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米流時評

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警告!イスラエル対イラン 中東核戦争への助走

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  ||| イスラエル・イラン戦争への助走 |||

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中東核戦争の危機 イスラエル対イランの戦闘意識、急速に高まる
イスラエル空軍、戦闘爆撃機百機編隊飛行でイランを本格的に威嚇


d0123476_18552829.gif「If smells like it and tastes like it, then that is it. ……もしそういう匂いがしてそんな味がしたら、それはまさにそれにちがいない」これはアメリカ人がよく使う言い回しで、知識よりも本能や感覚による認識の方が当たっている場合が多いという意味。事件などの場合には、この tastes が sounds に変わったりするが、言っていることは同じで「直感を信じよ」という一般のアメリカ人にとっては極めて常識的な考え方である。この場合の常識とは、図書館や教室で「活字から」学んだ外付けの知識ではなく、年寄りの言い伝えや子供の直感で一瞬に見抜く「洞察力」による総体的認識である。
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▲トップの写真は模型のように見えるが、それもそのはず、イスラエルの砂漠に建設された攻撃演習専用の「偽装タウン」。モスクなども擬してどこかの「アラブの町並み」を再現している。この上の写真はそのツェーリムの再現都市で、ゲリラ戦に多い市街戦の実戦演習を行うイスラエル自衛軍の陸軍兵士。

米国メディアのジャーナリストの記事を読んでいて、しばしばその単刀直入なレポートに引き込まれる場合が多いのは、彼らが人一倍「正直」だからかも知れない。評論家にありがちな高踏的態度で象牙の塔の分厚い資料を振り回したりせずに、時代の風向きが変わる前兆を、自らの額をその風にさらして、寒暖の差を感じ、緩急の変化をつかみ、善悪の匂いを嗅ぎ分ける「ジャーナリストの本能」に長けているからにほかならない。彼らが最大の価値をおくのは、唯一「Tell the Truth=真実の報道」である。

また、自国の外交であれ外国の軍事行動であれ、いち早く傍受した情報をできるだけ早く一般大衆に伝える、という本来のブンヤ精神を保守しているようにも見える。サラリーは会社からもらっていても、魂は大衆社会に奉仕するという気概が、記者にしろカメラマンにしろ、その文章や写真からしばしばほとばしっている場合がある。この伝でいくと、6月に入ってから見聞する記事では、どうも急激に中東戦争の気配が濃厚になっているような前兆が、そこかしこに現れているようだ。世界中の各紙ともイスラエル空軍のイラン攻撃演習の中に、戦争の助走としての匂いと音を感じ取っている。
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▲ハッツォー空軍基地にある「イラン攻撃演習」参加と同機種のF-16 戦略用戦闘爆撃機の飛行シミュレーション装置

今回この下の記事で紹介するのは、6月に入って以来イスラエルとイランの間で、核のキノコ雲のように急速に膨らんできた「イラン攻撃」の可能性に関するレポートである。イラン攻撃に関しては、昨年も何度もその不安が拡大した時期があったが、幸いにして米国外務省やペンタゴン内部の良識派の鎮圧が功を奏して、副大統領チェニーの暴走に終わっていた。

しかし、ブッシュ政権の命脈あるうちに、ネオコンの標榜する「中東ニューワールド」実現の最終目標である「イラン攻略」をなんとしてもしかけたいのが、共和党タカ派の軍事ロビーの思惑である。しかも、国防総省内でタカ派の内圧を抑えていた良識ある司令官が、ひとりずつ排斥されてきている現状もある。これには今期の大統領選も絡んでおり、米国が再度戦時攻撃体制に入れば、国民はいやが応でも軍事体制に強いジョン・マケイン候補を支持せざるをえなくなる、という選挙戦略としても効果的だからである。
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▲予備選の集会で、ビーチボーイズの「Barbara Ann」の替え歌で「Bomb, bomb Iran...(イランをバンバン爆撃せよ…)」と歌い、一躍「好戦派」の悪名を高めた戦時後遺症の残る共和党のジョン・マケイン候補。他にもイラクがシーア派政権でイランがスンニ派政権であるという中東外交の基本中の基本を取り違えて覚えていたり「アブナさ」ではかなりブッシュに近いものがあり、最近では「McBush=マクブッシュ/ブッシュの息子」「The Third Bush/3代目ブッシュ」と呼ばれ、人気が低迷している。
予備選ではオバマが毎回スタジアムを埋める2万人前後の集会で各都市の政治集会の記録を塗り替えているのに比べ、マケインは200〜300人の小集会なので、共和党支持者の中には今から勝利を諦める層もある。レーガン時代に民主党員でありながらレーガンに投票した有権者を「レーガン・デモクラッツ」と呼ぶが、その逆方向のクロスオーバーで、共和党に所属しながらオバマを支持する「オバマカン」と総称される識者・有権者も今期は数多く出現している。
写真は6月初旬にあった米国最強のイスラエルロビイスト団体 AIPACの年次総会で演説する共和党マケイン上院議員


そうしたブッシュ政権の最後の悪あがきの代理行為か?と思えるようなイスラエルの軍事威嚇行動が、今月第1週に強行された。それもF-16、F-15の戦略爆撃機百機以上の編隊飛行という大々的威嚇行為である。イスラエルの言い分は、核兵器開発を放棄しないイランに対して「本気の攻撃の演習」という示威行為と言うのだが、過去にもサダム政権時のイラクや昨年のシリアの「核の疑惑施設」を爆撃してきた実績があるだけに、ただの「脅し」だけでは済まないかも知れない。米国と連合での侵攻は、米議会の主導権を民主党が握っているし、第一米国民が絶対認めないだろうから、不可能に近い。しかし、イスラエル単独の先制攻撃なら、即決でありえる。国民の支持があるからだ。(もちろん反対意見も多いが、多数決では対イラン攻撃に賛成派が勝つ)

一方、核開発で糾弾されているイランでは、国民はアフマディの強硬な好戦的姿勢に嫌気がさし、来年の大統領選挙では反対派を選ぶだろうと予測されている。イスラエルでは、汚職を追及されているオルメルト首相も残り僅かの命。ブッシュ大統領に関しては、支持率16%という数字まで出るほどの不人気で「米国史上最悪の大統領」という烙印は消える事はないだろう。アフマディ、オルメルト、ブッシュ。好戦的で悪名高い三者そろって任期残り僅かとなった現在、核をめぐって真っ向から角突き合わせる事態が発生している。
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▲任期残り僅かのイスラエルのオルメルト首相。人気もほとんどないに等しい。元々中道穏健派というのはイスラエルでは受けが悪く就任当時から支持者が少なかった。ことにヒズボラに勝てず屈辱を喫した06年のレバノン侵攻以降、セクハラや業者癒着、収賄・横領など、閣僚の汚職問題が山積したのは致命的だった。しかしその間も数回となく退陣要求の嵐をかいくぐってこられたのは、ユダヤ人政治家の最たる特徴の二枚腰のおかげか。ブッシュがユダヤ系パワーハウスの米国旗艦店長とすれば、オルメルトは中東でのイスラエル現場監督と言えなくもない。

こうした [米国+イスラエル] X イランという、核開発をめぐる対立の図式が、イラン攻撃という実態となって具体化しないことを祈る。何といってもイランのすぐ後ろにはロシアがぴったりくっついているのだから、万一イラン侵攻が始まる時は「中東核戦争=第三次世界大戦」の開幕する時である。こけおどしで言っているのではない。この危機に際して、世界の核管理の総元締めである国際原子力機関 IAEAのエルバラデイ事務局長も、金切り声を上げて警告を発している。
"Bomb Iran and Face Mideast 'Ball of Fire'!"「イランを爆撃すれば中東全域が火の海になる」(正確には「火の玉=核爆発」か)と叫んでいるのだから。

【米国時間 2008年6月21日『米流時評』ysbee】

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JUNE 21, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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  A s s o c i a t e d P r e s s

中東核戦争の危機 イスラエル対イランの戦闘意識、急速に高まる
米国時間 2008年6月21日午前10時02分 | AP通信・デュバイ発 | 『米流時評』ysbee 訳

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UN: Bomb Iran and Face Mideast 'Ball of Fire'
Nuclear agency chief's warning follows Israeli military exercises

JUNE 21, 2008 EST | Associated Press — DUBAI | Translation by ysbee
DUBAI, United Arab Emirates — The U.N. nuclear watchdog chief warned in comments aired Saturday that any military strike on Iran could turn the Mideast to a "ball of fire" and lead Iran to a more-aggressive stance on its controversial nuclear program. The comments by Mohamed ElBaradei, head of the International Atomic Energy Agency, came in an interview with an Arab television station aired Saturday.


アラブ首長国連邦・デュバイ発 |21日土曜、国連の核保安監視機関IAEAのトップは「イランを軍事攻撃すれば中東全体が『火だるま』になりかねない。また、中東問題の焦点であるイランの核開発は、攻撃に反発してより過激な方向へ向かう可能性がある」と警告を発した。この国際原子力機関のモハメド・エルバラデイ事務局長の発言は、21日土曜アラブ系テレビ局のインタビューで放映されたものである。
▲上の写真は2006年夏勃発し40日間続いたイスラエルによるレバノン侵攻で爆撃されたベイルートの市街地。イスラエルがユダヤ人の敵と見なすレバノンのイスラム過激派軍団ヒズボラが本部を置くベイルート市南部は、連日の空爆で巨大な廃墟と化した。この戦役でも伺えるように、イスラエルは戦争に突入する前にすでに海軍・空軍を攻撃位置に総動員しており、一夜でベイルート空港の滑走路と主要基幹道路・橋梁を爆撃し、シリアからの支援ルートを断った。やる時は本気なので、敵に回すと核を保有するだけに最悪である。

1. Elbaradai: 'Turn the Middle East to a ball of fire'
The interview aired just a day after U.S. officials said they believed recent large Israeli military exercises may have been meant to show Israel's ability to hit Iran's nuclear sites. "In my opinion, a military strike will be the worst... it will turn the Middle East to a ball of fire," ElBaradei said on Al-Arabiya television. It also could prompt Iran to press even harder to seek a nuclear program, and force him to resign, he said.
IAEA エルバラデイ事務局長「イラン攻撃で中東全体が火だるまに」
d0123476_925661.jpgこのインタビュー番組は、つい最近イスラエルで一大軍事演習があったと米国政府高官が発言した翌日に放映されたが、高官はその演習に関して「イスラエルがイランの核施設を直接攻撃できる可能性を誇示する意味で実施されたのだろうと解釈する」と語られた事実が、米国時間で20日金曜にNYタイムズをはじめとする各メディアで報道されていた。
「私の意見では、軍事攻撃は最悪の結果となるだろう。そんなことをすれば、中東全体が火だるまになるのは目に見えている」この発言の模様は中東をカバーするアルアラビアテレビで放映された。また事務局長は「イラン攻撃はイランに対して逆効果であり、イランが核兵器開発に執着する方向へ走る結果を招くだろう」と示唆し、その場合には自分は責任をとって辞めざるをえないとも漏らした。

エジプトの外交官出身で、97年以来国連の核保安機関であるIAEA国際原子力機関事務局長を2期務めるモハメド・エルバラデイ事務局長。米国、イスラエルのパワーにも屈する事なく、歯に衣着せず本音を発言することでも知られる。イラク戦争直前にイラクの閉鎖した核施設を査察して「核兵器は存在しない」と結論づけた IAEAの調査結果は、数年後に正しかった事が証明され「サダムのWMD保有」という開戦事由をねつ造した「ブッシュの大嘘」と対比される。こうした国連の「核の番犬」としての役職を公正に果たす尽力を認められ、05年にはノーベル平和賞を受賞している。 写真はウィーンにあるIAEAの本部で。


2. Iran: 'Israel jeopardizes global peace and security'

Iran on Saturday also criticized the Israeli exercises. The official IRNA news agency quoted a government spokesman as saying that the exercises demonstrate Israel "jeopardizes global peace and security." Israel sent warplanes and other aircraft on a major exercise in the Eastern Mediterranean earlier this month, U.S. military officials said Friday.
イラン「イスラエルの行為は地上の平和を破壊する」
一方21日土曜の段階では、イラン側もまたイスラエルの軍事演習に対して非難声明を出した。イランの国営メディアIRNAニュース社では、イラン政府の広報官が語った内容を次のように伝えている。「今回の演習は、イスラエルが地上の平和と安全を窮地に陥れる状況を示したものである。」
また米国政府の軍事高官は、20日金曜の段階で「イスラエルは今月に入って間もなく、戦略爆撃機とその他のジェット戦闘機で、地中海東部沿岸地区において大演習を実施した」と報告している。
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3. Israel: Exercise of a long-range strike mission
Israel's military refused to confirm or deny that the maneuvers were practice for a strike in Iran, saying only that it regularly trains for various missions to counter threats to the country. But the exercise the first week of June may have been meant as a show of force as well as a practice on skills needed to execute a long-range strike mission, one U.S. official said, speaking on condition of anonymity because he was not authorized to speak on the record on the matter.
イスラエル「長距離ミサイル攻撃の示威演習」
イスラエル軍部では、「演習はイラン攻撃の自治訓練か」という肝心の点に関しては、肯定も否定もせず「演習の目的は、イスラエルに対して脅威となる敵性国家に対する、多面的な攻撃の通常訓練だ」と説明している。しかしながら米国政府高官は「6月の第1週に実施された演習は、攻撃能力の示威行為であると同時に、長距離飛行による爆撃を実施する上で必要とされる技術の実質的教練でもある」と解釈している。軍事関係者の意見としての公表を許されていないために、この高官の名前は匿名という条件の下で取材に応じたものである。  »» 次号へ続く

【米国時間 2008年6月21日 『米流時評』ysbee 訳】

»» 次号「イラン攻撃は現実か?イスラエル、中東戦争への秒読み開始」へ続くd0123476_1023580.jpg

d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/8146317
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||| 『米流時評』テロ戦争関連特集 |||
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昨年のシリア核の危機「中東核戦争」と「NIE諜報レポート」の特集連載もぜひご参照ください。




||| 緊急!NIE 衝撃の諜報レポート |||
d0123476_1746245.jpg米流時評 「NIEレポートで暴かれたブッシュの大嘘」
Part-1 緊急!NIE衝撃レポート「さらば、イラン戦争」
Part-2 「NIEレポートで暴かれたブッシュ政権の戦争体質」
Part-3 「大統領選にまで波及したNIEシンドロームの余波」
Part-4 「米外交のUターン・金正日に宛てたブッシュ親書の謎」
Part-5 「半島平和?ブッシュ最終章外交の突然変異」

||| 中東核戦争 特集記事 |||
d0123476_8345660.jpg序 章 中東核戦争前夜?急浮上するシリア対イスラエル核紛争
第1章 戦争挑発行為?イスラエル爆撃機のシリア領空侵犯
第2章 シリア対イスラエル 中東核戦争の危機は本物か
第3章 新・ジェリコの闘い イランのミサイル報復作戦
第4章 核のターゲットは駐留米軍 国連とEUの経済制裁
第5章 消された記事『中東代理戦争・シリアvsイスラエル』
第6章 囁かれる中東核戦争
   中東核戦争6.1 ホワイトハウスのウォーゲーム
   中東核戦争6.2 2008年核戦争の冬・チェニーのウォープラン
   中東核戦争6.3 復讐の世紀・中東戦争「核のアルマゲドン」
   中東核戦争6.4 暴かれた大謀略・イスラエルとネオコンの中東核の戦略
第7章 驚愕!原爆搭載機B-52飛行事件は米空軍内のクーデターか?
第8章 ラマダンとヨムキッパー ユダヤ沈黙の壁を崩したネタニヤフ
第9章 新冷戦中東編 モサドとCIAのニューインテリジェンスウォー


by ysbee-2 | 2008-06-21 18:40 | 中東核戦争
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