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米流時評

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第6章1 ホワイトハウスのウォーゲーム

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     ||| ホワイトハウスのウォーゲーム |||
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中東核戦争 第6章: シリア対イスラエルの極地紛争は、
湾岸諸国を巻き込んだイラン対米国の中東核戦争に発展するか?


中東核戦争が囁かれるエルサレム、ダマスカス、テヘラン、バグダッド、パリ、
そしてワシントンとニューヨークから、ニューズウィークの国際ジャーナリストが
総力を結集してレポートする中東核戦争の危機「The Whisper of the War」


ニューズウィーク・10月1日号 | 中東危機特集記事 『The Whisper of the War』
執筆陣:ダン・エフロン&マーク・ホーゼンボール/ワシントン|ロッド・ノードランド/エルサレム・中東デスク|クリストファー・ディッキー/ダマスカス・パリ・ニューヨーク|ジョン・バリー/ワシントン・米国本部政治デスク
日本語版『米流時評』特集シリーズ 第6章 囁かれる中東核戦争 | 訳:『米流時評』ysbee
第1部 ホワイトハウスのウォーゲーム/第2部 米国・イスラエルのイラン攻略作戦/第3部 イラン核の反撃戦略


The War Game for the White House
The Whisper of the War-1: A Simulation of Nuclear War Plan
OCTOBER 1, 2007 issue | Newsweek — Special Edition | Translation by ysbee
Authored by Dan Ephron and Mark Hosenball in Washington D.C., Langrey, West Virginia
With Rod Nordland at Newsweek Middle East Desk—Jerusalem, Damascus, Baghdad, Cairo, Istanbul
Christopher Dickey in Damascus, Rome, Paris, New York | John Barry at Washington D.C. Desk


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SEPTEMBER 24, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版第6章1 ホワイトハウスのウォーゲーム_f0127501_6213945.jpg
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  N E W S W E E K S P E C I A L

ホワイトハウスのウォーゲーム:中東核戦争のシミュレーション
米国時間 2007年9月24日 | ニューズウィーク・10月1日号特集 | 訳『米流時評』ysbee



1. Vet on Iran's nuclear program第6章1 ホワイトハウスのウォーゲーム_d0123476_15573427.jpg
OCTOBER. 1, 2007 issue — Sam Gardiner plays war for a living. A former Air Force colonel who helped write contingency plans for the U.S. military, Gardiner has spent the 20 years since his retirement staging war-simulation exercises for military and policy wonks within and on the fringes of government (he keeps his client list confidential). Lately, more of his work has focused on Iran and its nuclear program.
イランの核兵器開発に焦点
サム・ガーディナーにとって、戦争は日常である。米軍の戦略プラン作成に参与したこともある元空軍大尉ガーディナーは、退役以来のこの20年と言うもの、政府内外の軍事・政治のトップクラスの参謀のために、有事の戦争シミュレーションプランを提案することに費やしてきた。(もっとも彼のクライアントリストは極秘事項だが)しかし最近では、彼の仕事はもっぱらイランとその核兵器開発とに焦点が向けられていた。

2. Gardiner's war games
Gardiner starts by gathering various experts in a room to play the parts of government principals—the CIA director, the secretary of State, leaders of other countries—and presents them with a scenario: Iran, for example, has made a dramatic nuclear advance. Then he sits back and watches the cycle of action and reaction, occasionally lobbing new information at the participants.
ガーディナー大尉のウォーゲーム
ガーディナーのゲームは、政府首脳の役割を演じるためのそれぞれの分野でのエキスパートを、ひとつの部屋に駆り集めることから始まる……CIA長官、国務長官、各国首脳……それからおもむろに、彼が練ったシナリオをプレゼンする。一例をとれば、まずイランが核兵器開発で著しい進歩をみたとする、という仮説を投げ与える。それから自分はゆったりと腰を下ろして、一堂に会したメンバーが所属する機関が取るであろう行動や反応を一巡して答えるのを黙って聴き観察する。そして時には、列席したメンバーに新しい情報を投げ返してやる。
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最近ではペルシャ湾岸ホルムズ海峡に常駐する戦略爆撃空母USSアイゼンハワーから発進する戦闘爆撃機ホーネット

3. A simulation scenario
In Gardiner's war games, the conduct of Iran's nemesis, Israel, is often the hardest to predict. Are Israeli intelligence officials exaggerating when they say Iran will have mastered the technology to make nuclear weapons by next year? Will Israel stage its own attack on Iran if Washington does not? Or is it posturing in order to goad America into military action? The simulations have led Gardiner to an ominous conclusion: though the United States is now emphasizing sanctions and diplomacy as the means of compelling Tehran to stop enriching uranium, an Israeli attack on Iran's nuclear facilities could end up dragging Washington into a war.
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しかし、ガーディナーのウォーゲームにあっては、イランの宿敵イスラエルの采配が、時としてもっとも予知し難い部分である。
もしもイランが、来年には核兵器製造のテクノロジーをマスターするだろうと伝えたならば、イスラエル諜報部の高官は、はたして大袈裟な反応を示すだろうか? 
もしも米国政府が動かなければ、はたしてイランに対してイスラエルは単独で攻撃するだろうか? 
あるいは、もしもそうなった場合には、イスラエルの単独侵攻はアメリカを軍事行動へと駆り立てるためのポーズなのだろうか?

核ミサイルを撃墜するインターセプター迎撃ミサイル・アロー

4. Plan B for sanctions and diplomacy
The simulations have led Gardiner to an ominous conclusion: though the United States is now emphasizing sanctions and diplomacy as the means of compelling Tehran to stop enriching uranium, an Israeli attack on Iran's nuclear facilities could end up dragging Washington into a war. "Even if Israel goes it alone, we will be blamed," says Gardiner. "Hence, we would see retaliation against U.S. interests."
経済制裁と外交政策に代わるプランB
こういった戦略シミュレーションは、あるひとつの明白な結論へとガーディナーを導く。たとえ米国が今現在、テヘランのイラン政府がウラニウムの核燃料化を止めさせる手段として、経済制裁や外交の役割を強調してはいても、イスラエルがイランの核施設に対してたった一度でも攻撃すれば、その結果米国政府は、新たな戦争へと巻き込まれる羽目に陥る。「たとえイスラエルが単独で行った場合でも、われわれ米国が非難を浴びるでしょう」とガーディナーは予測する。「なぜならその場合のイランの反撃は、米国の施設をターゲットにするとわれわれは見ていますから。」
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5. Tipping point of Israel's patience?
How far will Israel go to keep Iran from getting the bomb? The question gained new urgency this month when Israeli warplanes carried out a mysterious raid deep in Syria and then threw up a nearly impenetrable wall of silence around the operation.
アラブ諸国の核開発を看過できないイスラエル
イランが核爆弾を手に入れるまで、もしくは爆撃を受けなくて済むまでに、イスラエルはどれだけ辛抱できるだろうか? この問いは、今月イスラエルの戦闘爆撃機がシリア領空の奥深くまで侵犯するという謎の空爆を実行し、しかもその後はその作戦に関して難攻不落の堅固な沈黙の壁を張り巡らす、という時点にいたって、あらためて浮かび上がってきた緊急課題として、火急に回答を求められる状況となってしまった。
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6. Natanyahu chippped off 'the Wall of Silence'
Last week opposition leader Benjamin Netanyahu chipped away at that wall, saying Israel did in fact attack targets in Syrian territory. His top adviser, Mossad veteran Uzi Arad, told NEWSWEEK: "I do know what happened, and when it comes out it will stun everyone." Official silence has prompted a broad range of speculation as to what exactly took place.
イスラエルの沈黙の壁を破ったネタニヤフ
ところが先週になって、現行オルメルト首相のカディマ党に対抗するリクード党の党首ベンヤミン・ネタニヤフが、その沈黙の壁を突き崩し「イスラエルは実際にシリア領空を侵犯して、攻撃目標を爆撃した」と発表。
またネタニヤフのトップアドバイザーであるモサドの退役将校ユズィ・アラッド氏は、ニューズウィークに次のように伝えてきた。「私は何が起ったかをよく知っている。もしその事実が表沙汰になれば、それは誰をも驚愕させるだろう」かくしてイスラエルのかたくなな沈黙は、一体何が起ったのかをめぐって、かえってありとあらゆる憶測が飛び交う事態を招いてしまった。
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先月リクード党の次期首相候補に選出され、首相の座が約束されたも同然のタカ派の元首相ベンヤミン・ネタニヤフ

7. Presentation of North Korea supply
One former U.S. official, who like others quoted in this article declined to be identified discussing sensitive matters, says several months ago Israel presented the Bush administration with reconnaissance images and information from secret agents alleging North Korea had begun to supply nuclear-related material to Syria. Some U.S. intelligence reporting, including electronic signal intercepts, appeared to support the Israeli claims.
イスラエルが提示した核の北朝鮮ルート
きわめて微妙な問題に関するため、この記事内では他人が述べたように身元を伏せてほしいと依頼されたのだが、米国政府の元高官のひとりが次のような事実を語り出した。それはこうである。
イスラエルは数カ月前に、イスラエルの秘密諜報部員が偵察した情報と幾葉かの証拠写真とをたずさえて、ブッシュ政権の首脳陣に対してプレゼンテーションをした。その内容は、北朝鮮が核関連の製造材料をシリアに対して供給し始めた、という疑惑をつきつけた情報だった。たしかに、電波傍受などによる米国側の諜報レポートでも、このイスラエルの主張を裏付けるように思える情報が存在した。
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昨年夏の強硬なレバノン侵攻で批判を浴び、支持率も20%台のカディマ党政権 オルメルト首相とリヴィニ外相

8. Speculation on Syria-North connection
But other U.S. officials remain skeptical about any nuclear link between Syria and North Korea. One European security source told NEWSWEEK the target might have been a North Korean military shipment to Iran that was transiting Syria. But a European intelligence official said it wasn't certain Israel had struck anything at all.
シリアと北の「核のコネクション」疑惑
しかしながら別の米国政府高官たちは、シリアと北朝鮮の間に核のリンクがあることに関して、疑問視している。あるヨーロッパの国家治安関係の消息筋がニューズウィークに伝えるところによると「イスラエルの爆撃したターゲットは、北朝鮮からシリア経由でイランへ輸送されていた軍事物資だったかもしれない」と語った。
だが一方、あるヨーロッパの国の諜報部員は、イスラエルがはたして爆撃を行ったのかどうかさえ、まったくもって定かではないと意見を述べている。» 次号「米国とイスラエルのイラン攻略」へ続く
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2千年前にキリストが彷徨した荒野を思わせる不毛の大地が延々とシリアまで続くイスラエルの領土


【米国時間 2007年9月24日 訳『米流時評』ysbee】

第6章1 ホワイトハウスのウォーゲーム_d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/6235211
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/6235211

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次号 中東核戦争第6章2 「2008年核戦争の冬・チェニーのウォープラン」へ続く
以下「中東核戦争」の記事を連載で掲載しております。なにぶん事態が極めて流動的であり、参考記事も膨大なため、掲出順序やタイトルの変更もございますので、よろしくご了承ください。

||| 中東核戦争 特集記事 |||
第6章1 ホワイトハウスのウォーゲーム_d0123476_8345660.jpg序 章 中東核戦争前夜?急浮上するシリア対イスラエル核紛争
第1章 戦争挑発行為?イスラエル爆撃機のシリア領空侵犯
第2章 シリア対イスラエル 中東核戦争の危機は本物か
第3章 新・ジェリコの闘い イランのミサイル報復作戦
第4章 核のターゲットは駐留米軍 国連とEUの経済制裁
第5章 消された記事『中東代理戦争・シリアvsイスラエル』
第6章 囁かれる中東核戦争
   中東核戦争6.1 ホワイトハウスのウォーゲーム
   中東核戦争6.2 2008年核戦争の冬・チェニーのウォープラン
   中東核戦争6.3 復讐の世紀・中東戦争「核のアルマゲドン」
   中東核戦争6.4 暴かれた大謀略・イスラエルとネオコンの中東核の戦略
第7章 驚愕!原爆搭載機B-52飛行事件は米空軍内のクーデターか?
第8章 ラマダンとヨムキッパー 沈黙の壁を崩したネタニヤフ
第9章 新冷戦中東編 モサドとCIAのニューインテリジェンスウォー


||| 『米流時評』 特集記事 |||
中東のパワーラビリンス 特集 | イラク戦争 関連記事特集 | 安倍首相辞任と総裁選 特集

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異 国 の 海 に は う す 甘 い 風 が 吹 く第6章1 ホワイトハウスのウォーゲーム_d0123476_8505957.jpg

いつもご愛読いただき、大変ありがとうございます。
「ブッシュの戦争」はイラク戦争だけでは終りません。
ネオコンの描いた「中東ニューワールド」の構想では、
初めから、イランが最終のゴールとしてありました。
地図を見れば、アフガニスタンとイラクにはさまれ、
石油利権をめぐるオセロゲームに出たのは一目瞭然。
ブッシュ家とサウディ王室の関係も大きな要因でしょう。


第6章1 ホワイトハウスのウォーゲーム_f0127501_12134737.gifブログ村では国際政治部門でただいま2位です。クリックに感謝!
第6章1 ホワイトハウスのウォーゲーム_d0123476_10141436.gifおかげさまで ニュース部門で1位をキープ。ありがとうございます!
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おかげさまで政治ニュースでベスト10に入ってます。 ぽちっ!
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by ysbee-2 | 2007-09-24 15:57 | 中東核戦争
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世界の動きがよくわかる!激動する国際情勢を、欧米メディアでディープに読む…世界の「今」と真実探求に関心ある知的冒険者へ送るグローバル情報満載ブログ


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