オバマの第一声「アメリカの大いなる挑戦」

||| 第6章 アメリカの大いなる挑戦 |||

変革のスローガンCHANGEから山積する問題にCHALLENGEへ


国民ひとりひとりとのダイレクトな結びつき。オバマのキャンペーンスタッフに、インターネットを選挙媒体として駆使するノウハウを熟知した、クリエーティブとITテクとマーケティングのエキスパートを揃えたことが、オバマというラフダイアモンドを磨き上げるための最強の武器になったのかも知れない。





テレビで70過ぎの老練の評論家がつぶやいた言葉、「こんなシーンは映画でしか見た事がない。いや、第二次大戦が終わった時と、宇宙飛行士のアームストロングが月面に降り立った時がこんな風だった。」


イラクやアフガニスタンの最前線で、今日もAK47の銃弾やらIEDの爆破やらの攻撃を生き抜いて、この無用な戦争の終りを文字通り命がけで待ち望んでいる20余万の米軍兵士たち。ブログでもデモでも、オバマを支援する兵士のグループを数多く見てきた。特にイラク戦線兵士の「この戦争は間違っている。一刻も早く方向を変えてくれ!」という声は、オバマのCHANGEと呼応して増幅した。

有権者のひとりひとりに訴えかけ、ほとんど毎日のメールでダイレクトに結びつき、わずかな金額からでも寄金を受けつけた結果、前代未聞のキャンペーン資金が寄せられ、全米で800万人以上がこの運動に参加した。「勝利は与えられるものではなく、勝ち取るもの」当初絶対に不可能と予測されていたオバマの勝利が実現した裏には、この闘争の黄金律が時代を超えて輝いている。

頭脳明晰、人脈も豊富で、上下両院の両党に顔の利く実践主義者。会社人事で言うと「幹事型」のポリティカルビジネスマンなので、オバマの手足となって稲妻のように両院を走り回る姿が、容易に予想できる。

内容は所信表明のブリーフィング的な政策方針の方向性を示すものに過ぎないが、質問する記者団の方が昨日までの2年間オバマの遊説旅行について回った「オバマ番」のレポーターなので、まだ「オバマ大統領」の実感が湧かない。記者とのやり取りは別枠で詳説するが、それでもオバマの後ろにずらりと並んだ、彼の「エコノミストチーム」である経済政策顧問のメンバーが壮観だった。

Challenge! 挑戦。しかも「The Greatest Challenge」である。彼がいつも遊説演説の中にはさんできた、アメリカのThe Greatest Generationと呼応する呼びかけだ。大恐慌から第二次大戦をくぐり抜けて、アメリカを世界最大の国に押し上げた世代。現在の若者の祖父母の世代である。つまり「我々の先代の世代が恐慌と戦争を乗り越えてきたように、われわれももう一度、この傷だらけのアメリカを再興させようじゃないか」という呼びかけが、わずか3語で言い尽くされている。そして時代はまさに、ふたつの戦争とグローバル恐慌の真っ只中だ。


【 米国時間 2008年11月7日 『米流時評』ysbee 】
*お知らせ* オバマの政策方針は、2年間の選挙運動の間に彼のサイトで実にわかりやすく公開されてきたので別の機会に詳説したいが、それよりも先に緊急でお知らせしたいのは、彼のキャビネットとなるオバマ新政権の組閣人事予測である。当初はニューズウィークの緊急レポートを選んでいた。しかし、今読み返してもこちらの方が当たっていると思われるのが、オピニオンブログの「Huffington Post」。3日付けで掲出されたリストアップを訳して、次の記事でお届けします。


11/07 オバマの仕事始め「ミドルクラスに対する経済救済案を」
MSNBC News Video —'Rescue plan for middle class'
MSNBC—Nov. 7: View Barack Obama's first news conference as president-elect.
»» 次号「オバマワールド第7章 オバマの初仕事・ホワイトハウス組閣人事」へ続く
»» 予告「オバマワールド第4章 YES, WE WILL. 21世紀の民主革命」へ
«« 前号「オバマワールド第3章 明日へのカウントダウン」からの続き


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by ysbee-2
| 2008-11-07 16:15
| オバマの時代