日本にとってテロ戦争とは何か?特措法、日本のとる道

時評:日本の平和とテロ戦争との見えない距離をさぐる特別措置法
アメリカがくしゃみをすると日本が風邪を引く。これが戦後日本が否応無しに座らされた「自由主義社会」と言う教室での位置である。アメリカの政権が共和党と民主党の間でドッジボールを繰り返す間も、日本では「戦後日本の復興」を旗印に、自民党が常に国会の優位を占め長期安定の国勢をリードしてきた。野党連合が一時期主導権を握った動乱期もあったが、自民党は与党一党としての優位性を何とか継承し続けてきた。
しかし、この夏の参院選では、民主党と言う政界のさざ波を寄せ集めた津波もどきに押し寄せられ、安倍政権の自民党は参院での優位を失い、国会の政局は今後混迷の度を深めて行くに違いないと予測されていた。安倍首相が提唱した数々の戦後政治体制の抜本的改革案の中でも特に国家のスタンスを根底から変えるもっとも重要な提案。それが憲法改定であることは、左右両派を問わず異論のないところであろう。この「戦争放棄」をうたった憲法第九条に手をつけるや否やは、国民の世論をまっぷたつに引き裂くほど、インパクトの大きい案件である。すでに何年も論争が繰り返され、結論が出るまでには今後もまた数年を要するかもしれない。議論は徹底したほうがよい。しかし、ここで緊急問題として浮上してくるのが「テロ戦争特別措置法案」の期間延長問題である。
イラク戦争は石油権益が目的の「ブッシュの侵略戦争」という定義が確立した感があり、当初参戦していた友軍も、スペインが抜け、日本の自衛隊が帰国し、先月は英軍が南部の拠点であるバスラから撤退した。一方、オサマ・ビンラディンのアルカイダとアフガニスタンのタリバンを討伐するという「テロリスト征伐」の大義名分を掲げるアフガン戦線は、まるで21世紀の桃太郎の鬼退治のように、いまだに国際社会でも広汎に支持されている。9/11の仇討ちという感傷的な見地以上に、地球のあちこちでこの6年間ますます増加勃発してきている「グローバルなジハディストのテロ攻撃に対する正当防衛」と解釈されているからであろう。

このグローバルな戦争への加担を、単に米国ブッシュ政権の覇権への合意と短絡してしまうと、将来に必ずや禍根を残すだろう。なぜならテロリストがターゲットとしているのは、アメリカ人だけでなく、われわれ自由主義社会に暮らす市民全員であるからだ。しかもこの敵は、宣戦布告なしに日常生活の一瞬のスキをついて突然襲ってくる。そうした、テロリズムと言う概念の究極の習性も熟知した上で、事前の防衛を検討しなければならない。ニューヨークで、バリで、マドリッドで、ロンドンで.... 一瞬にして人生を奪われたテロの犠牲者たちを無駄死にに終わらせないためにも。
【米国時間 2007年9月12日『米流時評』ysbee】


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▶風光明媚なアドリア海に面したクロアチアの初秋のはしけ
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by ysbee-2
| 2007-09-13 07:17
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