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米流時評

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プーチン時代 第1章 ロシアン・ミレニアム

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ミレニアム到来で、新生ロシアの権威と経済力を確立したプーチン
国家百年の計を7年間で成し遂げた、プーチンのロシア流資本主義


米国時間 2008年3月2日 午前7時59分 | AP 通信・時事解説 | 訳『米流時評』ysbee
プーチン時代 第1章 ミレニアムのロシア 〜 「米流時評 プーチン時代・序章」からの続き
ロシアは、ちょうどミレニアムを迎える時点で、国家としての画期的転機を不動のものとした。1999年の12月31日、世界中がY2Kのコンピュータ危機到来を怖れていた。折しもロシアでは、それでなくても弱体化していた軍隊やチェルノブイリ式の原子力発電所に、コンピュータクラッシュが襲いかかろうとしているという恐慌に見舞われていた。

トップ:昨年レーニン歿後84周年を記念してモスクワの赤の広場に集まったロシア共産党員。プーチンの若い支持層と比べると半世紀の年代の差を感じる。ロシアの共産党はすでに過去の遺物なのだろうか。
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Putin Era: Moving Forward, Falling Back
Paragon of discipline, Russia's departing Czar let his guard down — once

MARCH 2, 2008 EST | Associated Press — ANALYSIS | Translation by ysbee
MOSCOW, Russia — Russians were steeled for momentous change at the turn of the millennium. On Dec. 31, 1999, many feared the dreaded Y2K computer bug would hit especially hard at Russia's deteriorating military facilities or its Chernobyl-style nuclear power stations.

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MARCH 3, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版プーチン時代 第1章 ロシアン・ミレニアム_f0127501_6213945.jpg
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Associated Press | POLITICAL ANALYSIS

プーチン時代 第1章 ミレニアムを迎えたプーチンのロシア
米国時間 2008年3月2日 | AP通信/モスクワ支局 政治時評 | 訳『米流時評』ysbee

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1. Post Yeltsin, former KGB
But the big New Year's Eve surprise was political. An hour before midnight tolled in Russia's Far East, an ailing Boris Yeltsin went on TV to announce he was resigning and making Vladimir Putin, a former KGB agent, acting president. That set in motion an extraordinary era in Russia history, both for how much the country has moved forward and how far it has stepped back.
イェリツィンの後継者は元KGBスパイ
しかし、こうしたミレニアム恐慌が背景にあったにもかかわらず、西暦2000年ニューイヤーの到来でもっとも大きなイベントは、大晦日の真夜中まであと1時間と言う時点で政治の舞台で起った。ロシアの極東地方からのテレビのライブ放送を通して、すでに老いの目立つ当時の大統領ボリス・イェリツィンが引退を表明し、元KGBスパイのウラジミール・プーチンを後継者として実質的大統領の役職に就けた政治ドラマだった。
この権限委譲劇は、ロシアの歴史がひとつの特別な時代へと踏み込むドラスティックな転換の、回り舞台のスイッチを入れた瞬間となった。これ以降、この国はどれだけ前進したことだろうか。また同時に(自由と民主主義という観点からは)どれだけ後退していったことだろうか。
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2. Deep in its second war in Chechnya
Many Russians were unsure what to expect from a Putin presidency. The country was deep in its second war in Chechnya, the ruble had collapsed — and Putin himself had been prime minister less than four months. Putin came across as a dull bureaucrat, especially compared with boisterous, hard-drinking Yeltsin. But the next eight years were filled out of the picture.
第二次チェッチェン戦争の泥沼
大部分のロシア人が、プーチンの執権からいったい何を期待できるのか、皆目見当がつかないでいた。ロシアは二度目のチェッチェン戦争の泥沼に腰まで浸かり、ロシアの貨幣体制ルーブルの価値は崩落した。そんな状況にあって、プーチン自身は首相に任命されてからまだほんの4カ月しか経っていなかった。当初プーチンは、特に爆発しやすい大酒飲みのイェリツィンと比べれば、きわめて平凡な官僚上がりとしてしか、国民に捉えられていなかった。しかしこれに続く8年間は、こうした過去のイメージを一掃する見事な活躍ぶりで、新しい大統領像を確立した。
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3. 'We have looked like pilferers'
As Russians elect a new president Sunday, an Associated Press correspondent who has covered all of Putin's tenure looks back at its high and low points. An early surprise came six weeks after Putin became acting president. The new leader sat down with TV reporters at a ski lodge in southern Russia and talked about Russia's tens of billions of dollars in foreign debt. "We have looked like pilferers," he said. It seemed a remarkable moment of candor.
ロシア政府の欠点を認めたプーチン
ロシアの国民はこの日曜に新しい大統領を選ぶが、プーチンのこれまでの政治的手腕の一挙手一投足を取材してきたAP通信モスクワ支局の記者として、彼の業績の長所短所を振り返ってみたい。
まず就任当初の驚きは、プーチンが実効的大統領に任命されてから6週間後にやってきた。この新しいロシアの指導者は、ロシア南部のスキーリゾートのロッジでインタビューするテレビリポーターと共に腰を下ろし、ロシアの数百億ドルに膨れ上がった外国からの負債についてこう語った。「我が国は、今まではまるで(役人の汚職で国民の利益を盗む)こそ泥のようだった」このひと言は、ロシアの指導者の口から発した発言としては初めての、現実を直視する真摯な直言だった。
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4. Playing wallflower during disaster
The debt was not only paid off, but paid off early. A surprise of a much different sort came that August, when the Kursk nuclear submarine exploded and sank, killing all 118 people aboard. Not only did Russian authorities wait two days to announce the accident, but Putin didn't interrupt his summer vacation to take charge of the disaster.
原子力潜水艦の爆発沈没事故
プーチンの代になってから、それまでの負債は返済された。しかも思ったよりも早く。しかし、そうした経済面での喜ばしい驚きとはまったく異なるニュースが、その年8月にやってきた。ロシアの原子力潜水艦クルスク号の爆発沈没事件である。この事故で同艦に搭乗していた118名の海軍兵が死亡した。この事件が起きたとき、ロシアの軍部は事故の発表を2日間保留しただけでなく、非常時に最高司令官として指揮するはずのプーチンは、夏のバカンスの最中でその予定を中途で変更しようとはしなかった。
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5. Genuine 'Homo Sovieticus'
Was he, after all, a Homo Sovieticus, a man stunted by KGB training and conditioned to keep bad news secret? Putin's explanation was that he was afraid he would interfere with the rescue operations — perhaps the only time he has played the role of wallflower. Putin came in for criticism on Russian TV over the Kursk disaster — but the days of independent-minded television were numbered.
生粋の「ホモ・ソビエティクス」
結局のところ、KGBの厳しい訓練で鍛えられたこの男は、悪いニュースは秘密裏に葬るのが習性となった生粋の「ホモ・ソビエティクス=ソ連原人」ではないだろうか?
この疑問に答えるプーチンの説明は「続行中だった救出作戦の邪魔になるのではないかと怖れたから」というものだった。多分この時が彼の執政中たった一度だけ、臆病者の役割を演じたケースだった。プーチンはクルスク号爆発事故を報道するロシア国営テレビで批判の槍玉に挙がったが、その後自主独立精神のテレビジャーナリズムが姿を消すまで、長くはかからなかった。
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6. Media under Putin's thumb
By the following spring the boldest of the nationwide channels NTV had been forced under the thumb of the state natural gas monopoly. Dissident tycoon Boris Berezovsky soon lost control of two channels. Investigative TV shows disappeared, replaced by movies, game shows and spectacularly tacky variety hours.
プーチンのメディア支配体制
その年が明けた春、ロシア国内で最大のネットワークを誇るテレビ局NTVは、国営の天然ガス供給の独占企業ガスプロムの下に吸収された。プーチンの政敵であったコングロマリットのタイクーン、ボリス・ベレゾフスキーは、その後間もなく彼の傘下にあった2つのテレビ局の経営権を失った。テレビ番組からは真相追求の報道ドキュメンタリーは消え、その代わりに映画やゲームショーや、唖然とするほど趣味の悪いバラエティショーで埋められた。
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7. Conquer the Russian journalism
Putin and other Russian officials portrayed the state television takeovers as strictly business matters. The same argument was used for the arrest of Mikhail Khodorkovsky — an oil tycoon and Putin critic — on a Siberian airport's runway. But little of consequence happens in Russia without Kremlin approval, and critics noted that politically compliant moguls weren't under pressure.
ロシアの報道体制の完全掌握
プーチンを始めとするモスクワ政府の閣僚は、国営テレビの掌握をあくまでビジネス上の権限譲渡と見ている。またロシアの石油王でプーチンの政敵であったミハイル・コドルコフスキーが、シベリア空港の滑走路から離陸直前だったジェット機で逮捕された事件についても、同じような理由付けがなされた。(コドルコフスキーと共同経営者のふたりはこの後裁判で不正経理計上で有罪判決を受け、シベリアの刑務所に服役中である)しかし、クレムリンの認可なしには何の真実ももたらされず、政府の御用評論家が「法的に規則に従わなかった石油王に対して懲罰が下っただけで、特に政府の圧力がかかった訳ではない」と煙幕を張るに終わった。 »» 続く
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»» 次号「プーチン時代 第2章 」へ続く
*お知らせ: 明日は民主党候補決定の最後の決戦と期待される4州の予備選「ファイナル・チューズデー」の実況ブログレポートを行ないます。米国時間で3月4日、日本時間で5日です。「プーチン時代」の連載はその後に継続になりますので、よろしくご了承ください。
【米国時間 2008年3月3日 『米流時評』ysbee】
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by ysbee-2 | 2008-03-03 12:54 | プーチンのロシア
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