緊急NIE衝撃レポート1「さらば、イラン戦争」
やはり米国史上最悪の亡国の政権だったブッシュのホワイトハウス
新しいNIEレポートで解消したイラン戦争懸念と浮上した陰謀疑惑
ニューズウィーク・サイト独占掲載 | マイケル・ハーシュ時評 |『米流時評』ysbee 訳
米国時間 2007年11月4日 |「イラン戦争なんか忘れることだ」それが、今回新たに発表されたNIE/National Intelligence Estimate(国家情報評価)の大意である。
レポートによると、イラン政府は原爆(Bomb)など造ってはいなかった。しかしながらこの報告書が与えた衝撃は、核爆発と同じくらい強烈なショックウェーブを残した。ともかく、この衝撃のレポート公開後の勝者と敗者を一瞥してみよう。
Forget War With Iran — Part 1
Newly-found winners and losers after the NIE report on Iran's nuking
By Michael Hirch | NEWSWEEK — Web Exclusive | Translation by ysbee
NOVEMBER 4, 2007 — 'Forget War With Iran.' That's the main implication of the startling new intelligence estimate that Tehran isn't working on a bomb. But the long-term impact is just as significant. A look at the winners and losers.
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DECEMBER 5, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版
N E W S W E E K | W E B E X C L U S I V E
緊急時評:NIE衝撃レポートPART 1 「さらば、イラン戦争」
米国時間 2007年12月4日 | マイケル・ハーシュ/ニューズウィーク | 『米流時評』ysbee 訳
President Bush, in his news conference today, said "nothing's changed" about the U.S. approach to Iran. On the contrary, everything has. What the U.S. president failed to acknowledge was that there had been an earthquake in Washington, which came in the form of this week's new National Intelligence Estimate (NIE) on Iran.
NIEレポートでホワイトハウス直撃の大地震
今日4日火曜のホワイトハウス記者室での記者会見で、ブッシュ大統領はイランに対する米国の今後の外交姿勢(approach)に関して、いみじくも「何の変化もない」と言い放った。しかし、実際にはその言とはまったく裏腹に、全てが変わってしまったようである。
米国の大統領ともあろう者が認識し損ねた事柄とは、現在ワシントンに地盤をくつがえすような大地震が起っており、その震源地はホワイトハウスで、原因は今週発表されたイランに関するインテリジェンスの集大成「NIE/National Intelligence Estimate=国家情報評価」の内容が巻き起こした衝撃波によるものだ、という事実である。
The most immediate impact is that the NIE resolved the big question hanging over the last 12 months of Bush's troubled tenure as president: will he attack Iran?
The answer now is almost certainly no.
イラク戦争後の最大の疑問
12月3日月曜に公開された内容の中でも、もっとも衝撃の大きかったのは次の一点であろう。
「ブッシュの問題の多い大統領としての手腕のおかげで、この1年間(米国のみならず世界に)投げかけられていた最大の疑問に対して、NIEはまさにその回答となった」米国民の上に暗雲のように覆いかぶさっていたその疑惑とは、「ブッシュは果たしてイランを攻撃するのか?」という疑問である。ところが、その答えが今や与えられたのだ。そしてその回答は、ほとんど間違いなく「NO」である。
The report also means that a host of international actors who are not necessarily friendly to America—from Iranian President Mahmoud Ahmadinejad to Russia's Vladimir Putin to Mohamed ElBaradei, the controversial head of the International Atomic Energy Agency—come out looking like winners. America's reputation in the world is the biggest loser.
世界に冠たる敗者
今回の報告書は、この大きな疑問への回答の他にも、アメリカにとっては必ずしも友好的とは言えない連中……イランのマフムード・アフマディネジャド大統領から、ロシアのウラジミール・プーチン大統領や問題発言の多い国連原子力監査委員会 IAEAのモハメド・エルバラダイ会長にいたるまで……ブッシュ政権に対抗する側の全員が、まるで勝者のように見える結果をもたらした。
世界におけるアメリカの実績は、今や「最大の敗者」に他ならない。
Most importantly, the new NIE means that the case against Tehran that Bush was busily building up as recently as Oct. 17, when he warned that Iran could start "World War III" if it obtained the bomb, will now be resolved through slow and subtle diplomacy, not war. (That's assuming the Israelis don't act on their own.)
イランの核兵器開発への疑惑が解消
こうした騒ぎの中でも注目するべきもっとも重要な事実は、NIEの報告は、ごく最近の例ではほんの先月行なわれた記者会見の内容、つまり「万一イランが核兵器を保有したら、第三次世界大戦を惹き起こす危険性がある」とブッシュが10月17日に記者発表で世界に警告を発した事実で代表されるように、ブッシュがあくせくと積み重ねてきたイラン政府に対する核兵器開発の疑惑が、間もなく解決を見るだろうということである。
しかも、緩慢ながらも外交手段を介して、戦争という手段をとらずに。(もっともこの場合、イスラエルが独自に行動(先制攻撃)を起こさない、という前提の元でだが)
In 2005 America's 16 intelligence agencies allowed Bush to keep that "option on the table" by concluding with "high confidence" that Iran was "determined to build a nuclear weapon." Now the spy agencies have concluded with the same "high confidence" that Tehran halted its nuclear weapons program—to the extent it had one—back in 2003.
米国諜報機関の相反するレポート内容
2005年の段階では16を数える米国の諜報機関の統合諮問機関NIC(National Intelligence Council=国家情報会議)が提出したある報告によって、ブッシュは(先制攻撃・核兵器使用をも含む)「あらゆる選択肢」を外交のテーブル上にそろえる状況が可能だった。その報告とは「イランが核兵器を製造する方針を決定した」という情報を「確信を持って」結論づけたNIEの内容であった。しかし今や米国のスパイ諜報機関の情報会議NICは、イラン政府が核兵器開発計画を廃棄したと、当時と同じ程度の「確信を持って」報告するのである。それがいつの事かというと、なんと2003年にさかのぼった事実なのである。
While the president said yet again Tuesday that "all options" remain open to him, the new NIE's conclusion suggests that another war would be not only foolish but probably an impeachable offense. In addition, the president will not now be able to marshal the public support he needs for another conflict.
新たな軍事行動を許さない世論
12月4日火曜の記者会見では、ブッシュ大統領はいまだに「すべての選択肢」がまだ彼の手中に残されていると言い張っている。しかしながらその一方では、今回の新しいNIEレポートの結論では「米国のもうひとつの戦争という考えは単にばかげているだけでなく、今度は多分「Impeachable Offense=弾劾されるべき軍事行動」となる可能性がある、とまで示唆している。おまけに大統領にはもう、さらなる紛争を起こすのに必要な米国一般大衆の支持を得るための、緊急手段は残ってはいないのである。
All of this may be just the result Bush was looking for, since he knew he would be facing a full-scale rebellion in the Pentagon if he undertook such an action, possibly even the mass resignations of his defense secretary, CENTCOM commander and director of national intelligence.
防衛・諜報機関のソフトクーデター
これらすべての事柄は、もしかしたらブッシュが探し求めていた結論かも知れない。なぜなら、もし万一彼がそのような(イラク戦争の開戦時のように先制攻撃という)手段をとるならば、ある状況が発生するだろうということを承知していたはずだからである。
もしも、もうひとつの戦争に攻撃命令を下すならば、多分今度はペンタゴンがフルスケールで正面切って彼に反抗するだろうということ。具体的に想定するならば、多分ペンタゴン国防総省の官僚やCENTCOM=米中央軍総司令部の司令官、そして米国諜報機関の各局長クラスが、イラン攻撃に一斉に反対してそろって辞任するだろう、というとんでもない事態を。
【米国時間 2007年12月5日『米流時評』ysbee 訳】
»» 緊急特集「NIE衝撃の諜報レポート」
時 評 「NIEレポートで暴かれたブッシュの大嘘」
Part-1 「さらば、イラン戦争」
Part-2 「暴かれたブッシュ政権の戦争体質」
Part-3 「大統領選にまで波及するNIEシンドローム」
Part-4 「米外交のUターン・金宛ブッシュ親書の謎」
Part-5 「半島平和?ブッシュ最終章外交の突然変異」
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