国の破産である。考えるだけでもぞっとする状況だが、いったいその国家的悲劇が、何が原因でどのようにして起きたのかを、症例として見つめるいい例がある………アイスランドである。
d0123476_22432547.jpg
この国の名を聞いて、私の凡庸な頭に真っ先に思い浮かぶのは、ビョークぐらいなものである。チベット弾圧反対のフリーチベット運動を介して、それ以前よりやや深く知った程度である。その他には……レイキャビクと聞いて、そう言えば、U2のボノが小洒落たホテルをオープンしたとか(ム、あれはアイルランド?)世界のセレブが参集する、カジノだったかクラブだったかができてブームだとかを、こちらの旅行誌の『Conde Nast Traveler』や『Travel+Leisure』で、だいぶ前に読んだなぁ……程度の、実にあいまいな知識である。

しかしどの記事も「時代の最先端を行くグローバルなブームタウン」的な、すばらしくヴィヴィッドで景気のいいエピソードに満ちていて、記事の行間から「まるで北極圏のサンモリッツかベガス……」とでも言いたそうな印象を受けたことは思い出せる。
d0123476_22441047.jpg
だから昨日のこのニュースには驚いた。なにしろ「National Bankruptcy」である。
「国家の破産」? 恐ろしい用語である。「国家滅亡」に近い壮絶なイメージが炸裂する。
  戦争が起きた訳でもないのに、どうすれば国家が崩壊するのか?
  これはもしかして武力ではなく経済力で他国を征服する
  新しい覇権戦略の敗者を意味するのだろうか? 
もしそうだとすれば、アイスランドは21世紀型のグローバル金融資本の最初の属国になったという、まったく新しいパラダイムの時代が、予想外に早く到来したことを意味する。

あえて別の見方をしよう。20世紀の冒頭から世界を思うままに翻弄し、あらかたの戦争の起因となってきた「石油支配」の時代が終わる。これから世界中の国で、あらゆる産業とあらゆる生産物の価値の見直しが始まるだろう。21世紀型の新しいエネルギーに即した経済要因、という観点で。この先5年ぐらい経たねば事実に裏付けられた結論は出ないが、もしかしたら地球が生き延びるためには、とてつもなく良いターニングポイントなのかも知れない。これまでのすべての「モノの価値」を転換するグローバルな大手術が、いま始まった。
d0123476_22445432.jpg
ひとつ非常に気になるのは、今回のアイスランドの国家ぐるみの倒産には、ロシアが54億ドルを貸し出したとある。米国が恐慌に陥ってなければ、英米の(一皮むけばユダヤ系列の)金融資本が手を差し伸べていたはずである。ロシアの北極圏制覇戦略の野望は、本気だった。(日本もその戦略地図の中にあるのだ。戦慄!)

グローバル経済下のアイスランドの興隆と滅亡の盛衰の陰には、いまだに旧大英帝国時代の属領だった国家に対して、政治経済両面で威圧を保持し続ける英国の投資銀行資本と、新進気鋭のエネルギー大国であるロシアの国家資本との、熾烈な相克が見え隠れしている。

やはりネット経済でグローバルに連繋し、企業だけでなく国家ぐるみで買収する、新しい覇権抗争「バーチャル・エコノミックウォー」のフロントライン/最前線が、噂よりも早くすでに出現したのかもしれない。ついにインターネットの戦場のパルスは、メディアやアナリストやエコノミストの、経験と洞察で予測するヒューマンなスピードを超えてしまったようだ。

d0123476_2247249.jpg
「国家の破産」………そこに住む者にとって、その恐怖感はいったいどれだけのものだろうか?
極北のアイスランドでは、一夜にして国家の貨幣価値が文字通り紙っぺらに帰してしまった。色とりどりの積木のおもちゃのような家に住む、小さな北の国の素朴なひとびとをなんとも気の毒に思いながらも、グローバル恐慌の最初の戦死者となったこの新しい国家崩壊の現象を、首都レイキャビクからの現地レポートで読み下してみたい。

【 米国時間 2008年10月8日 『米流時評』ysbee 】

__________________________________________________________________
OCTOBER 8, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
d0123476_841403.gif

 ASSOCIATED PRESS | BREAKING
グローバル恐慌レポート「アイスランド・国家破産の危機」前編
米国時間 2008年10月7日 | AP通信・アイスランド・レイキャビク発 | 『米流時評』ysbee 訳

d0123476_22481055.jpg
現地時間で7日火曜、危機に瀕した国家財政の窮状を訴え打開策を伝える記者会見をするゲイル・ハーデ首相

Iceland on the Brink of Bankruptcy

Struggling nation takes $5.4 billion loan from Russia, nationalizes bank
OCTOBER 7, 2008 EST | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee 
REYKJAVIK, Iceland — This volcanic island near the Arctic Circle is on the brink of becoming the first “national bankruptcy” of the global financial meltdown. Home to just 320,000 people on a territory the size of Kentucky, Iceland has formidable international reach because of an outsized banking sector that set out with Viking confidence to conquer swaths of the British economy — from fashion retailers to top soccer teams.

「国家破産宣告」寸前の財政危機
アイスランド。北極圏に近い巨大な火山島の上に生きるこの国は、 グローバル金融崩壊のあおりによる「national bankruptcy=国家規模の破産」の最初の犠牲者となる風前の灯の危機にある。
面積にしてケンタッキー州と同じ広さの地域に、わずかに32万人が住むに過ぎない極北の地。しかしアイスランドはこれまで、経済面では広汎な国際的サポートを享受してきた国でもある。その背景には、ファッションブランドからサッカーチームまで未だに世界的な影響力を持つ英国経済の、その一片を奪うというバイキング流の剛胆な野心から発した国際金融市場の国家プロジェクトがあった。このグローバル金融のカジノ開設が、この国と世界経済の時流を変えた大きな理由として挙げられる。
d0123476_5305178.jpg
首都レイキャビクの夜景 北極に近い高い緯度のために、夏場は真夜中でも写真のように明るい白夜が続く

1. Collapse from top of the world

The strategy gave Icelanders one of the world’s highest per capita incomes. But now they are watching helplessly as their economy implodes — their currency losing almost half its value, and their heavily exposed banks collapsing under the weight of debts incurred by lending in the boom times. “Everything is closed. We couldn’t sell our stock or take money from the bank,” said Johann Sigurdsson as he left a branch of Landsbanki in downtown Reykjavik.
世界のトップ経済からの転落
この金融国家化プロジェクトのおかげで、アイスランド国民は年収一人当りの豊かさでは、世界有数の国のひとつだった。しかし現在にいたって、彼らは自国の経済が崩壊するのを固唾を飲んで見つめるばかりだ。金融経済ブームの最盛期に際限なく貸付を膨らませた見返りとして、不良債権の重圧に押し潰され破産した銀行の派手なニュースが相次ぎ、この国の貨幣価値は今や半減した。
「何もかもアウトだよ。持ち株を売ることもできなければ、銀行の口座から金を引き下ろすことさえできないんだから」首都レイキャビクの中心街で出逢ったヨハン・シグルドソン氏は、こう嘆きながらこの国の代表的銀行ランズバンキのダウンタウン支店を立ち去った。
d0123476_22485988.jpg
金融危機に立つアイスランドの投資銀行のひとつ、グリットニール銀行 政府の買取りがなければ倒産する

2. Nationalizing banks under emergency laws

The government had announced it had nationalized the bank under emergency laws enacted to deal with the crisis. “We have been forced to take decisive action to save the country,” Prime Minister Geir H. Haarde said of those sweeping new powers that allow the government to take over companies, limit the authority of boards, and call shareholder meetings.
緊急法案による銀行の国営化
アイスランド政府は、今回の金融危機を乗り切るための非常手段として、財政救済緊急法案を決議し、経営破綻に陥ったこの国を代表する銀行ランズバンキを国営化した。
「国家を危機から救うには、今回のような思い切った行動に出ざるをえませんでした。」
アイスランドのゲイル・ハーデ首相は、銀行を買い取った政府が今後肩代わりする役割、すなわち取締役員会の権限を限定したり、株主会議を主催する新しい権限について、7日の記者会見で説明した。
d0123476_22521754.jpg
アイスランドの通貨アイスランドクローネ紙幣 今回の恐慌に近い株価の大暴落でクローネの価値も一挙に半減した

3. Government abandoned attemps

Iceland plunged further into financial crisis Wednesday as it scrapped plans to nationalize the country’s third-largest bank, Glitnir; instead placing it into receivership, and abandoned attempts to put a floor under its falling currency by pegging it to the euro. The financial strife also developed into a diplomatic spat as the British government said it planned to sue over lost deposits held by tens of thousands of Britons with Icelandic bank accounts.
銀行救済を放棄した政府銀行救済を放棄した政府
アイスランド政府は、この国で3番目の規模の銀行グリトニールを国営化する方策を、7日水曜の段階で放棄せざるをえなくなった。その原因は、国家財政がさらに深い財政危機に陥ったためである。法案実施のために確保していた資金を、受取人として予定されていたグリトニールに渡せず、株取引市場の売買を超インフレで価値の急落する同国の通貨クローネから一時的にユーロへと切り替えて、取引の続行を図ろうとした試みも放棄した。
財政危機はさらに英国との外交摩擦にまで進展した。その理由は、アイスランドの各銀行に口座を持っていた数万人の英国市民が、預金を引き出せないまま銀行が破産したためである。この件で、英国政府はアイスランド政府を訴えるつもりであると発表するにいたった。
d0123476_22562215.jpg
フランクフルトのディーラー 連日記録的な下げを続けるウォール街の暴落にひきずられ、欧州各国の市場も下落

4. Sending shockwave across the world

The threat prompted Prime Minister Geir H. Haarde to issue a statement saying the Nordic country was working toward a "mutually satisfactory solution." A full-blown collapse of Iceland’s financial system would send shock waves across Europe, given the heavy investment by Icelandic banks and companies across the continent.
世界に走る驚愕のニュース
英国政府からのこの脅しのおかげで、ゲイル・ハーデ首相は次のような声明を発表せざるをえなくなった。
「アイスランドは、関係国間がお互いに満足できる解決法を模索していく所存です。」
しかし、アイスランドの金融システムの完全な崩壊のニュースで、ヨーロッパ全体に衝撃が走ったのは言うまでもない。それというのも、今日まで欧州各国の数十万人の投資家が、アイスランドの金融機関を通じて膨大な額の株取引を行っていたためである。
d0123476_22532510.jpg
5. Retailing investment giant Baugur
One of Iceland’s biggest companies, retailing investment group Baugur, owns or has stakes in dozens of major European retailers — including enough to make it the largest private company in Britain, where it owns a handful of stores such as the famous toy store Hamley’s. Kaupthing, Iceland’s largest bank and one of those whose share trading was suspended last week to stop a huge sell-off, has also invested in European retail groups.
欧州ブランドへの巨大投資企業バウガー
アイスランドの主幹企業の一つに、リテールセクターの投資グループ、Baugur/バウガーがある。ヨーロッパの数十社の著名ブランドを対象に株式投資し、ポピュラーな米国のトイストアチェーンHamley’sなど、その中のいくつかでは筆頭株主として社主になっている。Baugurグループ全体を一巨大企業としてとらえれば、英国であればゆうに最大の民間法人となるスケールである。また、アイスランド最大の銀行「Kaupthing/カウプシング」と、先週莫大な売りが続いたために株取引の一時停止に踏み切った銀行ランズバンキもまた、バウガーと同様にヨーロッパ各国の大手リテイラー(小売業)グループに投資していた。
d0123476_13432259.jpg
アイスランドの首都レイキャビクの町並み。首都以外は茫漠とした極北の原野が広がるアウトドア派リゾートの別天地

6. Landsbanki's online sector, Icesave

Thousands of Britons have accounts with Icesave, the online arm of Landsbanki that regulators said was likely to file for bankruptcy after it stopped permitting customers to withdraw money from their accounts Tuesday.
ランズバンキのオンライン部門アイスセーブ
Icesave/アイスセーブは、アイスランドの投資銀行ランズバンキのオンライン部門であるが、数万人の英国人がクライアントとしてアイスセーブに口座を持ち利用していた。しかし今週ウォール街が大暴落を喫した直後の7日火曜に (取り付け騒ぎのパニックを恐れたランズバンキは)、全口座からの現金引き出しをストップしてしまった。同行のこうした動きから、政府の金融財務監査局ではランズバンキが破産宣告を申請するものと読んでいる。
d0123476_15224911.jpg
突然のサービス閉鎖と倒産の噂を打ち消そうと、本社の屋外で激励コンサートラリーを実行するランズバンキの社員

7. Loan negotiation of $5.4 billion from Russia

To try to wrest control of the spiraling situation, the government also loaned $680 million to Kaupthing to tide it over and said it was negotiating a $5.4 billion loan from Russia to shore up the nation's finances.
ロシアと54億ドルの借款を交渉中
アイスランドの市場全体が奈落へ転落する途をたどる中で、この恐慌への奔流を阻止しようと、アイスランド政府は同国最大のカウプシング銀行に対して、危機を脱出する資金として6.8億ドル (約680億円) を貸し付けた。さらには国家財政を危機から救うために、アイスランド政府はロシアから54億ドル (約5400億円) の借款を借り入れるべく交渉中である、という危機的状況に対処している実態を明らかにした。 »» 続く

【米国時間 2008年10月8日『米流時評』ysbee 訳】
d0123476_13451585.jpg
»» 次号「号外!GMがクライスラーを吸収合併交渉! 」へ
«« 前号「2日目も暴落のウォール街・前日比 ▼508ドル」へ
d0123476_1023580.jpg

d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/8740575
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/8740575

__________________________________________________________________
いつもご愛読いただきまして大変ありがとうございます。クリックでの応援に感謝申し上げます!
d0123476_12465883.gif


4〜7位を行ったり来たり。クリックで応援をよろしく!
ブログランキング・にほんブログ村へ  「ブログ村」の国際政治部門では、2位になってます、残念!


d0123476_10141436.gif
ニュース部門でトップです。みなさまのクリック、ありがとうございます!
テクノラティお気に入りに追加する テクノラティはお気に入りブログの更新内容が一覧できて大変便利


▶クリックして『米流時評』の特集記事インデックスへ
[PR]
by ysbee-2 | 2008-10-08 21:18 | グローバルビジネス

ユーラシアの回廊・帝政ロシアの首飾り【再掲出】

f0127501_128435.gif

   ||| ユーラシアの回廊・帝政ロシアの首飾り |||
d0123476_16281522.jpg
プーチンの欧州MD代替案と資源外交の新しい焦点旧ソ連圏小国家
君臨するロシアの懐柔策を逃れ親米政権に転向するユーラシアの国々


昨年6/10の『米流時評』エントリー「ユーラシアの回廊・帝政ロシアの首飾り」から転載
__________________________________________________________________
JUNE 11, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽 園 通 信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
d0123476_17164267.gif

    b e i r y u —  y s v o i c e
   ||| ユーラシアの回廊・ロシアの首飾り |||
d0123476_2121635.jpg
           第1章 ロシアと米国の新冷戦

E  u  r  a  s  i  a  n   C  o  r  r  i  d  o  r


【プーチンのG8ショック】
G8サミットでロシアのプーチンがブッシュに提案した「米国の」欧州ミサイル防衛施設の代替案。それまで米国側が計画していた「チェコにレーダー基地、ポーランドにミサイル打上基地」という東欧の予定地を根本から考え直して、アゼルバイジャンに現存するロシアのレーダー施設を共同利用しようという、前例のない思いがけない提案(unprecedent, unpredicted proposal)である。

【ヨーロッパMD計画】
たしかに宇宙開発においては、インターナショナル宇宙ステーションの共同利用など、米国とロシアの相互乗り入れプロジェクトがないことはなかったが、ミサイル防衛は学術文化ではなく冷徹な軍事活動(stone-clod military action)である。従来の常識から見て、共産主義と民主主義というイデオロギーの対極にある両国が、共同で軍事施設を利用するとは考えられない。ましてや、最近の「冷戦の復活」と取りざたされる噂の元凶となった、ヨーロッパMD計画の施設である。

【ロシアの仕掛けた罠】
d0123476_214636.jpg常識的に観察すれば、ブッシュが「欧州のMDシールドは対ロシアではなく、イランの核ミサイル防止が目的」と主張している言い訳を、プーチンは逆手にとって「それが本当なら、対イランに最適の場所があるよ」と提言したのだろう。つまり、この提言をブッシュが袖にすれば「対イランは口実で、本来の仮想敵国は(やはり誰もが想定する通り)ロシアだったじゃないか」と指摘できる状況を作った、と見るのが妥当だろう。
▲上の写真:バルト三国ラトヴィアの建築装飾 ロシア帝政時代末期の豪華な装飾にアールデコの先駆け部分がほの見える
▶右:ロシアのサンクトペテルスブルクの秘宝エルミタージュ美術館の回廊 ロシア経済復興を象徴する豪華な宮殿を美術館として公開


【米国の東欧戦略】
プーチンの提言通り、コーカサスの高地から西はヨーロッパ全域、南は中東・中央アジア全域をカバーできるレーダー施設が即利用できるなら、確かになにもわざわざ数兆円をかけて東欧に新設することで「ロシアに背を向けEUに加盟した東欧2国を米国の傘下におく新しい冷戦ムード」を増長しなくてもいいじゃないか、という持ちかけであろう。しかし米国側にしてみたら、西欧勢力の強大な布陣になるEU加盟のポーランドとチェコというふたつの中堅国家は、戦略的に対ロシアの基地としては絶好の位置にあり、地政学的な緩衝地帯になりえる。かつては共産圏であった両国に米国自体のミサイル基地を建設できるとは、レーガン政権時代以前の誰が予測できただろうか。

__________________________________________________________________

  第2章 ロシア・グルジア・アゼルバイジャンの三すくみ
d0123476_1630599.jpg
チェコの首都プラハの街を流れるヴルタヴァ川 ワルシャワと並んで経済復興が目覚ましくEU加盟以来観光ブーム

【ロシアとアゼルバイジャン】
しかしここで注目するべき焦点は、対米国というよりも、ロシアとアゼルバイジャンとの最近の関係である。両国の仲は最近急速に疎遠になり、この石油と天然ガスの宝庫である資源リッチの小国を手放すのは、プーチンとしては資源外交上非常に不利になる、という看過できない背景である。

【ロシアとグルジア】
アゼルバイジャンとの関係が冷めたのには直接的原因がある。アゼルバイジャンの北にあるグルジア共和国とロシアの関係悪化である。それ以前にすでに04年に親米派のサーカシビリ政権が誕生した時点から、ロシアはグルジアからの輸入制限やガス供給の停止など、親露時代とは手のひらを返したような仕打ちでグルジアを窮地に追いやった。かくして、ロシアの支配を逃れNATOへ加盟しようと画策するグルジアとの間でも対立が表面化し、昨年のクリスマス当日に、ついに200年以上駐留したロシアの軍隊はグルジアから引き上げた。

【グルジアとアゼルバイジャン】
ロシアからの燃料補給ストップで窮地に陥ったグルジアに救援の手を差し伸べたのが、グルジアの南隣にある豊富な資源を供給できるアゼルバイジャンである。親子2世代にわたってアゼルバイジャンの元首を務めるアリエフ大統領は、元々どちらもかなりな親米派で知られる。アリエフは資源に枯渇するグルジアに石油を供給するだけでなく、さらに追い打ちをかけるように、アルメニアを優遇するロシアに対し強硬手段に出た。黒海への石油輸送をストップしたのである。

__________________________________________________________________

    第3章 ロシアの首飾りからユーラシアの回廊へ
d0123476_16314757.jpg
バルト3国に接する小国リヒテンシュタインの美術館 グローバル買占めで暗躍する企業カーライルが買い取った

【ソ連解体による群小割拠】
ロシアと国境を接する過去のソ連邦自治区が、現在ではみな独立した共和国である。コーカサス地方からウラル山脈にいたる中央アジアの国々。西から挙げると、トルコの北に位置し黒海に面したグルジア、その南にイラン・トルコと国境を接するアルメニア、その東でカスピ海沿岸のアゼルバイジャン。カスピ海をわたった東岸では北から膨大な国土面積を有するカザクスタン(国名は英語読み)、その南にトルクメニスタン、両国の中間に挟まれたウズベクスタン、その東にタジキスタン、キルギスタンと連なっている。

【中央アジアの第2革命】
特に、この国名の末尾に「スタン」とつく国々すべてで、一昨年クーデタに近い政権交代が行われたのは記憶に新しい。まるで中央アジアの高原に放たれた野火のように、この旧体制からの脱出を試みる民主化運動は、あっという間に伝播した。背景には、ロシアに搾取されるがままで利権をむさぼっていた自国の政府高官に対し、一部の軍人と重税にあえぐ国民が結束して蜂起したというのが、これら一連の「スタンの国々」に共通した図式であった。しかし、主張するスローガンと蜂起の戦術があまりにも酷似していたので、一説では民主化を焚き付けて脱ロシアをうながす米国CIAの工作だろうというのが、この地域に精通した評論家の分析であった。ことの真偽はいまだに解明されていないが、少なくとも以前よりは親米的な民主化政権が誕生したことだけは確かである。
d0123476_16322348.jpg
アルバニア高地 中央アジアの高原でかつては権勢を誇った回教寺院のモスクも今は夏草だけが生い茂る廃墟に

【ユーラシアの回廊】
またロシアとヨーロッパとの回廊部分にあたるのは、北端のバルト三国;エストニア、ラトヴィア、リトワニア、その南にベラルス、ウクライナ、モルドバと続いている。東欧と接する回廊部分の国々は、ここ数年ですべてEUとNATOに加盟、あるいは参加を希望している。連盟国になったが最後、再びロシアに帰依することはありえないだろう。そうした意味合いでは、EUは共産主義国家から脱退を表明する踏み絵である。

【EUとNATOへの転向】
またかつて「ロシアの首飾り」と呼ばれた旧ソ連圏の小国たちは、その個々の宝石をつないでいた共産主義という一本の赤い糸が切れると同時に、ユーラシアの宝石箱の中にバラバラになって転がった。それを再び寄せ集めて繋いで行けば、NATOというヨーロッパ防衛のロザリオが2連になるだろう。旧ソ連圏諸国のNATO加盟は、宗教で言えば無神論者からカソリックに改宗するような極端な「軍事的転向」である。なぜならどの国でも、精神的にもっとも保守的なのは軍人であり、軍隊とは制度的に短期の変更を実現しにくい機構だからである。したがってモスクワの軍事体制に組み敷かれていた各国の軍部司令官がNATO体質を受け入れるというのは、ロシアに対して余程の反感が積み重なっていた裏付けに他ならない。

__________________________________________________________________

           第4章 資源外交と侵略戦争
d0123476_1633454.jpg
カスピ海西岸のバクー油田からグルジアのトビリシを経て黒海へと通じるパイプライン いわば陸路のホルムズ海峡

【ロシアの資源外交】
ロシア自体天然資源は豊かであるが、EU諸国やインド・中国という巨大消費市場を相手にするとき、従来は旧ソ連圏であったカスピ海沿岸の石油ガス産出国の輸出燃料をあてにせざるを得ない。したがって主要供給源であるバクー油田を要するアゼルバイジャンに縁を切られたら、石油輸送で巨大な利益を上げロシア経済の基幹となっている、トランスネフツという国策企業の資金源が激減することになる。そうなるとますます原油供給源の国イランとの絆が強くなるだろう。
昨年そのイランとロシアの中間に位置するカザクスタンが突如脚光を浴びたのは、何も映画『Borat』のおかげばかりではない。イランからの石油輸送においてパイプラインの重要な中継地になるからである。米国もカザク優遇に必死で、おかげで現実的に観光の対象にはならないであろうカザクスタンのCMが、カザク首相が訪米中に頻繁にTV画面に流れた。

【米国の資源侵略戦争】
そもそも最近の世界情勢は、イデオロギーで割り切れる状況ではない。むしろ国家のパワーはその背景に資源を有しているか否かで評価され、その資源を販売する企業体として国家が存在すると見た方が判りやすい場合が多い。イデオロギーは、その資源侵略をカモフラージュする販売促進のコンセプトに過ぎなくなってきている。「人類は利権をめぐって永遠に闘争を繰り返す経済学的動物である」と言うと、まるで前世紀の遺物の経済論になりそうだが、少なくともエネルギー資源をめぐる抗争を見る限りでは、この論は一概に古いと一蹴することはできない。
そもそもアフガン戦争は、ペルシャ湾を経由せずにバクー油田から直接パイプラインを引いて来るための、中央アジアの死線を確保する戦略だったのであり、イラク戦争にいたってはそのものずばり、北部のクルド地区の油田が目当てであった事実は、米国では今なら小学生でも知っている。
d0123476_1633512.jpg
石油利権闘争は20世紀冒頭から中東の運命を変えてきた 80年代イラク・イラン戦争で爆破されたパイプライン

【ブッシュの石油王国】
国策としての石油資源争奪戦争。そう捉えると、なぜブッシュ政権が膨大な費用と多大な米軍戦死者を出してまで、イラクに拘泥し続けるかが理解できるだろう。しかし、米国内の石油価格はサダム政権陥落後もうなぎ昇り。今年に入って、ついには1ガロン当たり4ドルに届きそうなほどの高騰を続けている。ブッシュ政権の人気が地に落ちた理由は、もちろんホワイトハウス関連の山積する不祥事とイラク戦争の失敗によるところが大半である。
しかしもし石油価格が、大半の国民が期待した通りにサダム討伐後に目に見えて下落していたら、はたして今日ほどの不評をかこっていただろうか。多分2割ほどの歯止めは利いたのではないかと思われる。ブッシュは国益のためではなく、献金企業の主幹である石油関連企業の利益のために(あるいはサウジアラビアの市場寡占のために)戦争を起こした、と捉えているのは、何もリベラルの左派だけではなくなってきている。

__________________________________________________________________

         第5章 ユーラシアの長い暑い夏
d0123476_16345399.jpg
バルト海に面した海岸 ヨーロッパはここ数年地球温暖化の影響で毎年真夏には死人まで出る猛暑が続いている

【ロシアとウクライナ】
以上80年代後半にモスクワの腐敗したクレムリン政権がついに崩壊しソビエト連邦が解体して以来の、ロシア周辺諸国「ユーラシアの回廊」の現状を、つむじ風のように一瞬にではあるが巡回してきた。このレジオンは大きな流れとして、政治的には民主主義化、文化的には欧米化へと傾いているが、その速度にセーブをかけているのが、従来石油・ガス供給で継続してきたロシアとの資源的絆である。だからこそこの地域でも、エネルギーを司るものが覇権の座につけるのだ。そうした背景を理解すると、ここ半年のロシアの強硬な態度と、一転して敵陣(米国)のミサイル防衛基地に自国所有の施設を貸し出すと言う、突然の解凍現象の謎が氷解するだろう。

【ユーラシア夏の旅】
ご明察、ロシアは手塩にかけたアゼルバイジャンを手放したくない一心で、米国に嫁に出したと見るのが妥当だろう。秘められた持参金、石油とガスの利権をたずさえて嫁入りした先で、最後に発言権を持つのは、果たして養父のロシアだろうか、それとも姑のアメリカだろうか。
G8を観察していた私には、資源産出国との直接交渉を虎視眈々とねらうフランスのサルコジが視界に入ってきた。このEUの新しいリーダーを目指す大統領は、同じく欧州のトップを目指すドイツのメルケル首相同様、ロシアと米国が角突きあわせて冷戦の序幕を演じている間に、こうしたユーラシアの回廊諸国と直接交渉を取り結んで、フランス経済を立て直しその優位を確実なものにしていこうと、すでに戦闘を開始しているように思えてならない。この夏の各国首脳の動きは、辣腕営業マンが新しい契約を取って回るような目まぐるしい外交のビジネスツアーになることが、今から予想される6月の晴天である。

【 以上『米流時評』昨年6月10日の時評エントリーより再掲出 ©2007 ysbee 】
d0123476_21913.jpg
旧約聖書でノアの箱船が着いたという伝説のアララット山 コーカサス地方アルメニアの国境に近いトルコに存在

»» 次号「ロシアのグルジア侵略で全面戦争にエスカレートするオセチア紛争」
d0123476_1023580.jpg

d0123476_12434412.jpg記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/8436323
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/8436323

__________________________________________________________________
いつもご愛読いただきまして大変ありがとうございます。みなさまのクリックがブログの活力です。よろしく!
d0123476_12465883.gif


ランキングが夏バテ気味? クリックで応援をよろしくお願いします!
ブログランキング・にほんブログ村へ  「ブログ村」の国際政治部門では、おかげさまで開設以来トップです!


d0123476_10141436.gif
ニュース部門でトップです。みなさまのクリック、ありがとうございます!
テクノラティお気に入りに追加する テクノラティはお気に入りブログの更新内容が一覧できて大変便利

d0123476_4274095.jpg
||| 『米流時評』テロ戦争関連特集 |||
•中東核戦争 | •中東のパワーラビリンス | •グローバルウォー | •次世代冷戦時代
•アフガン・タリバンの復活 | •アルカイダ2.0・核のテロ | •パキスタン戒厳令の季節
•テロとスパイ陰謀 | •イラク戦争レポート | •ブッシュと米国政治 | •米大統領選


||| ユーラシアの回廊 特集記事 |||d0123476_12543738.jpg
10/29 アゼルバイジャンで米大使館襲撃テロ発覚
10/22 クルドPKKの橋梁爆破でトルコ軍12名戦死
10/16 ユーラシア大連邦と第三次世界大戦
6/10  ユーラシアの回廊・帝政ロシアの首飾り
6/09  緊急レポート・アゼルバイジャンの秘密
6/08  外交の神業・プーチンのムーンサルト アゼリの切札
6/07  G8サミットのプーチンショック! 米露ミサイル防衛網

[PR]
by ysbee-2 | 2008-08-11 21:48 | ユーラシアの回廊

オセチア紛争-2・南オセチア攻撃で住民1600名死亡!

f0127501_128435.gif

   ||| 南オセチア侵攻で住民1,600名死亡 |||

d0123476_1601886.jpg
グルジア-ロシア間で、南オセチア自治区の覇権抗争がエスカレート

d0123476_18552829.gif[緊急連絡]今回のエントリーは、AP通信モスクワ支局の記者がロシア側から南オセチアの紛争地帯まで出かけて、現場からレポートした9日土曜付けの記事です。従って米国時間で現在10日日曜の時点では、戦況もさらにエスカレート。これまでに確認された死者の数も2,000名以上と増え、ロシア側は陸海空三軍が総攻撃の体制を固めています。

米国メディアの報道も、CNNの報道番組では毎時トップニュースで紛争現場からの戦雲立ちこめる映像を送ってきています。五輪中継放送の独占権を握るNBCネットワークでさえ、系列のニュースサイトMSNBC.comのトップページは、下の写真でご覧の通り。1時間毎に新しい写真に差し変わりますが、グルジア・ロシアの衝突がトップニュースのままで、五輪報道は2番手に。
d0123476_193482.jpg
そんな状況で、このグルジア戦争/南オセチア紛争に関しては、刻一刻と戦況が拡大しています。全メディアから膨大な数の記事がひっきりなしに上がってきていますが、後続の主要記事で日付順に順次紹介して行きますので、継続してお読みいただけますように。なお記事中での括弧内の表記で、この記事以外のテレビのニュースや他のメディア報道から把握した内容を補足してあります。

また昨年6月のG8サミットの最中に、ブッシュとプーチンの間で、グルジアの隣国アゼルバイジャンのレーダー施設を共用する提案が持ち上がった一件があり、その時点でこのコーカサス地域の地政学的背景を解説する記事を書いておりました。特に、ロシアとグルジア、アゼルバイジャンの三角関係は、このコーカサス地域の紛争の基調音となる資源戦争を理解するのにお役に立てそうな内容です。今回のロシア・グルジア紛争の背景を予め把握するためにも、ご一読をお勧めします。
【米国時間2008年8月9日『米流時評』ysbee 記】

『米流時評』参考記事
»» 2007年 6/10号 『ユーラシアの回廊・帝政ロシアの首飾り』
»» 中段 第2章 「ロシア・グルジア・アゼルバイジャンの三すくみ」

»» 2007年10/15号 『プーチン・イランへ核販促カスピ海ツアー』
»» 2007年10/16号 『ユーラシア大連邦と第三次世界大戦の兆候』

__________________________________________________________________
AUGUST 10, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
f0127501_457513.gif

   A P | B R E A K I N G N E W S
ロシア報道:グルジアの南オセチア侵攻で首都市民1,600名死亡
米国時間 2008年8月9日午前4時02分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

d0123476_19231177.jpg
Russia: 1,600 Killed in Georgia Battles

Muslim minority accused of using violent campaign to split from Beijing
AUGUST 8, 2008, 4:20 a.m. | MSNBC News — BREAKING | Translation by ysbee
TBILISI, Georgia — On Friday, an AP reporter saw tanks and other heavy weapons concentrating on the Russian side of the border with South Ossetia — supporting the reports of an incursion. Some villagers were fleeing into Russia.

ロシア陸軍戦車部隊が国境付近に集結
グルジア共和国・トビリシ発 |8日金曜、南オセチア自治区に接するロシア側の国境地帯で取材中のAP通信記者は、ロシア陸軍の戦車や戦闘用車輌が国境付近に集結しているのを目撃したが、これはロシア軍の南オセチア自治区侵攻の情報を裏付けるものである。戦闘が起きている南オセチアの村落住民の中には、国境を越えてロシア側へ避難してきた者も数多い。
d0123476_1605725.jpg
戦闘開始2日目の9日土曜、国境を越えて南オセチア自治区へ侵攻するロシア陸軍の戦闘部隊

2. World distracted by Olympics?

The fighting broke out when much of the world's attention was focused on the start of the Olympic Games and many leaders were on their way to Beijing. Georgia's president Saakashvili, who insists his government's military action was provoked, noted the timing in an interview with CNN. "Most decision makers have gone for the holidays," he said. "Brilliant moment to attack a small country."
世界の目が五輪に向いた間隙の侵攻
今回の南オセチア自治区での戦闘は、世界の関心の焦点が北京オリンピックの開会式へ集中し、主要各国の首脳が北京へ向かっている最中に勃発した。グルジアのミハイル・サーカシビリ大統領は8日金曜、CNNの看板番組である『ウルフ・ブリッツァーのシチュエーションルーム』でインタビューに答え、(グルジアが先に南オセチア自治区へ侵攻したと言われている)開戦のタイミングについて、グルジアの軍事行動はロシア側の挑発行為に対する反撃だと主張し「世界のほとんどの国家首脳が休暇をとっているこの時期を狙って(グルジアや南オセチアのような)小国を攻撃するとは、実に鮮やかなタイミングです」と、ロシアの南オセチア侵攻について痛恨の表情で語った。
d0123476_1614426.jpg
3. Relocation of Georgia troops from Iraq
Georgia has about 2,000 troops in Iraq, making it the third-largest contributor to coalition forces after the U.S. and Britain. But Saakashvili told CNN the troops would be called home Saturday in the face of the South Ossetia fighting. He said Russian aircraft bombed several Georgian villages and other civilian facilities.
イラク配属のグルジア兵2千名を急遽派兵
現在グルジアはイラクへ政府軍2000名を派兵しており、西側のイラク連合軍としては米国、英国に次いで3番目の兵力を駐屯させている重要な戦力だが、グルジアのサーカシビリ大統領は、9日土曜CNNのニュース番組のライブインタビューに答え、政府軍を南オセチアの戦闘地域へ転属するつもりだと国家の方針を明らかにした。サーカシビリ大統領は、ロシア空軍の戦闘爆撃ジェット機がロシアから国境を越えて南下し、グルジア領土内の村落や軍用ではない民間の施設を爆撃したとインタビューで訴えた。
d0123476_16455789.jpg
独立主権を持つ非緩衝地帯である南オセチア自治区へは、最初にグルジアが、同地域で頻発する独立派のテロ活動を掃討するという名目で7日に侵攻し、戦闘が開始されたが、すぐにロシアの全軍体制での反撃を受ける羽目となった。

4. 'Full-scale aggression launched against Georgia'

He said Russian aircraft bombed several Georgian villages and other civilian facilities. "A full-scale aggression has been launched against Georgia," Saakashvili said in a televised statement. He also announced a full military mobilization with reservists being called into action. Seven civilians were wounded when three Russian Su-24 jet bombers flew into Georgia and bombed the town of Gori and the villages of Kareli and Variani, Deputy Interior Minister Eka Sguladze said at a briefing.
「グルジアとの全面戦争を意図したロシアの侵攻」
「ジョージアに対する全面戦争の侵攻が始まった」グルジアのサーカシビリ大統領は、国営テレビで国民にこう訴えた。大統領はまた、自宅待機中の政府軍予備兵に対しても総動員を発令し、ロシアとの全面戦争に直面したグルジアの臨戦体制を表明した。
またエカ・スグラツェ内相からは「ロシア空軍のSu-24戦闘爆撃ジェット3機がグルジア領空を侵犯し、ゴリの町とカレリ、ヴァリアニの2つの村を空から爆撃した。この空爆によってグルジア市民7名が負傷した」と記者会見で発表された。
d0123476_1622870.jpg
5. Georgia accuses Russia's aggression
文字数制限のため英文省略
「ロシア戦闘機がグルジア国内基地を空爆」
スグラツェ内相はさらにその後新たにロシアから4機の戦闘爆撃ジェットが飛来し、往年のソ連の独裁者スターリンの故郷であるゴリの町を空爆したが犠牲者は出なかった模様であると公表した。こうした空襲に恐れをなした住民のある者は、ロシアの領域内へと避難した者もいる。グルジア政府の外相は、ロシアの戦闘爆撃ジェットがグルジア国内のふたつの空軍基地を爆撃したと報告。この結果、数名の戦死者を出し、数機の軍用ジェットが破壊されたと記者発表した。
d0123476_1631871.jpg
グルジア領空を侵犯したロシアの戦闘爆撃機から降下される爆弾。ゴリ、カレリ、ヴァリアニの3町村を空爆

6. Georgia shot down Russian fighter jet

文字数制限のため英文省略
グルジア、ロシア戦闘機を撃墜
グルジア共和国政府のテムール・ヤコバシビリ国務長官は、グルジア領空を侵犯して飛来中だった4機のロシア空軍戦闘爆撃機を、政府軍が地対空砲火で撃ち落としたと発表したが、それ以上の詳細は告げなかった。グルジアの国営テレビ放送 Rustavi-2 テレビ局のニュースでは、ロシア機の空爆を受けたグルジア国内のマルネウリ空軍基地で兵士4名が死亡、5名が怪我を負ったと報道した。
一方ロシア地上軍の広報官イゴール・コナシェンコフ大佐からは、今回の戦闘でロシア軍兵士12名が戦死、30名が負傷したと発表された。しかしながらロシア政府の防衛相は、ロシアの戦闘機がグルジア地上軍の砲撃で撃墜されたというこの朝のグルジア側の戦況報告を否定したが、その後の戦況については何の記者発表も行われていない。
d0123476_1641092.jpg
左:グルジア地上軍の地対空ミサイルで撃ち落とされた、ロシアの戦略用戦闘爆撃機Su-24のエンジン部分残骸
右:グルジア政府軍部から4機撃墜したと発表されたロシア機のパイロットの遺体(写真の右外)とヘルメット


7. Russian convoy of 150 tanks crossed border

Saakashvili said late Friday that about 30 Georgians had been killed "mainly members of the Georgian armed forces." Russia's Defense Ministry said it was sending in reinforcements for its troops in the province, and Russian state television and Georgian officials reported a convoy of tanks had crossed the border. The convoy was expected to reach the provincial capital, Tskhinvali, by evening, Channel One television said.
150台のロシア陸軍戦車部隊越境侵入
グルジアのサーカシビリ大統領は、8日金曜夜「30名のグルジア人が殺されたが、犠牲者は主としてグルジア陸軍の軍属だ」と公表している。一方ロシアの防衛相からは(元来非緩衝地帯の警備兵として派兵していた)この地域の軍隊を強化するために援軍を送る、と発表した内容を裏付けるように、ロシアの国営テレビもグルジア政府高官も同様に、ロシア陸軍戦車部隊の大編隊が国境を越えて南オセチア領土内に侵攻したと報告した。(フルスピードで侵攻する)この大隊は、9日土曜夕刻までには同自治区の州都ツキンヴァリ市中に到達するものと予測されると、チャンネルワンTVのニュースでは報道した。
d0123476_165157.jpg
8. 'We are facing Russian aggression'
"We are facing Russian aggression," said Georgia's Security Council chief Kakha Lomaya. "They have sent in their troops and weapons and they are bombing our towns." Putin warned in the early stages of the conflict that the Georgian attack would draw retaliation and the Defense Ministry pledged to protect South Ossetians, most of whom have Russian citizenship.
グルジア防衛相「ロシアの侵攻と対決」
翻訳中: 以下の段落は明朝アップします。
d0123476_1661644.jpg
砲弾の破片で目を怪我したグルジア政府軍の地上軍部隊兵士。8日午後ロシアと南オセチアの国境検問所で。

9. Aiming the power control in S. Ossetia

Saakashvili long has pledged to restore Tbilisi's rule over South Ossetia and another breakaway province, Abkhazia. Both regions have run their own affairs without international recognition since splitting from Georgia in the early 1990s and have built up ties with Moscow. Relations between Georgia and Russia worsened notably this year as Georgia pushed to join NATO and Russia dispatched additional peacekeeper forces to Abkhazia.
グルジア-ロシア間の南オセチア覇権抗争
翻訳中
d0123476_1665692.jpg
今回の紛争の要因となった南オセチア独立派ゲリラ。彼らのテロ活動を制圧する名目でグルジア軍が先に侵攻した。

10. Moscow, 'vows to protect Russian citizens'

Russia’s President Dmitry Medvedev later chaired a session of his Security Council in the Kremlin, vowing that Moscow will protect Russian citizens. “In accordance with the constitution and federal law, I, as president of Russia, am obliged to protect lives and dignity of Russian citizens wherever they are located,” Medvedev said, according to Russian news reports. “We won’t allow the death of our compatriots to go unpunished.”
メドヴェージェフ「ロシア市民を護る」
翻訳中
d0123476_1675136.jpg
11. Georgia asked U.S. for relocation of the troops
A senior U.S. defense official said Georgian authorities have asked the United States for help getting their troops out of Iraq. The official, who spoke on condition of anonymity because the discussions have been private, said no formal decision has been made on whether to support the departure, but said it is likely the U.S. will do so. Also, Pentagon officials said Adm. Mike Mullen, chairman of the Joint Chiefs of Staff, has reached out to his counterparts in Russia and Georgia, but has not yet connected with them.
イラク駐屯グルジア兵2千名の移動
翻訳中
 [了]
【米国時間2008年8月10日『米流時評』ysbee 訳】
d0123476_168468.jpg

»» 次号 昨年10/16号再掲出「ユーラシア大連邦と第三次世界大戦の兆候」へ続く
d0123476_1023580.jpg

d0123476_7294370.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/8430824
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/8430824

__________________________________________________________________
いつもご愛読いただきまして大変ありがとうございます。みなさまのクリックがブログの活力です。よろしく!
d0123476_12465883.gif


ランキングが夏バテ気味? クリックで応援をよろしくお願いします!
ブログランキング・にほんブログ村へ  「ブログ村」の国際政治部門では、おかげさまで開設以来トップです!


d0123476_10141436.gif
ニュース部門でトップです。みなさまのクリック、ありがとうございます!
テクノラティお気に入りに追加する テクノラティはお気に入りブログの更新内容が一覧できて大変便利

d0123476_4274095.jpg
||| 『米流時評』次世代冷戦特集 |||
• 次世代冷戦時代 | • グローバルウォー | • テロとスパイ陰謀 | • 中東核戦争
• 中東のパワーラビリンス | • アルカイダ2.0・核のテロ | • アフガン・タリバンの復活
• パキスタン戒厳令の季節 | • イラク戦争レポート | • ブッシュと米国政治 | • 米大統領選


[PR]
by ysbee-2 | 2008-08-10 16:12 | グルジア紛争

緊急!グルジア戦争勃発!ロシア軍空爆侵攻!!

f0127501_128435.gif
   ||| ロシア侵攻でグルジア戦争勃発 |||

d0123476_92947.jpg
グルジア戦争勃発!ロシア、南オセチアを空爆、戦車で越境侵略!
ロシア、オセチア独立支援で爆撃侵攻、グルジア人1,400名死亡!


米国時間2008年8月8日午前4時20分 | MSNBC・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee
【グルジア共和国・トビリシ発】 現地時間で4日金曜、ロシアは黒海沿岸で国境を隣接するグルジア共和国の空軍基地を空爆とミサイル爆撃を繰り返し、両国間の全面戦争の口火を切った。
旧ソ連盟邦国だったグルジアが独立する際に、ロシア属領の北オセチアとグルジア属領の南オセチアに二分された非緩衝地帯にあって、グルジア共和国に属する南オセチア自治区を攻撃侵攻した今回のロシアによる侵略行為は、グルジアをバックアップするブッシュ政権の米国と正面から衝突する局面も予測され、今後の経過は予断を許さない。
d0123476_931438.jpg
Russia, Georgia Troops Battle along Border

Hundreds of deaths alleged in region's capital as tanks, aircraft deploy
AUGUST 8, 2008, 2:46 p.m. | MSNBC News — BREAKING | Translation by ysbee
TBILISI, Georgia — Russia sent tanks and reportedly bombed Georgian air bases Friday after Georgia launched a major military offensive Friday to retake the breakaway province of South Ossetia, threatening to ignite a broader conflict.


__________________________________________________________________
AUGUST 8, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
f0127501_16135325.gif

M S N B C N E W S | B R E A K I N G

グルジア戦争勃発! ロシア、南オセチア自治区を爆撃し戦車で侵攻
米国時間 2008年8月8日午前4時20分 | MSNBC・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

d0123476_9315942.jpg
ロシア侵攻に反撃するため南オセチア戦線へ向かうグルジア共和国陸軍を歓迎する地元住民

1. Full-scale war with Russia

Georgia’s pro-Western president said the two countries were at war, while the Bush administration urged both sides to reach a truce and said it was sending an envoy to the region. South Ossetia’s rebel leader Eduard Kokoity claimed there were ”hundreds of dead civilians” in the region's capital of Tskhinvali, Russia’s Interfax news agency quoted him as saying.
ロシアとグルジア間の全面戦争
親米政権として知られるグルジア共和国政府のサーカシビリ大統領は、グルジアとロシア両国は戦闘状態に突入したと公式発表。一方、同国最大の後ろ盾を自認する米国ブッシュ政権は、両国に対し即刻休戦を提示し、同地区への外交使節を直ちに派遣したことを明らかにした。
南オセチア自治区で民族統一独立運動を続けるオセチア独立派のリーダー、エデュアルド・ココイティ氏の報告によると「自治区の首都ツヒンヴァリ市内だけで、すでに数百人の一般市民が死んだ」とロシアのインターファクスニュース社は報道している。
d0123476_9334636.jpg
親米政権として知られ、EU、NATOにも加盟する西側自由主義国家の一員グルジア共和国のサーカシビリ大統領

2. Greater crisis since end of civil war

The fighting is the worst outbreak of hostilities since the province won de facto independence in a war that ended in 1992. The roar of warplanes and the explosions of heavy shells were deafening around Tskhinvali. Many houses were ablaze.
92年内戦終了以来 最大の危機
今回の戦闘開始は、南オセチア自治区がロシアからの分離独立を闘った市民戦争が92年に終結して以来、最大の抗争を記録する、空陸両面での大規模な侵攻作戦である。爆撃戦闘ジェット機の轟音が轟き、ひっきりなしに砲弾が炸裂する爆破音が、南オセチアの首都ツヒンヴァリ周辺に響きわたっている。市内の大部分の家屋は、爆撃にあって炎上している。
d0123476_940094.jpg
ロシア空軍戦略爆撃機の空爆と地上砲撃で南オセチア自治区首都ツヒンヴァリ市は壊滅状態

3. No building left undamaged

"I saw bodies lying on the streets, around ruined buildings, in cars," said Lyudmila Ostayeva, 50, who had fled with her family to Dzhava, a village near the border with Russia. "It's impossible to count them now. There is hardly a single building left undamaged."
目撃者「死体の数えようがない……」
「爆撃を受けた建物や車や、そこら中の路上に死体がころがっているのを見ました」ツヒンヴァリからロシアとの国境付近の村ドゥザヴァへ家族ぐるみで命からがら避難してきたリュドミラ・オスチェヴァさん(50)は、爆撃を受けた首都の様子をこう語る。「今となってはもう、死体も数えようがないでしょう。爆撃を受けずに無事だった家など、ほとんど皆無に近い惨状ですから。」
d0123476_9365591.jpg
7日ロシアの空爆・侵攻を恐れて、グルジア政府軍の誘導で緊急避難する南オセチア住民

4. Devastated regional capitol Tskhinvali

The main hospital in Tskhinvali had ceased functioning and ambulances were unable to reach wounded civilians, the International Red Cross reported. "As a result of many hours of shelling from heavy guns, the town is practically destroyed," Marat Kulakhmetov, commander of Russian peacekeepers in the territory, earlier told Interfax by telephone from Tskhinvali.
自治区の首都ツヒンヴァリ市壊滅
爆撃のためツヒンヴァリ市内の主な病院は機能停止しており、救急車も負傷者の収容に出向くことができない状態であると、国際赤十字連盟では現地の状況を報告している。国際協定により不緩衝中立地帯に指定されていた南オセチア自治区配属ロシア警備軍のマラット・クラフメコフ司令官は8日朝、戦闘箇所のツキンヴァリ市からモスクワのインターファクス社へ、電話で次のように状況を知らせてきた。「数時間にわたる重爆撃の結果、首都ツヒンヴァリは実質的に壊滅した。」
d0123476_16351377.jpg
南オセチア自治区の首都ツヒンヴァリ近郊のドゥザヴァ村で生き残ったロシア警備兵 一夜の戦闘で1500名が死亡

5. Russian artillery shelled capital

Ten Russian peacekeepers were killed and 30 wounded when their barracks were hit in A senior Russian military commander said parts of Russia’s 58th army were outside the capital, where fighting raged between Russian-backed separatists and Georgian forces sent in on Friday to seize it. "Georgian troop positions firing on Tskhinvali and peacekeepers were suppressed by artillery fire and tank units of the 58th Army, which are outside the capital of South Ossetia," said Russian Army Col. Igor Konashenkov.
ロシアの侵攻で包囲された首都
ロシア政府の軍部首脳の発表によると、ツヒンヴァリ市の外周部では、ロシアがバックにつく独立派と同市を制圧するために派兵されたグルジア政府軍との間で激しい攻防戦が展開されているが、ロシア陸軍第58連隊の一部が応戦のために出兵したと報告している。
「グルジア政府軍がツヒンヴァリ市中めがけて大砲を打ち込んだために、緩衝地帯駐屯のロシア軍警備隊はその砲撃で敗北を喫した。そこで南オセチアの首都周辺へ、陸軍第58連隊の戦車部隊を応戦に向かわせたものである。」ロシア陸軍のイゴール・コナシェンコフ大佐はこう発表した。
d0123476_9422459.jpg
150基の攻撃用戦車部隊をはじめ、陸軍の大部隊、空軍爆撃機の空爆で全面戦争を呈する国境地帯

6. 1,400 civilians, 10 Russian troops killed

Ten Russian peacekeepers were killed and 30 wounded when their barracks were hit in Georgian shelling, said Russian Ground Forces spokesman Col. Igor Konashenkov. Russia has soldiers in South Ossetia as peacekeeping forces but Georgia alleges they back the separatists. Georgia's foreign ministry said Russian jets destroyed several Georgian military aircraft and inflicted unspecified casualties.
市民1400名死亡、ロシア兵10名戦死
今回のグルジアの砲撃によって、同市近郊の緩衝地帯に駐屯していたロシアの警備隊側では、死者10名負傷者30名の犠牲を出したと、ロシア陸軍広報官のコナシェコフ大佐は報告している。ロシアは従来から南オセチアには緩衝地帯としての治安を維持するために警備兵を駐屯させていたが、グルジア側の言い分では、この部隊がオセチア独立派を陰で軍事的に支援していたと訴えている。一方グルジア側では、ロシアの戦闘ジェット機が、同地域に飛来したグルジア空軍の航空機を砲撃して破壊、この空中戦で戦死者が出た模様であるとグルジアの外相から報告された。
d0123476_9461089.jpg
街路に張り出された死傷者リストを見入る南オセチア住民

7. Invasion by 150 Russian tanks

It said that Russian aircraft also bombed another base in Bolnisi. Rustavi 2 television says four people were killed and five others wounded at the Marneuli air base. Georgia President Mikhail Saakashvili said 150 Russian tanks, armored personnel carriers and other vehicles had entered South Ossetia from neighboring Russia. “Russia is fighting a war with us in our own territory,” Saakashvili told CNN, calling on Washington to help.
ロシア陸軍、タンク150台で侵入
ロシア空軍の爆撃戦闘機は、首都以外の別のグルジア政府軍基地、ボルニシも爆撃した。グルジア国営放送のRustavi-2テレビ局の報道では、マルネウリ空軍基地で4名が死亡、5名が負傷したと報告している。
グルジアのミハイル・サアカシビリ大統領は、CNNの代表的報道番組『ウルフ・ブリッツァーのシチュエーションルーム』で緊急インタビューを受けたが、ロシア軍は戦車150台をはじめ攻撃用装甲車や輸送用トラックなどの大編隊が、国境を越えて南オセチア自治区へ侵入したと語った。「事態は、ロシアが我が国の領地へ侵入して戦争を始めたということです」と訴え、ワシントンの米国政府に援軍を求めると語った。
d0123476_9473576.jpg
92年の内戦終結以来、空前のロシア軍侵攻作戦で蹂躙される、グルジア国内「非緩衝地帯」の南オセチア自治区

8. U.S. support Georgia's territorial integrity

A White House spokesman said that President Bush and Russian Prime Minister Vladimir Putin had discussed the situation in Beijing, where both are attending the Olympic Games. Bush later pledged U.S. support for Georgia's territorial integrity. "I want to reiterate on his behalf that the United States supports Georgia's territorial integrity and we call for an immediate cease-fire," White House spokeswoman Dana Perino said. "We urge all parties, Georgians, South Ossetians and Russians, to de-escalate the tension and avoid conflict," she added.
米国、グルジアの領土保全を支持
一方ホワイトハウスの広報官は、ブッシュ大統領とロシアのウラジミール・プーチン首相は、共にオリンピク開会式に出席するために訪問中の北京で、今回のロシア・グルジア抗争に関して話し合う予定だと述べた。しかし中国の現地時間で8日午後、ブッシュはグルジアの自国領土保全を支援する米国の立場を強調した。
「ブッシュ大統領に成り代わってお伝えしますが、米国はグルジアの領土保全を支援し、即刻休戦を呼びかけることを強調したいと思います。米国は、グルジア、南オセチア、ロシアと、全ての当事者に対して、緊張を緩和し衝突を避けるよう促すつもりです。」ホワイトハウスのダナ・ペリーノ広報官は、ブッシュの思惑を記者団にこう伝えた。
d0123476_1071852.jpg
7月中旬、度重なるロシア軍の干渉に抗議し、トビリシにある国連の事務所へ現状を訴え出た南オセチア住民

9. Russia blames ethnic cleansing by Georgia

Russian Foreign Minister Sergei Lavrov accused Georgia of driving people from their homes. "We are receiving reports that a policy of ethnic cleansing was being conducted in villages in South Ossetia, the number of refugees is climbing, the panic is growing, people are trying to save their lives," he said.
グルジアの民族殲滅作戦を非難するロシア
一方ロシアでは、のセルゲイ・ラヴロフ外相が「グルジアは自らの領土である南オセチアから住民を追い立てた」と非難する声明を発表した。「南オセチアの村落で、グルジア政府はオセチア人住民の民族殲滅政策を実施していて、圧政から逃れてロシアへ流入する難民の数は増えるばかり。また社会的パニックも強まる一途で、住民は生き延びるのにやっとだという報告を、我が国では受けていた」ラブロフ外相は、以上のように語った。
d0123476_9524245.jpg
民族的にはロシア南端の北オセチア州と同じ民族。戦火を避け避難バスでロシア領内に到着した南オセチアの家族

10. Geographically vital key state

Georgia has allied itself with the West and is pushing for membership in NATO, a bid strongly backed by the Bush administration. It lies at the heart of a region emerging as a vital energy transit route.
コーカサスの地政学的キーライン
グルジアは西側諸国との絆を築いて友好国となり、現在はNATOへ加盟しようと必至であり、その可能性はブッシュ政権によって強力に後押しされている。またグルジアは、カスピ海産出の石油や天然ガスなど、エネルギー資源の輸送路であるパイプラインを通す場所としても、コーカサス地域一体でもっとも重要な鍵を握る心臓部となっていることも事実である。 [了]

【米国時間2008年8月8日『米流時評』ysbee 訳】

»» 次号「ついに出た!北京で米人ツーリスト殺傷事件発生!」へ続く
d0123476_1023580.jpg

d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/8418886
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/8418886

__________________________________________________________________
いつもご愛読いただきまして大変ありがとうございます。みなさまのクリックがブログの活力です。よろしく!
d0123476_12465883.gif


ランキングが夏バテ気味? クリックで応援をよろしくお願いします!
ブログランキング・にほんブログ村へ  「ブログ村」の国際政治部門では、おかげさまで開設以来トップです!


d0123476_10141436.gif
ニュース部門でトップです。みなさまのクリック、ありがとうございます!
テクノラティお気に入りに追加する テクノラティはお気に入りブログの更新内容が一覧できて大変便利

d0123476_4274095.jpg
||| 『米流時評』テロ戦争関連特集 |||
•中東核戦争 | •中東のパワーラビリンス | •グローバルウォー | •次世代冷戦時代
•アフガン・タリバンの復活 | •アルカイダ2.0・核のテロ | •パキスタン戒厳令の季節
•テロとスパイ陰謀 | •イラク戦争レポート | •ブッシュと米国政治 | •米大統領選


[PR]
by ysbee-2 | 2008-08-08 10:20 | グルジア紛争

第2章 民衆に選ばれた皇帝プーチン

f0127501_128435.gif
  ||| 民衆に選ばれし皇帝プーチン |||
d0123476_15442934.jpg
タイム誌「今年の人」プーチン独占インタビュー完訳連載・第2回

エイディ・イグナチウス | TIME誌/モスクワ支局 |『米流時評』ysbee 訳
前号「ザ・プーチン第1章 ツァーリ・プーチンの居城へ」からの続き

プーチンは、世界におけるロシアの役割というものをはっきりと認識している。ソビエト連邦の崩壊は大いなる悲劇であり、特に連邦制度が崩壊するやいなや、2500万人のロシア人同胞が一晩で「外国」に化した旧連邦諸国に封じ込められた事態を、無惨な歴史的事実として受け止めている。しかしだからといって、U.S.S.R.の旧ソビエト連邦を再建しようとか、軍事的政治的冷戦ブロックを再構築しようなどという大それた魂胆はないと言う。
d0123476_15453981.jpg
Vol. 2 – The Elected Czar Putin
Exclusive Interview by Adi Ignatius/TIME Magazine | Translation by ysbee
Continued from the previous issue — He is clear about Russia's role in the world. He is passionate in his belief that the dissolution of the Soviet Union was a tragedy, particularly since overnight it stranded 25 million ethnic Russians in "foreign" lands. But he says he has no intention of trying to rebuild the U.S.S.R. or re-establish military or political blocs.

__________________________________________________________________
DECEMBER 23, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
f0127501_16135325.gif

  w w w . T I M E . c o m

ザ・プーチン第2章 「民衆に選ばれし皇帝プーチン」
TIME誌独占インタビュー連載第2回 | エイディ・イグナチウス/モスクワ支局 | 『米流時評』ysbee 訳

d0123476_15462699.jpg

9. Admiration for Yeltsin and Gorbachev
And he praises his predecessors Yeltsin and Mikhail Gorbachev for destroying a system that had lost the people's support. "I'm not sure I could have had the guts to do that myself," he tells us. Putin is, above all, a pragmatist, and has cobbled together a system—not unlike China's—that embraces the free market (albeit with a heavy dose of corruption) but relies on a strong state hand to keep order.
エリツィンとゴルバチョフを賞賛
プーチンは彼に先鞭をつけた先代エリツィンとその前のミハイル・ゴルバチョフの両大統領に対して、社会制度を破壊して人民の支持を失ったにもかかわらず大いに賞賛する。「もし私が彼らの立場だったら、あんなことをできるだけのガッツを持てるかどうか確信がない」と本音をもらす。この言からも伺えるとおり、プーチンはあらゆる点で「実践主義者」なのである。だからこそ中国のように混沌に陥らず、(官僚機構の政治腐敗は重症ではあるが)自由市場経済を享受しながらも国家の強力な規制に保たれて、崩壊寸前だった社会体制をつなぎ合わせてこれたのだ。
d0123476_1547014.jpg
10. Threats of terrorism by any 'Radicals'
Asked if he'd like to correct any American misconceptions about Russia, Putin leans forward and says, "I don't believe these are misconceptions. I think this is a purposeful attempt by some to create an image of Russia based on which one could influence our internal and foreign policies. This is the reason why everybody is made to believe...[Russians] are a little bit savage still or they just climbed down from the trees, you know, and probably need to have...the dirt washed out of their beards and hair." The veins on his forehead seem ready to pop.
いかなる思想の過激派もテロの脅威に
米国のジョージ・W・ブッシュ大統領と同様、プーチンもまたテロリズムをわれわれの新しい世紀の最大の脅威のひとつと見ているが、彼はイスラム教徒に「テロリスト」のレッテルを貼ることを危惧する。「テロリストは過激派だ」とプーチンは断言する。
「過激派という連中は、どんな(思想)環境でも見受けられる」プーチンはそう言って、最近になってロシアの諜報機関が、ロシアと米国の両方に対して脅威をもたらす「特別の」テロリストを発見したという話題を披露したが、その件に関してはブッシュ大統領にも電話を通じて知らせたそうである。
d0123476_15473398.jpg
11. Sees U.S. as 'command-freak'
What gets Putin agitated—and he was frequently agitated during our talk—is his perception that Americans are out to interfere in Russia's affairs. He says he wants Russia and America to be partners but feels the U.S. treats Russia like the uninvited guest at a party. "We want to be a friend of America," he says. "Sometimes we get the impression that America does not need friends" but only "auxiliary subjects to command."
「世界を指令下におきたい米国」
プーチンが声を大にして言いたかったことは(実を言えば会話の間中しきりにそうしていたのだが)「アメリカ人はロシアの問題に外部から干渉しようとしている」という彼独特の認識だった。プーチンいわく、ロシアと米国は世界の諸問題に対してパートナーでありたいとは思うが、彼が感じるところでは、米国はロシアをパーティーへの招かれざる客のように扱ったというのである。彼はずばりこう説明する。
「われわれはアメリカの友人でありたい。しかし時として、アメリカは友人などまるで必要とせず、むしろ命令の対象としてのお供がいれば、それでいいような印象を受ける。」
d0123476_1551305.jpg
12. Not misconceptions but purposeful disguise
Asked if he'd like to correct any American misconceptions about Russia, Putin leans forward and says, "I don't believe these are misconceptions. I think this is a purposeful attempt by some to create an image of Russia based on which one could influence our internal and foreign policies. This is the reason why everybody is made to believe...[Russians] are a little bit savage still or they just climbed down from the trees, you know, and probably need to have...the dirt washed out of their beards and hair." The veins on his forehead seem ready to pop.
捏造されたロシアのイメージ
そこで逆に取材の側から、ロシアに関するアメリカの誤解について何か正すべき点はあるかと訊ねると、プーチンは身を乗り出してこう言った。「私はそういった考えを誤解だとは思っていない。これはわが国の内政外交の政策方針に影響を与えうる基盤となるように、ロシアのイメージを勝手に創り上げようとした誰かによって、意図的に捏造された企みだと思う。だからそれが、外国の誰もが、ロシア人は未だに少々野蛮だとか、木から降りてきたばかり(の猿人)だとかいう誤ったイメージを信じ込まされている原因だ。よく聞くでしょう、ロシア人の髭や髪から土埃を洗い落とす必要があるとか....」前のめりの姿勢でこうまくしたてたときには、プーチンのこめかみの静脈は今にも破裂しそうにいきり立って見えた。
d0123476_1552267.jpg
13. 'Elected Emperor' by the people
Putin has said that next spring, at the end of his second term as President, he will assume the nominally lesser role of Prime Minister. In fact, having nominated his loyal former chief of staff (and current Deputy Prime Minister) Dmitri Medvedev to succeed him as President, Putin will surely remain the supreme leader, master of Russia's destiny, which will allow him to complete the job he started.
民衆から「選出された皇帝」
来春3月大統領として二期目の任期を終える時点で、プーチンは大統領よりは名義的に軽い役職の首相に納まることになっている。実際、彼の忠実な元側近のトップであり現在の第一副首相であるドミトリー・メドベージェフを、彼のあとを継ぐ次期大統領として指名した。さらにプーチンがロシアの将来の運命を握る首謀者となる最高権威の指導者として、今後も政界にとどまることは確実である。彼はクレムリンでスタートを切った職位に再び戻ることで、首相としての任務を完成することが可能になるだろう。
d0123476_15523537.jpg
14. Guided his nation's remarkable transformation
In his eight years as President, he has guided his nation through a remarkable transformation. He has restored stability and a sense of pride among citizens who, after years of Soviet stagnation, rode the heartbreaking roller coaster of raised and dashed expectations when Gorbachev and then Yeltsin were in charge.
ロシアの目覚ましい変貌を導いた旗手
大統領としての8年間の間に、プーチンは祖国に見違えるような変貌をもたらした。彼は、ロシアの社会体制にふたたび安定をもたらし、一般大衆にロシア人としての誇りと愛国心を呼び戻した。それ以前のゴルバチョフとエリツィンがとり仕切っていた時代は、自由化への期待と失望がローラーコースターのようにめまぐるしく駆け抜け、結果的に国全体が失意の底に落ち込んだソ連崩壊の時代だった。
d0123476_15531654.jpg
15. Workers' salaries doubled since 2003
A basket case in the 1990s, Russia's economy has grown an average of 7% a year for the past five years. The country has paid off a foreign debt that once neared $200 billion. Russia's rich have gotten richer, often obscenely so. But the poor are doing better too: workers' salaries have more than doubled since 2003.
4年間で倍増した労働者階級の所得
財政状態を振り返ると、90年代の低迷を逆転するかのように、この5年間ロシア経済は毎年平均7%の成長を続けた。かつては2千億ドル(約23兆円)近くあった外国からの負債額を、国庫から完済した。ロシア国内の金持ちは、しばしば不正行為を通してだが、以前にも増してさらに巨万の富を築き上げた。しかし、貧しい層もまたロシア経済復興の恩恵に与ったのは事実である。なにしろ労働者の平均収入は、2003年からたった4年の間に倍以上に上昇したのだから。
d0123476_15542674.jpg
ロシアへの移民労働者層も選挙ではプーチンの統一ロシア党を支持 この笑顔は買収して買えるものではない

15. Non-Arab Oil Republic

True, this is partly a result of oil at $90 a barrel, and oil is a commodity Russia has in large supply. But Putin has deftly managed the windfall and spread the wealth enough so that people feel hopeful.
オイルリッチ共和国ロシア
実際こうした現象の原因の一部は、1バレル当り90ドルにまで値上がりした原油価格からの差益がもたらした結果である。石油はロシアが大々的に供給できる天然資源である。この資源を貿易収支のレバレッジに用いて、プーチンはロシアを国家崩壊寸前の瀕死の状態から巧みに救い上げ、国民の全階層が希望を持てるように、国庫の利益から富をあまねくロシアの民衆に配分した功績は大きい。 »» 続く

【米国時間 2007年12月23日 『米流時評』ysbee 訳】

»» 連載の続き(未掲載)
 「ザ・プーチン第3章 ポストモダンのロシアン・ルネッサンス」へ
«« 前号 TIME誌独占会見完訳「ツァーリ・プーチンの居城へ」
»» 次号「きわめて個人的なクリスマスのメッセージ」


d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/6803116
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/6803116

__________________________________________________________________
いつもご愛読いただきまして大変ありがとうございます。ランキングのクリックがブログの活力です、よろしく!
d0123476_12465883.gif

社会経済ニュースでただ今6位です!
f0127501_12134737.gifブログ村の国際政治部門で1位をキープ。みなさまのおかげです!
f0127501_10375846.gif政治経済ニュースでなんとか2位まで。あと7票でトップ!
d0123476_10141436.gifニュース部門でトップです。みなさんのクリックに感謝!
d0123476_9295514.gif
»» 米流時評 特集「ポスト・プーチンのロシア」d0123476_1746245.jpg
序 章 「プーチンの過ぎゆくままに」米国とロシアの『戦争と平和』
第1章 「メドベージェフ登場」プーチン次期後継者を指名
第2章 「明日のプーチン」メドべージェフ、プーチンを首相に逆指名
第3章 「ユーラシア連邦の野望」ポストプーチン時代の予測d0123476_1023580.jpg
第4章 「クレムリンの暗闘」プーチン王朝内部のパワー闘争
第5章 「プーチニズムの踏襲」次世代ロシア時代の到来


||| 『米流時評』 特集シリーズ |||
次世代冷戦時代  | グローバルウォー | イラク戦争 | 中東のパワーラビリンス | テロとスパイ陰謀
ユーラシアの回廊 | プーチンのロシア | ブッシュと米国政治 | サルコジのフランス | EUとNATO
アルカイダ2.0 核のテロ | パキスタン戒厳令の季節 | アフガン・タリバンの復活 | ビルマの赤い川革命
ダイハード中国  | 欧米の見る日本  | トンデモ北朝鮮  | 世界不思議探検 | グローバルビジネス

[PR]
by ysbee-2 | 2007-12-23 16:05 | プーチンのロシア
line

世界の動きがよくわかる!激動する国際情勢を、欧米メディアでディープに読む…世界の「今」と真実探求に関心ある知的冒険者へ送るグローバル情報満載ブログ


by ysbee-2
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30