英語を教えたアフガン少年をタリバンが虐殺
アフガニスタン・コースト発 |15日木曜、アフガニスタン東南部で「英語を教えている」という理由で16才の少年がタリバンゲリラに射殺されたと現地警察から発表された。近年タリバンゲリラは、イスラム教の教えに反すると過激派が解釈する「男女共学」の公立の学校に通っているというだけの理由で、一般人の教師や生徒を殺害している。
Taliban Kill Afghan Boy for Teaching English
Teen dragged out of school in southeastern Afghanistan and shot dead
NOVEMBER 15, 2007 | REUTERS — AFGHANISTAN | Translation by ysbee
KHOST, Afghanistan — Taliban militants shot dead a teenage boy in southeastern Afghanistan for teaching English to his classmates, police said on Thursday. Taliban militants have killed a number of teachers and students in recent years for attending government-run schools, taking part in classes for girls or what the hardline Islamist militants consider un-Islamic subjects.
トップの写真は爆撃を受けた廃墟のようですが、これでも現役の学校です。アフガニスタンは回教国であるため、元来イスラム教の僧院「マドラサ」が「学校」に該当する教育施設でした。しかし9.11以降のテロ戦争第一波のアフガン侵攻で、イスラム強硬派(Islam fundamentalists)のタリバン政権が駆逐され、2002年にカルザイの親米政権が誕生しました。以来教育システムにも民主化・中央集権化が導入され、タリバン体制下では禁じられていた婦女子の教育も復活し、男女共学が実現しました。
またアフガニスタンに対しては、米国だけでなく自由主義世界各国から戦後復興資金への助成金が送られてきました。しかし、米軍がその主力をイラク戦争に投入してからは、アフガンの防衛体制も手薄となり、歴史的に自治意識の強い辺境地区では昨年来タリバン勢力の復活が著しく、せっかく民主化が進み男女共学が実現したにもかかわらず、新設の公立小中学校がテロ攻撃の対象になってきています。アフガニスタンでは、テロ戦争はまだ終わっていません。むしろパキスタンとの国境地帯では、2001年開戦の年に次ぐ戦死者を数え、戦闘状態は日々激化しているのが現状です。
【米国時間 2007年11月15日 『米流時評』ysbee 記】
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NOVEMBER 15, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版
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タリバン「英語を教えた」とアフガン少年を教室から連行し射殺
米国時間 2007年11月13日 | ロイター通信/アフガン特派員 | 『米流時評』ysbee 訳
Armed men arrived at the school in the Sayed Karam district of Paktia province and grabbed a 16-year-old student and dragged him outside. "Taliban militants took the boy out and killed him outside the school just because he was teaching English to his classmates," said General Esmatullah Alizai, the police chief of Paktia province.
英語を教えたと言う理由で殺害
アフガニスタン東南部パキタ州サイード・カラム地区の学校に武装した数人の男が乱入し、16才の学生を捕まえて校舎の外へ引きずり出した。「クラスメートに英語を教えていたからという、たったそれだけの理由で、タリバンのゲリラが少年を表に連行して校舎の外で殺した。」パキタ州軍警察の署長エスマチュラ・アリザイ司令官は、こう発表した。
2. Gun battle killed 2 policemen, 2 militants
he said. Although a Taliban spokesman denied the group was involved in the killing, the militants often deny carrying out unpopular actions. The Taliban are divided into a number of factions with no unified command and individual units act with a high degree of autonomy.
銃撃戦で警官2名ゲリラ2名が死亡
記者発表で伝えるところでは、その後通報を受けた現地の警察が学校に駆けつけ銃撃戦となり、警官とゲリラ双方に2名の死者を出した。タリバンの広報官はこの少年殺害に関してかかわっていないと発表したが、タリバンはしばしば世間に嫌われるような行動を否定する前例がある。タリバンは、数多くの派閥に分かれ、命令形態が一本化しておらず、個々のグループは国境地帯の民族自治区の長老と連合している。(辺境各自治区の傭兵化)
3. To overthrow pro-Western government
Afghanistan has suffered from two years of steadily rising violence as the Taliban have reignited their campaign to overthrow the pro-Western Afghan government and eject foreign troops. Taliban insurgents suffer heavy casualties whenever they engage with foreign troops, but there are few signs they are suffering from a shortage of recruits. Both the number of clashes and their geographical range has gone up this year.
親米カルザイ政権支持者を虐殺
アフガニスタンはこの2年間、急激に復活してきたタリバン勢力の襲撃事件が頻発している。彼らの戦略上の最終目的は、西欧寄りのカルザイ政権を放擲し、米軍主導NATO連合軍を国外に追い出すことである。外国軍部隊との戦闘のたびに、タリバン勢力は手ひどい戦死者を出してきたが、新兵を募集するにあたっては何の影響も及ぼしていない。むしろ、戦闘回数と彼らが制圧した地理的領域は、今年に入って逆に急増している。
4. 7,000 Afghans killed in this period
On Wednesday, a British soldier was killed in an explosion in the Sangin district, further north in Helmand province, the British Defence Ministry said. More than 7,000 people have been killed in that period, the bloodiest since Afghan and U.S.-led forces toppled the Taliban for refusing to give up al-Qaida leaders in the wake of the September 11, 2001 attacks on the United States.
今年に入ってから死者7千名
同じく14日水曜、ヘルマンド州の西院北部サンギン地方で爆発があり、英国兵1名が死亡したと、英国防衛相から発表された。
アフガニスタンでは、今年に入ってからタリバン側に7千名の戦死者を出している。これは、2001年9月11日の米国同時多発テロ事件以降、アルカイダ幹部と断絶することを拒否したタリバン政権が、アフガン・米軍の共闘戦線の攻撃で陥落して以来最大の戦死者数である。
【米国時間 2007年11月15日 訳『米流時評』ysbee】
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by ysbee-2
| 2007-11-15 12:48
| タリバニスタン最前線