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米流時評

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墓穴を掘ったヒラリー・意地悪婆から泣き婆へ

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    ||| 自ら墓穴を掘ったヒラリー |||
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08年大統領選・民主党最有力候補から傷ついた敗北者へ一夜で転落
ヒラリーの敗因は彼女自身のエゴと「Likability=好感度」の欠落


d0123476_18552829.gif意地悪婆に天罰が下った。いきなりの暴言でえげつないことこの上ないのだが「ヒラリー3位の後塵を拝す」のニュースを聞いたアメリカ人の十中八九は、きっとこう思ったに違いない。それまでの「態度」が余りにも高飛車すぎた。特にオバマをライバルとしてマークしてからは、公開討論会のたびにねちねちと意地の悪い蛇蝎のような皮肉を並べ立て、オバマを「naive=無知な若造」と決めつけた。

かく言う私も今期の選挙戦が始まる昨年までは、ヒラリーは過ちを犯した旦那を許した寛大な女性と思っていたし、ニューヨーク州から上院議員に選出されたあとの議員活動も活発で、頼もしい政治家と捉えていた。(今考えればその当時から選挙活動として意識していたのだろうけれど)大統領選に出馬を表明した時点では、米国にも女性大統領が選ばれる時代が来た、とメディアにも大々的に取り上げられたのは記憶に新しい。
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しかし、政策や選挙運動のアドバイザーに米国でもトップクラスの配陣を敷いたにもかかわらず、「人柄」のアドバイザーまではいなかったものと見える。インタビューや討論会でも、毎回「I did this...」「I did that...」と一人称の自慢話が多く、論外に「それにひきかえ(オバマやエドワーズのような)ワシントンでの経験の浅い人物に、国政はまかせられない」というネガティブな攻撃に終始し、女性ならではの新鮮な視点を期待していた聴衆を落胆させた。
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さらに追い打ちをかけたのは、各地のクリントン選挙事務所スタッフが勝手に配布した、オバマに関する誹謗中傷のメールである。いわく、ミドルネームがフセインなのでムスリムだとか、小学生時代はインドネシアのマドラサに通っていたからイスラム過激派だとか、実に幼稚で陰湿な攻撃である。これがブッシュ陣営から出た攻撃ならさもありなんだが、知的行動派で鳴らした民主党の大統領候補の戦術か、と見限った層が多かったはずである。
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私が個人的に「これは駄目だ」と確信したのは、12月にクリントン事務所が精神異常者に占拠された事件のときだった。スタッフを人質にして自爆すると脅迫する犯人と、包囲した警察のにらみ合いが続いた。テレビは実況で報道する。取材記者が当然遊説中のヒラリーにどう対処するかとインタビューする。そこで返ってきた回答が、実に驚愕だった。わなわなと震えるひとりのおばさんの情けない声だったのである。「警察に一切おまかせします」と、これ以上沈んだ声はないというほど暗い陰鬱な、1週間位気が滅入る声であった。ビルが亡くなってもあれほど沈まないと思う。
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常人だったらとんだ災難でお気の毒にと同情したのだが、よりによって世界のテロリストから狙われる国家の元首になろうと手を挙げた人間である。そんな弱気でテロと闘えるのか、と支持者を失望させたに違いない。変な例えだが、亡くなったブット女史の方が百倍も勇気があったように思える。ブッシュ大統領でさえ、現場へ駆けつけてメガホンをとって犯人説得まではできないだろうが、せめて「このようなテロ行為はぜったい許さない!」程度の感嘆符つきの宣言はしたと思う。
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クリントン候補ほど、メディアの前評判と有権者支持の実態に落差があったのも珍しい。立候補当初は「一票で(ヒラリーとビルの)二人に投票効果」をうたうビラリー・キャンペーンを展開し、ネームバリューも経験もダントツの最有力候補としてほとんど当確扱いの記事が大部分を占めた。しかし、アメリカの国民はしっかり覚醒していた。ヒラリーもブッシュと体質的には変わらず、大企業優遇のユダヤロビイストの紐が十重二十重に巻き付いている事実を見過ごさなかった。こうした「Truth behind the scene」が、ブログ情報を介して取得可能な時代になった意義は大きい。
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米国在住も今年で19年目になるので、一般市民の時流への対応という空気は上記のように読めるが、それよりも、この道35年以上の政治評論を生業とするプロに、クリントン敗北の原因を分析してもらおう。『米流時評』でも何回か紹介してきたニューズ・ウィークの米国政治アナリスト、ハワード・ファインマンのタイムリーな時評である。彼をプロと呼ぶ定義付けは、プロフェッショナルというよりもむしろプロフェッサーのニュアンスに近い。酸いも甘いも噛み分けた、ワシントンの海千山千の政治屋を長年嗅ぎ分けてきたその道のベテランである。その彼がこうタイトルをつけるのであるから、ヒラリーも浮ばれない。「What the Heck Has Happened to Hillary?」

【米国時間 2008年1月6日『米流時評』yabee 記】

»» 次号「選挙分析 ヒラリー・クリントン11の敗因」へ続く
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2006年版の拙ブログ『楽園通信』で紹介したオバマの著書2冊 自伝の『Dreams from My Father』と、政治家としての信念と米国と世界が歩むべき道を説いたベストセラー『The Audacity of Hope』今や若者のバイブル。
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12/29 第3章「ブットの遺言・息子ビラワルが党首後継」
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by ysbee-2 | 2008-01-06 14:30 | 2008年米国大統領選
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