日中コンセンサス? 全体主義国家への危険な傾斜
||| 日中コンセンサスはあったのか? |||
日本の政治の地殻変動。 新設「国家戦略局」が暗示する全体主義への危険な傾斜
日本の政局に関しては、欧米メディアの記事を翻訳紹介する以外は
米国に住む身であるために、これまではあまり私見は述べなかった。
その私が、今回の民主党政権に関しては沈黙を破ったので、
驚かれた方がかなりいらしたようだ。
しかし、どうしても書かずにはいられないほどの
不安を覚えているのは事実である。
もちろん、公約のひとつひとつを実証検分した訳ではない。
それでも、ショックと言えるほど大きな違和感を覚え、
不安にとらわれたのは、次の2つの点である。
まず第一に、それはもちろん
「国家戦略局」という耳新しい部門の設定。
いったい何を、国家の戦略の対象にするというのか?
米国務省が6月に中国の経済関係者を招いて開催した
「戦略的経済サミット」の戦略とは、まったく意味が違う。
あの時はサミットの名称を「米国と中国が<軍事戦略>で共同路線をとる」と、
とんでもない早とちり、勘違いで解説していた評論家がいて、
何を言い出すのか、と驚いてしまったのだが、
あれは「Strategical=戦略的」と「的」のつく「経済」にかかる形容詞であって、
「strategy=軍事戦略」そのものを指すものではない。
「strategical economy」つまり、両国の抱える経済問題に対して
「戦略的に取り組む」という姿勢を明確にした定義であって、
「軍事戦略=military strategy」とは誰も言っていなかったはずだ。
しかし、今回の民主党が重要視しているらしい全く新しい部門は、
勘違いでも何でもなく、そのものずばり「国家戦略」の部局である。
これがもし、自民党政権のもとに出てきたら、
各国の反応はどうだったろうか?
北京政府も、平壌政府も、
寸分とおかずに、抗議声明を出してきただろう。
「日本の唱える<国家戦略>とは、わが国に対する威嚇攻撃である」と。
しかし、民主党政権に対しては、彼らの反応は180度異なる。
非常に友好的で、これまで明らかにされたすべての政策に対して
諸手を挙げて賛同というか、賞め賛えている。
この時点で、私は鳥肌が立った。
すでに合意済みだったのか、と。
2つ目が、日米同盟の見直しである。
すでに戦後64年も経つのであるから、
もちろん現今のアジアの軍事的情勢を見合わせて、
より現実的な条項に改訂する、というのならわかる。
しかしどうも、鳩山政権は、日本の平和を十重二十重に守り包んできた
この安全保障条約を、できれば廃棄したがっているように見える。
事の重大さがわかっているのだろうか?
ばかばかしいほどわかりやすい例えで言う。
(ややバーチャルではあるが)
ここに1隻の世界最大の軍艦があるとする。
それは世界の7つの海を同時に航行している。
どの海上でも、この船以上に大きな船は存在しないので、
どの国も、この船を攻撃しようとはハナから考えない。
たまに、アルカイダやタリバンの海賊船から、
自爆ボートが体当たりしてくるが、戦艦本体はびくともしない。
この巨大戦艦のデッキには、
その昔戦艦と砲火を交えたことのある3つの国が、
プールサイドのデッキチェアで、のんびり日光浴している。
ドイツとイタリーと日本だ。
外海の荒波に出逢うこともなく、巨艦の上で揺れさえ感じない。
船の運航は船長まかせだが、海賊と闘う必要もない。
海賊退治に船員が出払うと、3国の客人も機関室の釜焚きを手伝わねばならないが
命の安全は保障されている。
何かこう書いてきて、ばかばかしくなってきた。
こんなに判りやすい状況で、日本が守られていることに
気がつかないものだろうか?
米軍基地撤去の件にしても、日本国内からすべての米軍が撤去したら、
某隣国は、ただちに日本へ侵攻し、占領を果たすだろう。
それが杞憂だとおっしゃる方々は、
北朝鮮が何100発ものミサイルを、
どこをターゲットに向けて設置しているか、ご存知なのだろうか?
中国しかり、ロシアしかりである。
それとも民主党は、日本の国旗を上下に二分したように
日本の国土を南北に二分して、
第二次大戦中ナチスの傀儡となったヴィシー政権さながらに
北はロシアへ、南は中国へと、
統治権を委譲するつもりなのだろうか?
はたして、そのための下準備としての「道州制導入」で、
そのための人員確保の、「移民促進政策」なのだろうか?
被害妄想とおっしゃるならば、そうした危惧と恐怖感をもつ
2700万の自民党へ投票した国民に向かって、
誤解を解くための説明と説得を、一刻も早くするべきである。
与党となった民主党は、「国民全体」から
これからの国家の方針に対して、信任を授かる義務がある。
多数党になったから、やりたいようにやるというのでは
幼稚な独裁主義である。
さもないと、他国が攻め込んでくるよりも先に、
世論は対立二分して、日本の国民そのものが分裂する結果を招く。
その時こそ、かつてない強大な軍事力を備え
国土拡張を虎視眈々と狙う、危険な隣国にとっては、
願ってもないチャンスが到来するだけだ。
【米国時間2009年9月5日『米流時評』ysbee】
中国とロシア、早くも鳩山新政権に心理戦仕掛ける。外交姿勢探るため
米国時間 2009年9月7日 | Record China/朝鮮日報 | exciteニュースより
2009年9月5日、韓国紙・朝鮮日報は
「中ロが日本の新政権に打診を始めた」と題した記事で、
新政権を担う民主党上層部は国際舞台での馴染みが薄く、
自民党とは外交政策が大きく異なると見られることから、
中ロが「様子伺い」的な外交戦を仕掛け始めたと環球時報が報じた。
記事によれば、まず、心理戦を仕掛けたのは中国。
4日に予定されていた「日中両国による歴史の共同研究」の発表を、
3日になってから急きょ「技術的な理由で延期したい」と要請。
ロシアも外務省のアンドレイ・ネステレンコ報道官が
3日の記者会見で、北方領土問題について
「民主党の代表、鳩山由紀夫氏が祖父、鳩山一郎元首相のように
正しい選択をするよう望む」と述べ、強烈な一撃を浴びせた。
56年に鳩山元首相が署名した「日ソ共同宣言」には、
4島のうち2島のみを返還することが明記されている。
各国首脳陣も、続々と日本訪問を予定している。
中国の武大偉(ウー・ダーウェイ)外交部副部長は
民主党と北朝鮮の核問題について意見交換を行うため、
7日から4日間の予定で訪日。
韓国からは李明博(イ・ミョンバク)大統領の実兄の
李相得(イ・サンドゥク)議員らが、19日から3日間の予定で日本を訪れる。
10月中旬にはゲイツ米国防長官も訪日し、沖縄基地移転や
海上自衛隊による、インド洋給油活動の延期問題について
話し合うと見られている。
【以上 exciteニュース/Record China より転載】
在中総領事が語る今後「日中関係の強化はコンセンサス」
米国時間 2009年9月14日 | Searchina | exciteニュースより
第5回北東アジア投資貿易博覧会が吉林省の長春市で開催された。
この博覧会や博覧会期間に開催される一連のビジネスイベントに
出席した、在瀋陽 日本国総領事館の松本盛雄総領事は
この日、「チャイナネット」のインタビューに応じ、
日本の新政権の対中政策や地域協力、中国の発展などについて答えた。
記者質問:民主党が与党になってからの対中政策について
松本総領事:8月末の衆議院選挙で民主党が大勝し、
自民党に代わって54年ぶりに政権が交代することになった。
現時点では、まだ新政権は発足していないうえ、
具体的な政策が出てきたわけでもないため、予断はできないが、
私個人としては、外交の継続性なども考慮すれば、
日中関係や日米関係など、主要外交課題に関する政策には
あまり急激な変化は起こらないだろうと考えている。
とりわけ日中関係の重要性については、日本国内にはコンセンサスがあり、
中国との関係強化という点については、新政権も
従来にもまして重視することになろう。
記者質問:北東アジアの地域協力と今回の博覧会について
松本総領事:中国の北東アジア、及び世界における影響力は
ますます大きくなり、その地位もますます重要になっている。
北東アジアにおける地域協力は重要であり、
各国にとってもチャンスとなるものだ。
また、この地域の経済活性化にも有利だと思う。
北東アジアの地域協力については、関係各国が一層関心を高めているが、
注意しなければならないのは、排外的になったり保護主義になったりしないことだ。
また、協力分野は経済だけではなく、文化創造産業など、幅広い分野が考えられる。
【以上 exciteニュース/Searchina より転載】
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