号外!AIGに8.9兆円連邦救済ローン、恐慌脱出か?
||| NY株式市場メルトダウン |||
AIGシンドローム、世界最大の保険会社倒産の危険性と波及効果
[昨日からの続き] 恐慌3日目。リーマン、メリルリンチに続いて、世界最大の保険会社AIGの危機。連邦政府がリーマンを見限ったように、果たしてAIGも見放すのか?これが昨日の米国アナリストの論議の争点でした。
と〜こ〜ろ〜が〜……ピンポ〜〜ン、ここで臨時ニュースが入りました。
臨時ニュース »» 連邦財務局がついにAIGの救済に踏み切りました!
850億ドル (約8.9兆円) というギガスケールの補助金で、世界第一位の保険会社AIGの財務破綻を、連邦政府が救援する援助貸付けを認可しました。詳細は後続の記事で紹介します。AIGが倒産すれば、米国経済に核爆発が起きるような甚大な連鎖被害が波及して、恐慌は免れないと噂されていたので、まずはとりあえずの朗報でした。
[米国東部時間17日2:30AM /ハワイ時間16日9:30PM /日本時間17日4:30PM]
続報:臨時ニュース »» イエメンの米国大使館に自爆テロ突入し爆破炎上!
イエメンの米国大使館に6・7台の自爆テロトラックが突っ込み、爆破炎上。大使館内部は現在燃えている最中で死者も出た模様と、MSNBCの『Rachel Maddow Show』を見ていた最中に速報が入りました。イエメンはオサマ・ビンラディンの故郷で、アラビア海の海賊テロのメッカ。アルカイダと関係があると思います。まずはお知らせまで。
【米国時間2008年9月16日『米流時評』ysbee 記】
__________________________________________________________________
SEPTEMBER 16, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版
A S S O C I A T E D P R E S S
どうなる、最大の危機に直面したグローバル経済、大恐慌はくるのか?
米国時間2008年9月15日午後5時00分 | AP通信/ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee
Investors react to Lehman Brothers bankruptcy and Merrill Lynch sale
SEPTEMBER 15, 2008 EST | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
Continued from the previous issue— The Dow fell 504.48, or 4.42 percent, to 10,917.51, moving below the 11,000 mark for the first time since mid-July. It was the worst point drop for the Dow since it lost 684.81 on Sept. 17, 2001, the first day of trading after the terror attacks. It was also the sixth-largest point drop in the Dow, just behind the 508.00 it suffered in the October 1987 crash.
[前号『ウォールストリート大暴落、9/11以来のメルトダウン』からの続き]
米国時間で15日月曜、ニューヨークダウ株式市場は前日比マイナス4.42%の504.48ポイント下落し、今年7月以来初めて11,000ドルを割る、10,917.51ドルの最底値を記録した。今回の株価急落は、9/11のテロ攻撃直後ウォール街が再開した初日、2001年9月17日に684.81ポイントを失って以来の、7年ぶりの大暴落である。また、1987年に1日の下落が508.00ポイントを記録した数字に次ぐ、米国史上悪い方から6番目の急落を記録した。
9. Broader stock indicators fell
Broader stock indicators also fell. The Standard & Poor’s 500 index declined 59.00, or 4.71 percent, to 1,192.70 — also its biggest drop since 9/11 and the first time it closed below 1,200 in three years. The Nasdaq composite index fell 81.36, or 3.60 percent, to 2,179.91; that was its worst point loss since Jan. 4. Declining issues overwhelmed advancers on the New York Stock Exchange, where 164 stocks rose compared with 3,064 that fell. Volume came to a moderate 1.8 billion shares.
市場全体が売りに殺到
また主要ダウ銘柄だけでなく、米国の株式市場全般にわたって、株価が下落した。
» The Standard & Poor’s/スタンダード・プアーズの主要500銘柄は4.71%下落して、終値1,192.70ドルで前日比500ドル安。これもまた2001年の9/11以来の7年ぶりの記録で、ここ3年間で初めて1200ドルの大台を割ってしまった。
» 一方、IT銘柄の多い Nasdaq/ナスダックでは、3.60%下落して、前日比81.36ドル安の2,179.91ドルが終値。これは今年なってから不調が続く中でも、1月4日以来最悪の出来高となった。
15日月曜の暴落は、NYSE (New York Stovk Exchange) ニューヨーク株式市場でいまだ好況だった銘柄にまで悪影響を及ぼし、上り値の銘柄はわずか164社を数えるにすぎなかったのに対し、下り値の銘柄は3,064社の大部を占めた。売り買いの総取扱い数は18億株にも達した。
10. Oil plunging from $147 to $95
Oil closed below $100 for the first time in six months as investors worried that a slowing economy would hurt demand. Light, sweet crude fell $5.47 to settle at $95.71 on the New York Mercantile Exchange. Oil is down sharply from its mid-July highs when it hit a record over $147 a barrel.
2か月で$147から$95に急落した原油
一方石油市場では、インベスターたちが経済の停滞兆候で需要の大幅減少を懸念していたここ半年で、1バレル当りの原油価格が初めて100ドルの大台を割った。NYME (New York Mercantile Exchange) ニューヨーク商業取引市場では、前日比5.47ドル安の95.71ドルに収まった。価格急騰で一時は原油1バレル当り147ドルまで急騰していた石油市場だが、7月中旬から急落を続けている。
11. Gold, Bond surges while Dollar plunges
Bond prices surged as investors fled to the security of government debt. The yield on the benchmark 10-year Treasury note, which moves opposite its price, plunged to 3.42 percent from 3.72 percent late Friday. The dollar was lower against other major currencies, while gold prices rose.
継続するドル安とポンド・金市場の高騰
一方金融市場では、政府が後ろ盾について安泰な株へと投資家が逃げこんだ結果、英国のボンドが急騰。しかし財務省の見解では、10年のベンチマークで見た利回りは逆の下がっていることに留意するよう注意を促しており、たしかにポンド市場の利回りは、先週金曜の段階で3.72%から3.42%へと切り下げられていた。金市場が値上がりしている一方、ドル市場はユーロなど外国主要マネー市場の上昇に反して低値を記録した。
12. Treasury Sec. Paulson deserted Lehman
Investors likely also shrank from snapping up any bargains after Treasury Secretary Henry Paulson said from the White House he “never once” considered using taxpayer money to help prop up Lehman. That punctured some hopes that the federal government might come to the rescue of AIG.
リーマンを見限ったポールソン財務長官
ホワイトハウスで月曜に行った記者会見で、財務省のトップ、ヘンリー・ポールソン長官は「リーマンを救済するために国民の税金を使おうという思惑は、一度たりとも検討しなかった」と明らかにしたため、AIGの危機に関しても同様の措置がとられるのではないかという懸念から、多くの投資家が売りに走り、株価の下落に追い打ちをかけた事態も伺える。ポールソンの断言で、連邦政府がAIGの救済に乗り出すのではないかと、救援策に一縷の望みをかけていた投資家の希望を潰すには充分な会見だったからだ。
[注:この記事は連邦が850億ドルの救済ローンを発表する前日の記事ですので、内容が前後しています]
13. Paterson goes rescue with bridge loan
But AIG pared some of its losses after New York Gov. David Paterson said the company will be allowed to access $20 billion of assets held by its subsidiaries to stay in business. Paterson asked the state’s insurance regulators to in essence allow AIG to provide a bridge loan to itself. Investors are worried that the company could need up to $40 billion to aid its balance sheet.
ニューヨーク州知事からAIGに救命ローン
しかしAIGの財政危機の場合は、ニューヨーク州のデーヴィッド・パターソン知事が、AIG関連企業の1社に対して今後も存続営業できるよう救援策を考慮した結果、州政府が差し押さえていた200億ドル(約2.1兆円)の資産にアクセスできるよう特例の許可を出す予定と発表したため、その部分は損失を免れ、存命できることとなった。パターソン州知事は、ニューヨーク州の保険事業監査員に対して、差押えになっていた資産を端的に言えばブリッジローン(存続のためのつなぎ資金)としてAIGが自らに貸し付けできるように、資産流用を特別に許可する方策を指示した訳である。
しかし投資家がそれでも心配しているのは、AIGのバランスシートを正常化するためには、総体で少なくとも400億ドル(約4.2兆円)が必要だという冷酷な現実である。
14. Other financial stocks also fell
Other financial stocks fell as investors worried about the strength of banks’ balance sheets. Washington Mutual Inc. fell 73 cents, or 27 percent, to $2, while Wachovia Corp. fell $3.56, or 25 percent, to $10.71. Merrill rose 1 cent to $17.06, while Bank of America fell $7.19, or 21 percent, to $26.55.
ファイナンシャル株も一斉に急落
金融市場の他の銘柄の株価も一斉に下落した。これは各金融機関のバランスシート/財務対照表が堅固なものでないと懸念していた投資家の思惑通りの結果となったことを裏付ける。ワシントン・ミューチュアル Inc.は27%下落して前日比73セント安の2ドルの終値。ワコビアは、25%下がって前日比3ドル56セント安の10.71ドル。メリル・リンチは (BOAによる買収で一応安定と見られたのか) 1セント持ち直して17.06ドル。しかし、MLを買収併合した側のBOAバンク・オブ・アメリカは、前日より21%下がって、マイナス7.19ドルの26ドル55セントで終値を迎えた。
15. Need to purge worries over bad credit
Goldman noted, however, that the market’s sell-off wasn’t the cathartic move the market needed to purge its worries over bad debt and the tight credit conditions that have hobbled the economy. At some point, he contends, stock valuations will prove too tempting for investors sitting on the sidelines with piles of cash. “At some point the sellers have done their dastardly deed,” he said.
投資家の不安を一掃する好材料の必要性
しかしながら、モーガン・スタンレー(日本ではモルガン…ですが)と並ぶ証券銀行の両雄のひとつゴールドマン・サックス社の市場分析によると、株式市場の売り一辺倒の動きは、悪質な負債の山に厳しい融資条件が重なって片肺飛行に苦しむ、米国経済に対する不安を一掃するような浄化作用をもたらす効果とはほど遠い、と観測している。
ディーラーのひとりは、株価の利巾を見せつけるためにたとえ現金の札束を積んでみせたとしても無理で、顧客は一様に売りに徹し説得に苦労すると嘆く。「ある時点でクライアントたちは、是が非でも売りと覚悟を決めてしまったようです」
16. Consumer market sector is safe
Scott Fullman, director of derivatives investment strategy for WJB Capital Group in New York, said investors should remember that while the financial sector founders, others like consumer names aren’t suffering as much. “While they might get hit hard they won’t get hit as hard,” said Fullman. Wal-Mart Stores Inc. fell 78 cents to $61.63, while Coca-Cola Co. rose 25 cents to $54.75.
消費者セクター株は安全
ニューヨークに本社をおくWJB キャピタルグループの投資戦略部門を指揮する、スコット・フルマン部長は、ごく最近では9/11直後のような過去における暴落の際も、ファイナンシャルセクターが一様に土台沈下する一方で、一般消費市場のコンシューマーセクターを代表する銘柄はそれほど被害を受けなかった事実を思い出すべきだと注意を促す。「たしかに大打撃を受けたことは周知の通りですが、さほど被害が及ばなかった部門もあったのも事実です」この説を裏付けるように、ウォルマートは前日比78セント安の$61.63で収まり、コカコーラは逆に25セント高の$51.75の終値がついた。
17. Foreign, Europe markets plunge
But even good news like a drop in oil and some resolution to fears about Merrill couldn’t prevent a sell-off abroad. Markets in Tokyo and several other Asian money centers were closed for holidays. Britain’s FTSE 100 fell 3.92 percent, Germany’s DAX index lost 2.74 percent, and France’s CAC-40 fell 3.78 percent. The Russell 2000 index of smaller companies fell 30.50, or 4.23 percent, to 689.76.
欧州株式市場も一様に急下落
しかし今となってはもう石油価格の下落のような好材料や、メリルリンチ崩壊を喰いとどめた解決案ですら、売り一辺倒の市場の流れをくい止めることはできなかった。
東京の日経ダウ株式市場を始めとするアジア各国の外貨為替市場は、先週末から月曜までは連休で閉鎖していた。英国の株式市場FTSE-100銘柄では、株価は金曜の終値から3.92%値下がりし、ドイツのDAXインデックスでは2.74%の損失。またフランスのCAC-40銘柄も3.78%下落した。中小企業銘柄のRussel-2000の株式市場ではマイナス4.23%の30.50ポイント急落し、689.76ポイントの終値がついて閉幕した。 [了]
【米国時間2008年9月16日『米流時評』ysbee 訳】
»» 次号「米国の経済危機と大統領選・ペイリンは共和党の自爆装置」へ続く
記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/8623461
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/8623461
__________________________________________________________________
いつもご愛読いただきまして大変ありがとうございます。休載中もクリックしていただいたようで、感謝感激です!
おかげさまで4位まで盛り返しました。クリックに大いに感謝!
「ブログ村」の国際政治部門では、おかげさまでトップをキープです。
ニュース部門でもトップです。みなさまの応援、ありがとうございます!
テクノラティはお気に入りブログの更新内容が一覧できて大変便利
次世代冷戦時代 | ユーラシアの回廊 | プーチンのロシア | テロとスパイ陰謀 | サルコジのフランス
グローバルウォー | 中東核戦争 | 中東のパワーラビリンス | イラク戦争レポート | トンデモ北朝鮮
アルカイダ2.0 核のテロ | アフガン・タリバンの復活 | パキスタン戒厳令の季節 | ビルマの赤い川革命
四川大地震と中国の核施設 | フリーチベット・フリー東トルキスタン | 北京の長い夏 | ダイハード中国
米大統領選 | ブッシュと米国政治 | 欧米メディアの見る日本 | EUとNATO | グローバル ビジネス
by ysbee-2
| 2008-09-16 08:50
| グローバルビジネス