パキスタン諜報ISIとテロ組織ラシュカレタイバ

||| ムンバイ諜報レポート 第2章 |||

続 ムンバイコンフィデンシャル 米国はインドに事前にテロの警告を発していた!
前号「スクープ!米国務省レポート・ムンバイコンフィデンシャル」の続き | ワシントン発
米国国務省は、今年10月にインド駐在のアメリカ人に対して、少なくとも2件のテロ関連の事件が起きると、警告を発していた。特にそのうちの1件は地域を特定していたが、事件が起きる可能性があるという警告はインド西部を指しており、該当地域には今回のムンバイが入っていた。こうした警告は、テロ組織からの予告や諜報情報を受け取ったあとで発せられるのが通常だが、諜報当局が相手国の諜報部門へ手渡す漠然とした警告の形態で、それ以上の詳細は明記されていなかった。

State Dept. issued 2 terrorism warnings to Americans in India in October
DECEMBER 2, 2008 | Association Press — BREAKING | Translation by ysbee
Continued from the previous issue — The State Department issued at least two terrorism-related warnings to Americans in India in October, including one specifically covering western India, which includes Mumbai. These warnings are usually issued after threat information is received, but are less specific than what intelligence agencies would pass on to their counterparts.
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DECEMBER 3, 2008 | 『米 流 時 評』 | 時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2008年12月3日号

A s s o c i a t e d P r e s s | B R E A K I N G
続 ムンバイ・コンフィデンシャル 米国がインドに10月に発していたテロ警告
米国時間 2008年12月2日午後6時36分 | AP通信・ワシントン支局発 | 訳『米流時評』ysbee

10. Similar pattern of murder methods
They highlighted the holiday season in India and the potential for large crowds in shopping areas, restaurants and train stations, which are frequently targeted by terrorists. The warnings did not specifically mention hotels. U.S. counterterrorism officials said the Mumbai attack was similar to past operations undertaken by groups such as Lashkar-e-Tayyiba and Jaish-e-Mohammed.
無差別大量殺人のパターン
警告したテロの警戒期間として、国務省側ではインドのホリデイシーズンをマークしており、ショッピングセンターやレストラン、列車のターミナル駅など、これまでにもテロリストが襲撃のターゲットとしてきた場所を、要注意箇所として挙げていた。しかし、警告の書類にはホテルは特筆されていなかった。
米国のテロ専門の諜報担当者は、今回のムンバイテロ攻撃に関して分析を下しているが、過去においてもインドやアフガニスタンでテロ活動を実行してきたテロ組織である、ラシュカレタイバ(ラシュカール)やジャイシェモハメドと、テロの方法論や手段が酷似していることを指摘している。

11. Resurfaced under Jamaat-ud-Dawa
Lashkar, a terrorist group based in the disputed Kashmir region, was banned in Pakistan in 2002 under pressure from the U.S., a year after Washington and Britain listed it a terrorist group. It is since believed to have emerged under another name, Jamaat-ud-Dawa, though that group has denied links to the Mumbai attack.
別の組織名ジャマアット・ウル・ダワで再浮上
ラシュカレタイバ、略称ラシュカールは、属領・独立問題で紛争の絶えないカシミール地方を本拠地とするテログループである。しかし、2001年に米国と英国、両国の政府が、ラシュカレタイバをテロリストグループとしてブラックリストに上げてマークした翌年02年に、パキスタンにおいてもムシャラフ政権がラシュカールの活動を禁止していた。以降、ラシュカールは別の名称「ジャマアット・ウル・ダワ」と組織名を改称し、活動を再開していた。しかしジャマアットグループは、今回のムンバイテロ攻撃には一切関知していないと、犯人とのリンクを否定している。

12. Active organization in Kashmir
The State Department includes Lashkar on its foreign terrorist organizations list, one of three in Kashmir. Lashkar has attracted Pakistani members as well as Afghan and Arab veterans who fought the 1980s Soviet occupation of nearby Afghanistan.
カシミールでの活発なテロ活動
米国国務省では、カシミール地方を本拠地とする3つのテロ組織のひとつとして、ラシュカールも海外のテロ組織のブラックリストに登録している。ラシュカールの活動範囲は広範な地域に及び、地元のパキスタン人ばかりでなく、80年代にソ連のアフガン侵攻でアフガニスタンの独立を守るため対ソ連戦争を共に闘った、アフガニスタンやアラブ諸国のジハド戦士たちにも支持されている。

13. Possibility of Kashmiri connection
It has been active in Kashmir since 1993 but extended its operations into Afghanistan after the Sept. 11 terrorist attacks and U.S.-led war in Afghanistan, a second U.S. counterterrorism official said. "One thing people are looking at is the real possibility of a Kashmiri connection. Some of what's been learned so far points in that direction," a second U.S. counterterrorism official said.
カシミールコネクションの可能性大
1993年以来ラシュカレタイバはカシミールをベースに活動を続けてきたが、アルカイダによる9/11の米国同時テロ攻撃以降は、米国主導のテロ戦争のアフガン戦線へも、その活動半径を伸ばしていると、もうひとりの米国のテロ専門の諜報担当者は説明した。
「人々が注目するべきは、カシミールとのコネクションです。これまでにわかっている事実のいくつかは、すべてその方向を示唆しています」

無政府状態の国境地帯では、タリバン系テロ組織が親米派と見られる村民を誘拐、堂々と公開処刑する野蛮さ
14. Demanding to hand over suspected terrorists
Amid some information that the terrorists trained in camps in Pakistan, India has demanded that Islamabad hand over suspected terrorists believed living there and had said that Pakistan's leaders must take "strong action" action against those responsible.
テロ容疑者を手渡すようパキスタン政府に要求
今回のムンバイテロ攻撃の犯人たちが、パキスタン国内に存在するテロリスト養成キャンプで訓練を受けていたという(生き残り犯人が自白した)情報が公開されたが、これを根拠にインド政府はイスラマバードのパキスタン政府に対して、現在パキスタン国内に居住していると思われる(20名の)テロ容疑者を、インド側の捜査陣へ引き渡すよう要求した。この際にインド政府は、パキスタン政府の指導者たちは、一連のテロ事件を起こした責任のある者たちに対して、「厳重に対処すべき」と主張している。

15. 'Terror group located on Pakistan's territory'

「パキスタン国内のテログループ」
テロリストの出身地に関してだが、前述の諜報部門の高官は、パキスタンとのコネクションを結論づけるように導いた証拠がいったい何なのか、詳細は明らかにしなかった。また特定のテロ組織を名指しすることも避けた。しかしこの諜報分析のプロは「公表の有無にかかわらず、現在までの一連の情報から判明した事実は、名前は明らかにできないが、組織の一部あるいは全体がパキスタン国内に存在する一テロ組織の仕業である」と結論づけた。……続く
東のインド、西のパキスタン両国と中国の間に横たわる高原地帯カシミール。このカシミール地方は、帰属や独立問題をめぐって、60年以上常に両国の紛争の焦点となってきた南アジアの火薬庫。
【 米国時間 2008年12月3日 『米流時評』ysbee訳 】

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