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米流時評

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イスラム革命の迷宮・赤のモスク 序章

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  ||| イスラム革命の迷宮・赤のモスク 序章 |||
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パキスタン反政府ゲリラと学生が、首都中心部赤のモスクを砦に人質2千人と篭城

かなり厳しいニュースである。今回はパキスタンの首都イスラマバード。欧米寄りのムシャラフ政府に反対するイスラム教徒学生と、タリバンの流れを汲むイスラム過激派叛徒とが連合戦線を組み政権打倒を旗印に、首都イスラマバードの寺院 Red Mosque/赤のモスクの広い敷地を占拠して篭城。ここまではどのイスラム圏諸国でも起きる反政府運動だった。
ところが、今回はこれに2千人と推測される女性と子供の人質(支援者と言う説も)が加わったので、政府側は直接攻撃できず1週間手をこまねいて、篭城の指導者に説得戦術を繰り返してきた。
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しかし9日月曜、業を煮やしたムシャラフがついに「降伏か死か」の最後通告を、篭城の叛徒に突きつけた。月曜も夜を撤して人質の家族やイスラム教訓誡師の説得が続いたが、公式の交渉団との電話での話し合いも最後に決裂。篭城側は、要求が通らなければ死を賭して闘うという。かくしてとうとう、政府軍の攻撃用ヘリと、狙撃・爆破の特殊部隊の戦闘タンクが攻撃を開始した。これはまさにパキスタン政府軍とイスラム革命戦線の、首都ペシャワールでの攻防戦である。
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こういう篭城事件が起きるたびに図らずも思い出してしまうのが、70年代初頭の東大篭城に代表される全学連共闘路線の70年安保闘争である。宗教と政治という異質のイデオロギーの差こそあれ、行動の図式としては似通ったものがある。基本的に政府の方針に「断固反対・要求貫徹・打倒○○政権・徹底抗戦」なのである。おまけに仲介役の交渉人を人質にとってしまう点まで同じ戦術だ。
思想抜きに表層を見る限りでは、バリケードを築いてのまさに「学園の要塞化」という方式が共通する。この赤のモスクは、宗教施設としての機能は「マドラサ」という巨大なキャンパスで、男女学生合わせて4千人以上という、イスラム教のマンモス学園なのである。
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何が彼らをここまで過激な行動に走らせ、死を覚悟するまでに追いつめたのだろうか。70年安保の場合は、「米国との安全保障条約の改定(反戦派の言葉では『改悪』)に絶対反対」が大義名分であった。今回のパキスタンの場合は、それほど明確に形をとった標的がまだ見えてこない。欧米の堕落した軟弱文明の排除という通常のお題目からは突出してこない、あまりにも危急な行動である。それはきっと我々が西側のメディアからのみ情報を得ているからで、イスラム圏のメディアではきっと死を賭すのも肯定できるような、宗教的な大義名分がつぶやかれているのだろう。
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ここ2週間ほど事態の進展に伴って散発的にニュースが入ってきてはいたが、ほとんどがAP/共同通信の記事だったので、いつもながら交通事故ニュースのような趣きで真相が見えてこなかった。が、今回の記事はニューズウィーク特約記者の書き起こしで、一応起承転結の態を成しており総ざらい的に判りやすいのではないかと思ったので、2編に分けてご紹介する次第である。
ただし、どうもムシャラフ政権の施策を肯定させようという姿勢が、特に最後部で見受けられるので、そのへんを警戒しながら事実関係をつかみ取るよすがにしていただければ幸いである。
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なぜ私がこの事件を、通り一遍の叛徒騒動として看過できないかという点では2点挙げられるだろう。ひとつは叛徒だけではなく思想的にピュアな(はずの)学生を巻き込み、数多くの犠牲者を出しているということ。つまり彼らムスリムが憧憬する英雄のアイコン「Martyr/殉教者」を、結果的に創造してしまったという事実。今ひとつは、従来のイスラム圏では考えられなかった女性の参加である。赤のモスクをキャンパスとする女子学生が、それこそ竹槍を手にしてこの反政府運動の戦列に着いたという衝撃。散発的な自爆テロを、狂信的イスラム過激派の女性が単独で行った例は数回あるが、これだけ数百人団結して反体制運動の実力行使というのは前例がない。
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これはここ十年あまりのイスラム過激派の活動の中でも革命的な集団行動であり、今後の他国の過激派運動への少なからぬ影響が懸念される。
学生と婦女子。本来なら政府が庇護しなければならない弱い存在の彼らが、なぜ武器をもって政府に立ち向かったのか。きっとまだ西側のメディアには伝わって来ない、深い理由がありそうだ。まずは一連の革命的な運動の起承転結と政府側の対抗策を、記事内容にそってたどってみる。この革命が起爆剤となって、今後のイスラム圏の「Re-Talibanization/タリバン復活」に波及して行かねばいいが、と畏怖せざるをえない。

【米国現地時間 2007年7月10日 「米流時評」ysbee】
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by ysbee-2 | 2007-07-10 21:30 | パキスタン戒厳令の季節
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