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米流時評

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2009年のワルキューレ/ブログの砦の同志たちへ

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   ||| 2009年のワルキューレたちへ |||

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ブログ界の言論の自由を守るために 見えない圧力と闘う同志たちへ

2009年のワルキューレ/ブログの砦の同志たちへ_d0123476_18552829.gif日本のみなさま、明けましておめでとうございます。米国はまだ2008年のどんづまり大晦日の真昼であります。クリスマス以降は「2008年のベストシリーズ」として、10大ニュース、話題の人物トップ10、必読のベストセラートップ10..... など、年末年始にふさわしいコンテンツを用意していたのですが、イスラエルのガザ空爆で全ておあずけです。
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27日以来のイスラエル空軍のガザ空爆は、1日も止むことなくエスカレートの一途。ガザの政権を握るハマスは、当然報復を誓い全面戦争を宣言。世界の抗議に押されて、国連もEUもイスラエル・ガザ双方に対して「即時停戦」を要請しましたが、昨夜イスラエルはこうした国際世論を一切無視して、徹底攻撃の声明を出しました。開戦以来、イスラエルは国防軍の待機兵6500名に非常召集をかけ、ガザとの国境線に配備している地上軍の兵力も倍増しました。国境線に沿って戦車隊を連ね、ガザを地上侵攻の構えです。
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今回のガザ戦争は、ガザだけでは終わらないでしょう。多分イスラエルの思惑としては、イランを誘い込みたい。なぜならイスラエルは徹底攻撃を明言しており、その作戦名も「The Lead Casket=鉛の棺」。つまり、最終手段として「核攻撃」も辞さない、という脅しに満ちたタイトルです。イスラエルは、軍事力の格差では、原爆と花火ほども開きのある哀れなガザに対して、全面戦争をけしかけた。これは、当然勝利に終わることを予測するだけでなく、その間にアラブ世界の反撥、さらには軍事上の反撃を呼び起こすのが目的と思えます。
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特に、開戦直後にシリアとの和平交渉が決裂した事実に注目です。昨日のワシントンポストでも指摘していましたが、今回のガザ攻撃は、来年早々に控えたイスラエルの総選挙と無縁ではありません。常にタカ派的発言が国内世論の支持を受けるイスラエル。レバノン戦争での失敗と数々の汚職事件との拘泥で人気の失落しているオルメルト政権。彼の所属する中道派のカディマ党では、後続の候補に現政権で外相を務めるリヴニ氏を首相候補に擁立する予定です。
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しかし、タカ派の代表的存在として知られるリクード党の対立候補、ベンヤミン・ネタニヤフ元首相(1996〜99年)の方が、アラブ世界に対する威嚇という役割では旗色がいい。そこで、オルメルト首相、リヴニ外相、そして6日間戦争の英雄でもある左派労働党のエフード・バラク防衛相(クリントン政権時代の1999〜2001年には首相職)の三役そろい踏みで、「現政権の中東アラブ世界に対する威圧力を誇示するため」に、つまりは次期選挙のキャンペーンの一環として今回の空爆の暴挙に出た、という解釈です。
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この陰には、欧米の政界をも牛耳るイスラエルの軍需産業ロビーの暗躍も当然ながらあります。ボーイング社とロッキード社が嶮を競う、米国の航空機(実質的にはジェット戦闘機)業界の熾烈な販売戦争も隠れています。こうした資本家や財界からの圧力を「陰謀論」の一言で一蹴する方々は、もはや常識になっている「軍需産業>ロビイスト>政界有力者」の政治資金のネットワークを隠蔽する側に加担している、と指摘されても仕方のない立場を取っていることになります。
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米国では軍部はもちろん、CIA、FBIの相当な地位にある高官が一個人としての良心に立ち返ったときに、こうした癒着と陰謀行為に業を煮やし、自ら辞職して内部告発の書を発刊する例があとを絶ちません。ハリウッドですら、こういった史実にもとづいた警告の書を映画化した作品を輩出しています。特に昨年封切りの『Charlie Wilson's War』では、パキスタンの ISI とCIAの関係や、上院議員とイスラエル軍需産業のロビイストの暗躍が実に鮮やかに描かれていて、観た方はきっと、現在のアフガニスタン・パキスタン・インドが騒乱に陥っている元凶は何なのかという真相が、実感として把握でき役立ったことと思います。
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さて今回のイスラエルの空爆ですが、前の記事でも書いた通り「パレスチナ人虐殺」以外の何者でもありません。先月からガザを完全封鎖して、食糧・物資・燃料を断ち、イスラエルに頼っていた電力すら差し止めた。当然普段からイスラエルに敵意を抱くパレスチナ人と、その代表政権の政党であるハマスは、抗議行動としてお決まりのロケット砲攻撃に出た。そこで、待ってましたとばかりに、イスラエル側からの空爆が始まった訳です。
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小さな檻に入れた獰猛な犬に餌を与えなかったらどうなるか? 当然犬は噛み付くでしょう。そこでその犬を虐殺する大義名分ができた。つまり、攻撃理由を作るための「咬ませ」だった訳です。今回のイスラエルの攻撃は06年のレバノン攻撃と同様、人道的見地に立って見れば、ヒットラーのユダヤ人虐殺と何ら変わるところがありません。対立する他民族を、圧倒的軍事力で殲滅してもかまわないという、ユダヤ人独特の独善的選民思想が、堂々とまかり通っています。
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人口密集地に対する高性能爆弾の集中投下。この無差別爆撃を国際法に反する「戦争犯罪」として糾弾する動きも、すでに各国で見えてきています。日本では麻生首相も、オルメルト首相に電話を入れ「即時停戦」を要請して、ガザへの人道的支援の立場を表明したそうですね。あっぱれです。イスラエル側の言い分をオウム返しに繰り返す、ブッシュ政権とはえらい違いじゃありませんか。見直しました。
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国際世論全体の動向を見極めてからの行動、というのも賢明だった。何しろ、国連事務総長は再度イスラエルを非難し、その後の安保理での決議も「即時停戦」で一致した回答が出た後ですから、日本も堂々と米国とは一線を引いた良識ある立場を取れた。先回のソマリア海賊掃討戦線への参加と同様、麻生政権は国連の立場を尊重しているように看取できます。日本の対処に関しては、諸兄のご意見をそれぞれのブログで読むことといたします。
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昨年は、動乱が各地で勃発し経済は世界的に破綻。グローバルなスケールでの乱世に、確実に突入した感がありました。今年はその局地戦が、戦列を左右に分つような「大戦」に発展しかねない兆候を見せています。こうした危機にあっては、現時点で雪崩うってくる情報の海を航海する上で、過去の歴史の教訓と、識者の冷静な洞察力とが、新しい海域をわたっていくための指針となるでしょう。平和と安寧という大陸へたどりつくまで、お互いの情報を分かち合って、今年の難局を乗り切るパワーにしたいと思います。
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昨年もまた見も知らぬ皆さま方と、ブログという「本音のコミュニティ」を介して知り合え、情報を共有し意見を交換できましたことを、実に幸運だと実感しております。
今年もまた1年、皆さまがたのご健筆と、ご家族の健やかな日々をお祈り申し上げます。
2009年の年末には、右も左もなく、そろって笑顔で平和な記事が書けますように!

【米国時間2008年12月31日『米流時評』ysbee】2009年のワルキューレ/ブログの砦の同志たちへ_f0127501_6213945.jpg
*追 記: イスラエル・ガザ戦争に関しては、関連記事も写真も膨大な数を現在こなしている最中ですが、その間にも新しい進展のニュースが、毎時次々に入ってきており、予断を許しません。そんな状況なので、エントリーの順序が逆行したり、翻訳が後回しになったりしておりますが、なるべく実態に即した良心的な記事を紹介したいと思っておりますので、そのへんのクロノロジカルなタイムラグをご容赦いただけましたら幸いです。
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▶12/26「ガザ戦争 序章 イスラエルの最終戦争」へ
▶12/29 ガザ戦争-5「ガザ空爆エスカレート・死者364負傷者1400以上」へ
◀12/30 ガザ戦争-6「ガザの最終戦争宣告・全面戦争へ突入するイスラエル」へ
◀12/31 ガザ戦争-7「ガザ無差別爆撃はジェノサイド!抗議運動世界へ拡大」へ

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■ 必読 ■ 中東の歴史と現状を理解するために
米流時評 総論「ガザの悲劇」4千年の中東民族抗争


■ 特集 ■ ガザ・エクソダス
1/23 第1部 ガザの壁崩壊でパレスチナ人35万人エジプトへ越境
1/24 第2部 ポスト・ジェリコ ガザの壁崩壊が中東に及ぼす波紋
1/25 第3部 ガザ・ゲットー ガザの壁崩壊による窮乏からの脱出

■ 特集 ■ アナポリス中東平和会議 全4章
■ 特集 ■ 中東核戦争
「イランが危ない!」中東大戦争の可能性
「中東大戦争前夜?」急浮上するシリアとイスラエルの核紛争
1  戦争挑発行為?イスラエル爆撃機のシリア領空侵犯
2  中東核戦争の危機は本物か
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6-2 「2008年核戦争の冬」チェニーのウォープラン
6-3 復讐の世紀「核のアルマゲドン」中東戦争
6-4 暴かれた大謀略・ネオコンとイスラエルの中東「核の戦略」
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by ysbee-2 | 2009-01-01 10:45 | イスラエル・ガザ戦争
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