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オバマの「パキスタン派兵」発言とイラク戦争批判

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   ||| オバマの問題発言「パキスタン派兵」 |||
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ブッシュのイラク戦争は、米国を誤った方向へ導いたとズバリ指摘
大統領選ライバル候補ヒラリーは発言を「ナイーブ=稚拙」と酷評


d0123476_18552829.gifオバマ対ヒラリーの壮絶な舌戦「War of the Words」の第2ラウンド開幕。
来年11月の大統領選で8年の満期を終えるブッシュ亜プレジデントの後を継ぐ、動乱の世界を牽引する米国大統領選候補の前哨戦では、ブッシュ路線後継者となる共和党候補は一律低調で、今からすでに勝ち目はないように見える。

一方民主党8人の候補は、イラク撤退・外交重視・内政充実と、すべてブッシュ政権と180度反対の方針を打ち出して、6年間の戦争疲労 (精神の金属疲労) をきたした大半の国民には、おしなべて受けがいい。その中でも、特に人気の高いトップ3が、ヒラリー・クリントン、バラク・オバマ、ジョン・エドワーズの3氏である。候補者の詳報は時節を見てじっくり解説する予定だが、今回の記事では特に先週問題となったオバマ氏の「パキスタン出兵」発言を、あらためてクローズアップしてみたい。
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というのも、この発言が単にヒラリー対オバマの論争で終わらずに、8日にメディアが報道したパキスタン・ムシャラフ大統領の「国家非常事態宣言」事件に発展してしまったからである。本来はブッシュ政権の捏造したイラク戦争の事由を批判し、旧来の攻撃目標であったビンラディン以下のテロリストに照準を戻してさっさと戦争を終えるべきという論旨のスピーチが、受けとる側の曲解で他国の元首の行動に影響を与えてしまったこの発言。一体どういう状況で何を意図して発せられた言葉なのかを理解しないと、偏向メディアの「オバマ叩き」の陥穽にまんまとはまってしまう。

d0123476_751549.jpg政治家は、正直ではやっていけないのか?この素朴な疑問の答えを探すためにも、パキスタンの「国家非常事態宣言」のどたばた騒ぎに触れる前に、その原因の一端となった今回の発言問題を振り返って、問題の焦点となった「テロ戦争への協力体制」を掘り下げてみたい。日本でも11月の特措法延長問題を控えていることでもあり、米軍への協力体制を検討する際の、判断材料の一助になるかもしれない。

【米国時間 2007年8月9日 『米流時評』ysbee 記】

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AUGUST 9, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽 園 通 信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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     A s s o c i a t e d P r e s s | A N A L Y S I S

オバマの「パキスタン派兵」発言とイラク戦争批判
米国時間 2007年8月9日 | ワシントン発 AP通信 | 訳:『米流時評』ysbee

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Obama Says He Might Send Troops to Pakistan
Democratic hopeful said Musharraf should do more about terrorists

AUGUST 1, 2007 | Associated Press — WASHINGTON | Translation by ysbee
Democratic presidential candidate Barack Obama said Wednesday that he would possibly send troops into Pakistan to hunt down terrorists, an attempt to show strength when his chief rival has described his foreign policy skills as naive.

オバマ上院議員、テロ戦争におけるブッシュ政権の過ちを非難しヒラリーと対決
ワシントン発 |民主党の大統領候補バラク・オバマ上院議員は「(自分が大統領なら) テロリスト掃討のために多分パキスタンへの派兵もありうる」と1日水曜発言した。これは (従来テロ戦争に弱気だという世評に対抗して) 大統領候補としての強さを誇示しようとする意図での想定を語ったものであるが、この発言に対してライバル候補 (ヒラリー・クリントン上院議員) 側では、オバマ氏の外交政策能力を「ナイーブ (稚拙) だ」と酷評した。
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1. Warned Musharraf's inability
The Illinois senator warned Pakistani President Gen. Pervez Musharraf that he must do more to shut down terrorist operations in his country and evict foreign fighters under an Obama presidency, or Pakistan will risk a U.S. troop invasion and losing hundreds of millions of dollars in U.S. military aid.
オバマ、ムシャラフの不徹底を指摘
イリノイ州選出のオバマ上院議員は、もし氏が大統領になったらばテロ戦争にどう対処するか、という記者の質問に答えて、パキスタンのムシャラフ大統領に対してこう警告を発した。「パキスタンでのテロリストの活動を封殺するし、タリバンやアルカイダ叛徒の外人部隊を検挙するためには、ムシャラフ大統領はもっと気合いを入れてやらねばならない。さもなければ、パキスタンに米軍が直接侵攻して(対テロ効果のないパキスタン政府軍への)何百億ドルもの米国からの軍事費援助を失う羽目になるだろう。」
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2. 'If Musharraf won’t act, we will'
“Let me make this clear,” Obama said in a speech prepared for delivery at the Woodrow Wilson International Center for Scholars. “There are terrorists holed up in those mountains who murdered 3,000 Americans. They are plotting to strike again. It was a terrible mistake to fail to act when we had a chance to take out an al-Qaida leadership meeting in 2005. If we have actionable intelligence about high-value terrorist targets and President Musharraf won’t act, we will.” The excerpts were provided by the Obama campaign in advance of the speech.
「ムシャラフがやらなければ米国がやる」
オバマ氏はウッドロー・ウィルソン・センターでの学術研究者の会合の席で、すでに用意された原稿通りのスピーチを述べた。「ここで (テロ戦争について) はっきりさせておきましょう。いいですか、3千人のアメリカ人を殺したテロリストが、あそこ (パキスタン) の山にひそんでいる。彼らはもう一度、我が国を襲撃しようとしているんですよ。2005年にアルカイダのトップが集合していて叩きつぶせるチャンスがあったのに、それをみすみす見逃したのはとんでもない失態です。もしわれわれにテロリストの大物について実際に即した諜報がもたらされていて、それでもなおかつムシャラフ大統領が行動を起こさないのであれば、我が国がやるでしょう」以上がオバマ氏の選挙運動本部が事前に用意した、スピーチ原稿の抜粋である。
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3. Fueling into the tense rivalry
Obama’s speech comes the week after his rivalry with New York Sen. Hillary Rodham Clinton erupted into a public fight over their diplomatic intentions. Obama said he would be willing to meet leaders of rogue states like Cuba, North Korea and Iran without conditions.
論争の火に油を注ぐ発言
今回のオバマ氏の発言は、大統領選のライバル候補、ニューヨーク州選出のヒラリー・ロッダム・クリントン上院議員が口火を切り先週来続いていた、外交問題に関するオバマ氏との公開の論争に続くものである。これまでの論争の焦点は、オバマ氏側の主張は「キューバ、北朝鮮、イランといった従来敵対関係にある国家に対しても、それらの国の元首と無条件で話し合いに応じる」というものである。
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4. Hillary criticizes 'irresponsible and naive'
That is an idea that Clinton criticized as irresponsible and naive. Obama responded by using the same words to describe Clinton’s vote to authorize the Iraq war and called her “Bush-Cheney lite.”
ヒラリー「無責任で物知らず」と批判
このオバマ氏の外交姿勢に関する意見に対して、ヒラリー・クリントン議員は「無責任で無知だ=irresponsible and naive」と酷評した。オバマ氏はこの批判を受けて立ち「irresponsible で naive なのは、2002年にイラク侵攻を認める側に投票したクリントン議員の方だ」と切り返し、さらに彼女を称して「Bush-Cheney lite=軽度のブッシュ・チェニー路線」とやりこめた。
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5. Surge of Taliban in north-western Pakistan
Thousands of Taliban fighters are based in Pakistan’s vast and jagged mountains, where they can pass into Afghanistan, train for suicide operations and find refuge from local tribesmen. Intelligence experts warn that al-Qaida could be rebuilding here to mount another attack on the United States. Musharraf has been a key ally of Washington in fighting terrorism since the Sept. 11, 2001 terrorist attacks, but has faced accusations from some quarters in Pakistan of being too closely tied to America.
パキスタン北西部でのタリバン復権
何千人ものタリバン戦士は、パキスタンの広大な険しい山岳地帯に陣地を構えていて、彼らはそこからアフガニスタンへと侵入している。またこの拠点を、自爆テロの訓練や地元部族の叛徒の隠れ家には絶好の地の利をもつ、ゲリラ基地として利用している。諜報機関のエキスパートは「アルカイダはその山岳基地で、米国へのさらなる攻撃を再構築する計画を練っているにちがいない」と警告する。
パキスタンのムシャラフ大統領政権は、2001年9月11日のテロ攻撃以来、米国が主導するテロ戦争における重要な鍵となる友軍であったが、パキスタンの一部の地方 (特に北西部国境付近の北ワジリスタン州) では、アメリカに対してあまりにも近寄り過ぎるという非難の声に直面してきた。
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6. Invasion risks destabilizing Pakistan
The Bush administration has supported Musharraf and stressed the need to cooperate with Pakistan, but lately administration officials have suggested the possibility of military strikes to deal with al-Qaida and its leader, Osama bin Laden. Analysts say an invasion could risk destabilizing Pakistan, breeding more militancy and undermining Musharraf.
「米軍侵攻はパキスタンの政情不安を招く」
ブッシュ政権は、ムシャラフ政権を支援し、パキスタンとの協力体制は必須であると事ある毎に強調してきたが、最近になって (ペンタゴンの) 政府高官は、アルカイダとその首領オサマ・ビンラディンに対して直接軍事行動をとる可能性を示唆した模様である。軍事評論家は、米軍の侵攻はパキスタンの政情を不安定にする (destabilizing Pakistan) 危険性があり、反米感情をあおってもっと多くの叛徒を生み、ムシャラフ大統領の権限を失墜させるリスクがあると見ている。
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7. Pakistan warns US as intruder
The Pakistani Foreign Office, protective of its national sovereignty, has warned that U.S. military action would violate international law and be deeply resented. A military invasion could be risky, given Pakistan’s hostile terrain and the suspicion of its warrior-minded tribesmen against uninvited outsiders.
パキスタン、米軍介入は国際法違反と警告
一方パキスタンの外務省では、独立国家としての尊厳を守るべく、万一米国が (パキスタン国内で) 軍事行動を起こせば、それは国際法違反であり、のちのち深く後悔することになろうと警告した。たしかに、パキスタンの山岳地帯は、近代戦を闘うには不利な厳しい地勢であり、昔ながらの武将的存在の地方部族民に対しては、外部からやってきた招かれざる部外者に対する不信感を醸成する危険性をはらむ可能性もあるので、軍事的侵攻はリスクが大きすぎるかもしれない。
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8. Condemnation of Bush in the war on terror
Congress passed legislation Friday that would tie aid from the United States to Islamabad’s efforts to stop al-Qaida and the Taliban from operating in its territory. President Bush has yet to sign it. Obama’s speech was a condemnation of President Bush’s leadership in the war on terror. He said the focus on Iraq has left Americans in more danger than before Sept. 11, and that Bush has misrepresented the enemy as Iraqis who are fighting a civil war instead of the terrorists responsible for the attacks six years ago.
ブッシュの対テロ戦争の不始末を非難
米議会の下院では先週27日金曜に「パキスタン国内でアルカイダやタリバンが活動するのを阻止する目的で、米国政府からイスラマバードのパキスタン政府に対して支払う援助金」を保留する議案を可決した。しかしブッシュ大統領は、まだその議案に署名していない。
オバマ氏のスピーチは「War on Terror=テロ戦争」におけるブッシュ大統領の指導力に対する糾弾である。彼いわく「戦争の焦点を (当初のアフガニスタン戦線を終結しないまま) イラクへ転換したがために、今やアメリカ人は9/11以前よりも危険な状態に直面している」と説く。さらには「6年前に米国を奇襲した張本人であるテロリストグループ、アルカイダの代わりに、現在は(スンニ派対シーア派の)市民戦争を闘っているにすぎないイラク人を、敵と見なすあやまちを犯している」と指摘した。
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9. Pledge on Bush's war in Iraq
“He confuses our mission,” Obama said, then he spread responsibility to lawmakers like Clinton who voted for the invasion. “By refusing to end the war in Iraq, President Bush is giving the terrorists what they really want, and what the Congress voted to give them in 2002: a U.S. occupation of undetermined length, at undetermined cost, with undetermined consequences.”
オバマのイラク戦争批判
「ブッシュはわれわれの使命が何なのかを混乱させる」とオバマ氏は断罪する。さらにはイラク侵攻に対して賛成票を投じたクリントンのような議員に対しても、その責任を問う攻撃を展開する。
「イラク戦争終結を拒否する事によって、ブッシュ大統領はテロリストが真に欲していた状況 (ジハド=聖戦) を与えてしまった。2002年に下院が票決したのも、同じ結果を与えたではないか。無期限の米軍占領と、無制限の軍事予算。しかも戦争目標は特定されないまま....。」
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10. Shift to the 'Right battlefield'
Obama said that as commander in chief he would remove troops from Iraq and putting them “on the right battlefield in Afghanistan and Pakistan.” He said he would send at least two more brigades to Afghanistan and increase nonmilitary aid to the country by $1 billion. He also said he would create a three-year, $5 billion program to share intelligence with allies worldwide to take out terrorist networks from Indonesia to Africa.
「本来の戦場」への軍事シフトを示唆
またオバマ氏は、テロ戦争の一環として次のような施策を掲げる。「もし自分が総司令官 (commander in chief/軍事行動の最終権限をもつ米国大統領の別称) であれば、軍隊をイラクから引き揚げて、彼らをテロ戦争の本来の戦場であるアフガニスタンとパキスタン (の国境付近) に配備します。特にアフガニスタンへは、少なくとも現在よりも2大隊増やして配属するほか、救済資金としてアフガンの国庫に10億ドル (約1,200億円) の非軍事的一般予算援助金を投与します。」  
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11. Brand-new international network of intelligence
He also said he would create a three-year, $5 billion program to share intelligence with allies worldwide to take out terrorist networks from Indonesia to Africa.
グローバルなインテリジェンスネットワーク構築
オバマ氏はさらに、抜本的なテロ戦争対策として、グローバルなインテリジェンス(諜報機関)のネットワークと(情報交換の)インフラを構築する計画を明らかにした。
「またインドネシアからアフリカに至るテロリストのネットワークを撲滅するために、全世界的規模で友好国と諜報機関の情報をシェアできる計画を実現するために、50億ドル (約6000億円) をかけ3年がかりで、新しいインテリジェンスネットワークを構築します。」[了]

【米国時間 2008年8月9日『米流時評』ysbee 訳】

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by ysbee-2 | 2007-08-09 12:50 | 2008年米国大統領選
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