「オバマ時代の開幕」アメリカが変わる、オバマが変える。
||| ベルリン演説・オバマ時代の開幕 |||

オバマがベルリン演説で証明した、世界の指導者としての資質
ベルリン。ブランデンブルグ門。勝利の広場。第二次大戦で連合軍がナチスドイツ軍から解放した国。1963年に初めてベルリンを訪れたケネディ大統領がドイツ復興を讃えた都市。1987年にレーガン大統領が、時のソ連ゴルバチョフ首相に向けて「この壁を壊して、東西統一への道を拓こう」と呼びかけた広場。そのベルリンの勝利の女神像の下、かつては東西ベルリンの壁の起点だったブランデンブルグ門の前に広がる広場から、はるか遠くのブールバールのはずれまで、期待に胸をはずませ頬を紅潮させた数十万の群衆が埋め尽くし、時今や遅しと待っている。何を……誰を?
そして歓喜の声に応えて現れたのは、バラク・オバマ。 アメリカの、いや世界の未来をしょって立つであろう、ひとりのアメリカ人。まだ大統領にさえなっていないというのに、この巨大な群衆が彼に期待するものは何なのだろう。世界の安定? 平和? 繁栄?………

この演説は、ブランデンブルグ門から大通りを埋め尽くした数十万人のベルリン市民が直接耳にしたばかりでなく、ライブで米国をはじめ世界中に中継された。演説内容は世界のメディアが報道するだろうから、次回からのエントリーでは「米国だけでなく、世界がなぜオバマに期待するのか」を的確に伝える欧米メディアの記事を厳選して、順次翻訳しお伝えしたい。

しかし63年11月のケネディ暗殺以降、アメリカは急激に陰りを増し、ベトナム戦争の泥沼に入り込んで、第二次大戦後の威光を徐々に失っていった。特に、2001年9/11以降のブッシュ政権の横暴な覇権主義は、米国が世界中から嫌われる事態を招き、各地でのテロリストの横行に逆に拍車をかける結果となった。このままでは、世界はあちこちに亀裂ができ、紛争から戦争へと拡大し、下手をすれば崩壊する。

オバマの演説では、いつも壮大なビジョンが立ち現れる。つい昨日まで、世界は病んでいた。覇権主義の陰で拡大する貧富の差。全体主義の弾圧に脅かされる少数民族。無政府主義の無差別テロに曝される無防備な一般市民。そして崩壊へのサイクルを確実に歩む地球環境。われわれがこうした「人間のよりよき生活への脅威」と闘うには、個人が、社会が、国家が連帯するしかない。
「対立ではなく対話を、分裂抗争ではなく連帯を、戦争は覇権のためではなく平和のために。」
世界の融合と平和。こうした言葉が言葉のままに終わらず、個々の紛争の場所で具体的な会談や条約や政策となって、実現することを心から願う。
右とか左とか、共和党とか民主党とか、保守とか革新とか、そういった差異は、世界を飲み込もうとしている巨大資本の怪物と一般市民との対立に比べれば、乗り越えられる小さな差異だ。われわれは今、目に見えない不安を誰しも持っている。世界が恐怖政治の暗闇に向かうのではないか、といういやな予感に怯えている。しかしだからこそ、われわれひとりひとりが、目に見えないグローバルなゴリアテに立ち向かうダビデでなければならない。
そのためにも、今世界で何が起きているのか。誰の指令で誰が虐げられているのか。その窮状を救えるのは誰か。その問題を解決する手だてはあるのか。われわれは常に目覚めて真実を見極めなければいけない。主義主張で理論武装して脳細胞が死後硬直を起こす前に、まずはひとりの人間として、手垢にまみれない子供の目で世界を見つめ直すことが必要だ。

「アメリカが変わる……」とタイトルを付けたが、オバマなら「世界が変わる……」の方がふさわしいかも知れない。JFKとマーチン・ルーサー・キングの再来とは、オバマの人物像についてよく言われる表現だが、もしかしたら彼は、もっと大きな存在かも知れない。JFKは東西冷戦の、キング牧師は人種差別の壁を崩そうと努力したが、オバマならば、貧富の差の問題、持てる国と持たざる国の南北格差の問題を解決する方向に進んでいくだろう。
現在世界中で紛争や虐殺が繰り返される悲惨な戦場は、すべて武器と富を独占した権力が、無抵抗な貧しい市民を大量に簒奪していく「パワー・マシニズム」の機構が働いているからであり、国連までがその自動的な収奪の機構に組み込まれてしまった。民主主義の根本精神、世界中の人間の尊厳を守り、自由・博愛・平等の復権を標榜する指導者が、今ほど待たれている時代はない。だからこそ今、アメリカ国内だけでなく、ベルリンで、パリで、ロンドンで、オバマが待望されるのだろう。なぜなら、オバマが大統領に立候補した一番の理由は、そうした「権威主義による世界の暴力的分裂」を、今この時代に解決するためであるのだから。
【米国時間 2008年7月24日『米流時評』ysbee 記】

»» 次号 特集『オバマドクトリン』
序 章「オバマ時代の開幕 アメリカが変わる、オバマが変える」
第1章「オバマのベルリン演説・抄訳 世界市民の連帯」
第2章「オバマの欧州戦略 ヨーロッパに蔓延するオバマ熱」
第3章「オバマの外交戦略 21世紀のオバマ・ドクトリン」
第4章「オバマの軍事戦略 核とテロの脅威に対応する米国の新戦略」へ続く

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by ysbee-2
| 2008-07-24 06:48
| 2008年米国大統領選



