ダイハード中国2・華流ビジネス汚染の構造
暗黒と腐敗の歴史:中国政府自滅の構造、華流ビジネスの真相を探る
2007年8月10日 ワシントン発 |われわれの会話に「チャイナ・モデル (中国式/華流) の台頭」という話題が頻繁にのぼるようになったのは、それほど昔の事ではない。それはまさしく、アメリカンブランドの没落とパラレルな時点で起った。北京の中国政府は、国営経済と自由化社会の併存について、その偉大なる恩恵を世界に喧伝していたものだった。もっともせいぜいが、イラン国内と同程度の自由ではあったが。
Revisiting the China Model
How the tainted-products scandal is exposing Beijing’s true backwardness
By Michael Hirch | NEWSWEEK — Web Exclusive | Translation by ysbee
AUGUST 10, 2007 | Washington — It wasn’t long ago that we were hearing a great deal about the rise of the “China model” and the decline of the American brand. Beijing was spreading its gospel about blending state repression and economic freedoms to societies as far afield as Iran..
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AUGUST 11, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽 園 通 信』デイリー版
N e w s w e e k | MSNBC.com
ダイハード中国・パート2「華流ビジネスと汚染の構造」
By マイケル・ハーシュ | ニューズウィーク・サイト独占掲載 | 訳:『米流時評』ysbee
1. Wonder model of China
In Tehran today, religious conservatives who worry about the durability of clerical rule like to talk about how the mandarins in Beijing managed to quash political dissent after Tiananmen Square by redirecting the popular demands for a better life into a booming economy. Even Raúl Castro, filling in for his ailing brother, Fidel, has seemed interested in rescuing Cuba by adapting China's model of a state-dominated market economy with one-party political control.
飛ぶ鳥を落とす勢いだった中国経済
今日のテヘランでは、アフマディネジャド大統領を始めとするイスラム教原理主義者たちは、イラン革命政府とムスリムの高僧との二重の国家支配について討議する際に考えあぐねると、よく中国政府のやり方が引き合いに出される。北京の中国政府高官が、例の天安門前広場での流血事件以降、政府への反論をどのように制圧し圧殺してきたかという手段について。すなわち、どうしたらよりよい暮らしを求める国民の関心を経済へとそらすことで、空前の経済ブームへと方向転換させられるか、という中国流の施策についてである。
すでに老衰の域に達したキューバのラウル・カストロ将軍でさえ、健康上の問題から実質的な権限を弟に委譲しようとする時点で、一党独裁による国営市場経済に中国式の経済モデルを取り込むことによって、キューバを破綻から救おうと腐心しているように見える。
2. No longer glory China
As recently as late May, the commentator James Mann wrote in the San Jose Mercury News: “As the U.S. model has become tarnished, China's has gained new luster.”
No longer. The tainted-products scandal that continues to bedevil Chinese imports has awakened the world to one of the critical flaws in the China model: without a sophisticated and transparent legal and political system, it may be impossible in the end to compete in the front ranks of developed nations. And without political freedoms, it may be impossible to develop the system that is needed.
地に落ちた偶像「華流ビジネス」モデル
ごく最近でさえ今年5月に、カリフォルニア州サンノゼの経済紙『サンノゼ・マーキュリー・ニュース』の論説委員、ジェームズ・マン氏がこう書いている。いわく「米国式経済モデルが風化しつつある一方で、中国式のそれは新しい栄光をかちえた」
しかし、その定義ももはや通用しない。悪運に見放されたかのように災厄続きの、中国からの輸入品にまつわる汚染製品のスキャンダルのおかげで、「China model=中国式/華流の経済モデル」に潜在していた致命的な欠陥のひとつに、世界の耳目を集めてしまったからである。開発途上国家が経済競争のトップグループの中で勝ち続けようとしても、すべてに公正な磨き抜かれた法と政治の制度が確立していない限り、所詮無理な話なのかも知れない。さらには、現行の社会に必須な政治制度を開発しようとしても、政治的自由が保障されていない限りは、トップを持続するのは実現不可能なのかもしれない。
3. Lack of transparency matters
"For all China’s commercial success, we’re seeing that a lack of transparency about worker safety, product safety and labor rights has clearly kept them from being the so-called wonder model that some have suggested," says Gene Sperling, a top economic adviser to Hillary Clinton. "I think that now that China has become such a global economic force, when reports of their quasi-slave labor practices or horrible product safety are revealed, the stakes are higher for them and the pressure on them is greater.”
幾重にも隠蔽された行政管理の構造
「中国型経済が成功してきたあらゆる局面で見受けられる、労働者の安全管理・製品の安全性・労働者の権利に関する公明正大さの欠如。明らかにこの一因が、一時は「ワンダーモデル=驚異の経済モデル」と呼ばれた中国を、グローバル競争の栄光の座から引きずり下ろした。」こう説明するのは、民主党の大統領候補ヒラリー・クリントン上院議員につく経済顧問のトップであるジーン・スパーリング氏である。
「そのような状態の中国が、こんなふうにグローバル経済の一翼をになう勢力になったということ。しかもその傍らで、ほとんど奴隷に近い強制労働の実態が報道されたり、おぞましい製品の安全性が暴露されたりしたので(多分段ボール肉まんの一件)、中国政府にとっては、この問題がもたらす結果は甚大であり、中国に対する風当たりもかつてないほど厳しいものになっている。」
4. Open economy to free enterprise
In truth, the idea that the “China model” was exportable has always been dubious at best. Yes, the reforms begun by Deng Xiaoping in 1978, when he opened up first the agricultural sector and then other parts of the economy to free enterprise, have been far more enlightened than those of other authoritarian regimes that tried to reform themselves. But the truth is that China has become an export giant for other reasons, principally a policy of extortion of foreign businesses and investors based on the sheer size of its economy.
根本的矛盾:共産国家の資本主義経済
しかし一連のスキャンダルの真相は、「チャイナモデルは輸出できる」という考えそのものが、どうひいき目にみても、常に疑心暗鬼の対象であり続けたということである。たしかに、最初に農業部門を、次に他の部門の改革を図って、国民を自由な起業家へと転換させる施策をスタートした1978年から鄧小平によって始められた中国の経済改革は、政府自体を改革しようと試みた他の全体主義国家の改革よりは、はるかに賢明であった。
しかし、その致命的欠陥は「中国は、まったく別の理由で輸出のジャイアントになってしまった」という点にある。つまり、基本的には外国企業や海外投資家に対して、数の論理をふりかざして「policy of extortion=脅迫外交」で接した実状が招いた結果なのである。しかもその脅しの根拠であり改革の基盤となるはずの中国経済が、実は未だにお粗末な実態だったことも致命的だ。
▶ 後編へ続く「改革を迫られる中国傲慢経済と腐敗の構造」
5. ビジネスでも脅迫外交/6. 数にもの言わせる北京政府/7. グローバル経済で傲慢になった中国/8. 民間企業セクター野放しで汚染垂れ流し
『米流時評』特集:ダイハード中国パート2「華流再考」シリーズ
▶ 8/10号「ダイハード中国パート2・序章 支那式ビジネスモデルと汚染スキャンダル」
▶ 8/11号「ダイハード中国パート2・前編 華流ビジネスと汚染スキャンダルの構造」
▶ 8/12号「ダイハード中国パート2・後編 改革を迫られる中国傲慢経済と腐敗の構造」
▶「2008北京オリンピック反対」のサイトURL:中国の人権蹂躙に抗議・署名受付しています。
http://mid.parfe.jp/kannyo/2008/top.htm
記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/5958092/
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/5958092/
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by ysbee-2
| 2007-08-12 07:43
| ダイハード中国