サクラメントの秘跡 マリア・シュライバーの選択




「Barack Obama inspires me.....It's that simple. Through Barack, I believe we will move beyond the politics of fear and personal destruction and unite our country with the politics of common purpose.」

シュライバーは、故ケネディ大統領、故ロバート・ケネディ国防長官の妹で、エドワード(テッド)・ケネディ現上院議員の姉にあたるユニス・シュライバーの娘。ケネディ家の生粋のヤンキー魂を象徴するような、知性と行動力に恵まれた女性である。容貌もご覧のとおりの知的美人で、長い事NBCニュースのレポーター/論説委員をやっていた関係で、アメリカ人一般にも民主党・共和党の別なく一目置かれ、敬愛されている。


支持表明を聴く限りでは、オバマの「感動力」が彼女にもしっかり伝播したように思える。彼の演説を聞き、彼の周囲のエピソードを読むと、みなオバマ党になってしまう。共和党の人間ですら。初めに言葉ありき。そして言葉の力に打たれた者はみな、明日への希望と言う光明を見出したかのように、クリスマスの朝のこどものような輝く微笑みを浮かべて、幸せの帰路に着き言葉を広める .... YES, WE CAN .... YES, WE CAN ....
なんだいったいこれは? まるで救世主ではないか! 米国政界の長老テッド・ケネディまでが「He's the ONE」と叫ぶ。キリストを見いだした洗礼者ヨハネさながらだ。嘘だと思うならYou-Tubeなりオバマ本人のサイトのビデオで、ぜひ直接確かめていただきたい。一驚にあたいする。


共和党のミット・ロムニーも、初戦アイオワでオバマが圧勝した直後、すぐにオバマのスローガン「CHANGE」をそのまま拝借して、トミー・ヒルフィガー風のネオ・アメリカニズムデザインのプラカードに掲げた。ロムニーの実践ビジネスの応用力は大したものである。毎日のニュースや世論の流れに対応して公約までが連日豹変する。そこまでやるかと思えるほどで、民の声に率直に耳を傾ける姿勢は、一種偉いと思う。ロムニーの5人の息子が選挙参謀になっているのも、そういった変わり身の早さ、若い世代にも受け入れられるカジュアルな選挙マーケティングの要因だろう。


それともうひとつは、うっかり老兵マケインなぞが当選した暁には、テロ戦争は彼の公約通り百年戦争と化し、米国は滅亡への道をひた走る。彼らミレニアム世代の若者は、すでに何年も前から「徴兵制の復活」を真剣に怖れているのだ。米国のメジャーメディアではあまり取り上げないが、ブログ界ではこの恐怖感が原動力となって反戦運動や平和運動(両者のニュアンスは微妙に違う)今回の予備選からの投票参加運動「GO VOTE」に結びついているようだ。

マケインの暗い側面に関しては後日に回し、本命のL.A.タイムズ「マリア・シュライバーがオバマを支持表明」の記事を、次のエントリーでお読みください。
【米国時間 2008年2月3日『米流時評』ysbee】
»» 次号「特報!シュワ夫人マリア・シュライバー、オバマに支持表明」本文記事へ


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by ysbee-2
| 2008-02-03 14:40
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