スクープ!米・イランに外交革命!テヘランに米大使館設立計画!!
||| テヘランの春 30年目の雪解け |||
30年の国交断絶に終止符、テヘランに米大使館の前身を設立計画
あっと驚いてウ〜ンとうなってしまった。最近の緊急速報や大ニュースには連日の事なので慣れっ子になったつもりだったが、これは冗談でなく、地軸の度数が変わるほどの一大ニュースだ。イランと米国の緊張した対立の壁が一挙に崩れたような感じである。スクープして一面トップで報道したのは、英国のガーディアン紙。
西側諸国のG8サミットに対抗するかのように時期を全く同じくして、マレーシアのクアラルンプールで開かれていたイスラム諸国サミット。たしかにこの席で、イランのアフマディネジャド大統領は、「今後イランはいかなる戦争もしない」という平和宣言を発して、記者会見に臨んだジャーナリストばかりでなく、イスラエルのイラン攻撃がいつ始まるかと固唾をのんでいた世界の緊張に、見事(?)なフェイントをかけた。
7/08朝 WTF! アフマディネジャドの大乱心?戦争放棄宣言
7/08夕 イスラエル自滅、米国破産で中東平和?アフマディネジャドの大妄言!
6/21 警告!イスラエル対イラン 中東核戦争への助走
6/22 イラン攻撃は現実か?イスラエル、中東戦争への秒読み開始
6/23 イランの核に協力する中国・ロシアと中東核戦争の想定
さらには一昨日から国務省のナンバー3であるウィリアム・バーンズ次官が、イランのサイード・ジャリリ核エネルギー担当相と、19日土曜にスイスのジュネーヴで開かれる核保安の会議に同席し、その席で直接的にか間接的にかはまだ明確ではないが、会談をもつ予定だとAP通信のスクープが出たのが15日。ブッシュ政権の、特にライス長官以下の国務省側では、イランとの国交回復でこの機に一気に中東平和の駒を進めるのではないか、と噂されていた最中だった。
一方で、イラン攻撃の脅しで肝を冷やさせられたイスラエルは、今週なんとガザとの捕虜交換に調印し、アラブ・ユダヤの4千年の抗争にやや一息つくのかという、こちらも180度転換の和解ムード。5人のヒズボラの殺人犯人は、ある者は20年以上の虜囚生活の末にガザへ生還した。しかし、レバノン側の祝賀気分とは明暗を分けるような、沈痛な空気がイスラエルをおおっている。それは、一昨年夏のレバノン戦争のそもそものきっかけとなった、ゴラン高原で堡俏中のイスラエル空軍兵士2名をヒズボラが捕獲した事件。戦争捕虜となった2人のイスラエル兵士は、今回の捕虜交換では国中の期待に反して、黒い棺に納まってイスラエルへ無言の帰郷をした。家族は元より、筋金入りの愛国心で知られるイスラエル国民が、このままでは黙ってはいないだろう。このニュースは昨日今日と追いかけていたので、週末にでもこれまでの経過と併せてまとめてお伝えしたいと思っていたところ。
6/24 サルコジの聖地巡礼「エルサレム分割で中東平和を」
1/24 ポスト・ジェリコ ガザの壁崩壊が中東に及ぼす波紋
1/25 ガザ・ゲットー 壁崩壊による窮乏からの脱出
それよりもアフガンの戦局が急激に悪化してきて、米軍は13日日曜の戦闘で、ここ3年間で最高の一度に9人の戦死者を出した。今日はペンタゴンが、パキスタンとの国境地帯クナール州ワナットの前線基地を「ギブアップ」した、というニュース。要するに、完成してわずか3日目のアフガン最前線の護りとなるはずだった米軍の砦が、200人ばかりのタリバンに包囲されて陥落した、という惨状である。そら見たことかである。イラク戦争はあらゆる局面で米国の足を引っ張る。実はこの状況に、去年から明快な回答を提言しているのが、バラク・オバマ。これも記事はフォーマットまでできているので、あとは翻訳して明日の掲載になる予定。
6/13 タリバン大胆不敵!アフガン監獄を襲撃、囚人千名大脱走!
6/16 ランドレポートが暴露したタリバンとパキスタン政府の癒着
6/17 ランドレポートで急旋回するテロ戦争の最前線
7/14 緊急アフガンレポート・テロ戦争の最前線から
7/15 タリバンの逆襲・アフガン戦死者2400名に
さて本題のガーディアン紙のスクープ記事だが、ここはよくガザやレバノンのイスラムゲリラ側の報道が詳しく載るので、多分イラン側の消息筋から聞き取った情報だろう。詳細はのちほどガーディアンの元記事を熟読してお伝えするが、私のメールに入ってきたのはロイター通信からの速報。ロイターはAP通信の記事と比べいつもボリュームにして半分か3分の1の短さで、出来事の要旨を掴むには便利である。
だが「現象のディテールにこそ事の本質が現れる」という経験則を大事にする私としては、事件や事変の現場の詳細をいたずらに加工したり抽象化せず「ありのまま」に伝えるAP通信の方が、事実の具体的なイメージもわき背景もよく判るので、どうしてもそちらを優先してしまいがちである。しかし今回はともかくこのニュースを一刻も早くお伝えしたいので、未消化ではあるが端的にまとまっている、短い方のロイターの記事を訳してお届けする。
こんなどうでもいい楽屋裏の前書きはさっさと飛ばして、早く翻訳を急ぎなさい!……ハイ。
»» 次号「中東が変わる!米国・イラン30年ぶりに国交回復へ」に続く
追記:関連記事のリンクをつけたりしていたら前書きがやたら長くなってしまいましたので、本文のロイター通信の『米・イラン国交回復』の記事は次のページへ分割掲載いたしました。
【米国時間 2008年7月17日『米流時評』ysbee 記】
記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/8293331
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/8293331
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by ysbee-2
| 2008-07-17 17:50
| 中東のパワーラビリンス