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号外!ロムニー大統領選から撤退

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  ||| ミット・ロムニー大統領選から撤退 |||

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共和党ミット・ロムニー候補、大統領選の指名権争いから退陣声明
マケイン首位確定、ハッカビーの出方に注目、ロン・ポールも健在


米国時間08年2月7日午後1時03分 | ハワード・ファインマン | ニューズウィーク速報
「かくして戦略を誤った大統領選の犠牲者、ミット・ロムニーここに眠る」・・・共和党の鋳型に無理矢理沿わせようと、卓越した本人の資質とは似ても似つかぬ「政策屋」の鎧を着けたために、その重みに耐えかね実力を発揮することなく戦死した。彼を取り巻く親友ですら想像もできなかった変身のゆえに。いや、もしかしたら、あれが彼の正体だったのかも知れない。友人たちは長いこと、ロムニーを品格のある堅実な奴と思っていた。しかしもしかしたら、彼は本当は勝つためなら手段を選ばず誹謗中傷も辞さない、非情な刺客だったのかも知れない。 | 訳 by ysbee
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Burying Mitt 'Good Bye, Good Fellow'
Romney failed in campaign because he ran as something he's not
By Howard Fineman — Analysis | NEWSWEEK — WEB EXCLUSIVE  | Translation by ysbee
FEBRUARY 7, 2008 — Here lieth the campaign of Mitt Romney, victim of the mistaken belief that the only way to succeed in national Republican politics was to turn yourself into something you are not. Or maybe the campaign revealed what his closest friends never imaged him to be. They thought he was a decent classy guy. But maybe he really is a soulless throat-cutter who would do and say anything to win.

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FEBRUARY 7, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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  N E W S W E E K | B R E A K I N G

共和党ミット・ロムニー候補、大統領選の指名権争いから退陣
米国時間08年2月7日午後1時03分 | ハワード・ファインマン/ニューズウィーク | 『米流時評』ysbee 訳

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1. Hucckabee, a lone serious contender
I'll give him the benefit of the doubt and say that he was a good fellow who didn't know enough about national politics and listened to people who gave him bad, cynical advice. Sen. John McCain was in a good position before; now it's hard to imagine that he won't wrap up the nomination in the next week or two. His lone remaining serious opponent, Mike Huckabee, has exceeded expectations, but expecting him to be able to unhorse McCain is perhaps expecting too much.
唯一残った対立候補ハッカビー
しかしここは一歩譲って、ロムニーは「good fellow=良いやつ」だったが、国政について精通していないばかりに、彼に悪意のシニカルなアドバイスを与える政治ブローカーの連中の言うことを聴いただけだ、と考える余地も残しておこう。それにしても今回の退陣騒ぎがあるまでは、ジョン・マケインは極めて優勢であった。しかし今やここ1・2週間でノミネーション=大統領候補指名に漕ぎ着けるとは想像し難い。現時点で生き残っている唯一のマケインの対立候補は、マイク・ハッカビーである。彼は誰もが予想したよりもはるかに長期間健闘して選挙戦を展開しているが、マケインを下すまで、というのはいくら何でも期待し過ぎだろう。
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家族を第一に考える「ファミリーバリュー」が売り物でもあり、保守派の共和党支持者には受けがよく初戦で連勝した

2. Jettisoned all to become something else

I have covered a lot of presidential campaigns, and I can't think of one that so lost its way — so expensively — as that of the former governor of Massachusetts. A board room and business favorite, a man with a Midas managerial touch, he was widely admired and even beloved. But he was a Republican of an old moderate school — that of his own father — and, like George W. Bush, Romney the Younger decided that he had to jettison all that he was to become something that he was not.
ミダス王から非情な政治家へ
私(MSNBCニュース論説主幹ハワード・ファインマン)はこれまで随分数多くの大統領選を取材してきたが、この元マサチューセッツ州知事の選挙運動ほど巨額の選挙費用を費やして、しかも方向を見失ったキャンペーンはなかったと思う。財界経済人やビジネスピープルからは(冬期オリンピックや州自治体経営を大成功させた実例を持ち)ミダス王のように手がけたプロジェクトを成功させるマネージメント能力を高く買われ、米国内でも広汎に賞賛されて誰からも愛されてさえいた人物なのに。
しかし実際には、ロムニーは彼の父親がそうであったように、教科書通りの古いタイプの共和党だった。ジョージ・W・ブッシュがたどった同じ道に陥ったようだ。このロムニー・ジュニアもまた、天性の魅力を投げうってまでも、まったく彼らしくない何者か「ワシントンの非情な政治家」になろうと覚悟したものと見える。
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名前にちなんだミット型のサインやゲーム応援用の風船などでアメリカ人らしい陽気で健全なキャンペーンを展開

3. Spent $80 million for primary campaign

And so it was that this square peg spent perhaps $80 million — including at least $30 million of his own money — trying to pound himself into a round hole. It didn't work. The irony of his failed campaign: if he had just stuck to selling his managerial mettle, he might well have won the nomination, given the way the country's economic anxieties have become voters' number one concern.
90億円の巨額な選挙運動資金
かくしてこの異色の人物は、ワシントン政界の政治家の鋳型に我が身をそわせようと努力したばかりに、多分8千万ドル(約90億円)という巨額の選挙資金を費やした。しかもそのうちの3千億ドル(約34億円)は自己資産からの持ち出しである。おまけに、思ったような投資効果は上がらなかった。キャンペーン失敗の皮肉:もしもロムニーがひたすら経営者としての才気を売り込むことだけに集中していたら、共和党の指名候補として勝利を収めることも難しくなかったに違いない。なぜならこの国では今や経済的危機が、有権者の関心事のトップに上っているからである。
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共和党候補の中では実業界から政界へ転身した新しいタイプの政治家として経済再建を嘱望されていたが

4. Favor from conservatism pundits

Even as conservative radio talk-show hosts reluctantly settled on him as their savior, they were uneasy about it and about his previous record of social moderation and fiscal flexibility. They sold him hard in the last few weeks, but to no avail. Romney won his home state and the states in the West where Mormonism was familiar, but not much else.
保守派のオピニオンリーダーから支持
保守系の人気ラジオトークショーのホストたちまでが、共和党の最後の護りとして、渋々ではあるがロムニーを推すことに落ち着いていた。なぜなら、これまでのロムニーの実績、中道主義の社会政策とフレキシブルな財政政策にひっかかっていたためである。しかしここ数週間は、彼らもロムニーを売り込むのに躍起になっていた。時すでに遅く願いあたわずだったのだが。スーパーチューズデーまでの予備選の結果では、ロムニーは出身地のミシガン州をはじめ、モルモン教になじみのある西部の州、モンタナ、コロラド、ユタ、ノースダコタ、ネバダ州で勝った。しかしその他ではメイン州、マサチューセッツ州くらいで、ぱっとしなかった。
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演説するロムニーを見守る聴衆 ユタ、コロラド、モンタナ、ミネソタ、ノースダコタなど北部の州で勝利を納めた

5. Quality of being genuine

The quality of being genuine is hard to convey, and deciding who should be president based solely on that basis can lead to disaster; you need brains and an ability to go with the flow as well. But voters know a phony above all and Romney came off as one from the get-go.
真性の保守派を貫くことの難しさ
自らの本質を見失わずに「本物」であり続けることは難しい。とりわけ大統領にふさわしい人物とはどうあるべきかを見極めるにあたって、候補者の人間的資質だけを頼りに立脚すれば、間違いなく失敗する。従来の選挙戦術に従えば、資質に加えて要求されるのは、政治戦略的ブレーンワークであり、選挙戦の展開に迅速に対応する問題処理能力だろう。しかし有権者は、そういった小賢しい思惑や小手先の手段もろもろをすべて超越した(第三の目のような)観点から候補者を見通しており、ロムニーはこうした現実を把握できずに、スタート時点から脱線したようだ。
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共和党には希少なドラスティックな改革派として地方自治体で成功したが、選挙戦に入るや保守派路線に戦略転換

6. Left alone with ambition

Over the last decade he had changed his views in a rightward direction on so many issues to suit what he thought he needed to win the GOP nomination that he ended up standing for nothing but his own ambition.
保守派候補指名を狙い本質を見失った野望
ロムニーは、せっかくそれ以前は中道派の統合的なスタンスが成功してきたにもかかわらず、ここ十年ほどというものは共和党大統領候補としての指名を是が非でも獲得したい一心で、マサチューセッツ州知事時代に注目を集めた革新的政策(州民画一健康保険制度・ゲイどうしの結婚を法的に承認...etc.)の大半を断念して、保守系右派の方針にそうように無理矢理方向転換してきた経緯がある。しかしその転身の結果、彼の善良なる本質を信じていた大衆に見放され、敗北のあとに残されたものは、空回りに終わった彼自身の大いなる野望だけだった。
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愛妻アン夫人に支えられ共和党コンファランスのステージを去るロムニー 退陣ではなく「保留」というスタンス

7. Victories stolen in Iowa, N.H.

He had good staff in the early states, but as soon as the genuine article (or at least a more genuine article) came along in Iowa, in the form of Mike Huckabee, Romney was blown away. Then, having ceded the moderate ground, he lost in New Hampshire to another genuine article, John McCain (who learned his own lessons about the dangers of pandering to the right earlier in his campaign).
It's no accident that the GOP race is down to three men who are clear about who they are: McCain, Huckabee and, yes, Ron Paul.

初戦アイオワのハッカビー圧勝でショック
ロムニーの陣営では、選挙戦序盤ではいいスタッフがそろっていたが、予備選最初のアイオワ州の結果が出るやいなや、予想もしなかったハッカビーの一人勝ちに、ロムニーは圧倒されたようだ。それからというもの、中道派の有権者をハッカビーに奪われて、もうひとつの候補者の資質が問われる州ニューハンプシャーではマケインに下された。マケイン自身も選挙戦序盤の段階で、アイオワ予備選でハッカビーに手ひどく敗北した苦い経験を通して、右寄りに甘んじ過ぎて有権者のかなりの部分を占める浮動票を手放す危険性を、いやが応でも学ばざるをえなかったようだ。
こうした経過を経て共和党候補の指名権争いが三択に絞られたのは、自然の成りゆきと言えよう。その三人とは、スーパーチューズデー以降首位独走体勢になったジョン・マケイン。ロムニーの退却で正統保守派のおこぼれにあずかるマイク・ハッカビー。そしてもちろん、唯一無二唯我独尊のロン・ポールである。
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選挙キャンペーン参謀と予備選の結果を演説中のロムニー候補に伝える35才の次男のマット・ロムニー 彼のほかに36才の長男タグ、32才の三男ジョッシュ、29才の四男ベン、25才の五男クレイグと、その下に11人の孫がいる

8. Issue of Mormonism remains

All of that was Romney's own doing. But he also was damaged by a factor over which he had no control and, to his credit, he didn't seek to mute — his Mormonism. In the Bible Belt, his faith is anathema.
モルモン教の大統領への抵抗
こうした戦略転換の、またその結果としての敗北まで、すべての責任はロムニー自身の最終判断にあるのだろう。しかし、彼がコントロールできない要因でダメージを受けたとも解釈できる。彼の名誉のために一言添えておくが、ロムニーは自身の宗教に関して伏せようとはしなかったからだ……モルモン教徒であることを。バイブル・ベルトと呼ばれる熱心なバプティスト(キリスト教福音派)信者が有権者の大方を占める南部では、モルモン教は宿敵の邪宗扱いである。
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高校時代の恋人から結婚へと進んだ愛妻アン夫人との間に5人の息子がいて、孫も11人という大家族のモルモン教徒

9. one of his few class act

And yet when the head of the Mormon Church passed away, Romney left the campaign trail to attend the funeral in Salt Lake that may have damaged him on the eve of Super Tuesday. It was a class act, one of the few in his otherwise misbegotten campaign. Rest in peace.
唯一のロムニーらしいクラスアクト
さらにはスーパーチューズデーの前夜に、モルモン教総本山であるソルトレークのLatter Day Saints Church=末日聖徒キリスト教会で94歳になる大司教が逝去した。とるものとりあえず、ロムニーは選挙戦の前線を離れ葬儀に参列した。このことがニュースでも報道され、一般有権者に彼がモルモン教徒であることをあらためて思い出させる要因になったのは確かだ。しかし、いさぎよい行為ではあった。ともすれば間違いだらけの判断で失敗した彼のキャンペーンの中では、唯一正しい選択であったと言えるだろう。安らかにお眠りください。

【米国時間 2008年2月7日 『米流時評』ysbee 訳】
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by ysbee-2 | 2008-02-07 06:48 | 2008年米国大統領選
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