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米流時評

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第6章2 「2008年核戦争の冬」チェニーのウォープラン

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||| 08年核戦争の冬・チェニーのウォープラン |||
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衝撃のスクープ!中東核戦争はイスラエルとネオコンの陰謀だった
シリア対イスラエルの極地紛争は、イラン対米国の中東核戦争に発展するか?

ニューズウィークのジャーナリストが総力を結集してレポートする「The Whisper of the War」をオリジナル翻訳で紹介。前回の記事「ホワイトハウスのウォーゲーム」から連載です。
(翻訳文の無断転載は固くお断りします。ただし「本日の国際情報ヲチ」は例外。)


「またネタニヤフのトップアドバイザーであるモサドの退役将校ユズィ・アラッド氏は、ニューズウィークに次のように伝えてきた。「私は何が起ったかをよく知っている。もしその事実が表沙汰になれば、それは誰をも驚愕させるだろう」かくしてイスラエルのかたくなな沈黙は、一体何が起ったのかをめぐって、かえってありとあらゆる憶測が飛び交う事態を招いてしまった。
……………………………………
米国政府の元高官のひとりが次のような事実を語り出した。それはこうである。
イスラエルは数カ月前に、イスラエルの秘密諜報部員が偵察した情報と幾葉かの証拠写真とをたずさえて、ブッシュ政権の首脳陣に対してプレゼンテーションをした。その内容は、北朝鮮が核関連の製造材料をシリアに対して供給し始めた、という疑惑をつきつけた情報だった。たしかに、電波傍受などによる米国側の諜報レポートでも、このイスラエルの主張を裏付けるように思える情報が存在した。」

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SEPTEMBER 25, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版第6章2 「2008年核戦争の冬」チェニーのウォープラン_f0127501_6213945.jpg
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  N E W S W E E K | S P E C I A L

第6章2「2008年 核戦争の冬」チェニーのウォープラン
米国時間 2007年9月24日サイト掲出 | ニューズウィーク・10月1日号特集記事 | 訳『米流時評』ysbee
執筆陣:ダン・エフロン&マーク・ホーゼンボール/ワシントン|ロッド・ノードランド/エルサレム・中東デスク|クリストファー・ディッキー/ダマスカス・パリ・ニューヨーク|ジョン・バリー/ワシントン・米国本部政治デスク


9. The next 3 months may be decisive
第6章2 「2008年核戦争の冬」チェニーのウォープラン_d0123476_17451441.jpgWhile the Bush administration appears to have given tacit support to the Syria raid, Israel and the United States are not in lockstep on Iran. For Israel, the next three months may be decisive: either Tehran succumbs to sanctions and stops enriching uranium or it must be dealt with militarily. (Iran says its program is for peaceful purposes only.)
2007年:外交か軍事か決断の年
イランに対する協力体制は強固に一致しているわけではないが、ブッシュ政権はイスラエルのシリア空爆に対して、現段階では渋々ながらもある程度の支持を示したように見える。イスラエルにしてみるとこれから先の3カ月が、今後の行く末を決める決断の正念場であるかもしれない。万一イラン政府が、国連の経済制裁を受けてもウラン濃縮の核製造工程をストップしない場合には、イランの核問題は軍事的に対処されなければならなくなる。(イラン側では、自国の核開発は電力供給の平和利用のみに限られていると主張しているが)
トップの写真:今回イスラエルが空爆したと伝えられるシリア北部の爆撃地点にもっとも近い街アルラッカの黄昏 右:夜明けのアルラッカの通りで焼きたてのナン(ユーラシア風パンケーキ)を売る屋台

10. The year of determination — 2007
"Two thousand seven is the year you determine whether diplomatic efforts will stop Iran," says a well-placed Israeli source, who did not want to be named because he is not authorized to speak for the government. "If by the end of the year that's not working, 2008 becomes the year you take action." In Washington, on the other hand, the consensus against a strike is firmer than most people realize.
2007年:外交か軍事か決断の年
「2007年は外交努力でイラン(の核)を阻止できるかどうかが決まる年だ。万一今年の年末までに外交手段でイランが核兵器開発を止めなければ、2008年は軍事行動に出る年になる。」こう断言するのは、イスラエル政府の相当な地位につく高官である。(もっともこの人物は政府を代弁する立場ではないので、名前は公表して欲しくないという希望である)
しかし一方ワシントンの米国政府内では、こうした強硬派の意見とは反対に「イラン攻撃反対」という世論が、大方の予測よりもずっと堅固な意見としてまとまってきている。
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シリアの首都ダマスカス北部郊外の近代的な住宅街 レバノンと同様、文化的にはフランスの影響が濃く残る

11. Pentagon's worry over-stretch
The Pentagon worries that another war will break America's already overstretched military, while the intelligence community believes Iran is not yet on the verge of a nuclear breakthrough. The latter assessment is expected to appear in a secret National Intelligence Estimate currently nearing completion, according to three intelligence officials who asked for anonymity when discussing nonpublic material.
軍事力拡散を危惧するペンタゴン
諜報関係者には「イランはまだ核兵器の端緒にさえも届いていない」と信じられているとはいうものの、ペンタゴンとしては、すでにイラク戦争やアフガン駐留で米軍の兵力がぎりぎりまで層が薄くなっているので、想定されるもうひとつの戦争にまで手が回らなくなることを危惧している。
極秘書類に関する話題なので匿名を希望する3人の諜報機関高官の話によると、後者の場合(新しい戦争)に必要とされる兵力の査定が、近々にNIEの極秘レポートで報告されるものと期待されているそうである。
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米国ではイラク戦争の不評で志願兵の応募率が下がっているため、最高45000ドルのボーナス付きで新兵を募集

12. Iran's pursuit in 2010–2015
The report is expected to say Iran will not be able to build a nuclear bomb until at least 2010 and possibly 2015. One explanation for the lag: Iran is having trouble with its centrifuge-enrichment technology, according to U.S. and European officials.
イランの原爆製造段階は2010〜2015年
ホワイトハウス、ペンタゴン首脳部を含む米国政府中枢へ提出される NIE の極秘レポートには、イランに関する次のような情報が報告されるものと関係者筋では予測している。「イランが核爆弾(原爆)を製造できるようになるのは早くても2010年前後で、現在の進捗状況から推察すれば、多分2015年頃になるだろう。」さらには特記事項として特筆されているだろうこの一行:
「イランは、核燃料の濃縮過程において技術的問題が発生している。」以上の予測は、米国とヨーロッパの政府関係者の一致した見解である。
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メリーランド州ミードにあるNSA本部:国家安全保障局(National Security Agency)はアメリカ国防総省の米国最大の諜報機関 CIA(Central Intelligence Agency)の人的スパイ活動に対しNSAはテクニカルな諜報活動を行う

13. EU follows UN sanctions
Twice in the past year, the United States has won U.N. Security Council sanctions against Tehran. More measures might come up at Security Council discussions later this year, and recently French Foreign Minister Bernard Kouchner warned that European nations might impose their own sanctions.
国連に加えてEUも経済制裁へ
一方、国連でのイラン政府に対する経済制裁決議では、米国は過去においても2度提案し、そのたびに賛同決議を獲得してきた。今年後半に行われる予定の国連安保理での審議会でも、これまで以上のさらなる経済制裁をイランに対して課する案件が提出される予定である。これに加えて、ごく最近(先週)フランスのベルナール・クーシュネル外相が、EU加盟のヨーロッパ諸国も独自の経済制裁案を起案すると、イランに対して警告を発している。
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ドイツとの国境に近いフランス北東部のストラスブールにある巨大なEUの本会議場 総工費480億円で1999年に竣工

14. CIA's strategy of "public diplomacy"
One U.S. official who preferred not to be identified discussing sensitive policy matters said he took part in a meeting several months ago where intelligence officials discussed a "public diplomacy" strategy to accompany sanctions. The idea was to periodically float the possibility of war in public comments in order to keep Iran off balance. In truth, the official said, no war preparations are underway.
There are still voices pushing for firmer action against Tehran, most notably within Vice President Dick Cheney's office. But the steady departure of administration neocons over the past two years has also helped tilt the balance away from war.

世論操作としての「イラン戦争」論
微妙な政情に関する話題なだけに、身元を明かすことを遠慮する米政府高官のひとりは、その間の事情をこう伝える。事の起こりは数カ月前に、イランに対する経済制裁にともなう『パブリック・ディプロマシー=民間外交』政策に関して、諜報機関と政権のトップクラスが討議する会議に、彼も一員として出席したことに始まる。この政策は、イラン社会の安定を揺るがす目的で、周期的に世論に「戦争勃発の可能性」を浮上させるという案であった。しかし実のところ、いかなる戦争に対する準備も計画されている訳ではない、とこの高官は漏らした。
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イラン革命政府軍の精鋭部隊「Qods=コッズ」 特殊な諜報作戦も行う中東でもトップクラスのエリート軍団

15. The most notably hawkish office
There are still voices pushing for firmer action against Tehran, most notably within Vice President Dick Cheney's office. But the steady departure of administration neocons over the past two years has also helped tilt the balance away from war.
最も強硬なタカ派の執務室
しかしながら米政府内では、イラン政府に対してもっと強硬な手段をとるべきだという声も、いまだに聞かれる。そのもっとも顕著な例は、ディック・チェニー副大統領の執務室からあがっている。とはいうものの、過去2年間のあいだに行政府内のネオコンたちは次々と退陣したので、このこともまた、戦争へと傾斜する時勢のバランスから米国を救ってきたとも言えよう。
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バグダッド市内で警備パトロールの合間に、本国から送られたチャリティの品を子供たちに配る駐留米軍兵士

16. Cheney's secret plan
One official who pushed a particularly hawkish line on Iran was David Wurmser, who had served since 2003 as Cheney's Middle East adviser. A spokeswoman at Cheney's office confirmed to NEWSWEEK that Wurmser left his position last month to "spend more time with his family."
タカ派もひるむチェニーの陰謀
イランに対してとりわけ強硬なタカ派路線の政策を推進した代表的高官のひとりに、デーヴィッド・ワームザーがいる。彼は2003年以来チェニーの中近東問題の相談役として、副大統領に仕えてきた人物である。ニューズウィークが副大統領執務室の広報官に問い合わせて確認したところ、ワームザーもやはり「家族と過ごす時間をもっと多く取る」ために、先月の時点で辞職していた。
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【訳者注:「家族との時間を持つため」というのは、ここ最近辞職を願い出たホワイトハウススタッフの常套句となっている。例:大統領政策顧問ダン・バートレット、大統領秘書官カール・ローヴ、大統領広報官トニー・スノウなどがまったく同じ理由で相次いで依願退職。ほかに昨年プレイムゲイト・スパイ身柄漏洩事件で有罪判決を受けた副大統領秘書官スクーター・リビイも】

17. 'Let the war begin'
A few months before he quit, according to two knowledgeable sources, Wurmser told a small group of people that Cheney had been mulling the idea of pushing for limited Israeli missile strikes against the Iranian nuclear site at Natanz—and perhaps other sites—in order to provoke Tehran into lashing out.
チェニーの「中東核戦争プラン」
また別の二人の消息筋によると、辞める数カ月前に、ワームザーは彼の周辺のほんの一握りの人物たちに、次のような話しを漏らしていたそうである。
チェニーは「イラン国内のナタンツにある核施設をイスラエルに限定ミサイルで攻撃させるようけしかける(pushing for)」という考えに取り憑かれている、とこぼしていたそうである。しかもそのターゲットはナタンツだけでなく、多分他の施設も攻撃目標としていたらしく、攻撃の本当の目的は「イラン政府を戦争へと駆り立てるためだ」というものであった。  » 次号へ続く
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21世紀版「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 」提供WH

【米国時間 2007年9月25日 訳『米流時評』ysbee】

第6章2 「2008年核戦争の冬」チェニーのウォープラン_d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/6242761
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/6242761

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次号 中東核戦争 第6章3 復讐の世紀・中東戦争「核のアルマゲドン」へ続く

||| 中東核戦争 特集記事 |||
第6章2 「2008年核戦争の冬」チェニーのウォープラン_d0123476_8345660.jpg序 章 中東核戦争前夜?急浮上するシリア対イスラエル核紛争
第1章 戦争挑発行為?イスラエル爆撃機のシリア領空侵犯
第2章 シリア対イスラエル 中東核戦争の危機は本物か
第3章 新・ジェリコの闘い イランのミサイル報復作戦
第4章 核のターゲットは駐留米軍 国連とEUの経済制裁
第5章 消された記事『中東代理戦争・シリアvsイスラエル』
第6章 囁かれる中東核戦争
   中東核戦争6.1 ホワイトハウスのウォーゲーム
   中東核戦争6.2 2008年核戦争の冬・チェニーのウォープラン
   中東核戦争6.3 復讐の世紀・中東戦争「核のアルマゲドン」
   中東核戦争6.4 暴かれた大謀略・イスラエルとネオコンの中東核の戦略
第7章 驚愕!原爆搭載機B-52飛行事件は米空軍内のクーデターか?
第8章 ラマダンとヨムキッパー 沈黙の壁を崩したネタニヤフ
第9章 新冷戦中東編 モサドとCIAのニューインテリジェンスウォー


||| 『米流時評』 特集記事 |||
中東のパワーラビリンス 特集 | イラク戦争 関連記事特集 | 安倍首相辞任と総裁選 特集

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異 国 の 海 に は ほ の 甘 い 風 が 吹 く第6章2 「2008年核戦争の冬」チェニーのウォープラン_d0123476_8505957.jpg

いつもご愛読いただき、大変ありがとうございます。
「ブッシュの戦争」はイラク戦争だけでは終りません。
ネオコンの描いた「中東ニューワールド」の構想では、
初めから、イランが最終のゴールとしてありました。
地図を見れば、アフガニスタンとイラクにはさまれ、
石油利権をめぐるオセロゲームに出たのは一目瞭然。
ブッシュ家とサウディ王室の関係も大きな要因でしょう。


第6章2 「2008年核戦争の冬」チェニーのウォープラン_f0127501_12134737.gifブログ村では国際政治部門でただいま2位です。クリックに感謝!
第6章2 「2008年核戦争の冬」チェニーのウォープラン_d0123476_10141436.gifおかげさまで ニュース部門で1位をキープ。ありがとうございます!
第6章2 「2008年核戦争の冬」チェニーのウォープラン_f0127501_10375846.gif政治部門にチャレンジです。20位から一歩ずつ上がってます。よいしょっ!
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おかげさまで政治ニュースでベスト10に入ってます。 ぽちっ!
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by ysbee-2 | 2007-09-25 15:01 | 中東核戦争
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世界の動きがよくわかる!激動する国際情勢を、欧米メディアでディープに読む…世界の「今」と真実探求に関心ある知的冒険者へ送るグローバル情報満載ブログ


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