オバマ口説けるか?エドワーズ私邸を訪問


クリントン・オバマ間で支持保留のエドワーズにワンモアプッシュ
米国時間 2008年2月17日 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee
イリノイ州シカゴ発 |今期大統領選で民主党の指名候補を目指すバラク・オバマ上院議員は、選挙戦のスケジュールの合間を縫って、つい先月までライバル候補だったジョン・エドワーズの私邸訪問の目的で、17日日曜ノースカロライナ州へ飛んだ。エドワーズは先月サウスカロライナ州で惨敗の後、30日に指名候補選出の選挙戦から撤退したが、最終的に残ったオバマとクリントン2候補の間でどちらへ支持表明をするかは保留したままで、キングメーカーとしてのエドワーズの選択が注目されていた。

Out of the running, former N.C. senator has yet to make an endorsement
FEBRUARY 17, 2008. | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
CHICAGO — Barack Obama sneaked down to North Carolina Sunday and met with former rival John Edwards, who has yet to make an endorsement in the race for the Democratic presidential nomination.
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FEBRUARY 17, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版


A S S O C I A T E D P R E S S | B R E A K I N G
オバマ、ノースカロライナのエドワーズ私邸でキングメーカー会談
米国時間 2008年2月17日午後6時29分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

Officials at North Carolina television station WTVD said they have video taken from a helicopter of Obama leaving Edwards' home in Chapel Hill. A producer said the station was "tipped off" about the meeting, but said the source was confidential. The Obama campaign confirmed the meeting.
オバマ、エドワーズと直接面談
米国東部時間で17日午前、エドワーズの地元ノースカロライナ州のWTVDテレビ局関係者が、同州チャペルヒルにあるエドワーズの私邸からオバマが立ち去るところをヘリコプターからビデオ撮影したと公表した。同局のニュース番組プロデューサーの説明によると、オバマがエドワーズを訪問すると言う情報が極秘の情報源から同局にもたらされたために、ヘリで撮影に向かいエドワーズ邸上空で収録したそうである。AP通信ではこの件に関してオバマの選挙運動本部に問い合わせ、会合のあったことを確認した。 【訳者注:エドワーズ夫妻が帰路の車に乗るオバマを見送るこの場面は、17日夕刻になってから全米各局のテレビニュースで公開された】

2. Secret visit to Edwards home
Although reporters normally travel everywhere with Obama, he left them behind to fly down in secret from his hometown. "Senator Obama visited this morning with John and Elizabeth Edwards at their home in Chapel Hill to discuss the state of the campaign and the pressing issues facing American families," said Obama spokesman Bill Burton. He wouldn't comment on the possibility of an endorsement.
メディアに伏せた訪問
今回の選挙戦では、メディアの取材陣がオバマの行く先々どこへでも同行し密着取材を続けてきたが、14日のバレンタインデーをシカゴの自宅で家族とともに過ごしたあと、オバマは報道陣には秘密裏に、エドワーズの私邸のあるノースカロライナ州へチャーター機で南下したものと思われる。
オバマ陣営のスポークスマンであるビル・バートン氏からは、今回の訪問に付いて17日午後次のように発表された。「オバマ上院議員は、今朝チャペルヒルにあるジョンとエリザベス・エドワーズ夫妻の自宅を訪問した。今回の訪問の目的は、現在アメリカの一般家庭が面している諸問題の解決と、選挙キャンペーンの現状について話し合うためである。」しかし、バートン氏はオバマ候補に対するエドワーズの支持表明の可能性については、ノーコメントだった。

3. Edwardsians split between Obama and Clinton
People close to the Edwardses, speaking privately, say they have been torn about whom to support. The former North Carolina senator is concerned that Obama may not be ready for the presidency and that his health care plan is inferior.
オバマ派とクリントン派に分かれたエドワーズ陣営
エドワーズと親しい人びとの間で私的に交わされてきた会話では、オバマとクリントンのどちらを民主党指名候補者として選ぶかについて、まっぷたつに分かれている。元ノースカロライナ州選出上院議員であるジョン・エドワーズは、オバマ候補を大統領職への準備態勢が完全ではないと見ているふしがあり、またオバマの提案する健康保健案は(クリントン候補やエドワーズ自身が提案していた国民全員加入健康保険制度とは異なり)不完全だと指摘していた。

4. Edwards highly critical of Clinton
But Edwards was highly critical of Clinton — her policies, her ties to special interests and her character — during his campaign, making it more difficult to support her now.
クリントンに批判的なエドワーズ
しかし、エドワーズはクリントン候補の掲げる政策方針や(ユダヤ資本・中国系ロビイスト、ウォルマートなどの大資本などの)特別税制優遇措置を甘受している資本との癒着、さらにはヒラリー自身の性格に対して、選挙運動展開中を通してきわめて批判的であった。こうした背景があるために、エドワーズがクリントン候補に対して今さら支持表明をするのは難しいと見られている。

5. Edwardses impressed by Clinton
The couple has been impressed with Clinton, who has more effectively courted them since the 2004 vice presidential nominee dropped out, people who talk to the Edwardses say. Obama has been less attentive, they say, and some of those close to the Edwardses have been annoyed that Obama has continued to ridicule him for once saying his biggest weakness is that he has a powerful response to seeing pain in others.
積極攻勢のクリントン
こうした経過があったとはいうものの、前回の04年大統領選で副大統領候補として闘って以来、ヒラリー・クリントン上院議員は常にエドワーズ夫妻に一目置いて対処し、夫妻へ好印象を残すよう努力してきたのも事実であるらしいと、エドワーズ周辺の連中は漏らしている。それにひきかえ、オバマ候補は当初エドワーズ夫妻に対してより無関心であったらしく、さらには夫妻と緊密な取り巻きの間では、オバマがエドワーズに関して「他者の痛みにあまりにも感応し過ぎるのが最大の欠点」と語った冗談を真に受けて、実際にはオバマを疎外する傾向がある。

6. Obama's public praises of Edwards
Still, since Edwards has left the race, Obama often praises him in public. This week he told Wisconsin voters that Edwards will "be a major voice in the Democratic party for years to come, and I want him involved and partnering with me in moving this country forward."
オバマ、公けにエドワーズに賛辞
こういった紆余曲折にもかかわらず、エドワーズが戦列から離れて以来、オバマはむしろ公の席上でしばしばエドワーズを賞賛してきてもいた。その一端として、オバマは今週ウィスコンシン州の支援集会に集まった有権者の聴衆に向かって、次のように明言している。「エドワーズはこれから先何年にもわたって、民主党を代表する声の一人であり続けるだろう。さらにはこの国を前進させていくためにも、彼が私のパートナーとして政治活動に一致協力してほしいと思う。」

7. All the president's men bet on opportunity
None of the other former Democratic presidential candidates — Chris Dodd, Joe Biden, Bill Richardson or Dennis Kucinich — has endorsed Obama or Clinton, reflecting the party's split over who would be the best president.
民主党撤退候補全員が態度保留
クリス・ドッド、ジョー・バイデン、ビル・リチャードソン、デニス・クシニチなど、エドワーズ以外の指名候補戦列を離れた他の民主党候補者たちも、オバマとクリントンのどちらにも支持を表明していない。これは、どちらが大統領候補者として最適かについて、民主党党内がまっぷたつに分裂している現状の現れと言えるだろう。 [了]
【米国時間 2008年2月17日 『米流時評』ysbee 訳】



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| 2008-02-17 07:52
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