軍政府のメッセージは国連対策とスーチー逮捕の罠
特使のメッセージはミャンマーの国連対策とスーチー女史逮捕のワナ
ワシントン発 |ミャンマーは1962年以来、軍部によって独裁制が敷かれている。近年の軍事政権は、1988年の民主化運動による人民蜂起を武力で弾圧して以来、権力の座についた政権である。その後1990年にスーチー女史の率いるNLD(National League of Democracy=民主国民連盟)が、総選挙で勝利を収めたが、軍首脳部はこの結果を受け入れるのを拒否して、強引に権力の座に居座った。スーチー女史はこれまでの18年間のうち12年間近くを、自宅監禁状態で過ごしているが、91年には彼女の民主化運動への貢献に対して、ノーベル平和賞が贈られた。
Message from Junta, a Psychological Ploy
Tricky trap to put Suu Kyi into guilty plea, no concession in sight
OCTOBER 5, 2007 | REUTERS / Associated Press | Translation by ysbee
WASHINGTON — Myanmar has been ruled by the military since 1962. The current junta came to power after routing the 1988 pro-democracy uprising. Suu Kyi’s party won elections in 1990 but the junta refused to accept the results. Suu Kyi has spent nearly 12 of the last 18 years under house arrest and was awarded the 1991 Nobel Peace Prize for her democracy campaign.
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OCTOBER 6, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版
R E U T E R S | Associate Press
独裁政権の使者と化した無機能な国連安保理・後編
米国時間 2007年10月5日 | ロイター通信/AP通信 現地特派記者 | 訳『米流時評』ysbee
Georgetown University Myanmar expert David Steinberg added that “it is very difficult to see how that will be productive because basically he has asked Aung San Suu Kyi publicly to surrender before the meeting takes place. “You could say it’s a psychological ploy and at the same time it’s very clear that the military is not making any concessions," Steinberg said.
会談への条件は心理的撹乱戦術
ワシントンのジョージタウン大学でミャンマー問題を研究するエキスパート、デーヴィッド・スタインバーグ氏は、専門家として次のような見解を述べている。「今回持ち出された会談がどういう結果を生むかについて予測するのは、たいへん難しいです。なぜなら(国連特使が伝えている政府側のメッセージを読む限り)基本的にタンシュウェ将軍は、会談の始まる以前の段階で、アウンサン・スーチー女史に対して、「公式に降伏=publicly to surrender」するように呼びかけているわけですから。声明を読めば誰でも、これが心理的撹乱戦術にすぎないのがわかりますし、また同時に政府軍は弾圧の手を一分も緩めていないということが、ありありと現れていますよ」スタインバーグ氏は、国連特使が持ち帰ったタンシュウェ将軍のメッセージをこう解釈した。
下:オーストラリア、シドニーの中心街で「ビルマに自由を」の横断幕を先頭にデモ行進の在豪ビルマ人と市民
7. Diplomatic pose to cover China's position
The diplomatic moves by the military leaders appeared aimed at staving off economic sanctions while also pleasing giant neighbor China, which worries the unrest could cause problems for the 2008 Beijing Olympics.
北京五輪を控えた中国の立場を考慮
今回の軍事政権独裁者による外交上の動きは、国連の経済制裁を回避するためのポーズとみなされている一方、「関連国家の政情不安が2008年北京オリンピック開催に問題を引き起すことを怖れる」隣国の巨大国家中国のご機嫌をとる目的で公開されたものと解釈されている。
右:ムスリム教徒が8割以上のインドネシアでもビルマ人僧侶が先頭になって弾圧への抗議デモを首都で展開
8. Hardhead bonk China
Many governments have urged stern U.N. Security Council action against Myanmar, but China and Russia have ruled out any council action, saying the crisis does not threaten international peace and security. “No international imposed solution can help the situation,” China’s U.N. Ambassador Wang Gunagya said Thursday.
中国「国連介入は内政干渉」を固執
国連加盟国の多くは、安保理事会に対して、ミャンマー政府に対する厳しい制裁を期待している。しかし主要メンバーである中国とロシアは、安保理UNSCのいかなる制裁に対しても、これまでは反対投票によって否決してきた。「いかなる国際的提案も(ミャンマーの)状況を改善することはできない」中国の国連代表ウォン・グンアギャ氏は4日木曜の段階で中国の見解をこう表明した。
9. Yangon today
Life in Yangon was slowly returning to normal but security remained tight in downtown areas where protests were crushed last week. A half-dozen military trucks were stationed near the Sule Pagoda, a flash point of the unrest. The typically busy area around the city's famed Shwedagon Pagoda was eerily quiet, with residents avoiding the area outside the temple where monks were beaten by troops. The Assistance Association for Political Prisoners, a Thailand-based dissident group, said more than 250 protests have been taken place in Myanmar since Aug. 19.
怒りを内に秘めるヤンゴン市民
ヤンゴン市内の日常生活は、徐々に正常な状態に戻りつつある。しかし、先週デモ隊が政府軍の弾圧にあった市街区の中心部では、いまだに治安部隊が強固な警備体制を敷いている。騒擾の発火地点となったスーレー・パゴダ(寺院)の周辺には、5〜6台の軍用トラックが常駐している。ヤンゴン最大の名所シュウェダゴン・パゴダ周辺の、いつもなら人通りの激しい界隈も、気味の悪いほどの静けさで人気がない。先週僧侶たちが政府軍の兵士に暴行された挙句に連行された僧院の周辺を、近隣の住民は避けて通っているようだ。
タイに本部をおく反政府団体 The Assistance Association for Political Prisoners=ビルマ政治犯援護組織が、これまでの民主化運動のデモをふりかえった数字を総括して発表したが、そのデータによると8月19日以来ミャンマー国内で展開された抗議行動は、全部で250以上にのぼるという。
記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/6343786
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/6343786
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by ysbee-2
| 2007-10-06 18:51
| ビルマの赤い川革命