中東が変わる!米国・イラン30年ぶりに国交回復へ
||| 米国・イラン30年ぶりに国交回復へ |||
バーンズ米国務次官、今週末ジュネーブでイランの核担当相と会談へ
米国時間2008年7月17日午前2時50分 | ロイター通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』
ロンドン発 |米国は来月、イランとの30年間の国交断絶をやぶって、テヘランに米国の外交出先機関を設立する計画を発表する予定であるというスクープを、英国のガーディアン紙が17日木曜の朝刊に掲載した。同紙の一面トップを飾ったこの記事では、米国政府はイランの首都に、大使館開設までの足掛かりとなるような米国政府の施設を開設する予定であると書かれている。
トップ:マレーシアのクアラルンプール空港へ到着した 左からイランのモタキ外相、アフマディネジャド大統領
Report: U.S. to Establish Presence in Tehran
Article in U.K.'s Guardian says U.S. would end 30-year absence
JULY 17, 2008, 2:50 a.m. EST | REUTERS — BREAKING | Translation by ysbee
LONDON — The United States will announce in the next month that it plans to establish a diplomatic presence in Tehran for the first time in 30 years, a British newspaper said Thursday. In a front-page report, the Guardian said Washington would open a U.S. interests section in the Iranian capital, halfway towards opening an embassy.
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JULY 17, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版
R E U T E R S | B R E A K I N G
米・イラン間に外交革命、国務省テヘランに米大使館設立準備計画
米国時間 2008年7月17日午前2時50分 | ロイター通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee
The unsourced report by the newspaper’s Washington correspondent said: “The Guardian has learned that an announcement will be made in the next month to establish a U.S. interests section in Tehran, a halfway house to setting up a full embassy. “The move will see US diplomats stationed in the country,” the paper wrote.
テヘランに米大使館開設までの臨時施設
情報源は明かされていないが、ワシントン駐在のガーディアン紙の記者がさる消息筋から取材した内容が次のように書かれている。
「ガーディアン紙の聴くところでは、米国政府は完全な体制の大使館を設立するまで、準備段階としての米国(国務省)の出先機関をテヘラン市内に設立する計画を、来月発表する予定である。この外交政策の大転換で、米国政府の外交官がイラン国内に常駐することになるだろう。」
2. A remarkable turnaround in Iran policy
Senior U.S. diplomat William Burns said in testimony to Congress last week the United States was looking to opening up an interest section in Tehran but had not made a decision yet. The Guardian said the development was “a remarkable turnaround in policy by President George Bush who has pursued a hawkish approach to Iran throughout his time in office.”
ブッシュの「テヘランの壁」崩壊
米国国務省のウィリアム・バーンズ次官は、先週下院の聴聞会での答弁で「米国は将来的にテヘランに政府の出先機関を開設する意向はあるが、現時点ではまだそこまでの決断は下していない」と状況説明していた。ガーディアン紙の記事では、「今回の展開は、これまで7年半の在任期間中イランに対しては一貫してタカ派の攻撃姿勢をつらぬいてきたジョージ・ブッシュ大統領による、外交方針のめざましい転換である」と述べている。
3. U.S. envoy joining the nuke talks
Washington said Wednesday it was sending Burns to join atomic talks with Iran this weekend to signal to Tehran and others that Washington wanted a diplomatic solution to their nuclear impasse. Iran says its nuclear work is for peaceful power generation, and not for the development of nuclear weapons as the West suspects, and has rejected conditions it give up uranium enrichment.
バーンズ次官、ジュネーブの核保安会議に出席
16日水曜米国政府は、今週末ジュネーブで開催される核保安会議に、国務省のウィリアム・バーンズ次官を出席させると発表。国務省のこの動きは、イランを始めとする核(兵器)開発国に対して(武力ではなく)外交的手段で解決を図りたいというブッシュ政権の意向を示唆する動きとして注目されていた。以前からイラン側では、同国の核開発計画はあくまで発電用の核エネルギーとしての平和利用であり、西側諸国が疑惑を抱いているような核兵器開発ではないと主張し(経済封鎖を解くために西側から要求されている)ウラン濃縮工程を断念するという条件を拒絶し続けてきた。
4. 'Iran would consider any proposal by the U.S.'
On Sunday, President Mahmoud Ahmadinejad suggested Iran would consider any proposal by the United States for a U.S. interests section in the Islamic Republic, should one be forthcoming. U.S. media have reported that the State Department is considering opening an interests section that could mean U.S. diplomats returning to Tehran but operating under another country’s flag.
「イランは米国のいかなる提案も検討する意向」
去る13日日曜(シンガポールで開催されたイスラム教諸国サミットでの記者会見で)イランのマフムード・アフマディネジャド大統領は、イスラム共和国内に米国の出先機関をおくためにどちらかが譲歩するべきであるのなら、米国側からのいかなる提案も検討するつもりであると、イラン側の外交受け入れ態勢を示唆していた。また米国のメディアは、「国務省では他国の旗の元に運営されて(=他の大使館内に一時的に場所を借りたかたちで)米国の外交官がテヘランへ戻るという状況を示唆するような、米国の出先機関の開設を検討中であるようだ」と報道していた。
5. Reviving ties cut off since hostage crisis
The United States cut off diplomatic ties with Tehran during the 1979-1981 hostage crisis, in which a group of militant Iranian students held 52 U.S. diplomats hostage at the American embassy for 444 days. Iran maintains an interests section at the embassy of Pakistan in Washington. Mottaki said it serves the large Iranian community in the United States.
米国大使館人質事件以来30年ぶりの国交回復
米国は1979〜1981年のイスラム革命の最中に、イスラム強硬派のイランの学生たちが、当時のイラン王政を打倒する目的でゲリラグループを組織し、イラン駐在米国大使館を襲って、大使館員とその家族52名の米人を444日間にわたって拘留した「イラン米国大使館人質事件」が起きて以来、30年間にわたって国交断絶が続いていた。
それ以来イランは米国との外交折衝の窓口を、ワシントン駐在のパキスタン大使館を経由してかろうじて連絡を取っていた。イランのモタキ外相の説明では、今回の外交関係復活は、米国国内に在住するイラン人社会にとって、大きな前進であると表明した。 [了]
【米国時間 2008年7月17日 『米流時評』ysbee 訳】
»» 次号「五輪最前線 自爆テロ、ハイジャック……北京の緊急テロ対策」 へ続く
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by ysbee-2
| 2008-07-17 18:20
| 中東のパワーラビリンス