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イランの核に協力する中国・ロシアと中東核戦争の想定

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 ||| イスラエル・イラン中東核戦争の想定 |||

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核保有体勢を固めるイランと米、EU、国連、IAEAの対応策の失敗
ロシア・中国の協力体制と イラン攻撃の結果起きる中東戦争の想定


2008年6月23日 | ウォールストリートジャーナル・緊急時評 | 訳『米流時評』ysbee
イスラエルは、爾来そのもっとも微妙な軍事戦略に関しては、あえて公開して世間の批判にさらしたりしないことでは定評がある。しかしながら、今回の(イラン攻撃を模した)空爆演習のニュースが西側諸国各紙の一面トップで大々的に報道された件については、イスラエル政府関係者が暴露記事として度肝を抜かれたか、という点では疑わしいものがある。
【訳者注:23日までのメディア各紙の報道では、イランに対する脅しとEUの経済封鎖強化という外圧を強めるために、イスラエルと軍事情報をシェアする米国政府があえて、6月第一週に実施されたイラン攻撃演習の事実を漏洩した、という解釈が通説になってきている】
Israel on the Iran Brink
Recent air force exercises splashed over the front pages of the Western press

JUNE 23, 2008 | Wall Street Journal — World Review | Translation by ysbee
WASHINGTON — Israel isn't famous for welcoming public scrutiny of its most sensitive military plans. But we doubt Jerusalem officials were dismayed to see news of their recent air force exercises splashed over the front pages of the Western press.


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JUNE 23, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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W a l l S t r e e t J o u r n a l

核保有体勢を固めるイランと米、EU、国連、IAEAの対応策の失敗
2008年6月23日 | ウォールストリートジャーナル・緊急時評 | 訳『米流時評』ysbee

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1. 900 miles within the radius
Those exercises — reportedly involving about 100 fighters, tactical bombers, refueling planes and rescue helicopters — were conducted about 900 miles west of Israel's shores in the Mediterranean. Iran's nuclear facilities at Bushehr, Isfahan and Natanz all fall roughly within the same radius, albeit in the opposite direction. The point was not lost on Tehran, which promptly warned of "strong blows" in the event of a pre-emptive Israeli attack.
問題の半径900マイル地点
報道された記事によると、今回の実戦演習は総勢100機のジェット戦闘機・戦略用爆撃機・ジェット燃料補給機・救助用ヘリを動員してイスラエルの地中海沿岸地域から西へ900マイルの地点で爆撃演習が実施されたと伝えられた。ちなみに、イランの核施設の所在地、ブッシェール、イスファハン、ナタンツは、イスラエルの空軍基地から、それぞれ同じ距離半径地点に位置する。もっとも逆方向の東へ向かってだが。このポイントを、イラン政府は見逃さなかった。テヘランからはただちに「イスラエルによる先制攻撃」が行われた場合には、激甚な反撃を予測せよという警告が発せられた。
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左:F-16演習時の爆撃ターゲットの映像/右:イランの代表的な核施設ナタンツのサテライト写真

2. Why registered in Western capitals?

The more important question is whether the meaning of Israel's exercise registered in Western capitals. It's been six years since Iran's secret nuclear programs were publicly exposed, and Israel has more or less bided its time as the Bush Administration and Europe have pursued diplomacy to induce Tehran to cease enriching uranium. It hasn't worked. Iran has rejected repeated offers of technical and economic assistance, most recently this month.
なぜ西側各紙に公表されたのか?
しかしそれよりももっと重要な疑問は、イスラエルの攻撃演習の情報がなぜ西側の各紙に公表されたのかという点だろう。そもそもイランが秘密裏に開発していた核施設が暴露されてから、すでに6年も経っている。しかも、テヘランに対し(核兵器の原料となる)ウラン濃縮工程を廃絶するよう説き伏せるために、ブッシュ政権とヨーロッパ諸国が訪問外交を取り交わしている最中であり、イスラエルはその結果をおとなしく待っているしかなかった時期でもあった。しかし、そうした外圧は効果がなかった。イランは、核廃絶と引き換えの技術提携や経済援助という、西側からの度重なる申し出を断り続けた。そのもっとも最近の拒絶は、今月あったばかりだった。
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昨年9月に中国の技術援助で建設中だったシリアの核施設 イスラエルの空爆で撤去した

3. U.S., U.N., Russia, China, IAEA against Iran

Despite four years of pleading, the Administration has failed to win anything but weak U.N. sanctions. Russia plans to sell advanced antiaircraft missiles to Iran and finish work on a nuclear reactor at Bushehr, though spent fuel from that reactor could eventually be diverted and reprocessed into weapons-usable plutonium. Chinese companies still invest in Iran, while the U.N.'s chief nuclear inspector, Mohamed ElBaradei, has repeatedly downplayed Iran's nuclear threat.
米国、国連、ロシア、中国、IAEAのイラン対応
4年間核廃絶を説得し続けたにもかかわらず、大して効果のない国連の経済制裁決議を得る以上の成果を上げる事に、ブッシュ政権は失敗した。ひるがえってロシアの方では、空爆戦闘機撃墜用の対空ミサイルをイランに売りつける事を目論んでおり、なおかつブッシェールの核燃料炉建設工事を終える段までいっている。しかも、この原子炉で使用済みの核燃料は、リサイクル施設を利用すれば核兵器の原料となるプルトニウムへと変換することさえ可能なのである。中国政府は相変わらずイラン政府に対して資本を投下しているというのに、国連の核管理の権威であるIAEAのモハメド・エルバラデイ事務局長は、イランの核の脅威は恐れるに足らないと繰り返している。
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イスラム革命以来の仇敵関係を打破するため昨年27年ぶりにバグダッドで行われた米国とイランの画期的外交会議
左端の人物がこの会議を実現した立役者のライアン・クロッカー駐イラク米国大使 別名「バグダッドのロレンス」


4. Fault NIE report and Obama's Iran diplomacy

As for the U.S., December's publication of a misleading National Intelligence Estimate that claimed Iran had halted nuclear weaponization signaled America's own lack of seriousness toward Iranian ambitions. Barack Obama is leading in the Presidential polls and portrays as a virtue his promise to negotiate with Iran "without precondition" — i.e., without insisting that Tehran stop enriching uranium.
NIEレポートの誤謬とオバマのイラン対策
米国に限って触れるならば、昨年12月に公開されたNIE国家情報評価で「イランは核兵器開発を停止した」と誤報されたために、アメリカは自らイランの核への野心に対して真剣味に欠けるという醜態をさらす結果となった。一方今期の大統領選では、民主党のバラク・オバマ候補は (共和党のマケイン候補を) 有権者の支持率でリードしているが、イランに対しては「従来の条件抜きで」直接交渉するという外交政策を打ち出して、彼の選挙公約の真価と受け取られている。これはすなわち「イラン政府がウラン濃縮を廃棄した」というNIEの既報を鵜呑みにしないで交渉にあたる、という(現実重視の)外交姿勢にほかならない。
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石油利権のために無謀なイラク侵攻で米国を泥沼に陥れたブッシュに代わって、内政・外交全面での「CHANGE」を求めるアメリカ国民の期待を集める民主党の大統領選候補バラク・オバマ上院議員 現在マケインを12%以上リード

5. Iran installed thousands of centrifuge

All the while Iran continues to enrich, installing thousands of additional centrifuges of increasingly more sophisticated design while it buries key facilities underground. No wonder Israel is concluding that it will have to act on its own to prevent a nuclear Iran. Earlier this month, Deputy Prime Minister Shaul Mofaz, a former army chief of staff, warned that "if Iran continues with its program for developing nuclear weapons, we will attack."
すでに数千本の燃料棒を蓄積したイラン
この間ずっとイランは核燃料濃縮を継続し、ますます核兵器使用に耐える高濃度のウラン燃料棒を、すでに数千本も蓄積し続けてきた。しかも、主要核施設は地下に埋設建造する事すら実施した。こうした経緯を振り返れば、イランの核兵器所有を阻止するために、イスラエルが「もはやこれまで」と単独行動を起こさねばならないと覚悟を決めたのも無理のない道理である。今月早々、イスラエルの元防衛長官でもあったサウル・モファズ副首相は、「万一イランが今後継続して核兵器開発計画を進めるならば、我が国はイランを攻撃する」と警告を発していた。
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2007年テヘランで米国と外交交渉段階だった当時のイラン政府ホセイニ広報官

6. Against other nation's nuclerization

nuclear reactor ought to be proof of Israel's determination. An Israeli strike on Iran's nuclear sites would of course look nothing like the Syrian operation. The distances are greater; the targets are hardened, defended and dispersed; hundreds of sorties and several days would be required.

公開されている限りのイランの核施設所在地図 これだけの数を一度に同時攻撃というのは不可能と予測される▼
周辺国家の核所有に対するイスラエルの覚悟
d0123476_23393399.jpg他の閣僚はこうした攻撃論から距離をおいてはいたが、昨年9月のシリアの核施設建設現場に対して断行された空爆をみれば、周辺国家の核所有に対するイスラエルの覚悟が伺えるというものである。もっとも、いざイランの数多くの核施設を実際に爆撃するとなれば、その時はシリアの建設中の単独施設爆撃とは、似ても似つかない事は目に見えている。イラン施設までの距離は壮大である。爆撃対象は地下施設で破壊しにくい。対空ミサイルで防御され、しかもイラン各地に散在している。実際の攻撃には、数百回の出撃で数日間を要する。

7. Retaliation by Iran with Hezbollah, Hamas
Iran would retaliate, with the help of Hezbollah and Hamas, possibly sparking a regional conflict as large as the 1973 Yom Kippur war. Mr. ElBaradei predicted this weekend that such an attack would turn the Middle East into a "ball of fire."
イラン攻撃が行われた場合の想定
万一イスラエルから攻撃が行われた場合には、イランはもちろん反撃に出るし、おまけにレバノンのヒズボラとガザのハマスがイランに加担し、隣国イスラエルを攻撃する。その結果、1973年のヨムキッパー戦争と同じスケールで、中東一帯が戦火に包まれる可能性がある。IAEAのエルバラデイ事務局長は「(実戦演習で行ったような)イスラエルによるイラン攻撃は、中東全体を火だるまにするだけだ」と今週末(6/21)サミット会議中のデュバイで警告を発した。
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ウィーンのIAEA本部でモハメド・エルバラデイ事務局長 エジプト外交官出身でノーベル平和賞受賞者

8. U.S., U.N. responsible for the consequence

Yet his own apologies for Iran and the West's diplomatic failures are responsible for bringing the region to this pass. They have convinced the mullahs that the powers responsible for maintaining world order lack the will to stop Iran. Israelis surely don't welcome a war in which they will suffer.
米国、国連ともに反撃で起こる中東戦争に責任
しかしながら、彼自身のイランに対する謝罪や(イランが核への野心を捨てなかったという)西側諸国の外交の失敗もまた、中東がこうした破滅への道をたどる結末に対して責任がある。国連と西側諸国のとった行動は、イラン政府首脳の高僧たちが「世界秩序の維持に責任のある国際権力でさえ、イランを押しとどめようとする意志が欠如している(誰にもイランを止めることはできない)」と悟る結果を招いた。イスラエル政府とは別に、イラン攻撃の結果として甚大な被害を被る戦争を、イスラエル国民が歓迎するわけがない。
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任期・人気ともに残り僅かを残すばかりとなったイスラエルのエフド・オルメルト首相

9. Tragic paradox of the past six years

Yet they have no choice but to defend themselves against an enemy that vows to obliterate them if Iran acquires the weapon to do so. The tragic paradox of the past six years is that the diplomatic and intelligence evasions offered in the name of avoiding war with Iran have done the most to bring us close to this brink. Appeasement that ends in war is a familiar theme of history.
過去6年間が作り出した悲劇的逆説
全面戦争になれば、イスラエル国民は敵国に対して防衛する以外選択肢はない。しかもその場合の敵とは「核兵器を保有したらイスラエルを地上から消す」と誓っていたイランなのだから。こうした過去6年間に醸成されたのは「イランとの戦争を避けるという名目の元に行われた外交と諜報の画策が、逆に現在の一触即発の中東危機の瀬戸際を招いてしまった」という悲劇的な逆説……和平のための妥協案の結果、戦争にいたるという経過は、歴史の実例にはよくある教訓である。[了]

【米国時間 2008年6月23日 『米流時評』ysbee 訳】
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»» 次号 サルコジの聖地巡礼「エルサレム分割で中東平和を」に続くd0123476_1023580.jpg

d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/8161460
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||| 『米流時評』テロ戦争関連特集 |||
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昨年のシリア核の危機「中東核戦争」と「NIE諜報レポート」の特集連載もぜひご参照ください。





»» 緊急特集「NIE衝撃の諜報レポート」
d0123476_1746245.jpg米流時評「NIEレポートで暴かれたブッシュの大嘘」
Part-1 緊急!NIE衝撃レポート「さらば、イラン戦争」
Part-2「NIEレポートで暴かれたブッシュ政権の戦争体質」
Part-3「大統領選にまで波及したNIEシンドロームの余波」
Part-4「米外交のUターン・金正日に宛てたブッシュ親書の謎」
Part-5「半島平和?ブッシュ最終章外交の突然変異」

||| 中東核戦争 特集記事 |||
d0123476_8345660.jpg序 章 中東核戦争前夜?急浮上するシリア対イスラエル核紛争
第1章 戦争挑発行為?イスラエル爆撃機のシリア領空侵犯
第2章 シリア対イスラエル 中東核戦争の危機は本物か
第3章 新・ジェリコの闘い イランのミサイル報復作戦
第4章 核のターゲットは駐留米軍 国連とEUの経済制裁
第5章 消された記事『中東代理戦争・シリアvsイスラエル』
第6章 囁かれる中東核戦争
   中東核戦争6.1 ホワイトハウスのウォーゲーム
   中東核戦争6.2 2008年核戦争の冬・チェニーのウォープラン
   中東核戦争6.3 復讐の世紀・中東戦争「核のアルマゲドン」
   中東核戦争6.4 暴かれた大謀略・イスラエルとネオコンの中東核の戦略
第7章 驚愕!原爆搭載機B-52飛行事件は米空軍内のクーデターか?
第8章 ラマダンとヨムキッパー ユダヤ沈黙の壁を崩したネタニヤフ
第9章 新冷戦中東編 モサドとCIAのニューインテリジェンスウォー


by ysbee-2 | 2008-06-23 00:16 | 中東核戦争
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