【再掲】ユーラシア大連邦と第三次世界大戦の兆候
||| ユーラシア大連邦と世界大戦の兆候 |||
グローバルな第三次世界大戦は すでに始まっている
イスラエル、アルメニア、トルコ、クルド、イラン、リビア、ソマリア、ダルフール、ミャンマー、東トルキスタン、チベット...... 紛争の焦点はグローバルに散在 【2007年10月の記事再掲出】記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/8435637
イスラエルとパレスチナ「エルサレム二都物語」
先月末から2週間近くミャンマーの虐殺に胸つぶれる思いで、軍事独裁政権の弾圧を糾弾してきたので、他の重要なニュースに紙面を割く事ができなかった。しかし現在、世界はすさまじいスピードとスケールで、一大変革の渦に巻き込まれているかのようだ。今日お伝えする「エルサレム二都物語」も、これまでの国際社会の常識では想像もつかなかったドラスチックなシフトで、ユダヤ対アラブの数千年にわたる民族紛争の焦点エルサレムを、イスラエルとパレスチナ双方の首都として分割するという、思いがけない紛争解決策である。それも、当事者である好戦的なイスラエルのオルメルト首相から提案されたという驚愕の展開だが、そのほかにも続々と唖然とする大変化が、国際社会の大舞台で開幕している。
プーチンのイラン訪問と「カスピ海サミット」
ひとつは、一昨日から2回に分けてお届けした「プーチンのイラン訪問」。今回のカスピ海サミットの詳細については前回の記事を読んでいただくとして、要はロシアとイランのエネルギー資源の供給路を確保する会議と観た方が、てっとり早いかも知れない。
ロシアはすでに中国とは共同で軍事演習を行なっている状況であるから、北朝鮮=中国=ロシア=カザクスタン=トルクメニスタン=イラン=シリア、そしてトルコという一連の「ユーラシアの連帯と結束」をプーチンは胸に描いていて、実現しつつあるように受けとれる。その共通点が、NATO、EUをも含めた「反アメリカ覇権主義」にあるのは明白である。
「アルメニア人虐殺」とトルコのクルド侵攻
もうひとつ重要な動きとして、トルコの親米体制からの離脱。これは第一次大戦下のオスマントルコによる「アルメニア人虐殺」の史実承認問題である。韓国と日本の慰安婦問題と似て非也なのは、下院を議案通過した時点ではアナクロな争点の蒸し返しに見えたが、トルコにとっては国辱問題であり、ナショナリストを中心に俄然反米運動が巻き起こってしまった。一般の米国市民にはどうにも解せない晴天の霹靂。が、実はイラクとの国境地帯クルド地区では、トルコ政府軍とクルド人の独立運動ゲリラPKKとの間の数十年の小競り合いが最近急激に険悪になり、戦死者数十名を出す本格的紛争に発展してきた背景がある。これもまた、サダム政権という鉄拳統制の崩壊以来険悪化してきた状況で、関連国にとっては火急の事態である。
国連安保理事会でカダフィのリビアが理事国に
さらにもうひとつ。これには驚きを通り越して呆れてしまったのだが、カダフィ議長の率いる地中海沿岸北アフリカの小国家リビアが、国連安保理事会で「アフリカ代表として理事国に選出された」のである。88年スコットランドでのパンナム103便爆破事件はカダフィの指令と看破されたにも拘らず、最終責任は追求されずに今日に至っている。しかしイランのアフマディネジャドやベネズェラのチャベスら反米主義強硬派とは違い、カダフィは数年前にいち早くテロ戦争への加担を申し出てブッシュの「悪の枢軸」国家の隊列離脱に成功し、米国務省のテロ国家ブラックリスト入りを危うく免れている。この「リビアの理事国化」は国連の権威を失墜する象徴的な出来事として後々に必ずや禍根を残すと予測できるので、後日報告したい。
世界同時多発のグローバルウォー
その他にも大きな動きが多々あるのだが、トルコの反米動向を除いて、これらがすべて今週に入ってからたった2日間の出来事である。もし今現在本音で「世界は平和だ」と宣っている方がいらしたら、それは無人島に住んでいてワイアレスなためにニュースに触れる機会がないのか、端的に盲目か、という状況にある方々に相違ない。
これほどの深刻な紛争が同時多発している状況を、もし数世紀後の歴史家が振り返って名付けるならば、きっとこう呼ぶに違いない。「21世紀初頭のグローバルウォー」だと。
あるいは先人を踏襲して単純にこう記述するだろう。第三次世界大戦は2007年に始まった、と。
【『米流時評』昨年10月16日のエントリーより再掲出 ©2007 ysbee 】
写真の説明:トップはトルコとアルメニアの国境にそびえるアララット山の勇姿。ノアの方舟が山頂にたどり着いたという伝説もある。/右側の縦長の写真は、すべてモンゴル共和国の中央アジアの平原。鉄道はその名もエキゾチックな「サイベリアン・エキスプレス=シベリア特急」で007かマタハリでも潜んでいそうだが、北朝鮮の金正日がモスクワへプーチン詣での時に愛用する列車。/一番下の写真は「Armenian genocide」で昨今急激にクローズアップされるアルメニアの高原の夏。オスマントルコが150万人のアルメニア人イスラム教徒を計画的に殲滅したと伝えられ、このような破壊の跡を示すモスクのドームが、今でもそのまま放置されている。
»» 次号「【再掲】ユーラシアの回廊・帝政ロシアの首飾り」
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/8435637
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by ysbee-2
| 2008-10-16 09:40
| ユーラシアの回廊